JP4881613B2 - 工具収納装置及び工具 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械で使用される工具を収納するための工具収納装置及びその工具に係り、さらに詳細には、工具管理の容易な工具収納装置に関する。
工作機械の一例としての例えばタレットパンチプレスなどのプレス機械においては、雄型,雌型としてのパンチ,ダイの工具をセットで使用するものである。したがって、この場合はセットで使用する工具として管理することが望ましいものであり、そのように管理している(例えば特許文献1参照)。
特開2003−103321号公報
前記特許文献1に記載の発明は、垂直な回転軸に備えた複数段の水平な円盤状のパンチ金型マガジンとダイ金型マガジンとにパンチ金型,ダイ金型を上下に対向して装着した構成である。そして、金型マガジンを回転し、識別標識読取り装置によって、前記各金型マガジンに備えた金型マガジン識別標識及びパンチ,ダイに備えた金型識別標識を読み取って、パンチ,ダイの装着位置及びパンチ,ダイの識別管理を行っている。
また、収納棚の構成においては、複数段の収納棚に備えられている収納棚識別標識及びパンチ,ダイに設けられた金型識別標識を、ハンディ読み取り装置により読み取って、各収納棚に収納されているパンチ,ダイの管理を行っている。
前述のごとく、円盤状の金型マガジンを回転自在に備えた構成においては、自動工具交換装置を介して、工作機械としてのタレットパンチとの間において工具交換が行われるものであって、大きな構成となって設置場所が限られることとなり、設置場所の自由度が少ないという問題がある。また収納棚の構成においては、ハンディ読み取り装置によって読み取るために操作が面倒であるという問題がある。
本発明は、前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、工作機械で使用する複数の工具を収納するための工具収納装置であって、収納ハウジングに備えた複数の格納部に対して出入可能な複数の収納スライダを備え、前記各収納スライダの移動方向に設けた複数の工具収納位置に前記工具を収納した前記収納スライダを前記格納部に格納するときに、前記各工具に備えた工具情報媒体を読み取るための工具情報読取手段を、前記格納部の入口付近に備え、かつ前記各収納スライダの工具収納位置を示す収納位置指示手段を、前記各収納スライダにおける複数の工具収納位置に対応して前記各収納スライダに備えると共に、前記各格納部に前記各収納スライダを格納するときに前記各収納位置指示手段を読み取るための収納位置読取手段を前記各格納部の入口付近に備えていることを特徴とするものである。
また、前記工具収納装置において、前記工具情報読取手段は、セット状態を保持して収納された各工具に対応して備えられていることを特徴とするものである。
また、工作機械で使用する複数の工具を収納するための工具収納装置であって、収納ハウジングに備えた複数の格納部に対して出入可能な複数の収納スライダと、前記各収納スライダの移動方向に設けた複数の工具収納位置に収納された各工具に備えた工具情報媒体を前記各格納部の入口付近において読み取るための工具情報読取手段と、前記各収納スライダにおける複数の工具収納位置に対応して前記各収納スライダに備えた収納位置指示手段を前記各格納部の入口付近において読み取るための収納位置読取手段と、前記各収納スライダの各工具収納位置の位置情報と各工具収納位置に収納されている各工具の工具情報とを関連付けて収納情報メモリに格納するための情報処理手段と、前記収納情報メモリの内容を表示する表示手段とを備えていることを特徴とするものである。
また、前記工具収納装置において、工具情報を入力するための入力手段と、この入力手段により入力された工具情報に基づいて前記収納情報メモリを検索するための検索手段とを備えると共に、前記検索手段によって検索された工具情報に対応した工具収納位置を表示するための検索工具位置表示手段を備えていることを特徴とするものである。
