JP4886726B2 - 耐火物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火物原料組成物を成形してなる成形体を加熱処理して得られる耐火物の製造方法に関する。
従来、耐火物を得る際に用いられる加熱方法としては、熱風加熱、電気炉加熱方法などの外部加熱によって行われることが多く、この方法で急速に加熱した場合には、成形体の表面と内部との温度勾配が大きく、得られる耐火物に亀裂が生じることが知られていた。また、成形体の表面と内部との温度勾配が生じないようにする加熱方法としては、マイクロ波を照射する加熱方法が知られている。
例えば、特開平7−101779号公報(特許文献1)には、少なくとも10重量%以上炭素を含有する耐火物の焼成方法であって、耐火物に50w〜100kwのエネルギのマイクロ波を照射し、少なくとも500℃以上に加熱して含有樹脂分を炭化させ、カーボンボンドを生成することを特徴とする炭素含有耐火物の焼成方法について記載されている。これによれば、マイクロ波加熱を利用することにより、亀裂を生じさせない均一加熱が可能となり、また熱効率が高いため焼成時間の短縮を図ることができるとされている。しかしながら、加熱温度が500℃以上と高く、得られる耐火物が酸化しやすいため強度が低下するおそれがあり改善が望まれていた。
また、特開平6−298569号公報(特許文献2)には、耐火原料を所定の割合に配合し、混練、成形した耐火物素材を、周波数20〜50GHzのマイクロ波により加熱または焼成したことを特徴とする耐火物素材の加熱方法について記載されている。これによれば、長時間を要していた耐火物製造時の加熱または焼成工程が短縮でき、耐火物の生産性の向上が可能となり、耐火物製造コストの削減が可能となるとされている。更に、強度、耐食性が向上でき、鉄鋼用耐火物の寿命延長による原単位、原単価の削減、修理回数の減少による作業費の削減が可能となるとされている。しかしながら、比較的高温で焼成する場合には、得られる耐火物が酸化しやすいため強度が低下するおそれがあり改善が望まれていた。
特開平7−101779号公報 特開平6−298569号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、エネルギーコストが低く、短時間で成形体全体を均一に加熱して成形体に含まれる揮発分を効率的に除去することができる耐火物の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、耐火物原料組成物を成形してなる成形体を加熱処理して得られる耐火物の製造方法であって、前記耐火物原料組成物が、耐火骨材、炭素質材料、及び、樹脂と有機溶媒とからなる樹脂バインダーを含み、前記成形体を断熱材で覆うか、前記成形体を断熱容器内に収容するか、又は、前記成形体をSiO 粉体中に埋設するかによって前記成形体の表面を保温して前記成形体の内部温度が200〜480℃となるようにマイクロ波を照射して加熱処理することを特徴とする耐火物の製造方法を提供することによって解決される。
このとき、前記成形体の表面を保温する手段が、断熱れんがの上に前記成形体を設置して前記成形体を断熱シートで覆う手段、又は、セラミックファイバーのパネルで覆われた断熱容器内にSiO 粉体を充填し、該充填されたSiO 粉体内に前記成形体を埋設する手段であることが好適であり、炭素質材料の含有量が0.5〜50質量%であることが好適である樹脂バインダーに含まれる樹脂がノボラック系フェノール樹脂及び/又はレゾール系フェノール樹脂であることが好適である有機溶媒の沸点が100℃を超えるものであることが好適であり、有機溶媒の誘電率が12以上であることが好適である。また、耐火物原料組成物における樹脂バインダーの含有量が1〜5質量%であることが好適であり、樹脂と有機溶媒との配合割合(樹脂/有機溶媒)が90/10〜30/70であることも好適である。また、耐火物が出鋼口スリーブ、出鋼口ベースれんが、炉底羽口れんが又は羽口ブロックから選択される大型れんがであることが本発明の好適な実施態様である。
本発明の耐火物の製造方法によれば、エネルギーコストが低く、短時間で成形体全体を均一に加熱して成形体に含まれる揮発分を効率的に除去することができる耐火物の製造方法を提供することができる。
本発明は、耐火物原料組成物を成形してなる成形体を加熱処理して得られる耐火物の製造方法であって、成形体の内部温度が200〜480℃となるようにマイクロ波を照射して加熱処理することを特徴とするものである。
