JP4888715B2 - 圧力センサ用の感圧素子、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
図11は従来の圧力センサに用いられる感圧素子1であり、図11(a)はその概略平面図、図11(b)はその概略断面図である(例えば、特許文献1参照)。なお、図11(a)は上面を透過して図示している。
この図に示されるように、感圧素子1は、外部からの圧力P1,P2を受けて撓む2枚の水晶ダイヤフラム2,4を有している。そして、この2枚の水晶ダイヤフラム2,4は、凹状の開口部どうしを対向させるようにして接合され、これにより圧電振動片6を収容する内部空間Sが形成されている。また、この水晶ダイヤフラム2,4は、理想的な撓み動作を得ることができるように、全体が円形に形成されている。
また、水晶ウエハの状態から個別の水晶ダイヤフラム2,4に分離する方法としてカッタを使用した切断加工では円形に水晶ウエハを切断することが困難である。一方、エッチングにより円形に水晶ウエハを形成する方法もあるがエッチング加工は長い加工時間を必要とする。
このように、水晶ダイヤフラム2,4の円形状は、加工するうえでは非効率であり高い生産性を実現できるものではなかった。
好ましくは、第2の発明は、第1の発明の構成において、前記一対の台座部は、互いに、前記中央部側の内側縁部が略平行であることを特徴とする。
好ましくは、第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記一対の台座部の前記中央部側と反対側の外側縁部と、該外側縁部に対向する前記ダイヤフラムの周縁部とは、略平行であることを特徴とする。
好ましくは、第4の発明は、第1ないし第3の発明のいずれかの構成において、前記台座部の前記中央部側の内側縁部における幅の寸法は、該内側縁部と対向する前記基部の幅の寸法と、同等以上であることを特徴とする。
好ましくは、第5の発明は、第1ないし第4の発明のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムの周縁部は前記圧電振動素子を囲む枠状部と接合され、前記枠状部と前記基部とは接続部を介して一体的に形成されていることを特徴とする。
好ましくは、第6の発明は、第5の発明の構成において、前記接続部の前記枠状部と前記基部とをつなぐ方向は、前記一対の基部を結ぶ方向と交差していることを特徴とする。
好ましくは、第7の発明は、第1ないし第6の発明のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムは、前記一方の主面と反対側の他方の主面の中央部に、凸部が形成されていることを特徴とする。
また、上記目的は、第8の発明にあっては、両端に一対の基部を有する圧電振動素子を枠状部で囲み、前記圧電振動素子と前記枠状部とが接続されている枠付き振動子の形状を複数形成した振動子用ウエハと、一方の主面に前記一対の基部の夫々を接合する一対の台座部を有し、周縁部を固定するようにした可撓性を有するダイヤフラムの形状を複数形成したダイヤフラム用ウエハとを、それぞれ別々に用意する準備工程と、前記台座部と前記基部、及び前記枠状部と前記周縁部を、それぞれ接合するようにして、前記ダイヤフラム用ウエハと前記振動子用ウエハとを接合する接合工程と、感圧素子毎となるように個片化するダイシング工程とを含んでおり、前記準備工程では、複数の前記枠付き振動子の形状を形成する際、前記枠付き振動子毎の全体外形を略矩形状に形成し、複数の前記ダイヤフラムの形状を形成する際、各前記ダイヤフラムについて、その全体外形を略矩形状に形成し、かつ、前記一対の台座部を前記主面の中央部を挟むように形成すると共に、前記中央部に向かうに従って、その向う方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する圧力センサ用感圧素子の製造方法により達成される。
[適用例1]
振動腕の両端に基部を有する圧電振動片と、前記両端の基部の夫々が接合された台座部を有すると共に、周縁部が固定されるようにした薄板状のダイヤフラムとを備えた圧力センサ用の感圧素子であって、前記ダイヤフラムは、全体外形が略長方形又は略正方形に形成されており、前記台座部は、前記ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に配置され、前記中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成されている感圧素子。
