JP4887961B2 - 熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱源と熱源に向けて積層される複数の熱電モジュールを備える熱処理装置に関するものである。
抵抗加熱炉や連続炉等の工業炉(熱処理装置)には、複数の熱電素子からなる熱電モジュールを備えるものがある。このような熱電モジュールは、高温側と低温側との温度差によって起電力を発生するP型発電素子とN型発電素子とが交互に複数接続されることによって構成されている。
ところで、熱電モジュールは、その形成材料によって、最も効率的に発電が可能な温度領域が異なる。例えば、ビスマステルル系材料を形成材料として用いる熱電モジュールが効率的に発電することが可能な温度領域は、200〜300℃である。
ところが、抵抗加熱炉や連続炉等の工業炉では、炉内の温度が高温となり、熱電モジュールが効率的に発電することが可能な温度領域を越える。このため、従来の工業炉では、熱電モジュールを熱源の方向に複数積層させる構成を採る場合があった。このように、熱電モジュールを熱源の方向に複数積層させることによって、積層される複数の熱電モジュールに熱負荷が分散するため、各熱電モジュールの高温側の温度と低温側の温度との差温を、熱電モジュールが効率的に発電可能な温度領域に近づけることができ、より効率的な発電を行うことが可能となる。
特開昭59−198883号公報 特開昭60−34084号公報 特開平8−64874号公報 特開2005−33894号公報 特開2005−79347号公報
しかしながら、工業炉の炉内の温度は必ずしも安定はしていない。このため、上述のように熱電モジュールを熱源の方向に複数積層させることによって効率的な発電を実現した場合であっても、炉内の温度変動に応じて熱電モジュールからの出力値が変動するため、安定した出力を得ることができなかった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、熱電モジュールから効率的にかつ安定した出力を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、熱源と、該熱源に向けて積層される複数の熱電モジュールと、複数の上記熱電モジュールのうち低温側に設置される第1熱電モジュールと高温側に設置される第2熱電モジュールとの間に設置され、かつ、所定の温度に設定される温度設定層とを備えることを特徴とする。
このような特徴を有する本発明によれば、第1熱電モジュールと第2熱電モジュールとの間に所定の温度に設定される温度設定層が設置される。そして、温度設定層の温度を設定することによって、第1熱電モジュールの高温側が温度設定層の温度雰囲気に晒される。
また、本発明においては、上記温度設定層が、上記所定の温度に設定される流体と、該流体の流れる流路とを備えるという構成を採用することができる。
また、このような構成を採用する場合には、内部において所定方向に流体が流される水冷ジャケット上に上記第1熱電モジュールが設置されている場合に、上記温度設定層の上記流体が、上記水冷ジャケットの内部に流れる上記流体と同一方向に流されるという構成を採用することができる。
また、本発明においては、上記第1熱電モジュールが、ビスマステルル系材料を用いて形成されているという構成を採用することができる。
このような構成を採用する場合には、上記温度設定層は、上記第1熱電モジュールの低温側と高温側との差温が200〜300℃となるように温度設定されるという構成を採用することができる。
本発明によれば、温度設定層の温度を設定することによって、第1熱電モジュールの高温側が温度設定層の温度雰囲気に晒される。温度設定層の温度は、所定の温度に強制的に設定されているため、熱源の温度が変動した場合であっても、熱源の温度変動と比較して変動が小さい。このため、第1熱電モジュールから安定した出力が得られる。
したがって、本発明によれば、第1熱電モジュールが効率的に発電可能な温度に温度設定層の温度を設定することによって、熱電モジュールから効率的にかつ安定した出力を得ることが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明に係る熱処理装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
(第1実施形態)
本第1実施形態では、本発明を抵抗加熱炉(熱処理装置)に適用した場合について説明する。
図1は、本実施形態の抵抗加熱炉1の概略構成を模式的に示した断面図である。この図に示すように、本実施形態の抵抗加熱炉1は、最外殻として構成される水冷ジャケット2と、水冷ジャケット2の内部に収納されるとともに断熱材3aによって覆われた加熱室3と、水冷ジャケット2の一方側から加熱室3の内部に連通されるガス供給管4と、水冷ジャケット2の他方側から加熱室3の内部に連通される廃ガス管5と、水冷ジャケット2及び加熱室3を貫通して設置される電気ヒータ6とを備えている。