本発明で用いられる耐火物原料組成物としては特に限定されないが、耐火骨材及び炭素質材料を含むことが好ましい。耐火骨材としては、耐火物としての用途や要求性能に対応してさまざまな耐火骨材を用いることができる。耐火骨材の具体例としては、マグネシア、アルミナ、スピネル、ジルコニア、シリカ、カルシア、ドロマイト等の酸化物;炭化ケイ素、炭化ホウ素等の炭化物;ホウ化カルシウム、ホウ化クロム等のホウ化物;窒化ケイ素、窒化ホウ素等が挙げられる。中でも、用いられる耐火骨材としては、酸化物であることが好ましく、マグネシア、アルミナ、ジルコニア、シリカ、及びカルシアからなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、マグネシアであることが更に好ましい。用いられるマグネシアとしては、電融あるいは焼結マグネシアクリンカーが挙げられる。これらの耐火骨材は、粒度調整された上で配合される。また、複数種の耐火骨材を併用することも可能である。
また、炭素質材料としては、黒鉛、カーボンブラック、コークス、ピッチ、キッシュグラファイト、メソカーボン、電極屑、カーボンファイバー等が挙げられる。中でも、黒鉛、カーボンブラック、コークス、ピッチ及び炭化珪素からなる群から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。用いられる黒鉛としては、鱗状黒鉛、土状黒鉛、膨張黒鉛等が挙げられ、中でも鱗状黒鉛が好適に用いられる。
本発明で用いられる耐火物原料組成物において、炭素質材料の含有量が0.5〜50質量%であることが好ましい。炭素質材料の含有量が0.5質量%未満の場合、混練が困難となるとともに、耐スポーリング性が著しく劣るおそれがあり、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。一方、炭素質材料の含有量が50質量%を超える場合、得られる耐火物の耐酸化性が損なわれるとともに、耐火物として熱伝導性が高くなりすぎるおそれがあり、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが更に好ましい。
本発明で用いられる耐火物原料組成物は、上述の耐火骨材及び炭素質材料に加えて、更に上記以外の成分を含有していてもかまわない。例えば、アルミニウム、マグネシウム、ケイ素などの金属又はケイ素の粉末、Al−Mg、Al−Si、Al−Ca、Ca−Si、Ca−Si−Mgなどの金属及びケイ素から選択される複数の元素の化合物等を含有していてもよい。
また、本発明で用いられる耐火物原料組成物が樹脂バインダーを含むことが好ましい。このことにより、耐火物原料組成物の混練が容易となる。樹脂バインダーの含有量は1〜5質量%であることが好ましい。樹脂バインダーの含有量が1質量%未満の場合、耐火物原料組成物の混練が困難となるおそれがあり、1.2質量%以上であることがより好ましく、1.5質量%以上であることが更に好ましい。一方、樹脂バインダーの含有量が5質量%を超える場合、成形体に内部欠陥が生じやすいおそれがあり、4質量%以下であることがより好ましい。
本発明で用いられる樹脂バインダーとしては特に限定されず、樹脂及び有機溶媒からなることが好ましい。用いられる樹脂としては、ノボラック系フェノール樹脂、レゾール系フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。中でも、ノボラック系フェノール樹脂及び/又はレゾール系フェノール樹脂が好適に用いられる。
樹脂バインダーに含まれる有機溶媒としては特に限定されないが、沸点が100℃を超えるものであることが好ましい。有機溶媒の沸点が100℃以下の場合、耐火物原料組成物を混練する際に樹脂バインダーに含まれる有機溶媒が揮発することにより粘性が上がって混練が困難となるおそれがあり、120℃以上であることがより好ましく、150℃以上であることが更に好ましい。沸点が100℃を超える有機溶媒の具体例としては、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、シクロヘキサノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール等の1価アルコール;エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール;メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトンなどが挙げられる。中でも、本発明で用いられる好適な有機溶媒は、フルフリルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びトリエチレングリコールからなる群から選択される少なくとも1種である。
