JP4888471B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ターゲットの方位を検出する車載レーダに適用するアンテナ装置に関する。
ところで、前方車両や路上の障害物等を検出するために車両に搭載される車載ミリ波レーダは、図8に示すように、車両前方を検知するLRR(Long Range Rader)と呼ばれる車両前方を比較的遠方まで検知するセンサが主流である。このLRRでは、送信アンテナのビーム幅を絞り込む(±15°程度)ことで、送信電力(ひいては検知距離)を確保するようにされている。
また、近年では、このLRRに加えて、自車両の前方に割り込もうとしている車両や、自車両の後方に位置し、車線変更の際に注意すべき車両を検知するために、車両の前側方や後側方の比較的近い範囲を検知するSRR(Short Range Rader) と呼ばれるセンサも装備されつつある。
このような用途での検知範囲は、車両の前後とも正面方向を0°として水平方向に±30°程度と広角なため、通常は、検知エリアを分割して、複数のSRRでカバー(図では、車両の前後に二つずつ搭載)することが行われている。
しかし、車両において、このような車載ミリ波レーダを搭載するためのスペースは限られており、車載ミリ波レーダの設置台数を削減することが望まれており、その一つの解決方法としては、SRRの検知範囲を広角化することが考えられる。
ところで、ターゲットの方位を検出するレーダとして、送信アンテナから電波を放射すると共に、ターゲットからの反射波を複数の受信アンテナで個々に受信し、各受信アンテナにて受信した受信信号の位相差からターゲットの方位を検出する位相モノパルスレーダが知られている。
この位相モノパルスレーダでは、受信信号の位相差Δφが−180°<Δφ≦+180°となる角度範囲(以下、検知範囲という)では、ターゲットの方位θが一意に検出される。しかし、位相差ΔφがΔφ≦−180°又はΔφ>180°となる角度範囲(即ち、検知範囲外)では、ΔφとΔφ±360°とを識別することができず、いわゆる位相の折り返しが発生することにより、検出範囲外に位置するターゲットが、検知範囲内に位置するものとして誤検出される。
なお、ターゲットの方位θは、受信アンテナの配置間隔をL、レーダ波の波長をλとして、受信信号の位相差Δφから(1)式を用いて算出される。
θ=(180/π)sin-1{(Δφ/360)・(λ/L) (1)
つまり、(1)式において、−180°<Δφ≦+180°に対応する方位θの角度範囲が検知範囲となる。従って、位相モノパルスレーダを広角化するには、レーダ波の波長λが決まっている場合、受信アンテナの配置間隔Lを短くする必要がある。
但し、車載レーダの場合、レーダ波としてミリ波が用いられているため、受信アンテナの配置間隔(各アンテナの中心間の間隔)Lもミリメートルオーダとなり、方位検出方向に十分な開口を確保することができないため、個々の受信アンテナの指向性は、方位検出方向については無指向性となるものが用いられている。
そして、受信アンテナとして無指向性のアンテナを用いると、送信アンテナのサイドローブの方向から到来する反射波に基づくグレーティング(位相折返し)を抑制することができなかった。
これに対して、互いに指向性の異なる複数の送信アンテナを用い、送信アンテナを順次切り替えつつレーダ波の送受信を実行し、送信アンテナ毎に得られる受信信号の位相差や、その位相差から検出される方位を比較することで、その検出結果が、グレーティングによって生じた虚像によるものか、検知範囲内に実在するターゲットによるものかを判定する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−521533号公報
しかし、この場合、送信アンテナの指向性を切り換えるための構成が必要となり、装置が複雑化するという問題があった。
また、送信アンテナにおいては、必要な検知距離(送信電力)を確保することも要求され、そのためには、アンテナ数を増す(アンテナ開口を広くする)ことが必要である。しかし、送信アンテンを構成するアンテナ数を増やすと送信アンテナのビーム幅が絞られてしまうため、せっかく受信アンテナの検知範囲を広角化しも、その検知範囲の中で十分な利得が得られる領域が限られてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するために、簡易な構成で広い検知範囲を有し且つグレーティングによる誤検出を低減可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた本発明である請求項1に記載のアンテナ装置は、同数の単位アンテナによって構成された二つのアンテナグループを有する送信アンテナ部、及び複数の単位アンテナによって構成された受信アンテナ部からなる送受信手段と、送信アンテナ部の指向性が、正面方向にヌル点を有したものとなるように、送信アンテナ部を構成する二つのアンテナグループに対して位相差180°で給電を行う給電手段とを備えている。
