JP4872206B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムに関する。
燃料電池は、電解質と、当該電解質の両側に配置される電極(カソード及びアノード)とを備える膜電極接合体(以下において、「MEA(Membrane Electrode Assembly)」と記述する。)における電気化学反応により発生した電気エネルギーを、このMEAの両側に配設されるセパレータを介して外部に取り出している。この燃料電池の中でも、家庭用コージェネレーション・システムや自動車等に使用される固体高分子型燃料電池(以下において、「PEFC(Polymer Electrolyte Fuel Cell)」と記述する。)は、低温領域での運転が可能であり、50〜100℃の運転温度で使用されるのが一般的である。また、PEFCは、50〜60%の高いエネルギー変換効率を示し、起動時間が短く、かつシステムが小型軽量であることから、電気自動車や携帯用電源の最適な動力源として注目されている。
PEFCのユニットセルは、電解質膜、触媒層と拡散層とを備えるカソード及びアノード、並びに、セパレータを含み、その理論起電力は1.23Vである。しかし、かかる低起電力では電気自動車等の動力源として不十分であるため、通常は、ユニットセルを直列に積層した積層体の積層方向両端にエンドプレート等を配置して構成されるスタック形態の燃料電池が使用されている。
他方、燃料電池の発電時にユニットセル内の触媒層で過酸化水素が生成され、この過酸化水素が起点となってMEAの高分子電解質を劣化させていることが明らかになりつつある。かかる劣化は、燃料電池の発電性能低下の一因となるため、MEA内の過酸化水素を低減することで上記劣化を抑制し、燃料電池の耐久性及び発電性能を向上させることが望まれている。
燃料電池の発電性能向上を目的とした技術は、これまでにいくつか開示されてきている。例えば、特許文献1には、Ptを担持した担体にCeOを担持させて成ることを特徴とする燃料電池用カソード触媒に関する技術が開示されており、かかる触媒を用いることで、カソードにおける酸素の還元反応速度を上昇させることが可能になるとしている。また、特許文献2には、カソード側の電極が、酸化物と触媒と固体高分子電解質材とからなる触媒・酸化物・高分子電解質薄層を含むことを特徴とする燃料電池に関する技術が開示されており、かかる燃料電池とすることで、クロスオーバーが抑制され、クロスオーバーによる発電性能の低下を防止することが可能になるとしている。
特開2003−100308号公報 特開2003−86192号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術により、CeOを備える触媒を予め触媒層に混入させたとしても、MEAは、外部から供給される反応ガスや内部にて生成される水等の各種物質が移動する環境であるため、上記触媒は当該物質によりMEAの外へと排出されやすい。したがって、特許文献1に開示されている技術では、MEA内においてCeOの効果を維持することは難しく、燃料電池の耐久性を向上させることは困難であるという問題があった。また、特許文献2に開示されている技術によっても、燃料電池の耐久性を向上させることは困難であるという問題があった。
そこで本発明は、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段をとる。すなわち、
請求項1に記載の発明は、電解質層及び当該電解質層の両側に設けられる電極層を備える電解質・電極構造体と、セパレータとを積層した積層体を備え、過酸化水素分解性能を有するイオンが電解質・電極構造体へと供給されることを特徴とする、燃料電池システムにより、上記課題を解決する。
ここに、本発明及び以下に示す発明において、過酸化水素分解性能を有するイオンの具体例としては、遷移金属イオン・希土類金属イオン等を挙げることができる。当該イオンを生じ得る物質としては、Mn、Fe、Pt、Pd、Ni、Cr、Cu、Ce、Se、Rb、Co、Ir、Ag、Au、Rh、Sn、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Os、Si、C等からなる単体及び上記元素を含む化合物を挙げることができる。また、本発明において、過酸化水素分解性能を有するイオンが電解質・電極構造体へと供給されていれば、その供給形態は特に限定されるものではない。当該供給形態の具体例としては、イオンを供給する手段を介して上記イオンが電解質・電極構造体へと供給される形態や、上記イオンを含有する液体燃料が電解質・電極構造体へと供給される形態等を挙げることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、イオンは、電解質・電極構造体へと供給される物質により、当該電解質・電極構造体へと運ばれ、電解質・電極構造体へと供給される物質を流通及び/又は貯蔵すべき流入ラインと、電解質・電極構造体へと供給される当該物質にイオンを添加すべきイオン添加手段とを備え、当該イオン添加手段は、流入ライン及び/又はセパレータに備えられていることを特徴とする。
ここに、本発明及び以下に示す発明において、電解質・電極構造体へと供給される物質とは、アノードへと供給される水素含有物質(例えば、水素ガス等)、カソードへと供給される酸素含有物質(例えば、空気等)、及びこれらの物質を加湿する際等に使用される水蒸気等を含む概念である。また、本発明にかかる燃料電池システムが上記水素含有物質及び/又は酸素含有物質が循環される循環系である場合、流入ラインとは、当該循環系を形成するライン全体を含む概念である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、イオン添加手段は、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物と、当該単体及び/又は化合物から溶出される過酸化水素分解性能を有するイオンの溶出を促進するイオン溶出促進手段とを備えることを特徴とする。
ここに、本発明及び以下に示す発明において、イオン溶出促進手段は、過酸化水素分解性能を有するイオンの溶出を促進する機能を有していれば、その形態は特に限定されるものではない。当該形態の具体例としては、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物を加湿することで上記イオンの溶出を促進する手段等を挙げることができる。このほか、本発明にかかる燃料電池システムが循環系の流入ラインを備える場合には、MEA(例えば、PEFCの場合にはMEAの電解質膜)から溶出した酸(例えば、硫酸等)を用いて上記イオンの溶出を促進する手段等であっても良い。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の燃料電池システムにおいて、イオン溶出促進手段は、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる溶離剤を添加する溶離剤添加手段であることを特徴とする。
