JP4888685B2 - 熱電材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、熱電材料及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、Mn−Si金属間化合物を主相とする熱電材料及びその製造方法に関する。
熱電変換とは、ゼーベック効果やペルチェ効果を利用して、電気エネルギーを冷却や加熱のための熱エネルギーに、また逆に熱エネルギーを電気エネルギーに直接変換することをいう。熱電変換は、
(1)エネルギー変換の際に余分な老廃物を排出しない、
(2)排熱の有効利用が可能である、
(3)材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる、
(4)モータやタービンのような可動装置が不要であり、メンテナンスの必要がない、
等の特徴を有していることから、エネルギーの高効率利用技術として注目されている。
熱エネルギと電気エネルギとを相互に変換できる材料、すなわち、熱電材料の特性を評価する指標としては、一般に、性能指数Z(=Sσ/κ、但し、S:ゼーベック係数、σ:電気伝導度、κ:熱伝導度)、又は、性能指数Zと、その値を示す絶対温度Tの積として表される無次元性能指数ZTが用いられる。ゼーベック係数は、1Kの温度差によって生じる起電力の大きさを表す。熱電材料は、それぞれ固有のゼーベック係数を持っており、ゼーベック係数が正であるもの(p型)と、負であるもの(n型)に大別される。
また、熱電材料は、通常、p型熱電材料とn型熱電材料とを接合した状態で使用される。このような接合対は、一般に、熱電素子と呼ばれている。熱電素子の性能指数は、p型熱電材料の性能指数Z、n型熱電材料の性能指数Z、並びに、p型及びn型熱電材料の形状に依存し、また、形状が最適化されている場合には、Z及び/又はZが大きくなるほど熱電素子の性能指数が大きくなることが知られている。従って、性能指数の高い熱電素子を得るためには、性能指数Z、Zの高い熱電材料を用いることが重要である。
このような熱電材料としては、Bi−Te系、Pb−Te系、Si−Ge系、Mn−Si系、酸化物セラミックス系等の種々の材料が知られている。これらの中でも、Mn−Si系の熱電材料は、
(1)300〜600℃の中温域において相対的に高い熱電特性を示す、
(2)材料中に高価な稀少元素(例えば、Te、Sb、Seなど)や、毒性の強い環境負荷物質(例えば、Te、Sb、Se、Pbなど)を含まない、
という特徴がある。そのため、Mn−Si系の熱電材料に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、所望の組成となるように配合された原料を溶融させ、溶融した原料を滴下し、滴下中の原料に噴霧媒体を吹き付けて急冷却して粉末とし、この粉末を成形・焼結させるMnSi1.73系熱電材料の製造方法が開示されている。同文献には、Mn−Siの溶湯を急冷することによって偏析のない均質な粉末状のMnSi1.73系熱電材料が得られる点が記載されている。
また、特許文献2には、MnとSiの粗粉末をポットに封入して粉砕混合し、得られた粉末をプラズマ焼結装置で焼結させる二珪化マンガン熱電材料の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法を用いることによって、製造工程でのエネルギー消費が少なく、しかも高性能な二珪化マンガン熱電材料が得られる点が記載されている。
また、非特許文献1には、原料をAr/H雰囲気下において誘導加熱し、スプレー法、粉砕法、又は、メカニカルアロイング法により粉末を作製し、これを成形・焼結するMnSi(1.71≦x≦1.75)の製造方法が開示されている。同文献には、このような方法により得られたMnSiの性能指数zの最大値は、400℃において4.5×10−4(1/K)を超える点、チョクラルスキー法及びブリッジマン法により得られたMnSiは常に不均一であり、多結晶試料は単結晶より高い性能指数を示す点が記載されている。
さらに、非特許文献2には、MnとSiの混合物を遊星ボールミルで混合粉砕し、得られた粉末をプラズマ焼結(SPS)装置で焼結させるMn−Si熱電材料の製造方法が開示されている。同文献には、MnSi1.8(仕込み組成)の873Kにおける性能指数zは、7.91×10−4(1/K)である点が記載されている。
特開2002−332508号公報 特開2000−349354号公報 E.Groβ et al., "Thermoelectric generators made of FeSi2 and HMS: Fabrication and measurement", J.Mater.Res., 10(1995)34-40 M.Umemoto et al., "Production and Characterization on Mn-Si Thermoelectric Material", J.of Metastable and Nanocrystalline Materials, 8(2000)918-923
MnSi系熱電材料の製造方法としては、これまでにメカニカルアロイング(MA)法(特許文献2、非特許文献1、2)と、アトマイザー法(特許文献1)を用いた方法が報告されている。しかしながら、従来の方法により得られるMnSiは、実用レベルの性能指数より低く、改善が望まれていた。また、MA法においては、MnSiを合成するために用いるステンレス鋼製のミルポットやボールからの不純物混入が避けられず、仕込み組成の材料を得ることが困難であるという問題があった。
また、MnSi系熱電材料にある種のドーパントを添加すると、熱電特性を向上させることができる。しかしながら、一般に、ドーパントは少量であるので、ドーパントの偏析が起きやすく、精度の高いドーピング制御が困難であった。
さらに、MnSi系熱電材料の熱電特性は、結晶方位に応じた異方性がある。そのため、特定の結晶面を一方向に配向させることができれば、熱電特性を向上させることができる。しかしながら、MnSi系熱電材料の特定の結晶面を一方向に配向させる方法が提案された例は、従来にはない。