そして、受信アンテナ部を構成する単位アンテナの配置間隔は、予め設定された検知角度範囲内での位相の回転が1回転未満となる長さに設定され、また、受信アンテナ部を構成する単位アンテナの個別の指向性は、検知角度範囲の全体をメインローブに含み、且つ、送信アンテナ部のサイドローブが位置する角度範囲の信号強度を抑圧するように設定されている。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、給電手段の給電によって送信アンテナ部の指向性を、検知範囲の両端付近の利得を向上させたものとすることができ、正面方向に不検知エリアが存在するものの広い角度範囲について方位検出を行うことができる。
また、受信アンテナ部を構成する個々の単位アンテナの指向性により、送信アンテナ部のサイドローブが存在する角度範囲からの反射波の受信強度が抑制されるため、グレーティングによる誤検出を低減することができる。
ところで、受信アンテナ部を構成する各単位アンテナは、請求項2に記載のように、給電線路を介して一列に直列接続された複数のアンテナ素子からなり、該アンテナ素子が並ぶ配列線は、予め設定された屈曲点の前後で異なり且つ平行であるように構成されていてもよい。
この場合、一つの単位アンテナにより、近接配置された2列の単位アンテナと同等の効果を得ること、即ち、方位検知方向に沿った単位アンテナの開口サイズを拡大することができる。その結果、受信アンテナ部を構成する個々の単位アンテナに指向性を持たせることができ、送信アンテナ部のサイドローブが存在する角度範囲での受信強度を確実に抑制することができる。
なお、請求項3に記載のように、送信アンテナ部の指向性と受信アンテナ部を構成する個々の単位アンテナの指向性とを合成したものを合成特性として、屈曲点前後の配列線間の距離は、単位アンテナの配置間隔より狭く、且つ、グレーティングによってメインローブ内に折り返される合成特性のサイドローブと、該サイドローブが折り返された角度位置での合成特性のメインローブとの強度差が予め設定された余裕値より大きくなるように設定されていることが望ましい。
即ち、配列線間の距離を変化させると、送信アンテナのサイドローブに対応する角度範囲での受信強度が変化するため、これを利用して所望の余裕値が得られるように調整すればよい。
このように本発明のアンテナ装置によれば、配列線間の距離を適宜設定するだけで、合成特性におけるサイドローブの受信強度を簡単に調整することができるため、グレーティングの影響をより確実に除去することができる。
また、送信アンテナ部を構成する単位アンテナの数及び配置間隔は、請求項4に記載のように、送信アンテナ部の指向性のヌル点により、送信強度が予め設定された送信閾値以下となる正面ヌル領域の角度範囲が、予め設定された正面検知距離に位置する車両の車幅に相当する角度範囲より小さくなるように設定されていることが望ましい。
即ち、本発明の発明者らは、各種シミュレーションを実施することにより、正面ヌル領域は、単位アンテナが配置された領域の幅が広いほど、換言すれば、単位アンテナの数が多く、又は配置間隔が広い程急峻になることを見いだし(図6参照)、請求項4の構成は、これを利用したものである。但し、図6は、送受信するレーダ波の周波数が76GHz帯(波長が約3.9mm)である場合を示す。
そして、正面ヌル領域の幅が、検出すべきターゲットの幅より狭ければ、そのターゲットを検出することができる。従って、本発明のアンテナ装置によれば、正面ヌル領域の存在にも関わらず、正面検知距離以内であれば、正面方向に位置する車両(ターゲット)を検出することができる。
ところで、送信アンテナ部と受信アンテナ部とは、請求項5に記載のように、単位アンテナを共用するように構成されていてもよい。
この場合、送信アンテナ部と受信アンテナ部とで、単位アンテナの配置間隔は同じものとして設計を行えばよい。
また、請求項6に記載のように、給電手段は、MMICによって実現され、MMICは、送受信手段を構成する単位アンテナの配置面に実装されるように構成してもよい。
このように構成された本発明のアンテナ装置によれば、当該装置を小型化,薄型化することができるだけでなく、給電損失も低減されるため、検知能力(特に検知距離)を向上させることができる。
また、本発明のアンテナ装置を車載レーダのSRRの代わりに使用する場合、請求項7に記載のように、検知角度範囲は、正面方向を0°として−30°〜+30°の範囲であることが望ましい。