ここに、本発明において、溶離剤は過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させることが可能な物質であれば、その態様は特に限定されるものではなく、溶離剤の具体例としては、液体の溶離剤(溶離液)等を挙げることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の燃料電池システムにおいて、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物が、交換可能に配置されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物は、水平方向に伸びるとともに流入ラインの一部を構成する配管の内周面に備えられており、配管の重力方向下半分の部位に備えられている上記単体及び/又は化合物の単位面積当たりの量は、配管の重力方向上半分の部位に備えられている上記単体及び/又は化合物の単位面積当たりの量よりも多いことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物の表面の少なくとも一部に、吸湿性材料が配設されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項4〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、イオン添加手段は、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる化合物と溶離剤添加手段とを備え、当該化合物は金属酸化物であるとともに、溶離剤添加手段から添加される溶離剤は酸性を示すことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項2に記載の燃料電池システムにおいて、イオン添加手段は、過酸化水素分解性能を有するイオンを含有する液体を貯蔵すべきイオン含有液体貯蔵手段と、当該イオン含有液体貯蔵手段内の液体を流入ライン及び/又はセパレータへと導入すべき導入手段とを備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の燃料電池システムにおいて、導入手段は、流入ライン及び/又はセパレータへと導入される、過酸化水素分解性能を有するイオンを含有する液体の導入形態を制御する、制御手段を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを、電解質・電極構造体(以下において、「MEA」と記述する。)の外部からMEAへと供給することが可能であるため、燃料電池発電時のMEAの内部に当該イオンを常に存在させておくことも可能になる。すなわち、本発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを用いてMEA内の過酸化水素を分解することで、過酸化水素に起因する電解質成分の劣化を抑制することが可能になる。したがって、請求項1に記載の発明によれば、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを提供することが可能になる。なお、本発明にかかる燃料電池システムが、上記イオンを含有する液体燃料がMEAへと供給される形態であっても、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを提供することが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、流入ライオン及び/又はセパレータに備えられているイオン添加手段によって、MEAに供給される物質がMEAへと到達するまでの間に、過酸化水素分解性能を有するイオンを当該物質へと添加することが可能になる。したがって、請求項2に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンをMEAへと供給することが容易になるので、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを容易に提供することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、イオン添加手段に、単体及び/又は化合物から溶出される過酸化水素分解性能を有するイオンの溶出を促進する、イオン溶出促進手段が備えられているので、MEAへと供給される物質に上記イオンをより効果的に添加することが可能になる。したがって、請求項3に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンをMEAへと供給することが一層容易になるので、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを一層容易に提供することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる溶離剤を用いて、上記イオンを溶出させるので、当該イオンを所望のタイミングで溶出させることが可能な、燃料電池システムを提供することが可能になる。
請求項5に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物が交換可能であり、当該単体及び/又は化合物を少量ずつ混入することが可能になるので、当該単体及び/又は化合物を一度に大量に混入することに起因する発電性能の低下を防止することが可能になる。したがって、請求項5に記載の発明によれば、長期に亘って発電性能を低下させることなく耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを提供することが可能になる。
請求項6に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンの溶出を促進する物質が溜まりやすい重力方向下方に、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物が多く備えられている。したがって、過酸化水素分解性能を有するイオンを効率的に溶出させることが可能になるため、容易に耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
請求項7に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる単体及び/又は化合物の表面に吸湿性材料が配設されているので、上記単体及び/又は化合物の表面に、上記イオンの溶出を促進する物質を効率的に集めることが可能になり、当該イオンの溶出を容易に促進させることが可能になる。したがって、請求項7に記載の発明によれば、耐久性を容易に向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
請求項8に記載の発明によれば、酸性の溶離剤を用いて金属酸化物から過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させるので、当該イオンを容易に溶出させることが可能になり、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが容易になる。