本発明が解決しようとする課題は、不純物の混入が少なく、かつ、相対的に高い熱電特性を有するMnSi系の熱電材料及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、高い精度でドーピング制御されたMnSi系の熱電材料及びその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、特定の結晶面が一方向に配向したMnSi系の熱電材料及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る熱電材料は、以下の構成を備えていることを要旨とする。
(1)前記熱電材料は、MnSi(1.6≦x≦1.85)を主成分とし、かつ、各結晶粒のab面が一方向に配向しているバルク多結晶材料からなる。
(2)前記熱電材料は、前記ab面の配向度fが0.5以上である。
(3)前記熱電材料は、前記Si元素の0.25at%以上20at%以下がIIIb族元素、IVb族元素、ランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種類の元素M 2 で置換されている。
(4)前記熱電材料は、前記元素M 2 として少なくともGeを含み、前記Geによる前記Si元素の置換量は、0.25at%以上1.25at%以下である。
の場合、前記Mn元素の0.001at%以上20at%以下がVa族元素、VIa属元素、VIIa属元素、ランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種類の元素M 1 置換されているのが好ましい。
た、本発明に係る熱電材料の製造方法は、本発明に係る熱電材料が得られるように配合された出発原料を溶解させ、溶湯を得る溶解工程と、その表面が平滑である凝固面と前記溶湯とを接触させる凝固工程とを備えていることを要旨とする。この場合、前記溶解工程の前に、本発明に係る熱電材料が得られるように配合された粉末を混合し、該粉末又はその成形体を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、前記粉末を固化させる前処理工程をさらに備えているのが好ましい。また、前記凝固工程の後に得られる記鋳塊、焼結体又は素子を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、成分元素の拡散を行わせるアニール処理工程をさらに備えているのが好ましい。
所定の組成となるように配合された出発原料を溶融させ、その表面が平滑である凝固面と溶湯とを接触させると、凝固面に対してほぼ垂直方向に、特定の結晶方位を有する結晶粒が成長する。そのため、このような凝固組織を有する鋳塊の特定の方向から素子を切り出すと、特定の結晶面が一方向に配向したMnSi系の熱電材料が得られる。同様に、このような凝固組織を有する扁平状の粉末を作成し、その発達面が配向するように成形・焼結して焼結体とし、焼結体の特定の方向から素子を切り出すと、特定の結晶面が一方向に配向したMnSi系の熱電材料が得られる。
このような方法により得られた熱電材料は、特定の結晶面が一方向に配向しているので、従来の方法により得られる無配向焼結体に比べて高い熱電特性を示す。しかも、MA処理を行わないので、不純物の混入が少ない。さらに、出発原料を溶解させる前に出発原料の加熱を行う前処理工程をさらに備えている場合には、精度の高いドーピング制御が可能となり、熱電特性がさらに向上する。また、凝固後の材料に対してアニール処理を施すと、成分元素がさらに均一に拡散し、熱電特性がさらに向上する。
以下に本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る熱電材料は、MnSi(1.6≦x≦1.85)を主成分とし、かつ、各結晶粒のab面が一方向に配向しているバルク多結晶材料からなる。
Mnに対するSiの比率(モル比)xは、1.6以上1.85以下が好ましい。Siの比率xが1.6未満である場合、及び、xが1.85を超える場合のいずれも、出力因子が低下するので好ましくない。高い出力因子を得るためには、Siの比率xは、さらに好ましくは、1.65以上1.80以下、さらに好ましくは、1.70以上1.76以下である。
「MnSiを主成分とする」とは、材料全体に占めるMnSi又はその固溶体の割合が90wt%以上であることをいう。Mn−Si金属間化合物には、上述した組成を有するもの以外のものもあるが、熱電特性に悪影響を与える異相、不純物等は、少ないほどよい。
熱電材料に流れる電流量は、電気の流れる方向に対して垂直方向の断面積に依存する。一般に、多量の電流を流すためには、それに応じて熱電材料の断面積を大きくする必要がある。熱電材料は、通常、1〜数mm角程度の棒状の素子に加工されて使用される。本発明において、「バルク多結晶材料」とは、粉末や薄膜以外の塊状の多結晶体であって、棒状に加工された素子、あるいは、素子に加工する前の塊状物(例えば、鋳塊や焼結体)を意味する。
本発明において、「特定の結晶面が配向している」とは、各結晶粒の特定の結晶面が互いに平行に配向すること(以下、これを「面配向」という)、及び、各結晶粒の特定の結晶面面が多結晶を貫通する1つの軸に対して平行に配向すること(以下、これを「軸配向」という)の双方を意味する。
MnSiは、正方晶系に属し、β−Sn状に配列したMn原子からなる正方晶Mn副格子と、Si原子の二重螺旋配列からなるSi副格子とを備えている。MnSiには、種々の組成を有する相が知られている。MnSiの単位格子は、複数個の正方晶Mn副格子がc軸方向に積み重なったものであるが、MnSi相の組成に応じて、正方晶Mn副格子のc軸方向の積層数が異なる。正方晶Mn副格子は、すべてのMnSi相についてほぼ等しいのに対し、Si二重螺旋のc軸方向の並進対称性は、MnSi相の組成により異なっている。
MnSiにおいては、ab面(ミラー指数表示で{001}面)内の熱電特性が最も高い。本発明において、「ab面が配向している」とは、熱及び電気の流れる方向に対して平行に各結晶粒のab面が平行に配向していることを意味する。
また、「ab面が配向している」とは、少なくとも棒状の素子に加工された状態において、ab面が一方向に配向していれば良く、必ずしも素子に加工する前の塊状物全体において、ab面が一方向に配向している必要はない。
特定の結晶面の面配向の程度は、次の(1)式に示すロットゲーリング(Lotgering)法による平均配向度f(HKL)により表すことができる。
