JP6592922B2 - 電池用包装材料 - Google Patents

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Description

本発明は、成形後の端部には波打ち形状が残存しておらず、シール不良の発生を効果的に抑制し得る電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていた。
一方、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような電池用包装材料は、生産ラインにおいては、一般に、帯状の積層フィルムとして製造され、これをロール状に巻き取った巻取体とされる。さらに、この巻取体から積層フィルムを巻き出し、巻き出し方向(長さ方向)に積層フィルムを切断して、所望の幅方向の長さを有する積層フィルムとして、再び巻き取られて、小さな巻取体として製品化される。
近年、電池用包装材料には、より一層の薄型化、軽量化が求められている。しかしながら、例えば、金属層の厚みが30μm以下程度にまで薄くなると、電池用包装材料の所謂「コシ」が小さくなり、前述のように巻き出し方向(長さ方向)に積層フィルムを切断すると、切断後の積層フィルムの端部が長さ方向に沿って波打った波打ち形状が生じやすくなる。
電池用包装材料は、電池素子を封入するための空間を形成するために、絞り成形などに供されるが、従来、切断後の電池用包装材料の端部に波打ち形状が存在すると、成形後にも波打ち形状が残り、電池用包装材料のシール不良の原因になるという問題がある。
特開2008−287971号公報
本発明の主な目的は、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順に積層された電池用包装材料であって、金属層の厚みが30μm以下と非常に薄い場合にも、成形後の端部に波打ち形状が残存せず、シール不良の発生を効果的に抑制し得る電池用包装材料を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順に積層された電池用包装材料であって、金属層の厚みは30μm以下であり、電池用包装材の幅方向の端部は、長手方向に沿って波打った波打ち形状を有しており、端部の波打ち形状を構成している山部と谷部の繰り返しにおいて、連続する2つの谷部の頂点p1,p2とを結ぶ直線距離aと、前記連続する2つの谷部の間に位置する山部の頂点qと前記直線とを結ぶ最短距離bとの比が、b/a≦2.0の関係を充足することにより、成形後の端部に波打ち形状が残存せず、シール不良の発生を効果的に抑制し得ることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順に積層された電池用包装材料であって、
前記金属層の厚みが30μm以下であり、
前記電池用包装材の幅方向の端部は、長手方向に沿って波打った波打ち形状を有しており、
前記端部の波打ち形状を構成している山部と谷部の繰り返しにおいて、連続する2つの谷部の頂点p1,p2とを結ぶ直線距離aと、前記連続する2つの谷部の間に位置する山部の頂点qと前記直線とを結ぶ最短距離bとの比が、b/a≦2.0の関係を充足する、電池用包装材料。
項2. 幅15mm及び長さ250mmの前記電池用包装材料の基材層を外側にしてループを形成し、当該ループの円周90mm、押し込み距離15mmの測定条件において測定される、前記電池用包装材料のループステフィネス値が、12.5g/15mm以下である、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記直線距離aが、0.1〜200.0mmの範囲にある、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記最短距離bが、0.1〜10.0mmの範囲にある、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料によれば、金属層の厚みが30μm以下と非常に薄いにもかかわらず、電池用包装材料の端部に形成された波打ち形状が上記特定の条件を充足していることにより、成形後において、当該端部の波打ち形状が残存せず、シール不良の発生を効果的に抑制し得る電池用包装材料のシール不良の発生を効果的に抑制することができる。
本発明の電池用包装材料の幅方向xの端部に波打ち形状が形成されていることを表す模式図であり、巻取体から巻き出された様子を表している。 図1のIIの領域の拡大図である。(A)は、連続する2つの谷部A1,A2の大きさが同じである場合、(B)は、谷部A1より谷部A2が小さい場合を示している。 本発明の電池用包装材料の成形の態様を説明するための模式図である。 本発明の電池用包装材料の積層構造を示す模式的断面図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順に積層された電池用包装材料であって、金属層の厚みは30μm以下であり、前記電池用包装材の幅方向xの端部は、長手方向に沿って波打った波打ち形状を有しており、前記端部の波打ち形状を構成している山部と谷部の繰り返しにおいて、連続する2つの谷部の頂点p1,p2とを結ぶ直線距離aと、前記連続する2つの谷部の間に位置する山部の頂点qと前記直線とを結ぶ最短距離bとの比が、b/a≦2.0の関係を充足することを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
