JP4890496B2 - 鋼板トリム代設計支援装置、鋼板トリム代設計支援方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

鋼板トリム代設計支援装置、鋼板トリム代設計支援方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援する鋼板トリム代設計支援装置、鋼板トリム代設計支援方法、プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、トリム代過小によるトリム異常発生やトリム代過大による歩留まり低下が生じにくいトリム代の設計に用いて好適な技術に関する。
一般に、鋼板製造工場に於いて鋼板を製造する場合には、熱間圧延工程、酸洗工程、冷間圧延工程、連続焼鈍工程等の複数の製造工程での処理を経て製造する。この場合、顧客の要望する板幅の製品を得る為に、酸洗工程や連続焼鈍工程に於いてトリム処理を行うことが多い。熱間圧延工程では板幅の造り込み制御を行うことが可能であるが、熱間圧延出側板幅が狙い板幅から変動すること、また、熱間圧延工程を出た後の、冷間圧延工程、連続焼鈍工程等の下工程に於いて、板幅の広がり、縮み等の板幅変化が生じ、各製造工程の製造条件によってその広がり幅、縮み幅が異なることから、熱間圧延工程の板幅造り込みのみで、製品板幅を高精度に作り込むことが難しい為である。
トリム処理に於いては、トリム処理後の板幅であるトリム板幅に対して、トリム工程入側の板幅が十分広くない場合、即ち切り代(トリム代)が過小の場合には、安定したトリム処理を行うことが難しくなり、予定したトリム処理速度から減速し、より低速での処理を行うことが必要になる。従って、製造スループットの低下が生じる。ここでは、トリム工程入側の板幅過小による減速をトリム減速と呼び、トリム減速が必要となる板幅を減速必要板幅と呼ぶ。即ち、トリム工程入側の板幅が減速必要板幅以上であれば、トリム減速は不要であるが、トリム工程入側の板幅が減速必要板幅を下回ると、トリム減速が必要となる。また、トリム工程入側の板幅が更に小さくなると、低速でもトリム処理を行うことが不可能となり、生産予定上の板幅での製品製造が不可能となり、製造した鋼板の、他の注文品への振り替えや屑化が必要となり、これが大きなコスト増加要因となる。ここでは、トリム工程入側板幅過小によりトリム処理が不可能になることをトリム不可と呼び、トリム不可が生じる板幅をトリム不可板幅と呼ぶ。即ち、トリム工程入側の板幅がトリム不可板幅以上であれば、トリム不可は生じないが、トリム工程入側の板幅がトリム不可板幅を下回ると、トリム不可が生じる。
トリム減速やトリム不可が生じる場合には、トリム処理が当初の予定通り実施できなくなるので、トリム減速もトリム不可もトリム異常と呼ばれる。減速必要板幅からトリム板幅を差し引いた値は、トリム異常の一種であるトリム減速が生じない最小トリム代であり、トリム不可板幅からトリム板幅を差し引いた値は、同様にトリム異常の一種であるトリム不可が生じない最小トリム代である。最小トリム代が小さいほど、トリム工程入側の板幅が変動してもトリム異常が生じにくくなるので、最小トリム代の値がトリム工程能力を示す指標となる。
熱間圧延工程に於いて狙い板幅は、製品板幅に、安定したトリム処理を行うのに必要な十分なトリム代を加え、更に、下工程での板幅変化の見込み値を考慮して決定する必要がある。ここでいうトリム代は、実績板幅から結果的に決まるトリム代実績値ではなく、設計時点のトリム代なので、特に区別が必要な場合はトリム代設計値と呼ぶ。また、適切なトリム代設計値を指定することで、熱間圧延工程の狙い板幅を決定することをトリム代設計と呼ぶ。トリム代設計に於いて、トリム代設計値が十分大きい場合には、大きな板幅変化が生じた場合にもトリム減速が必要になることがなく、安定したトリム処理を行うことが可能であるが、トリムされた板幅両端部分は屑となる為、歩留まりの低下とそれによるコスト増加が生じる。従って、あまりトリム代設計値を大きくすると、歩留まり低下とそれによるコスト増加が大きくなり、そのような状態はトリム代過大であると言える。逆に、トリム代設計値を小さくした場合には、歩留まり向上とそれによるコスト低減が可能となるが、トリム代設計値をあまり小さくすると、大きな板幅変化が生じた場合にトリム代が過小となり、トリム減速によるトリム処理スループット(以降、単に「スループット」と呼ぶ)低下や、トリム不可によるトリム処理コスト(以降、単に「コスト」と呼ぶ)増加が生じる恐れが高くなる。即ち、熱間圧延工程出側板幅の狙い板幅に対する制御精度や、下工程に於ける板幅変化の推定精度を高めた上で、トリム代過小によるトリム異常発生やトリム代過大による歩留まり低下が生じにくい適切なトリム代設計を行うことが求められる。