また、本発明では、用いられる有機溶媒の誘電率(比誘電率)が12以上であることが好ましい。誘電率が12未満の場合、誘電加熱が困難となるおそれがあり、誘電率は25以上であることがより好ましく、30以上であることが更に好ましい。また、本発明で用いられる有機溶媒としては、誘電率が12以上であり、かつ沸点が100℃を超えるものがより好ましく採用される。なお、本発明では、温度25℃、周波数2.45GHzで測定した値を誘電率の値とした。
本発明において、樹脂バインダーに含まれる樹脂と有機溶媒との配合割合(樹脂/有機溶媒)は特に限定されないが、90/10〜30/70であることが好ましい。有機溶媒の配合割合が10未満の場合には混練性が悪くなるおそれがあり、また、有機溶媒の配合割合が70を超える場合には得られる耐火物の強度が低下するおそれがある。上記配合割合(樹脂/有機溶媒)は、85/15〜40/60であることがより好ましく、80/20〜50/50であることが更に好ましい。
以上、耐火物原料組成物を構成する原料について説明した。以下、この耐火物原料組成物を成形してなる成形体にマイクロ波を照射することにより得られる耐火物の製造方法について図面を参照しながら説明する。図1はマイクロ波加熱装置の一例を示した断面模式図である。図1に示されるように、アプリケーター1内において、加熱対象となるMgO−Cれんが3(成形体)は断熱ボックス22内に収容されている。断熱ボックス22内には、SiO粉体23が充填されており、MgO−Cれんが3(成形体)はこのSiO粉体23内に埋設されている。また、断熱ボックス22の外側は全てセラミックファイバーのパネル24で覆われている。用いられるアプリケーター1としては、例えば、金属製のパネルにより構成され、マイクロ波の漏洩防止処理が施されていることが好ましい。
このように、アプリケーター1内に収容されたMgO−Cれんが3(成形体)に対して、マイクロ波発振機11からマイクロ波が照射されるようになっている。照射されるマイクロ波としては特に限定されず、0.5〜50GHzの範囲の周波数が好ましく用いられ、中でも工業用として規定された周波数がより好ましく用いられる。周波数が50GHzを超える場合、波長が短くなるためマイクロ波の浸透が浅くなり、成形体内部が加熱されなくなるおそれがあり、40GHz以下であることがより好ましく、30GHz以下であることが更に好ましい。一方、本発明においてマイクロ波の周波数は、通常0.5GHz以上である。なお、工業用として規定された周波数としては、0.896GHz、0.915GHz、2.45GHz、5.8GHz、24GHz等が挙げられる。後述の実施例では、周波数0.915GHz及び2.45GHzのマイクロ波を成形体に対して照射した。
図1において、アイソレーター12は、マイクロ波発振機11から発振されたマイクロ波が反射してマイクロ波発振機11側に入射するのを防止する。パワーモニター13は、アプリケーター1内への入射及び反射のマイクロ波の出力を監視する。チューナー15は、マイクロ波をアプリケーター1へと導入させるための導波管14とのインピーダンス調整を行う。このように構成された装置によりアプリケーター1内のMgO−Cれんが3(成形体)に対してマイクロ波が照射されるようになっている。
本発明は、耐火物原料組成物を成形してなる成形体の内部温度が200〜480℃となるようにマイクロ波を照射して加熱処理することを特徴とする。すなわち本発明は、通常、焼成温度と呼ばれる温度未満の温度に保つようにマイクロ波を照射して加熱処理することを特徴とする。このことにより、エネルギーコストが低く、短時間で成形体全体が均一に加熱して成形体に含まれる揮発分を効率的に除去することができる耐火物の製造方法を提供することができる。特に、耐火物の寸法が大きい場合には、電気炉等を用いた成形体外側からの加熱処理、すなわち外熱加熱処理を行うと、成形体の表面と内部との温度差が大きくなり、このことにより耐火物の収縮応力も大きくなるため、得られる耐火物に亀裂が生じやすくなる。また、成形体内部の揮発分の除去も困難となるため、本発明の耐火物の製造方法を採用する意義が大きい。
本発明の耐火物の製造方法において、加熱処理する際の成形体の内部温度が200℃未満の場合、揮発分の除去が不十分となり、得られる耐火物に亀裂が生じてしまうおそれがあり、220℃以上であることが好ましく、240℃以上であることがより好ましい。一方、内部温度が480℃を超える場合、得られる耐火物が酸化しやすく強度が低下してしまうおそれがあり、470℃以下であることが好ましく、450℃以下であることがより好ましく、400℃未満であることが更に好ましい。
本発明では、図1に示されるように、MgO−Cれんが3(成形体)の温度は成形体の内部と表面にそれぞれ設置されたシース熱電対25及び26の出力を検出し、データロガー6に記録されるようになっている。後述の実施例からも分かるように、成形体の内部に設置されたシース熱電対25によって検出された温度を本発明における成形体の温度とし、所定の昇温速度、保持温度並びに保持時間で加熱処理を行った。
