JP4874672B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カウンタウェイトを備えないエレベータ装置に関するものである。
通常のエレベータは、所謂つるべ式エレベータと呼ばれるものであり、これは乗りかごと同程度の重量のカウンタウェイト(釣合い錘)が設けられ、巻上機に巻回されたロープの一方で乗りかごを吊下し、ロープの他方でカウンタウェイトを吊下するものである。したがって、巻上機の両側のロープに加わる張力はほぼ釣り合い、巻上機は比較的小さなトルクで乗りかごを昇降動させることができる。しかし、このつるべ式エレベータはカウンタウェイトの分だけ広い昇降路面積を必要とするため、建物の有効スペースの確保という観点からは最良の方式とは言い難いものである。
そこで、最近はカウンタウェイトを不要とする方式のエレベータ装置が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方式では、カウンタウェイトが設けられていないことから、巻上機両側のロープに張力を発生させる工夫や、巻上機の駆動トルクを低減させる工夫が必要となる。
図10は、特許文献1に係る従来のエレベータ装置の構成を示す説明図である。この図において、乗りかご101の正面側にはかごドア102が設けられ、背面側には軸103を支点としてレバー104が揺動可能に取り付けられている。
乗りかご101が昇降動する昇降路の上部には上部固定滑車105〜108が配設されると共に、昇降路の下部には下部固定滑車109〜112が配設されている。また、乗りかご101の側面部には上部動滑車113〜115、及び下部固定滑車109〜112が取り付けられている。そして、上部固定滑車108の上方には巻上機119が配設されている。
レバー104の上面側に一端側が取り付けられたロープ120は、滑車105,113,106,114,107,115,108を経由した後に巻上機119に巻回されており、一方、レバー104の下面側に他端側が取り付けられたロープ120は、滑車109,116,110,117,111,118,112を経由した後に、巻上機119に巻回されている。
ここで、上記の構成において、上部固定滑車105〜108及び上部動滑車113〜115の他に、下部固定滑車109〜112及び下部固定滑車109〜112が設けられている理由につき、図11を参照しつつ考察する。
いま、仮想的に、上部固定滑車105を除去し、代わりにその部分に設けた固定壁にロープ120の一端側を取り付けると共に、上部固定滑車108の直ぐ下側でロープ120を切断した状態を考え、この状態で乗りかご101が吊下されているものとする。
すると、乗りかご101は上部動滑車113〜115の各両側の合計6本のロープによって吊下されていると考えることができるので、乗りかご101の重量をMとすると、ロープ1本当たりに加わる張力はM/6となる。したがって、固定壁に取り付けられたロープ部分にも、上部動滑車113側のロープ部分の張力の反力としてM/6が加わり、また、上部固定滑車108側の一方の側のロープ部分にも、上部動滑車115側のロープ部分の張力の反力としてT1=M/6が加わわることになる。しかし、上部固定滑車108側の他方の側のロープ部分は途中で切断されているため、このロープ部分に張力が加わることはなく、その張力T2はゼロとなる。したがって、実際にはこのような状態では乗りかご101が吊下されることはなく、乗りかご101は下方に落下してしまうことになる。
そこで、乗りかご101を下方に落下させないようにするためには、張力T2をゼロではなく、ある程度大きな値とする必要がある。それ故、図10の従来装置では、一定以上の大きさの張力T2を確保するために、下部固定滑車109〜112及び下部固定滑車109〜112を設け、上部固定滑車108から下方に巻出されたロープ120がこれらの滑車を経由した後、その他端側がレバー104の下面側に取り付けられる構成としている。
そして、張力T1,T2の大きさの比は、レバー104上におけるロープ120の一端側及び他端側の取付地点の距離a,bによって決まり、T1>T2となる。巻上機119は、この張力差T1−T2が加わった状態で、乗りかご101を昇降動させるための駆動トルクを発生することになる。
また、ある程度の期間が経過すると、ロープ120には経年変化による伸びが発生するが、この伸び量はレバー104が軸103を支点にして揺動することにより吸収されるようになっている。
