JP4876960B2 - 厚鋼板の製造設備および製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、厚鋼板の製造設備および製造方法に関するものである。
近年、厚鋼板の熱間圧延においては、強度や靭性の優れた鋼板の製造が求められており、その一例として、圧延材に制御圧延(Controlled Rolling;CR)を施すことにより、優れた材質の厚鋼板を造り込んでいる。すなわち、1000℃以上に加熱したスラブを一旦所定の板厚まで圧延し、その後、圧延材の温度が未再結晶温度域やその温度域に近い温度域にある状態で仕上板厚まで圧延を行うものである。たとえば、厚さ200〜300mmのスラブを1100〜1200℃程度まで加熱後、仕上板厚の1.5〜2倍程度まで圧延し、その後、温度が未再結晶域である850℃以下になった時点で制御圧延を開始し、仕上板厚(たとえば15mm)まで圧延するというものである。
その際に、制御圧延を行う温度(制御圧延開始温度)が低くかつ制御圧延を行う板厚(制御圧延開始板厚)が厚い場合には、圧延材が制御圧延開始温度になるまでにかなりの時間を要するため、圧延機(可逆式圧延機)近傍の圧延ライン上で制御圧延開始温度になるまで圧延材を放冷状態で待機させていた。その結果、その冷却待ちによって圧延機に空き時間が発生し、圧延能率が低下するという問題が生じていた。
このような冷却待ちによって圧延機に空き時間が発生し圧延能率が低下するのを解消するために、特許文献1や特許文献2では、冷却待ちが必要となった鋼板を圧延ライン外に設けた待機位置に移動させて冷却し、その冷却を行っている間は他の鋼板の圧延を行い、待機位置で冷却していた鋼板が所定の制御圧延開始温度になれば、待機位置から圧延ラインに戻して制御圧延を行うという技術が提案されている。
しかし、特許文献1、2に記載の技術においては、圧延ライン外に待機位置を設けるためのスペースや、鋼板を圧延ラインと待機位置の間で移動させるための手段が必要となり、大掛かりな設備になってしまうという問題がある。
これに対して、特許文献3等には、制御圧延を行うまでの冷却待ち時間を短くするために、圧延ラインにおいてシャワー冷却設備等によって鋼板を水冷して圧延を行うという技術が記載されている。
また、特許文献4には、厚鋼板の制御圧延ではないが、厚鋼板の直接焼入れ(ダイレクトクエンチ)などにおけるオンライン冷却技術として、厚鋼板を押えローラによって上下から拘束した状態でスリットジェットノズルにより水量密度を2m3/m2min以上として第1の冷却を行い、次いで上面冷却にパイプノズル、下面冷却にスプレーノズルを用いて、水量密度を0.7m3/m2min以上として第2の冷却を行う技術が記載されている。
特開昭53−146208号公報 特開昭60−180604号公報 特開昭55−106615号公報 特開昭61−153235号公報
前記の特許文献3に記載のように、圧延ラインにおいて鋼板を水冷して圧延を行う技術では、制御圧延開始温度が低くかつ制御圧延開始板厚が厚い場合は、圧延を中断してから制御圧延開始温度になるまでに、かなり長い時間水冷を行わなければならない。そのため、鋼板を通過させながら水冷する通過冷却式の場合、所定の水冷時間が得られるように、鋼板全体が冷却設備を通り抜けるようにしながら往復搬送させる必要があるが、鋼板の長さに比べて冷却設備の長さが短いと、鋼板自体は空冷されている時間の比率が大きくなり、あまり速く冷却されない。したがって、従来は、鋼板全体が収まるような長さの冷却設備によって、鋼板を停止またはオシレーションさせながら水冷を行う滞在冷却式の場合が多かったが、その際の水冷は、比較的低い水量密度のシャワー冷却などで行われており、必ずしも充分な冷却速度は得られていなかった。
