JP4879596B2 - 通孔を有する金属製部材の製造方法 - Google Patents

通孔を有する金属製部材の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、例えば中空管状の素材の軸方向中間部にハイドロフォーム工法により膨出部を形成した後、この膨出部の側壁部に通孔を形成する事により、この膨出部をコラムブラケットとする、ステアリングコラムの製造方法として利用できる。或いは、自動車用ボディーを構成する金属板をハイドロフォーム工法により加工した後、この金属板の一部に、ドアノブ、方向指示器等を装着する為の取付孔を形成する場合にも利用できる。
要するに、本発明の製造方法の対象となる金属製部材は、金属板製の部材を含み、上記通孔が形成されている部分が板状(平板状、曲板状を含む)である金属製部材を言う。平板状の金属板を加工して成る金属板製部材は勿論、電縫管、押し出し管等で、管壁部分に通孔を形成した金属管も含む。
自動車用操舵装置を構成するステアリングコラムのうち、チルト式ステアリング装置と呼ばれるステアリングホイールの高さ位置調節装置、或いはテレスコピックステアリング装置と呼ばれるステアリングホイールの前後位置調節装置に組み込まれるステアリングコラムの軸方向中間部には、コラムブラケットと呼ばれるブラケットを固定する必要がある。従来一般的には、この様なコラムブラケットを、ステアリングコラムと別体に形成したものを、後からこのステアリングコラムに溶接固定する様にしていた。これに対して特許文献1には、図15〜16に示す様に、ステアリングコラム1を構成する金属製の中空管の軸方向中間部を径方向外方に膨らませ、この膨らませた部分をコラムブラケット2とする構造が記載されている。この様な構造を採用する事により、部品点数が少なく、軽量で安価な自動車用操舵装置を実現できる。
上述の様なコラムブラケット2を一体に設けたステアリングコラム1を造る為には、ハイドロフォーム工法により、このステアリングコラム1を構成する(鋼板製或はアルミニウム合金製の)金属管3の内周面に液圧(例えば水圧)を加えて、この金属管3の一部を、図15〜16に示す様に、径方向外方に膨出(塑性変形)させる。尚、上記ハイドロフォーム工法により上記金属管3の軸方向中間部を膨出させるには、例えば後述する図19に示す様に、分割可能で、拡径して造るべき上記金属管3の外面形状に見合う内面形状を有する金型6内に、素材である中空部材11(金属管)をセットする。そして、この中空部材11の両端を、軸押し工具19a、19bにより塞ぎ、中空部材11内に例えば196MPa(2000kg/cm2)程度の、高圧の液圧を付加する。この液圧付加により、上記中空部材11の軸方向中間部を径方向外方に、金型6のキャビティの内面に密着するまで拡径して、この中空部材11の軸方向中間部に膨出部7を形成する。この際、この膨出部7が薄肉になるのを防止する為に、上記中空部材11を上記両軸押し工具19a、19bにより軸方向に圧縮し、上記膨出部7への材料供給を促す。
尚、上述の様に膨出させた部分を、更に図18の(A)→(B)に示す様に、更に膨出させる場合もある。この様にして、上記ステアリングコラム1の一部に形成した上記コラムブラケット2には、例えばチルトボルト4を挿通する為の通孔5、5を形成する必要がある。又、これら各通孔5、5は、上記金属管3の一部を塑性変形させて上記コラムブラケット2を形成した後に形成する必要がある。更に、テレスコピックステアリング装置を構成する場合には、上記各通孔5、5を、上記ステアリングコラム1の軸方向に長い長孔とする必要がある。
上述の様な、中空部材のうちでハイドロフォーム工法により膨らませた部分に通孔を形成する為の技術として従来から、特許文献2〜3、非特許文献1に記載されている様なハイドロピアシング等が知られている。このうちの非特許文献1に記載された従来技術の3例に就いて、図19により説明する。
先ず、この図19の左端部に示した第1例の場合には、金型6内に設置した素材をハイドロフォーム工法により膨らませて膨出部7を形成する工程が完了した後、この膨出部7の内側に液圧を付与したまま、上記金型6の一部で通孔5を形成すべき部分に整合する位置に設けたシリンダ孔8に嵌装した、先端面が上記膨出部7の外面に合致する形状とされたパンチ9を、上記膨出部7に向け押し付ける。そして、このパンチ9によりこの膨出部7の一部を打ち抜いて、上記通孔5とする。このパンチ9によりこの膨出部7の一部を打ち抜く事で生じた打ち抜き片10は、この膨出部7を備えた中空部材11の内部に残留する。
次に、図19の中央部に示した第2例の場合には、金型6内に設置した素材をハイドロフォーム工法により膨らませて膨出部7を形成する工程が完了した後、この膨出部7の内側に液圧を付与したまま、上記金型6の一部で通孔5aを形成すべき部分に整合する位置に設けたシリンダ孔8aに嵌装した、先端面が一方向に傾斜したパンチ9aを、上記膨出部7に向け押し付ける。そして、このパンチ9aによりこの膨出部7の一部を突き破って、上記通孔5aとする。この通孔5aを形成する為に上記膨出部7の側壁を破る為の剪断乃至破断は、この通孔5aの片側から開始されて他側に向け漸次進行するので、上記通孔5aの加工に伴って生じる打ち抜き片10aは、この通孔5aの加工完了後も、上記膨出部7の側壁に繋がったままの状態で残る。
更に、図19の右端部に示した第3例の場合には、金型6内に設置した素材をハイドロフォーム工法により膨らませて膨出部7を形成する工程が完了した後、この膨出部7の内側に液圧を付与したまま、上記金型6の一部で通孔5bを形成すべき部分に整合する位置に設けた抜き孔12に嵌装したスライド工具13を、上記膨出部7から遠ざける方向に移動させる。この結果、それまで当接していた、これらスライド工具13の先端面と膨出部7の外面とが離れる。この膨出部7の内面には、上記液圧が加わり続けている為、この膨出部7の側壁の一部で上記抜き孔12に整合する部分は、バックアップを失う事に伴ってこの抜き孔12内に強く押されて剪断乃至破断し、上記通孔5bが形成される。この結果生じた打ち抜き片10bは、上記抜き孔12内に捕集されるので、次の加工前に、上記スライド工具13を前進させる等により取り除く。
上述の様な、非特許文献1に記載された3通りの従来技術のうち、図19の左端部に示した第1例によると、通孔5を形成するのに伴って生じた打ち抜き片10が中空部材11の内部に残留する。この為、上記通孔5を形成した後、この打ち抜き片10をこの中空部材11から取り出す必要がある。ところが、この打ち抜き片10の大きさに比べてこの中空部材11の端部開口が狭かったり、或は、この中空部材11が複雑な形状を有する等の場合には、この中空部材11の内部から上記打ち抜き片10を取り出す事が不可能若しくは困難になる可能性がある。又、上記第1例の場合には、上記通孔5を形成すべく、上記膨出部7の外周面を前記パンチ9により強く押圧するのに伴って、この膨出部7のうちで上記通孔5の周囲部分が、上記中空部材11の径方向内方に変形する(だれる)。この為、加工完了後に於ける、この周囲部分の形状精度及び寸法精度を確保する事が難しくなる。
次に、図19の中央部に示した第2例によると、加工後の通孔5aの形状及び寸法を、所望通り正確に規制する事が難しい。特に、打ち抜き片10aの基端部が繋がった状態となる、膨出部7の側壁の一部で上記通孔5aの一端部(図19の左端部)は、この側壁の一部が曲げ変形された状態のまま残る為、曲げ変形の分だけこの側壁がだれて変形する。これに対して、上記通孔5aの中間部乃至他端部(図19の右端部)では、上記側壁が前記パンチ9aにより径方向内方に強く押される事で上記膨出部7の内方に変形する。この結果、何れの部分でも、上記通孔5aの形状及び寸法に関する精度を確保する事が難しい。又、打ち抜き片10aが、膨出部7の内面から径方向内方に突出した状態で残る為、中空部材11の用途によっては、上記打ち抜き片10aが邪魔になる可能性もある。
これらの事を考慮した場合には、図19の右端部に示した第3例により、中空部材11の膨出部7に通孔5bを形成する事が好ましい。この様な事情を考慮して、前述の図15に示す様な、コラムブラケット2を一体に設けたステアリングコラム1を造る為に先に考えた方法に就いて、図20〜23により説明する。この先に考えた方法では、先ず、図20に示す様に、素材であり、板厚がT1 である金属管3を、金型6a内の所定位置に配置する。この金型6aは、図21に示す様に、1対の金型素子15、15を最中状に突き合わせて成るもので、その内部には、上記金属管3の両端部及び中間部のうちの周方向片半部をほぼ隙間なく内嵌できる円孔部16と、この円孔部16の中間部から径方向外方に突出した凹部17とを備える。この凹部17の内面形状は、形成すべき上記膨出部7の外面形状と一致する。又、上記両金型素子15、15の一部で、上記円孔部16の中心軸よりも上記凹部17に向けこの円孔部16の径方向外方にずれた、互いに整合する位置に、それぞれ抜き孔12a、12aを設けている。そして、これら各抜き孔12a、12a内にスライド工具13a、13aを、それぞれ上記凹部17に対する進退を可能として、密に内嵌している。