また、前記工具収納装置において、前記検索工具位置表示手段は、各格納部に対応して収納ハウジングに備えられた発光手段及び各収納スライダにおける各工具収納位置に対応して各収納スライダに備えられた発光手段であることを特徴とするものである。
また、前記工具収納装置において、前記収納スライダに収納された工具に備えられている工具情報媒体が常に上方を面するように、前記工具の軸心回りの回動を規制して位置決めを行うための工具位置決め部材を前記各収納スライダにおける各工具収納位置に備えていることを特徴とするものである。
また、前記工具収納装置に収納自在な工具であって、前記工具はパンチプレスに使用されるパンチ又はダイであって、工具本体に、工具情報媒体を取付ける情報媒体取付部を備え、この情報媒体取付部と位相を異にする工具本体の部位に、各収納スライダにおける各工具収納位置に備えられた工具位置決め部材と係合自在な位置決め凹部を備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、収納ハウジングの格納部に対して収納スライダを出入するときに、上記収納スライダに収納されている工具に備えた工具情報媒体を読み取ることができ、収納ハウジングに収納されている工具の管理を容易に行うことができる。
図1に概念的,概略的に示すように、本発明の実施形態に係る工具収納装置1は、箱状の収納ハウジング3を備えており、この収納ハウジング3には複数の格納部5A,5B,5Cが上下に適宜間隔の複数段に備えられている。そして、前記格納部5A,5B,5Cにはそれぞれ収納スライダ7A,7B,7Cが出入可能に備えられている。さらに、前記収納ハウジング3には、収納ハウジング3を移動可能に支持する複数のキャスター9が備えられていると共に、上部の適宜位置には、文字や図形を表示する、例えば液晶表示装置などのごとき表示手段11が備えられている。
したがって、前記工具収納装置1を所望位置へ移動することができ、例えばある工作機械に近接した位置から他の工作機械に近接した位置へ移動することができるものである。すなわち、工具収納装置1に格納してある複数の工具を、複数の工作機械でもって共用することができる。また、例えばタレットパンチプレス等の工作機械に備えたテーブルの下側へ配置することも可能であり、邪魔になるようなことがないものである。さらに、工具収納装置1に格納してある工具を前記表示手段11に表示することが可能であり、工作機械に対して着脱交換する工具の管理を容易に行い得るものである。
前記収納スライダ7A,7B,7Cは、前記各格納部5A,5B,5Cに対して出入自在な引き出しを構成するものであって、収納スライダ7A,7B,7Cの上部には、工作機械に装着して使用する工具13(図2参照)を収納自在な工具収納部15(15A,15B,…)が収納スライダ7A,7B,7Cの移動方向(図2において図面に垂直な方向)に複数設けられている。前記工具13として、本例においては、工作機械の一例としてのタレットパンチプレス等のごときパンチプレスに使用されるパンチPとダイD1,D2にて例示してある。
例えばタレットパンチプレス等のごときパンチプレスにおいては、板状のワーク(図示省略)の打抜き加工を行うとき、前記ワークの板厚等によってパンチとダイとのクリアランスを変更することがあるので、1個のパンチPに対して2個のダイD1,D2がセット状態を保持して前記工具収納部15に収納されている。前記パンチP,ダイD1,D2には例えばICタグのごとき工具情報媒体17がそれぞれ備えられている。そして、前記各格納部5A,5B,5Cの入口付近には、前記工具情報媒体17の情報(例えば工具の形状,寸法,寿命など)を読み取るための工具情報読取手段19が各工具情報媒体17に対応して備えられている。
すなわち、前記各工具情報読取手段19は、前記各格納部5A,5B,5Cの入口付近において前記収納ハウジング3に設けた支持部材21に備えられている。より詳細には、前記工具情報読取手段19は、前記工具情報媒体17がICタグの場合にはリーダのアンテナコイルを含むものであって、前記各格納部5A,5B,5Cに対して各格納スライダ7A,7B,7Cを出入するとき、収納スライダ7A,7B,7Cに収納されているパンチP,ダイD1,D2に備えた工具情報媒体17が通過する通過位置に対応して前記支持部材21に設けられている。