そこで、上記のシャワー冷却の水量密度を上げて、冷却速度を上昇させ、水冷時間を短縮して、生産性を向上させることが考えられるが、鋼板全体が収まるような長さの冷却設備で水量密度を上げると、冷却水を大量に増やす必要があり、送水ポンプや配管などの設備コストがかかるという問題がある。もちろん、冷却設備を短くすると、冷却設備よりも長い鋼板を停止またはオシレーションをさせながら均一に冷やすことができなくなる。
また、特許文献4に記載の技術を、制御圧延を行うための冷却待ち時間を短くするために用いることが考えられるが、それには、下記のような多くの問題がある。
第1に、押えローラが必要であるので、設備コストが高いという問題がある。
第2に、直接焼入れの場合は圧延機から離れた所で行うので問題にならないが、特許文献4に記載の技術を圧延機近くに適用しようとした場合は、設備破損の危険性が極めて高いという問題がある。圧延で反った厚鋼板の先端が押えローラにぶつかった場合、後ろの部分がまだ圧延中であると、設備を破損させながら厚鋼板が搬送されてしまうという問題がある。圧延中でない、いわゆるフローティング材であれば、プロテクターなどである程度設備を保護することができるが、圧延中では圧延機のパワーによってプロテクターごと破損させてしまう。
第3に、特許文献4に記載の技術では、厚鋼板の搬送が一方向であるのが前提となっているので、圧延機近くに適用して逆方向の搬送を行う際の冷却均一性が確保できない。第2の冷却装置から第1の冷却装置に搬送する時、第1の冷却装置内で先端部分に冷却水が供給されず、冷却不足になるという問題点がある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、厚鋼板を制御圧延によって製造する場合等において、圧延材の冷却待ち時間を短縮でき、生産性を飛躍的に向上させることができる厚鋼板の製造設備および製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
[1]加熱炉、可逆式圧延機、第1の冷却設備、第2の冷却設備の順に配置された厚鋼板の製造設備であって、
前記第1の冷却設備は、長さ0.5〜5mにわたって流量密度4m3/m2min以上の冷却水を厚鋼板の上下面に供給する設備であるとともに、その内、厚鋼板の上面に冷却水を供給する上面冷却装置は、厚鋼板上面に向けて斜めに冷却水を供給するノズルを搬送方向に複数列有して、搬送方向に互いに対向するように棒状冷却水を噴射する装置であり、
前記第2の冷却設備は、長さ15〜35mにわたって流量密度0.05〜1m3/m2minの冷却水を厚鋼板の上下面に供給する設備であることを特徴とする厚鋼板の製造設備。
[2]スラブを加熱し、可逆式圧延機で1パス以上の圧延を行った厚鋼板を、第1冷却設備内を通過させて第2冷却設備内に搬送し、第2冷却設備内で厚鋼板を停止またはオシレーションさせながら水冷を行い、次いで、第1冷却設備内を通過させて可逆式圧延機に搬送して1パス以上の圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、
前記第1冷却設備内を通過する2回のうち少なくとも1回以上、厚鋼板を停止させることなく、長さ0.5〜5mにわたって流量密度4m3/m2min以上の冷却水を厚鋼板上下面に供給し、かつその厚鋼板上面の冷却は、厚鋼板上面に向けて斜めに対向するように棒状冷却水を噴射して行うものであり、
前記第2冷却設備での冷却は、長さ15〜35mにわたって流量密度0.05〜1m3/m2minの冷却水を鋼板上下面に供給して行うものであることを特徴とする厚鋼板の製造方法。