国際特許出願公開公報 WO 2004/067429 A1
上述した図10の従来装置では、上部固定滑車105〜108及び上部動滑車113〜115の他に、下部固定滑車109〜112及び下部固定滑車109〜112が設けられているので、巻上機119の両側のロープ部分に張力T1,T2を発生させることができ、また、これらの張力T1,T2も乗りかご101の重量Mの1/6程度であるため、巻上機119の必要な駆動トルクも低減されたものになっている。
しかし、レバー104のような乗りかご101の背面側から突出する部材の存在は、その分広い昇降路面積が必要となり、建物の有効スペースを狭める結果となっている。
また、ロープ120の経年変化による伸び量は、レバー104が揺動することで吸収されるようになっているが、カウンタウェイトを備えていないエレベータ装置のロープ長さは、つるべ方式のエレベータ装置に比べて非常に長くなるため、レバー104の揺動だけでは吸収できない場合が生じる虞がある。そのような場合には、ロープ120を切断して長さを短くするなどのメンテナンス作業を実施しなければならず、かなりの時間及び労力を費やす結果となる。
更に、乗りかご101の側面には複数の上部動滑車113〜115及び下部動滑車116〜118が取り付けられているが、このような多数の滑車の回転に伴う振動・騒音は、当然のことながらかご内の乗客に伝わってしまうため、乗り心地を悪化させる結果となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、建物の有効スペースを狭める原因となるような部材を省略することができると共に、メンテナンス作業を実施することなく経年変化によるロープの伸びを吸収することができ、更に乗り心地の悪化を極力抑制することができる、カウンタウェイトを備えていないエレベータ装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、昇降路内を昇降動可能に配設された乗りかごと、前記昇降路の上部に配設された上部固定滑車と、前記上部固定滑車の下方に配設された上部動滑車と、前記乗りかごの上部に配設されたかご支え動滑車と、前記昇降路の下部に配設された下部固定滑車と、前記下部固定滑車の上方に配設され、且つ前記上部動滑車との間の位置関係が固定されている下部動滑車と、一端側が前記昇降路上部に取り付けられて前記上部動滑車、前記上部固定滑車及び前記かご支え動滑車を経由すると共に、他端側が前記昇降路下部に取り付けられて前記下部動滑車及び前記下部固定滑車を経由するようにロープが巻回されており、この巻回されたロープを巻き上げ駆動することにより前記乗りかごを昇降動させる巻上機と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記上部動滑車及び前記かご支え動滑車の合計滑車数は、前記下部動滑車の滑車数と等しくなっている、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記かご支え動滑車が複数個である場合、前記合計滑車数に含める個数については、前記ロープの1回分の折り返しに寄与するものをまとめて1個とする、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記上部動滑車及び前記下部動滑車は、同一の動滑車固定板に固定されている、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記動滑車固定板は、振動・騒音吸収部材を介して前記乗りかごに取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記動滑車固定板及び前記振動・騒音吸収部材には、前記ロープの経年変化に起因する伸びよりも充分な長さを有する長孔が垂直方向に延びるように形成されており、前記動滑車固定板及び前記振動・騒音吸収部材は、この長孔を挿通する係着手段により前記乗りかごに係着され、前記長孔の長さの範囲内で垂直方向に変位可能となっている、ことを特徴とする。
本発明によれば、乗りかご上部にかご支え動滑車が設けられると共に、上部動滑車と下部動滑車との間の位置関係が固定されており、更に、昇降路上部及び下部にロープの一端側及び他端側が取り付けられた構成となっているので、建物の有効スペースを狭める原因となるような部材を省略することができると共に、メンテナンス作業を実施することなく経年変化によるロープの伸びを吸収することができ、更に乗り心地の悪化を極力抑制することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るエレベータ装置の構成図である。乗りかご1の正面側にはかごドア2が設けられ、上部にはかご支え動滑車3,4が取り付けられている。乗りかご1が昇降動する昇降路上部には、巻上機5、及び上部固定滑車6,7が配設され、昇降路下部には下部固定滑車8〜11が配設されている。