請求項9に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを含む液体がMEAへと供給されるので、当該イオンによりMEA内の過酸化水素をより効果的に分解し得る、燃料電池システムを提供することが可能になる。
請求項10に記載の発明によれば、過酸化水素分解性能を有するイオンを含む液体の導入形態を制御する制御手段が備えられているので、MEAへと供給される当該液体の量や、当該液体がMEAへと供給されるタイミング等を制御することが可能になる。したがって、請求項10に記載の発明によれば、上記イオン含有液体を無駄なく使用し得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
燃料電池の発電時には、触媒層で過酸化水素が生じることが知られており、この過酸化水素に起因するOHラジカルによってMEAを構成する電解質層が劣化する。これまでに、過酸化水素分解性能を有するイオンを溶出させる化合物(例えば、CeO等)をMEA内に含む構成の燃料電池に関する技術は開示されているが、従来技術における当該化合物の適用は、カソードにおける反応性向上を目的としたものに留まっており、上記イオンをMEAの外部からMEAの内部へと供給し得る燃料電池システムに関する技術は未だ開示されていない。過酸化水素分解性能を有するイオンをMEAの外部からMEAの内部へと供給すれば、MEA内で生じる過酸化水素を長期間に亘って分解することが可能になり、電解質層の劣化を長期間に亘って抑制することが容易になるため、燃料電池システムの耐久性を向上させることが可能になる。
本発明は、このような観点からなされたものであり、その要旨は、過酸化水素分解性能を有するイオンをMEAへ供給可能とすることで、耐久性を向上させることが可能な燃料電池システムを提供することにある。
以下に図面を参照しつつ、本発明の燃料電池システムについてさらに具体的に説明する。なお、特に断らない限り、本発明をPEFCに適用した場合について説明する。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。図示のように、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システム100は、水素含有物質(以下において、「水素」と記述する。)が循環供給される循環系のアノード流入ライン11と、MEAとセパレータとが積層された積層体(不図示)を備える燃料電池スタック(以下において、「FCスタック」と記述する。)12と、酸素含有物質(以下において、「空気」と記述する。)が供給される非循環系のカソード流入ライン13と、カソード排出ライン14とを備え、アノード流入ライン11には、イオン添加手段90が備えられている。本実施形態にかかるイオン添加手段90は、内周面全体にCeコートが施された、アノード流入ライン11の一部を構成する配管であり、当該イオン添加手段90(以下において、「配管90」と記述することがある。)は、循環系のアノード流入ライン11における上流側の一部を構成している。当該配管90のCeコートは、重力方向下方に位置する部位に多く施されており、燃料電池の発電時にFCスタック内の電解質膜から溶出する酸(例えば、硫酸等)が上記配管90の内周面に施されたCeコートと接触することにより、過酸化水素分解性能を有するCe3+が溶出する。そして、配管90の内周面から溶出したCe3+が、循環系のアノード流入ライン11を介してFCスタックのMEAへと供給されることで、MEA内の過酸化水素を分解し、電解質膜の劣化を抑制している。なお、図1及び本発明の燃料電池システムを示す図3以下の図において、矢印は、MEAへと供給される物質・MEAから排出される物質の進行方向を概略的に示している。
本発明の燃料電池システムに備えられるFCスタック12の形態例を図2に概略的に示す。図2は、FCスタック12の一部分を拡大して概略的に示す断面図である。図示のFCスタック12は、電解質・電極・拡散層構造体(以下において、「MEGA」と記述する。)126、126、…と、セパレータ120、120、…とを備え、MEGA126、126、…とセパレータ120、120、…とを備える積層体の両側に集電板等(不図示)が配置されることにより、スタック12が形成されている。MEGA126は、電解質膜12c並びに当該電解質膜12cの両側に設けられるカソード電極層12b及びアノード電極層12dを備える電解質・電極構造体(MEA)125と、当該MEA125の両側に配置されるカソード拡散層12a及びアノード拡散層12eとを備えている。図示のように、MEGA126はセパレータ120、120に挟持されており、セパレータ120、120、…の拡散層12a、12e側の面には、反応ガス供給路120a、120a、…、120e、120e、…がそれぞれ形成されている。さらに、当該セパレータ120、120、…には、MEGA126、126、…を冷却すべき冷却媒体が供給される冷却媒体供給路120f、120f、…が形成されている。
上記スタック12において、アノード流入ライン11から供給される水素は、反応ガス供給路120e、120e、…及びアノード拡散層12eを介してアノード電極層12dへと供給される一方、上記カソード流入ライン13から供給される空気は、反応ガス供給路120a、120a、…及びカソード拡散層12aを介してカソード電極層12bへと供給されている。
第1実施形態にかかる燃料電池システム100では、アノード側からCe3+が供給されている。PEFCにおいて使用される電解質膜は、陽イオン透過性を有しているため、アノードから供給され、電解質膜12cへと達し過酸化水素を分解してなお残存するCe3+は、当該電解質膜12cを通過してカソード側へと達する。したがって、本実施形態にかかる燃料電池システムによれば、アノード流入ライン11を介してCe3+を供給することで、MEA125の全体にCe3+を拡散させることが可能になるため、電解質膜12cの劣化を効果的に抑制することが可能になる。
ここに、燃料電池の発電時に電解質膜から溶出する酸は、電解質膜の劣化を判断する際の1つの指標となり、電解質膜の劣化はFCスタックから排出される酸の有無によっても判断することができる。上述のように、本実施形態にかかる燃料電池システム100では、イオン溶出促進手段として機能する、FCスタック12から排出された酸のみを用いて配管90からCe3+を溶出させており、かかるCe3+を用いて電解質膜12cの劣化を抑制している。すなわち、本実施形態にかかる燃料電池システム100は、電解質膜12cの劣化に起因して生ずる酸により溶出させたイオンを用いて電解質膜12cの劣化を抑制する、自己修復型の機能を備えている。したがって、本実施形態によれば、発電時に劣化した電解質膜12cを、その発電中のPEFCにおける電解質膜12cの劣化度合いに応じて適宜修復し得る、燃料電池システム100を提供することが可能になる。