[3]同一の冷却水配管から第1冷却設備と第2冷却設備に冷却水を供給できるようにし、第1冷却設備内での冷却と第2冷却設備内での冷却とを、冷却水の供給を切り替えて行うことを特徴とする前記[2]に記載の厚鋼板の製造方法。
[4]当該厚鋼板の圧延の最初のパスと最終パスとの間に、後続する厚鋼板の圧延を少なくとも1回以上行うことを特徴とする前記[2]または[3]に記載の厚鋼板の製造方法。
本発明を用いることにより、厚鋼板を制御圧延によって製造する場合等において、圧延材の冷却待ち時間を短縮でき、生産性を飛躍的に向上させることができる。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における厚鋼板の製造設備と、その製造設備を用いて厚鋼板を製造する際の搬送・冷却パターンの一例を表す図である。
この実施形態における厚鋼板の製造設備は、上流側から順に、加熱炉1、可逆式圧延機2、第1冷却設備3、第2冷却設備4を備えている。
そして、加熱炉1から抽出後、可逆式圧延機2にて所定の板厚まで圧延された厚鋼板(以下、単に鋼板ともいう)10は、第1冷却設備3に搬送されて、これを通過しながら水冷され、次いで、第2冷却設備4に搬送されて、ここで停止またはオシレーションされながら水冷された後、搬送を逆方向にして、再び第1冷却設備3に搬送され、これを通過しながら水冷される。
ここで、第1冷却設備3は、図2に示すような通過冷却式の冷却設備であり、鋼板10の上面に冷却水を供給する上面冷却装置が、鋼板上面に向けて斜めに棒状冷却水23を噴射する上ノズル22を搬送方向に6列ずつ有した上ヘッダ21を2個、搬送方向に互いに対向するように設置した冷却装置であるとともに、鋼板10の下面に冷却水を供給する下面冷却装置が、鋼板下面に向けて垂直に棒状冷却水33を噴射する下ノズル32を搬送方向に3列ずつ有した下ヘッダ31を、テーブルローラ13を挟んで2個設置した冷却装置となっている。
このように、第1冷却設備3は、上面冷却装置が棒状冷却水23を搬送方向に互いに対向するように噴射するようになっているので、供給された冷却水自身が鋼板10上の滞留冷却水24を堰き止めて適切に水切りを行うようになり、均一で安定した冷却を行うことが可能になっている。
ちなみに、本発明の棒状冷却水とは、円形状(楕円や多角の形状も含む)のノズル噴出口から噴射される冷却水のことを指している。また、本発明の棒状冷却水は、スプレー状の噴流でなく、膜状のラミナーフローでなく、ノズル噴出口から鋼板に衝突するまでの水流の断面がほぼ円形に保たれ、連続性で直進性のある水流の冷却水をいう。
なお、第1の冷却設備3は、可逆式圧延機2と第2冷却設備4の間にあればよく、望ましくは、可逆式圧延機2の直近もしくは第2冷却設備4近傍に設置するのがよい。ただし、第1の冷却設備3からは冷却水が板幅方向外側に流れ出るから、可逆式圧延機2のサイドガイドと同じ位置でない方がよく、また、圧延材の測定センサーの近くであると、板厚や温度などの測定ができなくなるから、測定センサー設置位置からはある程度離れた位置に設置すればよい。
もし、第1冷却設備3が加熱炉1と可逆式圧延機2の間にあると、第2冷却設備4への搬送時間が長くなるので、生産性の向上効果が小さくなるのでよくない。また、第1冷却設備3が第2冷却設備4よりもさらに搬送方向下流側にあっても搬送時間が長くなるのでよくない。
そして、第1の冷却設備3は、通常、第2の冷却設備4と合わせて使用するので、短い冷却時間である程度の温度降下を得るために、多量の冷却水を供給する必要があり、流量密度は4m/mmin以上でなければならない。また、冷却水が鋼板に当たる冷却ゾーンの長さは0.5〜5mでなければならない。冷却ゾーンが長いとその分、多くの冷却水を必要とするため、設備コストがかかるとともに、第2の冷却設備4が可逆式圧延機2から遠くなり、鋼板の搬送時間が長くなるので、生産性向上効果が小さくなるからである。ここで、冷却ゾーンとは図2に示すように冷却水が最初に供給される地点から最後に供給される地点の距離のことである。