本発明の電池用包装材料10は、図4に示すように、少なくとも、基材層1、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料10において、基材層1が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封(シール)することにより、電池素子が封止される。
本発明の電池用包装材料10は、例えば図4に示すように、基材層1と金属層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層2が設けられていてもよい。また、金属層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層(図示しない)が設けられていてもよい。
2.電池用包装材料の形状
本発明の電池用包装材料10は、図1及び図2に示すように、電池用包装材の幅方向xの端部が長手方向yに沿って波打った波打ち形状を有している。電池用包装材料10における波打ち形状は、通常、電池用包装材料をスリッターなどによって切断して形成される端部に発生する。従って、電池用包装材料10において、波打ち形状は、切断によって形成された端部であるか否かによって、一方側の端部のみに存在する場合もあるし、両端部に存在する場合もある。なお、図2は、図1のIIの領域の拡大図であり、図2の(A)は、連続する2つの谷部A1,A2の大きさが同じである場合、(B)は、谷部A1より谷部A2が小さい場合を示している。
電池用包装材料は、図3に示されるように、シーラント層側から基材層側に突出するようにして成形されたのち、シーラント層が熱融着されて、電池素子が電池用包装材料に封入される。当該成形は、例えば、略矩形状の雄型と、この雄型とクリアランスを有する雌型からなるストレート金型を用いて、雄型側にシーラント層4が位置するように雌型上に電池用包装材料を載置し、電池用包装材料を所定の圧力(面圧)で押さえることにより行うことができる。このような成形により、本発明の電池用包装材料10を基材層1側から平面視した際、電池用包装材料10には、略矩形状に突出した部分10aが形成される。また、成形によって、本発明の電池用包装材料10には、シーラント層4側に電池素子が収容される略直方体状の空間が形成される。
なお、電池素子を収容する空間は、本発明の電池用包装材料10を2つ用意し、シーラント層4同士を対向させた状態でシーラント層4を熱融着させることによって、2つの空間を併せた空間に電子素子を収容してもよい。また、本発明の電池用包装材料10と、上記のようなシート状の積層体とを用意し、シーラント層4同士を対向させた状態でシーラント層4を熱融着させることによって、1つの空間に電子素子を収容してもよい。電池用包装材料の成形深さとしては、好ましくは3.0mm以上、より好ましくは5.0〜10.0mm程度、さらに好ましくは5.0〜8.0mm程度が挙げられる。
本発明においては、図2の拡大図に示すように、端部の波打ち形状を構成している山部と谷部の繰り返しにおいて、連続する2つの谷部A1,A2(すなわち、1つの山部を挟んで形成された2つの谷部)の頂点p1,p2を結ぶ直線距離aと、前記連続する2つの谷部A1,A2の間に位置する山部Bの頂点qと前記直線とを結ぶ最短距離bとの比が、b/a≦2.0の関係を充足する。本発明においては、波打ち形状の任意の箇所において、当該b/a≦2.0の関係を充足する。なお、本発明の電池用包装材料において、成形前における波打ち形状の上記関係は、b/a>0.01となる。
電池用包装材料の端部にb/a>2.0となる波打ち形状が存在すると、成形後にも波打ち形状が残り、電池用包装材料のシール不良が発生しやすくなる。これに対して、本発明においては、電池用包装材料における端部の波打ち形状が、b/a≦2.0の関係を充足していることにより、成形後の端部には波打ち形状が残存しておらず、シール不良の発生を効果的に抑制し得る。本発明において、成形後における波打ち形状が残存しているか否かの評価においては、後述の実施例の方法によって成形した後の当該端部において、b/a≦0.01となっていれば、波打ち形状が残存していないと評価することができる。
成形後の端部に波打ち形状が残存することを効果的に抑制する観点からは、前述の直線距離aと最短距離bの関係としては、好ましくはb/a≦1.0、より好ましくはb/a≦0.1が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、前述の直線距離aとしては、好ましくは0.1〜200mm程度、より好ましくは1.0〜200mm程度、さらに好ましくは50〜200mm程度が挙げられる。
また、本発明の電池用包装材料において、前述の最短距離bとしては、好ましくは0.1〜10.0mm程度、より好ましくは0.1〜2.0mm程度、さらに好ましくは0.1〜1.0mm程度が挙げられる。
なお、直線距離a及び最短距離bは、それぞれ、電池用包装材料を平坦面の上にシーラント層4が下になるようにして静置し、デジタルノギスを用いて測定した値である。
本発明の電池用包装材料10において、電池用包装材料における端部の波打ち形状を上記のような特定の関係になるよう調整する方法は、特に制限されないが、例えば、スリッターを用いて電池用包装材料を長さ方向yに切断して波打ち形状を有する端部を形成する際、切断に使用する上刃と下刃のクリアランスの距離を調整するなど、切断条件を適宜設定する方法が挙げられる。より具体的な方法については、後述の製造方法の項目で詳述する通りである。