この場合、車両の前後に二つずつ必要であったSRRを(図8参照)、車両の前後に一つずつに削減することができる(図7中のMRR参照)。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
<全体構成>
図1は、本発明のアンテナ装置を適用して構成した車載レーダ装置1の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、車載レーダ装置1は、ミリ波帯のレーダ波を送受信するアンテナ部10と、アンテナ部10から放射されるレーダ波の周波数を変化させるための制御信号を生成する周波数制御部21と、ターゲットからの反射波を受信することでアンテナ部10から供給される受信信号(IF信号)をA/D変換するA/D変換器23と、周波数制御部21に対してレーダ波の放射タイミングを制御するための指令を出力すると共に、A/D変換器23を介して取り込んだ信号に基づいて、レーダ波を反射したターゲットに関する情報(相対速度,距離,方位等)を求める信号処理部25とを備えている。
<アンテナ部>
アンテナ部10は、送受共用に用いる4本の単位アンテナからなるアンテナ本体11と、各単位アンテナを介してレーダ波の送受信を行う送受信回路部13とで構成されている。
なお、送受信回路部13は、1チップのMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)として構成され、単位アンテナが形成されたアンテナ面に実装されている。
また、以下では、各単位アンテナを識別する必要がある場合は、チャンネルCH1〜CH4とも呼ぶ。
<<送受信回路部>>
送受信回路部13は、周波数制御部21からの制御信号に応じて周波数が変化するミリ波帯の高周波信号を発生させる高周波発振器、高周波発振器にて発生させた高周波信号を増幅し、且つ、位相差が180°異なる二つの送信信号(差動出力)を生成する増幅器等を備え、増幅器の一方の出力(非反転出力)を、チャンネルCH1,CH2の単位アンテナで形成された第1アンテナグループに供給し、増幅器の他方の出力(反転出力)を、チャンネルCH3,CH4の単位アンテナで形成された第2アンテナグループに供給する、いわゆる差動給電を行うように接続されている。
また、送受信回路部13は、単位アンテナに供給する送信信号を電力分配してローカル信号を生成すると共に、単位アンテナに供給する送信信号と単位アンテナから供給されてくる受信信号とを分離する分離カプラ、分離カプラにて生成,分離されたローカル信号と受信信号とを混合するミキサ等も、単位アンテナ毎に備えている。そして、この各ミキサの出力(IF信号)が送受信回路部13の出力としてA/D変換器23に供給されるように接続されている。
なお、このような機能を有する送受信回路部13は周知のものである。
つまり、アンテナ本体11を構成する各単位アンテナを送信アンテナとして使用する時には、これら四つの単位アンテナは単一のアンテナとして動作する。但し、この送信アンテナの指向性は、第1及び第2アンテナグループに対する差動給電によって、メインローブ中の正面方向にヌル点を有したものとなる。
また、アンテナ本体11を構成する各単位アンテナを受信アンテナとして使用する時には、各単位アンテナは個別の受信アンテナとして動作する。そして、各単位アンテナからの受信信号は、個別に中間周波信号IFに変換され、A/D変換器23を介して信号処理部25に取り込まれることになる。
<<アンテナ本体>>
アンテナ本体11を構成する各単位アンテナは、複数のアンテナ素子(パッチアンテナ)を給電線路を介して直列接続し、給電端とは反対側の端部は、その端部にて信号の反射が発生しないように終端されている。つまり、単位アンテナは進行波型のアンテナとして構成されている。
また、各単位アンテナは、給電線路の配線方向とは直交する方向に一定の間隔dn(d1=d2=d3)で一列に配置されている。
但し、給電線路は、その全長の略半分の位置で屈曲したクランク状に形成されており、クランクの屈曲部位の前後に位置する二つの直線部分(以下、給電端側直線部,終端側直線部ともいう)は、平行となるように配線されている。また、両直線部間の距離を表す曲げ幅RGpは、0より大きく単位アンテナの配置間隔dnより小さな値(0<RGp<dn)に設定されている。
また、アンテナ素子は、給電線路の各直線部分に沿ってそれぞれ一列に並ぶように、各直線部分の一方の側(図では左側)に配置され、しかも、各アンテナ素子から放射されるレーダ波の位相が揃ったものとなるように、一定間隔(例えば、1波長)で配置されている。