図3(A)は、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。図示のように、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池システム200は、水素が供給される非循環系のアノード流入ライン21及びアノード排出ライン24と、FCスタック12と、空気が循環供給される循環系のカソード流入ライン23とを備え、カソード流入ライン23の上流側には、イオン添加手段90が備えられている。なお、図3(A)において、第1実施形態にかかる燃料電池システム100の構成部位と同一の構成を採る部位には、図1の構成部位に付した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
図3(A)に示す第2実施形態にかかる燃料電池システム200では、カソード側からCe3+が供給されている。カソード流入ライン23を介してCe3+がMEA125へと供給される本形態によっても、MEA125内に存在する過酸化水素を分解することが可能であるため、本実施形態にかかるシステム200によれば、電解質膜12cの劣化を抑制することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、耐久性を向上させ得る燃料電池システム200を提供することが可能になる。
図3(B)は、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。図示のように、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池システム300は、水素が循環供給される循環系のアノード流入ライン11と、FCスタック12と、空気が循環供給される循環系のカソード流入ライン23とを備え、アノード流入ライン11及びカソード流入ライン23の上流側には、イオン添加手段90、90がそれぞれ備えられている。なお、図3(B)において、第1実施形態にかかる燃料電池システム100又は第2実施形態にかかる燃料電池システム200の構成部位と同一の構成を採る部位には、図1又は図3(A)の各構成部位に付した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
図3(B)に示す第3実施形態にかかる燃料電池システム300では、アノード側及びカソード側からCe3+が供給されている。したがって、本実施形態によれば、過酸化水素分解性能を有するCe3+をMEA125の両側(アノード側及びカソード側)から供給することが可能になるため、電解質膜12cの劣化をより効果的に抑制することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、より効果的に耐久性を向上させ得る燃料電池システム300を提供することが可能になる。
配管の内周面にCeコートが施されたイオン添加手段90を備える上記実施形態の説明では、便宜上、循環系の流入ラインの上流側(供給側)に当該イオン添加手段90が配置される形態について記述したが、イオン添加手段90が備えられるべき部位は、循環系の流入ラインの上流側に限定されるものではなく、当該流入ラインの下流側(排出側)等、適当な部位を適宜選択することができる。
また、上記説明では、電解質膜12cから溶出した酸を用いてCe3+を溶出させる形態のイオン添加手段90について説明したが、イオン添加手段90はかかる形態に限定されるものではなく、例えば、上記酸に加えて、外部から供給される溶離剤としての溶離液(例えば、硫酸等)を用いてCe3+を溶出させる形態であっても良い。図4に、当該形態を有するイオン添加手段を概略的に示す。なお、後述するように、以下に示すイオン添加手段は、電解質膜12cから溶出した酸に代えて、外部から供給される溶離液(例えば、硫酸等)を用いてCe3+を溶出させる形態の燃料電池システムに適用することもできる。
図4(A)に示すように、イオン添加手段91は、溶離剤としての溶離液(例えば、硫酸等)を貯蔵すべき貯蔵手段91aと、内周面全体にCeコートが施された配管91dへと溶離液を送液すべき送液ポンプ91bと、送液される溶離液の量及びタイミングを制御可能な送液制御手段91eと、これらの各構成要素間を接続する接続配管91cとを備えている。そして、配管91dは、循環系の上記アノード流入ライン及び/又は上記カソード流入ラインの一部を構成しており、貯蔵手段91a、送液ポンプ91b、接続配管91c、及び送液制御手段91eは、イオン溶出促進手段(溶離剤添加手段)として機能している。一方、図4(B)に、接続配管91c及び配管91dの一部を概略的に拡大して示すように、接続配管91c内を送られてきた溶離液は、例えば、当該配管91cの端部に備えられるチップ状のノズル91f等を介して、Ceコートが施された配管91d内へと均一に噴射されている。なお、配管91dの内周面では、重力方向下方に位置するCeコート層の厚みが他の部位よりも厚くなるように、Ceコートが施されている。
このように構成されるイオン添加手段91によれば、溶離液を用いて配管91d内のコーティング層からCe3+を溶出させることも可能になるほか、重力の影響等により溶離液が重力方向下方に偏在した場合であっても、当該部位のCeコート層は厚く形成されているので、効果的にCe3+を溶出させ得るイオン添加手段91とすることが可能になる。したがって、かかるイオン添加手段91を備える燃料電池システムによっても、燃料電池の耐久性を向上させることが可能になる。
さらに、上記説明では、流入ラインの一部を構成する配管の内周面にCeコートが施されている形態のイオン添加手段について記述したが、本発明にかかる燃料電池システムが備え得るイオン添加手段は、かかる形態に限定されるものではなく、例えば、流入ラインを構成する配管の内周面全面にCeコートが施されている形態等であっても良い。
本発明にかかるイオン添加手段のさらに他の形態例を、図5に概略的に示す。
図5(A)に示すイオン添加手段92は、溶離剤としての溶離液(例えば、硫酸等)を貯蔵すべき貯蔵手段92aと、内周面にCeコートが施された取替え可能なコート部材92dと、溶離液を当該コート部材92d及び流入ラインへと送液すべき送液ポンプ92bと、送液される溶離液の量及びタイミングを制御可能な送液制御手段92eと、これらの各構成要素間を接続する接続配管92cとを備えている。そして、貯蔵手段92a、送液ポンプ92b、接続配管92c、及び送液制御手段92eは、イオン溶出促進手段(溶離剤添加手段)として機能している。一方、図5(B)に、コート部材92dと流入ラインとの間に配置される接続配管92c及び流入ラインの一部を概略的に拡大して示すように、接続配管92c内を送られてきた、Ce3+を含有する溶離液は、例えば、当該配管92cの端部に備えられるチップ状のノズル92f等を介して、流入ラインへと均一に噴射されている。
イオン添加手段92がこのように構成されていれば、取替え可能なコート部材92dを流入ラインの外部に配置しつつ、Ce3+を含有する溶離液を流入ライン中へと噴射することで、当該流入ラインを介してCe3+をMEA125へと供給することが可能になる。したがって、かかるイオン添加手段92を備えることで、耐久性を向上させ得る燃料電池システムのメンテナンス性を向上させることが可能になる。