前述の通り、金属層3の厚みが30μm以下と非常に薄くなると、電池用包装材料としての所謂“コシ”も小さくなり、成形後にも端部に波打ち形状が残存しやすくなるという問題がある。このようなコシは、ループステフィネス値によって評価することができる。具体的には、電池用包装材料からループを作製し、当該ループの直径方向を押しつぶした際のロードによって、コシの強弱を評価することができる。本発明の電池用包装材料においては、幅15mm及び長さ250mmの電池用包装材料の基材層を外側にしてループを形成し、当該ループの円周90mm、押し込み距離15mmの測定条件において測定される、前記電池用包装材料のループステフィネス値が、12.5g/15mm以下である場合にも、電池用包装材料の端部に形成された波打ち形状が上記特定の条件を充足していることにより、成形後における端部への波打ち形状の残存を効果的に抑制することができる。ループステフィネス値の測定には、東洋精機株式会社製のループステフィネステスターを使用することができる。
本発明の電池用包装材料の総厚みとしては、特に制限されないが、例えば厚みが100μm以下、さらには80〜50μm程度である場合には、従来の電池用包装材料においては、成形後においても端部の波打ち形状が残存しやすいが、本発明においては、上記b/a≦2.0の関係を充足していることにより、成形後の端部の波打ち形状の残存が効果的に抑制されている。
3.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料10において、基材層1は、最外層に位置する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層1の形成素材として好適に使用される。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層1の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層1の形成素材として好適に使用される。
基材層1は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層1として好適に使用される。また、基材層1は、上記の素材を金属層3上にコーティングして形成されていてもよい。
これらの中でも、基材層1を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
基材層1は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルム及びコーティングの少なくとも一方を積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。また、接着剤を介して接着させる場合、使用する接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、UVやEBなどの電子線硬化型等のいずれであってもよい。接着剤の成分としてポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂が挙げられる。
基材層1の厚さとしては、例えば、10〜50μm程度、好ましくは15〜30μm程度が挙げられる。
[接着層2]
本発明の電池用包装材料10において、接着層2は、基材層1と金属層3を強固に接着させるために、これらの間に設けられる層である。
接着層2は、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂等が挙げられる。これらの接着成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの接着成分の中でも、好ましくはポリウレタン系接着剤が挙げられる。
接着層2の厚さについては、例えば、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μm程度が挙げられる。
[金属層3]
本発明の電池用包装材料10において、金属層3は、電池用包装材料10の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。
金属層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。金属層3にピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
本発明において、金属層3の厚みは、30μm以下である。前述の通り、金属層の厚みが30μm以下にまで薄くなると、電池用包装材料の所謂「コシ」が小さくなり、前述のように巻き出し方向(長さ方向)に積層フィルムを切断すると、切断後の積層フィルムの端部が長さ方向に沿って波打った波打ち形状が生じやすくなる。これに対して、本発明の電池用包装材料においては、電池用包装材料の端部に形成された波打ち形状が上記特定の条件を充足していることにより、成形後において、当該端部の波打ち形状が残存せず、シール不良の発生を効果的に抑制し得る電池用包装材料のシール不良の発生を効果的に抑制することができる。
金属層3の厚みとしては、30μm以下であれば特に制限されないが、電池用包装材料の総厚みをより一層薄くしつつ、成形後において、当該端部の波打ち形状が残存せず、シール不良の発生を効果的に抑制し得る電池用包装材料のシール不良の発生を効果的に抑制する観点からは、より好ましくは15〜25μm程度が挙げられる。