したがって、各格納部5A,5B,5Cに対して収納スライダ7A,7B,7Cを出入するとき、収納スライダ7A,7B,7Cに収納された各工具13に備えている工具情報媒体17の工具情報が各工具情報読取手段19によって読み取られるものである。よって、各工具13の工具情報の読み取りを容易に行い得るものである。前記収納スライダ7A,7B,7Cにおける複数の工具収納部15の位置(工具収納位置)を識別するために、各工具収納部(工具収納位置)15(15A,15B,…)に対応して、例えばICタグのごとき収納位置指示手段23(23A,23B,…)がそれぞれ備えられていると共に、前記各収納位置指示手段23を読み取るために、前記各格納部5A,5B,5Cの入口付近にはリーダのアンテナコイルを含む収納位置読取手段25がそれぞれ備えられている。
なお、前記各収納位置読取手段25は、前記工具情報読取手段19によって工具情報を読み取っているときの工具13が、収納スライダ7A,7B,7Cの基準位置,例えば収納スライダ7A,7B,7Cにおける最奥部又は最手前の工具収納部15から何列目の工具収納部に位置するかを知ることができれば良いものである。したがって、前記収納位置指示手段23の構成を、バーコード又は複数のドグを組合せた構成として、例えば各工具収納部15毎に、各工具収納部15を識別できるように適数のドグの配置位置(組合せ)を異にし、上記ドグを近接センサ等の対応したセンサによって検出する構成とすることも可能である。
なお、収納位置指示手段23としてバーコードを使用した場合には、各収納位置読取手段25としてはバーコードリーダを使用するものである。また、前記収納位置指示手段23を各工具収納部15(15A,15B,…)に備え、各収納位置読取手段25を前記支持部材21に設けることも可能である。
前記工具収納装置1に収納される工具13の管理を行うために、前記工具収納装置1には管理制御装置27(図3参照)が備えられている。この管理制御装置27は例えばコンピュータよりなるものであって、この管理制御装置27には、例えばキーボード等のごとき適宜の入力手段29が接続してあると共に、前記表示手段11が接続してある。さらに、前記管理制御装置27には、前記各工具情報読取手段19及び前記各収納位置読取手段25が接続されている。
また、前記管理制御装置27には、情報処理手段31,収納情報メモリ33及び検索手段35が備えられている。
前記情報処理手段31は、前記各格納部5A,5B,5Cの各収納スライダ7A,7B,7Cを移動した場合の格納部情報(この格納部情報は、各格納部5A,5B,5Cに対応して個別に備えられた各工具情報読取手段19又は各収納位置読取手段25から入力される識別信号による、又は入力手段29から入力した識別信号による)と、前記工具情報読取手段19からの入力による工具情報と、前記工具情報読取手段19が読み取った工具13が収納されている工具収納部(工具収納位置)15の位置を読み取った各収納位置読取手段25からの入力による工具収納位置情報とを関連付けた収納情報を、各格納部5A,5B,5Cに対応して備えた各収納情報メモリ33に格納する作用をなすものである。
また、前記情報処理手段31は、前記入力手段29から入力された情報を前記表示手段11及び/又は前記検索手段35へ伝送する作用をなすと共に、前記検索手段35によって検索された検索情報を前記表示手段11へ伝送しする作用をなすものである。
前記収納情報メモリ33は、前記各格納部5A,5B,5C毎に対応したメモリが備えられており、各メモリには、各工具収納部15に収納した工具情報と各工具収納部15の位置情報とが対応付けて(関連付けて)格納されている。
前記検索手段35は、前記情報処理手段31から伝送(入力)された工具情報に基づいて前記収納情報メモリ33を検索するものであり、該当する工具情報を検索した場合には、この検索した工具情報及び収納位置情報を前記情報処理手段31へ伝送(出力)し、該当する工具情報が検索できない場合には、「該当工具なし」の情報を前記情報処理手段31へ伝送する作用をなすものである。
