JP4889840B2 - 積層フィルム又は積層シート、その製造方法、積層構造体及びその用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系樹脂からなる樹脂層と、特定のエチレン系共重合体、ポリエチレン系樹脂およびポリプロピレン系樹脂を含有する樹脂組成物からなる樹脂組成物層とから構成される積層フィルム又は積層シート、その製造方法、それとポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材とから構成される積層構造体及びその用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムやシートの表面の意匠性を高めるために、該フィルムやシートの表面に、印刷を施したアクリル系樹脂からなるフィルムを一体的に貼合してなる積層フィルムや積層シートが知られている(例えば、特開平9−193189号公報および特開平9−234836号公報を参照)。
【0003】
ここで、ポリオレフィン系樹脂とアクリル系樹脂とは実質上溶融接着し難いため、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムやシートと、アクリル系樹脂からなるフィルムとを一体的に貼合して積層フィルム又は積層シートを得るためには、両者の間に接着剤からなる接着層を介在させることが必須であり、前記公報に記載された積層フィルム又は積層シートもかかる接着剤からなる接着層を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、接着剤からなる接着層を有する積層フィルム又はシートは、接着層の存在のために、フィルム又はシートの厚みが不必要な程度にまでに厚くなるという問題点や、フィルム又はシートの製造コストが高くなる、という問題点を有している。
前者の問題点に関しては、厚みの大なる積層フィルム又はシートは、射出成形用金型内にセットされた該フィルム又はシートの上に、溶融状態にあるポリオレフィン系樹脂を射出することによって、両者が一体的に貼合された積層構造体を製造する場合、得られる積層構造体に反りが発生しやすい、という問題点を引き起こす。ちなみに、積層構造体の成形加工条件を変えたとしても、この反りを防止することは困難である、
更に、厚みの大なる積層フィルム又はシートとポリオレフィン系樹脂とを一体的に貼合して得られる積層構造体は、ポリオレフィン系樹脂が延性破壊する温度領域において、延性破壊せずに脆性破壊してしまう(低温衝撃特性が劣る)という問題点を持っている。
【0005】
本発明の目的は、ポリオレフィン系樹脂からなるフィルム又はシートとアクリル系樹脂からなるフィルムとが、接着剤からなる接着層を介さなくても満足し得る程度に一体的に貼合されてなる積層フィルム又はシート、その製造方法、それを用いた積層構造体及びその用途を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ポリオレフィン系樹脂からなる層とアクリル系樹脂からなる層とが、接着剤からなる層を介さなくても満足し得る程度に一体的に貼合されてなる積層フィルム又はシートについて研究を続けてきた。その結果、ポリオレフィン系樹脂として特定のポリオレフィン系樹脂組成物を使用することにより、接着剤からなる層を介さなくても両者が満足し得る程度に一体的に貼合されてなる積層フィルム又はシートが得られることを見出し、さらに種々の検討を加えて本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、アクリル系樹脂からなる樹脂層(1)と、下記の樹脂組成物からなる樹脂層(2)とから構成される積層フィルム又は積層シートであって、前記樹脂組成物が不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸無水物および酢酸ビニルの中から選ばれる少なくとも1種の化合物とエチレンとを重合してなるエチレン系共重合体(a)100重量部、ポリエチレン系樹脂(b)(但し、前記エチレン系共重合体(a)を除く)0重量部〜10重量部及びポリプロピレン系樹脂(c)1重量部〜30重量部を含有する樹脂組成物であることを特徴とする積層フィルム又は積層シートである。
また、本発明は、アクリル系樹脂からなる樹脂層(1)の表面をコロナ放電処理する工程、および該処理された面とフィルム状に溶融押出された樹脂層(2)とを接触させ圧着積層する工程を含む前記の積層フィルム又は積層シートの製造方法である。
また、本発明は、前記の積層フィルム又は積層シートと、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材(A)とから構成される積層構造体であって、前記基材(A)と、前記積層フィルム又は積層シートの樹脂層(2)の側とが一体化していることを特徴とする積層構造体である。
また、本発明は、前記の積層構造体を自由曲線で打抜き加工して得られることを特徴とする看板である。