これに対し、図5(C)に示すイオン添加手段93は、溶離剤としての溶離液(例えば、硫酸等)を貯蔵すべき貯蔵手段93aと、内周面にCeコートが施された取替え可能なコート部材93dと、貯蔵手段93a内に貯蔵されている溶離液中に気体(例えば、空気等)を供給すべき供給配管93bと、上記溶離液の蒸気や液滴等をコート部材93dへと供給するとともにコート部材93dを経た蒸気等を流入ラインへと供給すべき供給配管93fとを備えている。このように構成される、バブラ形態のイオン添加手段93によれば、供給配管93bから供給される気体により溶離液中に気泡が生じ、溶離液水面から飛散した液滴等によってコート部材93dからCe3+を溶出させることが可能になる。したがって、かかる形態のイオン添加手段93を備える燃料電池システムとしても、耐久性を向上させることが可能になる。なお、本形態にかかるイオン添加手段93では、貯蔵手段93a、供給配管93b、及び供給配管93fがイオン溶出促進手段(溶離剤添加手段)として機能している。
他方、上記説明では、Ceコートが施された配管又はコート部材を備えるイオン添加手段について記述したが、本発明にかかる燃料電池システムが備え得るイオン添加手段は、かかる形態に限定されるものではない。本発明の燃料電池システムが備え得る、イオン添加手段の他の形態例を、図6に概略的に示す。
図6に示すイオン添加手段94は、Ce3+を含有する液体を貯蔵すべきイオン含有液体貯蔵手段94aと、当該手段94a内に貯蔵される上記液体を流入ラインへと導入すべき送液ポンプ94bと、流入ラインへと導入される上記液体の導入量や導入タイミングを制御すべき制御手段94eと、上記手段94a、送液ポンプ94b、制御手段94e、及び流入ラインの間を接続する接続配管94cとを備えている。そして、本形態にかかるイオン添加手段94では、送液ポンプ94b、接続配管94c、及び制御手段94eが、導入手段として機能している。本発明にかかる燃料電池システムが、このように構成されるイオン添加手段94を備えていれば、例えば、燃料電池の運転停止時に、流入ラインを介して燃料電池スタック内にCe3+を含有する液体を供給することで、MEA125内の過酸化水素を分解することが可能になる。また、イオン添加手段94には制御手段94eが備えられているので、Ce3+含有液体を無駄なくMEA125内へと供給し得る、イオン添加手段94とすることが可能になる。
さらに、本発明にかかるイオン添加手段の他の形態例としては、Ce3+を含有する液体を貯蔵すべきイオン含有液体貯蔵手段と、当該イオン含有液体貯蔵手段内の液体に気体を供給すべき第1の供給配管と、イオン含有液体から飛散した液体等を流入ラインへと供給すべき第2の供給配管とを備える、バブラ形態のイオン添加手段等を挙げることもできる。かかる形態のイオン添加手段では、上記第1の供給配管及び第2の供給配管が導入手段として機能するため、このような形態であっても、Ce3+含有液体をMEA125へと供給することが可能なイオン添加手段とすることができる。
なお、便宜上、内周面にCeコートが施されている配管を備えるイオン添加手段の説明では、Ceコート層が重力方向下方に厚く形成されている形態について記述したが、本発明にかかるイオン添加手段に備えられるCeコート層の形態は、当該形態に限定されるものではなく、配管の内周面に均一の厚みで形成されていても良い。また、配管の内周面にCeコート層が重力方向下方に厚く形成されている場合には、溶離液が均一に噴射されない形態であっても良い。一方、配管の内周面にCeコート層が均一の厚みで形成されている場合には、溶離液が均一に噴射される形態であることが好ましい。かかる形態とすることで、Ce3+を効果的に溶出させることが可能になる。
さらに、送液ポンプを備えるイオン添加手段の説明では、制御手段を備える形態について記述したが、本発明にかかる送液ポンプを備えるイオン添加手段は、制御手段を備える形態に限定されるものではなく、制御手段を備えない形態であっても良い。本発明にかかるイオン添加手段が制御手段を備える場合、送液される溶離液又はイオン含有液体の、当該制御手段による制御方法は特に限定されるものではない。制御方法の具体例としては、燃料電池システムの停止時に送液する方法、燃料電池システムの電圧低下時に送液する方法、又は、燃料電池の運転モードと電解質膜の劣化挙動との関係を予め調査しておき、実際の運転モードと当該調査結果とから送液すべきタイミングを判断したうえで上記溶離液又はイオン含有液体を送液する方法等を挙げることができる。
加えて、上記説明では、循環系の流入ラインを備える燃料電池システムについて記述したが、本発明を適用し得る燃料電池システムは、当該形態に限定されるものではなく、循環系の流入ラインを備えない形態の燃料電池システムにも本発明を好適に適用することができる。そこで、以下に、循環系の流入ラインを備えない形態の燃料電池システムに本発明を適用した場合について説明する。
図7は、第4実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。図示のように、第4実施形態にかかる本発明の燃料電池システム400は、水素が供給される非循環系のアノード流入ライン21及びアノード排出ライン24と、空気が供給される非循環系のカソード流入ライン13及びカソード排出ライン14と、FCスタック12とを備え、非循環系のアノード流入ライン21に、上記イオン添加手段92が備えられている。本実施形態にかかる燃料電池システム400が上記イオン添加手段92を備えていれば、アノード流入ライン21を介して、溶離液(例えば、硫酸等)を用いて溶出させたCe3+をMEA125へと供給することが可能になるため、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
なお、上述のように、循環系の流入ラインにイオン添加手段が備えられる場合には、当該循環系の流入ライン内であればFCスタックの排出側にもイオン添加手段を配置することが可能であった。しかし、循環系の流入ラインを備えない燃料電池システムにおいて、FCスタックの排出側にイオン添加手段を配置すると、FCスタック内のMEAにCe3+を供給することが困難になる。そのため、循環系の流入ラインを備えない燃料電池システムでは、FCスタックの排出側以外の部位にイオン添加手段を配置することが好ましい。
図8(A)は、第5実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。図示のように、第5実施形態にかかる本発明の燃料電池システム500は、非循環系のアノード流入ライン21ではなく非循環系のカソード流入ライン13にイオン添加手段92が備えられていることを除いては、上記第4実施形態にかかる燃料電池システム400と同じ構成を備えている。そのため、図8(A)に示す燃料電池システム500において、第4実施形態にかかる燃料電池システム400の構成部位と同一の構成を採る部位には、図7の構成部位に付した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