ここで、本発明のようにマイクロ波で成形体を加熱処理する場合には、成形体が均一に加熱されるため、成形体の内部温度と表面温度がほぼ等しくなる。成形体の表面から熱が奪われて表面温度が低くならないようにする観点から、成形体の表面を保温することが好ましい。保温する方法としては特に限定されず、図2に示されるように断熱れんが30などの断熱材の上に成形体を設置したり、成形体を断熱シート等の断熱材で覆ったり、図1に示されるように断熱ボックス22のような断熱容器内に成形体を収容したり、断熱容器内にマイクロ波による発熱が小さいSiOのような粉体等で成形体を埋設させたり、また、前記断熱容器をセラミックファイバーのパネル24のような断熱材で更に覆ってもよい。これらの保温方法は、単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよく、成形体の寸法により適宜選択することが好ましい。例えば、大型れんがの場合には、図2に示されるように断熱れんが30などの断熱材の上に成形体を設置して更に断熱シート等の断熱材で覆う方法が好適に採用される。
本発明の製造方法によって得られる耐火物は、出鋼口スリーブ、出鋼口ベースれんが、炉底羽口れんが又は羽口ブロックから選択される大型れんがとして好適に用いられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。
[実施例1]
以下の原料を用いて耐火物原料組成物を調製した。
・MgO:77質量%
・鱗状黒鉛:19質量%
・ノボラック系フェノール樹脂バインダー(樹脂/エチレングリコール=70/30):2.7質量%
図1に示されるように、上記耐火物原料組成物を混練、成形した成形体をアプリケーター1内にある断熱ボックス22内に収容した。成形体の寸法は、170(mm)×110(mm)×60(mm)であった。断熱ボックス22内にSiO粉体23を充填し、このSiO粉体23内に成形体を埋設した。また断熱ボックス22の外側を全てセラミックファイバーのパネル24で覆った。成形体の内部温度が470℃となるように2.45GHzのマイクロ波を照射して加熱処理を行うことによりMgO−Cれんが3を得た。このとき、昇温速度を100℃/h(時間)、保持時間を1hとした。成形体の温度は、成形体の内部及び表面にそれぞれ設置されたシース熱電対25及び26の出力を検出し、データロガー6に記録した。ここで、成形体の内部及び表面に設置された2本のシース熱電対25及び26により測定された成形体の温度はほぼ同じであり、本実施例では成形体の内部に設置されたシース熱電対25により検出された温度を成形体の温度とした。加熱処理後、MgO−Cれんが3の質量減少率、見掛気孔率及びカサ比重の測定を行った。質量減少率はMgO−Cれんが3の加熱処理前後の質量の変化から求めたものであり、見掛気孔率及びカサ比重は計測用に切り出した試験片についてJIS R2205の真空法で計測したものである。得られた結果を表1にまとめて示す。
[実施例2]
実施例1において、昇温速度を200℃/hとした以外は実施例1と同様にしてマイクロ波を照射して加熱処理を行いMgO−Cれんが3を得た。得られた結果を表1にまとめて示す。
[比較例1]
実施例1において、マイクロ波を照射して加熱処理する代わりに電気炉を用いて加熱処理を行った。電気炉による成形体の加熱処理は、コークスブリーズ中に成形体を埋没させ、電気炉を用いて加熱処理した以外は実施例1と同様に昇温速度を100℃/h、保持時間を1hとした。得られた結果を表1にまとめて示す。
[比較例2]
比較例1において、保持時間を3hとした以外は、比較例1と同様にして電気炉を用いて加熱処理を行った。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2から分かるように、電気炉加熱処理を行った場合と比較して、マイクロ波加熱処理の場合は、短時間の保持時間でも揮発分の除去が進行し、見掛気孔率が大きく、カサ比重が小さかった。
[実施例3]
以下の原料を用いて耐火物原料組成物を調製した。
・MgO:75質量%
・鱗状黒鉛:21質量%
・ノボラック系フェノール樹脂バインダー(樹脂/エチレングリコール=70/30):2.6質量%
