JP4869729B2 - 高粘性流体塗布システム - Google Patents

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Description

本発明は、接着剤,クリーム状はんだ,フラックス等の高粘性流体を塗布するシステムに関するものであり、特に、シリンジに収容された高粘性流体を吐出ノズルから吐出させ、塗布対象物に塗布するシステムに関するものである。
この種の高粘性流体塗布システムは、例えば、下記の特許文献1に記載されているように既に知られている。特許文献1に記載の接着剤塗布システムは、内部空間に接着剤が収容されるシリンジおよびそのシリンジの内部空間と連通した吐出ノズルとを含むディスペンスユニットと、そのディスペンスユニットを水平方向に移動させる移動装置とを含み、ディスペンスユニットがガイドレール上に位置決めされた基板上の所定の位置へ移動させられるとともに昇降させられ、シリンジ内への気体圧の付与により接着剤が吐出ノズルから吐出させられ、基板に塗布される。この接着剤塗布システムはまた、温調器を備え、吐出ノズル内の接着剤の温度を所定の高さに保つようにされている。温調器は移動装置に設けられており、吐出ノズルの周囲には円環状の循環路が設けられ、温調器により所定の範囲内の温度に調節された水が供給され、循環路に沿って吐出ノズルの周囲を循環した後、温調器に戻されるようにされている。したがって、シリンジから押し出された接着剤は吐出ノズル内を流下する間に循環路内を流れる水からの伝熱により所定の温度とされ、適切な粘度が得られ、基板に正確に所定量塗布される。
特開平10−244196号公報
しかしながら、特許文献1に記載の塗布システムにおいては、温調器および循環路が移動装置に設けられ、ディスペンスユニットと共に移動させられるため、移動質量が大きく、移動速度が低く抑えられ、塗布に時間がかかる。移動速度を抑えなければ、移動開始,停止時における振動が大きく、ディスペンスユニットの停止位置精度が低下して塗布精度が低下する。また、温調器に電流を供給するための配線を温調器の移動に追従して移動するように設けることが必要であり、システムの設計が面倒である。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、移動質量の増大等の問題を生じることなく、正確な量の高粘性流体を塗布することができるシステムの提供を課題とする。
上記の課題は、高粘性流体塗布システムを、(a)高粘性流体を収容するシリンジおよびそのシリンジの内部空間と連通した吐出ノズルを含むディスペンスユニットと、(b)そのディスペンスユニットを着脱可能に保持するユニット保持ヘッドと、(c)そのユニット保持ヘッドを少なくとも一平面内の任意の位置へ移動させる移動装置と、(d)前記シリンジ内の高粘性流体を前記吐出ノズルから吐出させる吐出装置と、(e)前記ユニット保持ヘッドから取り外されたディスペンスユニットを収納する収納装置と、(f)調温ヘッドを備え、その調温ヘッドにより前記ディスペンスユニット内の前記高粘性流体の温度を設定温度に調節するを調温装置とを含み、前記調温装置の少なくとも前記調温ヘッドが前記収納装置に設けられ、前記ディスペンスヘッド自体および前記ユニット保持ヘッドには設けられず、かつ、前記移動装置が、前記ユニット保持部を上下方向に移動させる昇降装置を含み、前記収納装置の前記ディスペンスユニットを収納する収納部の上部に、上方と側方とに連続して開いた開口が形成され、前記収納部に収納された前記ディスペンスユニットが、前記昇降装置による前記ユニット保持ヘッドの上昇と前記移動装置による前記一平面に平行な方向の移動との両方により、前記上方と側方とに連続して開いた開口を通って前記収納部から離脱させられるようにすることにより解決される。
調温装置は、シリンジ内の高粘性流体の温度を調節する装置としてもよく、シリンジ内および吐出ノズル内の高粘性流体の温度を調節する装置としてもよい。
また、調温装置は調温ヘッドを含むすべての構成要素が収納装置に設けられてもよく、調温ヘッド以外の構成要素の少なくとも一部が収納装置とは別であって、移動装置により移動させられることのない状態で設けられてもよい。
本発明に係る高粘性流体塗布システムにおいてディスペンスユニットは、高粘性流体の塗布時には移動装置により移動させられるユニット保持ヘッドに保持され、塗布以外の時には収納装置に収納されて、その収納装置に設けられた調温ヘッドにより高粘性流体の温度が設定温度に調節される。そのため、調温装置を移動装置に設けなくてよく、移動質量が小さくて済み、ディスペンスユニットを振動を抑えつつ高速で移動させ、迅速にかつ精度良く高粘性流体の塗布を行うことができる。また、調温装置はディスペンスヘッドと共には移動しないため、電流供給等のための配線や調温用の流体を供給するための配管を移動可能に設けることが不要であり、システムの設計が容易になる効果も得られる。なお、ディスペンスユニットが移動装置に保持されて高粘性流体の塗布を行っている間は、シリンジ内の高粘性流体は調温装置により調温されないため、温度が設定温度から多少変化するが、収納装置に収納されている間に設定温度に戻される。
また、収納装置のディスペンスユニットを収納する収納部の上部に、上方と側方とに連続して開いた開口が形成されているため、収納部に収納されたディスペンスユニットを、昇降装置によるユニット保持ヘッドの上昇と移動装置による一平面に平行な方向の移動との両方により、上方と側方とに連続して開いた開口を通って収納部から離脱させることができ、昇降装置を昇降ストロークの小さいものとすることができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、特許請求の範囲に記載された発明である「本願発明」の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項の中には補正によって特許請求の範囲に記載の発明でも、それの下位概念の発明でもなくなったものもあるが、特許請求の範囲に記載の発明を理解する上で有用な記載を含んでいるため、そのまま残すこととする。
(1)高粘性流体を収容するシリンジおよびそのシリンジの内部空間と連通した吐出ノズルを含むディスペンスユニットと、
そのディスペンスユニットを着脱可能に保持し、一平面内の任意の位置へ移動させる移動装置と、
前記シリンジ内の高粘性流体を前記吐出ノズルから吐出させる吐出装置と、
前記移動装置から取り外されたディスペンスユニットを収納する収納装置と
を含む高粘性流体塗布システム。
ディスペンスユニットを移動装置に着脱可能に保持させ、移動装置から取り外されたディスペンスユニットを収納装置に収納するようにすれば、種々の効果を得ることができる。例えば、ディスペンスユニット内の高粘性流体の温度調節やシリンジ内の高粘性流体の残量の検出を収納装置において行うことができ、それらを行いつつ、移動装置の移動質量を小さくすることができる等の効果が得られる。また、ディスペンスユニットを複数設け、それらを交替で使用したり、別の作業ユニットと交替で使用したりすることができる。さらに、シリンジへの高粘性流体の補給を、ディスペンスユニットが移動装置から外され、収納装置に支持された状態で行うことができ、補給作業を安定して行うことができる。
(2)前記収納装置に収納中の前記ディスペンスユニット内の前記高粘性流体の温度を設定温度に調節する調温装置を含み、その調温装置の少なくとも調温ヘッドが前記収納装置に設けられた(1)項に記載の高粘性流体塗布システム。
(3)前記ディスペンスユニットが前記シリンジの外周をそのシリンジの外周面との間に隙間を残して囲むカバーを含み、前記調温装置が、前記隙間に調温用流体を供給する調温用流体供給装置を含む(2)項に記載の高粘性流体塗布システム。
調温用流体は、例えば、気体でもよく、液体でもよい。流体により温度を調節すれば、例えば、シリンジの形状を問わず、その周囲に流体を供給し温度を調節することができ、安価にかつ確実に温度調節を行うことができる。
特に、本項の構成によれば、シリンジ内の高粘性流体の温度は、シリンジの外周面とカバーとの間の隙間に供給される調温用流体により調節される。そのため、比較的小さい流量の調温用流体により効率よくシリンジ内の高粘性流体の温度が調節される。また、ディスペンスユニットが収納装置から取り出された状態においてもシリンジはカバーによって囲まれており、直接塗布環境の温度にさらされる場合に比較してシリンジ内の高粘性流体の温度変化が少なくて済み、塗布が良好に行われる。さらに、シリンジがカバーにより保護され、シリンジが損傷して高粘性流体が漏れたりすることが良好に回避される。
本項に記載の塗布システムは、例えば、(13)項に記載の塗布システムにおけるように、収納装置を、シリンジの取出しを、前半は上下方向の移動により、後半は横方向の移動により許容する形状の収納部を含むものとする場合に適している。この場合、例えば、収納部に、外部に常時開放されている開口が設けられ、シリンジを横方向に移動させて収納部の外へ抜け出させるようにするのであるが、収納部の一部が開いているため、調温用流体を収納部とシリンジとの間に効率よく供給することができなくなる。シリンジをカバーにより囲めば、調温用流体はシリンジとカバーとの間に供給できるため、収納部に開口を設け、上下方向の移動および横方向の移動によってディスペンスユニットを収納装置から取り出すことができる。
(4)前記収納装置が、前記ディスペンスユニットの少なくとも下部を、その下部の外周面との間に隙間を残して収容する収容器を含み、前記調温装置が、前記隙間に調温用流体を供給する調温用流体供給装置を含む(2)項に記載の高粘性流体塗布システム。
ディスペンスユニットの少なくとも下部について調温用流体が供給され、高粘性流体の温度が調節されれば、少なくとも吐出ノズルに近い部分の高粘性流体の温度が調節され、目的が達せられる。
本項に記載の塗布システムにおいては、シリンジはカバーにより囲まれず、ディスペンスユニットの構成が簡易になる。
(5)前記ディスペンスユニットを複数含み、かつ、それら複数のディスペンスユニットを交替で前記移動装置に保持させる交替制御部を含む制御装置を含む(1)項ないし(4)項に記載の高粘性流体塗布システム。
ディスペンスユニットを複数含む場合、収納装置をディスペンスユニットと同数設ければ、例えば、移動装置がディスペンスユニットを保持しない状態を得ることができ、移動装置と収納装置との間において直接、ディスペンスユニットの取付け,取外しを行うことができる。また、収納装置に調温装置が設けられる場合、複数のディスペンスユニットについて同時に高粘性流体の温度調節を行うことができる。