なお、単位アンテナの数、単位アンテナの配置間隔dn、単位アンテナにおける曲げ幅RGpは、図2に示すような指向性が得られるように設定されている。但し、図中において、点線が送信アンテナ(差動給電された全単位アンテナを単一のアンテナとした場合)の指向性、一点鎖線が受信アンテナ(個々の単位アンテナ)の指向性、実線が送信アンテナの指向性と受信アンテナの指向性を合成した合成特性を表す。
即ち、送受信アンテナの合成特性は、正面方向を0°として、メインローブの指向性強度が−15dB以上となる検知角度範囲が−30°〜+30°(但し、0°にヌル点を有する)、グレーティングによって検知角度範囲内に折り返すサイドローブの強度と、そのサイドローブに対応する検知角度におけるメインローブの強度との差が20dB以上(図3参照)となるように設定されている。
但し、図2,3は、dn(d1〜d3)=3mm、RGp=2mm、周波数76.5GHz(波長3.92mm)である場合を示す。
<<アンテナ本体の設計手順>>
ここで、上述の合成特性が得られるように、アンテナ本体11を設計する際の設計手順について説明する。
(A)送信アンテナの指向性の第1ヌル点(グレーティングの折り返し角度)が、検知角度範囲(−30°〜+30°)より外側に位置するように(例えば±40°)、単位アンテナの配置間隔dnを設定する。
(B)受信アンテナの指向性が、グレーティングによって検知角度範囲内に折り返すサイドローブが存在する角度範囲(以下「折返しサイドローブ領域」という)、即ち、折返し角度より外側の角度範囲で十分に低下するように、曲げ幅RGpを設定する。
(C)送信アンテナの指向性が、折り返しサイドローブエリアで低くなるように、単位アンテナの本数nTを設定する。(場合によっては、単位アンテナの配置間隔dnも調整する。)
(D)合成特性において、検知角度範囲(但し、正面ヌル領域を除く)にて所望の指向性強度が得られ、且つ、検知角度範囲の両端(±30°)での指向性強度と、折り返しサイドローブエリアで最大となる指向性強度との差が予め設定された余裕値(ここでは20dB)以上となるように、単位アンテナの本数nT、配置間隔dn、曲げ幅RGpを適宜微調整する。
<効果>
以上説明したように、車載レーダ装置1では、二つにグループ分けした単位アンテナに差動給電を行い、送信アンテナの指向性を、正面方向にヌル点を有するものとすることにより、メインローブの領域端での利得を増大させている。
これと共に、単位アンテナをクランク状に形成することで、単位アンテナの配置間隔が狭ピッチであるにも関わらず、受信アンテナとして使用される個々の単位アンテナの開口を単位アンテナの配列方向(方位検出方向)に沿って広げることを可能とし、受信アンテナにも指向性を持たせることで、送信アンテナのサイドローブが存在する角度領域の受信強度を低減している。
従って、車載レーダ装置1によれば、必要な信号強度が得られるメインローブの角度範囲を広げることができると共に、メインローブとサイドローブの強度差を十分に確保することができ、その結果、簡易な構成にも関わらず、検知範囲の広角化、及びグレーティングの影響による誤検出の低減を実現することができる。
なお、車載レーダ装置1は、広角化を可能とする代わりに、正面方向の検知能力を犠牲にしているが、図8に示すSRRの代わりに使用する場合(図7参照、但しMRRが車載レーダ装置1)は、正面方向を検知するLRRと組み合わせて使用されるため、正面方向の検知能力が低くても全く問題なく、しかも、車載レーダ装置1では、左右両方向を一括して検知することができるため、このような用途に好適である。
また、車載レーダ装置1では、送信アンテナの指向性のヌル点を急峻にすることで、正面でも近距離については、自動車等の幅広のターゲットを検出することができる。
その場合、アンテナ本体11を設計する際に、図6に示す特性を考慮して、単位アンテナの本数及び配置間隔を決定すればよい。
ここで、図4は、図2,3のグラフと同一条件の元で、検知距離の特性を示したグラフである。図4に示すように、車載レーダ装置1の合成特性の正面ヌル領域の角度範囲は、40m先で1.5°(約1m)であり、一般的な普通自動車の車幅1.8mの約半分程度であるため、正面ヌル領域の存在にも関わらず、40m以内程度であれば、正面方向に位置する普通自動車を検知することができる。
[第2実施形態]
次に第2実施形態の車載レーダ装置3について説明する。
図5は、車載レーダ装置3の全体構成を示すブロック図である。
なお、車載レーダ装置3は、アンテナ部30の構成が、第1実施形態の車載レーダ装置1のように送受信共用のものではなく、送信専用および受信専用のものが設けられているだけであるため、この相違する部分を中心に説明する。
<アンテナ部>
