JP4882371B2 - フレア量の計測方法、フレア量計測用マスク及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Description
このように、パターンの微細化が進むにつれて、寸法均一性として要求される値は小さくなってきている。
寸法均一性を悪化させてしまう原因としては、露光装置の投影光学系や照明系から発生するフレア(迷光)、露光量や照度の分布が挙げられる。
例えば、照明系から発生するフレアの量が増加すると、例えば露光ショットによる露光範囲の端部と中心部とでレジスト寸法に大きな差が生じてしまい、寸法均一性に影響を与えることになる。
このように、寸法均一性が悪化してしまうと、結果的に、デバイス性能が低下してしまったり、歩留まりが低下してしまったりすることになる。
ところで、従来、フレア量の計測方法としては、簡便な計測方法として、Kirk法が広く一般的に用いられている(例えば非特許文献1参照)。
Kirk法では、例えば数100μmレベルの透過領域と、透過領域内に形成された例えば数μmレベルの遮光領域とからなるマスクパターンをレジストに転写し、遮光領域以外の透過領域に対応する位置のレジストが消失するまでの露光量と、遮光領域に対応する位置のレジストが消失するまでの露光量との比率を求め、これをフレア量として定義している。
Scattered light in photo lithographic lenses Proc. SPIE, 1994, Vol. 2197
また、遮光領域を設ける箇所が限られるため、全ての領域においてフレア量の計測を行なうことができない。つまり、所定の箇所に設けられた遮光領域以外の領域に飛びこむフレアの量を計測することができない。
本発明のデバイスの製造方法は、上述のフレア量の計測方法を用いてフレア量を計測する工程を含むことを特徴としている。
また、本発明のフレア量計測用マスクは、スキャン方向でピッチが異なるラインパターンを備えることを特徴としている。
特に、本発明のデバイスの製造方法によって、デバイスの製造に用いられる装置の定期点検を行なうようにすれば、例えば光学部品の交換やクリーニングなどの時期を適切に判断することができるようになるなど、デバイスの製造に用いられる装置の管理を容易に行なえるようになる。また、例えば光学部品の交換やクリーニングなどを行なうことで、寸法均一性が悪くなるのを未然に防止することができる。この結果、デバイス性能の低下や歩留まりの低下を防止できるようになる。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態にかかるフレア量の計測方法、フレア量計測用マスク及びデバイスの製造方法について、図1〜図4を参照しながら説明する。
本フレア量の計測方法では、以下のようにしてフレア量を計測する。
まず、図2(A)に示すように、ウェーハ(半導体基板;ここではSi基板)1上に、BARC(Bottom Anti-Reflection Coating;反射防止膜)2を介して、レジスト(感光性材料)3を塗布する。
ここでは、図3に示すように、透過部4aと、例えばCrなどの遮光膜で覆われた遮光部4bとからなるマスク4を用いる。透過部4aは、周囲を遮光部4bに囲まれた四角形状の領域として形成されている。この透過部4aは、パターンを有しない全透過領域となっている。このようなマスク4を用いているのはマスク4を透過して直進する光(0次光)がフレアの大きな原因であると考えられるからである。
なお、光を照射するだけで膜厚が変わる感光性材料(レジスト)を用いても良く、この場合には、PEBや現像などの処理を行なう必要がない。
このようなレジストパターンを形成した後、図1に示すようなレジスト3の残膜量(残膜量分布)に基づいてフレア量を計測する。
ここでは、まず、レジスト3が塗布された全領域のレジスト3の残膜量(即ち、レジスト3の膜厚)を計測する。つまり、マスク4の透過部4aに対応する露光領域(ショット領域)3aにおける残膜量だけでなく、この領域以外の遮光領域3bにおける残膜量も計測する。これは、遮光領域3bにおいてもフレアによる露光量ムラが生じるからである。
次に、この計測結果に基づいて、図1(C)中、実線で示すようなレジスト3の残膜量分布(膜厚分布)を求める。なお、レジスト残膜量分布としては、レジスト3が塗布された全領域における残膜量分布を求める。
これにより、フレアの発生している位置を特定することもできるとともに、フレア量を定量的に求めることが可能となる。
このため、別に、例えば照度計などを用いてマスク4の透過部4aに対応する露光領域3aの照度ムラを計測し、照度ムラによる影響がどの程度あるかを求め、この分を差し引いてフレア量を求めるのが好ましい。このように、レジスト3の残膜量及び照度に基づいてフレア量を計測することで、レジスト残膜量からフレアの影響のみが抽出され、フレア量をより精度良く計測することが可能になる。