この構成によれば、感圧素子用のダイヤフラムは、圧電振動片の両端部にある基部の夫々が接合される台座部を有するため、このダイヤフラムが圧力を受けて撓むことで、台座部を介して圧電振動片が変形し、これにより周波数が変化して圧力を感知することができる。
また、このダイヤフラムは、その全体外形が略長方形又は略正方形に形成されているため、一枚のウエハから効率よく複数のダイヤフラムを形成することができる。
さらに、このように、円形のダイヤフラムと比較して理想的に撓むことが不得意な四角形状のダイヤフラムにした場合であっても、台座部は、ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に配置され、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向に沿った寸法を小さくするように形成されている。そうすると、ダイヤフラムは、中央部に向かうに従って撓み易くなるため、圧力を受けた場合、中央部に向かうほど変位量が大きくなる。したがって、中央部を挟んで両側に配置された台座部に基部が接合された圧電振動片は変形し易くなる。
かくして、ダイヤフラムを効率よく形成でき、かつ、感度よく圧力を測定できる圧力センサ用感圧素子を提供することができる。
適用例1の構成において、前記両側の台座部は、互いに、前記中央部側の内側縁部が略平行であることを特徴とする。
この点、適用例1では、中央部を挟んで両側に配置された台座部は、中央部に向かうに従って幅寸法が小さくなっている。このため、この所定の剛性を有する台座部の縁部がガイドとなって、ダイヤフラムは折り目をつけるかのように規制されながら撓むことになる。そして、適用例2では、両側の台座部は、互いに、中央部側の内側縁部が略平行であるため、ダイヤフラムが中央部を挟んで幅方向に捩れて撓まないように有効にガイドすることになる。したがって、圧電振動片は、幅方向に捩られることを有効に防止しながら、両側の台座部を結ぶ方向に沿ってストレスをかけられて、圧力の検出精度を高めることができる。
適用例1または2の構成において、前記台座部の前記中央部側と反対側の外側縁部と、この外側縁部の近傍における前記ダイヤフラムの周縁部とは、略平行であることを特徴とする。
この構成によれば、台座部の中央部側と反対側の外側縁部と、この外側縁部の近傍におけるダイヤフラムの周縁部とは略平行である。したがって、ダイヤフラムは、外側縁部と周縁部との間で、捩れを有効に防止しながら滑らかに撓むため、感度を高めることができる。
適用例2の構成において、前記台座部の前記内側縁部は、前記圧電振動片の基部の前記内側縁部と対向した部分に対応する幅方向の寸法と、同等以上の寸法であることを特徴とする。
この構成によれば、台座部の内側縁部は、圧電振動片の基部の内側縁部と対向した部分に対応する幅方向の寸法と、同等以上の寸法である。なお、ここにいう幅方向の寸法とは、外側縁部から内側縁部に向かう方向と直交する方向を意味する。したがって、圧電振動片の基部の内側縁部に対応する部分が、台座部の内側縁部に接合されず浮いてしまうような状態がなくなり、ダイヤフラムが撓んだ際、圧電振動片の幅方向の捩れを防止して、圧力の検出精度を高めることができる。
適用例1ないし4のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムの周縁部は前記圧電振動片を囲む枠状部と接合され、前記枠状部と前記圧電振動片の基部とは接続部を介して一体的に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダイヤフラムの周縁部は圧電振動片を囲む枠状部と接合され、枠状部と圧電振動片の基部とは接続部を介して一体的に形成されているため、圧電振動片をウエハから個片化せず、複数の圧電振動片の外形が形成されているウエハと、複数のダイヤフラムの外形が形成されているウエハとを積層して、圧電振動片をダイヤフラムの台座部に接合することができ、生産性を高めることができる。
適用例5の構成において、前記接続部は、前記圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向に、厚み方向に貫通した貫通孔が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、接続部は、圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向に、厚み方向に貫通した貫通孔が設けられているため、圧電振動片の両端の基部どうしを結ぶ方向の撓みを接続部が阻害してしまう事態を防止して、圧力の検出感度を高めることができる。