収納装置はディスペンスユニットより少なくすることもできる。例えば、移動装置に常に少なくとも1つのディスペンスユニットを保持させておけば、その分、収納装置を少なくすることができる。この場合、例えば、交換補助装置を設け、移動装置と収納装置との間におけるディスペンスユニットの交換を補助させる。交換補助装置は、例えば、ユニット保持部を2つ備えるとともに、それらユニット保持部の一方が移動装置との間においてディスペンスユニットの受渡しを行い、他方が収納装置との間においてディスペンスユニットの受渡しを行う位置と、一方が収納装置との間においてディスペンスユニットの受渡しを行い、他方が移動装置との間においてディスペンスユニットの受渡しを行う位置とに位置させられるものとされる。あるいは、交換補助装置は、移動装置と収納装置との間に設けられたディスペンスユニット保持台としてもよい。交換補助装置を収納装置として利用してもよく、その場合、移動装置がディスペンスユニットを保持しない状態を得ることができる。
移動装置が装着ユニットも保持し、高粘性流体塗布システムが電子回路部品の回路基板への装着を行う電子回路部品装着システムとしても機能させられ、複合システムを構成する場合、移動装置がユニット保持部を複数備え、装着ユニットとディスペンスユニットとが同時に保持されるとともに、ユニット保持部が装着ユニットでもディスペンスユニットでも保持することができるものであれば、ユニット保持部を交換補助装置として使用し、収納装置の数をディスペンスユニットより少なくすることができる。装着ユニットを保持するユニット保持部が装着ユニット専用であれば、収納装置の数をディスペンスユニットより少なくする場合、交換補助装置が設けられる。
ディスペンスユニットを複数含み、それらを交替で移動装置に保持させれば、高粘性流体塗布システムの使い勝手が向上する。
例えば、複数のディスペンスユニットを種類が互いに異なるものとし、例えば、吐出ノズルの吐出口の横断面積が互いに異なるものとし、あるいは吐出ノズルの数が互いに異なるものとし、あるいはシリンジに収容される高粘性流体の種類が異なるものとすれば、塗布対象物に塗布される高粘性流体の塗布直径が複数種類に異なる場合や、1回の塗布動作により同時に塗布される高粘性流体の点数が異なる場合や、1つの塗布対象物に複数種類の高粘性流体を塗布する場合に対応することができる。複数のディスペンスユニットの種類が同じであれば、例えば、高粘性流体の残量が減少した場合にディスペンスユニットを交替させて塗布を行うことにより、高粘性流体の補給のために塗布を中断しなくてよく、塗布能率の低下を抑制することができる。
また、本項が(2)項に従属する態様においては、複数のディスペンスユニットの1つが移動装置に保持されて塗布を行っている間に、他のディスペンスユニットについて高粘性流体の温度を調節することができ、各ディスペンスユニットについて、温度調節されない時間の、温度調節される時間に対する比率を小さくすることができて、ディスペンスユニット内の高粘性流体の温度維持が容易になる。例えば、同じ種類のディスペンスユニットを複数使用し、移動装置に保持されているディスペンスユニットの高粘性流体の温度の低下時にディスペンスユニットを交替させ、収納装置に収納されて高粘性流体の温度が設定温度に調節されているディスペンスユニットにより高粘性流体の塗布を行うことができ、適温の高粘性流体の塗布を連続して行うことができる。
(6)前記収納装置を複数含む(5)項に記載の高粘性流体塗布システム。
例えばディスペンスユニットと同数の収納装置を含むのであれば、例えば、システム停止時に全部のディスペンスユニットをいずれも収納装置に収納させておくことができる。また、移動装置がディスペンスユニットを保持しない状態を得ることができる。
(7)それぞれ複数の電子回路部品を収容し、1個ずつ順次供給する複数のフィーダを保持する複数のフィーダ保持部を備えたフィーダ保持装置を含み、前記収納装置がそのフィーダ保持装置に保持される(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の高粘性流体塗布システム。
本項に記載の高粘性流体塗布システムは、フィーダにより電子回路部品を供給されて、塗布対象物たる回路基板への電子回路部品の装着等の作業を行う作業システムと共に設けられ、複合システムを構成する。複合システムにおける作業システムは、塗布対象材に対して高粘性流体の塗布と関連する作業を行うシステムであり、1つのシステムにより2種類の作業を行うことができ、便利であるとともに、高粘性流体塗布システムと作業システムとを別々に設ける場合に比較してシステム設置スペースを小さくすることができる。また、高粘性流体塗布システムと作業システムとに構成要素の一部を共用させることにより、装置コストを低減することができる。
フィーダ保持装置に収納装置を保持させれば、フィーダ保持装置とは別に収納装置を設ける場合に比較してシステムをコンパクトに構成することができる。また、フィーダ保持装置はシステムの外側に設けられることが多く、作業者は、収納装置に収納されたディスペンスユニットに近づき易く、高粘性流体の補給やディスペンスユニットの交換等の作業を容易に行うことができる。
(8)前記収納装置が、前記複数のフィーダ保持部の少なくとも1つに保持される(7)項に記載の高粘性流体塗布システム。
フィーダ保持部の全部に収納装置を保持させれば、高粘性流体塗布システムが塗布専用システムとして作動させられ、一部に収納装置を保持させ、別の一部にフィーダを保持させれば、高粘性流体塗布システムは塗布および部品装着等の作業を行う複合システムとして作動させられることとなる。
(9)前記移動装置が、前記複数のフィーダから前記電子回路部品を取り出して回路基板に装着する装着ユニットと前記ディスペンスユニットとを選択的に保持するユニット保持部を備えた(7)項または(8)項に記載の高粘性流体塗布システム。
本高粘性流体塗布システムは、移動装置が装着ユニットを保持する状態では電子回路部品装着システムとして機能し、ディスペンスユニットを保持する状態では高粘性流体塗布システムとして機能する。
移動装置は、ユニット保持部を複数備え、ディスペンスユニットと装着ユニットとを同時に保持して移動するものとすることもできるが、ユニット保持部をディスペンスユニットと装着ユニットとを選択的に保持するものとすれば、移動装置の移動質量が小さくて済み、振動の発生を抑えつつ移動速度を高くし、高粘性流体の塗布と電子回路部品の装着とのそれぞれについて停止位置精度を向上させ、塗布精度および装着精度を向上させつつ、作業能率を向上させることができる。特に、本項が(2)項に従属する態様では、調温ヘッドが収納装置に設けられることにより、高粘性流体の温度調節が行われ、塗布が精度良く行われるとともに、簡便なシステムが得られる。
回路基板への高粘性流体の塗布が電子回路部品の装着のために行われる場合、例えば、回路基板への接着剤の塗布により、電子回路部品が回路基板に仮止めされ、回路基板に塗布されたクリーム状はんだの溶融による接合時に電子回路部品がずれることが防止され、あるいはクリーム状はんだの溶融時に接着剤も加熱により硬化させられ、電子回路部品の回路基板への固定が補強され、あるいは回路基板の表裏両面にそれぞれ中型や大型の電子回路部品が装着される場合、一方の面にクリーム状はんだの溶融により接合された電子回路部品であって、他方の面に電子回路部品が装着される際に下側となる電子回路部品が、他方の面に装着された電子回路部品についてクリーム状はんだが溶融される際に、クリーム状はんだの再溶融により落下することを防止するために接着剤が塗布され、クリーム状はんだの溶融時に硬化させられて電子回路部品が固定される。このように回路基板への接着剤の塗布は、種々の理由により行われるが、いずれにしても、移動装置により装着ユニットとディスペンスユニットとが選択的に保持されるのであれば、高粘性流体塗布システムを単独で設ける場合に比較してシステム設置スペースを小さくすることができ、装置コストを低減させることができるとともに、稼働率を向上させ、電子回路生産のトータルコストを低減させることができる。例えば、回路基板の表面のみに電子回路部品が装着されたり、装着される電子回路部品がすべて小さい部品である等、回路基板の種類によっては、接着剤の塗布が行われないこともあり、高粘性流体塗布システムが単独のシステムとして設けられ、電子回路部品装着システムと共に電子回路組立ラインを構成する場合には、ある種類の回路基板についての電子回路組立時には高粘性流体塗布システムが作業を行わないこととなり、稼働率が悪くなる。それに対し、高粘性流体塗布システムが電子回路部品装着システムとしても機能するのであれば、高粘性流体の塗布が不要であっても電子回路部品装着システムとして作動させることにより、稼働率を向上させ、電子回路生産コストを低減させることができるのである。
(10)前記シリンジ内の高粘性流体の残量を検出する残量検出装置を備え、その残量検出装置の少なくとも検出ヘッドが前記収納装置に設けられた(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の高粘性流体塗布システム。
高粘性流体の残量が検出されれば、例えば、残量に応じて吐出装置による吐出圧を制御したり、高粘性流体が完全になくなる前に補給したりすることができ、システムの使い勝手が向上する。
例えば、特開平4−247262号公報には、シリンジ内に収容された接着剤上にフロートが浮かべられるとともにリングが取り付けられ、シリンジの外にリングの位置を検知するセンサが複数設けられた接着剤塗布システムが記載されている。複数のセンサは上下方向に間隔を隔てて設けられており、接着剤の減少によりリングが下降させられ、いずれのセンサがリングを検知するかによって接着剤の残量が演算されるとともに、残量が少ないほど、シリンジからの接着剤の押出圧力が高くされ、残量に関係なく、吐出量がほぼ一定に保たれるようにされるのであるが、この塗布システムにおいては複数のセンサがシリンジに設けられるため、移動質量が大きく、移動開始,停止時における振動発生による塗布精度の低下あるいは移動速度の抑制による塗布能率の低下の問題が生ずる。それに対し、本項に記載の高粘性流体塗布システムにおいては、検出ヘッドが収納装置に設けられており、ディスペンスユニットが収納装置に収納された状態、あるいは収納時、あるいは収納装置からの取出し時に高粘性流体の残量が取得されるため、移動質量が小さくて済み、塗布を精度良く迅速に行うことができる。また、検出ヘッドが位置を固定して設けられるため、その出力信号を送るための信号線の取り回しが容易であり、さらに、ディスペンスユニットに検出ヘッドを設けなくてよく、ディスペンスユニットのコストを低減させることができる。
(11)前記移動装置が、前記ディスペンスユニットを着脱可能に保持するユニット保持部と、そのユニット保持部を上下方向に移動させる昇降装置とを含み、前記収納装置に対して前記ディスペンスユニットを少なくとも上下方向の移動を含む移動により収納し、取り出すものである(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の高粘性流体塗布システム。
(12)前記シリンジ内の高粘性流体の残量を検出する残量検出装置を備え、その残量検出装置が、前記ディスペンスユニットに設けられて前記シリンジ内の前記高粘性流体のレベルを示すレベルインジケータと、前記収納装置に設けられて前記レベルインジケータを検知する検知装置を備えた検出ヘッドと、前記昇降装置に設けられて前記ユニット保持部の上下方向位置を取得する上下位置取得部と、前記検知装置による前記レベルインジケータの検知時に前記上下位置取得部により取得された前記上下方向位置に基づいて前記シリンジ内の高粘性流体の残量を取得する残量取得部とを含む(11)項に記載の高粘性流体塗布システム。