このような本実施形態の抵抗加熱炉1においては、加熱室3の内部にワークwを載置し、さらに水冷ジャケット2と加熱室3との間の空間7を真空雰囲気あるいは所定のガス雰囲気にした状態で、電気ヒータ6を駆動する。この際、ガス供給管4から所定ガスを加熱室3に供給することによって、ワークwが所定ガス雰囲気で加熱処理される。なお、所定ガスは、廃ガス管5を介して加熱室3から外部に排気される。
そして、本実施形態の抵抗加熱炉1では、ユニット化された熱電モジュール8が加熱室3に向けて2段に積層された状態で、水冷ジャケット2の内壁部2aに複数設置されている。各熱電モジュール8は、周知のP型熱電素子とN型熱電素子とが基板上に交互に配列されるとともに互いに直列に接続されたものである。
なお、以下の説明において、2段に積層された熱電モジュール8のうち、水冷ジャケット2側に位置する熱電モジュール8を下段熱電モジュール81(第1熱電モジュール)と称し、加熱室3側に位置する熱電モジュール8を上段熱電モジュール82(第2熱電モジュール)と称する。
図2は、熱電モジュール8の近傍を模式的に示した断面図である。この図に示すように、本実施形態の抵抗加熱炉1は、低温側に設置される下段熱電モジュール81と、高温側に設置される上段熱電モジュール82と、下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82との間に設置される温度設定部9(温度設定層)とを備えている。
下段熱電モジュール81は、一方側の面(低温側の面)が水冷ジャケット2の内壁部2aに当接された状態で、他方側の面(高温側の面)が温度設定部9に当接された状態で設置されている。なお、下段熱電モジュール81が当接される水冷ジャケット2の内部には、冷却水Xが所定方向に流されており、これによって水冷ジャケット2の表面すなわち下段熱電モジュール81の低温側の面が室温程度となるように温度設定されている。
この下段熱電モジュール81は、熱電モジュール8の中でも主たる発電機能を有するものであり、最も高い発電効率を発揮することが可能なビスマステルル系材料を用いたP型熱電素子とN型熱電素子とを有するものである。なお、このビスマステルル系材料を用いたP型熱電素子とN型熱電素子とを有する下段熱電モジュール81は、低温側の面と高温側の面との差温が200〜300℃において高い発電効率を発揮し、特に250℃近傍において最も高い発電効率を発揮する。
温度設定部9は、上述のように下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82との間に設置されており、所定の温度に設定された油Y(流体)と、この油Yが流れる流路91とによって構成されている。なお、図1に示すように、温度設定部9の流路91は、全ての下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82との間に亘って配設されており、全ての下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82との間に油Yが流れるように構成されている。そして、油Yは、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xと同一方向に流される。
また、本実施形態においては、油Yの温度は、200〜300℃に設定されている。このため、温度設定部9の温度が200〜300℃となり、下段熱電モジュール81の高温側の面が200〜300℃となる。すなわち温度設定部9の温度は、下段熱電モジュール81が効率的に発電することが可能な差温を生じるように設定されている。
そして、上述のように、下段熱電モジュール81は、高温側の面と低温側の面との温度差が250℃近傍において最も高い発電効率を発揮するビスマステルル系材料を用いて形成されている。このため、低温側の面が室温程度とされ、高温側の面が200〜300℃とされる本実施形態における下段熱電モジュール81は、効率的な発電を行うことが可能となる。
上段熱電モジュール82は、一方側の面(低温側の面)が温度設定部9に当接された状態で、他方側の面(高温側の面)が加熱室3に向けられた状態で設置されている。
この上段熱電モジュール82は、高温側の面と低温側の面との間に生じる差温に応じた材料を用いたP型熱電素子とN型熱電素子とを有するものである。
図3は、P型熱電素子及びN型熱電素子の形成材料の違いによる発電効率の違いを説明するためのグラフであり、横軸が絶対温度、縦軸が性能指数を示している。
この図に示すように、ビスマステルル系の材料を用いてP型熱電素子とN型熱電素子とが形成された熱電モジュールは200〜300℃の範囲で高い発電効率を発揮する。これに対して、鉛テルル系の材料を用いてP型熱電素子とN型熱電素子とが形成された熱電モジュールは600〜700℃の範囲で高い発電効率を発揮し、シリコンゲルマニウム系の材料を用いてP型熱電素子とN型熱電素子とが形成された熱電モジュールは1200℃近傍で高い発電効率を発揮する。