適用例1ないし6のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムは、前記中央部であって、前記台座部が配置された面と反対側の面に、剛性を高める剛性部が形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ダイヤフラムは、中央部に剛性を高める剛性部が形成されているため、この剛性部の領域では撓み難くなる。したがって、中央部と圧電振動片との接触を防止して、ストレスを受けて変化する圧電振動片の周波数をさらに変えてしまう恐れを有効に防止できる。また、この剛性部は台座部が配置された面と反対側の面に形成されているため、剛性部が凸部で形成されていた場合であっても、圧電振動片と剛性部とが接触してしまう恐れも防止できる。
適用例1ないし7のいずれかの構成において、前記ダイヤフラムの周縁部は、可撓性を阻害する部分が配置されていない領域の厚みに比べて大きな厚みを有する枠状となっていることを特徴とする。
この構成によれば、ダイヤフラムの周縁部は、可撓性を阻害する部分が配置されていない領域の厚みに比べて大きな厚みを有する枠状となっている。したがって、ダイヤフラムの周縁部の強度を向上させ、例えば、適用例6のように圧電振動片を囲む枠状部とダイヤフラムの周縁部とが接合される場合、接合の際の応力でダイヤフラムが割れてしまう等の危険性を回避することができる。また、例えば、ダイヤフラムの周縁部と凹状の蓋体の開口端面とを接合して、該凹状の内側に圧電振動片を収容するような感圧素子を形成する場合は、蓋体の凹状を深く形成しなくても圧電振動片を収容することができ、蓋体の凹状を形成するエッチング時間を短縮して生産性を高めることができる。
両端に基部を有する圧電振動片を枠状部で囲み、前記圧電振動片と前記枠状部とが接続されている枠付き振動子の形状を複数形成した振動子用ウエハと、前記圧電振動片の基部を接合する台座部を有し、周縁部を固定するようにした薄板状のダイヤフラムの形状を複数形成したダイヤフラム用ウエハとを、それぞれ別々に用意する準備工程と、前記台座部と前記基部、及び前記枠状部と前記周縁部を、それぞれ接合するようにして、前記ダイヤフラム用ウエハと前記振動子用ウエハとを接合する接合工程と、感圧素子毎となるように個片化するダイシング工程とを含んでおり、前記準備工程では、複数の前記枠付き振動子の形状を形成する際、前記枠付き振動子毎の全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、複数の前記ダイヤフラムの形状を形成する際、各前記ダイヤフラムについて、その全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、かつ、前記台座部を前記ダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に形成すると共に、前記中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する圧力センサ用感圧素子。
また、準備工程では、各枠付き振動子や各ダイヤフラムの全体外形を略長方形又は略正方形に形成しているため、ウエハから無駄なく複数の枠付き振動子及びダイヤフラムを形成することができる。
さらに、このように、円形のダイヤフラムと比較して理想的に撓むことが不得意な四角形状のダイヤフラムにした場合であっても、準備工程では、各ダイヤフラムについて、台座部をダイヤフラムの中央部を挟んだ両側に形成すると共に、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する。したがって、ダイヤフラムは、適用例1と同様に、中央部に向かうほど変位量が大きくなるため、中央部を挟んで両側に配置した台座部に基部を接合した圧電振動片は変形し易くなる。
かくして、ダイヤフラムを効率よく形成でき、かつ、感度よく圧力を測定できる圧力センサ用感圧素子の製造方法を提供することができる。
これらの図における圧力センサ用の感圧素子10は、基台20と、枠付き振動子30と、ダイヤフラム40とを有しており、図2に示すように、枠付き振動子30の枠状部32を基台20とダイヤフラム40とで挟んで、接着剤25などの接合部材で接合する三層構造となっている。