アンテナ部30は、6本の単位アンテナからなる送信アンテナ部31と、4本の単位アンテナからなる受信アンテナ部33と、送信アンテナ部31を構成する各単位アンテナに供給する送信信号、及びこれを電力分配してなるローカル信号を生成する送信回路部35と、受信アンテナ部33を構成する各単位アンテナからの受信信号を個別に、受信アンテナ部33から供給されるローカル信号と混合して、中間周波信号を生成する受信回路部37とを備えている。
なお、送信回路部35及び受信回路部37は、それぞれ1チップのMMIC(モノリシックマイクロ波集積回路)として構成され、単位アンテナが形成されたアンテナ面に実装されている。
<<送信回路部>>
なお、送信回路部35は、周波数制御部21からの制御信号に応じて周波数が変化するミリ波帯の高周波信号を発生させる高周波発振器、高周波発振器にて発生させた高周波信号を電力分配して送信信号及びローカル信号を生成する分配器と、分配器にて生成された送信信号を増幅し、且つ、位相差が180°異なる二つの送信信号(差動出力)を生成する増幅器等を備えた周知のものである。
<<受信回路部>>
受信回路部は、各単位アンテナから供給される受信信号に送信回路部から供給されるローカル信号とを混合するミキサを、単位アンテナ毎に備えた周知のものである。
そして、この各ミキサの出力(IF信号)が受信回路部の出力としてA/D変換器23に供給されるように接続されている。
<<受信アンテナ部>>
受信アンテナ部33は、第1実施形態における送受共用のアンテナ本体11と同様に構成されている。
<<送信アンテナ部>>
送信アンテナ部31を構成する単位アンテナ(以下「送信側単位アンテナ」という)は、複数のアンテナ素子(パッチアンテナ)を給電線路を介して直列接続し、給電端とは反対側の端部は、その端部にて信号の反射が発生しないように終端されている。つまり、送信側単位アンテナは進行波型のアンテナとして構成されている。
また、各送信側単位アンテナは、給電線路の配線方向とは直交する方向(方位検出方向)に一定の間隔TGpで一列に配置されている。
但し、送信側単位アンテナは、6本の中心で二つのグループに分割した一方が第1アンテナグループ、他方が第2アンテナグループとして使用される。そして、送信回路部35を構成する増幅器の差動出力のうち、一方の出力(非反転出力)を第1アンテナグループに、他方の出力(反転出力)を第2アンテナグループに供給するように接続されている。
このように構成された車載レーダ装置3は、上述した車載レーダ装置1と同様に動作するが、車載レーダ装置1とは異なり、送信アンテナ部31の指向性と受信アンテナ部33の指向性を独立に設計することが可能となる。
<<送信アンテナ部及び受信アンテナ部の設計手順>>
ここで、上述の合成特性が得られるように、アンテナ本体11を設計する際の設計手順について説明する。
(E)送信アンテナ部31の指向性の第1ヌル点(グレーティングの折り返し角度)が、検知角度範囲(−30°〜+30°)より外側に位置し(例えば±40°)、且つ送信アンテナ部31の指向性が、折り返しサイドローブエリアで低くなるように、送信側単位アンテナの配置間隔TGp及び本数mTを設定する。
(F)グレーティングの折り返し角度が検知角度範囲より外側に位置するように、受信アンテナ部33を構成する単位アンテナ(以下「受信側単位アンテナ」という)の配置間隔dnを設定すると共に、受信信号に基づく信号処理を実行した際に、所望の解像度が得られるように受信側単位アンテナの本数nTを設定する。
(G)各受信側単位アンテナの指向性が、グレーティングによって検知角度範囲内に折り返す角度範囲(折返しサイドローブ領域)、即ち、折返し角度より外側の角度範囲で十分に低下するように、曲げ幅RGpを設定する。
(H)合成特性において、検知角度範囲(但し、正面ヌル領域を除く)にて所望の指向性強度が得られ、且つ、検知角度範囲の両端(±30°)での指向性強度と、折り返しサイドローブエリアで最大となる指向性強度との差が予め設定された余裕値(ここでは20dB)以上)となように、送信側単位アンテナの本数mT及び配置間隔TGp、受信側単位アンテナの配置間隔dn,曲げ幅RGpを適宜微調整する。
<効果>
以上説明したように、車載レーダ装置1では、送信側単位アンテナを二つにグループ分けして差動給電を行い、送信アンテナ部31の指向性(ひいては合成特性)を、正面方向にヌル点を有するものとすることにより、メインローブの領域端での利得を増大させている。
これと共に、受信側単位アンテナをクランク状に形成することで、受信側単位アンテナの配置間隔が狭ピッチであるにも関わらず、受信アンテナとして使用される個々の受信側単位アンテナの開口を、受信側単位アンテナの配列方向(方位検出方向)に沿って広げることを可能とし、受信アンテナ(即ち、受信側単位アンテナ)にも指向性を持たせることで、送信アンテナのサイドローブが存在する角度領域の受信強度を低減している。