また、金属層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。なお、当該アミノ化フェノール重合体において、下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位は、1種類単独で含まれていてもよいし、2種類以上の任意の組み合わせであってもよい。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料10において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層4に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸でブロック重合又はグラフト重合することにより変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン;更に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
シーラント層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。更に、シーラント層4は、1層のみで成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上で形成されていてもよい。
また、シーラント層4の厚さとしては、適宜選定することができるが、10〜100μm程度、好ましくは15〜50μm程度が挙げられる。
[接着層]
本発明の電池用包装材料10において、接着層は、金属層3とシーラント層4を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層は、金属層3とシーラント層4とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層の形成に使用される接着剤について、その接着機構、接着剤成分の種類等は、前記接着層2の場合と同様である。接着層に使用される接着剤成分として、好ましくはポリオレフィン系樹脂、更に好ましくはカルボン酸変性ポリオレフィン、特に好ましくはカルボン酸変性ポリプロピレンが挙げられる。
接着層の厚さについては、例えば、2〜50μm、好ましくは20〜30μmが挙げられる。
4.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料10の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体を得た後、電池用包装材料10を長さ方向yに切断して形成される端面の波打ち形状が、上記の条件を充足する限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
まず、基材層1、接着層2、金属層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理された金属層3に接着層2の形成に使用される接着剤を、押出し法、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属層3又は基材層1を積層させて接着層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。
次いで、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を積層させる。金属層3上にシーラント層4を直接積層させる場合には、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、金属層3とシーラント層4の間に接着層を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aの金属層3上に、接着層及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの金属層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aの金属層3上に、接着層を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aの金属層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層を流し込みながら、接着層を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
上記のようにして、基材層1/接着層2/必要に応じて表面が化成処理された金属層3/必要に応じて設けられる接着層/シーラント層4からなる積層体が形成されるが、接着層2及び必要に応じて設けられる接着層の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃で1〜5分間が挙げられる。
上記で得られた積層体を、長さ方向yにスリッター等を用いて切断して、幅方向xの長さを所望の長さに調整することにより、本発明の電池用包装材料とすることができる。具体的には、上記で得られた積層体を、円柱状のコア管など周囲に巻取り、巻取体を得る。次に、得られた巻取体から積層体を巻き出し、上刃と下刃を有するシェアカット方式のスリッターなどを用いて、積層体を長さ方向yに切断することにより、所望の幅方向xの長さに調整された電池用包装材料が得られる。このとき、切断によって形成された端部は、長手方向yに沿って波打った波打ち形状となる。例えば、スリッターを用いて電池用包装材料を長さ方向yに切断して波打ち形状を有する端部を形成する際、切断に使用する上刃と下刃のクリアランスの距離を調整するなど、切断条件を適宜設定することにより、本発明における電池用包装材料の端部の波打ち形状を上記特定の関係に調整することができる。具体的には、上刃と下刃のクリアランスの距離としては、2mm以下とすることが特に好ましい。また、上刃が下刃に食い込んで重なる距離は、1mm以下とすることが特に好ましい。さらに、上刃の刃先度は、65℃以下とすることが特に好ましい。