f(HKL)={(P−P)/(1−P)} ・・・(1)
但し、P=ΣI(HKL)/ΣI(hkl)、
=ΣI(HKL)/ΣI(hkl)。
なお、(1)式において、ΣI(hkl)は、配向多結晶について測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和であり、ΣI(hkl)は、配向多結晶体と同一組成を有する無配向多結晶体について測定されたすべての結晶面(hkl)のX線回折強度の総和である。また、Σ'I(HKL)は、配向多結晶体について測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(HKL)のX線回折強度の総和であり、Σ'I(HKL)は、配向多結晶体と同一組成を有する無配向多結晶体について測定された結晶学的に等価な特定の結晶面(HKL)のX線回折強度の総和である。
従って、多結晶体を構成する各結晶粒が無配向である場合には、平均配向度f(HKL)は0となる。また、多結晶体を構成するすべての結晶粒の(HKL)面が測定面に対して平行に配向している場合には、平均配向度f(HKL)は1となる。
なお、MnSiの場合、消去則により、{001}面のX線回折ピークが得られない。従って、ab面の平均配向度fを算出するに際しては、{001}に近い回折ピークすなわち、(1、0、15)、(2,1,15)、(1,1,26)、(1,1,30)、及び(2,1,45)、並びに、これらと結晶学的に等価なX線回折ピークを用いる。
また、平均配向度fは、極点図から求めても良い。この場合、平均配向度fは、次の(1a)から求めることができる(例えば、D.H.Hermans and P.Platzek, Kollid-z, 88, 68(1939)参照)。
f=(1/2)(3<cosφ>−1) ・・・(1a)
但し、φは、面の垂直方向(z方向)と[00l]方向がなす角度である。また、<cosφ>は、極点図プロット中でのcosφの平均値であり、z方向と[00l]方向が平行であるときは1、[00l]方向がランダムであるときには1/3、z方向と[00l]方向が垂直であるときには0となる。
一般に、MnSi系熱電材料において、ab面の配向度が高くなるほど、高い熱電特性が得られる。MnSiを面配向させる場合において、ab面の面配向度fは、0.5以上が好ましく、さらに好ましくは、0.7以上である。
本発明に係る熱電材料は、実質的にMnSiのみからなるものであっても良く、あるいは、これに各種のドーパントを添加した固溶体を含むものであっても良い。ドーパントは、Mnサイトを置換するものであっても良く、あるいは、Siサイトを置換するものであっても良い。
Mnサイトを置換する元素としては、Va族元素(23V、41Nb、73Ta)、VIa族元素(24Cr、42Mo、74W)、VIIa族元素(43Tc、75Re)、VIIIa族元素(26Fe、27Co、28Ni、44Ru、45Rh、46Pd、76Os、77Ir、78Pt)、ランタノイド元素(57La〜71Lu)から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
Mnサイトをこれらの元素で置換すると、キャリアがドープされる。電気伝導度σ及びゼーベック係数Sは、いずれもキャリア濃度の関数であるので、これらの元素によるMn元素の置換量を最適化することによって、熱電特性を向上させることができる。高い熱電特性を得るためには、Mn元素の置換量は、0.001at%以上が好ましく、さらに好ましくは、0.01at%以上、さらに好ましくは、0.1at%以上である。
一方、Mn元素の置換量が多くなりすぎると、キャリア濃度が過剰となり、あるいは、異相の生成によって熱電特性が低下する。従って、Mn元素の置換量は、20at%以下が好ましく、さらに好ましくは、10at%以下、さらに好ましくは、1.0at%以下である。
Siサイトを置換する元素としては、IIIb族元素(5B、13Al、31Ga、49In、81Tl)、IVb族元素(6C、32Ge、50Sn、82Pb)、ランタノイド元素(57La〜71Lu)から選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。
Siサイトをこれらの元素で置換する場合も同様であり、Si元素の置換量を最適化することによって、熱電特性を向上させることができる。高い熱電特性を得るためには、Si元素の置換量は、0.001at%以上が好ましく、さらに好ましくは、0.01at%以上、さらに好ましくは、0.1at%以上である。
一方、Si元素の置換量が多くなりすぎると、キャリア濃度が過剰となり、あるいは、異相の生成によって熱電特性が低下する。従って、Si元素の置換量は、20at%以下が好ましく、さらに好ましくは、10at%以下、さらに好ましくは、1.0at%以下である。
本発明に係る熱電材料は、特に次の(2)式に示す組成式で表される相を主成分とするものが好適である。
(Mn1−y[M])(Si1−z[M]) ・・・(2)
但し、M: Cr、Mo、W、Fe及びReから選ばれる1種以上の元素。
: Ge及びAlから選ばれる1種以上の元素。
y: 0≦y≦0.20
z: 0≦z≦0.20
x: 1.6≦x≦1.85
本発明に係る熱電材料は、ab面が一方向に配向しているので、同一組成を有する無配向多結晶体に比べて、高い熱電特性を示す。具体的には、ab面を配向させることによって、その出力因子は、同一組成を有する無配向多結晶体の1.1倍以上になる。また、配向度を高めることによって、その出力因子は、同一組成を有する無配向多結晶体の1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、あるいは、1.5倍以上となる。
次に、本発明に係る熱電材料の製造方法について説明する。
本発明の第1の実施の形態に係る熱電材料の製造方法は、溶解・鋳造法によって所望の組織を有する鋳塊を作製する方法であって、前処理工程と、溶解工程と、凝固工程と、緻密化工程と、アニール処理工程と、加工工程とを備えている。
前処理工程は、本発明に係る熱電材料が得られるように、所定の比率で配合された粉末を混合し、該粉末又はその成形体を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、前記粉末を固化させる工程である。
