JP4870271B2 - 水性絵具組成物 - Google Patents

水性絵具組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP4870271B2
JP4870271B2 JP2001063944A JP2001063944A JP4870271B2 JP 4870271 B2 JP4870271 B2 JP 4870271B2 JP 2001063944 A JP2001063944 A JP 2001063944A JP 2001063944 A JP2001063944 A JP 2001063944A JP 4870271 B2 JP4870271 B2 JP 4870271B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
paint composition
paint
resin
pigment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001063944A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002265872A (ja
Inventor
寿喜 三澤
匡宏 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakura Color Products Corp
Original Assignee
Sakura Color Products Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakura Color Products Corp filed Critical Sakura Color Products Corp
Priority to JP2001063944A priority Critical patent/JP4870271B2/ja
Publication of JP2002265872A publication Critical patent/JP2002265872A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4870271B2 publication Critical patent/JP4870271B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水彩絵具、ポスターカラー、水溶性絵具などに好適に使用することができる水性絵具組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、必須成分として、水溶性樹脂または合成樹脂エマルジョン等の定着剤、顔料及び水を含み、必要に応じてグリセリン等の乾燥防止剤、炭酸カルシウム等の体質顔料の他、適当な分散剤等を含む水彩絵具、アクリル絵具、墨汁等の各種水性絵具組成物等が提供されている。定着剤としてアラビアゴム、デキストリン、セルロース誘導体等の水溶性樹脂が使用されている従来公知の水彩絵具等は、水により濃度を容易に調整することができ、透明調、不透明調の画面効果を任意に得ることができる。また、滲み効果を利用する等、様々な表現を施すことができる。また従来公知の水性絵具等では、顔料の粒子径は、0.3μm以下の粒子径のものが多く含まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、定着剤としてアラビアゴム、デキストリン、セルロース誘導体等の水溶性樹脂を用いた水性絵具は、常温乾燥後、形成される塗膜が水溶性であるため、製作中や常温乾燥後にその描画された塗膜を修正することができるが、塗膜に耐水性がないことから、布用、屋外用として使用する場合は、その耐水性、耐候性に問題がある。
【0004】
一方、定着剤としてアクリル系合成樹脂エマルジョンが使用されている従来公知のアクリル絵具等は、常温乾燥後、形成される塗膜が油溶性であるため、塗膜の耐水性は優れており、また布用、屋外用としても有用である。また、従来公知のアクリル絵具は乾燥時間が短く、さらに常温乾燥後の塗膜が油溶性であるため、製作中や常温乾燥後に描画塗膜の修正や様々な表現を自由自在に施すことが難しい。また、従来公知のアクリル絵具においては、形成される塗膜の耐水性や強度が優れるため、常温乾燥後、塗布前の状態に復元させることは極めて困難である。さらに、上述のようなアクリル絵具等を用いて製作を行う場合、使用した筆、ペインティングナイフ等の画材をそのまま放置しておくと、付着したアクリル絵具が、画材の上で乾燥してしまい、水によって洗浄することができなくなる。よって、製作中であっても、常に使用している画材の乾燥に注意しながら使用する必要がある。
【0005】
また、従来公知の水性絵具組成物では、既述の様に、着色剤である顔料の粒子径は、0.01μmから0.3μm程度のものが多い。よって、これらの顔料粒子は描画対象物である画用紙や布等の繊維中に入り込み易い。さらに顔料は、多くの場合いびつな形をした粒子であり、一旦繊維中に入り込んだ顔料粒子は、繊維から離脱し難い。よって、従来公知の水性絵具組成物は、修正や洗濯の際に、着色剤である顔料粒子を完全に除去することは難しい。