一方、第2の冷却設備4は、従来と同様の冷却設備であり、鋼板全体が収まるような長さを備えた滞在冷却式で、比較的低い水量密度のシャワー冷却設備である。
すなわち、第2の冷却設備4は、鋼板全体をその中に収めて、停止またはオシレーション冷却を行うために、冷却設備の長さが鋼板の長さより長くなければならないので、15〜35m程度の長さが必要である。ただし、鋼板全体が設備内に収まればよいので、不必要に長い設備でなくてよい。長い冷却設備では流量密度を大きくするとポンプや送水配管、排水ピットなどの設備コストが高くなるので、従来の設備のように比較的低い流量密度、具体的には0.05〜1m/mminがよく、より好ましくは0.05〜0.2m/mmin程度に抑えた方がよい。0.05m/mminより少ないと冷却能力が小さすぎるうえ、冷却後の乗り水(滞留冷却水)が鋼板上でまばらになり、冷却むらが発生しやすい。1m/mminより多いとポンプや配管などの設備コストが異常に高くなるうえ、冷却後の乗り水が冷却設備外にも流れて、水切りができなくなり、冷却むらが発生しやすい。
そして、上記のような第1冷却設備3と第2冷却設備4を用いて鋼板10を冷却する手順とその際の冷却水使用量の経時変化の例を図3に示す。
すなわち、図3に示すように、第1冷却設備3を鋼板先端が通過するよりも早く、第1冷却設備3の注水を開始する。第1冷却設備3を鋼板先端が通過した後の注水停止はいつでもよい。第2冷却設備4に鋼板全体が進入後、オシレーションを開始し、すぐに第2冷却設備4の注水を開始する。所定の温度降下が得られたら、注水を停止し、オシレーションを終了する。直ちに搬送を開始して鋼板を第1冷却設備3に送るが、鋼板先端が第1冷却設備3を通過するよりも先に第1冷却設備3の注水を開始しておく。鋼板尾端が第1冷却設備3を通過した後の注水停止はいつでもよい。
なお、上記において、第1冷却設備3の配管系と第2冷却設備4の配管系を統合・共通化して、第1冷却設備3への注水と第2冷却設備4への注水を3方弁で切り替えて行うようにしてもよい。それによって、第1冷却設備3と第2冷却設備4で別々に配管系を設置する場合よりも、配管などの設備費がはるかに安くすることができる。また、冷却水を効率よく使用でき、ランニングコストを抑えることができる。
このようにして、この実施形態においては、高い水量密度で通過冷却式の第1冷却設備3と低い水量密度で滞在冷却式の第2冷却設備4を適切に組み合わせて圧延材を冷却するようにしているので、厚鋼板を制御圧延によって製造する場合等において、圧延材の冷却待ち時間を短縮でき、生産性を飛躍的に向上させることができる。
なお、ここでは、図1に示したように、鋼板を1枚ずつ圧延する場合について説明したが、図4に示すように、先行鋼板が冷却待ちをしている間に、後続鋼板の粗圧延(制御圧延の前の段階)を行ってもよい。このようにすると、生産能率を向上させることができるから好適である。
そこで、第2冷却設備4は、従来からそうであるが、可逆式圧延機2からの距離が15〜30m程度であることが望ましい。これによって、上述したように、先行鋼板が冷却待ちをしている間に、後続鋼板の粗圧延を行って、生産能率を向上させることができるからである。後続鋼板は制御圧延を行う前の段階であり、板厚が比較的厚く、その長さは通常30m以内に収まるので、可逆式圧延機2から第2冷却設備4までの好適な距離が上記のように決まる。