乗りかご1の側方には動滑車固定板12が配置されており、この動滑車固定板12に上部動滑車13,14及び下部動滑車15〜17が固定されている。そして、乗りかご1には、図10におけるレバー104のようなかご外へ向かって突出する部材は設けられていない。
ロープ18は、その一端側が上部固定壁19に取り付けられており、上部動滑車13、上部固定滑車6、上部動滑車14、上部固定滑車7、及びかご支え動滑車3,4を経由して巻上機5に巻回されている。ロープ18は、また、その他端側が下部固定壁20に取り付けられており、下部動滑車15、下部固定滑車8、下部動滑車16、下部固定滑車9、下部動滑車17、及び下部固定滑車10,11を経由して巻上機5に巻回されている。なお、かご支え動滑車3,4のロープ送り方向は上部固定滑車6,7に対して垂直となっており、下部固定滑車10,11のロープ送り方向も下部固定滑車8,9に対して垂直となっている。
動滑車固定板12に取り付けられている動滑車数は、上部動滑車が2個、下部動滑車が3個であり、上部動滑車の方が1個分少なくなっているが、この少なくなっている分はかご支え動滑車3,4により補償されている。したがって、図1の構成全体としては、上部動滑車数と下部動滑車数とは実質的に等しくなっており、両者は釣り合っていると考えることができる。但し、この場合の滑車数は、ロープ18の1回分の折り返しに寄与するものをまとめて1個にカウントする。上記の例で言えば、上部固定滑車7から下がっているロープ18は、2個のかご支え動滑車3,4で折り返された後に巻上機5に向かって立ち上がっているので、これら2個のかご支え動滑車3,4は下部動滑車15〜17との間の釣り合いを考える場合には1個と数えることになる。
次に、図1の構成において、ロープ18の各部分に作用する張力につき図2を参照しつつ説明する。まず、乗りかご1(重量をMとする)は、かご支え動滑車3,4の両サイド2本のロープにより吊下されているので、これら2本のロープの張力はそれぞれM/2である。したがって、これらの張力の反力として巻上機5の左側部分、及び上部固定滑車7の右側部分にもそれぞれM/2の張力が加わる。
上部固定滑車7に巻回されているロープの右側部分と左側部分とは釣り合っているはずなので、上部固定滑車7の左側部分の張力はM/2である。そして、この上部固定滑車7の左側部分の張力M/2の反力として、上部動滑車14の右側部分にもM/2の張力が加わっている。また、上部動滑車14に巻回されているロープの右側部分と左側部分とは釣り合っているはずなので、上部動滑車14の左側部分の張力はM/2である。
以下、同様にして、上部固定滑車6の左右両側、上部動滑車13の左右両側、及び上部固定壁19におけるロープ18の各部分の張力を求めると、図2に図示したように、いずれもM/2となる。
したがって、動滑車固定板12は、上部動滑車13,14に巻回されている4本のロープにより、(M/2)×4=2Mの張力で上方に牽引されている。動滑車固定板12がこの上方への牽引力に抗して静止しているためには、動滑車固定板12に下方への牽引力2Mが作用していなければならない。この下方への牽引力2Mは、下部動滑車15〜17に巻回されている6本の合計張力であるから、1本当たりの張力は2M÷6=M/3となる。それ故、下部固定壁20、下部固定滑車8〜11の左右両側、巻上機5の右側部分における各張力もM/3となる。
上記のように、巻上機5に巻回されているロープの左側部分の張力はM/2、右側部分の張力はM/3であるから、巻上機5には、(M/2)−(M/3)=M/6の張力が加わっている。したがって、巻上機5の径をDとすれば、巻上機5に必要な駆動トルクは(M/6)・D/2の小さなトルクでよい。
一般に、動滑車固定板12に取り付けられる下部動滑車の個数をN(Nは2以上の整数)、上部動滑車の個数をN−1とすると、巻上機5に必要な駆動トルクは{M・(D/2)/N(N−1)}となり、動滑車数を多くするほど駆動トルクを小さくすることができる。