このような状況に対して例えば、熱間圧延工程出側板幅を正確に予測し、予測板幅が次工程最小板幅を下回っていれば熱間圧延工程狙い板幅を変更する方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、対象とする鋼板の成分実績や熱間圧延の製造実績条件の、予定値からの変化に対して、下工程での幅縮み量予測を修正し、下工程の製造条件を変更することで、製品の板幅変動を低減する方法が開示されている(特許文献2参照)。
一方、過去の操業実績に於けるトリム工程入側板幅実測値からトリム代実績値を計算し、安定してトリム作業を実施する為に予め設定された最小トリム代との大小比較から操業トラブル発生の可能性を評価し、トリム歩留まりと操業トラブル発生とのバランスを考えて、熱間圧延工程狙い板幅を変更する方法が開示されている(特許文献3参照)。
中込照明、"ノンパラメトリック統計−原理から実践まで−"、EDIXi出版部(2006) 特開平9−57315号公報 特開平11−188404号公報 特開2003−205306号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の方法は、途中工程までの操業実績から実績板幅を予測し、以降の製造条件を変更することで製品板幅の変動を抑制しようとするもので、生産計画作成時点に於けるトリム代設計についての指針を与えるものではない。
また、特許文献3の方法は、トリム代設計の指針を与えるものではあるが、実績板幅データから、トリム代実績値と最小トリム代との偏差量である板幅余裕値を鋼板毎に計算し、該板幅余裕値の複数鋼板についての平均値と標準偏差σという2つの統計量から、板幅余裕値が取りうる値の確率的な分布を予想し、トリム異常発生確率とトリム歩留まりのバランスを考慮して、トリム代設計値を、即ち、熱間圧延工程狙い板幅を変更するものである。
平均値と標準偏差σという統計量から確率的な分布を予想することは、実績データの数が十分多く、且つ、その分布が正規分布であるとみなせる場合には、精度も高く有効である。熱間圧延工程に於ける出側板幅の変化や、下工程に於ける板幅変化は、鋼種、製品寸法(板厚、板幅)等によって異なったものになるので、トリム代設計も、鋼種毎に例えば製品板厚0.2[mm]刻み、製品板幅400[mm]刻み毎等の区分に分けて、それぞれの区分毎に別個に行うことが一般的である。その場合、区分毎には必ずしも十分多くの実績板幅データが収集されていないこともあり、正規分布としての取り扱いが適切ではない場合も多い。例えば、正規分布を仮定した場合には、板幅余裕値が平均値±3σの範囲を外れる確率は0.3%以下と推定されるので、実質的には平均値−3σの値を板幅余裕値の予測される最小値であると見なして差し支え無く、このように予測される板幅余裕最小値が正の値である場合には、この正の値の分だけ熱間圧延工程狙い板幅を小さくする、即ちトリム代設計値を小さくしても、トリム異常が発生する確率は非常に小さいと期待できる。しかしながら、板幅余裕値の分布が正規分布から外れる場合に、同様の方法でトリム代設計を行うと、予想される最小値を下回る板幅余裕値の鋼板によって、想定外のトリム異常が発生することが起こりうる。
そこで本発明の目的は、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板の、トリム代過小によるトリム異常発生やトリム代過大による歩留まり低下が生じにくいトリム代の設計を支援する技術を提供することである。
本発明の鋼板トリム代設計支援装置は、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援する鋼板トリム代設計支援装置であって、各製造工程の実績板幅データを取り込んで収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積手段と、前記実績板幅データ収集蓄積手段に蓄積された実績板幅データと、鋼板製造工場のトリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力とに基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算手段と、生産予定を入力する入力手段と、前記実績板幅余裕値計算手段により複数の鋼板の実績板幅データについて計算された前記板幅余裕値と、前記入力手段により入力された生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測手段と、前記板幅余裕最小値予測手段により予測された板幅余裕最小値に基づいて、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定手段と、前記板幅余裕最小値予測手段により予測された板幅余裕最小値及び前記トリム代決定手段により決定されたトリム代設計値の出力を行う出力手段と、を具備することを特徴とする。