ディスペンスユニットの収納装置からの取出し時や収納装置への収納時に残量を取得することができ、これら取出しと収納との少なくとも一方の運動を利用して高粘性流体の残量を取得することができる。
(13)前記収納装置が、前記シリンジの取出しを、前半は上下方向の移動により、後半は横方向の移動により許容する形状の収納部を含み、前記レベルインジケータが、前記シリンジ内の高粘性流体に浮かぶフロートであって上部被検出部と下部被検出部とを有するインジケート部を有するものを含み、前記残量取得部が、前記残量が多い間は前記検知装置による前記下部被検出部の検出に基づいて、残量が少なくなった後は前記検知装置による前記上部被検出部の検出に基づいて、それぞれ残量を検出する(12)項に記載の高粘性流体塗布システム。
上記上部被検出部と下部被検出部とは、水平方向に延びる環状の被検出部の上縁あるいは下縁により構成することが、不可欠ではないが望ましい。例えば、フロートの上部に幅の広い帯状の被検出部を1本設け、その被検出部の上縁と下縁とをそれぞれ上部被検出部および下部被検出部としたり、フロートの上部と下部とにそれぞれライン状の被検出部を2本設け、それら2本の被検出部の各々の上縁と下縁とのいずれか一方をそれぞれ上部被検出部および下部被検出部としたりするのである。
収納部の上部に、上方と側方とに連続して開いた開口を設け、当初、シリンジを上方へ移動させ、その後横方向へ移動させることにより、ディスペンスユニットを開口を通って収納部の外へ抜け出させるようにすれば、取出し時にディスペンスユニットを、その全体が収納部の上方へ抜け出すまで上昇させなくてよく、ディスペンスユニットの昇降ストロークが短くて済み、装置の小形化が可能になるとともに、取出し,収納に要する時間を短縮することができる。また、例えば、システムの構成の都合上、昇降ストロークが制限される場合にも、ディスペンスユニットを収納装置に収納し、取り出すことができる。そして、これら収納と取出しとの少なくとも一方の運動を利用して高粘性流体の残量を検出することができる。
(14)前記ディスペンスユニットが前記収納装置に収納された状態において高粘性流体の前記吐出ノズルからの漏れを防止する漏れ防止装置を含み、その漏れ防止装置の少なくとも漏れ防止ヘッドが前記収納装置に設けられた(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の高粘性流体塗布システム。
ディスペンスユニットは収納装置に、高粘性流体の塗布時と同じ姿勢で収納されれば、次に高粘性流体の塗布を行うとき、姿勢を変更することなく、移動装置に保持されて直ちに塗布を行うことができるが、吐出ノズルが下方を向いた姿勢で収納されることとなり、高粘性流体の粘性が高くても、収納時間が長いほど、自重により吐出ノズルから漏れる恐れが高い。そのため、漏れ防止装置によって高粘性流体の漏れが防止されるようにすることにより、例えば、高粘性流体の無駄の発生や収納装置の汚れを回避することが望ましい。
(15)前記漏れ防止装置が、前記吐出ノズルの吐出口に大気圧より高く設定された漏れ防止圧を印加する圧力印加装置を含み、前記漏れ防止ヘッドが圧力印加ヘッドを含む(14)項に記載の高粘性流体塗布システム。
高粘性流体の漏れは、例えば、収納装置あるいはディスペンスユニットに設けられたシャッタにより、吐出ノズルの吐出口を閉じることによっても防止することができるが、シャッタを吐出口閉塞位置と吐出口開放位置とに移動可能に設けるとともに、シャッタ移動装置を設けることが必要であり、漏れ防止装置の構造が複雑となる。しかも、シャッタに付着した高粘性流体の処理が困難である。それに対し、漏れ防止圧の印加により漏れを防止すれば、容易に高粘性流体の漏れを防止することができ、吐出ノズルの形状,寸法等も問われず、付着した高粘性流体の処理の問題も生じない。
漏れ防止装置の少なくとも漏れ防止ヘッドが収納装置に設けられ、漏れ防止装置が移動装置によって移動させられることのない状態で設けられれば、移動装置の移動質量が小さくて済む。
(16)前記圧力印加ヘッドが、前記ディスペンスユニットの前記収納装置への収納に伴ってそのディスペンスユニットの少なくとも前記吐出ノズルを含む部分と接続される接続部を含み、前記圧力印加装置が、前記接続部に前記漏れ防止圧に調節された気体を供給する気体供給装置を含む(15)項に記載の高粘性流体塗布システム。
接続部は、少なくとも吐出ノズルの先端部には接触しないものとすることが、高粘性流体の付着を回避する上で望ましい。
(17)前記圧力印加装置が、前記シリンジ内の高粘性流体の残量を検出する残量検出装置と、前記漏れ防止圧をその残量検出装置により検出された高粘性流体の残量が多い場合に少ない場合より高い圧力に制御する圧力制御装置とを含む(15)項または(16)項に記載の高粘性流体塗布システム。
高粘性流体は、残量が多いほど、吐出ノズルからの押出圧力が高く、漏れ易いが、それに合わせて漏れ防止圧を高くすれば、残量が少ない場合には漏れ防止圧が過大となり、高粘性流体が吐出ノズル内に引っ込まされ、次に塗布を行う際に吐出量が不足する恐れがある。それに対し、漏れ防止圧の圧力制御が高粘性流体の残量に応じて行われれば、残量の多少にかかわらず、高粘性流体の過剰な引込みを生ずることなく、漏れを良好に防止することができる。
(18)前記移動装置が、前記ディスペンスユニットを着脱可能に保持するユニット保持部と、そのユニット保持部を上下方向に移動させる昇降装置とを含み、当該高粘性流体塗布システムが、前記吐出装置による前記吐出ノズルからの高粘性流体の吐出の終了時点と、前記昇降装置による前記ディスペンサユニットの下降から停留を経ることなく上昇に転ずる時点とを関連制御することにより、前記吐出ノズルにおける高粘性流体の糸引きを断つ糸引き防止部を含む制御装置を含む(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の高粘性流体塗布システム。
ディスペンスユニットが下降させられた状態で設定時間停止させられた後、上昇させられて塗布対象物から離間させられる場合には、塗布対象物に付着した高粘性流体の吐出ノズルからの切れが悪く、糸引きが生じるのに対し、本項に記載の塗布システムにおいては、ディスペンスユニットが吐出ノズルからの高粘性流体の吐出の終了と同時に上昇させられるため、吐出された高粘性流体の吐出ノズルからの切れが良く、吐出口に付着し続けることがなく、糸引きの発生が良好に防止され、設定量の高粘性流体が精度良く塗布される。
本項に係る発明は、移動装置がディスペンスユニットを着脱可能に保持するものであること、および、収納装置を含むことの2つの構成要件を除いた形態で実施しても有効である。
以下、請求可能発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
高粘性流体塗布システムの一種である本接着剤塗布システムは、電子回路部品装着システムと共に設けられ、接着剤塗布機能と電子回路部品装着機能とを備えた複合システムたる電子回路組立システムを構成している。本電子回路組立システムは、電子回路部品装着システムとして、図1に示すように、基板搬送装置10,それぞれ部品供給装置の一種であるフィーダ型部品供給装置12およびトレイ型部品供給装置14,基板保持装置16,装着装置18および装着ユニット収納装置20を含む。
基板搬送装置10は、システム本体としてのベッド30上に設けられ、例えば、ベルトコンベヤを備え、高粘性流体塗布対象物および部品装着対象物としての回路基板32を水平な一方向に搬送して基板保持装置16に搬入し、基板保持装置16から搬出する。基板搬送方向をX軸方向とし、回路基板32の高粘性流体塗布面ないし部品装着面に平行な一平面である水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。基板保持装置16は位置を固定して設けられ、図示は省略するが、例えば、回路基板32を下方から支持する基板支持装置と、回路基板32の基板搬送方向に平行な両縁部をそれぞれクランプするクランプ装置とを含み、基板搬送装置10により搬入された回路基板32を水平に保持する。
フィーダ型部品供給装置12およびトレイ型部品供給装置14は、本電子回路部品装着システムでは、図1に示すように、ベッド30上の、基板搬送装置10に対してY軸方向に隔たった両側にそれぞれ設けられている。フィーダ型部品供給装置12は、部品供給具の一種である複数のフィーダ40と、部品供給具保持装置としてのフィーダ保持装置42とを備えている。フィーダ40は、例えば、複数の電子回路部品を部品保持テープに保持させた状態で供給するテープフィーダとされており、テープ送り装置により部品保持テープが所定ピッチずつ送られ、多数の電子回路部品が1個ずつ順次、部品供給部に位置決めされ、供給される。
フィーダ保持装置42は、図3に一部を示すように、フィーダ保持部材としてのフィーダ保持台44を備えている。フィーダ保持台44には、スロット46が複数、等間隔に設けられている。これらスロット46はそれぞれ、横断面形状が逆T字形を成し、フィーダ保持台44の上面である支持面48に開口して設けられている。フィーダ40は、供給する部品の寸法に応じて幅が複数種類に異ならされており、スロット46は、幅が最も狭いフィーダ40が、できる限り小さい隙間を隔てて取り付けられる間隔で形成されている。フィーダ保持台44にはまた、図示は省略するが、フィーダ40を幅方向ないし左右方向および前後方向に位置決めする位置決め部,フィーダ保持台44からの浮き上がりを防止する浮き上がり防止部およびフィーダ40をフィーダ保持台44に係合させるための係合部がそれぞれ複数ずつ設けられ、複数のスロット46毎にそれぞれ設けられている。
フィーダ40は、図3に二点鎖線で示すように、横断面形状が逆T字形のレール50を備えており、そのレール50においてスロット46に嵌合され、支持面48上に載置されて下方から支持される。その状態でフィーダ40は、フィーダ保持台44に設けられた上記位置決め部等により位置決めされ、浮き上がりを防止されるとともに、フィーダ40に設けられた係合装置(図示省略)がフィーダ保持台44の係合部に係合させられ、フィーダ保持台44に着脱可能に、かつ各部品供給部がX軸方向に沿って並ぶ状態で保持される。幅が広いフィーダ40は、スロット複数分のスペースを使ってフィーダ保持台44に保持される。これらスロット46,位置決め部,浮き上がり防止部および係合部等がフィーダ保持部を構成している。フィーダ保持部は複数設けられ、複数のフィーダ40がそれぞれフィーダ保持部により保持される。フィーダ保持部および係合装置は、例えば、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2004−272640の明細書に記載のフィーダ保持部および係合装置と同様に構成されており、詳細な図示および説明を省略する。