また、本発明は、前記の積層構造体からなることを特徴とする自動車の内・外装部品である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の積層フィルム又はシートを構成する樹脂層(1)にかかるアクリル系樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらのエステルから誘導される重合体を主成分とする樹脂である。本明細書における「アクリル系樹脂」なる用語は、アクリル系樹脂を含有する樹脂組成物をも含むものとする。
好ましいアクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらのエステルから誘導される重合体を変性して得られる、分子中に下記一般式[I]で示される6員環酸無水物単位を3重量%〜30重量%、好ましくは5重量%〜25重量%含む樹脂からなる樹脂であり、さらに前記アクリル系樹脂を10重量%〜70重量%含有するアクリル系樹脂組成物がより好ましい。(メタ)アクリル酸のエステルとしては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどが挙げられ、これらのエステルは混合物として使用してもよい。
【0009】
上式中、R1とR2とは同一または相異なり、それぞれ水素原子またはアルキル基を表わす。R1及び/又はR2がアルキル基である場合、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、sec−ブチル基、アミル基が挙げられる。
【0010】
6員環酸無水物単位[I]を含むアクリル系樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸またはこれらのエステルから誘導される重合体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性化合物の存在下、150℃〜350℃、好ましくは220℃〜320℃の範囲で熱処理して得ることができる(特開平7−268036号公報参照)。
【0011】
樹脂層(1)としては、ガラス転移温度が60℃〜110℃であり、重量平均分子量が7万〜60万であるアクリル系樹脂50重量%〜95重量%と、ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体50重量%〜5重量%を含有するアクリル系樹脂組成物からなる樹脂層がより好ましい。
ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体としては、アルキル基の炭素数が4個〜8個のアクリル酸アルキルエステルと多官能単量体との共重合からなるゴム弾性体を内層とし、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体を外層とする2層構造アクリル系重合体や、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体を最内層とし、アルキル基の炭素数が4個〜8個のアクリル酸アルキルエステルと多官能単量体との共重合体からなるゴム弾性体を中間層とし、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体を最外層とする3層構造アクリル系重合体が挙げられる。これらの多層構造アクリル系重合体は、例えば特公昭55−27576号公報に記載された方法によって製造することができる。
【0012】
樹脂層(1)は、アクリル系樹脂をTダイ押出成形法やカレンダー成形法等の成形方法によって製膜することにより得ることができる。得られる膜(フィルム)の厚み精度や表面平滑性の観点から、フィルムの両面をロールの表面に接触させて成形する押出成形法や、フィルム両面を金属ベルトの表面に接触させて成形する押出成形法が好ましい。得られるフィルム中に粒径100μm以下の異物が存在していても、フィルムの見栄えやフィルムへの印刷性が該異物によって好ましくない影響を受けるため、製膜にあたっては異物の混入を防止するために、溶融されたアクリル系樹脂の通路に金属製または焼結セラミックス製などのスクリーンメッシュを配置することが好ましい。スクリーンメッシュとしては、目詰まりし難いという観点から、また目詰まりした場合においても目詰まり物を除去するために生産工程を停止する頻度が少ないという観点から、例えばドイツ国グノイス社製のロータリー型スクリーンチェンジャーを用いることが好ましい。該ロータリー型スクリーンチェンジャーを用いることによって、粒径100μm以下の異物を実質上含まないフィルムを得ることができる。
【0013】
樹脂層(1)の厚みは一般に40μm 〜300μm、好ましくは80μm 〜250μmであり、厚みはマイクロメーターで測定される。
【0014】
樹脂層(1)は単層の樹脂層でも多層の樹脂層でもよい。単層の樹脂層としては、例えば透明な又は着色されたアクリル系樹脂からなる樹脂層を例示し得る。多層の樹脂層としては、例えば透明なアクリル系樹脂からなる樹脂層と、着色されたアクリル系樹脂からなる樹脂層とを含む2層以上の樹脂層や、透明なアクリル系樹脂からなる樹脂層と、印刷面を有する印刷層と、着色されたアクリル系樹脂からなる樹脂層とがこの順番に積層された3層以上の樹脂層を例示し得る。