【0006】
よって、従来は、描画性を維持しながら、修正や洗濯の際に描画塗膜を除去することのでき、かつ耐水性及び耐候性を持った塗膜を形成することができる水性絵具は提供されていない。
【0007】
本発明の目的は、従来の水彩絵具の特性を低下させることなく、修正や様々な表現を自由自在に施すことができると共に、洗濯の際に塗面を完全に除去することができ、また、筆、ペインティングナイフ等の画材を使用後に簡単に洗浄することができるほか、アクリル絵具と同様に優れた塗膜の耐水性を発揮し、布用、屋外用としても有用な水性絵具組成物を提供するところにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明は、必須成分として、着色剤、定着剤及び水を含み、上記定着剤として熱架橋性水溶性樹脂を含有する水性絵具組成物を採用した。そして、好ましい熱架橋性水溶性樹脂が自己架橋型デンプン及びグラフト化デンプンであることを見出した。
【0009】
上述のような水性絵具を用いて塗布すると、室温程度による常温乾燥の前後では、従来の水彩絵具と同様の特性を持ち、製作中や常温乾燥後において描画塗膜の修正や様々な表現が可能である。また、筆やペインティングナイフ等の画材に付着した絵具は、室温下では乾燥後も水溶性であり、水等で簡単に洗浄することができる。しかし、作品完成後、塗膜を加熱すると、前記熱架橋性水溶性樹脂が加熱処理によって架橋する結果、塗膜が耐水性を発現する。例えば自己架橋型デンプンの場合、室温程度の常温乾燥では通常のデンプンと同じ水溶性の性能を持つが、形成された塗膜を100℃以上の温度で加熱すると、そのエーテル化された反応性官能基を使って架橋し、自己架橋型デンプンはこの熱架橋によって水溶性の機能を失うためである。よって、加熱処理後の塗膜は、アクリル樹脂と同様の優れた耐水性を持ち、布描画用や屋外に描画する場合でも有用である。
【0010】
また、本発明者らは、前記着色剤として平均粒径が3〜20μmの球状の着色樹脂粒子を含有する水性絵具組成物の場合、かかる水性絵具を用いて塗布すると、室温程度における常温乾燥の前後では、誤って被服に付着した場合でも、或いは布地に描画して途中で修正を要する場合でも、洗濯により完全に塗面を除去することができることを見出した。
【0011】
これは、着色剤である着色樹脂粒子の粒子径が、従来公知の水性絵具に用いられる着色剤よりも大きく、被服の繊維中に入り込み難くく、またこの着色樹脂粒子が球状であることから、表面の平滑性が高い。このような着色樹脂粒子は繊維に絡まりにくく、洗濯による離脱が容易である。そのため洗濯した際に、着色剤は繊維から容易に離脱し、繊維中の着色剤の残存量が減少する。よって、修正や洗濯の際における、塗膜の除去性能(特に、着色剤の除去性能)が極めて優れたものとなる。特に好ましくは、前記着色剤として平均粒径が3〜20μmの球状の着色樹脂粒子を含み、かつ前記定着剤として既述した熱架橋性水溶性樹脂(好ましくは自己架橋型デンプン及び/またはグラフト化デンプン)を含む水性絵具の場合、常温乾燥の前後において描画塗膜を修正し易く、洗濯し易いほか、描画塗膜を加熱処理した後は、熱架橋性水溶性樹脂(好ましくは自己架橋型デンプン及び/またはグラフト化デンプン)の働きにより、塗膜がアクリル樹脂と同様の優れた耐水性を発現する。
【0012】
このようなことから、本発明の水性絵具組成物は、従来の水彩絵具の特性を低下させることなく、修正や洗濯の際における極めて優れた塗面の除去性能と、アクリル絵具と同様の塗面の耐水性を共に発現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(熱架橋性水溶性樹脂)
本発明の熱架橋性水溶性樹脂としては、格別限定されるものではなく、水溶性で、塗膜の皮膜形成機能を有し、加熱により架橋して耐水性を発現するものであれば用いることができる。しかし、絵具特性及び塗布適性を考慮すると、着色剤の分散性、および絵具の増粘効果を有する熱架橋性水溶性樹脂が好ましい。
【0014】
このような見地から、熱架橋性水溶性樹脂としては自己架橋型デンプン、グラフト化デンプン、ジアルデヒドデンプンなどが挙げられるが、中でも自己架橋型デンプン、グラフト化デンプンが好ましい。
【0015】
具体的には、グラフト化デンプンとしては商品名「ペトロサイズL−2B」(日澱化学株式会社製)、自己架橋型デンプンとしては商品名「DNRU−Z44」(日澱化学株式会社製)を好適に使用できる。また、上記自己架橋型デンプンとしては1種又は2種以上を混合して用いることができ、また上記グラフト化デンプンについても1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0016】