所定の比率で配合された出発原料を直接、ルツボに入れて溶解させることもできる。しかしながら、出発原料中に活性な元素が含まれている場合には、均一な溶湯が生成する前に活性な元素がルツボと反応する場合がある。また、ドーパントを添加する場合、一般に、その添加量は少量であるので、溶湯中にドーパントを均一に分散させるためには、ある程度の時間が必要となる。さらに、原料を高周波溶解させるためには、原料にある程度の導電性を持たせる必要がある。
前処理工程は、必ずしも必要な工程ではないが、前処理を行うことによって、このようなルツボとの反応に起因する組成のずれやドーパントの偏析を回避でき、精度の高いドーピング制御が可能となる。また、原料にある程度の導電性を付与できるので、高周波溶解が可能となる。
前処理する際には、出発原料を粉末のまま使用しても良く、あるいは、適当な条件下で適当な大きさに成形して使用しても良い。また、各種の原料は、乳鉢等で軽く混ぜるだけでも良く、あるいは、ボールミルを用いて乾式又は湿式で混合しても良い。一般に、原料が均一に混合されている方が、相対的に短時間で元素の拡散が進行するので、より均一な溶解用原料を得ることができる。
粉末又は成形体の加熱は、原料の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気中又は真空中において行う。また、加熱温度及び加熱時間は、粉末を固化させることができるように、出発原料の組成に応じて、最適な条件を選択する。ここで、「粉末を固化させる」とは、粉末の全部若しくは一部を溶融させて鋳塊を得ること、又は、ある程度の導電性が付与されるように粉末同士を焼結させることをいう。
一般に、加熱温度が低すぎると、粉末の固化や元素の拡散が不十分となる。一方、加熱温度が高すぎると、ルツボとの反応が著しくなる場合がある。また、一般に、加熱時間が短すぎると、固化や元素の拡散が不十分となる。一方、必要以上の加熱は、実益がない。最適な加熱条件は、原料組成によって若干異なるが、600℃以上1250℃以下の温度で、30分以上170時間以下加熱するのが好ましい。
溶解工程は、本発明に係る熱電材料が得られるように、所定の比率で配合された出発原料、又は、前処理された溶解用原料を溶解させ、溶湯を得る工程である。
出発原料又は溶解用原料の溶解は、原料の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気下で行うのが好ましい。また、溶解温度は、出発原料又は溶解用原料の融点(原料全体が溶融する温度)以上であれば良い。溶解時間は、原料全体が均一な溶湯になる時間であればよい。通常は、1〜10分程度である。
凝固工程は、その表面が平滑である凝固面と溶湯とを接触させる工程である。この時、凝固面が非平滑面であると、凝固面又はその近傍で生成した核がランダムな方向に成長するので、ab面が配向した多結晶体は得られない。これに対し、凝固面が平滑面であると、凝固面又はその近傍で生成した核が凝固面に対してほぼ垂直方向に成長する。しかも、各結晶粒は、ab面が凝固面に対して平行になるように成長する。
本発明において、「平滑面」とは、凝固面又はその近傍で生成した核が凝固面に対してほぼ垂直方向に成長することができる程度の平滑性を有している面をいう。そのためには、凝固面の表面粗さRzは、6.3以下が好ましく、さらに好ましくは、2以下である。肉眼で観察した時に凝固面が鏡面である時には、この条件は満たされる。
本実施の形態において、溶湯の凝固には、その表面が平滑である少なくとも1つの鋳壁(凝固面)を有する金型を用いる。このような金型に溶湯を鋳込むと、鋳壁に対してab面が平行(鋳壁に対してc軸が垂直)となるように各結晶粒が成長するので、部分的ではあるが、ab面が一方向に配向している鋳塊が得られる。特に、金型の周壁の全面が平滑である金型を用いると、周壁に対してab面が平行となるように、各結晶粒が成長した鋳塊が得られる。
この場合、鋳造時の温度勾配は、10〜10℃/mが好ましい。温度勾配が10℃/m未満であると、配向組織が促進されるような一軸異方性がつかないので好ましくない。一方、温度勾配が10℃/mを超えると、クラックが入りやすくなるので好ましくない。温度勾配は、さらに好ましくは、10〜10℃/mである。
緻密化工程は、凝固工程で得られた鋳塊を加圧下又は非加圧下で加熱し、緻密化させる工程である。
鋳塊には、一般にピンホール、ブローホールなどの鋳造欠陥が含まれる。鋳塊にこのような欠陥が含まれていると、鋳塊の密度を低下させるだけでなく、熱電特性を低下させる原因となる。緻密化工程は、必ずしも必要な工程ではないが、鋳塊に対して緻密化処理を行うと、高い特性を有する熱電材料が得られる。
緻密化処理は、鋳塊を加圧下又は非加圧下において、所定の温度で所定時間加熱することにより行う。相対的に小さな欠陥の場合、非加圧下の加熱により欠陥を消滅させることができる。一方、相対的に大きな欠陥の場合、加圧下で加熱すると、相対的に短時間で欠陥を消滅させることができる。加圧下で加熱する方法としては、ホットプレス、HIP、ホットフォージングなどがある。
加熱温度及び加熱時間は、材料組成、欠陥の種類、加圧の有無等に応じて、最適な条件を選択する。一般に、加熱温度が高くなるほど、及び/又は、加熱時の圧力が高くなるほど、相対的に短時間で欠陥を消滅させることができる。例えば、ホットプレスにより緻密化処理を行う場合、加熱温度:900〜1250℃、加熱時間:1〜48時間、加圧力:5〜20MPaの条件下で処理するのが好ましい。また、緻密化処理は、鋳塊の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気中又は真空中で行うのが好ましい。
なお、緻密化処理は、鋳塊の状態で行っても良く、あるいは、後述する加工工程において、所定の形状を有する素子に加工した後に行っても良い。
アニール処理工程は、緻密化処理を施した又は施さない鋳塊を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、成分元素の拡散を行わせる工程である。
MnSiには、多数の相が存在し、凝固時に目的とする相以外の異相が生成する場合がある。また、MnSiに対してドーパントを添加する場合、一般に、ドーパントの添加量は少量であるので、偏析が起きやすい。このような異相の生成やドーパントの偏析は、熱電特性を低下させる原因となる。アニール処理工程は、必ずしも必要な工程ではないが、アニール処理を行うことによって、異相や偏析を低減させることができる。