樹脂層(1)としてこれらの多層の樹脂層を用いると、積層構造体の意匠面側、すなわち透明なアクリル系樹脂からなる樹脂層の側(積層構造体を構成する積層フィルム又はシートの樹脂層(1)の側)から着色面や印刷面や更には光輝材を含有させた基材(A)の表面を見た場合、アクリル系樹脂の特徴である高い透明性により、深み感を持った表面を有する積層構造体を得ることができる。樹脂層(1)が多層の樹脂層であって意匠面と反意匠面とを有する場合、樹脂組成物層(2)は樹脂層(1)の反意匠面側に積層される。
【0015】
本発明にかかる樹脂組成物層(2)は、特定のエチレン系共重合体(a)と、ポリエチレン系樹脂(b)(但し、前記エチレン系重合体(a)を除く)と、ポリプロピレン系樹脂(c)とを含有する樹脂組成物からなる層である。
これら成分(a)〜(c)の配合割合は、エチレン系共重合体(a)100重量部に対して、上記ポリエチレン系樹脂(b)0重量部〜10重量部、好ましくは1重量部〜5重量部、より好ましくは2重量部〜3重量部及び上記ポリプロピレン系樹脂(c)1重量部〜30重量部、好ましくは3重量部〜20重量部、より好ましくは6重量部〜15重量部である。
ポリエチレン系樹脂(b)の配合割合が10重量部を超えると樹脂層(1)と樹脂組成物層(2)との接着性が十分でない。ポリプロピレン系樹脂(c)の配合割合が1重量部未満であると樹脂組成物層(2)と基材(A)との接着性が十分でなく、30重量部を超えると樹脂層(1)と樹脂組成物層(2)との接着性が十分でない。
【0016】
エチレン系共重合体(a)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸無水物および酢酸ビニルの中から選ばれる少なくとも1種の化合物とエチレンとを重合してなる共重合体である。
エチレン系共重合体(a)の具体例としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸無水物共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル−酢酸ビニル3元共重合体、エチレンと2種類以上の不飽和カルボン酸エステルとからなる多元共重合体などが挙げられる。エチレン系共重合体におけるエチレンから誘導される繰り返し単位の含有量は、通常40重量%〜95重量%であり、エチレンと共重合し得る上記コモノマー化合物から誘導される繰り返し単位の含有量は通常60〜5重量%である。
【0017】
エチレン系共重合体(a)にかかる不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、グリジルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、グリジルメタクリレート等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸等が挙げられる。
【0018】
好ましいエチレン系共重合体(a)としては、例えばエチレンーアクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−エチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルアクリレート−グリジルメタクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート−グリジルメタクリレート共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、エチレン−メチルメタクリレート共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体がより好ましい。これらのエチレン系共重合体はラジカル重合法などの公知の方法で製造できる。
【0019】
ポリエチレン系樹脂(b)とは、エチレンの単独重合体、炭素数3以上のα−オレフィン及びその他の単量体の中から選ばれる少なくとも1種の単量体とエチレンとの共重合体(但し、エチレンから誘導される繰り返し単位を主成分とする共重合体)、またはこれら(共)重合体の混合物である。
ポリエチレン系樹脂(b)としては、例えばラジカル重合法で製造される低密度ポリエチレンのほか、イオン重合法で製造される高密度ポリエチレンや、エチレンとα−オレフィンとを公知のラジカル重合法やイオン重合法で共重合して得られるエチレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、オクタデセン−1等の炭素数3個〜18個のα−オレフィンが挙げられ、これらのα−オレフィンは1種または2種以上併用してもよく、α−オレフィンの含有量は通常5重量%〜98重量%である。
【0020】