熱架橋性水溶性樹脂、特に自己架橋型デンプン及び/またはグラフト化デンプンの含有量は制限されないが、例えば、絵具組成物全量に対して固形分で12〜50重量%が好適範囲である。熱架橋性水溶性樹脂、特に自己架橋型デンプン及び/またはグラフト化デンプンの含有量が絵具組成物全量に対して固形分で12重量%未満であると、耐水性が低下する。また、定着剤の全部が熱架橋性水溶性樹脂(例えば自己架橋型デンプン)である場合、熱架橋性水溶性樹脂(例えば自己架橋型デンプン)の含有量が絵具組成物全量に対して固形分で12重量%未満であると、定着性、着色剤の分散性がそれぞれ低下し、十分な増粘効果が得られない。一方、熱架橋性水溶性樹脂(例えば自己架橋型デンプン)の含有量が絵具組成物全量に対して固形分で50重量%を越えると、粘度が高くなり、流動性が低下して、使用感が悪くなる。熱架橋性水溶性樹脂(例えば自己架橋型デンプン)の最適配合量は0.5〜30重量%である。
【0017】
さらに、耐水化助剤として塩化アンモニウムや各種有機酸等を添加することにより、耐水化を発現する温度や時間を調節することができる。
【0018】
(着色剤)
本発明の着色剤としては、格別限定されるものではなく、着色効果を有し、絵具の色を種々の色に調整することができるものであれば用いることができる。しかし、絵具特性及び塗布適性を考慮すると、分散性、および経時安定性に優れることが好ましい。
【0019】
このような見地から、着色剤としては、公知のものであればすべて用いることができるが、例えば、カーボンブラック、酸化チタン等の無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料等の有機顔料、アルミニウム顔料、真鍮粉顔料等の金属顔料、ガラスフレーク顔料等を例示できる。また、これらを顔料分散体として用いることもできる。また、着色エマルジョンも使用することができる。また、着色剤としては、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
しかし、既述の通り、描画塗膜を修正し易くし、洗濯可能にして、元の状態に復元する場合は、平均粒径が3〜20μmの球状の着色樹脂粒子を含有することが望ましい。なお、本発明において「着色樹脂粒子」とは、着色された合成樹脂の微粒子として定義される。例えば、上述の顔料を発色成分として用い、その顔料粒子の表面が合成樹脂で被覆された、合成樹脂被覆顔料を挙げることが出来る。また、油溶性で合成樹脂に溶ける染料を発色成分として用い、合成樹脂粒子がその発色成分である染料によって着色された着色樹脂粒子を用いることができる。また、上述の顔料もしくは染料の1種又は2種以上を混合して調色し、この調色品を一つの粒子に前記発色成分として用いる場合もある。
【0021】
前記着色樹脂粒子を構成する合成樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン樹脂、エチレン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、アミド樹脂、メラニン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が用いられる。この合成樹脂は1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0022】
上記合成樹脂被覆顔料は、前記顔料の表面を例えばマイクロカプセル法、より具体的には、界面重合法、insitu重合法、液中硬化被覆法(オリフィス法)、水溶液からの相分離法、或いは液中乾燥法等により得ることが出来る。
【0023】
また、分散された顔料に合成樹脂を結合、または、付着させた、より具体的には、顔料を核として、この表面を多数のコロイド状の樹脂粒子で覆ったものを用いることができる。また、例えば、顔料に、該顔料の粒子と同等程度の大きさの樹脂を結合させたものを用いることができる。その他、熱可塑性樹脂あるいは熱硬化性樹脂に顔料や染料を練り込み、粉砕することにより製造されたものを用いることができる。
【0024】
前記合成樹脂被覆顔料としては、例えば、「ラブコロール020(F)ブラック」(大日精化社製、発色成分:カーボンブラック、合成樹脂:アクリル樹脂)、サンプル名「SKB−04G」(巴川製紙所株式会社製、発色成分:カーボンブラック、合成樹脂:スチレン−アクリル共重合体)等を好適に使用することができる。なお、上記合成樹脂被覆顔料は1種又は2種以上を混合して使用することができる。
【0025】
また、本発明の着色樹脂粒子の平均粒子径は3〜20μmであることが好ましい。着色樹脂粒子の粒子径が3μm未満である場合は、修正や洗濯の際における、塗面の除去性能が低下する。また、着色樹脂粒子の粒子径が20μmを越える場合は、塗布した際の塗布面(塗膜面)の平滑性が低下し、光沢が悪くなる。
【0026】
前記着色樹脂粒子の含有量は特に制限されないが、例えば、絵具組成物全量に対して固形分で3〜60重量%が好適範囲である。前記着色樹脂粒子の含有量が絵具組成物全量に対して固形分で3重量%未満であると、着色力が低下する。一方、前記着色樹脂粒子の含有量が絵具組成物全量に対して固形分で60重量%を越えると、濃度が高すぎる、固形分が多く樹脂量が不足し定着性が悪くなる、粘度が高くなり筆さばきが悪くなるといった問題がある。着色樹脂粒子の最適配合量は5〜50重量%である。また、前記着色樹脂粒子はこれらの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0027】
