JP4882554B2 - 液体収容容器 - Google Patents
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Description
ケース蓋3の表面3aにおける凹部5が形成されている部分には、封止ラベル(封止部材)11が貼り付けられている。これにより、凹部5は上端開口が封止され、空気室1として区画形成される。
そこで、毛細管引力により大気開放溝2の隅部を伝わって空気室1に溜まったインクは、連通口7に浸入しメニスカスを形成することで、インクトラップ9への浸入が阻止される。
一方、メニスカス力を強力にするためには、連通口7の穴径を数10μm以下にする必要があり、現実的ではない。
前記空気室の大気流入側における連通口が、該空気室の内壁面から突出した突起の先端面に開口されていることを特徴とする液体収容容器により達成される。
すなわち、大気流入側の連通口が鉛直方向を向いている容器放置状態では、空気室に流入した液体が突起の高さまで溜まった後、突起先端面に開口する大気流入側の連通口から流出する。これにより、大気流入側の連通口から液体が流出するまでの時間が遅延される。
このような構成の液体収容容器によれば、気液分離膜によって液体の外部への漏洩を確実に防止することができる。更に、空気室からの液体の漏れが安定的に阻止されているので、気液分離膜は液体に接触して通気性能が悪化するまでの時間を稼ぐことができ、長期間にわたって安定した通気性能を維持することができる。
このような構成の液体収容容器によれば、蛇行状態に形成した連通路部分によって液体の外部への漏洩を遅らせる効果が期待できると共に、気液分離膜と大気開放孔との間の空気流通を疎遠にする事で、液体の蒸発を少なくすることができる。
また、空気室からの液体の漏れを遅らせると共に、気液分離膜によって液体の外部への漏洩が確実に防止されているので、連通路部分に液体が入り込んで液体供給部に対する動圧を著しく変化させることもない。
このような構成の液体収容容器によれば、容器本体内の限られたスペースにおいても、液体を貯留する為の空気室全体の容積確保が容易になる。
また、それぞれの空気室の大気流入側における連通口が、各空気室の内壁面から突出した突起の先端面に開口されるので、最も大気流入側の連通口から液体が流出するまでの時間を更に遅延させることができる。更に、それぞれの連通口を適宜異なる方向へ開口させることによって、色々な容器放置姿勢への対応が可能となり、空気室からの液体の漏洩を確実に阻止することができる。
このような構成の液体収容容器によれば、空気室における大気流入側の連通口が液体を流出させ難いトラップ構造となっているのに対し、大気流出側の連通口は液体の浸入が容易な構造となる。そこで、空気室に溜まった液体は、浸入の容易な大気流出側の連通口を通過して再び液体収容部へ回収され易くなる。
このような構成の液体収容容器によれば、突起が鉛直方向を向いている容器放置状態では、表面張力により突起の側面を上方へ這い上がった液体が、エッジ部の角によって突起の先端面への回り込みを阻止される。そこで、空気室に液体が溜まっても、突起の突出高さまでは液体が大気流入側の連通口に浸入することはない。尚、断面が角とは、突起の先端面と側面とが交わるエッジ部にRや面取りの無い事である。
このような構成の液体収容容器によれば、容器本体の落下、着脱による衝撃や移動時の姿勢変化、キャリッジ動作による慣性力等により空気室に溜まった液体が突起の先端面に接触しても、液体が毛細管引力によって対向内壁面との間隙にメニスカスを形成することがなく、先端面に開口する連通口へは液体が浸入し難くなる。
また、本発明に係る液体収容容器は、容器本体の落下、着脱による衝撃や移動時の姿勢変化、キャリッジ動作による慣性力、液体収容部の空気膨張などによって簡単に壊れてしまう従来の連通口に形成されるメニスカスとは違い、空気室における大気流入側の連通口からの液体の漏れを安定的に阻止することができる。
従って、容器本体に対する衝撃や慣性力、内外圧変化に対して強く、空気室に溜まった液体が大気流入側の連通口から流出する時間を遅延させることができる良好な液体収容容器を提供できる。
図1は本発明に係る液体収容容器の外観斜視図、図2は図1に示した液体収容容器を表面側から見た分解斜視図、図3は図1に示した液体収容容器を背面側から見た分解斜視図、図4は容器本体の内部を表面側から見た模式図、図5は図4のA−A断面矢視図、図6は容器本体の内部を背面側から見た模式図、図7は大気開放流路の概念図、図8は大気流入側の連通口の拡大断面図、図9は大気流入側の連通口の変形例を表す拡大断面図である。
このインクカートリッジ100は、図1乃至図3に示すように、容器本体21内に設けられインク(液体)を収容するインク室(液体収容部)23と、カートリッジ装着部側の印刷ヘッドに接続されるインク供給部(液体供給部)25と、インク室23に貯留したインクをインク供給部25に誘導するインク誘導路27と、インク室23内のインクの消費に伴って外部に開口した大気開放孔29から大気をインク室23に導入する大気開放流路102と、大気開放流路102の途中に設けられて該大気開放流路102に浸入したインクを貯留可能な複数の空気室31a,31b,31cと、を備える大気開放タイプのインクカートリッジである。
弁体43はコイルバネ47によって供給蓋45側に付勢されることで、供給開口45aを閉鎖している。この供給蓋45は、封止フィルム49によって供給開口45aが封止されている。
すなわち、インク室23の連通口71は、容器本体21の背面側に設けた連通流路72を介して表面側に設けた連通流路73の連通口75に通じ、連通流路73は連通口77を介して空気室31aに通じる。
連通流路83は連通口85を介して背面側の空気室31cに通じ、空気室31cは連通口87を介して表面側の連通流路89に通じる。