ポリプロピレン系樹脂(c)とは、プロピレンの単独重合体、エチレン、炭素数4以上のα−オレフィン及び他の単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体とプロピレンとの共重合体(但し、プロピレンから誘導される繰り返し単位を主成分とする共重合体)、またはこれら重合体の混合物である。
ポリプロピレン系樹脂(c)としては、例えばプロピレンの単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1三元共重合体等のプロピレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。プロピレンと共重合し得るα−オレフィンとしては、上記のα−オレフィンが挙げられ、1種または2種以上のα−オレフィンを用いることができる。ポリプロピレン系樹脂の製法は特に限定されず、例えばイオン重合法で製造することができる。
【0021】
本発明の積層フィルム又はシートの製造法は特に制限されず、例えば公知の共押出Tダイ加工法によって樹脂層(1)と樹脂組成物層(2)とを共押出する方法や、予め製膜した樹脂層(1)の片方の面の上にフィルム状に溶融押出された樹脂組成物層(2)を圧着する方法によって製造することができる(特開平7−314629号公報に記載されたアンカーコート剤を使用しない押出ラミネート法を参照)。該押出ラミネート法においては、樹脂組成物層(2)と圧着される樹脂層(1)の表面を75(W・分/m2)〜150(W・分/m2)のコロナ放電密度で予めコロナ放電処理したり、樹脂層(1)と圧着される樹脂組成物層(2)の表面に5(mg/m2)〜50(mg/m2)の条件で予めオゾンを吹き付けることが好ましい。オゾン吹き付けの処理を施される樹脂組成物層(2)の温度は180℃〜340℃、好ましくは220℃〜320℃、更に好ましくは250℃〜300℃である。
【0022】
樹脂組成物層(2)の厚みは特に制限されないが、一般に10μm〜200μmである。
前記した通り、樹脂層(1)の厚みが一般に40μm 〜300μmであり、樹脂組成物層(2)の厚みが一般に10μm〜200μmであるから、樹脂層(1)と樹脂組成物層(2)とからなる積層フィルム又はシートの厚みは、一般に50μm〜500μmである。
【0023】
本発明の積層構造体は、積層フィルム又は積層シートと、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材(A)とから構成される。
基材(A)にかかるポリオレフィン系樹脂組成物とは、エチレンやプロピレン等のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体、α−オレフィンと他の単量体との共重合体(但し、α−オレフィンから誘導される繰り返し単位を主成分とする共重合体)、これら(共)重合体の混合物、または前記(共)重合体もしくは混合物と改質材(エラストマー、フィラー等)とからなる組成物であって、熱可塑性樹脂の成形の分野で公知の押出成形法、射出成形法、ブロー成形法等の成形法で成形し得るものである。
ポリオレフィン系樹脂組成物としては、例えばポリエチレン系樹脂(前記ポリエチレン系樹脂(b)に同じ)、ポリプロピレン系樹脂(前記ポリプロピレン系樹脂(c)に同じ)、ポリブテン、ポリ−4−メチル−ペンテン−1、及び炭素数3個以上のα−オレフィン及びエチレンの中から選ばれる少なくとも2種類のモノマーを共重合して得られる共重合体を含有するポリオレフィン系樹脂組成物や、これらと適量のスチレン系エラストマーや無機フィラー等とからなるポリオレフィン系樹脂組成物を例示し得る。
ここで、炭素数3個以上のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、オクタデセン−1等の炭素数3〜20のα−オレフィンが挙げられる。
また、前記の炭素数3個以上のα−オレフィン及びエチレンの中から選ばれる少なくとも2種類のモノマーを共重合して得られる共重合体としては、例えばプロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ブロック共重合体が挙げられる。
【0024】
ポリオレフィン系樹脂組成物は、打抜き加工性の容易な積層構造体や成形収縮率の低い積層構造体を得る観点から、プロピレン−エチレンブロック共重合体のようなポリプロピレン系樹脂を含有するポリプロピレン系樹脂組成物が好ましい。
成形収縮率の低いポリオレフィン系樹脂組成物としては、20℃から100℃で測定した線膨張率が1.0×10-4(1/℃)以下のポリオレフィン系樹脂組成物が好ましい。成形収縮率の低いポリオレフィン系樹脂組成物を得るために、ポリオレフィン系樹脂組成物にはタルク等の無機充填物を5重量%〜40重量%含有させてもよい。
ポリオレフィン系樹脂組成物は、アルミニウムや酸化チタンで被覆されたマイカ等の光輝材や、樹脂組成物の分野で通常使用される顔料を適宜含んでいてもよい。光輝材を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材(A)を用いた場合、樹脂層(1)の裏側(反意匠面の側)に印刷を施さなくても、深み感を持った表面を有する積層構造体が得られる。
