JP4882921B2 - 動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入治具 - Google Patents

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この発明は、動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入治具、さらに詳しくは、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入治具に関する。
自動車用無段変速機として、図7に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
このような無段変速機に適した動力伝達チェーンとしては、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に固定されており、複数のリンクは、ピッチ長が異なる少なくとも2種類のものを含んでいるものが知られている。
特許文献1には、その製造方法として、図6に示すように、所要数のピン(14)(15)がチェーンとして組み立てられたときの配列状態となるように所要数のピン挿通孔(42)が設けられた圧入治具(41)を使用し、所要数のピン(14)(15)を圧入治具(41)の各ピン挿通孔(42)に嵌め合わせ、これらのピン(14)(15)にリンク(11)を順次圧入していくものが提案されている。
特開2006−95583号公報
上記従来の動力伝達チェーンでは、ピッチ長が異なるリンクをランダムに配列して騒音低減効果を得るようになっている。しかしながら、従来の製造方法によると、リンクの配列を変更する必要が生じた場合、圧入治具全体を新しいものに作り替える必要があり、例えば、騒音低減効果を評価するために、複数種類の配列のものを試作・評価する場合に、これを短期間で容易に実施することが困難であった。
この発明の目的は、ピッチ長が異なる2種類以上のリンクを使用して、ピッチ長が異なるリンクをランダム配列とした動力伝達チェーンを製造するに際し、リンクの配列の一部変更に素早くかつ容易に対応できる動力伝達チェーンの製造方法およびこれに用いる圧入治具を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンの製造方法は、所要数のピンを所要のピッチで円形の圧入治具に配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持し、これらのピンにピッチ長が異なる2種類以上のリンクを順次圧入していく動力伝達チェーンの製造方法において、所要のピッチ長で形成されたピン挿通孔を有する複数の扇形要素を周方向に並べることで圧入治具を形成し、複数の扇形要素の配列順序を変更可能としたことを特徴とするものである。
また、この発明による圧入治具は、ピッチ長が異なる2種類以上のリンクからなる複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンを有しかつ各ピンが圧入によりリンクに固定される動力伝達チェーンを製造する際に使用される圧入治具であって、所要のピッチで形成されたピン挿通孔を有する複数の扇形要素が周方向に並べられることで円形に形成されており、複数の扇形要素の配列順序が変更可能とされていることを特徴とするものである。
ピッチ長が異なる2種類のリンクをランダムに配列することで騒音を低減した動力伝達チェーンを得ることができ、その配列を最適化することで、より一層の騒音低減が図られる。複数の扇形要素は、数種類(2種類以上)のものを含んでおり、例えば、LとSとの2種類があって、Lが4つ、Sが2つ使用されている場合、LLLLSS、LLLSLS、LLLSSL、……などの配列が可能となる。従来の圧入治具は、1種類の配列に付き1つ必要であったのに対し、この発明の圧入治具によると、扇形要素の並べ替えだけで異なる配列のチェーンを得ることができる。1つの扇形要素には、リンク1枚分に相当する1つまたは2つのピン挿通孔が含まれるようにしてもよく、3つ以上のピン挿通孔が含まれるようにしてもよい。各扇形要素に含まれるピン挿通孔の数は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
圧入治具は、炭素工具鋼や合金工具鋼などを用いて製作され、プレス機等に取り付けられる。この際、圧入治具は、中心軸(例えば垂直軸)回りにリンク供給装置に対して相対的に回転可能に支持される。
上記の製造方法および圧入治具は、圧入を必要とする種々の動力伝達チェーンを製造するのに適しているが、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされており、第1ピンおよび第2ピンのうちの一方は、一のリンクの前挿通部に圧入により固定されかつ他のリンクの後挿通部に移動可能に嵌め入れられ、同他方は、一のリンクの前挿通部に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後挿通部に圧入により固定されているものである動力伝達チェーンを製造するのにより適している。この場合の圧入は、挿通部の長さ方向に対して直交する部分の縁(上下の縁)で行われることが好ましい。
この場合に、チェーン幅方向同じ位置に並ぶリンクの枚数は、20〜30枚程度とされ、これが例えば25層に積層されることでチェーンが組み立てられる。圧入治具に設けられるピン挿入孔の数は、60〜100程度となる。
上記動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。いずれか一方のピンがプーリと接触するチェーンにおいては、第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下では、「第1ピン」または「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では、「第2ピン」または「インターピース」と称す)とされる。
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