本発明の鋼板トリム代設計支援方法は、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援する鋼板トリム代設計支援方法であって、各製造工程の実績板幅データを取り込んで収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積ステップと、前記実績板幅データ収集蓄積ステップで蓄積された実績板幅データと、鋼板製造工場のトリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力とに基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算ステップと、生産予定を入力する入力ステップと、前記実績板幅余裕値計算ステップで複数の鋼板の実績板幅データについて計算された前記板幅余裕値と、前記入力ステップで入力された生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測ステップと、前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値に基づいて、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定ステップと、前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値及び前記トリム代決定ステップで決定されたトリム代設計値の出力を行う出力ステップと、からなることを特徴とする。
本発明のプログラムは、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援するプログラムであって、各製造工程の実績板幅データを取り込んで収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積ステップと、前記実績板幅データ収集蓄積ステップで蓄積された実績板幅データと、鋼板製造工場のトリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力とに基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算ステップと、生産予定を入力する入力ステップと、前記実績板幅余裕値計算ステップで複数の鋼板の実績板幅データについて計算された前記板幅余裕値と、前記入力ステップで入力された生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測ステップと、前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値に基づいて、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定ステップと、前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値及び前記トリム代決定ステップで決定されたトリム代設計値の出力を行う出力ステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記に記載の本発明のプログラムを記録したことを特徴とする。
本発明によれば、各製造工程より収集した実績板幅データから、トリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力に基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算し、複数の鋼板の実績板幅データについて計算されたこの板幅余裕値と製品の生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測することで、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板の、トリム代過小によるトリム異常発生やトリム代過大による歩留まり低下が生じにくいトリム代の設計を支援する技術を実現することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。現実のトリム代設計に於いては、トリム代を任意の値に設定することは管理業務の負荷を煩雑にするので、一定値、例えば1.0[mm]刻みに設定することが一般的である。以降の説明では、トリム代を1.0[mm]刻みに設定する場合を前提とするが、他の値、例えば0.5[mm]刻み等で設定する場合でも、考え方や手順は全く同じである。