本フィーダ型部品供給装置12は、図2に示すように、台車60に搭載されて移動させられる。フィーダ保持装置42は複数のフィーダ40を保持した状態で台車60に搭載されるとともに、ベッド30上に設けられて取付部を構成する取付台62に取り付けられる。台車60の取付台62への接近に伴って、図3に示すように、フィーダ保持台44に設けられた一対の脚部64(図3には一方の脚部64のみが図示されている)の案内ローラ66が取付台62に設けられた案内溝68に嵌合され、その案内ローラ66と別の案内ローラ70により案内されるとともに、係合ローラ72が取付台62に係合させられて、フィーダ保持台44が取付台62に取り付けられる。台車60は、電子回路部品装着システムの稼動中は、図2(a)に示すように、フィーダ型部品供給装置12から外され、フィーダ型部品供給装置12の取付台62からの取外し時に、図2(b)に示すようにフィーダ保持装置42に係合させられ、図2(c)に示すように、フィーダ型部品供給装置12が取付台62から取り外され、搬送される。台車60,取付台62,フィーダ型部品供給装置12を台車60に着脱可能に保持させる構成およびフィーダ保持台44を取付台62に取り付ける構成は、特開2004−172500公報に記載された台車等と同様に構成されており、詳細な図示および説明は省略する。
前記トレイ型部品供給装置14は多数の収容凹部を有するトレイに電子回路部品を収容して供給する装置であり、詳細な図示および説明は省略するが、フィーダ型部品供給装置12と同様に台車によって移動可能とされている。
前記装着装置18は、図1に示すように、装着ユニット80と、ユニット移動装置82とを含む。ユニット移動装置82は、X軸方向移動装置84およびY軸方向移動装置86を含む。X軸方向移動装置84は、可動部材としてのX軸スライド90とX軸スライド移動装置92(図9参照)とを含む。X軸スライド移動装置92は、駆動源たるX軸移動用モータ94(図9参照)と、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構96(図9参照)とを含む。Y軸方向移動装置86はX軸スライド90上に設けられ、可動部材としてのY軸スライド100とY軸スライド移動装置102(図9参照)とを含む。Y軸スライド移動装置102は、X軸スライド移動装置92と同様に、駆動源たるY軸移動用モータ104(図9参照)と送りねじ機構106(図9参照)とを含む。X軸移動用モータ94およびY軸移動用モータ104は、例えば、電動モータの一種であるエンコーダ付サーボモータにより構成されている。サーボモータは、回転角度の正確な制御が可能な電動回転モータであり、サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。リニアモータを用いてもよい。
Y軸スライド100には、図4に示すように、装着ユニット80を吸着して保持するユニット保持部としてのユニット保持ヘッドたるユニット吸着ヘッド120,昇降装置122および回転装置124が設けられており、Y軸スライド100の移動により、ユニット吸着ヘッド120に吸着された装着ユニット80は水平面内の任意の位置へ移動させられる。これらユニット吸着ヘッド120等は、未だ公開されていないが、本出願人に係る特願2005−075397の明細書に記載の電子回路部品保持装置と同様に構成されており、簡単に説明する。
ユニット吸着ヘッド120は、図5に示すように、保持部材たる軸状部材130の下端部に一体的に設けられている。軸状部材130は、横断面形状が円形を成し、外周面にスプライン132が設けられたスプライン軸部材である。ユニット吸着ヘッド120は、横断面形状が円形を成し、軸状部材130より大きい直径を有する。
回転装置124は、Y軸スライド100に鉛直軸線まわりに回転可能に保持された回転部材としての回転体136と、回転部材駆動装置としての回転体駆動装置138とを含む。回転体駆動装置138は回転用モータ140(図9参照)を駆動源とし、その回転が回転体136に固定のギヤ142等を含む回転伝達装置により回転体136に伝達され、回転体136が回転させられる。回転用モータ140は、例えば、サーボモータにより構成される。回転体136は円筒状を成し、その内周面に設けられたスプライン144に軸状部材130のスプライン132が軸方向に相対移動可能かつ相対回転不能に嵌合され、回転体136の回転により軸状部材130およびユニット吸着ヘッド120が鉛直軸線まわりに正逆両方向に任意の角度回転させられる。
前記昇降装置122は、Y軸スライド100に昇降可能に設けられた昇降部材150,駆動源としての昇降用モータ152(図9参照)と、Y軸スライド100に軸方向に相対移動不能かつ鉛直軸線まわりに回転可能に設けられたねじ軸としてのボールねじ154および昇降部材150に固定のナット156を含む送りねじ機構158とを含む。昇降用モータ152は、例えば、エンコーダ付サーボモータとされる。軸状部材130の上部は、昇降部材150により相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に保持されており、ボールねじ154が昇降用モータ152により回転させられ、昇降部材150が昇降させられることにより軸状部材130およびユニット吸着ヘッド120が昇降させられる。
軸状部材130内には、その軸線上に通路160が設けられるとともに、その外側に円環状通路162が設けられ、円環状通路162は、軸状部材130に設けられた半径方向通路164,昇降部材150に設けられた円環状通路166,通路168等により、負圧ポンプ等の負圧源170に接続されている。負圧源170から円環状通路166への負圧の供給は、開閉装置172により許容,遮断される。以後、円環状通路166を負圧供給通路162と称する。負圧供給通路162が大気に解放されるようにしてもよい。
通路160は、軸状部材130に設けられた半径方向通路180,昇降部材150に設けられた円環状通路182,通路184等によりコンプレッサ等の正圧源186および前記負圧源170に接続されている。通路160への正圧の供給と負圧の供給とは切換装置188により切り換えられ、正圧と負圧とが択一的に供給される。切換装置188は、例えば、電磁弁を含んで構成され、通路160に供給される正圧の大きさの調節も行う。切換装置188により、通路160が大気に開放された状態も得られる。以後、通路160を正圧・負圧供給通路160と称する。
前記ユニット吸着ヘッド120は、その軸線に直角の一平面状を成し、水平で下向きの吸着面200を備えている。ユニット吸着ヘッド120には、図4に示すように、吸着面200に開口し、その軸線を中心線とする円環状の負圧室用凹部202が形成され、通路204により負圧供給通路162に連通させられている。正圧・負圧供給通路160の下端部は、吸着面200に開口させられている。
装着ユニット80には、負圧により電子回路部品を吸着する吸着ノズルを1つ保持する一ノズル装着ユニット(図示省略)や、図4に示すように、吸着ノズル208を複数保持する多ノズル装着ユニットたるリボルバ装着ユニット80があるが、いずれもユニット吸着ヘッド120によって負圧により吸着されて保持され、昇降,回転させられる。そのため、装着ユニット80は、リボルバ装着ユニット80について図4に示すように、その軸線に直角で一平面状の被吸着面210を備えた被保持部を有し、被吸着面210が吸着面200に密着させられた状態で負圧室用凹部202が塞がれてユニット吸着用負圧室212が形成され、負圧供給通路162からユニット吸着用負圧室212に供給される負圧により装着ユニット80がユニット吸着ヘッド120により吸着され、保持される。
一ノズル装着ユニットがユニット吸着ヘッド120により保持された状態では、正圧・負圧供給通路160が一ノズル装着ユニット内に設けられた通路に連通させられ、電子回路部品の吸着時には吸着ノズルに負圧が供給され、電子回路部品の回路基板への装着時には負圧の供給が断たれるとともに正圧が供給され、電子回路部品を迅速に開放するようにされる。
リボルバ装着ユニット80は、図4に示すように、複数の吸着ノズル208と、それら吸着ノズル208の各々について設けられたバルブ装置222とを備え、ユニット吸着ヘッド120により保持された状態では、正圧・負圧供給通路160,負圧供給通路162がそれぞれ、リボルバ装着ユニット80内の通路に連通させられ、バルブ装置222の切換えにより、電子回路部品の吸着時には吸着ノズル208に負圧が供給され、装着時には負圧の供給が断たれるとともに正圧が供給される。バルブ装置222の切換えは、リボルバ装着ユニット80の昇降に伴ってバルブ切換装置224によって行われる。本リボルバ装着ユニット80,バルブ装置222,バルブ切換装置224等は、前記特願2005−075397の明細書に記載されており、詳細な説明は省略する。
これら一ノズル装着ユニットおよびリボルバ装着ユニット80を含む複数の装着ユニット80は、図1に示す前記装着ユニット収納装置20に収納されており、ユニット吸着ヘッド120は装着ユニット収納装置20へ移動させられ、保持している装着ユニット80を収納したり、使用する装着ユニット80を保持したりする。この装着ユニット収納装置20およびユニット吸着ヘッド120による装着ユニット80の収納,保持は、前記特願2005−075397の明細書に記載されており、詳細な図示および説明は省略する。
さらに、図1に概略的に示すように、X軸スライド90には部品撮像システム230が設けられ、Y軸スライド100にはマーク撮像システム232が設けられている。これら撮像システム230,232はそれぞれ、撮像デバイスとしてのCCDカメラ234,236(図9参照)および照明装置(図示省略)を備えている。
接着剤塗布システムを説明する。
本接着剤塗布システムは、複数のディスペンスユニット250(図5に1つ図示されている)と複数のディスペンスユニット収納装置252(図1参照)とを含む。ディスペンスユニット250は、図6に示すように、シリンジ260,吐出ノズル262,カバー264および被保持部を構成するキャップ266を含み、前記装着ユニット80と同様にユニット吸着ヘッド120によって負圧により吸着されて保持される。シリンジ260は、合成樹脂等の非金属材料により形成され、横断面形状が円形とされ、高粘性流体としての接着剤268が収容されている。シリンジ260は、軸方向の両端部であって、上下両端部のいずれも開口させられた筒状を成し、その下部は先端ほど直径が減少する向きに傾斜させられてテーパ部270が設けられるとともに、テーパ部270の先端部には直径が一定の嵌合部272が設けられている。
シリンジ260内には、接着剤268上に浮かべられた状態でレベルインジケータたるフロート278がシリンジ260の深さ方向に移動可能に嵌合されている。フロート278は、特開平10−277456号公報に記載のフロートと同様に構成されており、フロート本体280の上部に非磁性金属材料層としての幅の広い帯状のアルミニウム層282を備えた構造とされている。フロート本体280は、合成樹脂から成る一体成形品であり、中空の容器状を成し、その横断面形状はシリンジ260と同じく円形である。フロート本体280の外周面の上部には、環状溝284が全周にわたって形成され、それにより環状溝284の両側に円環状に突出するランド部286,288がそれぞれ形成されている。