この発明の動力伝達チェーンの製造方法および圧入治具によると、複数種類の配列のものを試作・評価する場合には、円形の圧入治具を複数種類作成するのではなく、複数の扇形要素が周方向に並べられることで円形に形成された1つの圧入治具を使用し、その配列順序を変更することで、異なるランダム配列の圧入治具が得られる。これにより、治具を新たに作成することが不要となり、大がかりな段替えの必要がなくなり、配列の一部変更に素早くかつ容易に対応することができ、したがって、開発スピードが上がり、開発コストが低減される。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、図2の上下をいうものとする。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法および圧入治具を使用して製造される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
図2に示すように、リンク(11)の前挿通部(12)と後挿通部(13)との間には、柱部(21)が介在させられており、前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
図2において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチである。
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前挿通部(12)と他のリンク(11)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
リンク(11)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、インボリュート曲線とされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面がインターピース(15)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面がピン(14)の接触面に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
上記の動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡がインボリュート曲線とされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
このチェーンにおいては、リンク(11)としては、ピッチ長が異なる2種類以上のものが使用されて、これが所定の配列パターン(ランダム配列)によってチェーン(1)の全長にわたって配置されている。ピッチ長が異なるリンク(11)は、前後挿通部(12)(13)の形状を同じとして、柱部(21)の前後長さを増減することで得ることができる。このランダム配列によると、打音発生の周期がずれ、音のエネルギーが異なる周波数帯に分散され、音圧レベルのピークが低減され、上記騒音低減効果がより一層向上する。
この動力伝達チェーン(1)は、図7に示したCVTで使用されるが、この際、図3に示すように、プーリ軸(2e)を有するプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)にインターピース(15)の端面が接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。
図3において、実線で示した位置にあるドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)を固定シーブ(2a)に対して接近・離隔させると、ドライブプーリ(2)における巻き掛け径は、同図に鎖線で示すように、接近時には大きく、離隔時には小さくなる。ドリブンプーリ(3)では、図示省略するが、その可動シーブがドライブプーリ(2)の可動シーブ(2b)とは逆向きに移動し、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が大きくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が小さくなり、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が小さくなると、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が大きくなる。この結果、変速比が1:1である状態(初期値)を基準にして、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最小で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最大であるU/D(アンダードライブ)状態が得られ、また、ドライブプーリ(2)の巻き掛け径が最大で、ドリブンプーリ(3)の巻き掛け径が最小のO/D(オーバードライブ)状態が得られる。
この動力伝達チェーン(1)は、所要数のピン(14)およびインターピース(15)を保持した後、所要数のリンク(11)を順次圧入していくことにより製造される。この圧入は、ピン(14)およびインターピース(15)の上下縁部とピン固定部(18)およびインターピース固定部(17)の上下縁部との間において行われており、その圧入代は0.005mm〜0.1mmとされている。
図4および図5は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法に用いる圧入治具を示している。
動力伝達チェーンの製造方法は、チェーン(1)で使用されるすべてのピン(14)およびインターピース(15)を対にして所定ピッチで圧入治具(30)に配置してチェーン(1)として組み立てられたときの配列状態で保持するピン保持工程と、チェーン(1)で使用されるリンク(11)がチェーン幅方向に積層されるようにこれらのピン(14)およびインターピース(15)にリンク(11)を順次圧入していくリンク圧入工程とを備えている。
従来の圧入治具(41)は、図6に示したように、すべてのピン(14)およびインターピース(15)に対応する数のピン挿入孔(42)を有する円形で一体のものとされていたが、この発明による圧入治具(30)は、分割式とされており、図4に示す2種類の扇形要素(31)(32)が適宜な順序で周方向に並べられることで円形に形成されている。図5には、円形の圧入治具(30)の一部を模式的に示している。
図4において、各扇形要素(31)(32)は、それぞれ2つのピン挿通孔(33)を有しており、相対的に大きい扇形要素(31)は、周方向に隣り合う要素と突き合わされることでLのピッチ(ロングピッチ)を形成する反時計側(左側)および時計側(右側)の接続部(31a)(31b)と、両接続部(31a)(31b)の間にあってLのピッチ(ロングピッチ)を形成する本体部(31c)とからなる。また、相対的に小さい扇形要素(32)は、周方向に隣り合う要素と突き合わされることでLのピッチ(ロングピッチ)を形成する反時計側(左側)および時計側(右側)の接続部(32a)(32b)と、両接続部(32a)(32b)の間にあってSのピッチ(ショートピッチ)を形成する本体部(32c)とからなる。