上記コラムブラケット2を一体に設けたステアリングコラム1を造る場合には、先ず、図20〜21に示す様に、上記両金型素子15、15により上記金属管3を挟持する様にして、この金属管3を上記円孔部16に内嵌する。この状態で、この金属管3の中間部の円周方向片半部が、上記凹部17に対向する。次いで、この金属管3の軸方向両端縁を軸押し工具19、19により互いに近づく方向に押圧しつつ、この金属管3の内側に液圧(一般的には水圧)を導入する。この液圧の導入は、例えば、一方又は双方の軸押し工具19、19の中心孔18、18を通じて行なう。又、この様にして行なう、上記液圧導入の初期段階では、上記両スライド工具13a、13aの先端面20、20と、上記凹部17の内面とを一致させておく。
この様にして上記金属管3の内部に液圧を導入し、且つ、上記両軸押し工具19、19を互いに近づく方向に移動させると、上記金属管3の軸方向中間部の円周方向片半部が、上記凹部17に向けて膨出する。即ち、この金属管3の内周面に径方向外方に向いた強い力を加えつつ、この金属管3を軸方向に圧縮する力を付与する事で、この金属管3が、図22〜23に示す様に、前記金型6aの内面形状に沿った形状、即ち、中間部の円周方向片半部に径方向外方に突出した膨出部7aを有する形状に加工される。
この様に膨出部7aが形成された状態から、上記両スライド工具13a、13aを、形成された直後のこの膨出部7aの側壁14、14から退避させれば、これら両側壁14、14の一部で上記両抜き孔12a、12aに整合する部分が、上記膨出部7aの内側に存在する液圧に押されてこれら両抜き孔12a、12a内に押し込まれ、当該部分に通孔5c、5cが形成される。
上述の様に、上記金属管3の一部にハイドロフォーム工法により膨出部7aを形成する技術と、前述の図19の右端部に示した従来技術の第3例とを組み合わせれば、上記膨出部7aの一部に通孔5c、5cを効率良く形成できる可能性があるものと考えられる。ところが、上記両技術を単に組み合わせただけでは、上記通孔5c、5cを必ずしも安定して形成できない事が、本発明者の研究により分かった。この原因に就いて、図22〜23に図24〜25を加えて説明する。
上記金属管3の一部にハイドロフォーム工法により膨出部7aを形成した場合、この膨出部7aに対応する部分で、上記金属管3を構成する金属板が面方向に引き伸ばされるので、この金属管3を軸方向に圧縮してこの膨出部7aに材料の供給を促しているとは言え、上記金属板が、元々の板厚T1 (図20参照)よりも小さくなる。そして、この様に板厚が小さくなる程度は、上記膨出部7aのうちでも差を生じる。具体的には、この膨出部7aの基部(図22〜23の下部)から離れる程材料の供給量が減少する為、この基部寄り部分では板厚が小さくなる程度が低く、先端部(図22〜23の上部)に向かう程板厚が小さくなる程度が著しくなる。更に、この先端部のうちでも、曲率が大きくなった(曲率半径が小さくなった)、図23の左右両隅角部及びその近傍は、板厚が小さくなる程度が著しくなる。
そして、前記両側壁14、14のうちで上記両通孔5c、5cを形成すべき部分の板厚は、これら両通孔5c、5cの幅方向(図22〜25の上下方向)に関して不均一な(漸次変化する)状態となる。具体的には、上記両側壁14、14のうちで上記両通孔5c、5cを形成すべき部分の断面形状がくさび形となる。そして、これら両通孔5c、5cの幅方向両端縁部分での上記両側壁14、14の板厚T2 、T3 (図24参照)が、上記膨出部7aの基端寄りで大きく、同じく先端寄りで小さく(T2 >T3 )なる。
上記膨出部7aを形成する際には、上記金属管3の内部に導入する液圧の昇圧パターンと、前記軸押し工具19、19を前進させるパターン(軸押しパターン)とを適切に設定する。即ち、軸押し量の増加に対して液圧の上昇が速い場合には、膨出部の減肉が著しくなり、割れが発生する可能性が高くなる。反対に、液圧の上昇に対して軸押し量の増加が先行した場合には、材料の座屈が発生し易くなる。一般的には、座屈が発生しない範囲で軸押しを先行し、最終的な軸押し量を多く設定した方が、上記両端縁部分での板厚T2 、T3 の差を小さくし、且つ、元々の板厚T1 との差も小さくできる。図19の右端部に示した、外抜きのハイドロピアシングとして、前記非特許文献1に記載された、通常の加工方法を採用する場合、上記各部の板厚T1 、T2 、T3 のうち、上記両端縁部分の板厚T2 、T3 の差が、板厚が大きい側から見て、5%以内、更に好ましくは3%以内である事が、上記両通孔5c、5cを形成する面からは好ましい。但し、製品形状の非対称性が著しい場合には、軸押しパターンや液圧の昇圧パターンを調整しても、板厚の不均一を十分に解消する事ができず、特に、図20〜23に示す様に、金属管3の片側にのみ膨出部7aを形成する場合には、上述の様に、通孔5c、5cを形成すべき側壁14、14の板厚が不均一な状態となる。言い換えれば、上記両端縁部分の板厚T2 、T3 の差が、板厚が大きい側から見て、3%、更には5%を越える様な場合も生じる。
この様に、通孔5c、5cを形成すべき側壁14、14の板厚が不均一となるにも拘らず、図21、23〜25に示す様に、先端面20、20がこれら両側壁14、14と平行な平坦面であるスライド工具13a、13aを使用した場合、上記通孔5c、5cを安定して形成する事が難しい。即ち、その先端面20、20が上述の様な単純な形状であるスライド工具13a、13aを使用した場合、通孔の形状が、楕円形や長円形等、複雑であったり、単純な円孔であっても、開口面積が大きい通孔を加工する場合には、打ち抜き片が通孔となるべき部分から完全に抜けきらず、この打ち抜き片が素材と部分的に繋がれた状態のままになり易い。特に、上記側壁14、14に上記通孔5c、5cを形成する場合の様に、板厚が不均一な部分に通孔を形成する場合には、上述の様な問題を生じ易い。
即ち、上記両端縁部分の板厚T2 、T3 に5%を越える様な差が存在するにも拘らず、上述の様に先端面20が平坦なスライド工具13aにより上記通孔5cを形成しようとした場合、このスライド工具13aが後退し始めるのとほぼ同時に、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向する部分が、この抜き孔12a内に向けて変形(剪断)し始める。そして、上記スライド工具13aが或る程度後退した時点で、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向する部分のうちで板厚T3 が小さい部分が、同じく板厚T2 が大きい部分に先立って破断する。この結果、図25に示す様に、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向する部分のうちの板厚T2 が大きい部分が上記側壁14と繋がった状態のまま、抜き取るべき部分の両側に、同じ液圧が存在する状態となる。即ち、金属管3の内部の液圧が破断個所から抜けてしまう。この結果、それ以上いくら上記スライド工具13aを後退させても、上記板厚T2 が大きく上記側壁14と繋がった部分の剪断は進行せず、上記通孔5cを形成できなくなってしまう。この様に、抜き取るべき部分の一部が側壁14と繋がったままの状態となる現象は、通孔を形成すべき部分の肉厚の差が大きい程、又、この通孔の形状が丸孔の場合よりも長孔と言った様に、形状が複雑化する程、著しくなる。
尚、前述の図19に示した様な、従来から知られているハイドロピアシングの場合には、膨出部7が中空部材11の中心軸に関して対称(或いはほぼ対称)な形状であり、通孔を形成すべき部分の管壁の肉厚が全周でほぼ均一である為、抜き取るべき部分を径方向外側に取り出す、所謂外抜きの場合も、通孔を形成できる。但し、前記ステアリングコラム1のコラムブラケット2の場合には、通孔を形成すべき部分の管壁の肉厚を均一にする事が難しい事は、前述した通りである。又、図19の左部及び中央部に記載した孔あけ方法の場合には、通孔を形成すべき部分の肉厚が不均一であっても、この通孔の形成自体は可能であるが、前述した様な問題がある。
尚、前記特許文献2、3に記載された方法は、全体の工程が複雑で、コストが嵩む事が避けられない。従って、図20〜23に示した様な、膨出部7aの加工と通孔5c、5cの形成作業とを連続して能率良く行なう事で、コスト低減を図れる工法の代わりにはならない。
特開平8−276852号公報 特開平6−292929号公報 特開2001−314926号公報 Frank-Ulrich LEITLOFF/Steffen GEISWEID著、「自動車産業におけるチューブハイドロフォーミング技術の適用」、Journal of the JSTP vol.39 no.453(1998-10)
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、金属製で、少なくとも一部が板状とされた部材の一部で、この板状とされた部分の板厚に差がある肉厚不均一部分に通孔を形成する作業を、安定してしかも低コストで行なえる製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となる通孔を有する金属製部材は、金属製で、少なくとも一部が板状とされた部材の一部で、この板状とされた部分の厚さに差がある肉厚不均一部分に通孔を、この部分を貫通する状態で設けている。
この通孔は、上記肉厚不均一部分の片面を金型に当接させた状態でこの肉厚不均一部分の他面に液圧を加えつつ、この肉厚不均一部分の一部で上記金型に設けた抜き孔に対応する部分をこの抜き孔に押し込む、ハイドロピアシングにより形成されたものである。
このハイドロピアシングは、形成すべき上記通孔の周縁全体で剪断現象を同時に終了させる事で行なう。
この為に、請求項1に記載した発明の場合には、金型の抜き孔に挿入されるスライド工具として、剪断加工を施される材料の肉厚分布に応じて、先端面が、肉厚の小さい側で金型の内側方向へ突出し、肉厚の大きい側で金型の外側方向へ窪んだ形状を有するスライド工具を使用する。そして、請求項4に記載した発明の様に、上記金型の内面を上記肉厚不均一部分の片面に突き当てた状態でこの肉厚不均一部分の他面に液圧を加えつつ、上記スライド工具をこの肉厚不均一部分から退避する方向に変位させて、この肉厚不均一部分の一部で上記抜き孔に対応する部分を、上記液圧によりこの抜き孔に押し込む。
或いは、請求項2に記載した発明の様に、金型の抜き孔の周縁部である刃先部分の断面形状の曲率半径が、この刃先部分が剪断加工を施される材料の肉厚分布に応じて、肉厚の大きい側で小さく、肉厚の小さい側で大きく形成された金型を使用する。
更に、請求項3に記載した発明の様に、上述した請求項1に記載した発明と請求項2に記載した発明とを同時に実施する事もできる。
何れの場合でも、上記肉厚不均一部分のうちで上記抜き孔の周縁全体に対応する部分に剪断応力を発生させ、この部分に剪断現象を発生させ、更にこの剪断現象を同時に破断に結び付けて、上記抜き孔に整合する部分に上記通孔を形成する。
この点に就いて、図1を参照しつつ説明する。この図1の(A)〜(C)は、ハイドロピアシングによる剪断加工で、金属製部材の一部で板状の部分(以下、「金属板25」とする)の一部に通孔を形成する状態を段階的に示す断面図である。前述した、所謂外抜きのハイドロピアシングは、基本的には、金型6に設けられた抜き孔12の周縁部である刃先部分による剪断加工であり、この剪断加工をより詳細に見ると、次の通りである。先ず、図1の(A)に示す様に、金型6の抜き孔12からスライド工具13を外側へ移動させ始めた段階で、スライド工具13の退避によって生じた凹部に金属板25の一部が進入し、この部分が凸状に塑性変形する。
この塑性変形が発生した後も、上記スライド工具13の移動(退避)を継続すると、図1の(B)に示す様に、上記抜き孔12の周縁部に設けた刃先部分26により、上記金属板25の一部片面(外面、図1の右面)側で、剪断面27が形成され始める。そして、この剪断面27の加工が或る程度進行した段階で、図1の(C)に示す様に、この剪断面27から発生したクラック28(亀裂)が、上記金属板25の他面(図1の左面)側にまで貫通し、切れ残っていたこの金属板25が瞬時に破断し、剪断加工が終了する。この結果生じた打ち抜き片10は、この金属板25の片面側へ排出される。この金属板25の外面、即ち、製品の表面には、図1の(C)に示す様に、だれ等の不具合部分が発生しない。
外抜きのハイドロピアシングによる剪断加工は、上述した様に、塑性変形と剪断加工と破断とが複合したものとなるが、本発明の場合には、このうちの剪断加工開始のタイミングを肉厚分布に応じて調整する事で、この板厚分布に拘らず、上記外抜きのハイドロピアシングによる通孔の形成を可能にしている。尚、本件の特許請求の範囲及び明細書では、上記図1の(B)に示した剪断面27の形成が始まる時点を「剪断加工開始のタイミング」とし、同じく(C)に示したクラック28が金属板25の厚さ方向に貫通して破断が終了し、材料が完全に分離する時点を「破断に至るクラック発生のタイミング」(剪断現象終了のタイミング)とする。
上述の様な本発明に対して、上記金属板25のうちの肉厚不均一部分に通孔を形成すべく、この部分に、前述の図19の右端部に示した様な外抜きのハイドロピアシングを、特に工夫する事なく施すと、形成すべき通孔の周囲のうちの最も肉厚が薄い部分で先に剪断現象が終了し、この部分でクラック28が上記金属板25の厚さ方向に貫通する。この局部的な剪断現象終了により、前述の図25により説明した通り、圧抜けが起こり、以後の剪断加工が進まなくなって、この図25に示す様な切れ残りが生じる。この為従来は、前述した通り、肉厚不均一部分に通孔を形成する為に、外抜きのハイドロピアシングを適用できなかった。これに対して本発明の場合には、肉厚不均一部分であっても、その肉厚分布に応じて剪断加工開始のタイミングを変えるので、肉厚が小さい部分の剪断現象が部分的に破断にまで先行し、この肉厚が小さい部分の剪断現象が肉厚が大きい部分よりも明らかに先に終了する事態を回避できる。具体的には、肉厚が小さい部分に比べて肉厚が大きい部分で、例えば剪断加工開始のタイミングを早くして、肉厚が小さい部分と大きい部分とで、剪断加工が終了して破断に至るクラック発生のタイミングを揃える(最後の破断を通孔の全周で同時に発生させる)。即ち、形成すべき通孔の全周で、剪断現象終了のタイミングを揃えて、切れ残りのない完全な外抜きハイドロピアシングを可能にする。
上述の様な本発明を実施するのに好都合な事は、必ずしも、肉厚分布に応じて剪断加工開始のタイミングを、厳密に管理する必要はない点である。即ち、上記通孔を形成する際に、上記通孔の周縁部に対応する部分で生じる剪断現象の最後は、クラックの貫通による破断であり、この破断は、通孔の周縁部に或る程度剪断現象が進行していれば、この周縁部に沿って伝播する。従って、剪断代の残量が或る程度の精度で揃う(一部でクラックが発生する瞬間に、残部で剪断が或る程度以上進行している)様に、上記剪断現象の進行のタイミングを調整すれば、剪断現象終了(クラック発生)のタイミングは、実用上揃う事になる。即ち、破断が上記通孔の周縁部で、全周に亙り同時に起こる程度に、上記剪断加工開始のタイミングの調整を行なえば足りる。しかも、このタイミングの調整は、例えばスライド工具の先端面の形状を変更する事により、比較的簡単に行なえる為、上記剪断加工開始のタイミングの調整は、上記クラック発生のタイミングを揃える面から、極めて現実的な対策である。
又、仮に剪断加工開始のタイミングが全周で同時であっても、形成すべき通孔の周縁で、破断に至るクラック発生のタイミングを肉厚分布に応じて調整し、肉厚の大きい部分で同じく小さい部分よりも早くクラックによる破断を発生させれば、全周に亙って同時に破断を終了させる事が可能となる。即ち、破断に至るクラック発生のタイミングを、金属板の肉厚分布に応じて調整する事によっても、形成すべき通孔の周縁の全周で、剪断現象終了のタイミングを揃える事ができて、外抜きのハイドロピアシングが可能になる。この対策は、例えば金型側の工夫、具体的には、請求項2に記載した発明の様に、金型の抜き孔の周縁部である刃先部分の断面形状の曲率半径を変える事により可能である。即ち、この刃先部分の断面形状の曲率半径が、剪断加工を施される材料の肉厚分布に応じて、肉厚の大きい側で小さく、肉厚の小さい側で大きく形成された金型を使用し、この肉厚の小さい側で、クラックによる破断の発生を遅らせる。この様にすれば、剪断加工開始のタイミングの調整を行なわなくても、剪断現象終了(クラック発生)のタイミングを揃える事ができる。尚、前述の請求項1に記載した発明の様に、スライド工具の先端部の形状の工夫と、上述した刃先部分の曲率半径の工夫とを組み合わせて、剪断現象終了のタイミングを揃える事も可能である。
尚、前者のスライド工具の先端部形状の工夫により上記破断を全周同時に発生させる技術は、剪断加工開始のタイミングの調整と、クラック発生のタイミングの調整との両方が組み合わさって、剪断現象終了のタイミングを揃える。これに対して、後者の刃先部分の曲率半径の工夫により上記破断を全周同時に発生させる技術は、主に破断に至るクラック発生のタイミングの調整により、剪断現象終了のタイミングを揃える。従って、形成すべき通孔の周縁部の全長に亙って剪断現象を同時に終了させるのに必要なタイミング差を得られる様に、材料の肉厚分布に応じて工具設計を行なう。例えば、肉厚の薄い部分で剪断開始のタイミングを遅くすべく、この部分に加工の初期段階で、剪断面に対し垂直方向の圧縮応力が付与される様にしたり、抜き孔の端縁部(刃先部分)の曲率半径を大きくする。一方、肉厚の厚い部分で剪断開始のタイミングを早くすべく、剪断開始そのものを早くしたり、この部分に加工の初期段階で引っ張り応力が付与される様にする。
本発明の製造方法の対象となる、通孔を有する金属製部材は、ハイドロフォーム工法(ハイドロフォーミング)と組み合わせる事が適切である事から、一般的には閉鎖断面を有する管状部材であるが、板状部材であっても良く、その形状は特に限定しない。管状部材の場合には、電縫管、シームレス管(押し出し成形管を含む)の何れでも良い。又、板状部材のうちで通孔を形成すべき部分は、平坦部に限らず、湾曲部であっても良い。例えば、車のボディー等の平板乃至は湾曲板にも、ハイドロフォーミング並びにハイドロピアシングを適用できる。この様な場合には、平板乃至は湾曲板を成形した後、そのまま続いて通孔を形成できるので、加工工程の簡略化を図れる。代表的な通孔を有する金属製部材は、例えば一体型コラムブラケットをもつステアリングコラム用アウターチューブであり、その一体型コラムブラケットは、例えばハイドロフォーミングにより形成する。又、通孔を有する金属製部材に於ける肉厚不均一部分は、肉厚に差がある部分を言うが、その肉厚が連続的に変化する場合だけでなく、段階的に変化したり、連続的且つ段階的に変化する(連続的に変化する部分と段階的に変化する部分とが混在する)ものも含む。
金属製部材のうちで通孔を形成すべき部分(肉厚不均一部分)での肉厚の変化率(最小肉厚と最大肉厚との差)は、特に問わない。変化率の大小に関係なく、本発明は有効である。但し、肉厚の変化率が大きくなる程、一般的な外抜きのハイドロピアシングによっては通孔形成が困難になる事を考慮すると、肉厚の変化率が大きい程、本発明の有効性は大きくなる。即ち、3%以上の場合に本発明を実施する事が有効であり、5%以上の場合には更に有効である。
上記肉厚不均一部分は、様々な要因で形成される。前述した様なハイドロフォーミングによる膨出部の形成で生じるだけでなく、絞り加工、曲げ加工等の他の塑性加工でも生じる。更には、塑性加工以外でも生じる場合があるので、本発明の技術的範囲を画定する場合に、上記肉厚不均一部分が生じる要因は限定しない。同様に肉厚不均一部分の形状も、前述した通り、特に限定しない。例えば管を曲げ加工した場合、曲げの外周側が減肉し、曲げの内周側が増肉して肉厚差が発生する。この曲げ加工を施した素材にハイドロフォーミング加工を施し、平坦部を形成した場合にも、結果的に肉厚差が発生する。この様な原因で肉厚に差が生じた平坦面乃至湾曲面に通孔を形成する場合にも、本発明は有効である。更に、金属の種類も特に問わない。鋼等の鉄系合金、アルミニウム系合金、銅系合金等の非鉄合金は勿論、他の各種金属、合金であっても良い。
上述の様に構成する本発明の通孔を有する金属製部材の製造方法によれば、金属製で、少なくとも一部が板状とされた部材の一部で、この板状とされた部分の厚さに差がある肉厚不均一部分に通孔を形成する作業を、安定してしかも低コストで行なえる。
即ち、スライド工具の先端面の形状、或いは金型のうちで抜き孔の周縁部の形状を工夫する事で、上記板状とされた部材の一部の板厚が不均一である場合にも、抜き孔の両側縁同士の間で、この板厚の差を解消乃至は低減する事ができる。この為、上記スライド工具を上記肉厚不均一部分から退避させるのに伴って、この肉厚不均一部分のうちで上記抜き孔に対向する部分を、この抜き孔の全周に亙り裂断して、上記通孔を確実に形成できる。
本発明のうちの請求項1に記載した発明を実施する場合に、例えば、請求項5に記載した発明の様に、スライド工具の先端面のうちで最も突出した部分を金型の内面と一致する部分に位置させる。そして、この先端面を肉厚不均一部分の片面に、この肉厚不均一部分のうちで板厚が小さい側で当接させ、同じく大きい側で隙間を介して対向させる。この状態から上記スライド工具を、抜き孔の内側で上記肉厚不均一部分から退避させる方向に変位させる事により、通孔を形成する。
この様に構成した場合には、上記スライド工具を退避させる以前の状態(スライド工具の先端面のうちで最も突出した部分を金型の内面と一致する部分に位置させた状態)で、上記肉厚不均一部分の一部で上記隙間に対向する部分、即ち、上記板厚が大きい側の部分が、この隙間内に少し押し込まれる。この結果、この板厚が大きい側の部分のうちで上記抜き孔の開口部一端縁に当接する部分で、他の部分よりも先に剪断加工が開始される。同時に、この部分の板厚が少し減少し、この部分の板厚と、上記板厚が小さい側部分のうちで上記抜き孔の開口部他端縁に対向する部分の板厚との差が、低減若しくは解消する。そこで、この状態から上記スライド工具を退避させれば、上記他の部分でも剪断加工が開始される。そして、上記肉厚不均一部分のうちで上記抜き孔に対向する部分が、この抜き孔の開口部周縁の全周に亙り破断してこの抜き孔内に押し込まれ、上記通孔が形成される。
或は、請求項6に記載した発明の様に、スライド工具の先端面のうちで最も突出した部分を金型の内面から突出させ、最も突出していない部分をこの内面と一致若しくはこの内面よりも凹んだ部分に位置させる。上記スライド工具の先端部をこの様な位置に配置した状態で、肉厚不均一部分の片面で上記スライド工具が対向している面と反対側の面に液圧を作用させて、この肉厚不均一部分をこのスライド工具の先端部に倣って屈曲させる。この状態でこのスライド工具の先端面が、この様に屈曲した上記肉厚不均一部分の片面に当接した状態となるので、この状態から、上記スライド工具を抜き孔の内側で上記肉厚不均一部分から退避させる方向に変位させる事で通孔を形成する。
この様に構成した場合には、上記肉厚不均一部分の片面に液圧を作用させる事で、この肉厚不均一部分の一部で通孔を形成すべき部分の両端縁に対応する部分のうち、板厚が小さくなった側の部分が、上記スライド工具を後退させて上記通孔を形成する際に変形する方向と逆方向に、比較的大きく変形する。これに対して、板厚が比較的大きい側の部分は、上記通孔を形成する際に変形する方向と逆方向には変形しないか、仮に変形した場合でもその変形量は僅少に留る。
肉厚不均一部分の一部で通孔を形成すべき部分のうちの両端縁に対応する部分の板厚に応じて、これら両部分の形状が上述の様になった状態から、上記スライド工具を抜き孔内で上記肉厚不均一部分から退避させると、この肉厚不均一部分のうちでこの抜き孔に整合する部分がこの抜き孔内に押し込まれる。この際、上記板厚が比較的大きい部分は、直ちにこの抜き孔内に押し込まれ始めて剪断加工が開始されるのに対して、上記板厚が小さくなった部分は、一度他の部分と平行になるまで変形してから、上記抜き孔内に押し込まれる。そして、上記板厚が小さくなった部分が一度他の部分と平行になるまで変形し、更に上記抜き孔内に押し込まれる過程で、この部分に圧縮応力が付加されて、この部分が破断しにくい(破断のタイミングが遅れる)状態となる。又、この部分の板厚が少し増大する。
この為、上記板厚が比較的大きい部分での剪断加工開始から破断に至るタイミングと、上記板厚が小さくなった部分での剪断加工開始から破断に至るタイミングとの間に、大きな差がなくなる。この結果、上記肉厚不均一部分のうちで上記抜き孔に対向する部分が、この抜き孔の周縁部の全周に亙って同時に破断しつつこの抜き孔内に押し込まれ、上記通孔が形成される。
本発明を実施する場合に、例えば請求項7に記載した発明の様に、肉厚不均一部分の一部で板厚が漸次変化している部分を、ハイドロフォーム工法により素材の一部を膨らませて成る膨出部の側壁とする。
この場合に、例えば請求項8に記載した発明の様に、金属製部材を、中空管の一部をハイドロフォーム工法により径方向外方に膨らませ、この膨らませて成る膨出部の側壁部に通孔を形成したステアリングコラムとする。そして、この膨出部の加工作業に続いてこの通孔の形成作業を行なう。
この様な形態で本発明を実施すれば、膨出部の形成と通孔の形成とを、素材を移し替える事なく連続して行なう事ができて、工程の簡素化による製造コストの低減を図れる。
又、この場合に例えば、請求項9に記載した様に、中空管の中心軸を含み、膨出部が膨出している方向と直角方向に拡がる仮想平面を考えた場合に、通孔全体を、この仮想平面から上記膨出している方向に外れた位置に形成する。
膨出部を構成する側壁部のうちで、この様な位置に存在する部分の板厚は漸次変化している。この為、この様な側壁部に本発明により通孔を形成する事は有効である。
図2〜5は、請求項1、4、5、7〜9に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例の特徴は、前述の図20〜23に示した様なハイドロフォーム工法により金属管3の一部を径方向外方に塑性変形させて、前述の図15〜16に示す様な膨出部7aを形成した後、この膨出部7aの側壁14に通孔5cを形成する工程を工夫する事により、この通孔5cを確実に形成できる様にする点にある。上記膨出部7aを形成する点に関しては、前述した通りであるから、重複する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本実施例の特徴部分を中心に説明する。
本実施例の場合も、金型6aを構成する金型素子15の一部で、上記側壁14のうちの上記通孔5cを形成すべき部分に、この通孔5cに見合う(実質的に合致する)形状(例えば長円形)を有する抜き孔12aを設けている。そして、この抜き孔12a内に、上記通孔5cを形成する為のスライド工具13bを、密に、且つ、上記側壁14に対する進退を可能に嵌装している。本実施例に使用する、上記スライド工具13bの先端面20aは、上記抜き孔12a(或は通孔5c)の幅方向(図2〜5の上下方向)の片端部(図2〜5の上端部)を、上記金型素子15の内面と平行な平坦面21とし、中間部乃至他端部(図2〜5の下端部)を、この平坦面21から離れるに従って上記側壁14から離れる方向に傾斜した傾斜面22としている。上記金属管3の一部に上記膨出部7aを形成する為のハイドロフォーム工程時には、上記スライド工具13bを上記抜き孔12a内で前進させ、上記平坦面21を上記金型素子15の内面と同一平面上に位置させておく。従って、上記スライド工具13bの先端面20aのうちで上記傾斜面22に対応する部分は、上記金型素子15の内面よりも凹んだ状態となる。
上記スライド工具13bを、上述の様に前進させた状態で、上記金属管3の内部に液圧を導入すると共に、この金属管3を軸方向に圧縮する方向の力を加えつつ、上記膨出部7aを形成する。この場合に、この膨出部7aの側壁14の板厚が、図2〜5の上方程小さくなる事は、前述した通りである。本実施例の場合、上記膨出部7aの加工に伴って、この膨出部7aの側壁14の一部で、上記傾斜面22に対向する部分が、図2に示す様に、これら側壁14と傾斜面22との間に存在する隙間23内に少し入り込む。そして、この様に隙間23内に入り込んだ部分に、剪断面に対し垂直方向の引っ張り応力が加わると共に、上記側壁14の一部で上記抜き孔12aの周縁部に存在する刃先部分26に突き当たる部分に剪断応力が加わる。
即ち、上記隙間23に対向する部分の両端縁部のうち、上記平坦面21と上記傾斜面22との連続部に対向する側(図2の上側)には、若干の剪断面に対し垂直方向の引っ張り方向の応力に加えて曲げ応力が加わり、上記側壁14の一部が折れ曲がる。これに対して、上記抜き孔12aの開口周縁部に存在する上記刃先部分26に対向する側(図2の下側)には、この刃先部分26と液圧とにより、剪断応力が加わり、この部分で剪断加工が開始される。同時に、この部分の板厚T が、上記隙間23が存在しない状態の板厚T (図24参照)に比べて小さく(T <T )なる。
一方、上記抜き孔12aの幅方向両端縁に対向する上記側壁14のうち、上記平坦面21と前記金型素子15の内面との連続部に対応する部分は、図2に示した状態では未だ剪断加工が開始されておらず、この部分の板厚T3 に関しても、前述の図20〜23に示した様なハイドロフォーム工法により、金属管3の一部を径方向外方に塑性変形させて膨出部7aを形成しただけの状態と変わらない。即ち、上記部分の板厚T3 は、本実施例のスライド工具13bを使用する事で、特に減少する事はない。
この様に本実施例の場合には、スライド工具13bの先端面20aの形状を工夫し、ハイドロフォーム工程を実施する際にこの先端面20aの位置を適切に規制しているので、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向している部分のうち、板厚が大きな側(図2の下側)から先に剪断加工が開始される。又、上記側壁14のうちで、上記抜き孔12aの幅方向両端縁部に位置する部分の板厚T4 、T3 の差を小さく抑えられる。即ち、ハイドロフォーム工程の終了時に比較的大きな部分の板厚を(T2 から)低減させてT4 とし、同じく比較的小さな部分の板厚を低減させずにT3 のままとする為、上記幅方向両端縁部の板厚T4 、T3 をほぼ等しく(T4 ≒T3 )できる他、剪断加工終了のタイミングを揃え易く(同時に終了させ易く)できる。
そこで、図3に示す様に、上記スライド工具13bを上記抜き孔12a内で後退を開始させる。この後退開始により、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向している部分のうち、板厚が小さな側(図3の上側)でも剪断加工が開始される。この状態から、上記スライド工具13bを、図4に示す様に更に後退させると、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向している部分の全周(板厚が大きい側及び小さい側並びにその間部分)で剪断加工が進行する。そして、この剪断加工の進行に伴って、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向している部分の全周で、ほぼ同時に、前述の図1の(C)に示す様なクラックが発生する。
この結果、上記抜き孔12aに対向している部分が、図5に示す様に、上記側壁14の内側部分に存在する液圧により打ち抜かれて打ち抜き片10cとなり、上記抜き孔12a内に押し込まれる。この際、上記抜き孔12aに対向する部分の周縁部が剪断加工から破断に至るが、この破断は、上述の様に板厚が大きい部分から先に剪断加工を開始している事と、この部分の周縁部の板厚T4 、T3 が全周に亙ってほぼ等しく(T4 ≒T3 )、この部分の剪断加工終了のタイミングを揃え易い事とにより、上記周縁部の全周に亙って、実質的に同時に発生し、上記打ち抜き片10cとなる。前述の図25に示した様に、側壁14の一部で抜き孔12aに対向する部分がこの側壁14と繋がった状態のままになる事はない。この結果、上記側壁14のうちで上記抜き孔12aに整合する部分に前記通孔5cを、確実に形成できる。
又、上記打ち抜き片10cは、上記抜き孔12a内に押し出されて、前記膨出部7aを含む金属管3内に残留する事はない。従って、上記通孔5cを形成した後に上記打ち抜き片10cをこの金属管3の内部から取り出す工程及び装置が不要になる。この為、上記膨出部7a及び通孔5cを備えた製品を造る為の装置の小型化(省スペース化)を図れる等、当該製品を造る為に要するコストの低減を図れる。
尚、上記通孔5cとなるべき部分を確実に打ち抜く為に、上記板厚が大きい側で剪断加工の開始を同じく小さい側に比べて早くする程度、或いは、上記幅方向両端縁部の板厚T4 、T3 をほぼ等しくし、剪断加工終了のタイミングを揃え易くする程度は、上記金属管3の材質、元々の板厚等により、設計的、実験的に定める。例えば、軟鋼板、アルミニウム合金板等により造るステアリングコラムに一体に設けたコラムブラケットに通孔を形成する場合、前記スライド工具13bの先端部分の形状を適宜工夫する事により、上記剪断加工の開始のタイミングをずらせる。又、上述の様に、上記幅方向両端縁部の板厚T4 、T3 の関係を、剪断加工終了のタイミングを揃え易い関係にする為には、上記幅方向に関する前記傾斜面22の幅寸法を、液圧や上記金属管3の材質、元々の板厚との関係で、実験データに基づいて規制する。
尚、上記抜き孔12a内に押し込まれた上記打ち抜き片10cは、例えば、膨出部7aを形成し、更にこの膨出部7aの側壁14に通孔5cを形成した金属管3を、前記金型素子15により構成した金型6aから取り出した後に、前記スライド工具13bを前進させて上記抜き孔12aから押し出す事により、容易に上記金型6aから取り出せる。或は、上記金属管3が軟鋼板等の磁性材製である場合には、この金属管3を金型6aから取り出した後、磁石で上記打ち抜き片10cを吸着し、上記抜き孔12aから取り出す事もできる。更には、上記金型6aの内部に、この抜き孔12aから外部空間に通じる、上記打ち抜き片10cを通過させられるだけの大きさを有する排出通路を設ける事もできる。この場合には、上記金属管3内に導入した液圧により上記抜き孔12a内に押し込まれた上記打ち抜き片10cを、上記金属管3を上記金型6aから取り出した後、別途上記抜き孔12a内に導入した空気圧や液圧によりこの抜き孔12aから排出する。何れの場合でも、上記通孔5cの加工に伴ってこの抜き孔12a内に押し込まれた上記打ち抜き片10cは、次の加工作業に先立って、この抜き孔12aから排出しておく。
尚、本実施例の場合、図2に示した、通孔形成加工の初期段階で、上記スライド工具13bの先端面20aの平坦面21を、金型素子15の内面と同じ位置に存在させている。但し、この平坦面21は、図6に示す様に、この内面よりも少し凹んだ位置に存在させても良い。この場合には、図6に示した様に、上記平坦面21を金型素子15の内面よりも凹まさない状態に比べて、板厚が小さい部分も僅かに抜き孔12a内に押し込まれる。従って、板厚が大きい部分と小さい部分とで、剪断加工の開始のタイミングのずれが少なくなる。図2と図6との何れを採用するかは、上記板厚が大きい部分と小さい部分との差等に応じて、設計的に決める(実験等により条件を設定する)。
図7〜8は、請求項1、4、6〜9に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例に使用するスライド工具13cの先端面20bに関しても、上述した実施例1の場合と同様に、側壁14のうちで比較的板厚が小さくなった部分に対向する平坦面21aと、同じく比較的板厚が大きい部分に対向する傾斜面22aとを備える。但し、本実施例に使用するスライド工具13cの場合には、この傾斜面22aの傾斜角度を、上記実施例1に使用するスライド工具13bの傾斜面22(図2〜6参照)よりも緩やかにしている。
本実施例の場合には、この様なスライド工具13cの先端部を、金型素子15の内面よりも少し突出させた状態で、金属管3の内側に液圧を導入し、この金属管3の一部を径方向外方に塑性変形させて膨出部7aを形成する、ハイドロフォーミングを行なう。即ち、上記スライド工具13cの先端面20bのうちで最も突出した部分である上記平坦面21aを上記金型素子15の内面から突出させる。これに対して、上記先端面20bのうちで最も突出していない部分である、上記傾斜面22aのうちの上記平坦面21aから最も離れた部分を、上記金型素子15の内面と一致する部分に位置させる。そして、この状態で、上記金属管3の内側に液圧を導入し、この金属管3の一部を径方向外方に膨出させて、上記膨出部7aを形成する。
上記金型素子15の内面の一部には、上記スライド工具13cの先端部が突出しているので、上記膨出部7aが形成された状態で、この膨出部7aを構成する側壁14の一部が、図7に示す様に、上記スライド工具13cの先端部に倣って屈曲する。即ち、この側壁14のうちで上記平坦面21aに当接した部分が、最も上記金型素子15の内面から離れた状態となり、上記傾斜面22aに当接した部分が、この傾斜面22aに沿って傾斜し、上記平坦面21aに向かう程上記金型素子15の内面からの距離が大きくなる方向に傾斜する。
そこで、この状態から、図8に示す様に、上記スライド工具13cを抜き孔12aの内側で上記側壁14から退避させる方向に変位させれば、この側壁14の一部でこの抜き孔12aに整合する部分が、この抜き孔12aの全周に亙り裂断されて、この抜き孔12aに見合う通孔5cが形成される。
本実施例の場合には、次の様な理由で、上記側壁14の一部で上記抜き孔12aに整合する部分が、この抜き孔12aの全周に亙って破断される。先ず、上記膨出部7aを形成すべく、上記金属管3の内側に液圧を作用させてこの膨出部7aを形成する工程の最終段階で、この膨出部7aの側壁14の一部が上記スライド工具13cの先端部に押し付けられ、当該部分がこの先端部に倣って変形する。具体的には、上記側壁14の一部で上記通孔5cを形成すべき部分の両端縁に対応する部分のうち、板厚が小さくなった側(図7の上側)の部分が、上記スライド工具13cを後退させて上記通孔5cを形成する際に変形する方向と逆方向に、比較的大きく変形する(折れ曲がる)。この状態で、この様に大きく折れ曲がった部分の板厚は、T6 となる。これに対して、板厚が比較的大きい側(図7の下側)の部分は、上記通孔5cを形成する際に変形する方向と逆方向に変形するが、その変形量は僅少に留り、当該部分の板厚は、T5 となる。
そこで、上記側壁14の一部で上記通孔5cを形成すべき部分が上述の様に変形した状態から、上記スライド工具13cを上記抜き孔12a内に、前述の実施例1を示す図2に示した程度にまで少し退避させると、上記比較的大きな板厚T5 の部分では、この図2に示す様に直ちに剪断加工が開始されるのに対して、上記比較的小さな板厚T6 の部分では、未だ剪断加工が開始されない。むしろ、この比較的小さな板厚T6 の部分は、剪断面に対し垂直方向に圧縮されて、圧縮応力が加わり、クラックが発生しにくい状態となる。この状態から更に上記スライド工具13cを上記抜き孔12a内に、前述の実施例1を示す図3に示した程度にまで少し退避させると、上記比較的小さな板厚T6 の部分でも剪断加工が開始される。そして、上記スライド工具13cを、前述の実施例1を示す図4の状態を経て更に退避させると、図8に示す様に、上記側壁14の一部で上記抜き孔12aに対向している部分の全周(上記比較的大きな板厚T5 の部分及び上記比較的小さな板厚T6 の部分並びにその間部分)で剪断加工が進行する。そして、この剪断加工の進行に伴い、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向している部分の全周で、ほぼ同時に、前述の図1の(C)に示す様なクラックが発生する。
この結果、上記抜き孔12aに対向している部分が、図8に示す様に、上記側壁14の内側部分に存在する液圧により打ち抜かれて打ち抜き片10cとなり、上記抜き孔12a内に押し込まれる。尚、上述の様に、上記側壁14の一部で抜き孔12aに対向している部分の全周でほぼ同時にクラックが発生するのは、上記剪断加工の開始のタイミングをずらせる事に加えて、各部の板厚の差が小さくなる事も寄与するものと考えられる。即ち、上記図7に示す様に、上記スライド工具13cを上記抜き孔12a内で上記側壁14から退避させると、この側壁14のうちでこの抜き孔12aに整合する部分が、この抜き孔12a内に押し込まれる。この際、上記比較的大きな板厚T5 を有する部分は、直ちにこの抜き孔12a内に押し込まれ始める。これに対して、上記板厚T6 が小さな部分は、一度他の部分と平行になるまで変形してから、上記抜き孔12a内に押し込まれる。そして、上記板厚T6 が小さな部分が一度他の部分と平行になるまで変形し、更に上記抜き孔12a内に押し込まれる過程で、この部分に圧縮応力が加わると同時に、この部分の板厚が少し増大する(T6 よりも大きくなる)。この結果、上記側壁14のうちで上記抜き孔12aに対向する部分が、この抜き孔12aの周縁部の全周に亙って破断しつつこの抜き孔12a内に押し込まれ、上記通孔5cが形成される。
尚、本実施例の場合、図7の様に膨出部7aを形成する段階で、上記スライド工具13cの先端面20bの傾斜面22aのうちで、平坦面21aから遠い側の端部は、金型素子15の内面よりも少し凹んだ部分に位置させても良い。この場合には、図示の様に、当該部分を金型素子15の内面よりも凹まさない状態に比べて、膨出部7aの側壁14のうちで当該部分に当接する部分が僅かに抜き孔12a内に押し込まれるので、この部分での剪断加工の開始がより早くなると共に、この部分の板厚が、僅かに薄くなる傾向になる。
何れの場合でも、図7に示す様に、金属管3の一部を膨出させて膨出部7aを形成し、この膨出部7aの側壁14の一部に上記スライド工具13cの先端面20bを突き当てた状態で、この側壁部14のうちで上記抜き孔12aの幅方向両端縁に対応する部分の板厚T5 、T6 の差が、板厚が大きい側から見て、好ましくは30%以内、更に好ましくは20%以内であれば、上記通孔5cを形成するに就いて、特に問題を生じにくい。即ち、本実施例の製造方法は、前述した実施例1の場合よりも、板厚の差が大きい場合に適切である。又、上記先端面20bのうちで最も凹んでいる、上記傾斜面22aのうちで上記平坦面21aから遠い側の端部は、図示の様に金型素子15の内面と一致させても、或いは、上述の様にこの内面よりも少し凹んだ部分に位置させても、更には、この内面よりも少し突出させても良い。
図9は、本発明の実施例3として、前述の実施例1及び上述の実施例2に使用したスライド工具13b、13cと、このスライド工具13b、13cに置換可能なスライド工具の2例との、合計3例のスライド工具を示している。即ち、上記両実施例の様にして通孔5cを形成する場合に使用するスライド工具の先端部の形状は、図9の(A)に示す様な、断面形状が直線状である傾斜面22、22aを備えたスライド工具13b(13c)に限らず、図9の(B)(C)に示す様に、断面形状が円弧形である曲面状の傾斜部24、24aを備えたものであっても良いし、図示はしないが、傾斜面の断面形状が直線と曲線とを組み合わせたものである、複合面であっても良い。尚、上記図9の(A)に破線で示す様に、スライド工具13b(13c)の先端面20a(20b)に形成した傾斜面22(22a)の傾斜角度θを、この先端面20a(20b)の長さ方向(図9の表裏方向)の中間部で変化させる事もできる。この様な配慮は、ハイドロピアシングにより通孔を形成すべき部分の肉厚が、この通孔の幅方向だけでなく長さ方向にも変化している場合に必要になる。尚、この場合に、上記傾斜面22(22a)の傾斜角度θに代えて、平坦面21(21a)の幅W2 を変化させたり、両方を変化させる事もできる。この様に、材料の肉厚分布の形態によっては、必要に応じて、先端面20a(20b)の形状を3次元的に変化させる。
尚、図9の(A)は、上記実施例1及び上述の実施例2に使用したスライド工具13b(13c)を示しているが、この様なスライド工具13b(13c)の寸法は、例えば次の様に規制する。即ち、このスライド工具13b(13c)の幅をW1 、このスライド工具13b(13c)の先端面20a(20b)のうちの平坦面21(21a)の幅をW2 、同じく傾斜面22(22a)の傾斜角度をθとすると、
0≦W2 ≦0.9W1
0.3°≦θ<90°
の範囲が採用可能である。
好ましくは、
0.01W1 ≦W2 ≦0.9W1
0.3°≦θ<90°
更に好ましくは、
0.2W1 ≦W2 ≦0.8W1
1°≦θ≦20°
特に好ましくは、
0.2W1 ≦W2 ≦0.7W1
3°≦θ≦20°
の範囲で設定する。
要するに、上記スライド工具13b(13c)の幅W1 は、形成すべき通孔5cの幅に応じて決定するが、残りの幅W2 及び傾斜角度θに関しては、金属管3の材質や板厚に応じて、実験により最適な値を選定する。平坦面21(21a)の幅W2 が大き過ぎると、この平坦面21(21a)を突出させる事による、剪断加工開始のタイミング、破断に至るクラック発生のタイミングの調整効果を十分に得にくくなる。反対に上記幅W2 が小さ過ぎると、上記平坦面21の機械的強度の確保が難しくなる。従って、スライド工具の機械的強度確保の面で問題がなければ、この平坦面21は省略しても良い。上記傾斜角度θに就いても、小さ過ぎると、上記スライド工具13b(13c)を退避させる事による上記各タイミングの調整効果を得にくくなる。反対に、上記傾斜角度θが大き過ぎる場合には、上記平坦面21(21a)の機械的強度の確保が難しくなるだけでなく、厚肉側が過度に剪断され易くなり、上記各タイミングの調整が難しくなる。
又、図9の(B)(C)は、断面形状の曲率半径がRである、部分円筒面状の凹曲面{図9の(B)の場合}或は凸曲面{図9の(C)の場合}の傾斜部24、24aを、上記傾斜面22(22a)に代えて形成したものであるが、この様な傾斜部24、24aを形成したスライド工具13d、13eに関しても、各部の寸法を下記の範囲で選定する。
即ち、これら各スライド工具13d、13eの幅をW1 、これら各スライド工具13d、13eの先端面20c、20dのうちの平坦面21b、21cの幅をW2 とすると、
0≦W2 ≦0.9W1
好ましくは、
0.01W1 ≦W2 ≦0.9W1
の範囲で設定できる。上記傾斜部24、24aの断面形状の曲率半径Rの値は任意に設定できる。各々の値に就いて、金属管3の材質や板厚に応じて、実験により最適な値を選定する事は、図9の(A)に示したスライド工具13b(13c)の場合と同様である。
要するに、本発明を実施するに就いて、抜き孔の内側でスライド工具を退避させる際に、膨出部の側壁の如く、板厚に差がある場合でも、上記抜き孔の両側で板厚の差を小さくする等、この抜き孔に対向する部分を全周に亙って同時に破断できる様にする先端形状を有するスライド工具であれば、本発明の実施に使用できる。
更に、スライド工具13b、13cの先端面20a、20bの、金型素子15の内面から突出量S(図7)或いは凹み量−S(図6)は、側壁14のうちで、通孔を形成すべき部分の肉厚T(図2のT3 に相当)を基準として、|T|>|S|の範囲内に規制する事が好ましい。この突出量Sが大き過ぎると、スライド工具の後退に伴って肉厚が小さい部分に付加される圧縮応力が過大となり、剪断加工が進んでもクラックが入らなくなる。その結果、肉厚が大きい部分のみが剪断される様な事態が生じ、本発明の実施が困難となる。又、上記凹み量−Sが過大になると、初期状態から材料が抜き孔内に過度に進入し、スライド工具の先端面形状により、肉厚が大きい側と小さい側とに応じて前記各タイミングを調整する効果が小さくなる。言い換えれば、これら各タイミングの調整が困難になる。
尚、通孔を形成する際、スライド工具を退避させつつ側壁14の片面(金型素子15と反対側の面)に作用させる液圧Pに就いては、金属材料の剪断抵抗をr、肉厚をT、通孔の周長をL、通孔の面積をSとした場合に、P>(r・T・L)/Sを満たす様に規制する。
図10は、請求項2、7〜9に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、先に述べた各実施例の場合と異なり、金型6の側を工夫している。即ち、通孔を形成すべき側壁14に対向する金型素子15に形成した抜き孔12bの開口周縁部のうちの幅方向両端縁に存在する刃先部分26a、26bの断面形状の曲率半径を互いに異ならせている。具体的には、上記側壁14のうちの板厚が大きい側を剪断加工すべき、図10の下側の刃先部分26aの断面形状の曲率半径を小さくしている(シャープエッジとしている)。これに対して、上記側壁14のうちの板厚が小さい側を剪断加工すべき、図10の上側の刃先部分26bの断面形状の曲率半径を比較的大きくしている。上記抜き孔12bに挿入したスライド工具13の先端面20は、全面に亙り平坦である。
本実施例の場合には、上記板厚が小さい側を剪断加工すべき刃先部分26bの断面形状の曲率半径を比較的大きくする事により、この板厚が小さい側で剪断を進行しにくくして、この側で破断に至るクラックの発生タイミングを、上記刃先部分26bをシャープエッジとした場合に比べて遅くしている。要するに本実施例の場合には、元々板厚が小さい事により、破断に至るクラックの発生タイミングが早くなりがちな側で、このタイミングを遅くする傾向としている。
この為本実施例の場合には、板厚が小さい側と大きい側とで、剪断加工開始のタイミングを同じとしても、破断に至るクラックの発生タイミング(剪断現象終了のタイミング)をほぼ同じに揃えて、板厚が不同にも拘らず、切れ残りのない、完全な外抜きのハイドロピアシングを行なえる。
尚、本実施例の様に、上記各刃先部分26a、26bの断面形状の曲率半径を変える事と合わせて、前述の実施例1〜3の様に、スライド工具13の先端面20の形状を工夫する事も可能である(請求項3に記載した発明)。具体的には、剪断に対する感受性を鈍化させる必要がある板厚の小さな側で、刃先部分の断面形状の曲率半径を大きくすると共に、スライド工具13の先端面20を金型素子15の内部に突出させて剪断加工開始のタイミングを遅らせる。一方、板厚の大きな側で、刃先部分の断面形状の曲率半径を小さくすると共に、スライド工具13の先端面20を上記金型素子15の外方に凹ませて剪断加工を促進する。
図11〜12は、本発明の実施例5を示している。本実施例の場合には、ハイドロフォーム工法により金属管3の一部を径方向外方に塑性変形させて形成した膨出部7aの側壁14に、異形の通孔5dを形成する場合に就いて示している。この通孔5dは、図12の(A)に示す様な比較的幅寸法の小さい長円形部分と、同(B)に示す様な比較的幅寸法の大きな長円形部分とを重ね合わせ(合成し)て、同(C)に示す様な鍵孔状とした如きものである。但し、この鍵孔状の通孔5dは、断面形状を鍵孔状としたスライド工具により、一挙に加工する。スライド工具の先端面形状は、先に説明した何れかの実施例に合わせて形成する。この様な鍵孔状の通孔5dに就いても、板厚が均一である場合に加工できる事は勿論、本発明を適用すれば、板厚が不均一であっても、又、金属製部材が環状であるか板状であるかを問わず、ハイドロピアシングにより、確実に加工できる。尚、金属製部材の一部でこの通孔5dを形成すべき部分の形状に就いては、平坦面、部分円弧面、曲面等、何れでも良い(スライド工具の先端面形状をそれに合わせる)。
図13は、請求項10に対応する、本発明の実施例6を示している。本実施例の場合には、ハイドロフォーム工法により金属管3の一部を径方向外方に塑性変形させて形成した膨出部7aの側壁14に、アスペクト比が大きい(スリット状の)通孔5eを、この膨出部7aの傾斜部29を跨ぐ状態で形成する場合に就いて示している。本実施例の場合、スライド工具の先端面形状は、先に説明した何れかの実施例に合わせると共に、上記通孔5eを形成すべき、上記側壁14の外面形状に合わせて形成する。この様な、傾斜部29を跨ぐ状態で存在するスリット状の通孔5eに就いても、上述した実施例5と同様、本発明を適用する事により、ハイドロピアシングにより、確実に加工できる。
図14は、請求項10に対応する、本発明の実施例7を示している。本実施例の場合には、ハイドロフォーム工法により金属管3の一部を径方向外方に塑性変形させて形成した膨出部7aの側壁14に、鍵孔状の通孔5fを、この膨出部7aの傾斜部29を跨ぐ状態で形成する場合に就いて示している。本実施例の場合も、スライド工具の先端面形状は、先に説明した何れかの実施例に合わせると共に、上記通孔5fを形成すべき、上記側壁14の外面形状に合わせて形成する。この様な、傾斜部29を跨ぐ状態で存在する鍵孔状の通孔5fに就いても、上述した実施例5、6と同様、本発明を適用する事により、ハイドロピアシングにより、確実に加工できる。
本発明の有効性を確認する為に行なった実験に就いて説明する。前述の図7〜8に示した実施例2の方法により、実際にハイドロフォーミング及びハイドロピアシングを行なった。即ち、一体型コラムブラケットを形成したステアリングコラム用アウターチューブの製作を想定して、ハイドロフォーミングにより金属管の軸方向中間部に膨出部を形成し、引き続き同一金型内でハイドロピアシングにより、その膨出部の両側の側壁部に長円形の通孔を形成した(図15〜17参照)。金型に組み合わされるスライド工具としては、先端面を平坦面と傾斜面で形成した、図9の(A)に示した形状のものを使用した。
実験に使用した金属管は、機械構造用炭素鋼管(STKM11A)であり、外径が60.5mm、肉厚が2.0mm、全長が500mmである。この材料の機械試験値は、降伏点が300MPa、引張強さが400MPa、伸びが40%である。通孔を形成する為の長円形の抜き孔の寸法は、長径方向の長さを60mm、短径方向の長さを10mmとした。
ハイドロフォーミングにより形成された膨出部での拡管率は約30%であり、板厚は、小さい側で1.8mm、大きい側で2.0mmであった。ハイドロピアシングにより膨出部の両側の側壁部に長円形の通孔を形成するべく、スライド工具の先端面の幅W1 と平坦面の幅W2 の関係(ランド幅比W2 /W1 )、傾斜面の平坦面に対する傾斜角度θ、及び初期位置での平坦面の突出量Sを種々変更した。これらの値を、実験結果と共に、次の表1に示す。この表1中の比較例は、スライド工具として、その先端面が全面に亙り平坦面であるものを使用した場合である。
Figure 0004879596
この表1から明らかな通り、スライド工具の先端面の形状を適切に選定して、剪断加工開始のタイミング、及び、破断に至るクラック発生のタイミングを調整する事により、形成すべき通孔の周縁部全体で剪断現象を同時に終了させて全周に亙り破断させる事ができる。この為、板厚に差がある膨出部の両側壁部に対しても、切れ残りのない完全なハイドロピアシングが可能になる。又、本発明の方法により膨出部の両側壁部に通孔を形成した金属管加工品は、ステアリングコラム用アウターチューブとして使用可能であった。更に言えば、得られたアウターチューブは、溶接部のない一体型コラムブラケットを有する上に、膨出部の両側壁部に存在する孔あけ加工品質も高く、非常に高品質なものであった。しかも、同一金型内での一連の操作により膨出部の形成から孔あけ加工までが効率的に行なえる為、経済性も非常に高いものとなった。
本発明を実施する場合に、金属部材に形成する通孔の数は問わない。即ち、通孔の数が1個乃至は2個の場合は勿論、3個以上であっても、金型に必要数の抜き孔とスライド工具とを設ける事で、本発明を実施する事は可能である。
又、形成すべき通孔の形状に就いても、単純な円形は勿論、長円形、楕円形、略四角形、或はこれらを組み合わせた様な形状やより複雑な形状等、各種形状の通孔の形成に適用できる。例えば、前述した実施例1〜7の構造を適宜組み合わせて実施する事ができる。この場合に、例えば、互いに異なる形状を有する複数の通孔を、複数の抜き孔及びスライド工具を備えた金型を使用して、ハイドロピアシングにより同時に形成する事が考えられる。
更に、本発明を、金属管を径方向外方に塑性変形して形成した膨出部に通孔を形成するのに適用する場合に、金属管を一方向に膨出させた場合に限らず、全周に亙って膨出させた場合でも、本発明を適用できる。即ち、金属管を全周に亙って膨出させた場合であっても、部分的に膨出の程度が変化する等により、板厚に差がある肉厚不均一部分が存在し、当該部分に通孔を形成する必要があれば、本発明を適用できる。
要するに本発明は、中空部材の膨出部に通孔を形成する場合に限らず、各種金属製部材のうちで、板厚に差がある肉厚不均一部分に通孔を形成する場合に利用可能である。
特に、本発明を、例えばコラムブラケット一体型のステアリングコラムの製造に適用した場合には、前述した本発明の基本的な作用・効果に比べて、より優れた作用・効果を得られる。即ち、この様なステアリングコラムを造る場合に、前述の図20〜23で説明した様に、コラムブラケットとなる膨出部を形成する為のハイドロフォーム工程と、通孔を形成する為の孔加工工程とを連続して(実質的に同時に)実施できる。この為、上述の様なステアリングコラムの製造に費やす時間及び手間を低減して、製造コストの低廉化が可能になる。更に、1個の部材に複数の通孔を形成する場合にも、これら各通孔の位置決めを図る為に、この部材とこれら各通孔との位置決めを行なう為の考慮も不要になり、コスト上昇を抑えつつ、複数の通孔を正確に位置決めした製品を得られる。
尚、本発明をコラムブラケットの膨出部に通孔を形成するのに適用する場合は勿論、何れの部分に適用する場合でも、形成した通孔の周縁部を含み、この通孔の周囲部分には、だれ等、材料の変形が殆どない、良好な面が残る。この為、この通孔を形成した後、上記周囲部分の精度を向上させる為の後加工が不要若しくは容易になり、後加工の為の装置や機構が不要若しくは簡易になって、設備費用の削減等によるコスト低減を図れる。
又、図示の各実施例は、肉厚に差がある肉厚不均一部分を孔あけ加工(ハイドロピアシング)する場合に就いて示した。但し、肉厚(板厚)が同じでも加工硬化の程度に差がある、加工硬化不均一部分に孔あけ加工(ハイドロピアシング)を施す場合にも、上記肉厚不均一部分と同様の問題を生じる可能性がある。この為、この様な加工硬化不均一部分で、剪断現象を同時に終了させるべく、この部分での剪断開始のタイミング等を加工硬化の程度に応じて調節する(設計的に条件の設定をする)事もできる。この場合に、例えば、加工硬化の程度が著しい部分を、前述の各実施例の説明中での肉厚の大きい(厚い)部分に対応させ、加工硬化の程度が低い(若しくは加工硬化していない)部分を、同じく肉厚の小さい(薄い)部分に対応させる。加工硬化の程度により剪断開始のタイミングをずらせる程度は、肉厚が不均一の場合と同様、実験により求める。更に、肉厚が不均一で、しかも加工硬化の程度が異なる部分に関して本発明を実施できる事は勿論である。この場合も、タイミングをずらせる程度は、実験により、肉厚及び加工硬化の程度に応じて規制する。
本発明の原理を説明する為の、ハイドロピアシングの進行状態を示す部分断面図。 本発明の実施例1を、通孔を形成する以前の状態で示す、図23のA部に相当する拡大断面図。 同じく通孔形成の途中状態を示す、図2と同様の図。 同じく続く状態を示す、図2と同様の図。 同じく通孔を形成した状態で示す、図2と同様の図。 本発明の実施例1の変形例を示す、図2と同様の図。 本発明の実施例2を、通孔を形成する以前の状態で示す、図23のA部に相当する拡大断面図。 同じく通孔を形成した状態で示す、図7と同様の図。 本発明の実施例3として、通孔を形成する為のスライド工具の3例を示す断面図。 本発明の実施例4を示す、図23のA部に相当する拡大断面図。 本発明の実施例5を示しており、(A)は側面図、(B)(C)はそれぞれ通孔を形成した部分を、互いに異なる方向で切断した状態で示す断面図。 通孔の形状を説明する為の部分側面図。 本発明の実施例6を示す、図11と同様の図。 本発明の実施例7を示す、図11と同様の図。 コラムブラケットを一体に設けたステアリングコラムの従来例を示す断面図。 同じく部分斜視図。 図16のB矢視図。 (A)はコラムブラケットの側壁部を、(B)は側壁部を更に膨出させた状態を、それぞれ示す、図17のC−C断面図。 金属管を塑性変形して成る膨出部に通孔を形成する方法の3例を示す断面図。 先に考えた、金属管に膨出部を形成し更にこの膨出部に通孔を形成する方法の準備工程を示す断面図。 図20のD−D断面図。 同じく金属管に膨出部を形成した状態を示す断面図。 図22のE−E断面図。 図23のA部拡大断面図。 先に考えた方法で通孔が形成されない理由を説明する為の、図24と同様の断面図。
符号の説明
1 ステアリングコラム
2 コラムブラケット
3 金属管
4 チルトボルト
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f 通孔
6、6a 金型
7、7a 膨出部
8、8a シリンダ孔
9、9a パンチ
10、10a、10b、10c 打ち抜き片
11 中空部材
12、12a、12b 抜き孔
13、13a、13b、13c、13d、13e スライド工具
14 側壁
15 金型素子
16 円孔部
17 凹部
18 中心孔
19、19a、19b 軸押し工具
20、20a、20b、20c、20d 先端面
21、21a、21b、21c 平坦面
22、22a 傾斜面
23 隙間
24、24a 傾斜部
25 金属板
26、26a、26b 刃先部分
27 剪断面
28 クラック
29 傾斜部

Claims (10)

  1. 金属製で、少なくとも一部が板状とされた部材の一部で、この板状とされた部分の厚さに差がある肉厚不均一部分に通孔を、この肉厚不均一部分を貫通する状態で設ける為に、この肉厚不均一部分の片面を金型に当接させた状態でこの肉厚不均一部分の他面に液圧を加えつつ、この肉厚不均一部分の一部で上記金型に設けた抜き孔に対応する部分をこの抜き孔に押し込む、ハイドロピアシングを施す際に、上記金型の抜き孔に挿入されるスライド工具として、剪断加工を施される材料の肉厚分布に応じて、先端面が肉厚の小さい側で金型の内側方向へ突出し、肉厚の大きい側で金型の外側方向へ窪んだ形状を有するスライド工具を使用する事により、形成すべき上記通孔の周縁全体で剪断現象を同時に終了させる事を特徴とする、通孔を有する金属製部材の製造方法。
  2. 金属製で、少なくとも一部が板状とされた部材の一部で、この板状とされた部分の厚さに差がある肉厚不均一部分に通孔を、この肉厚不均一部分を貫通する状態で設ける為に、この肉厚不均一部分の片面を金型に当接させた状態でこの肉厚不均一部分の他面に液圧を加えつつ、この肉厚不均一部分の一部で上記金型に設けた抜き孔に対応する部分をこの抜き孔に押し込む、ハイドロピアシングを施す際に、上記金型として、上記抜き孔の周縁部である刃先部分の断面形状の曲率半径が、この刃先部分が剪断加工を施される材料の肉厚分布に応じて、肉厚の大きい側で小さく、肉厚の小さい側で大きく形成された金型を使用する事により、形成すべき上記通孔の周縁全体で剪断現象を同時に終了させる事を特徴とする、通孔を有する金属製部材の製造方法。
  3. 金型として、抜き孔の周縁部である刃先部分の断面形状の曲率半径が、この刃先部分が剪断加工を施される材料の肉厚分布に応じて、肉厚の大きい側で小さく、肉厚の小さい側で大きく形成された金型を使用する、請求項1に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  4. 金型に設けた、通孔に見合う形状及び大きさを有する抜き孔の内側に、肉厚不均一部分のうちで板厚が小さい部分が同じく厚い部分に比べてこの肉厚不均一部分の側に向けて突出している先端面を有するスライド工具を挿入すると共に、上記金型の内面を上記肉厚不均一部分の片面に突き当てた状態でこの肉厚不均一部分の他面に液圧を加えつつ、上記スライド工具をこの肉厚不均一部分から退避する方向に変位させて、この肉厚不均一部分の一部で上記抜き孔に対応する部分を、上記液圧によりこの抜き孔に押し込む、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  5. スライド工具の先端面のうちで最も突出した部分を金型の内面と一致する部分に位置させる事によりこの先端面を肉厚不均一部分の片面に、この肉厚不均一部分のうちで板厚が小さい側で当接させ、同じく大きい側で隙間を介して対向させた状態から上記スライド工具を抜き孔の内側で上記肉厚不均一部分から退避させる方向に変位させる事により通孔を形成する、請求項1と、請求項3と、請求項1又は請求項3を引用した請求項4とのうちの何れか1項に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  6. スライド工具の先端面のうちで最も突出した部分を金型の内面から突出させ、最も突出していない部分をこの内面と一致若しくはこの内面よりも凹んだ部分に位置させると共に、上記先端面を上記スライド工具の先端部に倣って屈曲した肉厚不均一部分の片面に当接させた状態から、このスライド工具を抜き孔の内側で上記肉厚不均一部分から退避させる方向に変位させる事により通孔を形成する、請求項1と、請求項3と、請求項1又は請求項3を引用した請求項4とのうちの何れか1項に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  7. 肉厚不均一部分の一部で板厚が漸次変化している部分が、ハイドロフォーム工法により素材の一部を膨らませて成る膨出部の側壁である、請求項1〜6のうちの何れか1項に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  8. 金属製部材が、中空管の一部をハイドロフォーム工法により径方向外方に膨らませ、この膨らませて成る膨出部の側壁部に通孔を形成したステアリングコラムであり、この膨出部の加工作業に続いてこの通孔の形成作業を行なう、請求項7に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  9. 中空管の中心軸を含み、膨出部が膨出している方向と直角方向に拡がる仮想平面を考えた場合に、通孔全体を、この仮想平面から上記膨出している方向に外れた位置に形成する、請求項8に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
  10. 膨らませた部分と膨らませていない部分とが、傾斜部又は段差部を介して連続しており、通孔のうちの少なくとも一部を、この傾斜部又は段差部に形成する、請求項8〜9のうちの何れか1項に記載した通孔を有する金属製部材の製造方法。
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