環状溝284の底面には、アルミニウム箔が貼り付けられてアルミニウム層282を形成している。アルミニウム層282は厚さ10μm程度とされており、この厚さは環状溝284の深さより薄い。したがって、上記ランド部286,288がシリンジ260の内周面と接触して、アルミニウム層282とシリンジ260の内周面との接触を防止する突起として機能し、また、シリンジ260の深さ方向に隔たった2つの摺動面を形成し、フロート278がシリンジ260内をこじることなく、軽快に移動する。
ランド部288を挟んで環状溝284が形成された側とは反対側には環状溝284の深さより深い円環状溝290が周方向に形成されている。それにより、ランド部288からシリンジ260の深さ方向においてランド部286とは反対側に隔たった位置には、円環状突出部292が形成され、接着剤268のアルミニウム層282への侵入が防止される。接着剤268が侵入した場合でも、円環状溝290に入り込むため、それ以上の侵入が阻止される。
シリンジ260は、ほぼ全体が前記カバー264に収容されている。そのため、カバー264は、図6および図7に示すように、横断面形状が円形の有底の容器状を成す。カバー264は、非金属材料、例えば、合成樹脂により作られており、熱伝導率が低く、断熱性に優れている。カバー264の底壁部300の内面は、下方ほど直径が減少する向きに傾斜させられたテーパ面302とされるとともに、その中心を軸方向に貫通して段付穴304が設けられている。シリンジ260はカバー264内に、その外周面308とカバー264の内周面310との間に隙間312を残した状態で嵌合され、前記嵌合部272が段付穴304の大径穴部314にシール部材としてのOリング316により気密を保持された状態で嵌合されるとともに、大径穴部314と小径穴部318との間の肩面320に当接させられ、カバー264により囲まれるとともに下方から支持されている。テーパ面302の傾斜は、シリンジ260のテーパ部270の傾斜よりやや緩やかにされ、それらの間にも隙間が得られる。
前記吐出ノズル262は、図6に示すように、ノズル本体330と吐出管332とを備え、ノズル本体330においてカバー264の小径穴部318に嵌合され、カバー264の底壁部300の外端面の中央から突出させられた突部333であって、小径穴部318が設けられた突部333に螺合されたナット334により抜け出し不能に保持されるとともにシリンジ260に連通させられ、吐出管332の先端開口である吐出口336から接着剤268が吐出される。吐出ノズル262は、カバー264に対して着脱可能であり、吐出管332の直径や吐出管332の数が異なる複数種類の吐出ノズル262が選択的にカバー264に保持させられる。カバー264の大径穴部314が設けられた部分はシリンジ保持部を構成し、小径穴部318が設けられた部分は吐出ノズル保持部を構成している。吐出ノズルはシリンジに着脱可能に保持させてもよい。吐出管332を複数有する吐出ノズル262は、接着剤268を同時に複数点、塗布することができるとともに、例えば、ディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120により保持された状態において回転装置124によって回転させられることにより、複数の吐出管332による接着剤268の塗布位置が変えられる。
カバー264にはまた、図6および図7に示すように、前記底壁部300の内部に、カバー264の軸線を中心とする円環状の流体通路の一種である気体通路たるエア通路340が設けられている。エア通路340は、底壁部300に設けられた複数の孔342によってテーパ面302に開口させられ、前記隙間312に連通させられている。複数の孔342は底壁部300の全周にわたって適宜の間隔を隔てて、例えば、等角度間隔で設けられている。図7において孔342の図示は省略されている。エア通路340はまた、開口344によってカバー264の外周面346に開口させられている。さらに、カバー264の周壁には、その上方開口側の部分であって、エア通路340および開口344より上方の部分を貫通して開口348が設けられ、隙間312を外部に連通させるようにされている。カバー264はさらに、外周面346の一部が軸方向に平行に一平面状に切り欠かれ、切欠部350が設けられている。また、カバー264の上端開口部には、図6および図8に示すように、半径方向外向きに突出する係合部としての突部352が複数、本カバー264においては3つ、等角度間隔に設けられている。これら突部352の下面にはそれぞれ、係合部ないし位置決め部としての凹部354が1つずつ設けられている。
前記キャップ266は、図8に示すように、横断面形状が円形を成し、図6に示すように、その軸方向の一方の面であって、下面に開口する有底の段付穴360が形成され、その小径穴部362にシリンジ260のカバー264から突出させられた上端部が嵌合される。キャップ266の軸方向の他方の面であって上面には、被吸着部材ないし当接部材364が設けられている。当接部材364は円形の板状を成し、その上面が、キャップ266の上面よりやや突出させられ、前記ユニット吸着ヘッド120により吸着される被吸着面366を形成している。また、キャップ266の中央部には、これら当接部材364および段付穴360の底部を貫通して貫通孔368が形成されている。本ディスペンスユニット250においてキャップ266は合成樹脂製とされ、当接部材364は合成樹脂製、例えば、ウレタン樹脂製とされている。
上記段付穴360の大径穴部372は、前記カバー264の突部352の嵌合を許容する直径を有し、その開口部には、半径方向内向きに突出する突部374が複数、本キャップ266では3つ、等角度間隔に、かつ、大径穴部372と小径穴部362との間の肩面376との間に突部352の嵌合を許容する隙間を残した状態で形成され、係合部ないし位置決め部を構成している。これら突部374内にはそれぞれ、ボール380およびスプリング382を含む位置決め具ないし係合具384が設けられ、ボール380はスプリング382により、突部374から肩面376側へ突出する向きに付勢されている。さらに、キャップ266の大径穴部372の底部には、図6および図8に示すように、肩面376の3つの突部374の各係合具384の両側にそれぞれ対応する部分に、軸方向に延びる貫通孔388が形成されている。貫通孔388は、前記当接部材364も貫通して設けられ、肩面376と被吸着面366とに開口させられている。貫通孔388は、1つの突部374に対応して複数、ここでは2つ設けられているが、少なくとも1つ設けられればよい。
キャップ266は、図8に二点鎖線で示すように、カバー264の3つの突部352がそれぞれ、キャップ266の3つの突部374の間に位置する状態で、シリンジ260が嵌合され、吐出ノズル262が取り付けられたカバー264に被せられ、大径穴部372にカバー264の上端部が嵌合されるとともに、小径穴部362にシリンジ260のカバー264から突出した上端部がシール部材としてのOリング394(図6参照)によって気密を保持された状態で嵌合され、その状態からキャップ266とシリンジ260およびカバー264とが相対回転させられることにより、図6および図8に示すように、突部352が突部374と肩面376との間に進入させられるとともに、ボール380がスプリング382の付勢により凹部354に嵌入させられ、キャップ266はシリンジ260およびカバー264に位相を決められた状態で軸方向に抜け出し不能に被せられ、シリンジ260の開口を塞ぐ。この状態では、キャップ266の貫通孔368がシリンジ260の内部空間に連通させられ、また、図8に示すように、キャップ266の貫通孔388がカバー264の突部352により塞がれた状態となる。
前記ディスペンスユニット収納装置252を説明する。
ディスペンスユニット収納装置252は、図1に示すように、フィーダ型部品供給装置12に保持されている。ディスペンスユニット収納装置252の収納装置本体400は、図6および図7に示すようにブロック状を成し、テーブル402(図1参照)に固定装置(図示省略)により固定される。テーブル402には、図6に二点鎖線で示すように、フィーダ40と同様の逆T字形のレール404が設けられ、フィーダ40と同様にスロット46に嵌合される。フィーダ保持台44のいずれのフィーダ保持部においても、フィーダ40とディスペンスユニット収納装置252とを選択的に取付け可能なのである。そして、テーブル402は、位置決め部により幅方向ないし左右方向および前後方向に位置決めされ、浮き上がり防止部によりフィーダ保持台44からの浮き上がりが防止されるとともに、係合装置により係合部に係合させられてフィーダ保持台44に着脱可能に取り付けられる。テーブル402は、ディスペンスユニット収納装置252の取付部を構成している。収納装置本体400は合成樹脂製であり、軽く、搬送やテーブル402に対する取付け,取外しが容易である。また、ディスペンスユニット収納装置252が軽くて済む。収納装置本体400は、テーブル402のユニット吸着ヘッド120の移動領域内に位置するいずれの部分に取り付けてもよいが、例えば、基板保持装置16側の部分に固定される。
ディスペンスユニット250は、最小のフィーダ40の幅の複数倍の幅を有し、フィーダ保持台44の取付けにはスロット複数個分のスペースを占める。フィーダ保持台44に取り付けるディスペンスユニット収納装置252の数は、例えば、接着剤268の塗布に要するディスペンスユニット250の数により決められ、複数、例えば、2つ取り付けられる。これらディスペンスユニット250は、例えば、フィーダ保持台44の部品供給部が沿って並ぶ方向であって、X軸方向において一方の端に取り付けられる。
収納装置本体400には、図6に示すように、その上面に開口する有底の収納孔430が形成されている。収納孔430は、図7に示すように、横断面形状が円形を成し、カバー264全体が収納装置本体400内に収納される深さを有する。収納孔430の開口部には、収納孔430より直径が大きく、キャップ266が嵌合される有底の嵌合穴432が設けられ、上向きで環状の支持面434が設けられている。支持面434には、図7に示すように、位置決め突部436が突設され、位置決め部が設けられている。また、嵌合穴432と収納孔430との間には、図6に示すように、下方ほど収納孔430の中心線に向かう向きに傾斜させられ、支持面434から収納孔430に向かうに従って直径が漸減するテーパ穴438が設けられ、ディスペンスユニット250の収納孔430への収納を案内する案内部とされている。また、ディスペンスユニット250がキャップ266において支持面434により支持されるとき、係合具384と収納装置本体400との干渉が回避される。