そして、基台20の主面外形は、水晶結晶軸のX軸方向に平行して延びる2本の辺と水晶結晶軸のY方向に平行して延びる2本の辺とからなる略四角形状(即ち、略長方形又は略正方形)である。
なお、図示されてはいないが、基台20の外部に露出した面には電極端子が設けられており、この電極端子は図示しない導電パターンを介して、圧電振動片31との間で信号の入出力を行うようになっている。
圧電振動片31は、本実施形態の場合、加えられた力に対して周波数の変化が大きく、圧力を感度よく検出できる双音叉振動片とされている。すなわち、双音叉振動片は、屈曲
振動モードを有する振動片であって、図1に示すように、2つの音叉型振動片の自由端側の端面どうしを対向させて結合したような構造を有しており、互いに平行にY軸方向に長手方向が延びる二本の振動腕34,35と、この振動腕34,35の長手方向の両端に接続され、振動腕34,35と一列に並んだ2つの基部36,37とを有している。
により駆動電圧を印加されて屈曲振動する部分であり、この部分にY軸方向に伸張及び/又は圧縮するようにストレス或いはテンションがかかると、周波数が変化する部分である。従って、この周波数変化を検知することで圧力変化を感知することができる。
基部36,37は、圧電振動片31をダイヤフラム40に固定するための両端部であり、さらに、本実施形態の場合、振動腕34,35と外部との間で信号の入出力を行なうための中継となる電極(図示せず)を有する部分でもある。
また、基部36,37は、例えば2本の振動腕34,35の並び部分における長手方向(図1及び図3のY軸方向)と直交する幅方向(図1及び図3のX軸方向)の寸法に比べて、大きな幅方向の寸法を有しており、一方の基部36と他方の基部37は、振動腕34,35を間に挟んで、互いに略対称となっている。
具体的には、枠状部32は、少なくとも振動腕34,35との間に空間を有しており、圧電振動片31の両端の基部36,37と、接続部38を介して一体的に形成されている。すなわち、本実施形態の場合、枠状部32と接続部38と圧電振動片31とは、1枚の水晶ウエハから、例えばフォトリソ加工技術を利用してエッチングにより形成されている。
そして、接続部38は、基部36,37どうしを結ぶ方向(Y軸方向)、即ち、接続部38と基部36,37とからなる部分と、枠状部32のX軸方向に延びる枠辺との間には、厚み方向に貫通した貫通孔38aが設けられている。このように接続部38を細く構成し、且つ貫通孔38aを設けた構成は、図2に示すように、外部からダイヤフラム40に圧力Pが加わり、圧電振動片31の振動腕が基部36,37どうしを結ぶ方向(Y軸方向)へ接続部38を撓み易くし、そのY軸方向の撓みを接続部38が阻害してしまう事態を防止することができる。
このような梁の構成により枠付き振動子30の構成(剛性)がY軸方向に沿った中心線を境に左右対称となる。そしてこのような左右対称の構成により、圧電振動子31の撓み量がY軸方向に沿った中心線を境に左右均等になるので圧電振動片31に伝達された応力を2本の振動腕34,35に等しく分配することができる。
さらに、この接続部38は、振動漏れを軽減するため、出来るだけ振動腕34,35から離れた位置に形成することが好ましく、図1に示すように、基部36,37の振動腕34,35側と反対側の端部36b,37bにおける幅方向の両端36a,37aに接続されている。
このダイヤフラム40は、その周縁部42が、枠付き振動子30の枠状部32を介して、基台20の開口側の端面24と接合して固定されるようになっているため、枠状部32の熱膨張係数と同様の熱膨張係数を有する材料(本実施形態の場合は水晶)で形成されている。このようにして、ダイヤフラム40は薄板状あるいは膜状であっても、接合の際の応力による割れなどを有効に防止している。なお、ダイヤフラム40の周縁部42と枠状部32とを接合する接着剤25には、例えば低融点ガラスなどのロウ材を用いることもできるが、本実施形態の場合、後述する台座部44,45と圧電振動片31の基部36,37とを接合する際の接合材49と同様の融点を有する金属材料を用いている。
また、ダイヤフラム40の全体外形(主面外形)は、X軸方向に平行して延びる2本の辺とY軸方向に平行して延びる2本の辺とからなる略四角形状である。