各ピン挿入孔(33)は、有底のもので、その深さは、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)の最外側のものからのピン(14)およびインターピース(15)の突出量(出代)に合致する大きさとされており、ピン挿入孔(33)の底面は、ピン(14)およびインターピース(15)がそれぞれ所定の出代を有するように、段付に形成される。ピン挿入孔(33)の横断面形状は、リンク(11)の前後挿通部(12)(13)とほぼ同じ形状とされており、ピン(14)およびインターピース(15)の挿入および抜き出しが可能でかつ挿入されたピン(14)およびインターピース(15)が動かない程度の嵌め合いとされている。
圧入治具(30)は、分割式とされている以外は、図6の従来の圧入治具(41)と同じであり、垂直軸回りに回転可能とされている。チェーンの製造に際しては、まず、圧入治具(30)を回転させながら、各ピン挿入孔(33)にピン(14)およびインターピース(15)を挿入し、次いで、リンク供給装置(図示略)によってリンク(11)をピン(14)およびインターピース(15)の上端部に配置し、次いで、リンク押圧治具(図示略)を下降させてリンク(11)を所定位置まで移動させ、その後、リンクの配置およびリンク押圧治具の下降を繰り返すことにより、チェーン(1)が組み立てられる。
図5には、7つの扇形要素(31)(32)が示されており、図5(a)においては、その配列順序が反時計側(左側)から、1つ目が相対的に大きい扇形要素(31)、2つ目が相対的に大きい扇形要素(31)、3つ目が相対的に大きい扇形要素(31)、4つ目が相対的に小さい扇形要素(32)、5つ目が相対的に大きい扇形要素(31)、6つ目が相対的に小さい扇形要素(32)、7つ目が相対的に大きい扇形要素(31)とされていることで、ピッチとしては13ピッチ分のLLLLLLSLLLSLLの配列が得られている。そして、図5(b)においては、反時計側(左側)から2つ目および5つ目にある相対的に大きい扇形要素(31)がそれぞれ相対的に小さい扇形要素(32)と互いに置き換えられることにより、異なるピッチとして13ピッチ分のLLSLLLLLSLLLLの配列が得られている。図5(a)(b)は、一部分についての一例を示すものであり、これより多い扇形要素(31)(32)を使用するとともに、その配置位置を種々変更することで、多数の配列を得ることができる。
したがって、例えば、騒音低減効果を評価するために、複数種類の配列のものを試作・評価する場合、従来では、1つの配列に付き1つの圧入治具(41)の製作が必要であり、その手間、期間および費用が多大となるのに対し、この発明の圧入治具(30)によると、図5に示したように、扇形要素(31)(32)の配列変更だけで対応することができ、結果として、開発スピードが上がり、開発コストが低減され、これにより、原価低減が可能となる。
上記において、相対的に大きい扇形要素(31)および相対的に小さい扇形要素(32)の各接続部(31a)(31b)(32a)(32b)は、いずれも、周方向に隣り合う要素と接続されることでLのピッチ(ロングピッチ)を形成するものとされているが、Sのピッチ(ショートピッチ)を形成するものとしてももちろんよく、相対的に大きい扇形要素(31)および相対的に小さい扇形要素(32)のそれぞれについて、各接続部(31a)(31b)(32a)(32b)がLのピッチを形成するものとSのピッチを形成するものとの2種類を作成することで、配列変更の自由度をより一層増すことができる。また、各本体部(31c)(32c)には、2つのピン挿通孔(33)を有するものとしているが、1つの本体部(31c)(32c)に3つ以上のピン挿通孔(33)を形成してももちろんよく、また、全ての扇形要素を同じ数のピン挿通孔(33)とする必要はなく、例えば、2つのピン挿通孔(33)を有する扇形要素、3つのピン挿通孔(33)を有する扇形要素および5つのピン挿通孔(33)を有する扇形要素をそれぞれ少なくとも1つ使用して圧入治具を構成するようにしてもよい。いずれにしろ、異なるピッチランダム配列を得るのに、扇形要素の配列変更だけで対応することができ、上記効果を得ることができる。
上記の製造方法および圧入治具は、リンク、ピンおよびインターピースの形状に限定されることはなく、ピッチ長が異なる構成要素を有する種々の動力伝達チェーンに適用することができる。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で製造される動力伝達チェーンの1実施形態の一部を示す平面図である。 図2は、リンクの拡大側面図である。 図3は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図4は、この発明による動力伝達チェーンの製造方法で使用される圧入治具の扇形要素を示す平面図である。 図5は、扇形要素の配列の一例を示す平面図である。 図6は、従来の圧入治具を示す斜視図である。 図7は、無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(11) リンク
(14) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)
(30) 圧入治具
(31)(32) 扇形要素
(33) ピン挿入孔

Claims (2)

  1. 所要数のピンを所要のピッチで円形の圧入治具に配置してチェーンとして組み立てられたときの配列状態で保持し、これらのピンにピッチ長が異なる2種類以上のリンクを順次圧入していく動力伝達チェーンの製造方法において、
    所要のピッチ長で形成されたピン挿通孔を有する複数の扇形要素を周方向に並べることで圧入治具を形成し、複数の扇形要素の配列順序を変更可能としたことを特徴とする動力伝達チェーンの製造方法。
  2. ピッチ長が異なる2種類以上のリンクからなる複数のリンクおよびチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する複数のピンを有しかつ各ピンが圧入によりリンクに固定される動力伝達チェーンを製造する際に使用される圧入治具であって、
    所要のピッチで形成されたピン挿通孔を有する複数の扇形要素が周方向に並べられることで円形に形成されており、複数の扇形要素の配列順序が変更可能とされていることを特徴とする圧入治具。
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