図8(A)に示す第5実施形態にかかる燃料電池システム500では、非循環系のカソード流入ライン13を介してCe3+が供給されている。Ce3+がカソード流入ライン13を介してMEA125へと供給される本形態によっても、MEA125内に存在する過酸化水素を分解することは可能である。したがって、本実施形態によっても、耐久性を向上させ得る燃料電池システム500を提供することが可能になる。
図8(B)は、第6実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。図示のように、第6実施形態にかかる本発明の燃料電池システム600は、水素が供給される非循環系のアノード流入ライン21及びアノード排出ライン24と、空気が供給される非循環系のカソード流入ライン13及びカソード排出ライン14と、FCスタック12とを備え、非循環系のアノード流入ライン21及びカソード流入ライン13に、上記イオン添加手段92、92が備えられている。なお、図8(B)に示す燃料電池システム600において、第4実施形態にかかる燃料電池システム400又は第5実施形態にかかる燃料電池システム500の構成部位と同一の構成を採る部位には、図7又は図8(A)の各構成部位に付した符号と同符号を付し、その詳細説明を省略する。
図8(B)に示す第6実施形態にかかる燃料電池システム600では、アノード側及びカソード側からCe3+が供給されている。したがって、本実施形態によれば、過酸化水素分解性能を有するCe3+をMEAの両側から供給することが可能になるため、電解質膜の劣化をより効果的に抑制することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、より効果的に耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
なお、便宜上、循環系の流入ラインを備えない形態の燃料電池システムに関する上記説明では、流入ラインに上記イオン添加手段92が備えられている形態について記述したが、当該形態の燃料電池システムが備え得るイオン添加手段は、当該手段92に限定されるものではなく、イオン添加手段93やイオン添加手段94等、他の形態であっても良い。
ここに、本発明にかかる燃料電池システムにおいて、流入ラインの配管内に供給される溶離液等は、当該配管内の重力方向下方に溜まりやすい。そのため、流入ラインの配管内にCeコートを施す場合には、重力方向下方以外の部位にも水蒸気、酸、溶離液等を行き渡らせることが可能にするという観点から、吸湿性材料で当該Ceコート層の表面を覆うことが好ましい。かかる構成とすれば、重力方向下方以外の部位からCe3+を溶出させることが容易になるため、Ce3+の溶出効率を向上させることが可能になる。
なお、吸湿性材料で当該Ceコート層の表面を覆う場合、当該吸湿性材料の流出を防止するとともに、当該吸湿性材料とCeコート層との接触不良を抑制するという観点から、Ceコート層が形成されている配管内に耐食性材料により形成された筒状のメッシュ部材等を配置し、当該メッシュ部材等と配管の内壁とにより、Ceコート層及び吸湿性材料を挟んで固定する形態とすることが好ましい。
本発明の流入ライン配管内に備えられる吸湿性材料は、当該配管内の環境に耐え得る吸湿性材料であれば特に限定されるものではなく、その具体例としては、セルロースや吸湿性樹脂等を挙げることができる。また、当該吸湿性材料の形態は、特に限定されるものではないが、Ceコート層との接触面積を増加すると共にCeを効果的に利用しCe3+をMEA125へと供給可能にするという観点から、ハニカム構造等の形態を有していることが好ましく、ハニカム構造である場合には、当該構造の孔部にCeを配置させることが好ましい。一方、流入ラインの配管内に配置され得るメッシュ部材等の構成材料も、当該配管内の環境に耐え得る材料であれば特に限定されるものではなく、その具体例としては、チタン合金等の高耐食性金属等を挙げることができる。
他方、上記説明では、FCスタック12へと接続される流入ラインにイオン添加手段が備えられる形態の燃料電池システムについて記述したが、本発明にかかる燃料電池システムにおいて、イオン添加手段が備えられ得る部位は、流入ラインに限定されるものではなく、例えば、加湿モジュールやFCスタック内のセパレータ等の部位に備えられていても良い。そこで、以下に、セパレータにイオン添加手段が備えられる形態の燃料電池システムについて説明する。
図9(A)は、セパレータ表面の一部に配置されたイオン添加手段を備える、FCスタック12内のセパレータを概略的に示す正面図であり、図9(B)は、図9(A)に示すセパレータのIXB−IXB矢視断面、並びに、当該セパレータに当接されるべき拡散層(以下において、「GDL」と記述する。)及びMEAの一部を拡大して示す概略図である。図9(A)に示すセパレータ120Aは、流入ラインから供給される反応ガス(水素、空気)が通過すべき入口マニホールド81と、反応ガス流路120a(120e)と、当該反応ガス流路120a(120e)を経た反応ガスが通過すべき出口マニホールド83とを備え、入口マニホールド81と反応ガス流路120a(120e)との間の部位84にCe表面コートが施されている。なお、図9(A)において、矢印は反応ガスの進行方向を概略的に示している。
入口マニホールド81から供給される反応ガスが循環系の流入ラインから供給されている場合には、電解質膜12cが劣化することにより発生した微量の酸(例えば、硫酸等)及び反応ガスが入口マニホールド81を介して供給される。当該マニホールド81から供給された上記酸と、イオン添加手段としての部位84のCeとが接触すると、上記酸はイオン溶出促進手段として機能し、イオン添加手段84からCe3+を溶出させる。そして、当該イオン添加手段84から溶出したCe3+は、反応ガス流路120a(120e)、及びGDL12a(12e)を介してMEA125内へと供給され(図9(B)参照)、MEA125内の過酸化水素を分解する。これに対し、入口マニホールド81から供給される反応ガスが非循環系の流入ラインから供給されている場合には、例えば、溶離剤としての溶離液及び反応ガスが入口マニホールド81から供給される。当該マニホールド81から供給された溶離液は、イオン添加手段としての部位84のCeと接触するとイオン溶出促進手段として機能し、イオン添加手段84からCe3+を溶出させる。そして、当該イオン添加手段84から溶出したCe3+は、反応ガス流路120a(120e)及びGDL12a(12e)を介してMEA125内へと供給され(図9(B)参照)、MEA125内の過酸化水素を分解する。すなわち、流入ラインが循環系であるか否かに関係なく、本形態にかかるセパレータ120Aを備えることで、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