【0025】
ポリオレフィン系樹脂組成物の構成成分であるポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、公知の方法で製造することができる。ポリオレフィン系樹脂を製造するための重合触媒も特に限定されず、例えば固体触媒やメタロセン系均一触媒を例示し得る。
【0026】
基材(A)は公知の成形方法でポリオレフィン系樹脂組成物から成形することができ、その形状は特に限定されない。基材(A)としては、特開平6−212007号公報に記載されたポリプロピレン系発泡シートや、特開平8−25603号公報に記載されたポリオレフィン系樹脂製中空板が挙げられる。
【0027】
ポリプロピレン系発泡シートとしては、厚みが1mm〜20mm、密度が0.03g/cm3〜0.7g/cm3の押出発泡シートが好ましい。発泡シートの発泡倍率は通常1.3倍以上30倍未満、好ましくは2倍以上15倍未満である。密度は水中置換法により測定することができ、発泡倍率は(樹脂組成物の密度)/(発泡シートの密度)によって求めることができる。発泡シートの密度が高すぎると発泡倍率は低くなって発泡体としての特徴である軽量化が発揮できない場合があり、密度が低すぎると発泡倍率は高くなるがシート表面の平滑性を損なう場合がある。
【0028】
ポリオレフィン系樹脂製中空板としては、平行な2枚の天板の間に複数のリブを設けた厚み0.5mm〜50mmの中空板が好ましい。
【0029】
本発明の積層構造体の製造方法としては、溶融可塑化されたポリオレフィン系樹脂組成物をダイスから押出すか、又は雌雄一対からなる金型内に射出することによって基材(A)を成形し、次いで、積層フィルム又はシートを構成する樹脂組成物層(2)の面が基材(A)の面と接するような位置関係において、基材(A)の表面の少なくとも一部の面と積層フィルム又はシートの面とを一体的に貼合する方法が挙げられる。
【0030】
また、公知の射出成形法により、積層フィルム又はシートと基材(A)の表面とを一体的に貼合することもできる。例えば、インモールド可能な金型を取付けた射出成形機を用いて、積層フィルム又はシートの送り出し装置、該フィルム又はシートの加熱装置および吸引装置(例えば真空ポンプ)を備えた射出成形用金型のキャビティ内面に該フィルム又はシートを密着させた後に、ポリオレフィン系樹脂組成物を射出成形すればよい。更に、射出成形用金型の形状に適合するように積層フィルム又はシートを真空成形機にて成形した後、真空成形された該フィルム又はシートを射出成形用金型キャビティの内面に密着させ、その後にポリオレフィン系樹脂組成物を射出成形してもよい。積層構造体のこれらの製造方法は、射出成形法による基材(A)の成形と貼合とを同時に行なう方法である。
【0031】
本発明の積層構造体の表面(意匠面側)すなわちアクリル系樹脂からなる樹脂層(1)の表面の光沢度は、60°鏡面光沢度として得られる値が80%以上、好ましくは90%以上である。60°鏡面光沢度の値が大ほど意匠性が向上している。60°鏡面光沢度はJIS−K−7105に規定された方法で測定できる。
塗装工程を必要とする従来の構造体を本発明の積層構造体で代替するためには、構造体は外観のみならず鉛筆硬度を指標として表される耐傷付性もを要求される。本発明の積層構造体については、耐傷付性の優れたアクリル系樹脂の種類を選ぶことにより、鉛筆硬度がB以上のもの、2H以上のもの、更には4H以上のものが得られる。本発明の積層構造体は表面の意匠性のみならず、表面の耐傷付性能をも奏する高品位外観を有する構造体である。
【0032】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、意匠性、透明性、光沢性および耐候性に優れた積層フィルム又は積層シートが提供できる。
また、本発明は、樹脂層(1)と樹脂組成物層(2)との間に接着剤からなる層が介在しなくても接着強度に優れた積層フィルム又は積層シートを製造する方法が提供できる。
更に、本発明は、成形加工性、リサイクル性、打抜き加工性、耐熱性及び耐寒性等に優れたポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材と、意匠性、透明性、光沢性及び耐候性に優れた積層フィルム又は積層シートとが一体的に貼合されてなる積層構造体が提供できる。本発明の積層構造体は前記接着層を有さないので、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材の力学的特性を損なうことのない積層構造体である。
【0033】