(水溶性樹脂)
本発明の水溶性樹脂としては、格別限定されるものではなく、水溶性で、塗膜の皮膜形成機能を有している皮膜形成樹脂であれば用いることができる。しかし、絵具特性及び塗布適性を考慮すると、着色剤の分散性、および絵具の増粘効果を有することが好ましい。
【0028】
この水溶性樹脂としては、天然、合成を問わず用いることができる。天然水溶性樹脂としては、例えば、アラビアゴム、ローカストビーンゴム、トラガカントゴム、グァーゴム、アルギン酸、ゼラチン、カラギーナン、カゼイン、キサンテンゴム、デキストリン等を例示することができる。また、合成水溶性樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンオキサイド、酢酸ビニルとポリビニルピロリドンの共重合体、アクリル樹脂のアルカリ金属塩等を例示することができる。また、天然水溶性樹脂としては、例えばアラビアガム、デキストリンが好適である。合成水溶性樹脂としては、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)が好適である。上記水溶性樹脂としては、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0029】
この皮膜形成機能を持つ水溶性樹脂の含有量は特に制限されないが、例えば、絵具組成物全量に対して固形分で38重量%以下が好適範囲である。水溶性樹脂の含有量が絵具組成物全量に対して固形分で38重量%を越えると、粘度が高くなり、流動性が低下して、使用感が悪くなる。上記熱架橋性水溶性樹脂(例えば自己架橋型デンプン)のみで、十分な定着性、および絵具の増粘効果を示している場合、特に使用する必要はない。
【0030】
(体質顔料)
本発明では体質顔料を用いることができる。体質顔料としては、格別限定されるものではないが、絵具特性及び塗布適性を考慮すると、着色剤の発色性を阻害せず、隠蔽力を有することが好ましい。
【0031】
体質顔料としては、天然、合成を問わず用いることができる。例えば、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイト、クレー、マイカ、カオリン、二酸化ケイ素等を例示することができる。中でも、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ベントナイトを好適に用いることができる。体質顔料としては、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。
【0032】
体質顔料の含有量は特に制限されないが、例えば、絵具組成物全量に対して固形分で40重量%以下が好適範囲である。水溶性樹脂の含有量が絵具組成物全量に対して固形分で40重量%を越えると、顔料濃度が低くなり、発色が悪くなる。また、体質顔料を使用しなくても濃度調整、被覆力の効果が得られている場合は、特に使用する必要はない。
【0033】
(その他)
なお、本発明の水性絵具組成物では、慣用の水を配合することができる。また、その他必要に応じて、ベンゾイソチアゾリン系、ペンタクロロフェノール系、クレゾール等の防腐防黴剤、グリセリン、エチレングリコール等の湿潤剤、各種界面活性剤等を必要に応じて添加することができる。
【0034】
本発明の水性絵具の製造方法は、格別限定されるものではないが、例えば次の方法によって製造することが好ましい。まず、上記熱架橋性水溶性樹脂(例えば自己架橋型デンプン)、水、及び必要に応じて前記水溶性樹脂と湿潤剤を、加熱しながら攪拌、混合し、メジウムを調整する。これに着色剤、必要に応じて体質顔料、防腐防黴剤、界面活性剤を投入して撹拌した後、三本ロールミルで分散する。なお、かかる調製に際しては、従来公知の分散方法、脱泡方法、濾過方法等を採用することができる。
【0035】
【実施例】
表1、2に示す組成及び配合量(重量部)で、上記の製造方法により水性絵具組成物を得た。
【0036】
【表1】
Figure 0004870271
【0037】
【表2】
Figure 0004870271
【0038】
表1及び表2中、各原料組成は下記の通りである。
(自己架橋型デンプン)
I.自己架橋型デンプン:商品名「DNRU−Z44」、日澱化学株式会社製
(耐水化助剤)
I.塩化アンモニウム:試薬
(水溶性樹脂)
I.デキストリン:商品名「デキストリンS−102」、日澱化学株式会社製
【0039】
(着色剤)
I.黄色顔料:商品名「ファーストエロー10GHコンクS」、C.I. Pigment Yellow 1、大日精化株式会社製
II.黒色顔料:商品名「プリンテックスG」、C.I. Pigment Black 7、デグサ株式会社製
III.合成樹脂被覆黒色顔料:商品名「SKB−03G」、平均粒径3μm、巴川製紙所株式会社製
IV.合成樹脂被覆黒色顔料:商品名「SKB−04G」、平均粒径8μm、巴川製紙所株式会社製
V.合成樹脂被覆黒色顔料:商品名「ラブコロール020(F)ブラック」、平均粒径20μm、大日精化株式会社製