まず、ダイヤフラム40は、図3に示すように、全体外形(主面形状)が略長方形又は略正方形に形成されている。すなわち、ダイヤフラム40は、上述のように中央部40bを最も変位量が大きい領域にし、かつ、圧力が加わった際、歪むことなく一定の曲率をもってきれいに撓むように、円形が理想とされているが、これを敢えて略四角形状にし、1枚のウエハから効率よく多数のダイヤフラム40を形成できるようにしている。
本実施形態のダイヤフラム40は、細長い振動腕34,35を有する圧電振動片31の形状に合わせて、1枚のウエハから効率よく多数個取りができるように、略長方形に形成されている。
以下、台座部44について詳細に説明するが、特段の言及がない限り、台座部44と台座部45とは同様の構成である。
すなわち、台座部44は、その主面上に広がる形状が直線状の4本の縁部44a〜44dを辺とした所謂、等脚台形であり、外側縁部44aを長辺とした下底と、内側縁部44bを短辺とした上底とを有する構造であると共に、内側縁部44bがX軸方向(振動腕34,35の延長方向と直交する方向)と平行であり、且つ外側縁部44aよりもダイヤフラム40の中央よりに位置した構造である。
また、内側縁部44bの延長方向を振動腕34,35の延長方向と直交させるのは、振動腕34と内側縁部44bまでの距離と、振動腕35と内側縁部44bまでの距離を等しくすることで振動腕34,35に等しく応力を伝達させる為である。これによってもダイヤフラム40からの応力を効率良く振動腕34,35へ伝達することができる。
従って、感圧素子10は略四角形状であっても、ダイヤフラム40は理想的な撓み動作を実現できるのである。
なお、本実施形態では、図3に示すように、外側縁部44aとその近傍の周縁部42との距離Y2に比べて、幅方向Xにおける縁部44cとその近傍の周縁部42との距離X1のうち、最も幅方向Xの寸法が小さい距離X1’が大きくなるように設定されている。
具体的には、剛性部50は、少なくともダイヤフラム40の台座部44が設けられていない可撓性を有する領域の剛性よりも高ければよいが、本実施形態の場合、圧力を受けた中央部40bの変位量が台座部44の変位量より大きいと、振動腕34,35とダイヤフラム40の中央部40bとが接触する恐れが高まるため、剛性部50は、中央部40bの変位量を台座部44における変位量に比べて小さくするように剛性を高めている。また、この剛性部50は、ダイヤフラム40の中央部40bの一部を外部側に突出させるように厚みを大きくした凸部であるため、振動腕34,35と接触する恐れをさらに軽減している。
図6は、圧力センサの製造方法の一例を示す工程図、図7及び図8は図6の圧力センサの製造工程うち感圧素子の製造工程を説明するための図である。なお、これらの図で示した符号が、図1ないし図5で示した符号と同じ場合は同様の構成である。
この製造方法では、3枚のウエハを積層して接合した後に個片化して、複数の感圧素子を同時に形成するバッチ処理を行なっている。
具体的には、図7(a)に示すように、水晶ウエハに複数のダイヤフラム40の外形を周縁部42同士が連結した状態であり、複数のダイヤフラム40を縦横(X軸方向、Y軸方向)の行列の状態で並べて形成したダイヤフラム用ウエハ60を形成する(図6のST0−1)。このダイヤフラム40は、図1ないし図5で既に説明したように、圧電振動片の基部を接合する台座部を有し、周縁部を固定するようにした薄板であり、このような形状をフォトリソグラフィー技術を用いてウエットエッチングで形成することで一括して複数のダイヤフラム40の主要部を形成することができる。この際、各ダイヤフラム40について、その全体外形を略長方形又は略正方形に形成し、かつ、図3に示すように、台座部44,45を各ダイヤフラム40の中央部を挟んだ両側に形成すると共に、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を除々に小さくするように形成する。また、図示していないが、このダイヤフラム用ウエハ60の台座部44,45の表面等に電極をスパッタなどで形成しておく。
次いで、この感圧素子を、例えば圧力をダイヤフラムまで導く孔を有するケース内に、発振回路を備えた集積回路素子等のモジュール部品と共に組み込んで、圧力センサを組立てる(図6のST4:組立て)。
次いで、図6のST3で測定した結果などに基づいて、集積回路素子にデータを書き込んで(図6のST5:書き込み)、製品として仕様範囲内にあるか否かのチェックをして(図6のST6:第2の測定)、圧力センサを完成させる。