また、ここでは、図2に示したように、第1冷却設備3の下面冷却装置として、垂直なノズルから棒状冷却水を噴射する冷却装置を用いているが、本発明はこれに限るものではなく、第1冷却設備3の下面冷却装置としては、スリットノズルから膜状冷却水を噴射する冷却装置でもよいし、スプレーノズルから噴霧状冷却水を噴射する冷却装置でもよい。
さらに、ここでは、図1に示したように、鋼板10の往復搬送中に第1冷却設備3による水冷を2回行っているが、目標とする温度降下量が小さい時には、水冷を1回だけ行ってもよい。それによって、第2冷却設備4での水冷ないしは空冷待機の時間を短くできれば、それで充分な効果を発揮する。また、鋼板10が第1冷却設備3を2往復以上するような搬送を行って冷却してもよい。
そして、既に第2冷却設備4が設置されている場合でも、設置スペースをあまりとらない第1冷却設備3を増設することは比較的簡単である。第1冷却設備3での水冷と第2冷却設備4での水冷は時間的に重複しないから、送水ポンプや配管を共用するような増設も可能である。それによって、冷却待ちの時間を短縮して制御圧延材等の生産性を向上させるという本発明の効果が十分に得られる。
本発明の実施例として、図1〜図3で示した本発明の一実施形態に基づいて厚鋼板を製造した。その際、第1冷却設備3と第2冷却設備4を用いて冷却した場合を本発明例、第2冷却設備4のみを用いて冷却した場合を比較例とし、それぞれ5種類の鋼板A〜Eの冷却を行った。
なお、制御圧延開始板厚は、鋼板Aが40mm、鋼板B、Dが30mm、鋼板C、Eが20mmであり、冷却時の鋼板長さは、鋼板A〜Dが20m、鋼板Eが30mであった。
また、冷却待ちのために圧延を中断する温度は全て950℃であり、鋼板A〜CとEは800℃で制御圧延を開始(圧延を再開)し、鋼板Dは890℃で制御圧延を開始(圧延を再開)した。搬送速度は4m/sであり、可逆式圧延機2と第2冷却設備4の間を往復するのに要した時間は20sであった。
そして、前述したように、第1冷却設備3は、図2に示すような通過冷却式の冷却設備であり、鋼板上面に流量密度4m/mminの棒状冷却水を供給し、鋼板下面に流量密度5.5m/mminの棒状冷却水を供給した。冷却水が最初に供給される地点から最後に供給される地点の距離として定義した冷却ゾーンの長さは1mであった。
また、前述したように、第2冷却設備は、従来技術と同様な滞在冷却式のシャワー冷却設備であり、冷却ゾーン長さは25mで、鋼板上面に流量密度0.1m/mminの冷却水を供給し、鋼板下面に流量密度0.2m/mminの冷却水を供給した。
上記のようにして鋼板A〜Eの冷却を行った結果を図5および表1に示す。なお、鋼板Eでは、鋼板全体が第2冷却設備4に収まらないので、第2冷却設備4では水冷ができず、空冷待機するだけであった。
Figure 0004876960
まず、図5(a)〜(c)は、それぞれ、鋼板B、D、Eの圧延中断から圧延再開までの温度履歴を示す図であり、本発明例では比較例よりも冷却待ち時間(圧延中断から圧延再開までの時間)が短縮していることが分かる。
そして、表1に示すように、比較例では、鋼板A〜Dは20sの搬送中に空冷され、第2冷却設備に入ってから水冷されたが、水冷に要した時間(冷却待ち時間)は、板厚が厚いほど、また圧延中断温度と圧延再開温度(制御圧延開始温度)の差が大きいほど長くかかった。特に、鋼板Aでは、冷却待ち時間が74sもかかり、生産性が低かった。さらに、鋼板Eでは、空冷待機するだけであったので、冷却待ち時間が100sもかかり、生産性が著しく低かった。