VI.合成樹脂被覆黒色顔料:商品名「ラブコロール020(IWA)ブラック」、平均粒径38μm、大日精化株式会社製
【0040】
(体質顔料)
I.軽質炭酸カルシウム:商品名「炭酸カルシウム」、近江化学株式会社製
(分散剤)
I.β−ナフタレンスルホン酸ソーダホルマリン縮合物:商品名「ラベリンFC−P」、第一工業株式会社製
(湿潤剤)
I.グリセリン:商品名「グリセリン」、坂本薬品株式会社製
(防腐防黴剤)
I.1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン:商品名「プロクセルXL−2」、アビシア株式会社製
【0041】
(評価試験1)
表1の実施例及び比較例に係る水性絵具を用いて、下記の試験を行った。これらの評価結果は表1に示した。
【0042】
(耐水性試験)
表1の実施例および比較例に係る水性絵具を用いて、それぞれ、かまぼこ板に塗布し、これらを100℃恒温槽中にて24時間乾燥した。さらに、これらを水中にて24時間浸漬し、耐水性について、それぞれ評価した。耐水性は、色落ちの状態を目視観察により、下記の基準で評価した。
○:色落ちが全く無い。
△:色落ちが認められるが、その程度は小さい。
×:色落ちが認められ、その程度が大きい。
【0043】
(描画性試験1)
表1の実施例及び比較例に係る水性絵具を、それぞれ、絵具:水=5:1の比率で希釈し、平筆を用いて、市販の画用紙に塗布した時の描画性を以下の基準で評価した。
○:筆さばきがよい。
×:筆さばきが悪い。
【0044】
表1中、実施例1〜5に係る水性絵具組成物では、優れた描画性を発現すると共に、耐水性が良好である。一方、比較例1〜3では描画性は良好であるが、耐水性が悪い。比較例4では、耐水性は良好であるが、描画性が悪い。
【0045】
また、表1より、本発明の水性絵具組成物では、自己架橋型デンプンは絵具組成物全量に対して12〜50重量%含まれていることが好適であると認められる。
【0046】
(評価試験2)
表2の実施例及び比較例に係る水性絵具を用いて、下記の試験を行った。これらの評価結果は表2に示した。
【0047】
(洗濯洗浄性試験)
表2の実施例及び比較例の水性絵具をそれぞれ、絵具:水=5:1の比率で希釈し、平筆を用いて、市販の綿ブロードに塗布した。これらを自然乾燥した後、塗布部の半分を、アイロンを用いて、1分間加熱した。これらのサンプルを、洗濯機を用いて、20℃にて、30分間洗濯し、洗濯洗浄性を下記の基準で評価した。
○:未アイロン部分は完全に絵具が除去されており、かつ、アイロン済みの部分は全く色落ちがない。
△:未アイロン部分に絵具が残留しており、かつ、アイロン済みの部分に色落ちが認められるが、その程度は共に小さい。
×:未アイロン部分に絵具が残留しており、かつ、アイロン済みの部分の色落ちが認められ、未アイロン部分とアイロン済みの部分の間に差が無い。
【0048】
(描画性試験2)
表2の実施例及び比較例に係る水性絵具を、それぞれ、絵具:水=5:1の比率で希釈し、平筆を用いて、市販の綿ブロードに塗布した時の描画性を以下の基準で評価した。
○:筆さばきがよい。
×:筆さばきが悪い。
【0049】
表2、実施例6〜11に係る水性絵具組成物では、優れた描画性を発現すると共に、洗濯洗浄性が良好である。一方、比較例5乃至8では優れた洗濯洗浄性は得られたが、描画性が悪い。比較例6〜7では、描画性は良好であるが、洗濯洗浄性が悪い。
【0050】
また、表2より、本発明の水性絵具組成物では、着色剤である合成樹脂被覆顔料は絵具組成物全量に対して12〜50重量%含まれていることが好適であると認められる。また、着色剤である合成樹脂被覆顔料の粒径は3〜20μmであることが好適であると認められる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、必須成分として、着色剤、定着剤及び水を含み、上記定着剤として熱架橋性水溶性樹脂を含有する水性絵具組成物である。また本発明は、必須成分として、着色剤、定着剤及び水を含み、上記着色剤として平均粒径が3〜20μmの球状の着色樹脂粒子を含有する水性絵具組成物である。
【0052】
従って、本発明の水性絵具組成物は、従来の水彩絵具の特性を低下させることなく、常温乾燥の前後において描画塗膜の修正や様々な表現を自由自在に施すことができ、また、修正や洗濯の際において優れた塗膜面の除去性能を発揮し、さらにアクリル絵具と同様、描画塗膜に耐水性を発現することができる。因って、布用、屋外用としても有用な水性絵具組成物である。

Claims (4)

  1. 必須成分として、着色剤、定着剤及び水を含み、
    上記定着剤として熱架橋性水溶性樹脂を含有し、
    前記熱架橋性水溶性樹脂が、自己架橋型デンプン及び/またはグラフト化デンプンである水性絵具組成物。
  2. 前記熱架橋性水溶性樹脂が、水性絵具組成物全量に対して、12〜50重量%含まれている請求項1記載の水性絵具組成物。
  3. 上記着色剤として平均粒径が3〜20μmの球状の着色樹脂粒子を含有する請求項1又は2記載の水性絵具組成物。