なお、上記説明では、入口マニホールド81と反応ガス流路120a(120e)との間に位置する部位84にイオン添加手段としてのCe表面コートが施されている形態のセパレータについて記述したが、入口マニホールド81から供給される反応ガスが循環系の流入ラインを経ている場合、Ce表面コートが施され得る部位は、部位84に限定されるものではない。流入ラインが循環系である場合、電解質膜から溶出し出口マニホールド83から流入ラインへと排出された酸(例えば、硫酸等)は、再び入口マニホールド81から供給され得るため、反応ガス流路120a(120e)と出口マニホールド83との間の部位85にCe表面コートが施されていても、MEA125内へCe3+を供給することが可能になる。したがって、入口マニホールド81から供給される反応ガスが循環系の流入ラインを経ている場合には、部位84及び/又は部位85にCe表面コートを施すことでイオン添加手段84及び/又は85を備えるセパレータ120Aとすることができる。これに対し、入口マニホールド81から供給される反応ガスが非循環系の流入ラインを経ている場合には、上記部位85にCe表面コートを施しても、Ce3+をMEA125内へと供給することは難しい。したがって、かかる場合には、部位84及び部位85、又は部位84にCe表面コートを施すことが好ましい。
図9(C)は、セパレータ表面の一部に配置されたイオン添加手段を備える、FCスタック内のセパレータを概略的に示す正面図であり、図9(D)は、図9(C)に示すセパレータのIXD−IXD矢視断面、並びに、当該セパレータに当接されるべきGDL及びMEAの一部を拡大して示す概略図である。図9(C)に示すセパレータ120Bは、入口マニホールド81、反応ガス流路120a(120e)、及び出口マニホールド83を備え、反応ガス流路120a(120e)の溝部及び側壁部には、イオン添加手段としてのCe表面コートが施されている(図9(D)参照)。図9(C)において、矢印は反応ガスの進行方向を概略的に示している。
本発明の燃料電池システムに、セパレータ120Bが備えられていても、入口マニホールド81から供給される酸及び/又は溶離液を用いて、セパレータ120Bの反応ガス流路120a(120e)表面に備えられているイオン添加手段(Ce表面コート)からCe3+を溶出させることが可能になるので、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
なお、上記説明では、反応ガス流路120a(120e)の溝部表面及び側壁部表面にのみイオン添加手段としてのCeコート層が形成されているセパレータ120Bについて説明したが、本形態にかかるセパレータの反応ガス流路表面に施されるコート材料が、Ceのように導電性を有する材料である場合には、反応ガス流路120a(120e)の溝部表面及び側壁部表面に加え、GDL12a(12e)と当接する反応ガス流路120a(120e)の凸部表面を含む反応ガス流路120a(120e)の全面にイオン添加手段としてのコートが施されていても良い。当該形態にかかるセパレータを図9(E)及び(F)に示す。
図9(E)は、セパレータに形成された反応ガス流路の全面に配置されたイオン添加手段を備える、FCスタック内のセパレータを概略的に示す正面図であり、図9(F)は、図9(E)に示すセパレータのIXF−IXF矢視断面、並びに、当該セパレータに当接されるべきGDL及びMEAの一部を拡大して示す概略図である。図9(E)に示すセパレータ120Cは、反応ガス流路120a(120e)の全面にイオン添加手段としてのCe表面コートが施されており(図9(F)参照)、その他はセパレータ120Bと同じ構成を備えている。そのため、セパレータ120Cの各部位において、上記セパレータ120Bと同じ構成を採る部位には図9(C)及び(D)にて使用した符号と同符号を付し、その説明を省略する。なお、図9(E)において、矢印は反応ガスの進行方向を概略的に示している。また、セパレータ120Cの反応ガス流路120a(120e)全面にCe表面コートが施されていることを表すため、図9(E)では、反応ガス流路の凸部に相当する部位(反応ガス流路120a(120e)内の直線;図9(A)及び(C)参照)を省略して示している。
本発明の燃料電池システムが当該形態のセパレータ120Cを備えていても、反応ガス流路120a(120e)の表面に備えられたイオン添加手段(Ce表面コート)から溶出したCe3+によってMEA125内の過酸化水素を分解することが可能になるので、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
このように、上記形態にかかるセパレータ120B、120Cでは、コート材料の導電性の有無に応じて、反応ガス流路に施すコート部位を、溝部、側壁部、及び凸部の中から適宜選択することができる。
また、上記説明では、反応ガス流路120a(120e)が形成された形態のセパレータについて記述したが、本発明の燃料電池システムは、当該形態のセパレータを備える態様に限定されるものではなく、例えば、フラットタイプのセパレータ及び当該セパレータと当接すべき面に反応ガス流路が形成されたGDLを備える形態等であっても良い。かかる形態の燃料電池システムの場合には、入口マニホールド近傍、出口マニホールド近傍、又は、GDLに形成された反応ガス流路に当接すべきセパレータ面の一部若しくは全面に形成されたイオン添加手段としてのCe表面コート層を備えるセパレータを使用することができる。
さらに、上記説明では、イオン添加手段が燃料電池システム内の流入ライン又はセパレータ等に備えられる形態について記述したが、本発明にかかるイオン添加手段は、MEAに上記イオンを供給可能なように備えられていれば、燃料電池システム内の複数の箇所に備えられていても良く、例えば、流入ライン及びセパレータにイオン添加手段を備える燃料電池システムとしても良い。
以上、Ce3+をMEAの外からMEAの内部へと供給することで電解質膜の劣化を抑制し、耐久性を向上させることを可能にする本発明の燃料電池システムについて記述したが、本発明においてMEAの内部へと供給され得るイオンはCe3+に限定されるものではなく、過酸化水素分解性能を有していれば他のイオンであっても良い。過酸化水素分解性能を有するイオンの具体例としては、遷移金属イオン・希土類金属イオン等を挙げることができ、当該イオンを生じ得る物質としては、Mn、Fe、Pt、Pd、Ni、Cr、Cu、Ce、Se、Rb、Co、Ir、Ag、Au、Rh、Sn、Ti、Zr、Al、Hf、Ta、Nb、Os、Si、C等からなる単体及びこれらの元素を含む化合物を挙げることができる。したがって、便宜上、上記説明では、Ce3+を溶出させるCeコートが施されている配管・部位を備えるイオン添加手段について記述したが、本発明の燃料電池システムにかかる当該配管・部位に施されるコートは、上記具体例にかかる単体及び/又は化合物の少なくとも1以上を含むコートとすることができる。また、上記説明では、Ce3+含有液体を備えるイオン添加手段についても記述したが、本発明の燃料電池システムが備えるイオン含有液体に含まれるイオンは、上記具体例にかかる単体及び/又は化合物から生じるイオンの少なくとも1以上とすることができる。
なお、上記説明では、Ceコートが施されている配管・部位に電解質膜12cから溶出した酸や流入ラインへと供給される溶離液を用いてCe3+を溶出させるイオン添加手段について記述したが、当該配管・部位に例えば純水を供給することでCe3+を溶出させることも可能であると考えられる。しかし、純水を供給することによって得られるCe3+のみでは、電解質膜の劣化を効果的に抑制することは難しい。そこで、電解質膜の劣化を効果的に抑制するという観点から、本発明にかかる燃料電池システムが過酸化水素分解性能を有するイオンを生じさせ得る配管・部位を備える場合には、電解質膜12cから溶出した酸及び/又は溶離液を用いてCe3+を溶出させることが好ましい。