なお、上部動滑車13,14の4本のロープの張力はM/2、下部動滑車15〜17の6本のロープの張力は張力はM/3であるから、両者の張力の比は3/2となるが、これは動滑車固定板12に取り付けられている上部動滑車数と下部動滑車数との比2/3に対して逆数の関係になっている。
次に、巻上機5がロープ18の巻上動作を行った場合の乗りかご1及び動滑車固定板12の移動量を図3を参照しつつ説明する。巻上機5が、例えば右回り方向に1回転し、そのときのロープ18の送り量をLとすると、巻上機5の右側から下部固定壁20に至る区間(以後、この区間のロープを「下部ロープ」と呼ぶ)において、長さLのロープ部分が余ることになる。各滑車間のロープの張力を図2に示した状態に維持するためには、動滑車固定板12に固定された下部動滑車15〜17が上昇することにより、下部動滑車15〜17に巻回された6本のロープでこの余った部分の長さLを吸収してやればよい。このときのロープ1本当たりの吸収分はL/6であるから、動滑車固定板12の上昇量もL/6となる。
一方、巻上機5の左側から上部固定壁19に至る区間(以後、この区間のロープを「上部ロープ」と呼ぶ)においては、長さLのロープ部分が不足することになる。しかし、動滑車固定板12が上記のようにL/6だけ上昇するのであるから、上部動滑車13,14に巻回された4本のロープにより(L/6)×4=4L/6だけ、この不足分は補完されていることになる。したがって、残りの2L/6はかご支え動滑車3,4の両サイド2本のロープ部分により補完されることになり、1本当たりの補完量はL/6となる。つまり、乗りかご1の上昇量もL/6となる。
このように、巻上機5がロープ18の巻上動作を行うと、乗りかご1と共に動滑車固定板12も移動し、このときの両者の移動量は常に等しくなる。つまり、動滑車固定板12は乗りかご1と一定の距離を維持した状態で乗りかご1と共に移動する。それ故、図1に示したように、乗りかご1の側方に動滑車固定板12を配置しただけとし、動滑車固定板12を乗りかご1に取り付けない構成を採用することができる。そして、図1の構成によれば、かご支え動滑車3,4以外の動滑車は全て動滑車固定板12に取り付けられ、乗りかご1から離間した状態となっているので、これらの動滑車の回転に伴って発生する振動・騒音が直接乗りかご1に伝わることを防止することができ、乗り心地を向上させることが可能になる。
次に、ロープ18に経年変化による伸びが発生した場合における各部材の挙動につき説明する。ロープ18の伸びは、実際には上部固定壁19から下部固定壁20までに至る全長区間に渡って発生するが、理解を容易にするため、「上部ロープ」に伸びが発生した場合、及び「下部ロープ」に伸びが発生した場合の2つの場合に分けて説明する。
まず、上部ロープに伸びが発生した場合につき図4を参照しつつ説明する。上部ロープの伸び量をδとすると、この伸び量δは乗りかご1の下降量となって現れる。何故なら、動滑車固定板12は、上部動滑車13,14に巻回された4本のロープによる上方への牽引力と、下部動滑車15〜17に巻回された6本のロープによる下方への牽引力とによって安定した状態で釣り合っており、伸び量δはかご支え動滑車3,4の両サイド2本のロープのたるみ量となって優先して現れるからである。この2本のロープにより伸び量δを分担するのであるから、1本当たりのロープのたるみ量はδ/2となり、したがって、乗りかご1はδ/2だけ下降する。つまり、上部ロープに発生した伸び量がδの場合、この伸び量δは乗りかご1のδ/2の下降により吸収されることになる。
次いで、下部ロープに伸びが発生した場合につき図5を参照しつつ説明する。下部ロープの伸び量をδとすると、下部ロープの敷設区間における移動可能な部材は動滑車固定板12のみであるから、この伸び量δは動滑車固定板12の上昇量となって現れる他はない。そして、この上昇量は下部動滑車15〜17に巻回された6本のロープのたるみ量となって現れ、ロープ1本当たりのたるみ量はδ/6である。したがって、動滑車固定板12の上昇量はδ/6である。
動滑車固定板12がδ/6だけ上昇すると、上部動滑車13,14に巻回された4本の各ロープにもδ/6のたるみが現れるので、その合計たるみ量はδ/6×4=2δ/3となる。この2δ/3のたるみ量は、かご支え動滑車3,4の両サイド2本のロープにより吸収されなければならない。したがって、ロープ1本当たりの吸収量はδ/3となり、乗りかご1はδ/3だけ下降する。つまり、下部ロープに発生した伸び量がδの場合、この伸び量δは、動滑車固定板12のδ/6の上昇、及び乗りかご1のδ/3の下降により吸収されることになる。