本発明の積層構造体は、自動車の内・外装部品、家電部品、雑貨部品、看板等の用途に好適である。特に、本発明の積層構造体を自動車の内・外装部品や家電部品などに用いる場合においては、意匠性を付与するための塗装工程を必要としないから、これら部品を安価に製造し得る。また、本発明の積層構造体を看板へ使用する場合におていは、該積層構造体は靭性の高いポリオレフィン系樹脂組成物を基材として用いているため、該積層構造体を自由曲線で打抜き加工することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した射出成形機、金型、成形品形状及び評価法は下記の通りである。図1は積層構造体の平面図であり、1はゲート、2は密着性の測定位置、3は60°鏡面光沢度の測定位置、4は積層フィルム、5は基材を表わす。
(1)射出成形機および金型
射出成形機:日精樹脂製射出成形機 FS160S25ASEN
成形温度:225℃
金型:150mm×300mm×3mmt、ファンゲート
金型温度:52℃(キャビティ側、フィルムインサート側)、55℃(コア側)
(2)メルトフローレート
ポリエチレン系樹脂及びエチレン系共重合体は、JIS−K−7210条件4に規定された方法に基づき測定し、ポリプロピレン系樹脂はJIS−K−7210条件14に規定された方法に基づき測定した。
(3)光沢度
得られた構造体表面の60°鏡面光沢度を、JIS−K−7105に規定された方法に基づき測定した。測定位置は、図1に示すように構造体表面のほぼ中央部分とした。
(4)密着性
積層構造体の表面(樹脂層(1)の側)にカミソリ刃にて一辺が2mmのゴバン目100個(縦10分割×横10分割)を刻み、その上に24mm幅のセロテープ(ニチバン株式会社製粘着テープの商品名)を指で圧着した後、その端面をつかんで一気に引き剥がした時の、残存したゴバン目数(残率(%))により、樹脂層(1)と樹脂組成物層(2)との間の密着性を評価した。測定位置は、図1に示すようにゲート近傍の最も接着性の弱い場所とした。
【0035】
(5)鉛筆硬度
JIS−K−5400に示されている鉛筆引っ掻き試験法に準拠して実施した。評価法として、初めに硬度6Bの鉛筆で試験し、順次硬度を5B、4B、と上げていき、最初に構造体表面に傷が付いたときの鉛筆の硬度を、構造体の硬度と判定した。
(6)深み感
フィルムを貼合した積層構造体表面を下記のような目視による官能評価で行った。
5:通常の射出成形体表面にメタリック塗装した上にクリア塗装を施した塗装品の深み感と同じ程度である。
4:上記5よりやや劣るものの十分な深み感が得られている。
3:深み感が認められる。
2:上記3より深み感が劣るものの全く深み感が無いものではない。
1:全く深み感が無い。
(7)線膨張率
線膨張率はJIS−K−7197に規定された方法により測定した。前記の金型でフィルムを貼合せずに射出成形して得られた平板について、その中央から10mm×10mmの試験片を切出し、流動方向及び流動方向と垂直方向の線膨張率の平均値を求め、線膨張率とした。これらの値は(株)島津製作所製TMA−DT−40を用い、−20℃〜120℃まで5℃/分で昇温して20℃と100℃の試験片寸法差より求めた。
(8)低温衝撃性能
積層構造体の中央部を100mm×100mmの大きさに切断し、−10℃に設定された恒温槽内に5時間放置した後、恒温槽内に設置したホルダー(開口部径50mmφ)に固定し、レオメトリクス社製ハイレートインパークト試験機RIT−8000を用いて、先端径5/8インチのダートで、試料の表面側(積層シート側)から3m/sの一定速度で打抜いた。この時にダートに設置したロードセルにより測定される荷重とダート変位の関係及び、試料の破断面から破壊形態を決定した。
【0036】
実施例1
樹脂層(1)として、下記(i)及び(ii)のアクリル系樹脂をそれぞれ50重量%ずつ含有するアクリル系樹脂組成物を、65mmφの一軸押出機を用いてTダイ(設定温度250℃)を介して押出し、冷却ポリシングロールに両面を完全に接触させて150μm±30μmの厚みに製膜したものを用いた。
(i)最内層がメタクリル酸メチル架橋重合体、中間層がブチルアクリレートを主成分とする軟質のゴム弾性体、最外層がメタクリル酸メチル重合体からなる球形の3層構造体であり、平均粒径が約300nmであるアクリル系重合体A(特公昭55−27576号公報に記載の実施例3参照)
(ii)特開平7−268036号公報の実施例1に記載の方法で作製し、6員環酸無水物単位[I]を7.8重量%含むメタクリル系樹脂
一方、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(住友化学工業(株)製、商品名アクリフトWK307、メチルメタクリレート含量25重量%、メルトフローレート7g/10分)のペレット87.5重量%(100重量部)、低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名スミカセンG801,密度0.918g/cm2、メルトフローレート20g/10分)のペレット2.5重量%(2.85重量部)、及び、プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチレン単位の含有量4重量%、メルトフローレート28g/10分)のペレット10重量%(11.42重量部)を含有する混合ペレットを、口径65mmφの押出機で溶融混練し、Tダイから樹脂温度280℃、フィルム幅450mm、厚み100μm、速度40m/分で押出して溶融フィルム(樹脂組成物層(2))となし、次いで、ダイの下方30mmの位置に設けたノズルからオゾンを含む空気を溶融フィルムに吹き付けることにより、樹脂層(1)と接着されるべき溶融フィルムの面をオゾン処理した。この時のオゾン処理量は31mg/m2であった。