収納装置本体400にはまた、図6および図7に示すように、上面および基板保持装置16側の一側面に開口し、上方と側方とに連続して開き、収納孔430に通じる開口440が設けられている。開口440は外部に常時開放されており、収納孔430より浅く、ディスペンスユニット250のカバー264の突部352が設けられていない部分が通過可能な幅を有する。したがって、ディスペンスユニット250を収納孔430に収納する場合、ディスペンスユニット250が収納孔430の上方に位置する状態から下降させてもよいが、図13(b)に示すように、ディスペンスユニット250を上下方向において吐出ノズル262が開口440の下端よりやや上側に位置するユニット収納・取出開始位置に位置させ、その状態から水平方向に移動させ、開口440を通って収納孔430内に進入させた後、下降させ、キャップ266の外周部を支持面434に支持させるとともに、位置決め突部436をキャップ266に設けられた位置決め部としての凹部(図示省略)に嵌合させることにより、ディスペンスユニット250を位相を決められた状態で収納孔430に収納することができる。また、ディスペンスユニット250の収納装置252からの取出しは、収納時と逆に、前半は、ディスペンスユニット250が、キャップ266において支持面434により支持され、ほぼ全体が収納孔430に収納されているた収納位置からユニット収納・取出開始位置へ上昇させられ、後半は水平方向の移動により、開口440を通って収納装置252の外へ取り出される。収納装置本体400の収納孔430および開口440が設けられた部分が収納部を構成し、開口440は収納部の上部に設けられ、収納部の一部が開いている。
本接着剤塗布システムは、ディスペンスユニット収納装置252に収納中のディスペンスユニット250内の接着剤の温度を設定温度に調節する調温装置450,シリンジ260内の接着剤268の残量を検出する残量検出装置452およびディスペンスユニット収納装置252にディスペンスユニット250が収納された状態において接着剤268の吐出ノズル262からの漏れを防止する漏れ防止装置たる圧力印加装置454を含む。
本調温装置450は、シリンジ260とカバー264との間の前記隙間312に調温用流体としての調温用気体たる調温用エアを供給し、接着剤268の温度を調節する装置であり、調温ヘッド458および調温用エア供給装置460を備え、前記正圧源186から供給されるエアの温度を調温用ヒータ462(図7参照)により加熱して隙間312に供給する。そのため、収納装置本体400には、図7に示すように、エア供給通路466が設けられている。このエア供給通路466は、ディスペンスユニット収納装置252に収納された状態でのディスペンスユニット250のカバー264に設けられた前記開口344に連通するように設けられ、開口344,エア通路340および複数の孔342により隙間312に連通させられる。エア供給通路466は、テーブル402に設けられた通路(図示省略)に接続される。この通路は、フィーダ保持台44がベッド30の取付台62に取り付けられた状態において、ベッド30側に設けられた通路により正圧源186に接続され、エア供給通路466が正圧源186に接続される。本調温装置450においては、収納装置本体400のエア供給通路466が設けられた部分が調温ヘッド458を構成している。
上記のように複数の通路を含み、エア供給通路466を正圧源186に接続する通路468の途中であって、ベッド30側の部分に、図7に示すように、調温用ヒータ462が設けられている。また、調温用ヒータ462と正圧源186との間に流量調整弁472が設けられ、エア供給通路466に供給される圧縮エアの流量が調整されるとともに、流量調整弁472と正圧源186との間に電磁方向切換弁474が設けられ、エア供給通路466を正圧源186に供給する状態と大気に開放する状態とに切り換えられる。調温用ヒータ462にはオーバヒートセンサ476が設けられ、調温用ヒータ462の温度が設定温度を超えることが検出される。これら正圧源186,調温用ヒータ462,通路468,流量調整弁472,電磁方向切換弁474等が調温用エア供給装置460を構成している。
収納装置本体400にはまた、図7に示すように、エア排出通路480が設けられている。エア排出通路480は、エア供給通路466より上方であって、ディスペンスユニット収納装置252に収納されたディスペンスユニット250のカバー264に設けられた前記開口348に対応する状態となる部分に設けられており、テーブル402に設けられた通路(図示省略)に接続されるとともに、フィーダ保持台44の取付台62への取付けによりベッド30側に設けられた通路に接続されて排気箇所へ導かれ、調温後のエアが排出される。これら排気のための通路を含む通路482のベッド30側の部分には温度センサ484が設けられ、ディスペンスユニット250に供給されて接着剤268の温度を調節した後のエアの温度が検出される。調温用エア供給装置460および温度センサ484は、2つのディスペンスユニット収納装置252の各々について設けられている。調温装置450は、2つのディスペンスユニット250のそれぞれについて設けられているのであり、それらに収容された接着剤268の温度調節は個々に行われる。なお、正圧源186は、2つの調温用エア供給装置460に共用である。
調温用エア供給装置460の正圧源186以外の構成要素は、収納装置本体400に設けてもよく、テーブル402に設けてもよく、また、2つの調温装置450に共用としてもよい。隙間312から排出された調温後のエアは、エア回収箇所へ導かれて回収され、接着剤268の調温に再利用されるようにしてもよく、別の用途に利用されるようにしてもよい。
前記残量検出装置452の検出ヘッド500は、本システムにおいては、図6および図7に示すようにディスペンスユニット収納装置252に設けられ、検知装置としての高周波発振型近接スイッチ502を含み、前記フロート278のアルミニウム層282を検知する。アルミニウムは非磁性金属材料であるが、厚さが薄くされており、スイッチ502のアルミニウム層282に対する感度が向上し、磁性材料に対する感度に近くなり、アルミニウム層282がスイッチ502によって検知される。スイッチ502は収納装置本体400の前記開口440が設けられた側とは反対側の部分であって、基板保持装置16とは反対側の部分の内部に配設され、その検知部504が収納孔430内に突出させられるとともに、ボルト等の固定装置により収納装置本体400に着脱可能に固定されている。スイッチ502は、上下方向においては、ディスペンスユニット250が収納孔430に収納された状態において、カバー264の上部であって、キャップ266のすぐ下側に位置する位置に設けられている。図6に示すように、シリンジ260に接着剤268が満杯に収容された状態において、検知部504がフロート278に設けられた帯状のアルミニウム層282の上縁は検知しないが、それより下側の部分は検知する位置に設けられているのである。スイッチ502の上下方向の位置であって、シリンジ260の軸線に平行な方向の位置である検知位置は、スペーサ506により調節され、信号線等は、ディスペンスユニット収納装置252の後方側(基板保持装置16側とは反対側)へ引き出される。
前記圧力印加装置454は、ディスペンスユニット収納装置252に収納されたディスペンスユニット250の吐出ノズル262の吐出口336に大気圧より高く設定された漏れ防止圧を印加し、接着剤268の吐出ノズル262からの漏れを防止する装置であり、図6に示すように、圧力印加ヘッド516および気体供給装置たるエア供給装置518を含む。圧力印加ヘッド516は、収納装置本体400に設けられた圧力印加通路520を含む。圧力印加通路520は、その一端部が前記収納孔430の底面の中心に開口させられ、収納孔430と同心に延びる部分を含む。ディスペンスユニット250が収納孔430に収納され、キャップ266が支持面434により支持された状態では、吐出ノズル262のノズル本体330の下端部が圧力印加通路520の一端部にほぼシールされた状態で嵌合され、吐出管332は圧力印加通路520内に位置させられ、圧力印加装置454が吐出ノズル262に接続される。吐出管332は圧力印加通路520の内周面にも、収納装置本体400のその他の部分にも接触せず、収納装置本体400が接着剤268で汚れることはない。圧力印加通路520の収納孔430への開口部が接続部を構成している。なお、圧力印加通路520の収納孔430への開口部は金属製のリング状部材524により形成され、吐出ノズル262の嵌合,離脱に対して耐久性が得られるようにされている。
上記圧力印加通路520の他端は、テーブル402に設けられた通路(図示省略)に接続されるとともに、フィーダ保持台44の取付台62への取付けによりベッド30側に設けられた通路に接続されて正圧源186に接続される。これら通路を含む通路528のベッド30側の部分には、図6に示すように、圧力制御弁としての減圧弁530が設けられ、正圧源186の圧縮エアの圧力が、大気圧より高く、接着剤268の漏れ防止に適した高さに調節されて圧力印加通路520に供給される。また、通路528の減圧弁530と正圧源186との間の部分に電磁方向切換弁532が設けられ、圧力印加通路520を正圧源186に連通させる状態と、大気に開放する状態とに切り換えられる。これら正圧源186,通路528および減圧弁530等が圧力印加通路520に、漏れ防止圧に調節されたエアを供給するエア供給装置518を構成している。エア供給装置518の正圧源186以外の構成要素は、ディスペンスユニット収納装置252あるいはテーブル402に設けてもよい。
本電子回路組立システムは、図9に示す制御装置600により制御される。制御装置600は、CPU602,ROM604,RAM606およびそれらを接続するバス608を含む制御コンピュータ610を主体とするものであり、入・出力部612には、オーバヒートセンサ476,温度センサ484,高周波発振型近接スイッチ502,部品撮像システム230およびマーク撮像システム232の各CCDカメラ234,236の撮像により得られた画像データを処理する画像処理コンピュータ614,入力装置616,エンコーダ618,負圧センサ619等が接続されている。エンコーダ618は、X軸移動用モータ94等、各種サーボモータにそれぞれ設けられたエンコーダであり、1つを代表的に示す。負圧センサ619は、ユニット吸着ヘッド120の負圧室用凹部202と開閉装置172との間に設けられ、ユニット吸着用負圧室212の負圧を検出する。入・出力部612にはまた、駆動回路620を介してX軸移動用モータ94等、種々のアクチュエータ等が接続され、報知装置たる警報装置621が接続されるとともに、制御回路622を介して表示画面626が接続されている。これら制御回路622および表示画面626は表示装置624を構成している。また、ROM604には、図示を省略するメインルーチン,電子回路部品装着プログラム,図12にフローチャートで表す塗布制御プログラム等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶させられている。
ディスペンスユニット収納装置252のテーブル402への固定,テーブル402のフィーダ保持台44への取付け,フィーダ型部品供給装置12の取付台62への取付けにより、それらの間において電源線,通信線,エア供給通路等の接続が行われ、検出信号の制御コンピュータ610への入力や、ディスペンスユニット収納装置252へのエアの供給等が行われるようになる。