連通流路89は連通口91を介して背面側の連通流路90に通じ、連通流路90は表面側の連通流路91を介して背面側の気液分離部33に通じる。
そして、通気フィルム33aを備えた気液分離部33はヘビ道35に通じ、その末端で大気開放孔29となって大気開放される。
即ち、大気流入側の連通口79が鉛直方向を向いている容器放置状態では、空気室31aに流入したインクが突起95の高さhまで溜まった後、突起95の先端面95aに開口する大気流入側の連通口79から流出する。これにより、大気流入側の連通口79からインクが次の空気室31bに流出するまでの時間が遅延される。
そこで、容器本体21内の限られたスペースにおいても、インクを貯留する為の空気室全体の容積確保が容易になる。
そこで、最も大気流入側の連通口87からインクが流出するまでの時間を更に遅延させることができる。
例えば、本実施形態のインクカートリッジ100のように、容器本体21が偏平な略直方体に形成される薄型カートリッジの場合、ユーザーによって最も置かれる可能性が高い方向というのは、容器本体21の広い面(表裏面の何れか)を下にした姿勢(すなわち、厚み方向を鉛直方向とする姿勢)であるので、容器本体21内部の突起95が鉛直方向を向く。そこで、容器本体21の厚み方向に突起95を突出させることで、インクのトラップ率を高くすることができる。
そこで、空気室31a(31b,31c)における大気流入側の連通口79(81,87)がインクを流出させ難いトラップ構造となっているのに対し、大気流出側の連通口77(80,85)はインクの浸入が容易な構造となり、空気室31a(31b,31c)に溜まったインクは、浸入の容易な大気流出側の連通口77(80,85)を通過して再びインク室23へ回収され易くなる。
そこで、万が一空気室31cからインクが漏れだしたとしても、通気フィルム33aによってインクのカートリッジ外部への漏洩を確実に防止することができる。また、ヘビ道35によっても、インクのインクカートリッジ外部への漏洩を遅らせる効果が期待できると共に、通気フィルム33aと大気開放孔29との間の空気流通を疎遠にする事で、インクの蒸発を少なくすることができる。
また、空気室からの液体の漏れを遅らせると共に、気液分離膜によって液体の外部への漏洩が確実に防止されているので、連通路部分に液体が入り込んで液体供給部に対する動圧を著しく変化させることもない。
また、各空気室31a(31b,31c)からのインクの漏れが安定的に阻止されると共に、通気フィルム33aによってインクのカートリッジ外部への漏洩が確実に防止されているので、へび道35にインクが入り込んでインク供給部25に対する動圧を著しく変化させることもない。
そこで、突起95が鉛直方向を向いている容器放置状態では、表面張力により突起95の側面95bを上方へ這い上がったインクが、エッジ部95cの角によって突起95の先端面95aへの回り込みを阻止される。従って、空気室31aにインクが溜まっても、突起95の突出高さhまではインクが大気流入側の連通口79に浸入することはない。
この場合、容器本体21の落下やカートリッジ装着部への着脱による衝撃、移動時の姿勢変化やキャリッジ動作による慣性力等により空気室31aに溜まったインクが突起95の先端面95aに接触しても、インクが毛細管引力によって対向内壁面であるフィルム39aとの間にメニスカスを形成することがなく、先端面95aに開口する連通口79へはインクが浸入し難くなる。
その結果、本実施形態のインクカートリッジ100を用いたインクジェット式プリンタによれば、インク供給部25に対する動圧変化が抑止され、高品質の印刷を維持し続けることができる。
Claims (7)
- 容器本体内に設けられ液体を収容する液体収容部と、前記液体収容部に連通する液体供給部と、前記液体収容部内の液体の消費に伴って外部に開口した大気開放孔から大気を前記液体収容部に導入する大気開放流路と、前記大気開放流路の途中に設けられて該大気開放流路に浸入した液体を貯留可能な空気室と、を備えた液体収容容器であって、
前記容器本体の最も広い面である表裏面のいずれか一方の面を鉛直下方になるように置かれた場合に、前記空気室の大気流入側における連通口が、前記一方の面から他方の面に向かって鉛直方向に突出した突起の先端面に開口されていることを特徴とする液体収容容器。
- 前記空気室より大気開放孔側における前記大気開放流路の途中に、気体の通過を許容し液体の通過を許容しない気液分離膜が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
- 前記気液分離膜より大気開放孔側における前記大気開放流路の途中に、蛇行状態に形成した連通路部分が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の液体収容容器。
- 前記空気室が複数個設けられ、隣接する各空気室同士が連通されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の液体収容容器。
- 前記空気室の大気流出側における連通口が、該空気室の内壁面と同一平面上に開口されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の液体収容容器。
- 前記突起の先端面と前記突起の側面とが交わるエッジ部は、断面が角になっていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の液体収容容器。
- 前記突起の突出高さは、前記液体によるメニスカスが対向内壁面との間に生じない間隙を残す高さとされることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の液体収容容器。
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