以上のごとき構成において、工具収納装置1における例えば格納部5Aの収納スライダ7Aを格納部5Aから引き出し、上記収納スライダ7Aの任意の工具収納部15に工具13を、セット状態を保持して収納すると共に、格納部5Aであることの識別信号を例えば入力手段29から情報処理手段31に入力すること、又は格納部5Aの入口付近に備えた収納位置読取手段25が動作されたことによる動作信号を情報処理手段31に入力することにより、操作している収納スライダ7Aは格納部5Aの収納スライダであることが識別される。
そして、前記格納部5Aの入口付近に備えた工具情報読取手段19によって、前記収納スライダ7Aの各工具収納部15にセット状態で収納した工具13の工具情報を読み取ると、上記工具情報を読み取った工具13を収納していた工具収納部15の位置情報(列情報)が格納部5A内の収納位置読取手段25によって読み取られる。前記格納部5Aの識別信号と、前記工具情報読取手段19によって読み取った工具情報と、前記収納位置読取手段25によって読み取った位置情報(列情報)が情報処理手段31に入力されると、前記識別信号により格納部5Aに対応した収納情報メモリ33が選択される。そして、この選択した収納情報メモリ33には、前記位置情報と前記工具情報とが関連付けて格納される。同様にして、格納部5B,5Cに対応した各収納情報メモリ33にも各工具収納部15の位置情報と各工具収納部15に収納されている工具13の工具情報とが関連付けて格納される。
すなわち、各格納部5A,5B,5Cにおける各収納スライダ7A,7B,7Cの各工具収納部15(15A,15B,15C,…)に工具13を収納し、各収納スライダ7A,7B,7Cを各格納部5A,5B,5Cに格納するとき、各収納スライダ7A,7B,7Cにおける各工具収納部15の位置情報と工具情報とが各格納部5A,5B,5Cの入口付近に設けた収納位置読取手段25,工具情報読取手段19によって読みとられ、各収納部5A,5B,5Cに対応した各収納情報メモリ33に、位置情報と工具情報とを関連付けて格納される。したがって、各工具13の格納位置と工具情報とを関連付けての格納を容易に行うことができる。
この際、工具情報読取手段19によって読み取った工具情報を表示手段11に表示することにより、工具13のセット状態を確認することができる。したがって、工具13のセット状態に誤りがないか否かを知ることができる。なお、収納スライダ7A,7B,7Cを引き出すときにも工具13の工具情報を工具情報読取手段19により読み取って同様に表示手段11に表示することができ、取り出す工具13の確認を行うことができる。
次に、前記工具収納装置1から必要な工具13を取り出すには、必要とする工具13の工具情報(工具の形状,寸法など)を入力手段29から情報処理手段31に入力すると、前記工具情報が検索手段35へ伝送(入力)される。そして、検索手段35は、入力された工具情報に該当する工具情報を収納情報メモリ33から検索し、検索した工具情報を情報処理手段31へ伝送する。そして、検索された工具情報は情報処理手段31から表示手段11へ伝送され、表示手段11においては、工具情報と格納位置(格納部5A,5B,5Cとその工具収納部15の位置)とを表示する。
したがって、表示手段11の表示内容を見ることにより、必要とする工具13の格納位置すなわち引き出すべき格納部5A,5B,5Cと工具収納部15の位置を知ることができ、容易に取り出すことができるものである。
なお、前記検索手段35が収納情報メモリ33を検索した結果、該当する工具13がない場合には、前記検索手段35から前記情報処理手段31へ「該当工具なし」の情報が伝送されるので、表示手段11には該当工具がないことの表示が行われる。したがって、表示手段11の表示を見ることにより、該当する工具13が工具収納装置1に収納されていないことを知ることができるものである。