  4. 前記着色樹脂粒子が、水性絵具組成物全量に対して3〜60重量%含まれている請求項3記載の水性絵具組成物。
JP2001063944A 2001-03-07 2001-03-07 水性絵具組成物 Expired - Fee Related JP4870271B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063944A JP4870271B2 (ja) 2001-03-07 2001-03-07 水性絵具組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001063944A JP4870271B2 (ja) 2001-03-07 2001-03-07 水性絵具組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002265872A JP2002265872A (ja) 2002-09-18
JP4870271B2 true JP4870271B2 (ja) 2012-02-08

Family

ID=18922846

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001063944A Expired - Fee Related JP4870271B2 (ja) 2001-03-07 2001-03-07 水性絵具組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4870271B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5300044B2 (ja) * 2008-02-25 2013-09-25 大日本塗料株式会社 塗膜形成用組成物及び塗膜の形成方法
JP2011111577A (ja) * 2009-11-30 2011-06-09 Pentel Corp 水性絵の具組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5498282A (en) * 1992-07-31 1996-03-12 Binney & Smith Inc. Color changing pan paint compositions
JPH1053730A (ja) * 1996-08-12 1998-02-24 Sakura Color Prod Corp 絵具組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002265872A (ja) 2002-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111607286B (zh) 环保型烫画墨水、pet膜热转印方法及其应用
TWI691558B (zh) 用於數位紡織印花墨水的超高白度水性白色色漿及使用其的墨水組成物
CN105518102B (zh) 微胶囊着色材料和书写工具用墨组合物
JP2009030014A (ja) 捺染インクジェット用インク
JP5705481B2 (ja) 水性描画材組成物
JP2002069346A (ja) 高級印刷方法
CN109844042A (zh) 喷墨打印***
EP0960173B1 (en) Washable coloring composition
JP4870271B2 (ja) 水性絵具組成物
JP6781668B2 (ja) インクセット及びインクジェット記録方法。
JP3824181B2 (ja) 消去性着色剤組成物
JPH0117509B2 (ja)
JP2019001871A (ja) インクセット及びインクジェット記録方法
JP2011042912A (ja) 着色繊維の製造方法
JP4297451B2 (ja) マーキングペン用インキ
JP2009263563A (ja) 墨汁様組成物
JP3865873B2 (ja) 消去性着色剤組成物
JP3934431B2 (ja) 布地への筆記方法
JP2005036173A (ja) 水性インキ組成物
JP6915852B2 (ja) 消去性着色材組成物
JP2000319569A (ja) インキ組成物およびそれを用いた筆記具
JP3963284B2 (ja) 描画材
JP2008133461A (ja) 布地の透け防止用着色剤組成物、当該着色剤組成物を用いた着色方法及び裏面が着色された布地
JP3426789B2 (ja) インク組成物
CN113026384A (zh) 一种织物微量印花的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110524

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111108

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141125

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees