以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例にかかる通信システムの一例を示している。
この通信システムは、2つのネットワークDMaとネットワークDMbを、広域ネットワークNTを介して接続してなり、おのおののネットワークDMa,DMbは、パーソナルコンピュータ装置PCa,PCbと、ネットワーク対応複合機FXa,FXbを、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介して接続するとともに、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを広域ネットワークNTへ接続するためのルータ装置RTa,RTbを備えている。
また、パーソナルコンピュータ装置PCa,PCbは、文書作成機能、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介してネットワーク対応複合機FXa,FXbへ送信ジョブ情報を送信するネットワークファクシミリ送信依頼機能、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介してネットワーク対応複合機FXa,FXbへ印刷ジョブ情報を送信するネットワーク印刷依頼機能、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介してネットワーク対応複合機FXa,FXbよりMIB(Management Information Base)を受信する機器情報受信機能、および、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介して、他の端末装置との間で行う種々の通信機能等を備えたものである。
また、ネットワーク対応複合機FXa,FXbは、アナログ公衆回線網PSTNを介して行うグループ3ファクシミリ通信機能、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介して行うカラーファクシミリ通信機能、ローカルエリアネットワークLNa,LNbを介して、パーソナルコンピュータ装置PCa,PCbより送信ジョブ情報を受信したり、MIB情報を通知する機器情報送信機能、パーソナルコンピュータ装置PCa,PCbより印刷ジョブ情報を受信して、その印刷ジョブ情報により指定された印刷動作を行うネットワークプリンタ機能、および、データファイルを受信して蓄積したり、蓄積したデータファイルを送信するFTP(File Transfer Protocol)サーバ機能などのネットワーク通信機能等を備えたものである。ここで、カラーファクシミリ通信機能は、呼接続手順としては、ITU−T勧告H.323またはSIP(Session Initiation Protocol)に従った呼接続手順を適用し、データのやりとり(伝送前手順やデータ転送手順など)は、独自手順を適用して行う。
図2は、ネットワーク対応複合機FX(FXa,FXb)の構成例を示している。
同図において、システム制御部1は、このネットワーク対応複合機FXの各部の制御処理、グループ3ファクシミリ通制御処理、カラーファクシミリ通信制御処理、および、ネットワークプリンタ機能などの各種制御処理を行うものであり、システムメモリ2は、システム制御部1が実行する制御処理プログラム、および、処理プログラムを実行するときに必要な各種データなどを記憶するとともに、システム制御部1のワークエリアを構成するものであり、パラメータメモリ3は、このネットワーク対応複合機FXに固有な各種の情報を記憶するためのものであり、時計回路4は、現在時刻情報を出力するものである。
スキャナ5は、所定の解像度で原稿画像を読み取るためのものであり、プロッタ6は、所定の解像度で画像を記録出力するためのものであり、操作表示部7は、このネットワーク対応複合機FXを操作するためのもので、各種の操作キー、および、各種の表示器からなる。
符号化復号化部8は、画信号を符号化圧縮するとともに、符号化圧縮されている画情報を元の画信号に復号化するためのものであり、磁気ディスク装置9は、符号化圧縮された状態の画情報や、それ以外の適宜なデータファイルなどを蓄積するためのものである。
グループ3ファクシミリモデム10は、グループ3ファクシミリのモデム機能を実現するためのものであり、伝送手順信号をやりとりするための低速モデム機能(V.21モデム)、および、おもに画情報をやりとりするための高速モデム機能(V.17モデム、V.34モデム、V.29モデム、V.27terモデムなど)を備えている。
網制御装置11は、このネットワーク対応複合機FXをアナログ公衆回線網PSTNに接続するためのものであり、自動発着信機能を備えている。
ローカルエリアネットワークインターフェース回路12は、このネットワーク対応複合機FXをローカルエリアネットワークLANに接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部13は、ローカルエリアネットワークLANを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
これらの、システム制御部1、システムメモリ2、パラメータメモリ3、時計回路4、スキャナ5、プロッタ6、操作表示部7、符号化復号化部8、画像蓄積装置9、グループ3ファクシミリモデム10、網制御装置11、および、ローカルエリアネットワーク伝送制御部13は、内部バス14に接続されており、これらの各要素間でのデータのやりとりは、主としてこの内部バス14を介して行われている。
また、網制御装置11とグループ3ファクシミリモデム10との間のデータのやりとりは、直接行なわれている。
図3は、パーソナルコンピュータ装置PC(PCa,PCb)の構成例を示している。
同図において、CPU(中央処理装置)21は、このパーソナルコンピュータ装置PCの動作制御を行うものであり、ROM(リード・オンリ・メモリ)22は、CPU21が起動時に実行するプログラムや必要なデータ等を記憶するためのものであり、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)23は、CPU21のワークエリア等を構成するためのものである。
キャラクタジェネレータ24は、図形文字の表示データを発生するためのものであり、時計回路25は、現在日時情報を出力するためのものであり、ローカルエリアネットワークインターフェース回路26は、このパーソナルコンピュータ装置PCをローカルエリアネットワークLN(LNa,LNb)に接続するためのものであり、ローカルエリアネットワーク伝送制御部27は、ローカルエリアネットワークLNを介して、他のデータ端末装置との間で種々のデータをやりとりするための各種所定のプロトコルスイートの通信制御処理を実行するためのものである。
磁気ディスク装置28は、種々のアプリケーションプログラム、ワークデータ、ファイルデータ、公開暗号化方式の暗号文の復号化の際に用いられる秘密鍵、画情報データなどの種々のデータを記憶するためのものであり、光学媒体駆動装置29は、交換可能な光学記録媒体(例えば、CD−ROM、DVDなど)のデータをアクセス(読み書き)するためのものであり、画面表示装置31は、このパーソナルコンピュータ装置PCを操作するための画面を表示するためのものであり、表示制御部32は、画面表示装置31の表示内容を制御するためのものである。
キーボード装置33は、このパーソナルコンピュータ装置PCに種々のキー操作を行うためのものであり、画面指示装置34は、画面表示装置31の任意の点を指示する等の操作作業を行うためのものであり、入力制御部35は、キーボード装置33および画面指示装置34の入力情報を取り込む等するためのものである。
USBホストユニット36は、USBホスト機能を実現するためのものであり、USBメモリMMなどのUSB機器を着脱するためのソケット37が設けられている。
これらのCPU21、ROM22、RAM23、キャラクタジェネレータ24、時計回路25、ローカルエリアネット伝送制御部27、磁気ディスク装置28、光学媒体駆動装置29、表示制御部32、入力制御部35、および、USBホストユニット36は、内部バス38に接続されており、これらの各要素間のデータのやりとりは、主としてこの内部バス38を介して行われる。
さて、本実施例では、パーソナルコンピュータ装置PCのユーザは、文書作成機能(文書作成用アプリケーション)を用いて文書を作成し、その文書を印刷する段階になると、例えば、プリンタドライバの表示画面において、印刷機器としてネットワーク対応複合機FXのネットワークプリンタ機能を使用するか(ネットワーク印刷依頼機能)、あるいは、ファクシミリ送信を行うか、いずれかを選択することができる。
ここで、ファクシミリ送信を行う旨を選択した場合には、図4に示すようなファクシミリ送信画面が表示される。このファクシミリ送信画面は、画面DPa,DPbと、ボタンBBaが設けられている。ボタンBBaは、ユーザが送信動作の開始を指令するための操作ボタンである。
画面DPaは、送信先を入力するための操作要素が配置されている。ドロップダウンリストDLは、送信種別を指定するためのものであり、白黒画像を送信するための「ファクシミリ」と、カラー画像を送信するための「カラーファクシミリ」の2つの送信種別から1つを選択することができる。
チェックボックスBXaは、ネットワーク対応複合機FXのアドレス帳機能を使用することを選択するためのものであり、データ入力ボックスBXbは、ファクシミリ番号または送信先アドレス情報などをあらわす文字列を入力するためのものである。ここで、ユーザがチェックボックスBXaをチェック操作した場合には、このデータ入力ボックスBXbには、ネットワーク対応複合機FXのアドレス帳に登録されている短縮番号などが入力される。それ以外の場合は、ファクシミリ番号または送信アドレス情報が直接入力指される。
また、ボタンBBbは、画面DPaの入力項目に入力された内容を画面DPbの送信先一覧に追加する旨を指令するためのものである。このボタンBBbが操作されると、そのときの画面DPaの入力項目に入力された内容が、送信先一覧表示領域に追加されて表示される。
一方、ネットワーク対応複合機FXでファクシミリ送信される送信画像には、その先端部分に、図5に示すような付加情報HHが挿入される。この付加情報HHは、グループ3ファクシミリ通信の送信原稿の先端に付加される付加情報と同等のものであり、送信日時、送信先表示(「To:user01」の部分)、送信元表示(「From:User02」の部分)が含まれている。
また、パーソナルコンピュータ装置PCがネットワーク対応複合機FXへ送信する送信ジョブ情報の一例を図6(a)に示す。
送信ジョブ情報は、基本的には、1つ以上の宛先情報を保持する送信先情報テーブルと、1または2つの送信画情報#1,#2からなる。また、送信先情報テーブルは、同図(b)に示すように、送信先数と、1つ以上の送信先情報からなる。また、おのおのの送信先情報は、同図(c)に示すように、送信種別と、送信先番号(または、送信先アドレス)からなる。ここで、上述した例では、送信種別として「ファクシミリ」と「カラーファクシミリ」のいずれかが配置される。また、送信画情報#1,#2は、それぞれ1ページまたは複数ページの画情報からなる。
また、パーソナルコンピュータ装置PCは、ネットワーク対応複合機FXの機器情報を取得して、図6(d)に示すようなMFP(ネットワーク対応複合機)機器情報テーブルに保存している。このMFP機器情報テーブルは、ネットワーク対応複合機FXの名称、IPアドレス、および、その他の機器情報からなる。
また、パーソナルコンピュータ装置PCは、ネットワーク対応複合機FXに登録されているアドレス帳情報(図示略)を取得して、図6(e)に示すような機器登録アドレス情報テーブルに保存している。この機器登録アドレステーブルは、機器登録アドレステーブルに登録されているアドレス情報の件数、および、おのおのの個別アドレス情報からなる。また、個別アドレス情報は、同図(f)に示すように、ID(短縮番号)および宛先名からなる。
パーソナルコンピュータ装置PCは、これらの機器情報やアドレス帳情報をネットワーク対応複合機FXより取得する場合には、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて、ネットワーク対応複合機FXよりMIBを取得し、そのMIBに含まれる情報から、必要な情報内容を抽出して行う。これらの情報の取得動作は、適宜なタイミングで行えばよい。
図7は、ユーザがファクシミリ送信画面を用いてファクシミリ送信を指定した場合のパーソナルコンピュータ装置PCの処理の一例を示している。
まず、ユーザが送信先の指定入力を終了すると(処理101)、そのときに入力された送信先を1つ選択し(処理102)、その送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断103)。
判断103の結果がYESになるときには、このときに送信する文書は、白黒画像データである。そして、そのときの時刻と、処理102で選択した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理104)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
このようにして付加情報HHの画像が挿入された送信画像をMMR変換して送信画情報を作成する(処理105)。次いで、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理106)、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する(処理107)。
ここで、全ての送信先について処理を終了したかどうかを調べ(判断108)、判断108の結果がNOになるときには、処理102へ戻り、残りの送信先について処理を行う。また、全ての送信先についての処理を終了して、判断108の結果がYESになるときには、このときの処理を終了する。
また、処理102で選択した送信先の送信種別が「カラーファクシミリ」であり、判断103の結果がNOになるときには、このときに送信する文書は、カラー画像データである。そして、そのときの時刻と、処理102で選択した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理109)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
次いで、ネットワーク対応複合機FXとの間のネットワーク負荷やメモリ残量に応じて、カラー画像データの圧縮率を設定する(処理110)。この処理110では、ネットワーク負荷が大きい場合あるいはメモリ残量が少ない場合には高圧縮率が設定され、ネットワーク負荷が小さい場合あるいはメモリ残量が多い場合には、低圧縮率が設定される。
そして、処理109で付加情報HHの画像が挿入された送信画像の各ページについて(1ページの場合には、1ページのみ)、処理110で設定された圧縮率を適用し、JPEG変換する(処理111)。次に、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理112)、処理107へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
図8(a),(b)は、処理110の一例を示している。
同図(a)の場合、まず、netstat等のアプリケーションを適用して、ローカルエリアネットワークLNを介して行う通信におけるエラーパケットの発生率(エラーパケット率)などのネットワークの状況を取得する(処理121)。
そして、処理121で取得したエラーパケット率が所定値以上になっているかどうかを調べる(判断122)。判断122の結果がYESになるときには、圧縮率として高圧縮率(例えば、95%など)をセットし(処理123)、判断122の結果がNOになるときには、低圧縮率(例えば、40%など)をセットして(処理124)、この処理を終了する。
同図(b)の場合、まず、ネットワーク対応複合機FXからMIBを取得し(処理131)、その時点でのネットワーク対応複合機FXのメモリ空き容量を調べる(処理132)。ここでいう「ネットワーク対応複合機FXのメモリ」とは、ネットワーク対応複合機FXが一時ファイルを保存するために用いるメモリ領域であり、システムメモリ2または磁気ディスク装置9に確保される。
そして、メモリ空き容量があるかどうかを調べ(判断133)、判断133の結果がYESになるときには、空き容量が10%以下であるかどうかを調べる(判断134)。判断134の結果がYESになるときには、圧縮率として高圧縮率(例えば、95%など)をセットし(処理135)、判断134の結果がNOになるときには、低圧縮率(例えば、40%など)をセットして(処理136)、この処理を終了する。
また、メモリ空き容量が全くない場合で、判断133の結果がNOになるときには、送信不可であるので(処理137)、例えば、「複合機の空きメモリがないので、送信できません」というエラーメッセージを表示して(処理138)、この処理をエラー終了する。なお、この場合は、送信動作は継続できない。
図9は、この場合のネットワーク対応複合機FXの処理の一例を示している。
パーソナルコンピュータ装置PCより送信ジョブを受け付けると(処理201)、送信ジョブ情報を受信して保存する(処理202)。そして、送信ジョブ情報の送信先情報テーブルの送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断203)。
判断203の結果がYESになるときには、網制御装置11により、送信先情報テーブルの送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理204)。
また、送信種別が「カラーファクシミリ」の場合で、判断203の結果がNOになるときには、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、送信先情報テーブルの送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理205)。
このようにして、この場合には、ユーザが指定した送信種別に応じた送信画情報を作成し、ネットワーク対応複合機FXへ送信ジョブ情報を送信しているので、ネットワーク対応複合機FXは、ユーザが所望する通信動作を行うことができる。
また、上述した場合には、ユーザが複数の送信先を指定した場合には、1つの送信先についての送信動作を繰り返しているので、送信画像に付加する付加情報HHを適切に構築することができることとなる。
ところで、上述した実施例では、送信先が複数ある場合、1つの送信先についての送信動作を繰り返しているので、その送信動作の都度、ローカルエリアネットワークLNのトラフィックが増えるので、ユーザから指定された1つの送信ジョブを実行する際のネットワーク負荷がある程度大きくなる。
このような事態を解消するためには、ユーザが送信先を複数指定した同報通信を行う場合、RGBカラー画像データをネットワーク対応複合機FXへ送信するとともに、送信画像への付加情報HHの付加、および、白黒画像通信の場合の白黒画像変換処理をネットワーク対応複合機FXで行わせるようにして、カラー画像送信の場合の画像劣化を極力抑制できるようにするにすることが好ましい。
なんとなれば、JPEG変換は、いわゆるロッシー変換であり、JPEG画像を元のカラー画像データに逆変換すると、劣化したカラー画像データが得られるからである。付加情報HHを挿入する画像処理を行うためには、処理対象のカラー画像データはJPEG画像ではなくて、元のRGBカラー画像データを適用する必要がある。
したがって、もしネットワーク対応複合機FXにJPEG画像を送信した場合、ネットワーク対応複合機FXでは、受信したJPEG画像をRGBカラー画像データに変換し、その劣化したRGBカラー画像データに付加情報HHの画像を挿入し、再度、JPEG画像に変換して、送信先へ送信することとなり、パーソナルコンピュータ装置PCから送信先にカラー画像データが送られるまで、送信対象のカラー画像データは、JPEG画像への変換処理が2回適用されるため、送信先で得られる受信画像の劣化が甚だしいと考えられる。
かかる事態を回避するためにも、ネットワーク対応複合機FXで付加情報HHを挿入する場合には、ネットワーク対応複合機FXに送信するカラー画像データは、元々のRGBカラー画像データとすることが好ましいのである。
図10は、この場合にユーザがファクシミリ送信画面を用いてファクシミリ送信を指定した場合のパーソナルコンピュータ装置PCの処理の一例を示している。
まず、ユーザが送信先の指定入力を終了すると(処理301)、そのときに入力された送信先の数が「1」であったかどうかを調べる(判断302)。判断302の結果がYESになるときには、その送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断303)。
判断303の結果がYESになるときには、このときに送信する文書は、白黒画像データである。そして、そのときの時刻と、ユーザが指定した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理304)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
このようにして付加情報HHの画像が挿入された送信画像をMMR変換して送信画情報を作成する(処理305)。次いで、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理306)、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する(処理307)。
また、ユーザが指定した送信先の送信種別が「カラーファクシミリ」であり、判断303の結果がNOになるときには、このときに送信する文書は、カラー画像データである。そして、そのときの時刻と、ユーザが指定した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理308)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
次いで、処理110と同様に、ネットワーク対応複合機FXとの間のネットワーク負荷やメモリ残量に応じて、カラー画像データの圧縮率を設定し(処理309)、処理308で付加情報HHの画像が挿入された送信画像の各ページについて(1ページの場合には、1ページのみ)、処理309で設定された圧縮率を適用し、JPEG変換する(処理310)。次に、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理311)、処理307へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
一方、ユーザが指定した送信先の数が「2」以上の場合であり、判断302の結果がNOになるときには、送信画情報として、RGBカラー画像データファイルを作成する(処理312)。
そして、作成した送信画情報と、ユーザが指定した2つ以上の送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理313)、処理307へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
図11,12は、この場合のネットワーク対応複合機FXの処理の一例を示している。
パーソナルコンピュータ装置PCより送信ジョブを受け付けると(処理401)、送信ジョブ情報を受信して保存する(処理402)。そして、送信ジョブ情報の送信先情報テーブルに含まれる送信先数が「1」であるかどうかを調べる(判断403)。
判断403の結果がYESになるときには、送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べ(判断404)、判断404の結果がYESになるときには、網制御装置11により、送信先情報テーブルの送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理405)。
また、送信種別が「カラーファクシミリ」の場合で、判断404の結果がNOになるときには、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、送信先情報テーブルの送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理406)。
一方、送信先数が「2」以上の場合で、判断403の結果がNOになるときには、自端末で送信画像に付加情報HHを付加(挿入)した後に、送信する。
すなわち、まず、送信先を1つ選ぶ(処理410)。次いで、そのときの時刻と、処理410で選択した送信先の名称と、自端末の名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像(RGBカラー画像データ)の先頭部に挿入(置換)する(処理411)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
次に、処理410で選択した送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断412)。判断412の結果がYESになるときには、処理411で付加情報を挿入したRGBカラー画像データを、所定の白黒画像変換処理を適用して、白黒画像へ変換し(処理413)、それによって得た白黒画像データをMMR変換して保存する(処理414)。ここで、送信画像データが2以上ある場合には、各送信画像データについて、処理413,414を実行する。
そして、網制御装置11により、処理410で選択した送信先の送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、処理414で作成した送信画情報を送信する(処理415)。
ここで、全ての送信先について送信動作を完了したかどうかを調べ(判断416)、判断416の結果がNOになるときには、処理410へ戻り、残りの送信先についてそれ以降の処理を実行する。なお、判断416の結果がYESになるときには、このときの送信動作を終了する。
また、処理410で選択した送信先の送信種別が「カラーファクシミリ」である場合で、判断412の結果がNOになるときには、処理411で作成したカラー画像データを、所定の圧縮率でJPEG変換して保存する(処理417)。
次いで、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、処理410で選択した送信先の送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、処理417で作成した送信画情報(JPEG画像)を送信する(処理418)。そして、判断416へ移行する。
これまで説明した実施例では、送信先の送信先番号をユーザが直接操作入力した場合について説明しているが、ユーザがチェックボックスBXaをチェックして、機器登録アドレスを使用する旨を選択した場合には、パーソナルコンピュータ装置PCは、図13の処理を行う。
まず、ユーザが送信先の指定入力を終了すると(処理501)、そのときに入力された送信先の数が「1」であったかどうかを調べる(判断502)。判断502の結果がYESになるときには、その送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断503)。
判断503の結果がYESになるときには、まず、機器登録アドレス情報テーブルを参照して、ユーザが指定した送信先の短縮番号に対応した送信先名を得る(処理504)。また、このときに送信する文書は、白黒画像データである。そして、そのときの時刻と、処理504で取得した送信先名と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理505)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
このようにして付加情報HHの画像が挿入された送信画像をMMR変換して送信画情報を作成する(処理506)。次いで、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の短縮番号に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理507)、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する(処理508)。
また、ユーザが指定した送信先の送信種別が「カラーファクシミリ」であり、判断503の結果がNOになるときには、機器登録アドレス情報テーブルを参照して、ユーザが指定した送信先の短縮番号に対応した送信先名を得る(処理509)。また、このときに送信する文書は、カラー画像データである。そして、そのときの時刻と、処理509で取得した送信先名と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理510)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
次いで、処理110と同様に、ネットワーク対応複合機FXとの間のネットワーク負荷やメモリ残量に応じて、カラー画像データの圧縮率を設定し(処理511)、処理510で付加情報HHの画像が挿入された送信画像の各ページについて(1ページの場合には、1ページのみ)、処理511で設定された圧縮率を適用し、JPEG変換する(処理512)。次に、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の短縮番号に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理513)、処理508へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
一方、ユーザが指定した送信先の数が「2」以上の場合であり、判断502の結果がNOになるときには、送信画情報として、RGBカラー画像データファイルを作成する(処理514)。
そして、作成した送信画情報と、ユーザが指定した2つ以上の送信先の短縮番号に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理515)、処理508へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
なお、この場合のネットワーク対応複合機FX側の処理は、図11,12に示したものと同じなので、説明を省略する。
したがって、この場合も、ユーザが指定した送信先の数と、送信種別に応じて、適切な送信画情報がネットワーク対応複合機FXへ送信されるので、画質が良好で、かつ、白黒画像とカラー画像を適宜に送信することができることとなる。
これまでに説明した実施例では、送信種別として「ファクシミリ」と「カラーファクシミリ」の2つを指定できるようにしているが、さらに、「電子メール」と「フォルダ送信」の2つ、併せて4種類の送信種別を指定できるようにした場合について、次に説明する。
この場合、図4に示したファクシミリ送信画面のドロップダウンリストDLでは、「ファクシミリ」、「カラーファクシミリ」、「電子メール」、および、「フォルダ送信」の4つが表示され、ユーザは、この4種類から適宜な送信種別を選択することができる。
また、送信種別として「電子メール」または「フォルダ送信」を選択した場合、ユーザは、データ入力ボックスBXbに、電子メールアドレスまたは送信先のフォルダのネットワークアドレスを入力する。
また、上述した実施例では、送信画情報の画質を重視して、カラー画像データを送信する際には、パーソナルコンピュータ装置PCからネットワーク対応複合機FXにRGBカラー画像データを送信しているが、通常、このRGBカラー画像データのデータ量はかなり大きいため、ローカルエリアネットワークLNのトラフィックの観点からは、RGBカラー画像データをやりとりすることは好ましくない。特に、ページ数が多い場合には、影響が顕著となる。
そこで、本実施例では、カラー画像データとしてJPEG画像を採用する。上述したように、送信画像の先頭に付加情報HHを挿入する際、JPEG画像からRGBカラー画像データに逆変換して行う必要があり、その後に、JPEG変換を行ってカラーファクシミリ通信を行うので、画像劣化が著しくなることが考えられる。そこで、この場合のJPEG変換時の圧縮率を小さい値、例えば、20%に設定し、画質劣化の影響を極力小さく抑えるようにする。
なお、このように、カラー画像データを送信する際の画像フォーマットとしてどれを選択するかについては、送信時に適用される画像処理等、種々の条件を参酌する必要があり、通信システムが利用される状況に合わせて考慮する必要がある。例えば、付加情報HHを挿入する画像処理の必要がないのであれば、常にJPEG画像を採用して、画質を確保することができるとともに、ローカルエリアネットワークLNにおけるトラフィックへの影響を極力抑えるようにすることができる。
一方で、ネットワーク対応複合機FX側で何らかの画像処理を施す必要がある場合には、画質劣化の観点から、RGBカラー画像データを採用することが好ましいと言える。
図14,15は、この場合のパーソナルコンピュータ装置PCの処理の一例を示している。
まず、ユーザが送信先の指定入力を終了すると(処理601)、そのときに入力された送信先の数が「1」であったかどうかを調べる(判断602)。判断602の結果がYESになるときには、その送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断603)。
判断603の結果がYESになるときには、このときに送信する文書は、白黒画像データである。そして、そのときの時刻と、ユーザが指定した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理604)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
このようにして付加情報HHの画像が挿入された送信画像をMMR変換して送信画情報を作成する(処理605)。次いで、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理606)、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する(処理607)。
また、ユーザが指定した送信先の送信種別が「ファクシミリ」以外の「カラーファクシミリ」、「電子メール」、あるいは、「フォルダ送信」のいずれかの場合であり、判断603の結果がNOになるときには、このときに送信する文書は、カラー画像データである。したがって、そのときの時刻と、ユーザが指定した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理608)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
次いで、処理110と同様に、ネットワーク対応複合機FXとの間のネットワーク負荷やメモリ残量に応じて、カラー画像データの圧縮率を設定し(処理609)、処理608で付加情報HHの画像が挿入された送信画像の各ページについて(1ページの場合には、1ページのみ)、処理609で設定された圧縮率を適用し、JPEG変換する(処理610)。次に、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理611)、処理607へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
一方、ユーザが指定した送信先の数が「2」以上の場合であり、判断602の結果がNOになるときには、まず、送信先を1つ選択し(処理615)、処理615で選択した送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断616)。
判断616の結果がYESになるときには、MMR変換して得た送信画情報を既に作成しているかどうかを調べる(判断617)。判断617の結果がNOになるときには、送信画像データをMMR変換して送信画情報を作成し、保存する(処理618)。また、判断617の結果がYESになるときには、処理618を実行しない。
次いで、全ての送信先についての処理を実行したかどうかを調べ(判断619)、判断619の結果がNOになるときには、処理615に戻り、残りの送信先について処理を実行する。
また、処理615で選択した送信先の送信種別が「ファクシミリ」以外の場合で、判断616の結果がNOになるときには、JPEG変換して得た送信画情報を既に作成しているかどうかを調べる(判断620)。判断620の結果がNOになるときには、JPEG変換の圧縮率を設定する(処理621)。この場合の圧縮率は、上述した実施例の処理110のような設定方法でも良いし、上述したように、画像劣化の観点から、小さい値(例えば、20%)の固定値を採用することができる。
そして、送信画像データを処理621で設定した圧縮率でJPEG変換して送信画情報を作成し、保存する(処理622)。また、判断620の結果がYESになるときには、処理621,622を実行しない。次いで、判断619へ移行し、それ以降の処理を実行する。
そして、全ての送信先について処理を完了した場合で、判断619の結果がYESになるときには、処理618で作成したMMR画情報と処理622で作成したJPEG画情報、および、ユーザが指定した複数の送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理623)、処理607へ移行し、処理623で作成した送信ジョブ情報をネットワーク対応複合機FXへ送信する。
すなわち、この場合には、送信ジョブ情報には、2つの送信画情報が含まれることとなる。そして、2つの送信画情報を1つの送信ジョブ情報に含めて送信する際、カラー画像データをRGBカラー画像データの形式で送信した場合、データ量が大きくなるため、この場合には、JPEG圧縮して送信ジョブ情報のデータ量を抑制できるようにしている。
図16,17は、この場合のネットワーク対応複合機FXの処理の一例を示している。
パーソナルコンピュータ装置PCより送信ジョブを受け付けると(処理701)、送信ジョブ情報を受信して保存する(処理702)。そして、送信ジョブ情報の送信先情報テーブルに含まれる送信先数が「1」であるかどうかを調べる(判断703)。
判断703の結果がYESになるときには、送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べ(判断704)、判断704の結果がYESになるときには、網制御装置11により、送信先情報テーブルの送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理705)。
また、判断704の結果がNOになるときには、送信種別が「カラーファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断706)。判断706の結果がYESになるときには、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、送信先情報テーブルの送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理707)。
また、判断706の結果がNOになるときには、送信種別が「電子メール」であるかどうかを調べる(判断708)。判断708の結果がYESになるときには、電子メールを用いて、送信先情報テーブルの送信先アドレスに配置されている電子メールアドレスに、そのときの送信画情報を送信する(処理709)。このとき、送信画情報はバイナリデータなので、MIME変換され、電子メールの添付ファイルの形式で送信される。
また、送信種別が「フォルダ送信」の場合で、判断708の結果がNOになるときには、送信先情報テーブルの送信先アドレスに配置されているネットワークアドレスのフォルダへ、そのときの送信画情報を、FTP送信する(処理710)。
一方、送信先数が「2」以上の場合で、判断703の結果がNOになるときには、まず、送信先を1つ選び(処理715)、処理715で選択した送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断716)。
判断716の結果がYESになるときには、そのときの時刻と、処理715で選択した送信先の名称と、自端末の名称を用いて、付加情報HHの画像を形成する(処理717)。次に、送信ジョブ情報に含まれるMMR画情報を元の白黒画像データに伸張し、処理717で作成した付加情報HHを、その先頭部に挿入(置換)する(処理718)。次いで、処理718で付加情報HHを挿入して作成した送信画像を、MMR変換して再圧縮する(処理719)。ここで、送信画像データが2ページ以上ある場合には、各ページの送信画像データについて、処理718,719を実行する。
そして、網制御装置11により、処理715で選択した送信先の送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、処理719で作成した送信画情報を送信する(処理720)。
ここで、全ての送信先について送信動作を完了したかどうかを調べ(判断721)、判断721の結果がNOになるときには、処理715へ戻り、残りの送信先についてそれ以降の処理を実行する。なお、判断721の結果がYESになるときには、このときの送信動作を終了する。
また、判断716の結果がNOになるときには、処理715で選択した送信先の送信種別が送信種別が「カラーファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断722)。判断706の結果がYESになるときには、そのときの時刻と、処理715で選択した送信先の名称と、自端末の名称を用いて、付加情報HHの画像を形成する(処理723)。次に、送信ジョブ情報に含まれるJPEG画情報を元のカラー画像データに伸張し、処理723で作成した付加情報HHを、その先頭部に挿入(置換)する(処理724)。次いで、処理724で付加情報HHを挿入して作成した送信画像を、JPEG変換して再圧縮する(処理725)。処理725における圧縮率は、所定の値を用いる。ここで、送信画像データが2ページ以上ある場合には、各ページの送信画像データについて、処理724,725を実行する。
そして、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、処理715で選択した送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、処理725で作成した送信画情報を送信する(処理726)。次いで、判断721へ移行し、それ以降の処理を実行する。
また、判断722の結果がNOになるときには、処理715で選択した送信先の送信種別が「電子メール」であるかどうかを調べる(判断727)。判断727の結果がYESになるときには、電子メールを用いて、処理715で選択した送信先の送信先アドレスに配置されている電子メールアドレスに、そのときの送信画情報を送信する(処理728)。このとき、送信画情報はバイナリデータなので、MIME変換され、電子メールの添付ファイルの形式で送信される。次いで、判断721へ移行し、それ以降の処理を実行する。
また、処理715で選択した送信先の送信種別が「フォルダ送信」の場合で、判断727の結果がNOになるときには、処理715で選択した送信先の送信先アドレスに配置されているネットワークアドレスのフォルダへ、そのときの送信画情報を、FTP送信する(処理729)。次いで、判断721へ移行し、それ以降の処理を実行する。
このようにして、本実施例では、送信種別が「ファクシミリ」、「カラーファクシミリ」、「電子メール」、および、「フォルダ送信」の4つの場合について、適切に送信画情報および送信先をネットワーク対応複合機FXへ送信することができて、ネットワーク対応複合機FXは、指定された送信動作を適切に行うことができることとなる。
ところで、上述した実施例では、2つ以上の送信先が指定された場合、送信種別に応じてMMR画情報またはJPEG画情報を送信していたので、送信ジョブ情報には、MMR画情報およびJPEG画情報の2つの送信画情報が含まれる場合があった。
次に、2つ以上の送信先が指定された場合には、RGBカラー画像データを送信するようにした実施例について説明する。
図18,19は、この場合のパーソナルコンピュータ装置PCの処理の一例を示している。
まず、ユーザが送信先の指定入力を終了すると(処理801)、そのときに入力された送信先の数が「1」であったかどうかを調べる(判断802)。判断802の結果がYESになるときには、その送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断803)。
判断803の結果がYESになるときには、このときに送信する文書は、白黒画像データである。そして、そのときの時刻と、ユーザが指定した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理804)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
このようにして付加情報HHの画像が挿入された送信画像をMMR変換して送信画情報を作成する(処理805)。次いで、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理806)、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する(処理807)。
また、ユーザが指定した送信先の送信種別が「ファクシミリ」以外の「カラーファクシミリ」、「電子メール」、あるいは、「フォルダ送信」のいずれかの場合であり、判断803の結果がNOになるときには、このときに送信する文書は、カラー画像データである。したがって、送信画情報として、RGBカラー画像データファイルを作成する(処理808)。次いで、そのときの時刻と、ユーザが指定した送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理809)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
次に、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理810)、処理807へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
一方、ユーザが指定した送信先の数が「2」以上の場合であり、判断802の結果がNOになるときには、送信画情報として、RGBカラー画像データファイルを作成する(処理811)。
そして、作成した送信画情報と、ユーザが指定した2つ以上の送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理812)、処理807へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
すなわち、この場合には、2つ以上の送信先が指定されたときの送信ジョブ情報には、RGBカラー画像データの形式の送信画情報のみが含まれることとなる。また、付加情報HHを挿入する処理は、ネットワーク対応複合機FX側で行われる。
図19,20は、この場合のネットワーク対応複合機FXの処理の一例を示している。
パーソナルコンピュータ装置PCより送信ジョブを受け付けると(処理901)、送信ジョブ情報を受信して保存する(処理902)。そして、送信ジョブ情報の送信先情報テーブルに含まれる送信先数が「1」であるかどうかを調べる(判断903)。
判断903の結果がYESになるときには、送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べ(判断904)、判断904の結果がYESになるときには、網制御装置11により、送信先情報テーブルの送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理905)。
また、判断904の結果がNOになるときには、送信種別が「カラーファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断906)。判断706の結果がYESになるときには、送信ジョブ情報に含まれる送信画情報をJPEG変換し(処理907)、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、送信先情報テーブルの送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、処理907で作成した送信画情報を送信する(処理908)。
また、判断906の結果がNOになるときには、送信種別が「電子メール」であるかどうかを調べる(判断909)。判断909の結果がYESになるときには、電子メールを用いて、送信先情報テーブルの送信先アドレスに配置されている電子メールアドレスに、そのときの送信画情報を送信する(処理910)。このとき、送信画情報はバイナリデータなので、MIME変換され、電子メールの添付ファイルの形式で送信される。
また、送信種別が「フォルダ送信」の場合で、判断909の結果がNOになるときには、送信先情報テーブルの送信先アドレスに配置されているネットワークアドレスのフォルダへ、そのときの送信画情報を、FTP送信する(処理911)。
一方、送信先数が「2」以上の場合で、判断703の結果がNOになるときには、まず、送信先を1つ選び(処理915)、処理915で選択した送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断916)。
判断916の結果がYESになるときには、そのときの時刻と、処理715で選択した送信先の名称と、自端末の名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信ジョブ情報に含まれるRGBカラー画像データの先頭部に、挿入(置換)する(処理917)。
次に、処理917で付加情報HHを挿入して編集したRGBカラー画像データを所定の白黒変換処理を適用して、白黒画像に変換し(処理918)、処理918で作成した白黒画像データをMMR変換して、送信画情報を作成する(処理919)。ここで、送信画像データが2ページ以上ある場合には、各ページの送信画像データについて、処理917,918,919を実行する。
そして、網制御装置11により、処理915で選択した送信先の送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、処理919で作成した送信画情報を送信する(処理720)。
ここで、全ての送信先について送信動作を完了したかどうかを調べ(判断921)、判断921の結果がNOになるときには、処理915へ戻り、残りの送信先についてそれ以降の処理を実行する。なお、判断921の結果がYESになるときには、このときの送信動作を終了する。
また、判断916の結果がNOになるときには、処理915で選択した送信先の送信種別が送信種別が「カラーファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断922)。判断906の結果がYESになるときには、そのときの時刻と、処理915で選択した送信先の名称と、自端末の名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信ジョブ情報に含まれるRGBカラー画像データの先頭部に、挿入(置換)する(処理923)。
次に、処理923で付加情報HHを挿入して作成した送信画像を、JPEG変換して送信画情報を作成する(処理924)。ここで、処理924における圧縮率は、所定の値を用いる。また、送信画像データが2ページ以上ある場合には、各ページの送信画像データについて、処理923,924を実行する。
