JP4879075B2 - 多機能逆止弁装置 - Google Patents
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Description
また寒冷地用の水栓にあっては、逆止弁装置として水抜きの機能を備えたものが用いられる。詳しくは、逆止弁に対して軸方向に対向する状態で弁ケーシングに水抜操作部が組み付けられ、この水抜操作部を軸方向に押込操作することで逆止弁を強制開弁させ、水抜きを行う機能を備えた逆止弁装置が用いられる。
同図において200は逆止弁装置で、202は径方向に貫通の流入開口(ケーシング開口)204を周壁に有する円筒状の弁ケーシングで、208はこの弁ケーシング202に組み付けられた逆止弁である。
逆止弁208は、その主要素を成す逆止弁体210と、これを閉弁方向に付勢するスプリング212、及び逆止弁体210の移動案内をなす弁ガイド214を有している。
尚、224は流入開口204から弁ケーシング202内に流入する給水から濾過作用にて異物除去するストレーナで、弁ケーシング202に組み付けられている。
これら特許文献1,特許文献2に開示の多機能逆止弁装置を用いれば、止水操作と水抜操作とを同じ1個所で行うことが可能であり、利便性に優れたものである。
しかしながらこれら特許文献1,特許文献2に開示のものは所要部品点数が多く、従って組付けの工数も多くなるとともに構造も大型化し、更にコストも高くなるといった問題を内包している。
止水弁と弁ケーシングとの間でシールを行う弾性シール材をこのような筒状シール材とすることで、シール材付止水弁を安価となすことができ且つこれをコンパクトに構成することができる。
特に弾性シール材をゴムシール材となし、かかるゴムシール材の加硫成形時に止水弁の外周面に同時に加硫接着しておくことができる。
このようにすれば、水抜操作部を回転して止水及び流量調節を行う際の操作性が良好となる。
図1〜図3において、10は本実施形態の多機能逆止弁装置(以下単に逆止弁装置とする)で、12は全体として円筒形状をなす弁ケーシングである。
弁ケーシング12は図中下部の第1部材12-1と、上部の第2部材12-2とから成っている。
図中上部の第2部材12-2には、径方向内向きの内フランジ部14,径方向外向きの外フランジ部16が設けられており、また図2に示しているように円筒部の外周面には雄ねじ部18が、内周面には雌ねじ部20が設けられている。
この弁ケーシング12には、軸方向の中間部において周壁を径方向に貫通する複数(ここでは180°隔たった2つ)の流入開口(ケーシング開口)24が設けられており、また図中下端の軸端には流出開口26が設けられている。
ここで弁ガイド34は外輪46において、弁ケーシング12の段付部48と、弁ケーシング12に装着された止め輪50とによって軸方向に移動不能に固定されている。
尚図1において、52は弁ケーシング12の外周面に装着されたストレーナである。
ストレーナ52は、流入開口24を通じて弁ケーシング12内部に流入する給水から濾過作用により異物を除去する働きをなす。
この押棒54は、弁ケーシング12における内フランジ部14の内側の開口58を挿通する状態で設けられている。
この押棒54には、弁ケーシング12の内部において大径のフランジ部60が一体に形成されており、このフランジ部60によって押棒54が、弁ケーシング12から軸方向に抜止めされている。
押棒54は、この摘み57を摘んで図中上向きに引上操作可能である。
この押棒54の上端部にはまた、直径方向に直線状をなす係合溝61が設けられている。押棒54は、この係合溝61に工具を挿入し係合させることによって回転操作可能である。
そしてこの止水弁62とフランジ部60との間に形成された環状溝64に、断面U字状をなす弾性シール材66が装着され、この弾性シール材66によって、押棒54と弁ケーシング12との間が水密にシールされている。
この止水弁62は、軸方向の図中下端が開口形状をなしており、またその周壁には、弁ケーシング12における流入開口24に対応した数の(即ちここでは180°隔たった2つの)弁開口68が径方向に貫通する形態で設けられている。
ここで弁ケーシング12における流入開口24及び止水弁62の弁開口68は、図3に示しているようにそれぞれ正面形状が四角形状をなしている。
ここで弾性シール材70は、その加硫成形時に同時に止水弁62の外周面に加硫接着(焼付固着)されている。