この図において、図1ないし図9の感圧素子10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
この感圧素子12が、図1ないし図9の感圧素子10と主に異なるのは、枠付き振動子を利用していない点である。
また、台座部44,45を有するダイヤフラム40については、その周縁部42が他の領域よりも厚くなるような形状とはなっておらず、台座部44,45が設けられた領域以外の領域は平面状となっている。
また、基台20については、ダイヤフラム40が圧力を受けて撓んだ際、伸張した圧電振動片31が接触しないような深さを有する凹部22が設けられている。そして、この凹部22の開口側の端面24をダイヤフラム40の周縁部42に接合して、圧電振動片31を収容する内部空間を形成しており、基台20は蓋体としての機能を果たしている。
例えば、従来図として説明した図11の感圧素子1の特徴を利用してもよい。すなわち、図11のダイヤフラム2,4の夫々の全体外形を略四角形状にし、かつ、中央部を挟んで両側に配置された台座部7a,7bの夫々が、中央部に向かうに従って、その向かう方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成してもよい。これにより、2枚の水晶ダイヤフラム2,4の中央部どうしを連結する力伝達用柱部8を設けて、正負の圧力を検出できる感圧素子1についても、生産性を高めると共に、感度よく圧力を測定できる。
Claims (8)
- 振動部と該振動部の両端に接続される一対の基部とを有する圧電振動素子と、
可撓性を有し、一方の主面上に前記一対の基部の夫々が接合された一対の台座部を有するダイヤフラムと
を備えた圧力センサ用の感圧素子であって、
前記ダイヤフラムは、前記主面が矩形状に形成され、
前記一対の台座部は、前記主面の中央部を挟むように配置され、前記中央部に向かうに従って、その向う方向と直交する方向の幅の寸法を小さくするよう形成されている
ことを特徴とする感圧素子。 - 前記一対の台座部は、互いに、前記中央部側の内側縁部が略平行であることを特徴とする請求項1に記載の感圧素子。
- 前記一対の台座部の前記中央部側と反対側の外側縁部と、該外側縁部に対向する前記ダイヤフラムの周縁部とは、略平行であることを特徴とする請求項1または2に記載の感圧素子。
- 前記台座部の前記中央部側の内側縁部における幅の寸法は、該内側縁部と対向する前記基部の幅の寸法と、同等以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の感圧素子。
- 前記ダイヤフラムの周縁部は前記圧電振動素子を囲む枠状部と接合され、
前記枠状部と前記基部とは接続部を介して一体的に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の感圧素子。 - 前記接続部の前記枠状部と前記基部とをつなぐ方向は、前記一対の基部を結ぶ方向と交差していることを特徴とする請求項5に記載の感圧素子。
- 前記ダイヤフラムは、前記一方の主面と反対側の他方の主面の中央部に、凸部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の感圧素子。
- 両端に一対の基部を有する圧電振動素子を枠状部で囲み、前記圧電振動素子と前記枠状部とが接続されている枠付き振動子の形状を複数形成した振動子用ウエハと、一方の主面に前記一対の基部の夫々を接合する一対の台座部を有し、周縁部を固定するようにした可撓性を有するダイヤフラムの形状を複数形成したダイヤフラム用ウエハとを、それぞれ別々に用意する準備工程と、
前記台座部と前記基部、及び前記枠状部と前記周縁部を、それぞれ接合するようにして、前記ダイヤフラム用ウエハと前記振動子用ウエハとを接合する接合工程と、
感圧素子毎となるように個片化するダイシング工程と
を含んでおり、
前記準備工程では、
複数の前記枠付き振動子の形状を形成する際、前記枠付き振動子毎の全体外形を略矩形状に形成し、
複数の前記ダイヤフラムの形状を形成する際、各前記ダイヤフラムについて、その全体外形を略矩形状に形成し、かつ、前記一対の台座部を前記主面の中央部を挟むように形成すると共に、前記中央部に向かうに従って、その向う方向と直交する幅方向の寸法を小さくするように形成する
ことを特徴とする圧力センサ用感圧素子の製造方法。
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