これに対して、本発明例では、鋼板A〜Eが第2冷却設備4まで往復搬送される途中で、第1冷却設備3を通過中に大流量密度の冷却水を供給して2回の冷却を行ったので、第1冷却設備3での水冷時間は往復で0.5sと短かったにもかかわらず、鋼板の温度降下は30〜40℃もあった。その分、鋼板A〜Dについては、第2冷却設備4での水冷時間を短縮することができた。特に、鋼板Dでは、第2冷却設備4での水冷は行わず、鋼板の尾端が第1冷却設備3を通過したらすぐに逆方向に搬送させることができた。さらに、第2冷却設備での水冷が行えなかった鋼板Eでも、鋼板の尾端が第1冷却設備を通過したら40s間空冷待機させた後、逆方向に搬送することができた。
その結果、本発明例では、比較例に比べて、冷却待ち時間が、鋼板A〜Dでは12s、鋼板Eでは40sの短縮が実現できた。鋼板1枚を製造するのに要する時間は平均で240s程度であったから、5〜17%も生産性を向上させることができた。
しかも、第1冷冷却設備3の冷却ゾーンの長さは1mと短かったので、冷却水量は、第2冷却設備とほぼ同等であり、冷却水を効率よく使用でき、ランニングコストを抑えることができた。
本発明の一実施形態における厚鋼板の製造設備とそれによる厚鋼板の搬送・冷却パターンを表す図である。 第1冷却設備を表す図である。 本発明の一実施形態において、鋼板を冷却する手順とその際の冷却水使用量の経時変化の例を表す図である。 本発明の一実施形態における厚鋼板の搬送・冷却パターンの他の例を表す図である。 本発明の実施例における圧延中断から圧延再開までの温度履歴を表す図である。
符号の説明
1 加熱炉
2 可逆式圧延機
3 第1冷却設備
4 第2冷却設備
10 鋼板(厚鋼板)
13 テーブルローラ
21 上ヘッダ
22 上ノズル
23 棒状冷却水
24 滞留冷却水
31 下ヘッダ
32 下ノズル
33 棒状冷却水

Claims (4)

  1. 加熱炉、可逆式圧延機、第1の冷却設備、第2の冷却設備の順に配置された厚鋼板の製造設備であって、
    前記第1の冷却設備は、長さ0.5〜5mにわたって流量密度4m3/m2min以上の冷却水を厚鋼板の上下面に供給する設備であるとともに、その内、厚鋼板の上面に冷却水を供給する上面冷却装置は、厚鋼板上面に向けて斜めに冷却水を供給するノズルを搬送方向に複数列有して、搬送方向に互いに対向するように棒状冷却水を噴射する装置であり、
    前記第2の冷却設備は、長さ15〜35mにわたって流量密度0.05〜1m3/m2minの冷却水を厚鋼板の上下面に供給する設備であることを特徴とする厚鋼板の製造設備。
  2. スラブを加熱し、可逆式圧延機で1パス以上の圧延を行った厚鋼板を、第1冷却設備内を通過させて第2冷却設備内に搬送し、第2冷却設備内で厚鋼板を停止またはオシレーションさせながら水冷を行い、次いで、第1冷却設備内を通過させて可逆式圧延機に搬送して1パス以上の圧延を行う厚鋼板の製造方法であって、
    前記第1冷却設備内を通過する2回のうち少なくとも1回以上、厚鋼板を停止させることなく、長さ0.5〜5mにわたって流量密度4m3/m2min以上の冷却水を厚鋼板上下面に供給し、かつその厚鋼板上面の冷却は、厚鋼板上面に向けて斜めに対向するように棒状冷却水を噴射して行うものであり、
    前記第2冷却設備での冷却は、長さ15〜35mにわたって流量密度0.05〜1m3/m2minの冷却水を鋼板上下面に供給して行うものであることを特徴とする厚鋼板の製造方法。
  3. 同一の冷却水配管から第1冷却設備と第2冷却設備に冷却水を供給できるようにし、第1冷却設備内での冷却と第2冷却設備内での冷却とを、冷却水の供給を切り替えて行うことを特徴とする請求項2に記載の厚鋼板の製造方法。
  4. 当該厚鋼板の圧延の最初のパスと最終パスとの間に、後続する厚鋼板の圧延を少なくとも1回以上行うことを特徴とする請求項2または3に記載の厚鋼板の製造方法。
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