次いで、押出ラミネーターのインラインに設けられたコロナ放電処理装置によって樹脂層(1)を処理密度150W・分/m2で表面処理し、コロナ放電処理された樹脂層(1)と前記オゾン処理された樹脂組成物層(2)とをラミネートして積層シートを得た。得られた積層シートの厚みはシート中央部で230μmであった。その後、該積層シートをオーブンで40℃、48時間熟成した。
基材(A)用のポリオレフィン系樹脂組成物としては、結晶性プロピレン−エチレンブロック共重合体(メルトフローレート58g/10分、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体部分の含有量:12重量%)61重量部、エチレン−ブテン−1共重合体ゴム(ブテン−1単位の含有量:18重量%)14重量部、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(プロピレン単位の含有量:27重量%)14重量部及びタルク(D50:2.1μm)11重量部を含有する樹脂組成物である複合系ポリプロピレン(PP−1)を用いた。この複合系ポリプロピレン及びその各成分は、特開平5−86256号公報の実施例1及び参考例1〜4に記載された方法に基づき製造した。PP−1の線膨張率は8.40×10-5であった。
積層シートの中央部を100mm×250mmに切出し、樹脂層(1)の面を金型キャビティに密着させ両面テープで固定した。その後、積層シートの上にPP−1を射出成形して積層構造体を得た。評価結果を表1に示す。
【0037】
実施例2
樹脂層(1)として、下記(iii)、(iv)及び(v)のアクリル系樹脂をそれぞれ30重量%、50重量%及び20重量%含有するアクリル系樹脂組成物に、紫外線吸収剤として旭電化工業(株)製、アデカスタブLA−31(高分子量ベンゾトリアゾール系)を0.5重量部添加し、65mmφの一軸押出機を用いてTダイ(設定温度250℃)を介して押出し、冷却ポリシングロールに両面を完全に接触させて125μm±5μmの厚みに製膜したものを用いた。
(iii)バルク重合法により製造されたメタクリル酸メチル単位90重量%、アクリル酸メチル単位10重量%、ガラス転移温度95℃、重量平均分子量12万のアクリル樹脂B
(iv)懸濁重合法により製造されたメタクリル酸メチル単位80重量%、アクリル酸ブチル単位20重量%、ガラス転移温度62℃、重量平均分子量30万のアクリル樹脂C
(v)上記実施例1(i)に記載のアクリル系重合体A
この樹脂層(1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で積層シートを得た。積層シートの中央部の厚みは235μmであった。この積層シートを実施例1と同様に切出し積層構造体を得た。評価結果を表1に示す。
【0038】
比較例1
積層シートを貼合せず実施例1と同様の方法でPP−1を射出成形し構造体を得た。評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
項 目 単位 実施例1 実施例2 比較例1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
光沢度 % 93 87 26
シート密着性 % 100 100 −
鉛筆硬度 − 4H 2H <6B
深み感 − 5 5 2
低温衝撃破壊状態 延性 延性 延性
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【図面の簡単な説明】
【図1】積層構造体の平面図を示す。
【符号の説明】
1・・・ゲート、2・・・密着性の測定位置、3・・・60°鏡面光沢度の測定位置、4・・・積層フィルム、5・・・基材
Claims (13)
- アクリル系樹脂からなる樹脂層(1)と、下記の樹脂組成物からなる樹脂層(2)とから構成される積層フィルム又は積層シートであって、
前記樹脂層(1)の厚みは40〜300μmであり、前記樹脂層(2)の厚みは10〜200μmであり、
前記樹脂層(1)は、ガラス転移温度が60℃〜110℃であり、重量平均分子量が7万〜60万であるアクリル系樹脂50重量%〜95重量%と、
ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体50重量%〜5重量%と、を含有するアクリル系樹脂組成物からなり、
前記ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体は、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる最内層と、アルキル基の炭素数が4個〜8個のアクリル酸アルキルエステルと多官能単量体との共重合体からなるゴム弾性体からなる中間層と、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる最外層と、を有する3層構造アクリル系重合体を含有し、