このように、図1の構成によれば、ロープ18に経年変化による伸びが発生したとしても、この伸びは乗りかご1の下降、又は、動滑車固定板12の上昇及び乗りかご1の下降により自然に吸収されるようになっている。したがって、その伸び量が大きくなった場合であっても、従来装置のように伸びが吸収できなくなり、メンテナンス作業の実施が必要となることはない。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るエレベータ装置の構成図である。図6が図1と異なる点は、動滑車固定板12が振動・騒音吸収部材21を介して乗りかご1の側面部に取り付けられており、更に、これら動滑車固定板12及び振動・騒音吸収部材21は、動滑車固定板12の長孔12a及び振動・騒音吸収部材21の長孔(図示せず)を挿通する係着手段22により垂直方向に変位可能となっている点である。
既述したように、動滑車固定板12は乗りかご1と一定の距離を維持した状態で乗りかご1と共に移動するため、図1の第1の実施形態の構成では、動滑車固定板12は単に乗りかご1の側方に配置されているだけであり、乗りかご1に取り付けられているわけではない。しかし、地震等の災害発生を考慮した場合、この動滑車固定板12は図1のように宙づり状態で配置されているよりも、やはり乗りかご1に取り付けられている方が構造的には好ましいと考えられる。そこで、この第2の実施形態では、動滑車固定板12を乗りかご1の側面部に取り付けた構成としているが、その場合でも、動滑車固定板12に取り付けられた動滑車の回転に伴う振動・騒音が極力乗りかご1内の乗客に伝わらないようにすると共に、ロープ18の経年変化による伸びの吸収が阻害されないように工夫した構成としている。
図7は、図6における動滑車固定板12及び振動・騒音吸収部材21に対する係着手段22の係着構造を示した部分拡大図である。
係着手段22は、当て板23、ナット24、及びボルト25により構成されている。ナット24は当て板23の平坦面上に溶着されており、ボルト25の先端部が乗りかご1の側面部内側から長孔12a(振動・騒音吸収部材21の長孔は図示を省略している)を挿通してこのナット24に螺着している。また、長孔12aの幅l1は、ボルト25の径よりも僅かに大きなものであり、長手方向の長さl2は、ロープ18の経年変化に起因して発生する伸び量よりも充分に長くなっている。
したがって、係着手段22は水平方向の変位は拘束されるが、垂直方向への変位は長孔12aの長さl2の範囲内で許容される。それ故、動滑車固定板12及び振動・騒音吸収部材21が乗りかご1の側面部に取り付けられた構成であるにもかかわらず、ロープ18の経年変化による伸びの吸収が阻害されることはない。
図8は、本発明の第3の実施形態に係るエレベータ装置の構成図である。図8が図6と異なる点は、動滑車固定板12に取り付けられた上部動滑車は上部動滑車13のみの1個となり、かご支え動滑車3,4の間に、かご支え動滑車26,27及び上部固定滑車28が追加された点である。
既述したように、下部動滑車15〜17との間の釣り合いを考える上での動滑車の個数については、ロープ18の1回分の折り返しに寄与するものをまとめて1個にカウントするのであるから、図8の構成の場合は、かご支え動滑車3,26で1個の動滑車を構成し、かご支え動滑車27,4更にもう1個の動滑車を構成していると考えることができる。したがって、上部動滑車13、かご支え動滑車3,26及び27,4の実質的な合計滑車数は3個となり、3個の下部動滑車15〜17との間で釣り合いが取れていることになる。
図8の構成におけるロープ18の各部分に作用する張力については、図2において既述したので詳述は避けるが、図2で説明したのと同様の考え方に基づき求めることができる。すなわち、図1の構成においては、上部ロープの各部分の張力はM/2であり、下部ロープの各部分の張力はM/3であったが、図8の構成の場合は、上部ロープの各部分の張力がM/4となり、下部ロープの各部分の張力がM/12となる。
したがって、巻上機5の左右両側のロープの張力差は、(M/4)−(M/12)=M/6となり、巻上機5に必要な駆動トルクは(M/6)・D/2となる。この駆動トルクの値は図1又は図6の構成の場合と同じであるが、ロープの張力の値については図1又は図6の構成よりも小さくなっているため、巻上機5に対して加わるロープの下向き荷重を低減できるという効果を得ることができる。