以上のごとき説明より理解されるように、工具収納装置1における各格納部5A,5B,5Cの各収納スライダ7A,7B,7Cに工具13をセット状態を保持して収納して、各収納スライダ7A,7B,7Cを格納するとき、各工具13の格納(収納)位置と各工具13の工具情報とが読取手段25,19によって読み取られ、かつ関連付けて収納情報メモリ33に格納されるので、収納情報メモリ33に対する工具情報や収納位置の格納を容易に行うことができる。また、必要とする工具13を取り出すときには、必要とする工具13の情報を、工具収納装置1における管理制御装置27へ入力すると、必要とする工具及び位置が検索されて表示手段11に表示されるので、必要とする工具13の取り出しを容易に行い得るものである。
ところで、前記説明においては、工具13としてパンチP、ダイD1,D2をセット状態として収納する場合について例示したが、一般的な工作機械に使用される切削工具等であっても実施可能である。
図4は第2の実施形態に係る工具収納装置を概念的、概略的に示すもので、前述した工具収納装置1と同一機能を奏する構成要素には、同一符号を付することとして重複した説明は省略する。
この工具収納装置1においては、収納ハウジング3の正面側に表示手段11を備えている。この表示手段11はタッチパネルからなるものである。したがって、表示部をタッチパネルによって構成した一般的な構成と同様に表示手段11には、各収納スライダ7A,7B,7Cの各工具収納部15(15A,15B,15C,…)に格納されている工具13の工具情報を表示することができる。また、各種操作に必要なソフトウェア・スイッチを表示することができる。そして、タッチパネルを表示手段とした一般的な構成と同様に表示されたソフトウェア・スイッチに相当する画面に触れると、上記スイッチの指示に相当する内容の情報を表示することができるものである。
また、前記工具収納装置1における上面は、各収納スライダ7A,7B,7Cに格納する工具13又は各収納スライダ7A,7B,7Cから取出した工具13を載置することのできるテーブル1Tに構成してある。さらに、前記工具収納装置1における収納ハウジング3において、前記格納部5A,5B,5C,5Dに対応した位置には、例えば発光ダイオード(LED)などのごとき発光手段37A,37B,37C,37Dが備えられている。したがって、前記検索手段35によって検索した工具13が収納されている収納スライダ7A,7B,7C,7Dに該当する発光手段37A,37B,37C,37Dを発光又は点滅することにより、引き出すべき収納スライダの位置を直ちに知ることができるものである。
前記収納スライダ7A,7B,7C,7Dには、第1の実施形態に示した収納スライダと同様に、複数の工具収納部15A,15B,…15N(図5参照)が収納スライダ7A〜7Dの出入方向(図5の矢印A方向)に複数設けてある。そして、上記各工具収納部15A,…15Nには、それぞれ工具13が出入れ自在に収納されている。上記工具13としては、1Cタグなどのごとき工具情報媒体17を備えたパンチP,ダイD1,D2が収納されている。
そして、前記各工具収納部15A〜15Nに対応した位置にはICタグなどからなる収納位置指示手段23A〜23Nがそれぞれ設けられている。上記収納位置指示手段23A〜23Nの位置情報を読み取るための収納位置読取手段25(図6参照)は、前記工具情報読取手段19と同様の構成であって、支持部材21に取付けてある。
前記工具収納部15A〜15NにパンチP,ダイD1,D2を収納したとき、パンチP,ダイD1,D2に取付けてある工具情報媒体17は図5,図6に示すように、常に上方に位置しているものであり、かつほぼ同一高さに位置している。そして、図6に示すように、各工具情報媒体17は、収納スライダ7A〜7Dの移動方向(図5の矢印A方向)に対して直交する方向の水平な直線上にほぼ一致してある。各工具収納部15A〜15Nに対応して設けた前記収納位置指示手段23A〜23NもそれぞれパンチP,ダイD1,D2の工具情報媒体17とほぼ同一高さに設けてあり、かつ直線上にほぼ一致するように設けてある。
したがって、各格納部5A〜5Dに対して各収納スライダ7A〜7Dを出入するとき、各収納部5A〜5Dの入口付近に備えた支持部材21に設けた工具情報読取手段19,収納位置読取手段25によって、対応した位置のパンチP,ダイD1,D2に備えたそれぞれの工具情報媒体17の情報読み取りと収納位置指示手段23A〜23Nの情報読み取りがほぼ同時的に行われるものである。