アニール処理は、鋳塊の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気中又は真空中において行う。また、加熱温度及び加熱時間は、鋳塊を溶融させないように、鋳塊の組成に応じて、最適な条件を選択する。一般に、加熱温度が低すぎると、元素の拡散が不十分となる。一方、加熱温度が高すぎると、鋳塊が溶融するので好ましくない。また、一般に、加熱時間が短すぎると、元素の拡散が不十分となる。一方、必要以上の加熱は、実益がない。最適な加熱条件は、鋳塊の組成によって若干異なるが、600℃以上1250℃以下の温度で、30分以上170時間以下加熱するのが好ましい。
なお、アニール処理は、鋳塊の状態で行っても良く、あるいは、後述する加工工程において、所定の形状を有する素子に加工した後に行っても良い。また、アニール処理は、緻密化処理の前に行っても良く、あるいは、緻密化処理の後に行っても良い。さらに、緻密化処理の条件を最適化すると、鋳塊の緻密化と同時にアニール処理と同等の効果が得られる。このような場合には、アニール処理を省略しても良い。逆に、アニール処理条件が適切であると、同時に緻密化も進行するので、このような場合には、緻密化処理を省略することもできる。
加工工程は、鋳壁に対して平行方向が熱の伝導方向となるように、凝固工程で得られた鋳塊(又は、緻密化処理後若しくはアニール処理後の鋳塊)から素子を切り出す工程である。
上述したように、鋳壁の表面を平滑にすると、鋳壁に対してab面が平行になるように各結晶粒が成長する。従って、鋳壁に対して平行方向が熱の伝導方向となるように素子を切り出すと、ab面が熱の伝導方向に対して平行方向に配向したバルク多結晶材料からなる熱電材料が得られる。
また、MnSiは、p型熱電材料であるので、これと適当なn型熱電材料とを組み合わせて用いると、相対的に高い性能指数を示す熱電素子となる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る熱電材料の製造方法について説明する。
本実施の形態に係る熱電材料の製造方法は、粉末冶金法によって所望の組織を有する焼結体を作製する方法であって、前処理工程と、溶解工程と、凝固工程と、粉砕工程と、焼結工程と、緻密化工程と、アニール処理工程と、加工工程とを備えている。
前処理工程は、本発明に係る熱電材料が得られるように、所定の比率で配合された粉末を混合し、該粉末又はその成形体を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、粉末を固化させる工程である。また、溶解工程は、本発明に係る熱電材料が得られるように、所定の比率で配合された出発原料、又は、前処理された溶解用原料を溶解させ、溶湯を得る工程である。前処理工程及び溶解工程の詳細については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
凝固工程は、その表面が平滑である凝固面と溶湯とを接触させる工程である。本実施の形態においては、溶湯の凝固には、その表面が平滑であるロールを用いる。このようなロールを高速で回転させながらロール上に溶湯を滴下すると、溶湯がロール表面で急冷され、リボンが得られる。この時、ロール表面が平滑であると、ロール面に対してab面が平行になるように凝固が進行する。
ロールの回転速度や溶湯の滴下速度は、溶湯の温度、ロールやノズルの大きさ等に応じて最適な条件を選択する。一般に、ロールの回転速度は、100〜10000rpm、溶湯の滴下速度は、0.1〜1cc/sec程度である。なお、凝固工程のその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
粉砕工程は、凝固工程で得られたリボンを粉砕し、扁平状の粉末を得る工程である。
凝固工程において得られたリボンを適当な条件下で粉砕すると、その発達面(面積の最も大きい面)がab面に対してほぼ平行である扁平状の粉末が得られる。この方法により得られる粉末の最小寸法dに対する最大寸法Lの比(L/d)は、粉砕条件にもよるが、通常は、2〜10である。
焼結工程は、扁平状の粉末の発達面が一方向に配向するように粉末を成形し、焼結させる工程である。
扁平状の粉末の発達面を一方向に配向させるためには、成形時に粉末に対してせん断力が働くような成形方法を用いればよい。扁平状の粉末は、形状異方性が大きいので、これを単に金型又はダイスに入れ、一軸加圧するだけで発達面が一方向に配向した成形体が得られる。
次に、このようにして得られた成形体を所定温度に加熱し、焼結させる。焼結は、非加圧下で行っても良く、あるいは、加圧下で行っても良い。加圧焼結法としては、ホットプレス、HIP、プラズマ焼結法(SPS)等が好ましい。
例えば、非加圧下で焼結(常圧焼結)させる場合、発達面が配向している成形体を作製し、これを所定温度に加熱する。また、例えば、ホットプレスにより焼結させる場合、ダイス内に粉末をそのまま充填しパンチで加圧することによって粉末を配向させても良く、あるいは、予め粉末を配向させた成形体を作製し、これをダイス内の挿入しても良い。また、例えば、HIPにより焼結させる場合、予め粉末を配向させた成形体を作製し、これを適当な容器に収めて焼結させる。
焼結は、焼結体の酸化を防ぐために、非酸化雰囲気中又は真空中において行う。また、焼結温度、焼結時間、加圧力等の焼結条件は、緻密な焼結体が得られるように、粉末組成に応じて、最適な条件を選択する。一般に、加熱温度が低すぎると、元素の拡散が不十分となる。一方、焼結温度が高すぎると、成形体が溶融するので好ましくない。また、一般に、焼結時間が短すぎると、緻密化が不十分となる。一方、必要以上の加熱は、実益がない。さらに、焼結時の加圧力が高くなるほど、相対的に低温で、及び/又は、相対的に短時間で緻密化させることができる。最適な焼結条件は、粉末の組成や加圧の有無によって若干異なるが、600℃以上1250℃以下の温度で、30分以上170時間以下加熱するのが好ましい。また、焼結時に加圧する場合、加圧力は10〜50MPaが好ましい。
緻密化工程は、焼結工程で得られた焼結体を加圧下又は非加圧下で加熱し、緻密化させる工程である。