上記の(M/4)と(M/12)との張力比は(3/1)であるが、これは動滑車固定板12に取り付けられる上部動滑車数と下部動滑車数との比(1/3)に対して逆数の関係になっており、図2で前述した通りの関係になっている。つまり、下部動滑車数に比べて上部動滑車数を少なくするほどロープ張力の値を小さくすることができ、巻上機5に対して加わるロープの下向き荷重を大幅に低減できることになる。
なお、上述の各実施形態では、上部動滑車及び下部動滑車が動滑車固定板12に固定されている構成を示したが、必ずしも動滑車固定板12を用いる必要はなく、上部動滑車と下部動滑車との間の位置関係を固定できれば、その他の構成を採用することが可能である。
例えば、図9に示すように、下部動滑車15〜17の間に上部動滑車13,14を介挿し、これら複数の動滑車を軸部材29により同心状に組み付けた構成を採用することも可能である。
本発明の第1の実施形態に係るエレベータ装置の構成図。 図1におけるロープの各部分に作用する張力についての説明図。 図1における乗りかご及び動滑車固定板の移動量についての説明図。 図1における上部ロープに伸びが発生した場合の説明図。 図1における下部ロープに伸びが発生した場合の説明図。 本発明の第2の実施形態に係るエレベータ装置の構成図。 図6における係着手段の構造を示した部分拡大図。 本発明の第3の実施形態に係るエレベータ装置の構成図。 図1における上部動滑車及び下部動滑車の固定構造についての変形例を示した説明図。 従来のエレベータ装置の構成図。 図10の構成の必要性について説明するための説明図。
符号の説明
1 乗りかご
2 かごドア
3,4 かご支え動滑車
5 巻上機
6,7 上部固定滑車
8〜11 下部固定滑車
12 動滑車固定板
12a 長孔
13,14 上部動滑車
15〜17 下部動滑車
18 ロープ
19 上部固定壁
20 下部固定壁
21 振動・騒音吸収部材
22 係着手段
23 当て板
24 ナット
25 ボルト
26,27 かご支え動滑車
28 上部固定滑車
29 軸部材

Claims (6)

  1. 昇降路内を昇降動可能に配設された乗りかごと、
    前記昇降路の上部に配設された上部固定滑車と、
    前記上部固定滑車の下方に配設された上部動滑車と、
    前記乗りかごの上部に配設されたかご支え動滑車と、
    前記昇降路の下部に配設された下部固定滑車と、
    前記下部固定滑車の上方に配設され、且つ前記上部動滑車との間の位置関係が固定されている下部動滑車と、
    一端側が前記昇降路上部に取り付けられて前記上部動滑車、前記上部固定滑車及び前記かご支え動滑車を経由すると共に、他端側が前記昇降路下部に取り付けられて前記下部動滑車及び前記下部固定滑車を経由するようにロープが巻回されており、この巻回されたロープを巻き上げ駆動することにより前記乗りかごを昇降動させる巻上機と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記上部動滑車及び前記かご支え動滑車の合計滑車数は、前記下部動滑車の滑車数と等しくなっている、
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。
  3. 前記かご支え動滑車が複数個である場合、前記合計滑車数に含める個数については、前記ロープの1回分の折り返しに寄与するものをまとめて1個とする、
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のエレベータ装置。
  4. 前記上部動滑車及び前記下部動滑車は、同一の動滑車固定板に固定されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータ装置。
  5. 前記動滑車固定板は、振動・騒音吸収部材を介して前記乗りかごに取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項4記載のエレベータ装置。
  6. 前記動滑車固定板及び前記振動・騒音吸収部材には、前記ロープの経年変化に起因する伸びよりも充分な長さを有する長孔が垂直方向に延びるように形成されており、前記動滑車固定板及び前記振動・騒音吸収部材は、この長孔を挿通する係着手段により前記乗りかごに係着され、前記長孔の長さの範囲内で垂直方向に変位可能となっている、
    ことを特徴とする請求項5記載のエレベータ装置。
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