また、前記各収納スライダ7A〜7Dにおける各工具収納部15A〜15Nにおいて、工具13としてのパンチP,ダイD1,D2を収納する工具収納位置39,41,43に対応した位置には、それぞれ発光ダイオード(LED)などのごとき発光手段39L,41L,43Lが備えられている。したがって、前記検索手段35によって検索した工具13としてのパンチP,ダイD1,D2の該当する部分の発光手段39L,41L,43Lを点灯又は点滅することにより、検索したパンチP,ダイD1,D2を直ちに知ることができるものである。
この際、前記各格納部5A〜5Dに対応した前記発光手段37A〜37Dの発光によって引き出すべき収納スライダ7A〜7Dの位置を知ることができ、引き出した収納スライダ7A〜7Dにおいて各工具収納位置39,41,43に対応した発光手段39L,41L,43Lの発光によって取出すべき工具13すなわちパンチP,ダイD1,D2を知ることができるものである。この場合、発光手段37A〜37D及び発光手段39L,41L,43Lは検索工具位置の収納位置を表示する検索工具位置表示手段を構成するものである。
前記各収納部5A〜5Dに対して各収納スライダ7A〜7Dを出入れするときの押込み動作又は引出し操作の少なくとも一方の動作時,特に押込み動作時の収納スライダ7A〜7Dの移動速度を抑制するために、各収納スライダ7A〜7Dにはそれぞれダンバー装置(又はブレーキ装置)45が備えられている。より詳細には、前記各収納スライダ7A〜7Dの左右方向の一側には前後方向(図5において矢印A方向)に長いラック47が取付けてあり、収納ハウジング3の一部3Aに取付けたロータリーダンパー49の回転軸に備えたピニオン51が前記ラック47に噛合してある。
上記ロータリーダンパー49は、前記ピニオン51の回転速度がある設定速度以上になると抵抗が大きくなってピニオン51の回転速度が高速になることを抑制して、前記各収納スライダ7A〜7Dの移動速度を抑制する作用をなすものである。上記ロータリーダンパー49は、例えば、環状の流体圧回路に作動流体を還流する流体圧ポンプ等よりなるものであり、かつ上記流体圧回路に抵抗として絞り弁を備えた構成であって、ロータリーダンパー49の構成は、一般的に知られている構成であるから、ロータリーダンパー49の詳細については説明を省略する。
前記工具収納部15A〜15Nに工具13としてのパンチP,ダイD1,D2を収納したときに、パンチP,ダイD1,D2に備えた工具情報媒体17が常に上側に位置するように構成してある。すなわち、前記パンチP,ダイD1,D2の工具本体53(ダイD1,D2の場合はダイ本体,パンチPの場合にはパンチガイドがそれぞれ相当する)には、前記工具情報媒体17を取り付ける情報媒体取付部55(図7参照)が平面状に形成してあり、この情報媒体取付部55に前記工具情報媒体17が取付けてある。
そして、前記情報媒体取付部55と位相をほぼ90°異にする工具本体53の部位には、前記各工具収納位置39,41,43に備えた位置決めキーなどのごとき工具位置決め部材57(図5参照)と係合離脱自在な位置決め凹部59が形成してある。したがって、各工具収納部15A〜15Dの各工具収納位置39,41,43にそれぞれパンチP,ダイD1,D2を収納位置決めするとき、パンチP,ダイD1,D2に備えた位置決め凹部59を、各工具収納位置39,41,43に備えた前記工具位置決め部材57と係合すると、パンチP,ダイD1,D2の位置決めが行われると共に軸心回りの回動が規制されて、情報媒体取付部55が上側になるものである。
なお、前記情報媒体取付部55は、ダイD1,D2に備えた位置決めキー61(図7参照)の反対側(ほぼ180°位相が異なる位置)に設けてあり、前記位置決め凹部59は、前記情報媒体取付部55と位置決めキー61の間に形成してある。パンチPにおいては、工具本体(パンチガイド)53に備えたキー溝63(図5参照)の位置と前記情報媒体取付部55との位置関係は必ずしも反対側と限るものではなく、位相を異にしている。