次に作動を説明する。
本システムにおいては、フィーダ保持装置42にフィーダ40およびディスペンスユニット収納装置252の両方を保持させ、ユニット吸着ヘッド120が装着ユニット80とディスペンスユニット250とを選択的に保持することにより、回路基板32に対して電子回路部品の装着と接着剤268の塗布との両方を行うことができる。また、フィーダ保持装置42にフィーダ40とディスペンスユニット収納装置252との一方のみを保持させ、あるいは両方を保持させても一方のみを使用することにより、電子回路部品装着用の専用システムとし、あるいは接着剤塗布用の専用システムとすることもできる。回路基板32に対して電子回路部品の装着と接着剤の塗布との両方が行われる場合、種々の態様で行うことができるが、本システムにおいては、回路基板32の搬入後、電子回路部品の装着に先立って、全部の接着剤塗布箇所に接着剤が塗布されることとする。
フィーダ保持装置42には、2つのディスペンスユニット収納装置252が保持されており、それぞれにディスペンスユニット250を収納し、2つのディスペンスユニット250を接着剤の塗布に使用することができる。2つのディスペンスユニット収納装置252にはそれぞれ、同じ種類のディスペンスユニット250あるいは異なる種類のディスペンスユニット250が収納される。回路基板32の接着剤塗布箇所の全部について塗布される接着剤268の種類,ディスペンスユニット250の1回の塗布動作による塗布点数および塗布に使用される吐出ノズル262の吐出管332の直径が同じであり、同じディスペンスユニット250によって接着剤268を塗布することができる場合、1つのディスペンスユニット収納装置252にディスペンスユニット250を収納するのみでもよいが、2つのディスペンスユニット収納装置252にそれぞれ同種のディスペンスユニット250を収納すれば、それらを交替させて使用することができる。例えば、1枚の回路基板32への接着剤の塗布点数が多く、塗布の途中で接着剤268の温度が低下し、粘度が塗布に不適切になる恐れがある場合には、途中でディスペンスユニット250を交替させることが望ましい。また、環境温度と接着剤との温度差や、接着剤の許容温度範囲の広さ等との関係で、ディスペンスユニット収納装置252に収納されて調温されている時間の、ディスペンスユニット250が塗布のためにディスペンスユニット収納装置252から取り出されている時間に対する割合が、塗布の必要がない間、ディスペンスユニット収納装置252に収納されるのみでは不足の場合には、2つのディスペンスユニット250が交替で使用され、上記時間の割合が大きくされるようにすることが望ましい。
そのため、本システムでは、回路基板32への接着剤268の塗布に要するディスペンスユニット250が1種類の場合でも、必要に応じて同種のディスペンスユニット260が2つのディスペンスユニット収納装置252にそれぞれ収納され、交替で使用されるようにされる。交替の有無は、例えば、入力装置616を用いて作業者により指示される。作業者は、塗布点数等に基づいて交替が必要であるか否かを判断し、交替が必要であると判断すれば、交替要およびディスペンスユニット250を交替させるべき時期等の条件を入力する。例えば、ディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120により保持されて収納装置252から取り出され、塗布に使用されている取出時間ないし使用時間が設定時間に達することが交替条件とされる。設定時間は、ディスペンスユニット250の収納装置252からの取出し後、接着剤268の温度が塗布に適した高さにあることが保証される時間に設定される。この時間内に行うことができる塗布の点数により設定してもよい。1枚の回路基板32への接着剤268の塗布点数は、塗布を実行するための塗布制御プログラム上、わかっており、塗布点数に応じて自動的に交替の有無および交替のための時間や塗布点数が設定されるようにしてもよい。
塗布される接着剤268の種類,ディスペンスユニット250の1回の塗布動作による塗布点数および塗布に使用される吐出ノズル262の吐出管332の直径の少なくとも一つが異なり、2種類のディスペンスユニット250が接着剤268の塗布に使用される場合、2つのディスペンスユニット収納装置252にそれぞれ異なる種類のディスペンスユニット250が収納される。この場合、2つのディスペンスユニット250は、塗布制御プログラムに従い、回路基板32への接着剤268の塗布内容に応じて交替させられる。2つのディスペンスユニット250の交替については後述する。なお、塗布の態様によっては、2つのディスペンスユニット収納装置252の一方のみにディスペンスユニット250を収納するのみでもよい。
回路基板32が基板搬送装置10により電子回路組立システムに搬入され、基板保持装置16によって保持されたならば、まず、接着剤268の塗布が行われるため、前回の回路基板32への電子回路部品の装着終了後、ユニット吸着ヘッド120が保持する作業ユニットが、装着ユニット80からディスペンスユニット250に交換される。装着ユニット80が装着ユニット収納装置20に収納され、ディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120により保持されるのであるが、この交換は、回路基板32の搬入,搬出と並行して行われることが望ましい。装着ユニット80の装着ユニット収納装置20への収納および取出しは、前記特願2005−075397の明細書に記載の収納および取出しと同様に行われるため、説明は省略する。
ユニット吸着ヘッド120は装着ユニット収納装置20へ移動させられて装着ユニット80を収納した後、ディスペンスユニット収納装置252へ移動させられ、ディスペンスユニット250を吸着し、保持する。ディスペンスユニット250は収納装置252に収納された状態において、シリンジ260に収容された接着剤268の温度が調温装置450により設定温度に調節されるとともに、接着剤268の吐出ノズル262からの漏れが圧力印加装置454により防止されている。ディスペンスユニット250が収納装置252に収納された状態では、電磁方向切換弁474がエア供給通路466を正圧源186に連通させる状態に切り換えられ、エア通路340が開口344を経てエア供給通路466に連通させられるとともに正圧源186に連通させられ、調温用ヒータ462により温度が調節されたエアが供給される。このエアは、エア通路340から複数の孔342を通って、シリンジ260とカバー264との間の隙間312にほぼ全周にわたって均一に流入するとともに上方へ流れ、開口348を通ってエア排出通路480へ流出し、通路482を通って外部へ排出される。隙間312が適度に狭くされているため、比較的小さい流量のエアにより隙間全体に十分な速度の流れを生じさせることができ、シリンジ260に収容された接着剤268全部について万遍なく、温度が高くあるいは低くされ、設定温度、すなわち塗布に適した粘度が得られる高さに調節される。調温装置450はディスペンスユニット収納装置252等に設けられており、収納装置252から取り出されて接着剤268の塗布を行うディスペンスユニット250において接着剤268の温度は調整されず、変化するが、収納装置252に収納されることにより設定温度に戻される。ディスペンスユニット250は、シリンジ260が合成樹脂製のカバー264により覆われたままの状態で収納装置252から取り出され、接着剤268を塗布するため、カバー264による保温効果が得られ、接着剤268の温度変化が緩やかである。本ディスペンスユニット250において接着剤268の温度は、塗布中、少しずつ下がる。
隙間312から排出されたエアの温度は温度センサ484により検出され、制御コンピュータ610に入力される。そして、設定温度と比較され、エアの温度が設定温度より低いのであれば、調温用ヒータ462への供給電流量が増大させられ、高いのであれば減少させられて、隙間312に供給されるエアの温度が接着剤268の温度調節に適した高さに調節される。調温用ヒータ462の温度が上昇し、上限値以上となったことがオーバヒートセンサ476により検出されれば、警報装置621が鳴動させられ、作業者に調温用ヒータ462の過熱が報知される。流量調整弁472によってエア供給通路466に供給されるエアの流量を調整することによっても、隙間312に供給されるエアの温度を調節することができる。
調温装置450は、2つのディスペンスユニット収納装置252の各々について設けられているため、2つのディスペンスユニット250について個々に接着剤268の温度調節を行うことができる。そのため、例えば、一方のディスペンスユニット250がディスペンスユニット収納装置252から取り出され、接着剤268の塗布に使用されている間に温度が低下した場合、そのディスペンスユニット250がディスペンスユニット収納装置252に収納されたならば、調温用のエアの温度が、ディスペンスユニット収納装置252に収納されて塗布に備えて待機させられている場合より高くされ、接着剤268の温度が速やかに上昇させられる。
また、ディスペンスユニット250が収納装置252に収納された状態では、図6に示すように、吐出ノズル262は、ノズル本体330の下端部が圧力印加通路520に嵌合され、圧力印加通路520に供給される正圧が吐出口336に印加される。ディスペンスユニット250が収納装置252に収納されれば、電磁方向切換弁532が圧力印加通路520を正圧源186に連通させる状態に切り換えられ、減圧弁530により、接着剤268の吐出口336からの漏れを防止するのに適した高さに減圧され、調節された正圧源186の圧縮エアが圧力印加通路520に供給される。漏れ防止に適した高さは、接着剤268を、吐出口336から出ることも吐出管332の奥へ引っ込むこともなく、ちょうど吐出口336に留まった状態に保つ高さである。そのため、ディスペンスユニット250は、塗布時の姿勢のままで、すなわち軸線が上下方向に平行となる姿勢で収納装置252に収納され、吐出口336は下を向いているが、接着剤268が漏れることはなく、また、ディスペンスユニット250が収納装置252から取り出されて接着剤268の塗布に使用されるとき、シリンジ260への正圧の供給に基づいて接着剤268が遅れなく吐出口336から吐出される。
吐出口336に印加される圧力であって、漏れ防止圧の高さはまた、シリンジ260における接着剤268の残量に応じて制御される。接着剤268の残量は、後述するように、残量検出装置452により検出され、吐出口336に印加される圧力が、接着剤268の残量が多い場合に少ない場合より高くなるように減圧弁530による減圧高さが調節される。漏れ防止圧は、例えば、接着剤268の残量に応じて段階的に変えられる。連続的に変えられてもよい。接着剤268の残量に応じた漏れ防止圧の調節により、接着剤268の残量の多少にかかわらず、圧力が高過ぎて接着剤268がシリンジ260内に引っ込んでしまったり、あるいは低過ぎて接着剤268が漏れたりすることなく、良好に漏れが防止される。