図1は、本発明の実施の形態として、複数の工程、即ち、板幅造り込み工程、板幅変化工程、及びトリム工程から構成される鋼板製造工場における、鋼板トリム代設計支援装置の概要を示す構成図である。また、図2は、図1に示す鋼板トリム代設計支援装置を用いて行う鋼板トリム代設計支援方法の一例を示すフローチャートである。以下、図1及び図2を用いて説明する。トリム処理は、酸洗工程で行う場合と、連続焼鈍工程で行う場合が主に存在するが、ここでは連続焼鈍工程でトリム処理を行う場合を例にとる。従って、図1における板幅造り込み工程は熱間圧延工程を表し、板幅変化工程としては酸洗工程、冷間圧延工程、及び連続焼鈍工程のトリム装置手前までの部分を合わせて1つの工程として示している。また、トリム工程は連続焼鈍工程のトリム装置以降を表すものとする。酸洗工程でトリム処理を行う場合も、考え方や手順は基本的に同じである。
図1に於いて、実績板幅データ収集蓄積部101は、これまでに指定されているトリム代によって製造を行った鋼板についての実績板幅データを収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積手段である。実績板幅余裕値計算部102は、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算手段である。
入力部103は、生産予定を入力する入力手段である。板幅余裕最小値予測部104は、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測手段である。トリム代決定部105は、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定手段である。出力部106は、予測された板幅余裕最小値及び決定されたトリム代設計値の出力を行うための出力手段である。
次に、図2を用いて鋼板トリム代設計支援処理の一例を説明する。まずステップS201に於いて、従来指定されているトリム代によって製造を行った鋼板についての実績板幅データを、実績板幅データ収集蓄積部101によって収集及び蓄積する。この際、なるべく多くの鋼種、多くの寸法(板厚、板幅)の鋼板に関する実績板幅データを収集しておく。
実績板幅データ収集蓄積部101によって収集する実績板幅データとしては、板幅計測装置等で計測した板幅計測値を、他の製造実績データ、例えば作業開始/終了時刻、トリム処理速度、鋼種、板厚等のデータと共に収集する。これらのデータは、直接的にはプロセス制御用計算機や、品質管理用計算機にて収集されることが一般的であり、本装置におけるデータ収集としては、これら計算機からネットワークを介してデータを受領することが可能である。図3に、収集された実績板幅データの一例を示す。また、減速必要板幅やトリム不可板幅は、鋼種、サイズや設備仕様にもよるが、また、図3に図示されてはいないが、それぞれ、トリム板幅「+15[mm]」程度、トリム板幅「+10[mm]」程度であることが一般的である。
実績板幅データが十分に収集された後には、ステップS202に於いて、トリム工程能力(図2中、2000)を考慮した上で、実績板幅余裕値計算部102によって、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する。なお、トリム工程能力については、本装置に於いて予め記憶されているものとする。板幅余裕値は、図3に示すように、トリム工程入側実績板幅の、鋼板長手方向最小値から、減速必要板幅或いはトリム不可板幅を差し引いた値として求めることができる。
トリム代設計は、鋼種、製品板厚区分、製品板幅区分によって分けられる区分毎に行う。ここでは、この区分をトリム区分と呼ぶ。実績板幅データから計算される板幅余裕値も、それぞれのトリム区分毎に仕分けて、分布を集計する。図4に、板幅余裕値の度数分布の例を示す。これは、実績板幅データが4個だけ収集されている区分について、減速必要板幅を基準にした板幅余裕値の度数分布を0.5[mm]刻みで集計したものである。4個の実績データの板幅余裕値自体を小さい順に示すと、(3.8, 5.0, 6.1, 6.8)である。実際にトリム代設計を行う場合には、このように実績データの数が少ない区分について行うことは極力避けるべきであるが、ここでは、本手法の特徴をより明確に示す為に、このような極端に実績データ数が少ない場合を例に取る。
図2に戻り、トリム代を決定したい対象鋼板の生産予定が確定したら、ステップS203に於いて、入力部103によって、生産予定を入力する。ここで、生産予定に関するデータは、図1中に表示されない生産管理用計算機に保存されており、ネットワークを介して入力することが可能である。入力する項目としては、各鋼板のトリム代決定に関連する項目、具体的には、鋼種、製品寸法(板厚、板幅)、重量等の情報を入力する。
生産予定が入力されたら、ステップS204に於いて、板幅余裕最小値予測部204によって、トリム代を決定したい対象鋼板が属するトリム区分の板幅余裕最小値の予測を行う。図4に示したトリム区分を例に、以下にその手順を説明する。前述のように、当該区分に属する実績データの数が十分多く、正規分布を仮定できる場合には、平均値と標準偏差σを用いて、今後生産される予定の鋼板の板幅余裕値の分布や、その最小値を精度良く予測することが可能である。しかしながら、当該区分に属する実績データの数が少ない場合も多く、そのような場合に、より精度良く板幅余裕最小値を予測する為に、新たにノンパラメトリック統計を用いた最小値予測手法を考案した。
ノンパラメトリック統計とは、データの数が少なく、分布を平均値や標準偏差等の適当なパラメータで表現する(このような場合に用いられる統計を、対比する場合にはパラメトリック統計と呼ぶ)ことが適切ではない場合に用いられる手法である。典型的な例として、2群のデータが、統計的ばらつきを超えて有意に異なるものであるかどうかを検定する(例えば、ある薬を投与した患者群と投与しない患者群の、その後の検診データから、薬の効果の有無を検定する)場合のように、検定手法として、即ちノンパラメトリック検定として用いられるのが基本である。詳細は、非特許文献1等を参照されたい。
以下にその手順を説明する。まず、得られている少数(n個とする。図4の例ではn=4である。)の実績データについての板幅余裕値のデータX
X=(x1,x2,・・・,xi,・・・,xn
に対して、値cだけずらしたデータXcの分布を考える。
c=(x1−c,x2−c,・・・,xi−c,・・・,xn−c)
ここで、c=0[mm]とした場合には、2群のデータXとXcは全く同一の分布を示すので、ノンパラメトリック検定を行うと、データXとXcには統計的な有意差は無いという結論が得られる。次にc=1[mm]として、2群のデータXとXcの分布に相対的な値のずれを与えて、同じように検定を行う。cの値を増加させながら同じ操作を繰り返し、2群のデータX、Xcに有意差が無いと考えられるcの値の最大値を求め、それをcmaxとする。本例では板幅余裕最小値を予測することを目的としているが、板幅余裕最大値を予測したい場合には、同じ手順で、c=−1[mm]から順に値を小さく取り、データX、Xcに有意差が無いと考えられるcの値の最小値を求め、それをcminとする。即ち、2群のデータX、Xcに有意差が無いと考えられるcの値の範囲を推定する区間推定の問題とする。推定された区間を[cmin、cmax]とすると、Xc=X−cmaxのうちの最小値、即ちx1−cmaxは、元々の板幅余裕値のデータXの分布が、統計的なばらつきの範囲で取る可能性がある最小値であり、これが板幅余裕最小値の予測結果である。同様に、板幅余裕最大値の予測結果は、Xc=xn−cminである。図4で示した実績データに対して、5%有意水準で予測した結果を、正規分布を仮定して計算した、平均値±2σ(この値の範囲を外れる確率は約4.5%である)、平均値±3σ(この値の範囲を外れる確率は約0.3%である)と比較して表1に示す。
Figure 0004890496
本手法による板幅余裕最小値の予測結果は0.8[mm]である。正規分布を仮定した平均値±2σによる予測は、この範囲を外れる確率が約4.5%と、本手法で用いた有意水準5%とほぼ同等の値であるが、平均値−2σを予測最小値と見なした場合の2.8[mm]よりは小さな値を本手法で予測しているばかりでなく、平均値−3σの値よりも小さな値を予測している。これは、本例の板幅余裕値の分布が正規分布から大きく外れている為に、平均値と標準偏差から予測されるよりは小さな値を最小値として取り得る可能性を示すものである。
板幅余裕最小値の予測ができたら、次にステップS205に於いて、トリム代決定部105によって、対象鋼板のトリム代を決定する。実績板幅データから計算される板幅余裕値は、図3に示すように、減速必要板幅を基準とする場合とトリム不可板幅を基準とする場合がある。ここで、トリム設計に於いて管理したいトリム異常がトリム減速である場合は、減速必要板幅を基準として板幅余裕値を計算する必要がある。また、トリム設計に於いて管理したいトリム異常がトリム不可である場合は、トリム不可板幅を基準として板幅余裕値を計算する必要がある。トリム設計に於いて管理したいトリム異常が、トリム減速とトリム不可の両方である場合は、減速必要板幅を基準とした板幅余裕値とトリム不可板幅を基準とした板幅余裕値の両方を計算する。以下では、トリム減速を管理する場合を例に、減速必要板幅を基準とした板幅余裕値を計算する場合について説明するが、トリム不可を管理する場合も考え方や手順は基本的に同じである。
表1に於いて、有意水準5%で予測した板幅余裕最小値が0.8[mm]である。従って、トリム代設計値を現状の値から0.8[mm]減少させても、トリム減速が生じる可能性を5%以下に抑えたトリム作業が実現されることが期待できる。一般に、もし予測される板幅余裕最小値が、Xr[mm]である場合には、トリム代設計値を、現状の値に対してXr[mm]だけ減少させることが可能であり、その結果、板幅余裕最小値は0.0[mm]に減少することが予想されるが、その場合にも、トリム減速が生じる可能性が5%以下となることが期待できる。但し、トリム代設計値を1.0[mm]刻みに設定する場合には、本事例では、トリム代設計値は現状の値のままが良いということになる。
前記手順を自動的に行うには、トリム代を1.0[mm]刻みに設定する場合を例に取ると、トリム代減少の基準値を1.0[mm]、トリム代増大の基準値を0.0[mm]と予め決めておき、予測される板幅余裕最小値がトリム代減少の基準値以上の場合には、トリム代設計値を減少させ、予測される板幅余裕最小値がトリム代増大の基準値未満の値である場合には、トリム代設計値を増大させるのが良い。より具体的には、板幅余裕最小値:Xr[mm]が基準値である1.0[mm]以上の値である場合には、Xr[mm]の小数点以下を切り捨てた値だけトリム代設計値を減少さえることによって、トリム代設計値変更後の板幅余裕最小値が0.0[mm]から1.0[mm]の間の値となることが期待される。例えば、板幅余裕最小値Xrが1.5[mm]である場合には、トリム設計値を1.0[mm]減少させることによって、トリム設計値変更後には、板幅余裕最小値が0.5[mm]になることが期待される。また、板幅余裕最小値:−Xr[mm]が0.0[mm]未満の値である場合には、Xr[mm]の小数点以下を切り捨てた値+1.0[mm]だけトリム代設計値を増大させることによって、同様に、トリム代設計値変更後の板幅余裕最小値が0.0[mm]から1.0[mm]の間の値となることが期待される。例えば、板幅余裕最小値Xrが−0.5[mm]である場合には、トリム設計値を1.0[mm]増大させることによって、トリム設計値変更後には、板幅余裕最小値が0.5[mm]になることが期待される。
生産スループットに余裕が無く、トリム減速発生を厳しく抑制したい場合には、トリム代増大の基準値を1.0[mm]よりは大きな値とし、基準値を超えた時のトリム代設計値の減少幅も小さくすることによって、トリム代設計値変更後の板幅余裕値も、より大きな値になることが期待できる。例えば、トリム代増大の基準値を2.0[mm]とし、基準値を超えた時のトリム代設計値減少の幅を、Xr[mm]の小数点以下を切り捨てた値−1.0[mm]とすれば、トリム代設計値変更後の板幅余裕最小値が1.0[mm]から2.0[mm]の間の値となることが期待される。
また、同じくトリム減速発生を厳しく抑制したい場合に、前述のようにトリム代設計値の変更幅を変えるのではなく、板幅余裕最小値の予測を、有意水準値5%ではなく、より小さな値で行っても良い。例えば、有意水準1%にて板幅余裕最小値を計算し、その計算結果に従ってトリム代設計値を計算すれば、トリム減速が生じる可能性が1%以下となることが期待できる。
ステップS206に於いて、出力部106によって、得られた計算結果(予測された板幅余裕最小値及び決定されたトリム代設計値)が画面表示等で表示される。そして、キーボード等の操作によって、決定されたトリム代が各製造工程の生産管理用計算機等に出力される。
図5は、上述したトリム代決定支援装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。図5に於いて、500はコンピュータPC(以下、PC)である。PC500は、CPU501を備え、ROM502又はハードディスク(HD)511に記憶された、或いはフレキシブルディスクドライブ(FD)512より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行し、システムバス504に接続される各デバイスを総括的に制御する。上記PC500のCPU501、ROM502又はハードディスク(HD)511に記憶されたプログラムにより、本実施の形態の各機能手段が構成される。
503はRAMで、CPU501の主メモリ、ワークエリア等として機能する。505はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)509から入力される信号をシステム本体内に入力する制御を行う。506は表示コントローラ(CRTC)であり、表示装置(CRT)510上の表示制御を行う。507はディスクコントローラ(DKC)で、ブートプログラム(起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラム)、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)511、及びフレキシブルディスク(FD)512とのアクセスを制御する。
508はネットワークインタフェースカード(NIC)で、LAN513を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或いは他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