上記構成による第2の実施形態に係る工具収納装置1においては、各収納スライダ7A〜7Dにおける各工具収納部15A〜15Nに工具13としてのパンチP,ダイD1,D2を収納すると、前述したように、工具位置決め部材57によってパンチP,ダイD1,D2の位置決めが行われると共に、パンチP,ダイD1,D2に備えた各工具情報媒体17は最上部に位置決めされるものである。すなわち、前記工具情報媒体17は上方に面しているものである。
そして、各収納スライダ7A〜7Dを各格納部5A〜5Dにそれぞれ押し入れるときに、各格納部5A〜5Dの入口付近に備えた工具情報読取手段19によって工具情報媒体17の情報が読み取られると共に収納位置表示手段23A〜23Nの情報が収納位置読取手段25によって読み取られて、各収納スライダ7A〜7Dの各工具収納部15A〜15Nの位置情報とパンチP,ダイD1,D2の工具情報とを関連付けて、各収納スライダ7A〜7Dに対応した収納情報メモリ33に格納されるものである。
そして、上記収納情報メモリ33に格納した情報を、各収納スライダ7A〜7Dと工具収納部15A〜15Nと収納されているパンチP,ダイD1,D2の形状,寸法を、図8に示すように表示手段11に表示することにより、収納したパンチP,ダイD1,D2を確認することができる。また、工具13としての収納されているパンチP,ダイD1,D2を図8に示すように表示手段11に表示することにより、収納されているパンチP,ダイD1,D2を確認することができるものである。
前述のごとく、各格納部5A〜5Dに対して各収納スライダ7A〜7Dを押し入れるとき、各収納スライダ7A〜7Dに備えたラック47を介してロータリーダンパー49が回転されて、各収納スライダ7A〜7Dの押し入れ速度が抑制される。したがって、各収納スライダ7A〜7Dは、各収納部5A〜5Dに対して比較的低速度で押し入れられることとなり、各収納部5A〜5Dの入口付近に備えた工具情報読取手段19によって、パンチP,ダイD1,D2に備えた工具情報媒体17に格納されている工具情報を確実に読み取ることができるものである。
ところで、この実施形態においては、入力手段29から必要とする工具13すなわちパンチP,ダイD1,D2の工具情報を情報省略処理手段31に入力し、前述したように検索手段35によって収納情報メモリ33を検索するときには、図8に示すように、収納情報メモリ33に格納されている工具情報が表示手段11に全て表示される。そして、該当するパンチP,ダイD1,D2の位置を示す部分の色が変更されるなど、適宜に表示を変えて格納位置が表示される。したがって、表示手段11の表示内容を見て検索したパンチP,ダイD1,D2を取り出すことができる。
また、検索手段35によって必要とするパンチP,ダイD1,D2が検索されると、検索したパンチP,ダイD1,D2が格納されている収納スライダ7A〜7Dに対応して設けられた発光手段37A〜37Dが発光又は点滅される。また、検索したパンチP,ダイD1,D2が収納されている各工具収納部15A〜15Nの工具収納位置39,41,43に対応してそれぞれ設けられた発光手段39L,41L,43Lが発光又は点滅される。
したがって、発光手段37A〜37Dの発光又は点滅している発光手段37A〜37Dに対応した収納スライダ7A〜7Dを引き出し、この引き出した収納スライダ7A〜7Dにおいて発光手段39L,41L,43Lが発光又は点滅している発光手段39L,41L,43Lに対応した位置の工具収納位置39,41,43に収納されているパンチP,ダイD1,D2を取り出すことにより、検索したパンチP,ダイD1,D2を取り出すことができるものである。よって必要なパンチP,ダイD1,D2を検索して取出すことが容易なものである。
本発明の実施形態に係る工具収納装置を概念的,概略的に示した斜視説明図である。 本発明の実施形態に係る工具収納装置における収納スライダと工具と読取手段との位置関係を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る管理制御装置の機能ブロック図である。 第2の実施形態に係る工具収納装置の斜視説明図である。 第2の実施形態に係る工具収納装置の収納スライダの平面説明図である。 第2の実施形態の収納スライダの正断面説明図である。 工具としてのパンチ,ダイの説明図である。 表示手段による表示例の説明図である。