焼結法として常圧焼結法を用いた場合、一般に、相対密度100%の焼結体は得られず、気孔が含まれる。焼結体の密度が低いと、熱電特性を低下させる原因となる。緻密化工程は、必ずしも必要な工程ではないが、焼結体に対して緻密化処理を行うと、高い特性を有する熱電材料が得られる。また、焼結法として加圧焼結法を用いた場合であっても、再度、緻密化処理を施すことによって、焼結体の密度がさらに向上する場合がある。
なお、緻密化処理に関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
アニール処理工程は、緻密化処理を施した又は施さない焼結体を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、成分元素の拡散を行わせる工程である。
アニール処理は、焼結体の状態で行っても良く、あるいは、後述する加工工程において、所定の形状を有する素子に加工した後に行っても良い。また、アニール処理は、緻密化処理の前に行っても良く、あるいは、緻密化処理の後に行っても良い。さらに、焼結条件、あるいは、緻密化処理の条件を最適化すると、焼結体の緻密化と同時にアニール処理と同等の効果が得られる。このような場合には、アニール処理を省略しても良い。
アニール処理に関するその他の点については、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
加工工程は、配向した発達面に対して平行方向が熱の伝導方向となるように、焼結工程で得られた焼結体(又は、緻密化処理後又はアニール処理後の焼結体)から素子を切り出す工程である。
上述したように、扁平状の粉末の発達面が一方向に配向するように粉末を成形し、これを焼結させると、発達面の配向方位を継承した焼結体が得られる。発達面は、ab面とほぼ平行であるので、このような方法によって、ab面がほぼ一方向に面配向した焼結体が得られる。従って、配向した発達面に対して平行方向が熱の伝導方向となるように素子を切り出すと、ab面が熱の伝導方向に対して平行方向に配向したバルク多結晶材料からなる熱電材料が得られる。
また、MnSiは、p型熱電材料であるので、これと適当なn型熱電材料とを組み合わせて用いると、相対的に高い性能指数を示す熱電素子となる。
次に、本発明に係る熱電材料及びその製造方法の作用について説明する。
MnSiは、正方晶系に属するが、結晶構造は層状であるため、輸送特性の異方性が存在する。MnSiの単結晶の測定により、電気比抵抗とゼーベック係数の異方性は、それぞれ、ρ≒4ρab、S≒1.5Sabと報告されている。しかしながら、単結晶は、一般に、高価であり、実用的ではない。一方、これらの異方性を生かした配向多結晶体を作製することができれば、高い熱電材料を低コストで得ることができる。
しかしながら、メカニカルアロイング法やアトマイザー法を用いて粉末を作製し、これを焼結させる方法では、ab面が一方向に配向した多結晶体は得られない。また、Mn−Si溶湯を単に鋳型に鋳込む溶解・鋳造法では、凝固時に結晶粒がランダムな方向に成長するので、部分的にab面が配向している鋳塊すら得られない。さらに、MnSiは、正方晶であり、結晶格子の異方性が極めて小さい。そのため、従来知られている方法では、ab面を配向させるのが極めて困難である。
これに対し、凝固面の少なくとも1つを平滑にした鋳型内にMn−Si溶湯を鋳込むと、平滑な凝固面から所定の配向方位を有する結晶粒が一方向に配向する。そのため、部分的ではあるが、ab面が一方向に配向した多結晶体が得られる。また、鋳型の一面(例えば、底面)を平滑にし、その一面から他面(例えば、上面)に向かって一方向に温度勾配を形成すると、実質的にその全体に渡ってab面が一方向に配向した鋳塊が得られる。
また、その表面が平滑であるロールを回転させながら、ロール表面に溶湯を滴下すると、リボンが得られる。溶湯は、平滑なロール表面上で凝固するので、ロール面に対してほぼ平行にab面が配向する。このリボンを粉砕することにより得られた扁平状の粉末にせん断力をかけながら成形し、これを焼結すると、実質的にその全体に渡ってab面が一方向に配向した多結晶体が得られる。
さらに、このような鋳塊又は焼結体からab面が熱の伝導方向に対して平行になるように素子を切り出すと、ab面が一方向に配向したバルク多結晶体が得られる。このようにして得られたバルク多結晶体は、ab面が一方向に配向しているので、同一組成を有する無配向多結晶体に比べて、高い熱電特性を示す。また、単結晶を作製する場合に比べて、低コストである。
さらに、MnSiに対してある種のドーパントを添加すると、キャリア濃度を変化させることができる。電気伝導度σ及びゼーベック係数Sは、いずれもキャリア濃度と相関があるので、ドーパントの種類及び量を最適化することによって、キャリア濃度を最適化することができる。その結果、ドーパント無添加の場合に比べて、その出力因子を向上させることができる。
また、ドーパントは、一般に添加量が少量であるので、高い特性を得るには、少量のドーパントを材料全体に均一に分散させる必要がある。この場合、所定の比率で配合された原料を単に溶融させるだけでは、ドーパントの偏析や鋳壁との反応により、精度の高いドーピング制御ができない場合がある。これに対し、原料を溶解させる前に、予め前処理を行うと、ドーパントの偏析や鋳壁との反応を抑制することができる。そのため、精度の高いドーピング制御が可能となる。また、予め前処理を行うと、原料に適度な導電性を付与できるので、高周波溶解を容易に行うことができる。
さらに、前処理に代えて又はこれに加えて、鋳塊、焼結体又は素子に対して緻密化処理を施すと、残留した気孔に起因する熱電特性の低下を抑制することができる。また、前処理及び/若しくは緻密化処理に代えて、又は、これらに加えて、鋳塊、焼結体又は素子に対してアニール処理を施すと、ドーパントの偏析がさらに低減し、熱電特性がさらに向上する。しかも、原料を調製する際にMA処理が不要であるので、不純物の混入や仕込み組成からのずれも少ない。
(参考例1)
MnSi1.73となるように秤量した塊状Mn、Siを溶融させた。次いで、壁厚7mmで、その内面を鏡面に研磨した金型(Rz≦2)に溶湯を鋳込んで、凝固させた。得られた鋳塊から、その長手方向が鋳壁と平行になるように、直方体の試料を切り出した。さらに、切り出した直方体に対し、ホットプレスを行った。なお、加圧方向は、凝固方向と平行方向(鋳壁に対して垂直方向)とした。また、ホットプレス条件は、加熱温度:1160℃、加熱時間:12時間、加圧力:10MPa、雰囲気:真空中、とした。