そして、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、処理915で選択した送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、処理924で作成した送信画情報を送信する(処理925)。次いで、判断921へ移行し、それ以降の処理を実行する。
また、判断922の結果がNOになるときには、処理915で選択した送信先の送信種別が「電子メール」であるかどうかを調べる(判断927)。判断927の結果がYESになるときには、電子メールを用いて、処理915で選択した送信先の送信先アドレスに配置されている電子メールアドレスに、そのときの送信画情報を送信する(処理927)。このとき、送信画情報はバイナリデータなので、MIME変換され、電子メールの添付ファイルの形式で送信される。次いで、判断921へ移行し、それ以降の処理を実行する。
また、処理915で選択した送信先の送信種別が「フォルダ送信」の場合で、判断926の結果がNOになるときには、処理915で選択した送信先の送信先アドレスに配置されているネットワークアドレスのフォルダへ、そのときの送信画情報を、FTP送信する(処理928)。次いで、判断921へ移行し、それ以降の処理を実行する。
このようにして、本実施例では、送信種別が「ファクシミリ」、「カラーファクシミリ」、「電子メール」、および、「フォルダ送信」の4つの場合について、適切に送信画情報および送信先をネットワーク対応複合機FXへ送信することができて、ネットワーク対応複合機FXは、指定された送信動作を適切に行うことができることとなる。
ところで、ユーザが作成した送信文書の1ページ目に、送付状(カバーページ)が設けられる場合がある。この送付状は、相手先を表示したり、挨拶文が掲載されたりするのが通常であり、本文に比べて重要性が低い。
このような送付状が付加された文書が作成された場合で、ユーザが指定した送信種別が「カラーファクシミリ」であったとき、送付状の画像データまでカラー画像データで送ると、送信ジョブ情報のデータ量が無駄に大きくなるため、送付状の画像データについては白黒画像に変換し、さらに、MMR変換する。これにより、送信ジョブ情報のデータ量を効果的に抑制することができる。
また、この場合の送信ジョブ情報に含まれる送信画情報は、図21に示すように、送付状が1ページ目に配置され、それに続いて、本文の各ページが配置される。
図22は、この場合のパーソナルコンピュータ装置PCの処理の一例を示している。この場合、送信先の指定数が「1」である。
まず、ユーザは、送付状を1ページ目に配置した印刷文書を作成し、印刷する際、ファクシミリ送信画面を用いてファクシミリ送信を指定する。ユーザが送信先の指定入力を終了すると入力された送信先の送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断1001)。
判断1001の結果がYESになるときには、このときに送信する文書は、白黒画像データである。そして、そのときの時刻と、指定された送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成し、送信画像の先頭部に挿入(置換)する(処理1002)。このとき、送信ページ数が2ページ以上の場合には、各ページについて、送信画像の先頭部に付加情報HHの画像を挿入する。
このようにして付加情報HHの画像が挿入された送信画像をMMR変換して送信画情報を作成する(処理1003)。次いで、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理1004)、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する(処理1005)。
また、ユーザが指定した送信先の送信種別が「カラーファクシミリ」であり、判断1001の結果がNOになるときには、このときに送信する文書は、カラー画像データである。この場合、まず、処理110と同様の処理により、圧縮率を設定する(処理1006)。
そして、そのときの時刻と、ユーザに指定された送信先の名称と、MFP機器情報テーブルから取得したネットワーク対応複合機FXの名称を用いて、付加情報HHの画像を形成する(処理1007)。
次いで、処理対象となる送信画像を1ページ目から順次選択し(処理1008)、処理1008で選択した送信画像が1ページ目、すなわち、送付状の画像であるかどうかを調べる(判断1009)。
判断1009の結果がYESになるときには、カラー画像データを所定の白黒変換処理を適用して白黒画像データに変換し(処理1010)、処理1010で作成した白黒画像データの先頭部に、処理1007で作成した付加情報HHを挿入(置換)する(処理1011)。そして、処理1011で作成した白黒画像データをMMR変換して、1ページ目の送信画情報を作成する(処理1012)。
ここで、全てのページの処理が終了したかどうかを調べ(判断1013)、判断1013の結果がNOになるときには、処理1008へ戻り、次のページについて処理を実行する。
また、処理1008で選択した処理対象のページが、2ページ以降の場合で、判断1009の結果がNOになるときには、当該処理ページのカラー画像データの先頭部に、処理1007で作成した付加情報HHを挿入(置換)する(処理1014)。そして、処理1014で付加情報HHを挿入して作成した送信画像を、JPEG変換して送信画情報を作成する(処理1014)。また、処理1014におけるJPEG変換の際の圧縮率は、処理1006で設定したものを適用する。
次いで、判断1013へ移行し、それ以降の処理を実行する。
そして、全てのページの処理が終了して、判断1013の結果がYESになると、作成した送信画情報と、ユーザが指定した送信先の情報に基づいて、上述した送信ジョブ情報を作成し(処理1016)、処理1005へ移行し、その送信ジョブ情報を、ローカルエリアネットワークLNを介して、ネットワーク対応複合機FXへ送信する。
図23は、この場合のネットワーク対応複合機FXの処理の一例を示している。
パーソナルコンピュータ装置PCより送信ジョブを受け付けると(処理1101)、送信ジョブ情報を受信して保存する(処理1102)。そして、送信ジョブ情報の送信先情報テーブルの送信種別が「ファクシミリ」であるかどうかを調べる(判断1103)。
判断1103の結果がYESになるときには、網制御装置11により、送信先情報テーブルの送信先番号へ発呼し、所定のグループ3ファクシミリ伝送手順を実行し、送信ジョブ情報の送信画情報を送信する(処理1104)。
また、送信種別が「カラーファクシミリ」の場合で、判断1103の結果がNOになるときには、送信ジョブ情報の送信画情報の1ページ目、すなわち、送付状の画像をMMR変換したものを、元の画像データに復号化する(処理1105)。
次いで、処理1105で復号化して得た画像データをJPEG変換し(処理1106)、処理1106で作成したJPEG画像データを1ページ目に配置するように、送信画情報を再構築する(処理1107)。
そして、ITU−T勧告H.323またはSIPに従った呼接続手順を適用して、送信先情報テーブルの送信先番号であらわされる送信先との間で通信パスを設定し、その設定した通信パスを用いて、所定の伝送手順を適用して、処理1107で再構築した送信画情報を送信する(処理1108)。
このようにして、本実施例では、送付状を含む送信画像を効率よくネットワーク対応複合機FXへ送信することができ、ユーザが指定した送信動作を適切に行うことができる。