特に、本発明のデバイスの製造方法を用いて、デバイスの製造工程において定期点検を行なうようにすれば、例えば光学部品の交換やクリーニングなどの時期を適切に判断することができるようになるなど、デバイスの製造に用いられる装置の管理を容易に行なえるようになるという利点もある。また、例えば光学部品の交換やクリーニングなどを行なうことで、寸法均一性が悪くなるのを未然に防止することができる。この結果、デバイス性能の低下や歩留まりの低下を防止できるようになる。
また、上述の実施形態のフレア量の計測方法は、半導体デバイスや液晶などの表示デバイスなどのデバイスの製造工程に組み込むことができる。つまり、デバイスの製造方法を、上述の実施形態のフレア量の計測方法を用いてフレア量を計測する工程を含むものとして構成することもできる。
例えば図4に示すように、デバイスの製造工程の途中に、上述の実施形態のフレア量の計測方法を用いた定期点検工程を組み込むことができる。
つまり、定期点検工程を含むデバイスの製造方法は、以下のようになる。
そして、所定値以上になっている場合(NGルート)には、光学部品の交換又は光学部品のクリーニングを実施した後、デバイスの製造を再開する。
一方、所定値よりも小さい場合(OKルート)には、そのままデバイスの製造を続行する。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかるフレア量の計測方法、フレア量計測用マスク及びデバイスの製造方法について、図5,図6を参照しながら説明する。
つまり、本実施形態では、マスク(フレア量計測用マスク;レクチル)4Aは、図5に示すように、異なるピッチ(Pitch 1, Pitch 2, Pitch 3・・・Pitch n)の複数のラインパターンを備え、これらの複数のラインパターン4Aaが、スキャン方向に直列に、かつ、平行に並べて配置されている。なお、図5中、符号4Abは遮光部を示している。
このように、ピッチの異なるラインからなるラインパターン4Aaが存在すると、光はある角度をもって回折するため、回折光によるフレアの位置を特定することができるとともに、回折光によるフレア量を定量的に計測できることになる。
なお、その他のマスクの構成、フレア量の計測方法、デバイスの製造方法等は、上述の第1実施形態のものと同じであるため、ここでは説明を省略する。
特に、本発明のデバイスの製造方法を用いて、デバイスの製造工程において定期点検を行なうようにすれば、例えば光学部品の交換やクリーニングなどの時期を適切に判断することができるようになるなど、デバイスの製造に用いられる装置の管理を容易に行なえるようになるという利点もある。また、例えば光学部品の交換やクリーニングなどを行なうことで、寸法均一性が悪くなるのを未然に防止することができる。この結果、デバイス性能の低下や歩留まりの低下を防止できるようになる。
例えば、図7に示すように、マスク4Bを、スキャン方向でピッチが異なるラインパターン4Baを備えるものとして構成しても良い。つまり、スキャン方向に沿って連続的にピッチ(Pitch 1, Pitch 2, Pitch 3・・・Pitch n)が変わっていくようにラインパターン4Baを構成しても良い。なお、図7中、符号4Bbは遮光部を示している。
このように構成されるマスク4Bを用いることで、上述の実施形態のマスク4Aを用いた場合の回折光に対して90°回転させた方向の回折光によるフレア(迷光)を計測できるようになる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態にかかるフレア量の計測方法、フレア量計測用マスク及びデバイスの製造方法について、図8〜図10を参照しながら説明する。
つまり、本実施形態では、マスク(フレア量計測用マスク;レクチル)4Cは、図8に示すように、ピッチの等しい複数(ここでは2つ)のラインパターン4Ca,4Cbを備え、これらの複数のラインパターン4Ca,4Cbが、スキャン方向に対して向きを変えて配置されている。なお、図8中、符号4Ccは遮光部を示している。
また、他方のラインパターン(第2ラインパターン)4Cbは、スキャン方向に直交する方向に沿って延びる複数のラインを、スキャン方向に沿って所定のピッチで並べて構成されている。
特に、2重極照明5A,5Bを構成する2つの照明5aの位置を変化させることによって、回折光の角度(回折角度)をコントロールすることができる。例えば図9(A),(B)に示すような2重極照明5A,5Bを構成する2つの照明5aの位置(中心からの距離X,Y)を変えることで、図10に示すように、マスク面(レチクル面)に形成されたラインパターンによって回折する回折光の角度を変えることができる。このように、照射条件を変えて露光(転写)することで、回折光の角度に応じたフレアの位置を特定することができるとともに、回折光の角度に応じたフレア量を定量的に計測できることになる。これは、光の照射角度が異なると、異なる角度で回折することを利用している。
したがって、本実施形態にかかるフレア量の計測方法及び、フレア量計測用マスク及びデバイスの製造方法によれば、簡便に、かつ、精度良く、回折光によるフレア量を計測することが可能となるという利点がある。