ホットプレス前の試料の密度は、相対密度91%であるのに対し、ホットプレス後の試料の密度は、相対密度95%に向上した。
また、ホットプレス前及びホットプレス後の試料について、凝固方向と垂直な面をX線回折により解析した。図1に、その結果を示す。図1より、ホットプレス前及びホットプレス後のいずれも、凝固方向に対して垂直方向にab面が配向していることがわかる。ホットプレス前後において、X線回折パターンが変化しているが、これは、結晶粒の大きさが変化したためと思われる。実際、(1、0、15)に対する極点図より算出した配向度fは、いずれも約0.7であり、ホットプレス前後において大きな変化はなかった。
図2に、ホットプレス後の試料の極点図を示す。図2中、図の中心は、凝固面に対して垂直方向を表し、各点は、各結晶粒の(1、0、15)面の法線と凝固面の法線とのなす角度の分布を表す。図2より、凝固方向に対して垂直方向にab面((1、0、15)面)が配向していることがわかる。図示はしないが、電子後方散乱回折像法(EBSP)による結晶方位解析からも、同様に試料がab面配向していることが確認された。
(比較例1)
その内面が鏡面でない金型(Rz>6.3)を用いた以外は、参考例1と同一条件下で、直方体の試料を作成した。得られた試料について凝固方向と垂直な面をX線回折により測定したところ、ab面の配向度fは0.3以下であった。
図3に、参考例1で得られた鋳塊及び比較例1で得られた鋳塊の断面写真を示す。図1より、比較例1は、組織が不均一であるのに対し、参考例1は、組織が比較的均一であり、かつ、鋳壁に対して平行に配向組織(横筋)が見られることがわかる。
(実施例2)
一般式:MnSi(1.53≦x≦1.93)、又は、一般式:Mn(Si0.995Ge0.005)となるように秤量した粉末に対し、30分の乾式混合を行った。得られた粉末を、φ12mmの型を用いて2軸成型(96MPa)により成形体とした。これらを真空中、1073K×24h×2回の仮焼(前処理)を行った。
次に、非晶質作製機を用いて、仮焼された試料からリボン粉末を作製した。得られたリボン粉末をダイスに充填し、プラズマ焼結法(SPS)により焼結体を作製した。焼結条件は、1323K×15min×50MPaとした。さらに、得られた焼結体を真空中において、1173〜1373K×12hのアニール処理を行った。
図4に、MnSi1.73の急冷リボン(3000rpm)の極点図を示す。図4中、図の中心は、テープ面に垂直方向を表し、各点は、(1、0、15)面の角度分布を表す。図4より、テープ面に対して垂直方向にab面((1、0、15)面)が配向していることがわかる。この図より評価された配向度は、0.6であった。
次に、得られた試料について、773Kにおける出力因子を測定した。図5に、その結果を示す。図5より、
(1)Geをドープすることによって、出力因子が向上する、
(2)xが1.60〜1.85の時に出力因子が1×10−3W/Km以上となる、
(3)xが1.65〜1.80の時に出力因子が1.5×10−3W/Km以上となる、
(4)xが1.70〜1.76の時に出力因子が1.7×10−3W/Km以上となる、
ことがわかる。
(実施例3)
一般式:Mn(Si1-zGez)1.73(0.0025≦z≦0.0125)となるように粉末を秤量した以外は、実施例2と同一の手順に従い、焼結体を作製した。
得られた試料について、773Kにおける出力因子を測定した。図6にその結果を示す。図6より、
(1)GeによるSiの置換量が0.25〜1.25at%の時に、出力因子が1.6×10−3W/Km以上となる、
(2)Siの置換量が0.35〜0.9at%の時に、出力因子が1.8×10−3W/Km以上となる、
(3)GeによるSiの置換量が0.5at%の時に出力因子が最大になる、
ことがわかる。
(実施例4)
一般式:(Mn1-yy)(Si1-zz)1.73となるように、Mnサイトを元素M(M=Cr、Mo、W、Fe、Re、x=0〜0.01)で、Siサイトを元素N(N=Ge、Al、y=0〜0.01)で、それぞれ元素置換を行った以外は、実施例2と同一の手順に従い、焼結体を作製した。表1に、各試料の仕込み組成を示す。
Figure 0004888685
得られた焼結体について、アニール前後の粉末X線回折、配向度、及び、熱電特性の評価を行った。
X線回折により、すべての置換した試料で各置換元素がMnSi1.73結晶格子に固溶置換されていることが確認された(図示せず)。また、この方法により得られた焼結体の配向度は、0.5〜0.8であった。
次に、アニール後の焼結体から、加圧方向に対して垂直方向を長手方向とする棒状試料を切り出し、電気伝導率σ、及び、ゼーベック係数Sを測定した。さらに、測定された値から、出力因子PF(=σS)を算出した。表2に、その結果を示す。
Figure 0004888685
表2より、Mnサイト及び/又はSiサイトを元素置換した試料は、いずれも無置換試料(#11)より出力因子が、22〜45%高くなっていることがわかる。
さらに、表1と同一組成を有する各試料について、参考例1と同一の手順に従い、溶解・鋳造法によりab面配向多結晶体を作製した。その結果、出力因子は、いずれも、焼結法を用いて作製した多結晶体より10〜50%向上した。
(参考例5)
一般式:MnSi1.73となるように秤量した粉末をボールミルにて30分の乾式混合を行った。得られた粉末を、φ12mmの型を用いて2軸成型(96MPa)により成形体とした。これらを真空中、1073K×24h×2回の仮焼(前処理)を行った。
次に、非晶質作製機を用いて、仮焼された試料からリボン粉末を作製した。得られたリボン粉末をダイスに充填し、プラズマ焼結法(SPS)により焼結体を作製した。焼結条件は、1323K×15min×50MPaとした。さらに、得られた焼結体を真空中において、873〜1473K×12hのアニール処理を行った。
得られた焼結体について、773Kにおける出力因子を測定した。図7にその結果を示す。なお、図7には、アニール処理を行わなかった焼結体の出力因子も併せて示した。
図7より、