(実施例)
以下、本発明の鋼板トリム代設計支援装置を実際に使用した実施例を説明する。本例で取り上げたトリム区分の実績板幅データから計算された、減速必要板幅を基準に計算された板幅余裕値の度数分布を図6に示す。このトリム区分に属する実績データの個数は11個であり、計算された板幅余裕値を小さい順に示すと、(1.3, 2.4, 2.5, 3.0, 3.4, 3.9, 4.1, 4.3, 4.4, 5.6, 5.7)である。板幅余裕値の度数分布は図6に示す通りである。5%有意水準で予測した結果を、正規分布を仮定して計算した、平均値±2σ、平均値±3σと比較して表2に示す。
Figure 0004890496
トリム減速が5%程度の可能性で生じることは許容できるという判断から、当初は、平均値−2σの計算結果を基に、トリム代設計値を1[mm]縮小しようと計画したが、本手法による予測結果から、現状のトリム代設計値を縮小させることによるトリム減速の多発が懸念される一方、現状のトリム代設計値を増加させなくても、トリム減速が多発することは無いとの判断から、現状のトリム代設計値を変更せず、同じトリム代設計値で生産を行うことに決定した。その後の生産実績から、本区分に属する鋼板の板幅余裕値が1.0[mm]未満となるものが10%強となっており、許容範囲を超えるトリム減速発生を未然に防ぐと共に、過剰なトリム代による歩留まり低下も防ぐことができた。
このように、本発明を適用することにより、トリム代過小によるトリム異常発生やトリム代過大による歩留まり低下が生じにくいトリム代の設計をすることが可能となる。
ここで、本発明の目的は前述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
本発明は、鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板の、トリム代過小によるトリム異常発生やトリム代過大による歩留まり低下が生じにくいトリム代の設計に利用される。
本発明の実施の形態に係るトリム代設計支援装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るトリム代設計支援装置における処理を説明するためのフローチャートである。 本発明の実施の形態に係るトリム代設計支援装置に於いて収集された実績板幅データの一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るトリム代設計支援装置に於いて収集された実績板幅データから計算された、板幅余裕値の度数分布を示す図である。 本発明の実施の形態に係るトリム代設計支援装置を構成可能なコンピュータシステムの一例を示すブロック図である。 本発明の実施例に係るトリム代設計支援装置に於いて収集された実績板幅データから計算された、板幅余裕値の度数分布を示す図である。
符号の説明
101 実績板幅データ収集蓄積部
102 実績板幅余裕値計算部
103 入力部
104 板幅余裕最小値予測部
105 トリム代決定部
106 出力部
2000 トリム工程能力
S201 実績板幅データ収集蓄積ステップ
S202 実績板幅余裕値計算ステップ
S203 入力ステップ
S204 板幅余裕最小値予測ステップ
S205 トリム代決定ステップ
S206 出力ステップ
500 コンピュータPC(PC)
501 CPU
502 ROM
503 RAM
504 システムバス
505 キーボードコントローラ(KBC)
506 表示コントローラ(CRTC)
507 ディスクコントローラ(DKC)
508 ネットワークインタフェースカード(NIC)
509 キーボード(KBC)
510 表示装置(CRT)
511 ハードディスク(HD)
512 フレキシブルディスクドライブ(FD)
513 LAN

Claims (7)

  1. 鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援する鋼板トリム代設計支援装置であって、
    各製造工程の実績板幅データを取り込んで収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積手段と、
    前記実績板幅データ収集蓄積手段に蓄積された実績板幅データと、鋼板製造工場のトリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力とに基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算手段と、
    生産予定を入力する入力手段と、
    前記実績板幅余裕値計算手段により複数の鋼板の実績板幅データについて計算された前記板幅余裕値と、前記入力手段により入力された生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測手段と、