符号の説明
1 工具収納装置
3 収納ハウジング
5A,5B,5C 格納部
7 収納スライダ
11 表示手段
13 工具
15 工具収納部
17 工具情報媒体
19 工具情報読取手段
23 収納位置指示手段
25 収納位置読取手段
27 管理制御装置
29 入力手段
31 情報処理手段
33 収納情報メモリ
35 検索手段

Claims (7)

  1. 工作機械で使用する複数の工具を収納するための工具収納装置であって、収納ハウジングに備えた複数の格納部に対して出入可能な複数の収納スライダを備え、前記各収納スライダの移動方向に設けた複数の工具収納位置に前記工具を収納した前記収納スライダを前記格納部に格納するときに、前記各工具に備えた工具情報媒体を読み取るための工具情報読取手段を、前記格納部の入口付近に備え、かつ前記各収納スライダの工具収納位置を示す収納位置指示手段を、前記各収納スライダにおける複数の工具収納位置に対応して前記各収納スライダに備えると共に、前記各格納部に前記各収納スライダを格納するときに前記各収納位置指示手段を読み取るための収納位置読取手段を前記各格納部の入口付近に備えていることを特徴とする工具収納装置。
  2. 請求項1に記載の工具収納装置において、前記工具情報読取手段は、セット状態を保持して収納された各工具に対応して備えられていることを特徴とする工具収納装置。
  3. 工作機械で使用する複数の工具を収納するための工具収納装置であって、収納ハウジングに備えた複数の格納部に対して出入可能な複数の収納スライダと、前記各収納スライダの移動方向に設けた複数の工具収納位置に収納された各工具に備えた工具情報媒体を前記各格納部の入口付近において読み取るための工具情報読取手段と、前記各収納スライダにおける複数の工具収納位置に対応して前記各収納スライダに備えた収納位置指示手段を前記各格納部の入口付近において読み取るための収納位置読取手段と、前記各収納スライダの各工具収納位置の位置情報と各工具収納位置に収納されている各工具の工具情報とを関連付けて収納情報メモリに格納するための情報処理手段と、前記収納情報メモリの内容を表示する表示手段とを備えていることを特徴とする工具収納装置。
  4. 請求項3に記載の工具収納装置において、工具情報を入力するための入力手段と、この入力手段により入力された工具情報に基づいて前記収納情報メモリを検索するための検索手段とを備えると共に、前記検索手段によって検索された工具情報に対応した工具収納位置を表示するための検索工具位置表示手段を備えていることを特徴とする工具収納装置。
  5. 請求項4に記載の工具収納装置において、前記検索工具位置表示手段は、各格納部に対応して収納ハウジングに備えられた発光手段及び各収納スライダにおける各工具収納位置に対応して各収納スライダに備えられた発光手段であることを特徴とする工具収納装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の工具収納装置において、前記収納スライダに収納された工具に備えられている工具情報媒体が常に上方を面するように、前記工具の軸心回りの回動を規制して位置決めを行うための工具位置決め部材を前記各収納スライダにおける各工具収納位置に備えていることを特徴とする工具収納装置。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の工具収納装置に収納自在な工具であって、前記工具はパンチプレスに使用されるパンチ又はダイであって、工具本体に、工具情報媒体を取付ける情報媒体取付部を備え、この情報媒体取付部と位相を異にする工具本体の部位に、各収納スライダにおける各工具収納位置に備えられた工具位置決め部材と係合自在な位置決め凹部を備えていることを特徴とする工具。
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