このため、例えば加熱室3からの輻射線を受けることによって生じる上段熱電モジュール82の高温側の面の温度、すなわち上段熱電モジュール82の高温側の面が晒される温度が約900℃である場合には、上段熱電モジュール82の高温側の面と低温側の面(温度設定部9に当接する面)との差温が約600〜700℃の範囲となる。よって、このような場合には、鉛テルル系の材料を用いてP型熱電素子とN型熱電素子とが形成された熱電モジュールを上段熱電モジュールとして用いることが好ましい。
図1に戻り、各熱電モジュール8は、ダイオード等の逆流防止器10を備えた電力回収ライン11を介して蓄電装置12と接続されている。蓄電装置12は、電力供給ライン13を介して制御装置14と接続されている。そして、制御装置14は、蓄電装置12から供給される電力を用いて動作する。
図4は、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xの流路20と、温度設定部9の油Yの流路30とを模式的に示した図である。この図に示すように、冷却水Xの流路20は、水冷ジャケット2の内部を含む循環流路として構成されており、その途中部位にポンプ機能を有するチラー21が設置されている。そして、冷却水Xは、チラー21の駆動によって流路20内を流れるとともに、チラー21を通過する際に室温まで冷却される。また、油Yの流路30は、温度設定部9の流路91を含む循環流路として構成されており、その途中部位に油Yの熱を回収して温度を200〜300℃にするための熱交換器31と、油Yに流れを付与するポンプ32とが設置されている。そして、油Yは、ポンプ32の駆動によって流路30内を流れるとともに、熱交換器31を通過する際にその温度を200〜300℃に冷却される。なお、熱交換器31に熱電モジュールを付設し、熱交換器31において回収した熱を用いて発電を行っても良い。これによって、温度設定部9の流路91を流れることによって、油Yに吸熱された抵抗加熱炉1の内部の熱が電力に変換されるため、より効率的な抵抗加熱炉となる。また、熱交換器31において回収した熱によって蒸気を生成し、蒸気タービンを駆動して発電を行っても良い。また、熱交換器31によって回収した熱は、お湯等の生成に用いても良い。
このような本実施形態の抵抗加熱炉1によれば、下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82とが加熱室3(熱源)方向に積層されているため、単一層の熱電モジュールしか設置されていない場合と比較して、各熱電モジュール8の低温側の面と高温側の面との差温が小さくなる。したがって、抵抗加熱炉1の内部温度が、単一層の熱電モジュールにおいて効率的な発電を行える温度を越えている場合であっても、本実施形態の抵抗加熱炉1によれば、効率的な発電を行うことが可能となる。
また、本実施形態の抵抗加熱炉1によれば、下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82との間に温度設定部9が設置されている。このため、温度設定部9に当接される下段熱電モジュール81の高温側の面が常に温度設定部9の温度とされる。温度設定部9の温度は、油Yの温度によって強制的に設定されているため、加熱室3からの輻射線量すなわち熱源の温度が変動した場合であっても、下段熱電モジュール81の高温側の面の温度変動を小さくすることができる。よって、発電の主たる機能を有する下段熱電モジュール81から安定した出力を得ることができる。
したがって、本実施形態の抵抗加熱炉1によれば、熱電モジュール8から効率的にかつ安定した出力を得ることが可能となる。
また、本実施形態の抵抗加熱炉1によれば、温度設定部9の油Yは、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xと同一方向に流される。
温度設定部9の油Yと、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xとは、抵抗加熱炉1の内部において高温雰囲気に晒されるため、徐々に温度が上昇してしまう。しかしながら、本実施形態の抵抗加熱炉1においては、温度設定部9の油Yが、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xと同一方向に流されるため、図5に示すように、油Yと冷却水Xとが同様に昇温し、油Yの温度と冷却水Xの温度との差温が常に一定となる。このため、下段熱電モジュール81の高温側の面と低温側の面との温度差が、常に一定となり、下段熱電モジュール81から安定した出力を得ることができる。
また、本実施形態の抵抗加熱炉1においては、下段熱電モジュール81の低温側の面が水冷ジャケット2と当接されている。この水冷ジャケット2の内部には、室温程度に温度設定された冷却水Xが流れているため、下段熱電モジュール81の低温側の面の温度を室温程度に安定させることが可能となる。このため、本実施形態の抵抗加熱炉1においては、下段熱電モジュール81の温度変動を抑止し、下段熱電モジュール81からの出力をさらに安定させることができる。