(1)アニール処理温度を600℃以上とすると、出力因子が著しく向上する、
(2)特に、アニール処理温度を1000℃〜1200℃とすると、出力因子が1.45×10−3W/Kmを超える、
ことがわかる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
本発明に係る熱電材料及びその製造方法は、太陽熱発電器、海水温度差熱電発電器、化石燃料熱電発電器、工場排熱や自動車排熱の回生発電器等の各種の熱電発電器、光検出素子、レーザーダイオード、電界効果トランジスタ、光電子増倍管、分光光度計のセル、クロマトグラフィーのカラム等の精密温度制御装置、恒温装置、冷暖房装置、冷蔵庫、時計用電源等に用いられる熱電材料及びその製造方法として使用することができる。
参考例1で得られた試料のホットプレス前後のX線回折パターンである。 参考例1で得られた試料の凝固面に対して垂直方向の極点図である。 図3(a)及び図3(b)は、それぞれ、参考例1及び比較例1で得られた鋳塊の組織写真である。 実施例2で得られた急冷リボンのテープ面に対して垂直方向の極点図である。 MnSi及びMn(Si0.995Ge0.005)のxと出力因子との関係を示す図である。 Mn(Si1-zGez)1.73のGe濃度(at%)と出力因子との関係を示す図である。 MnSi1.73のポストアニール温度と出力因子との関係を示す図である。

Claims (16)

  1. 以下の構成を備えた熱電材料。
    (1)前記熱電材料は、MnSi(1.6≦x≦1.85)を主成分とし、かつ、各結晶粒のab面が一方向に配向しているバルク多結晶材料からなる。
    (2)前記熱電材料は、前記ab面の配向度fが0.5以上である。
    (3)前記熱電材料は、前記Si元素の0.25at%以上20at%以下がIIIb族元素、IVb族元素、ランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種類の元素M 2 で置換されている。
    (4)前記熱電材料は、前記元素M 2 として少なくともGeを含み、前記Geによる前記Si元素の置換量は、0.25at%以上1.25at%以下である。
  2. 前記Mn元素の0.001at%以上20at%以下がVa族元素、VIa族元素、VIIa族元素、VIIIa族元素、ランタノイド元素から選ばれる少なくとも1種類の元素M 1 置換されている請求項1に記載の熱電材料。
  3. 組成式:(Mn1−y[M])(Si1−z[M])で表される相を主成分とする請求項1又は2に記載の熱電材料。
    但し、
    : Cr、Mo、W、Fe及びReから選ばれる1種以上の元素、
    Ge、又は、GeとAlの双方。
    y: 0≦y≦0.20、
    z: 0.0025≦z≦0.0125、
    x: 1.6≦x≦1.85
  4. その出力因子が同一組成を有する無配向多結晶体の1.1倍以上である請求項1から3までのいずれかに記載の熱電材料。
  5. 請求項1から3までのいずれかに記載の熱電材料が得られるように配合された出発原料を溶解させ、溶湯を得る溶解工程と、
    その表面が平滑である凝固面と前記溶湯とを接触させる凝固工程と、
    を備えた熱電材料の製造方法。
  6. 前記凝固面は、その表面粗さRzが6.3以下である請求項5に記載の熱電材料の製造方法。
  7. 前記凝固工程は、温度勾配が10〜10℃/mである請求項5又は6に記載の熱電材料の製造方法。
  8. 前記凝固工程は、その表面が平滑である少なくとも1つの鋳壁を有する金型内に前記溶湯を鋳込み、鋳塊を得るものである請求項5から7までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
  9. 前記鋳壁に対して平行方向が熱の伝導方向となるように、前記凝固工程で得られた鋳塊から素子を切り出す加工工程をさらに備えた請求項8に記載の熱電材料の製造方法。
  10. 前記凝固工程は、その表面が平滑であるロールを回転させながら、前記ロール上に前記溶湯を滴下し、リボンを得るものであり、
    前記リボンを粉砕し、扁平状の粉末を得る粉砕工程と、
    前記扁平状の粉末の発達面が一方向に配向するように前記粉末を成形し、焼結させる焼結工程とをさらに備えた請求項5から7までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
  11. 配向した前記発達面に対して平行方向が熱の伝導方向となるように、前記焼結工程で得られた焼結体から素子を切り出す加工工程をさらに備えた請求項10に記載の熱電材料の製造方法。
  12. 前記凝固工程、前記焼結工程又は前記加工工程の後に、前記鋳塊、前記焼結体又は前記素子を加圧下又は非加圧下で加熱し、緻密化させる緻密化工程をさらに備えた請求項5から11までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
  13. 前記凝固工程、前記焼結工程又は前記加工工程の後に、前記鋳塊、前記焼結体又は前記素子を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、成分元素の拡散を行わせるアニール処理工程をさらに備えた請求項5から12までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
  14. 前記アニール処理工程は、前記鋳塊、前記焼結体又は前記素子を非酸化雰囲気中又は真空中において、600℃以上1250℃以下の温度で、30分以上170時間以下加熱するものである請求項13に記載の熱電材料の製造方法。
  15. 前記溶解工程の前に、請求項1から3までのいずれかに記載の熱電材料が得られるように配合された粉末を混合し、該粉末又はその成形体を非酸化雰囲気中又は真空中において加熱し、前記粉末を固化させる前処理工程をさらに備えた請求項5から14までのいずれかに記載の熱電材料の製造方法。
  16. 前記前処理工程は、前記粉末又はその成形体を、非酸化雰囲気中又は真空中において、600℃以上1250℃以下の温度で、30分以上170時間以下加熱するものである請求項15に記載の熱電材料の製造方法。
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