[その他]
また、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することができる。例えば、各実施形態にかかるフレア量の計測方法のいずれか1つだけを行なうようにしても良いし、これらを任意に組み合わせて行なうようにしても良い。
基板上に感光性材料を塗布し、
パターンを有しない透過部を備えるマスクを用いて前記感光性材料の一部の厚さが変わるように前記感光性材料の一部を露光し、
前記マスクの透過部に対応する領域及び前記領域以外の領域における前記感光性材料の残膜量分布に基づいてフレア量を計測することを特徴とする、フレア量の計測方法。
前記感光性材料の前記マスクの透過部に対応する領域における照度を計測し、
前記感光性材料の残膜量及び照度に基づいてフレア量を計測することを特徴とする、付記1記載のフレア量の計測方法。
(付記3)
ラインパターンを有するマスクを用いて露光し、
前記感光性材料の残膜量及び前記感光性材料に転写されたパターンの寸法に基づいて回折光によるフレア量を計測することを特徴とする、付記1記載のフレア量の計測方法。
前記マスクが、ピッチの異なる複数のラインパターンを有することを特徴とする、付記3記載のフレア量の計測方法。
(付記5)
2重極照明を用いて露光することを特徴とする、付記3記載のフレア量の計測方法。
前記マスクが、所定のピッチのラインパターンを有し、
照射条件を変えて露光した場合の感光性材料の残膜量及び前記感光性材料に転写されたパターンの寸法に基づいて回折光によるフレア量を計測することを特徴とする、付記5記載のフレア量の計測方法。
前記感光性材料が、レジストであることを特徴とする、付記1〜6のいずれか1項に記載のフレア量の計測方法。
(付記8)
付記1〜7のいずれか1項に記載のフレア量の計測方法を用いてフレア量を計測する工程を含むことを特徴とする、デバイスの製造方法。
ピッチの異なる複数のラインパターンを備え、
前記複数のラインパターンが、スキャン方向に並べて配置されていることを特徴とする、フレア量計測用マスク。
(付記10)
スキャン方向でピッチが異なるラインパターンを備えることを特徴とする、フレア量計測用マスク。
ピッチの等しい複数のラインパターンを備え、
前記複数のラインパターンが、スキャン方向に対して向きを変えて配置されていることを特徴とする、フレア量計測用マスク。
2 反射防止膜(BARC)
3 レジスト(感光性材料)
3a 露光領域
3b 遮光領域
4,4A,4B,4C マスク
4a 透過部
4b,4Ab,4Bb,4Cc 遮光部
4Aa,4Ba,4Ca,4Cb ラインパターン
5A,5B 2重極照明
5a 照明
Claims (10)
- 基板上に感光性材料を塗布し、
透過部と遮光部とを備えるマスクを用いて、前記透過部に対応する領域において前記感光性材料の厚さが変化し、かつ、前記感光性材料の一部が前記基板上に残るように前記感光性材料を露光し、
前記透過部に対応する領域及び前記遮光部に対応する領域における前記感光性材料の残膜量分布に基づいてフレア量を計測することを特徴とする、フレア量の計測方法。 - 前記感光性材料の前記マスクの透過部に対応する領域における照度を計測し、
前記感光性材料の残膜量及び照度に基づいてフレア量を計測することを特徴とする、請求項1記載のフレア量の計測方法。 - 前記マスクが、ラインパターンを有し、
前記感光性材料の残膜量及び前記感光性材料に転写されたパターンの寸法に基づいて回折光によるフレア量を計測することを特徴とする、請求項1記載のフレア量の計測方法。 - 前記マスクが、ピッチの異なる複数のラインパターンを有することを特徴とする、請求項3記載のフレア量の計測方法。
- 2重極照明を用いて露光することを特徴とする、請求項3記載のフレア量の計測方法。
- 前記マスクが、所定のピッチのラインパターンを有し、
前記2重極照明を構成する2つの照明の位置を変えて露光した場合の感光性材料の残膜量及び前記感光性材料に転写されたパターンの寸法に基づいて回折光によるフレア量を計測することを特徴とする、請求項5記載のフレア量の計測方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフレア量の計測方法を用いてフレア量を計測する工程を含むことを特徴とする、デバイスの製造方法。
- ピッチの異なる複数のラインパターンを備え、
前記複数のラインパターンが、スキャン方向に並べて配置されていることを特徴とする、フレア量計測用マスク。 - スキャン方向でピッチが異なるラインパターンを備えることを特徴とする、フレア量計測用マスク。
- ピッチの等しい複数のラインパターンを備え、
前記複数のラインパターンが、スキャン方向に対して向きを変えて配置されていることを特徴とする、請求項6記載のフレア量の計測方法。
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