従って、車載レーダ装置3によれば、第1実施形態の車載レーダ装置1と同様の効果を得ることができる。
また、車載レーダ装置3によれば、送信側単位アンテナの配置間隔TGpと、受信側単位アンテナの配置間隔dnとを独立に設定可能なため、設計の自由度及び容易性を向上させることができる。
[他の実施形態]
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、様々な数値を例示しているが、これに限定されるものではなく、車載レーダ装置1,3に要求される性能に応じた適当な数値を用いればよい。
第1実施形態の車載レーダ装置の全体構成を示すブロック図。 アンテナ部の指向性を示すグラフ。 折返しサイドローブとメインローブとの大小関係を示す説明図。 正面ヌル領域と正面に位置する車両の検出能力との関係を示す説明図。 第2実施形態の車載レーダ装置の全体構成を示すブロック図。 正面ヌル領域の形状と、送信アンテナを構成する単位アンテナの本数、配置間隔との関係を示すグラフ。 本発明の効果を示す説明図。 従来装置の問題点を示す説明図。
符号の説明
1,3…車載レーダ装置 10,30…アンテナ部 11…アンテナ本体 13…送受信回路部 21…周波数制御部 23…A/D変換器 25…信号処理部 31…送信アンテナ部 33…受信アンテナ部 35…送信回路部 37…受信回路部

Claims (7)

  1. 同数の単位アンテナによって構成された二つのアンテナグループを有する送信アンテナ部、及び複数の単位アンテナによって構成された受信アンテナ部からなる送受信手段と、
    前記送信アンテナ部の指向性が、正面方向にヌル点を有したものとなるように、前記送信アンテナ部を構成する二つのアンテナグループに対して位相差180°で給電を行う給電手段と、
    を備え、
    前記受信アンテナ部を構成する前記単位アンテナの配置間隔は、予め設定された検知角度範囲内での位相の回転が1回転未満となる長さに設定され、
    前記受信アンテナ部を構成する前記単位アンテナの個別の指向性は、前記検知角度範囲の全体をメインローブに含み、且つ、前記送信アンテナ部のサイドローブが位置する角度範囲の信号強度を抑圧するように設定されていることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記受信アンテナ部を構成する各単位アンテナは、給電線路を介して一列に直列接続された複数のアンテナ素子からなり、該アンテナ素子が並ぶ配列線は、予め設定された屈曲点の前後で異なり且つ平行であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 前記送信アンテナ部の指向性と前記受信アンテナ部を構成する個々の単位アンテナの指向性とを合成したものを合成特性として、
    前記屈曲点前後の配列線間の距離は、前記単位アンテナの配置間隔より狭く、且つ、グレーティングによって前記メインローブ内に折り返される前記合成特性のサイドローブと、該サイドローブが折り返された角度位置での前記合成特性のメインローブとの強度差が予め設定された余裕値より大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ装置。
  4. 前記送信アンテナ部を構成する前記単位アンテナの数及び配置間隔は、前記送信アンテナ部の指向性のヌル点により、送信強度が予め設定された送信閾値以下となる正面ヌル領域の角度範囲が、予め設定された正面検知距離に位置する車両の車幅に相当する角度範囲より小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアンテナ装置。
  5. 前記送信アンテナ部と前記受信アンテナ部とは、前記単位アンテナを共用することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアンテナ装置。
  6. 前記給電手段は、MMICによって実現され、
    前記MMICは、前記送受信手段を構成する前記単位アンテナの配置面に実装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のアンテナ装置。
  7. 前記検知角度範囲は、正面方向を0°として−30°〜+30°の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアンテナ装置。
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