    前記板幅余裕最小値予測手段により予測された板幅余裕最小値に基づいて、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定手段と、
    前記板幅余裕最小値予測手段により予測された板幅余裕最小値及び前記トリム代決定手段により決定されたトリム代設計値の出力を行う出力手段と、を具備することを特徴とする鋼板トリム代設計支援装置。
  2. 前記トリム異常が、トリム工程入側板幅の過小によるトリム処理速度低下、及びトリム工程入側板幅の過小により生産予定上の板幅でのトリム処理が不可能となることであることを特徴とする請求項1に記載の鋼板トリム代設計支援装置。
  3. 前記板幅余裕最小値予測手段は、ノンパラメトリック統計を用いて板幅余裕最小値を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の鋼板トリム代設計支援装置。
  4. 前記トリム代決定手段は、前記板幅余裕最小値予測手段により予測された板幅余裕最小値が予め決められた基準値以上の値である場合にトリム代設計値を減少させて、予め決められた基準値未満の値である場合にトリム代設計値を増大させることにより前記トリム代設計値を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鋼板トリム代設計支援装置。
  5. 鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援する鋼板トリム代設計支援方法であって、
    各製造工程の実績板幅データを取り込んで収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積ステップと、
    前記実績板幅データ収集蓄積ステップで蓄積された実績板幅データと、鋼板製造工場のトリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力とに基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算ステップと、
    生産予定を入力する入力ステップと、
    前記実績板幅余裕値計算ステップで複数の鋼板の実績板幅データについて計算された前記板幅余裕値と、前記入力ステップで入力された生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測ステップと、
    前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値に基づいて、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定ステップと、
    前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値及び前記トリム代決定ステップで決定されたトリム代設計値の出力を行う出力ステップと、からなることを特徴とする鋼板トリム代設計支援方法。
  6. 鋼板製造工場に於いて、複数の製造工程での処理を経て生産される鋼板のトリム代の設計を行う鋼板トリム代設計作業を支援するプログラムであって、
    各製造工程の実績板幅データを取り込んで収集及び蓄積する実績板幅データ収集蓄積ステップと、
    前記実績板幅データ収集蓄積ステップで蓄積された実績板幅データと、鋼板製造工場のトリム工程に於いてトリム異常を発生させずにトリム処理を行うことが可能な最小トリム代であるトリム工程能力とに基づいて、トリム異常発生に対する実績板幅の余裕値である板幅余裕値を計算する実績板幅余裕値計算ステップと、
    生産予定を入力する入力ステップと、
    前記実績板幅余裕値計算ステップで複数の鋼板の実績板幅データについて計算された前記板幅余裕値と、前記入力ステップで入力された生産予定とに基づいて、生産予定の鋼板の板幅余裕値の予測される最小値である板幅余裕最小値を予測する板幅余裕最小値予測ステップと、
    前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値に基づいて、生産予定の鋼板のトリム代設計値を決定するトリム代決定ステップと、
    前記板幅余裕最小値予測ステップで予測された板幅余裕最小値及び前記トリム代決定ステップで決定されたトリム代設計値の出力を行う出力ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 請求項6に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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