また、本実施形態の抵抗加熱炉1においては、ビスマステルル系材料を用いて形成された熱電モジュールを下段熱電モジュール81として用いている。
このため、高効率で熱を電力に変換することが可能となり、より効率的な抵抗加熱炉1となっている。
また、さらに本実施形態の抵抗加熱炉1においては、ビスマステルル系材料を用いて形成された熱電モジュールが最も効率的に発電が行えるように、温度設定部9の温度が200〜300℃に設定され、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xが室温程度に設定されている。すなわち、下段熱電モジュール81の低温側と高温側との差温が、ビスマステルル系材料を用いて形成された熱電モジュールが最も効率的に発電可能な温度に設定されている。
このため、本実施形態の抵抗加熱炉1によれば、熱電モジュール8によって、より効率的な発電を行うことが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については、同一符合を付し、その説明を省略あるいは簡略化する。
本第2実施形態では、本発明を連続炉に適用した例について説明する。
図6は、本第2実施形態の連続炉40を模式的に示した断面図である。この図に示すように、本実施形態の連続炉40は、加熱することによってワークwの温度を上昇させる昇温部41と、昇温部41によって昇温されたワークwを、温度を保持した状態で所定ガス雰囲気に晒すことによってガス処理する保持部42と、保持部42によってガス処理されたワークwを水冷板44によって冷却する冷却部43とを有している。そして、昇温部41と保持部42と冷却部43とは連接されており、ワークwは、ベルトコンベア等の搬送部45によって昇温部41、保持部42、冷却部43の順に搬送される。
このような連続炉40においては、ワークwが加熱された状態で搬送されるため、常にワークwから輻射線が射出される。すなわち、本実施形態の連続炉40においては、ワークwが熱源となっている。
そして、昇温部41の内壁部41aと、保持部42の内壁部42aと、冷却部43の内壁部43aとに、下段熱電モジュール81及び上段熱電モジュール82が複数設置され、図6に示すように、各下段熱電モジュール81と各上段熱電モジュール82との間に温度設定部9が設置されている。
このような構成を有する本実施形態の連続炉40においても、熱源からの輻射線による熱が熱電モジュール8(下段熱電モジュール81,上段熱電モジュール82)によって電力に変換される。そして、熱電モジュール8によって発電された電力は、蓄電装置12(図6においては不図示)に一時的に蓄電された後、制御装置14(図6においては不図示)の動作によって消費される。
そして、本実施形態の連続炉40によれば、上記第1実施形態の抵抗加熱炉1と同様に、下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82とがワークw(熱源)方向に積層されているため、単一層の熱電モジュールしか設置されていない場合と比較して、各熱電モジュール8の低温側の面と高温側の面との差温が小さくなる。したがって、連続炉40の内部温度が、単一層の熱電モジュールにおいて効率的な発電を行える温度を越えている場合であっても、本実施形態の連続炉40によれば、効率的な発電を行うことが可能となる。
また、本実施形態の連続炉40によれば、下段熱電モジュール81と上段熱電モジュール82との間に温度設定部9が設置されている。このため、温度設定部9に当接される下段熱電モジュール81の高温側の面が常に温度設定部9の温度とされる。温度設定部9の温度は、油Yの温度によって強制的に設定されているため、ワークwからの輻射線量すなわち熱源の温度が変動した場合であっても、下段熱電モジュール81の高温側の面の温度変動を小さくすることができる。よって、発電の主たる機能を有する下段熱電モジュール81から安定した出力を得ることができる。
したがって、本実施形態の連続炉40によれば、熱電モジュール8から効率的にかつ安定した出力を得ることが可能となる。
なお、本実施形態の連続炉40においては、昇温部41と保持部42と冷却部43との内部温度が異なるため、各部41〜43の内部温度に応じて、効率的な発電が成されるように、上段熱電モジュールの形成材料が適宜選択される。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る熱処理装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態においては、本発明の熱処理装置の一例として、抵抗加熱炉や連続炉を挙げて説明した。
しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、輻射線を射出する熱源を有する熱処理装置全般に適用することができる。また、本発明の熱処理装置は、処理対象物を加熱等熱処理する熱源を有する装置、あるいは加熱された処理対象物を熱源として有する装置に限定されるものではなく、廃熱等によって所定の部位が加熱される装置を含むものである。例えば、燃焼機関の排ガス煙道を熱源として備え、この排ガス煙道からの熱を熱電モジュールにて電力に変換する装置等も、本発明の熱処理装置に含まれるものである。
また、上記実施形態においては、熱電モジュールが2段に積層される構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、さらに複数の熱電モジュールを積層させても良い。
このような場合には、各熱電モジュールの間に温度設定部9を設置しても良いし、主たる発電機能を有するメインの熱電モジュールすなわち最も発電量の大きい熱電モジュールの高温側面に当接するように温度設定部9を設置しても良い。
また、上記実施形態においては、温度設定部9は、油Yによって温度設定されるものとして説明した。
しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、温度設定部9の温度設定のために、各種流体を用いることができる。例えば、油Yの替わりに、水、有機化合物を含む溶液、塩水溶液、酸性またはアルカリ性水溶液、あるいはこれら流体の混合溶液等の流体を用いることもできる。また、さらには、液体金属、エマルジョン、あるいは粒子を含んだ懸濁液等を用いることもできる。また、液体の替わりに気体を用いても良い。そして、より温度設定部9に用いられる流体としては、蓄熱材であることが好ましい。
なお、上述の各種流体を油Yの替わりに用いる場合には、温度設定部9の安定した温度を確保するために、各種流体が相変態を起こさないように、圧力を調整することが好ましい。
また、この他にも、油Yの替わりに、融点が一定でないものの、温度が安定するシャーベット状高温混合物を用いることもできる。これによって、温度設定部9の温度が熱源からの輻射線によって上昇することを抑止することができ、各熱電モジュールからの出力を一定にすることが可能となる。
また、水冷ジャケット2内に流れる冷却水Xの替わりに、有機化合物を含む溶液、塩水溶液、エマルジョン、あるいは粒子を含んだ懸濁液等を用いることもできる。
また、上記実施形態の上段熱電モジュール82の高温側の面に当接させて、フィン、受熱板やヒートパイプ等の熱伝導部材を設置し、熱源の熱を効率的に上段熱電モジュール82の高温側の面に効率的に熱が伝達されるようにしても良い。
本発明の第1実施形態である抵抗加熱炉1の概略構成を模式的に示した断面図である。 本発明の第1実施形態である抵抗加熱炉1が備える熱電モジュール8の近傍を模式的に示した断面図である。 P型熱電素子及びN型熱電素子の形成材料の違いによる発電効率の違いを説明するためのグラフである。 本発明の第1実施形態である抵抗加熱炉1における、水冷ジャケット2の内部を流れる冷却水Xの流路20と、温度設定部9の油Yの流路30とを模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態である抵抗加熱炉1において、油Yと冷却水Xとの差温が一定となることを説明するための図である。 本発明の第2実施形態である抵抗加熱炉40の概略構成を模式的に示した断面図である。
符号の説明
1……抵抗加熱炉(熱処理装置)、2……水冷ジャケット、3……加熱室(熱源)、8……熱電モジュール、81……下段熱電モジュール(第1熱電モジュール)、82……上段熱電モジュール(第2熱電モジュール)、9……温度設定部(温度設定層)、91……流路、40……連続炉(熱処理装置)、w……ワーク、X……冷却水(流体)、Y……油(流体)


Claims (4)

  1. 熱源と、該熱源に向けて積層される複数の熱電モジュールと、複数の前記熱電モジュールのうち低温側に設置される第1熱電モジュールと高温側に設置される第2熱電モジュールとの間に設置され、かつ、所定の温度に設定される温度設定層とを備え、
    前記温度設定層は、前記所定の温度に設定される流体と、該流体の流れる流路とを備える
    ことを特徴とする熱処理装置。
  2. 内部において所定方向に流体が流される水冷ジャケット上に前記第1熱電モジュールが設置されている場合に、
    前記温度設定層の前記流体は、前記水冷ジャケットの内部に流れる前記流体と同一方向に流される
    ことを特徴とする請求項記載の熱処理装置。
  3. 前記第1熱電モジュールは、ビスマステルル系材料を用いて形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱処理装置。
  4. 前記温度設定層は、前記第1熱電モジュールの低温側と高温側との差温が200〜300℃となるように温度設定されることを特徴とする請求項記載の熱処理装置。
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