前記樹脂層(2)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸無水物および酢酸ビニルの中から選ばれる少なくとも1種の化合物と、エチレンと、を重合して得られるエチレン系共重合体(a)100重量部と、
ポリエチレン系樹脂(b)(但し、前記エチレン系共重合体(a)を除く)0重量部〜10重量部と、ポリプロピレン系樹脂(c)1重量部〜30重量部と、を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする積層フィルム又は積層シート。 - アクリル系樹脂からなる樹脂層(1)と、下記の樹脂組成物からなる樹脂層(2)とから構成される積層フィルム又は積層シートであって、
前記樹脂層(1)の厚みは40〜300μmであり、前記樹脂層(2)の厚みは10〜200μmであり、
前記樹脂層(1)は、
アクリル酸、メタクリル酸、またはこれらのエステルから誘導される重合体を変性して得られる、分子中に下記一般式[I]で示される6員環酸無水物単位を3重量%〜30重量%(但し、アクリル系樹脂全体を100重量%とする)含むアクリル系樹脂と、
ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体と、を含有するアクリル系樹脂組成物からなり、
前記ゴム弾性層を含む多層構造アクリル系重合体は、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる最内層と、アルキル基の炭素数が4個〜8個のアクリル酸アルキルエステルと多官能単量体との共重合体からなるゴム弾性体からなる中間層と、メタクリル酸メチルを主成分とする硬質重合体からなる最外層と、を有する3層構造アクリル系重合体を含有し、
前記樹脂層(2)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸エステル、不飽和カルボン酸無水物および酢酸ビニルの中から選ばれる少なくとも1種の化合物と、エチレンと、を重合して得られるエチレン系共重合体(a)100重量部と、
ポリエチレン系樹脂(b)(但し、前記エチレン系共重合体(a)を除く)0重量部〜10重量部と、ポリプロピレン系樹脂(c)1重量部〜30重量部と、を含有する樹脂組成物からなることを特徴とする積層フィルム又は積層シート。
(式中、R 1 とR 2 とは同一または相異なり、水素原子またはアルキル基を表わす) - エチレン系共重合体(a)がエチレン−メチルメタクリレート共重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1又は2に記載の積層フィルム又は積層シート。
- アクリル系樹脂からなる樹脂層(1)の表面をコロナ放電処理する工程、および該処理された面とフィルム状に溶融押出された樹脂層(2)とを接触させ圧着積層する工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の積層フィルム又は積層シートの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム又は積層シートと、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる基材(A)とから構成される積層構造体であって、前記基材(A)と、前記積層フィルム又は積層シートの樹脂層(2)の側とが一体化していることを特徴とする積層構造体。
- 樹脂層(1)の表面の60°鏡面光沢度が80%以上である請求項5記載の積層構造体。
- 樹脂層(1)の表面の鉛筆硬度がB以上である請求項5記載の積層構造体。
- ポリオレフィン系樹脂組成物がポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物である請求項5記載の積層構造体。
- ポリオレフィン系樹脂組成物がプロピレン−エチレンブロック共重合体を含む樹脂組成物である請求項5記載の積層構造体。
- ポリオレフィン系樹脂組成物の20℃から100℃で測定した線膨張率が、1.0×10-4以下である請求項5記載の積層構造体。
- 基材(A)が、平行な2枚の天板の間に複数のリブを設けた厚み0.5mm〜50mmのポリオレフィン系樹脂製中空板からなる基材、または厚みが1mm〜20mmであり密度が0.03g/cm3〜0.7g/cm3である押出発泡シートからなる基材である請求項5記載の積層構造体。
- 請求項11記載の積層構造体を自由曲線で打抜き加工して得られることを特徴とする看板。
- 請求項5〜12のいずれかに記載の積層構造体からなることを特徴とする自動車の内・外装部品。
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