図2に示されるように、上記耐火物原料組成物を混練、成形した成形体をアプリケーター1内にある断熱れんが30の上に置き、断熱シート31で覆った。成形体の寸法は、300(mm)×300(mm)×300(mm)であった。マイクロ波加熱装置は、基本的には図1に示した装置と同様な構成であり、アプリケーター1の寸法は、2m(H)×1.2m(W)×1.2m(D)である。また、補助加熱として熱風発生機29より200℃の熱風を送った。アイソレーター12、パワーモニター13、導波管14及びチューナー15は同様な構成で採用されている。このように構成された装置によりアプリケーター1内の成形体に対して成形体の内部温度が250℃となるように0.915GHzのマイクロ波を照射して加熱処理を行うことにより大型MgO−Cれんが3を得た。このとき、昇温速度を10℃/h、保持時間を0.5hとした。成形体の温度は、成形体の内部3カ所及び表面1カ所にそれぞれ設置されたシース熱電対25から28の出力を検出し、データロガー6に記録した。ここで、成形体の内部及び表面に設置された4本のシース熱電対25から28により測定された成形体の温度はほぼ同じであり、本実施例では、成形体の内部に設置されたシース熱電対25により検出された温度を成形体の温度とした。加熱処理後、大型MgO−Cれんが3の質量減少率、見掛気孔率及びカサ比重の測定を行った。質量減少率は大型MgO−Cれんが3の加熱処理前後の質量の変化から求めたものであり、見掛気孔率及びカサ比重は計測用に切り出した試験片についてJIS R2205の真空法で計測したものである。得られた結果を表1にまとめて示す。
[比較例3]
実施例3において、マイクロ波を照射して加熱処理する代わりに、電気炉を用いて保温時間を3hにした以外は、実施例3と同様にして加熱処理を行った。このとき、コークスブリーズへの埋没は行わず、また保温材等も使用しなかった。得られた結果を表1にまとめて示す。
実施例3及び比較例3から分かるように、電気炉加熱処理を行った場合と比較して、マイクロ波加熱処理の場合は、短時間の保持時間でも揮発分の除去が進行した。
本発明で使用したマイクロ波加熱装置の一例を示した断面模式図である。 本発明で使用したマイクロ波加熱装置の他の一例を示した断面模式図である。
符号の説明
1 アプリケーター
2 鉄製台
3 MgO−Cれんが
6 データロガー
11 マイクロ波発振機
12 アイソレーター
13 パワーモニター
14 導波管
15 チューナー
22 断熱ボックス
23 SiO粉体
24 セラミックファイバーのパネル
25〜28 シース熱電対
29 熱風発生機
30 断熱れんが
31 断熱シート

Claims (9)

  1. 耐火物原料組成物を成形してなる成形体を加熱処理して得られる耐火物の製造方法であって、
    前記耐火物原料組成物が、耐火骨材、炭素質材料、及び、樹脂と有機溶媒とからなる樹脂バインダーを含み、
    前記成形体を断熱材で覆うか、前記成形体を断熱容器内に収容するか、又は、前記成形体をSiO 粉体中に埋設するかによって前記成形体の表面を保温して前記成形体の内部温度が200〜480℃となるようにマイクロ波を照射して加熱処理することを特徴とする耐火物の製造方法。
  2. 前記成形体の表面を保温する手段が、断熱れんがの上に前記成形体を設置して前記成形体を断熱シートで覆う手段、又は、セラミックファイバーのパネルで覆われた断熱容器内にSiO粉体を充填し、該充填されたSiO粉体内に前記成形体を埋設する手段である請求項1記載の耐火物の製造方法。
  3. 炭素質材料の含有量が0.5〜50質量%である請求項1又は2記載の耐火物の製造方法。
  4. 樹脂バインダーに含まれる樹脂がノボラック系フェノール樹脂及び/又はレゾール系フェノール樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法。
  5. 有機溶媒の沸点が100℃を超えるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法。
  6. 有機溶媒の誘電率が12以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法。
  7. 当初請求項9
    耐火物原料組成物における樹脂バインダーの含有量が1〜5質量%である請求項1〜6のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法。
  8. 樹脂と有機溶媒との配合割合(樹脂/有機溶媒)が90/10〜30/70である請求項1〜7のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法。
  9. 耐火物が出鋼口スリーブ、出鋼口ベースれんが、炉底羽口れんが又は羽口ブロックから選択される大型れんがである請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐火物の製造方法。
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