本発明の電池用包装材料10において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
5.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料10は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料10で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層4同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料10を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料10を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料10のシーラント層4が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
なお、上述の通り、本発明の電池用包装材料10を2つ用意し、シーラント層4同士を対向させた状態でシーラント層4を熱融着させることによって、2つの空間を併せた空間に電子素子を収容してもよい。また、本発明の電池用包装材料10と、上記のようなシート状の積層体とを用意し、シーラント層4同士を対向させた状態でシーラント層4を熱融着させることによって、1つの空間に電子素子を収容してもよい。
本発明の電池用包装材料10は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料10が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料10の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。
<電池用包装材料の製造>
基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体に対して、サーマルラミネート法でシーラント層4を積層させることにより、基材層1/接着層2/金属層3/シーラント層4が順に積層された積層体からなる電池用包装材料10を製造した。電池用包装材料の具体的な製造条件は、以下に示す通りである。
実施例1−7及び比較例1−5において、基材層1及び金属層3は、それぞれ、表1に記載の樹脂フィルム、アルミニウム箔(アルミニウム合金)を用いた。基材層1の厚みは12μmであり、PET層/ナイロン層については、順に厚み12μm、15μmである。また、アルミニウム箔の厚みは、表1に記載の通りであり、アルミニウム箔は、東洋アルミニウム株式会社製のA8021である。なお、アルミニウム箔は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物(三価)、及びリン酸からなる処理液をロールコート法により金属層の両面にそれぞれ10mg/m2塗布(乾燥重量)し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより化成処理した。
まず、基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体を作製した。具体的には、基材層1の一方面に、ポリエステル系の主剤とイソシア系硬化剤の2液型ウレタン接着剤からなる接着層2を3μmとなるように形成し、金属層3の化成処理面と加圧加熱貼合し基材層1/接着層2/金属層3が順に積層された積層体を作製した。
また、別途、表1に記載の構成を有する2層共押出しフィルムからなるシーラント層4を準備した。それぞれのシーラント層4は、金属層側を構成する樹脂層と、最内層側を構成する樹脂層とを共押出することにより2層共押出しフィルムとした。表1中の酸変性PP(不飽和カルボン酸でグラフト変性した不飽和カルボン酸グラフト変性ランダムポリプロピレン)の厚みは、14μm、PP(ポリプロピレン(ランダムコポリマー))の厚みは、10μm、酸変性PE(不飽和カルボン酸でグラフト変性した不飽和カルボン酸グラフト変性ランダムポリエチレン)の厚みは、14μm、PE(ポリエチレン(ランダムコポリマー))の厚みは、10μmである。
次いで、前記で作製した基材層1/接着層2/金属層3からなる積層体の金属層に、前記で作製した2層共押出しフィルムの金属層側を構成する樹脂層が接するように重ねあわせ、金属層3が120℃となるように加熱してサーマルラミネーションを行うことにより、基材層1/接着層2/金属層3/シーラント層4が順に積層された積層体を得た。得られた積層体を一旦冷却した後に、180℃になるまで加熱し、1分間その温度を保持して熱処理を施すことにより、長さ200m、幅400mmの積層体を形成し、これを円柱状のコア管に巻き取った。
次に、得られた巻取体から積層体を巻き出し、幅方向xに均等に3分割されるようにして、上刃と下刃を有するシェアカット方式のスリッターを用いて積層体を切断し、幅方向xの長さが1/3となった実施例1−7及び比較例1−5の電池用包装材料の巻取体を得た。なお、実施例1−7の切断条件は、上刃と下刃のクリアランス距離を2mm以内に設定し、かつ上刃が下刃に食い込んで重なる距離を1mm以内に設定し、さらに、上刃は刃先角度が60°のものを使用することで、波打ちの形状を調整した。また、比較例1−5の切断条件は、上刃と下刃のクリアランス距離を2mm以上に設定し、かつ上刃が下刃に食い込んで重なる距離を1mm以上に設定し、さらに、上刃は刃先角度が85°のものを使用した。
<b/a値の測定>
実施例1−7及び比較例1−5で得られた巻取体のうち、切断による両端部が形成された巻取体から、電池用包装材料を巻き出し、当該電池用包装材料10を幅方向xに裁断して、長さ120×幅80mmの短冊片を作製した。この短冊片の1辺には必ずスリットの切断による端部が含まれていることとする。得られた短冊片を、シーラント層4が下向きとなるようにして平坦面の上に静置し、デジタルノギスを用いて直線距離a及び最短距離bを測定し、b/a値を算出した。結果を表1に示す。
<成形性後の外観評価>
上記でb/a値の測定を測定したスリットの切断による端部が含まれた短冊片をそれぞれ10枚ずつサンプルとし、実施例1−7及び比較例1−5の巻取体から得られた各サンプルについて、成形後の外観評価を行った。50×90mmの矩形状の雄型とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型からなるストレート金型を用い、雄型側にサンプルのシーラント層側が位置するように雌型上に上記サンプルを載置し、0.4MPaの押え圧(面圧)で押えて、深さ5.0mmで冷間成形(引き込み1段成形)した。成形後に、10枚全てのサンプルの端部に波打ち形状が残存していなかった場合を外観が良好(〇)、波打ち形状が残存していた場合を外観が不良(×)と評価した。なお、成形後における波打ち形状の残存の有無は、成形後のサンプルについて、上記の<b/a値の測定>と同様にして、b/a値を測定し、b/a<0.01であった場合を、波打ち形状が残存していないと評価し、b/a≧0.01であった場合を、波打ち形状が残存していると判断した。結果を表1に示す。
なお、金属層の厚みを40μmとしたこと以外は、上記の実施例と同様にして電池用包装材料を製造し、上記実施例と同様の切断条件にてスリットを行ったが、波打ち形状は生じなかった。
<シール性評価>
上記で実施した成形性後の外観評価にて使用した冷間成形後のサンプルと、そのサンプルと同じ層構成のシート(未成形)を使用し、成型した空間に純水を1000ppm加えた電解液(1M LiPF6 となるようにしたエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート(1:1:1))を3mg封入し、冷間成形後のサンプルとそのサンプルと同じ層構成のシートの周縁部のシーラント面同士が合わさるように、成型部の四方をシールした。富士インパルス社製のシール機を用いて、シール幅10mmヘッドで190℃3秒間シールした。85℃の恒温槽に投入し、3日経過後、中の電解液を取り出してシール部を15mmに裁断し、島津製作所製のオートグラフで引っ張り試験(300mm/min)を行い、シール強度を測定した。シール強度が30N/15mm以上を『○』、30N/15mm以下を『×』、と評価した。結果を表1に示す。
<ループスティフネス値の測定>
実施例1−7及び比較例1−5で得られた巻取体のうち、切断による両端部が形成された巻取体から、電池用包装材料を巻き出し、長さ方向250mm、幅方向15mmの試験片(両端部に波打ち形状が存在していない)を作製した。次に東洋精機株式会社製のループスティフネステスターを用い、電池用包装材料の基材層を外側にしてループを形成し、当該ループの円周90mm、押し込み距離15mmの測定条件において、ループスティフネス値を測定した。結果を表1に示す。なお、ループスティフネス値が大きい程、電池用包装材料の所謂“コシ”が大きいといえる。
なお、表1中、PETは、ポリエチレンテレフタレート、PBTは、ポリブチレンテレフタレート、PPはポリプロピレン、PEはポリエチレンを意味する。
1 基材層
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層
10 電池用包装材料
A1,A2 谷部
B 山部
p1,p2 谷部の頂点
q 山部の頂点
a 連続する2つの谷部の頂点p1,p2とを結ぶ直線距離
b 連続する2つの谷部の間に位置する山部の頂点qと前記直線とを結ぶ最短距離
x 幅方向
y 長さ方向(長手方向)
z 厚み方向

Claims (7)

  1. 少なくとも、基材層、金属層、及びシーラント層が順に積層された電池用包装材料であって、
    前記金属層の厚みが30μm以下であり、
    前記電池用包装材の幅方向の端部は、長手方向に沿って波打った波打ち形状を有しており、
    前記端部の波打ち形状を構成している山部と谷部の繰り返しにおいて、連続する2つの谷部の頂点p1,p2とを結ぶ直線距離aと、前記連続する2つの谷部の間に位置する山部の頂点qと前記連続する2つの谷部の頂点p1,p2を結ぶ直線とを結ぶ最短距離bとの比が、b/a≦2.0、かつ、b≦2.0mmの関係を充足する、電池用包装材料。
  2. 幅15mm及び長さ250mmの前記電池用包装材料の基材層を外側にしてループを形成し、当該ループの円周90mm、押し込み距離15mmの測定条件において測定される、前記電池用包装材料のループステフィネス値が、12.5g/15mm以下である、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記直線距離aが、0.1〜200.0mmの範囲にある、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記最短距離bが、0.1〜1.0mmの範囲にある、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記基材層と前記金属層との間に接着層が積層されてなる、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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