この弾性シール材70には、外周面上に突出するリブ74が一体に成形されている。ここでリブ74は全体として四角形状をなすように形成されている。
ここで弾性シール材70はリブ74を径方向に圧縮弾性変形させる状態に弁ケーシング12の内周面に密着し、シール作用をなしている。
そして図1に示しているように止水弁62の弁開口68が弁ケーシング12の流入開口24に完全一致した状態の下で、給水が弁ケーシング12の流入開口24から弁ケーシング12内部に流入し、そしてその流れにより逆止弁28を開弁させて、弁ケーシング12の図中下端の流出口26から流出する。
このとき流入開口24,弁ケーシング12の内部及び流出口26を通る流路の流量は最大流量となる。
そして弁開口68が弁ケーシング12の流入開口24に対し完全不一致となった状態(図5に示す状態)で、流入開口24が止水弁62にて完全閉鎖され、ここにおいて流路が遮断されて止水が行われる。
具体的には、弁ケーシング12には切欠き78が所定周方向長に亘って設けられており、その切欠き78の一対の周方向端が弁ケーシング12側のストッパ78-1,78-2とされ、また一方押棒54側のフランジ部60には径方向外方に突出するストッパ76が設けられ、このフランジ部60側のストッパ76が、弁ケーシング12側のストッパ78-1に又は78-2に当接することで止水弁62の回転位置が規定される。
具体的には、ストッパ76とストッパ78-1とが当接することにより止水弁62が全開状態に位置規定され、またストッパ76がストッパ78-2に当接することにより止水弁62が全閉状態に位置規定される。
要するに止水弁62と一体回転する側と、弁ケーシング12側とのそれぞれにストッパを設けることによって、止水弁62を全開位置と全閉位置とにそれぞれ位置規定するようになすことが可能である。
そして図6に示しているようにその状態で押棒54を軸方向且つ図中下方に押込操作することで逆止弁28を強制開弁させ、水抜きを行うことができる。
例えば上例では水抜操作部としての押棒54と止水弁62が回転方向のみならず軸方向にも一体移動する状態に一体構成されているが、場合によってそれらを分離構造とし、止水弁62を押棒54に対し回転方向にだけ一体移動するようにし、軸方向には相対移動可能に止水弁62を押棒54に組み付けておくといったことも可能である(例えば押棒54の外周面に雄セレーション部を、止水弁62の側に雌セレーション部を設けてそれらをセレーション結合する等して)。その他本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
12 弁ケーシング
24 流入開口(ケーシング開口)
26 流出開口
28 逆止弁
54 押棒(水抜操作部)
62 止水弁
68 弁開口
70 弾性シール材
72 開口
76 ストッパ
78-1,78-2 ストッパ
Claims (3)
- (イ)径方向に貫通のケーシング開口を周壁に有する筒状の弁ケーシングと、(ロ)該弁ケーシングに組み付けられ、該ケーシング開口及び該弁ケーシングの内部を通る流路の順方向の流れを許容し、逆方向の流れを阻止する逆止弁と、(ハ)該逆止弁に対して軸方向に対向する状態に該弁ケーシングに組み付けられ、軸方向の押込操作により該逆止弁を強制開弁させて水抜きを行う水抜操作部と、を有し、
前記水抜操作部は前記弁ケーシングに対して回転可能に組み付けられているとともに、該水抜操作部には、筒状をなして該弁ケーシングの内周面に回転可能に嵌合され、周壁に形成された径方向に貫通の弁開口を回転により前記ケーシング開口に対して位置変化させ、該弁開口を該ケーシング開口に対して完全不一致とすることで前記流路を閉じて止水を行い、該弁開口を該ケーシング開口に対して径方向に重複させて該流路を開き、且つ重複面積を変化させることで流量調節を行うシリンダ式の止水弁が一体回転状態に設けられていることを特徴とする多機能逆止弁装置。 - 請求項1において、前記止水弁の外周面には、該止水弁と前記弁ケーシングとの間でシールを行う、前記弁開口に対応した位置に対応した形状の開口を有する筒状の弾性シール材が固着されていることを特徴とする多機能逆止弁装置。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記止水弁を、止水状態である全閉位置と流量を最大流量とする全開位置とにそれぞれ回転方向位置を規定するストッパが設けてあることを特徴とする多機能逆止弁装置。
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