なお、上記説明では、燃料電池システムの流入ライン及び/又はセパレータにイオン添加手段を備える形態のPEFCについて記述したが、本発明を適用し得る燃料電池は、PEFCに限定されるものではなく、例えば、ダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)等にも適用することができる。DMFCに本発明を適用する場合には、アノードへと供給されるメタノールに過酸化水素分解性能を有するイオン(例えば、Ce3+等)を含有させる等の形態により、当該イオンをMEAへと供給することが可能になり、かかる形態とすることで、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供することが可能になる。
Ceイオン(Ce3+)含有液体を供給することで、過酸化水素分解性能を有するイオンをMEAの外部からMEA内へと供給可能としたMEA、を用いた耐久試験(実施例)、及び、Ceイオンを内部に含まないMEAを用いた耐久試験(比較例)を行い、これらのMEAから回収した水の中に含まれるFイオン量(F溶出量)をそれぞれ測定した。実施例及び比較例の結果を、図10にあわせて示す。図10の横軸は時間、縦軸はF溶出量である。図10において、実線は実施例の結果を、破線は比較例の結果をそれぞれ表している。なお、実施例及び比較例にかかるMEAは、何れも、フッ素系の樹脂を含む電解質膜を備えていた。また、フッ素系樹脂を含む電解質膜が劣化するとFイオンが溶出するため、F溶出量は耐久性の指標となる。
図10に示すように、比較例にかかるMEAでは、時間が経過するにつれて多くのFイオンが溶出したが、実施例にかかるMEAでは、Fイオンの溶出量が大幅に低減した。したがって、本発明によれば、耐久性を向上させ得る燃料電池システムを提供可能であることが確認された。
第1実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。 FCスタックの形態例を概略的に示す断面図である。 本発明の燃料電池システムの実施形態例を示す概略図である。 イオン添加手段の形態例を示す概略図である。 イオン添加手段の形態例を示す概略図である。 イオン添加手段の形態例を示す概略図である。 第4実施形態にかかる本発明の燃料電池システムを示す概略図である。 本発明の燃料電池システムの実施形態例を示す概略図である。 イオン添加手段を備えるセパレータの形態例を示す概略図である。 耐久試験の結果を示す図である。
符号の説明
11 アノード流入ライン(循環系)
12 FCスタック
12b 電極層(カソード)
12c 電解質層(電解質膜)
12d 電極層(アノード)
13 カソード流入ライン(非循環系)
14 カソード排出ライン
21 アノード流入ライン(非循環系)
24 アノード排出ライン
23 カソード流入ライン(循環系)
84、85 イオン添加手段(Ce表面コート)
90、91、92、93、94 イオン添加手段
91a、91b、91c、91e イオン溶出促進手段(溶離剤添加手段)
92a、92b、92c、92e イオン溶出促進手段(溶離剤添加手段)
93a、93b、93f イオン溶出促進手段(溶離剤添加手段)
94a イオン含有液体貯蔵手段
94b、94c 導入手段
94e 制御手段(導入手段)
100、200、300、400、500、600 燃料電池システム
120、120A、120B、120C セパレータ
125 電解質・電極構造体(MEA)

Claims (10)

  1. 電解質層及び該電解質層の両側に設けられる電極層を備える電解質・電極構造体と、セパレータとを積層した積層体を備え、
    過酸化水素分解性能を有するイオンが前記電解質・電極構造体へと供給されることを特徴とする、燃料電池システム。
  2. 前記イオンは、前記電解質・電極構造体へと供給される物質により、該電解質・電極構造体へと運ばれ、
    前記電解質・電極構造体へと供給される前記物質を流通及び/又は貯蔵すべき流入ラインと、前記電解質・電極構造体へと供給される前記物質に前記イオンを添加すべきイオン添加手段とを備え、
    該イオン添加手段は、前記流入ライン及び/又は前記セパレータに備えられていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記イオン添加手段は、前記イオンを溶出させる単体及び/又は化合物と、該単体及び/又は化合物から溶出される前記イオンの溶出を促進するイオン溶出促進手段とを備えることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記イオン溶出促進手段は、前記イオンを溶出させる溶離剤を添加する溶離剤添加手段であることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記単体及び/又は化合物が、交換可能に配置されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記単体及び/又は化合物は、水平方向に伸びるとともに前記流入ラインの一部を構成する配管の内周面に備えられており、
    前記配管の重力方向下半分の部位に備えられている前記単体及び/又は化合物の単位面積当たりの量は、前記配管の重力方向上半分の部位に備えられている前記単体及び/又は化合物の単位面積当たりの量よりも多いことを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記単体及び/又は化合物の表面の少なくとも一部に、吸湿性材料が配設されていることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記イオン添加手段は、前記化合物と前記溶離剤添加手段とを備え、
    前記化合物は金属酸化物であるとともに、前記溶離剤添加手段から添加される溶離剤は酸性を示すことを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  9. 前記イオン添加手段は、前記イオンを含有する液体を貯蔵すべきイオン含有液体貯蔵手段と、該イオン含有液体貯蔵手段内の液体を前記流入ライン及び/又は前記セパレータへと導入すべき導入手段とを備えることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池システム。
  10. 前記導入手段は、前記流入ライン及び/又は前記セパレータへと導入される、前記イオンを含有する液体の導入形態を制御する、制御手段を備えることを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池システム。
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