圧力印加通路520への正圧の供給を許容,遮断する電磁方向切換弁532は、電流が供給されない状態において圧力印加通路520を正圧源186に連通させる位置に切り換わり、圧力印加通路520に正圧が供給される状態とする電磁制御弁とされている。そのため、例えば、収納装置252にディスペンスユニット250が収納された状態においてシステムの電源がOFFにされた場合にも、図示しない正圧タンクから圧力印加通路520に正圧が供給され、吐出口336に印加された状態に保たれ、接着剤268の漏れが防止される。
前記ユニット吸着ヘッド120は、上記のようにディスペンスユニット収納装置252に収納されているディスペンスユニット250を取り出す際、ディスペンスユニット250の上方へ移動させられるとともに下降させられ、吸着面200が被吸着面366に接触させられる。2つの収納装置252のうち、いずれの収納装置252に収納されたディスペンスユニット250を塗布に使用するかは、塗布制御プログラム上わかっており、ユニット吸着ヘッド120は、吸着面200と被吸着面366との中心が一致する位置へ移動させられるとともに下降させられる。両面200,366の接触により、負圧室用凹部202の開口が塞がれてユニット吸着用負圧室212が形成されるとともに、負圧源170から供給される負圧によりディスペンスユニット250が吸着され、ユニット吸着ヘッド120により保持される。被吸着面366を形成する当接部材364はウレタン樹脂製とされており、金属製のヘッド吸着ユニット120の吸着面200が被吸着面366に密着し、ユニット吸着用負圧室212からの負圧の漏れが良好に防止される。また、シリンジ260の内部空間が貫通孔368により正圧・負圧供給通路160に連通させられ、正圧源186から正圧が供給され、あるいは負圧源170から負圧が供給される状態となる。面200,366の密着により、正圧・負圧供給通路160からの正圧の漏れも良好に防止される。
ユニット吸着ヘッド120によってディスペンスユニット250が吸着されるとき、図5に示すように、キャップ266に形成された貫通孔388もユニット吸着用負圧室212に連通させられて負圧が供給され、シリンジ260および吐出ノズル262を保持したカバー264がキャップ266によって正確に保持されているか否かが検出される。シリンジ260等にキャップ266が被せられ、保持されるとき、シリンジ260およびカバー264とキャップ266との相対回転により係合具384のボール380がカバー264の突部352に設けられた凹部354に嵌合されれば、図8に示すように、1つの係合具384に対応する2つずつの貫通孔388がいずれも突部352によって塞がれ、負圧の漏れが防止されるため、ユニット吸着用負圧室212にディスペンスユニット250の吸着に必要な負圧が得られる。それに対し、キャップ266とカバー264との相対回転が不足し、あるいは過剰であって、ボール380が凹部354に嵌合されず、凹部354から外れていれば、貫通孔388が突部352から外れて負圧が漏れ、ユニット吸着用負圧室212にディスペンスユニット250の吸着に必要な負圧が得られない。そのため、負圧センサ619によりユニット吸着用負圧室212の負圧が検出され、設定値と比較されることにより、カバー264等がキャップ266により正確に保持されているか否かが検出される。負圧が不足していれば、カバー264等がキャップ266により正確に保持されていないのであり、例えば、表示画面626にその旨が表示され、報知される。ブザーの鳴動,ランプの点灯,点滅,音声案内等の報知装置により報知され、警告されてもよく、作業者はその報知に基づいてキャップ266をカバー264に被せ直し、保持させ直す。ボール380が凹部354に嵌合され、カバー264がキャップ266に係合させられ、保持された状態とするのであり、カバー264等がキャップ266から落下することが回避される。貫通孔388は、キャップ266の係合具384に対応する部分の両側にそれぞれ設けられており、カバー264に保持されたシリンジ260にキャップ266を被せるとき、それらを正逆いずれの方向に相対回転させても、カバー264等がキャップ266により正確に保持されているか否かが検出される。また、貫通孔388への負圧の供給により、カバー264の突部352も吸着されてキャップ266の肩面376に押し付けられ、キャップ266によるシリンジ260およびカバー264の保持が補助される。
ユニット吸着ヘッド120はディスペンスユニット250を保持した後、例えば、図13(b)に示すように、ユニット収納・取出開始位置へ上昇させられた後、水平方向に移動させられ、ディスペンスユニット250が開口440を通ってディスペンスユニット収納装置252から基板保持装置16側へ取り出される。ディスペンスユニット250の収納装置252からの取出し時に接着剤268の残量が検出されるが、それについては後述する。このディスペンスユニット250の収納装置252からの取出しに先だって(取出しと並行して、あるいは取出しの後でもよい)、電磁方向切換弁474,532はそれぞれ、エア供給通路466,圧力印加通路520を大気に開放する位置に切り換えられ、それにより圧力調節されたエアおよび温度調節されたエアの流出が回避される。
そして、ユニット吸着ヘッド120がユニット移動装置82により移動させられ、ディスペンスユニット250は水平面内の任意の位置へ移動させられ、回路基板32上に設定された所定の接着剤塗布箇所へ移動させられて接着剤268を塗布する。ユニット移動装置82は、装着ユニット移動装置でもあり、ディスペンスユニット移動装置でもある。塗布時におけるディスペンスユニット250のX軸,Y軸方向の移動と昇降(Z軸方向の移動)と接着剤268の吐出とのタイミングを図10に示すタイムチャートに基づいて説明する。このタイムチャートから明らかなように、ディスペンスユニット250がX軸方向およびY軸方向に移動させられ、接着剤塗布箇所上へ移動させられる際、その移動の末期であって、接着剤塗布箇所への到達前にシリンジ260への正圧の供給が開始され、接着剤268の吐出が開始されるとともに、正圧供給開始後、昇降装置122によりユニット吸着ヘッド120が下降させられ、ディスペンスユニット250が下降を開始させられる。ユニット移動装置82,昇降装置122および切換装置188の制御により、ディスペンスユニット250の水平移動,下降および接着剤268の吐出が並行して行われるのである。そのため、それらが別々に水平移動,下降,接着剤268の吐出の順に行われる場合や、それらのうちの2つが並行して行われる場合に比較して塗布サイクルタイムを短縮し、塗布能率を向上させることができる。ディスペンスユニット250の昇降距離が長いほど、同期タイミングの設定により、塗布サイクルタイム短縮効果を有効に得ることができる。
水平移動および下降の並行実施により、ディスペンスユニット250は接着剤塗布個所へ到達し、停止した状態では下降途中にあり、その後、下降端位置に到達する。下降端位置は、吐出ノズル262の吐出口336が回路基板32の接着剤塗布面である上面から上方へ設定距離離れた位置であり、接着剤塗布面の高さ(上下方向の位置)に基づいて設定される。接着剤塗布面の高さは、高さ検出装置により予め検出されている。高さ検出装置は、例えば、特開平2−268860号公報等により既に知られており、説明を省略する。
ディスペンスユニット250が下降させられるとき、シリンジ260には既に正圧が供給されており、ディスペンスユニット250は吐出口336から接着剤268が出始めた状態で下降させられ、ディスペンスユニット250が下降端位置へ到達した時点には吐出口336から吐出された接着剤268が回路基板32に付着させられる。ディスペンスユニット250は、下降端位置への到達後、停留することなく、直ちに上昇させられる。また、ディスペンスユニット250の下降端位置への到達と同時に(実験により最適な時期が決定されれればよく、下降端位置への到達と多少前後してもよい)シリンジ260への正圧の供給が断たれるとともに、正圧に代えて負圧が設定時間、供給され、接着剤268が吸引される。そのため、接着剤268はあたかも吐出口336から回路基板32に向かって振り落とされるかのような状態となり、ディスペンスユニット250が下降端位置へ到達した状態で停留させられた後、上昇させられる場合に生じる糸引きが減少させられ、回路基板32に良好な形状で塗布される。また、負圧の供給によりシリンジ260内のエアが吸引され、エアの断熱圧縮による過熱が抑制される効果が得られる。そして、ディスペンスユニット250は上昇端位置へ上昇させられた後、X軸方向およびY軸方向へ移動させられ、次の接着剤塗布箇所へ移動させられる。この移動とディスペンスユニット250の上昇の一部とを並行して行ってもよいが、接着剤塗布形状悪化の原因とならない範囲で行われるべきである。
接着剤268の塗布時間ないし吐出時間、すなわちシリンジ260への正圧供給時間は、接着剤268の塗布直径に応じて設定される。塗布直径は、吐出ノズル262の吐出管332の直径によって変えられるが、塗布時間によっても変えられる。1つの吐出ノズル262において吐出時間を変えることにより、吐出管332の直径による制限はあるが、塗布直径を変えられるのである。そのため、ディスペンスユニット250毎に(吐出管332毎に)塗布時間と塗布直径との関係が予め取得され、制御コンピュータ610のRAM606に記憶させられ、回路基板32に塗布すべき接着剤268の直径に応じて塗布時間が設定される。塗布時間と塗布直径との関係は、例えば、接着剤268の種類,接着剤268の設定温度および吐出管332の直径の少なくとも1つが変わった場合に、回路基板32への接着剤268の塗布開始前に取得され、あるいは作業者による指示に基づいて取得される。
取得時には、塗布時間を一定時間間隔で複数ステップに変更し、各塗布時間毎にディスペンスユニット250に接着剤を1個ずつ塗布させ、塗布された接着剤268をマーク撮像システム232により撮像し、その直径を計測する。この接着剤268の塗布は、例えば、試し塗布用塗布材について為される。試し塗布用塗布材は、図示は省略するが、ユニット吸着ヘッド120の移動領域内に設けられる。そして、ディスペンスユニット250について吐出管332の直径に応じて予定された複数種類の塗布直径のうち、最小の塗布直径より大きく、かつ、塗布直径に最も近い直径の塗布が得られた塗布時間より複数ステップ分、短い塗布時間から、予定された最大の塗布直径より大きく、かつ、その塗布直径に最も近い直径の塗布が得られた塗布時間より複数ステップ分、長い塗布時間まで、塗布時間を複数ステップに異ならせ、各塗布時間毎に複数回ずつ塗布を行い、塗布された接着剤268を撮像して、その直径を測定し、塗布時間毎に塗布直径の平均値を取得する。このように取得された塗布直径の平均値と塗布時間との関係を図11のグラフに示す。
そして、取得された塗布直径の平均値から塗布直径に対する塗布時間の変化率を求め、塗布直径の平均値,塗布時間と共にRAM606に記憶させておく。そして、回路基板32に塗布することが予定されている接着剤の直径と、その直径に最も近い塗布直径の平均値と、その平均直径の塗布が得られた際の塗布時間と、塗布予定直径に最も近い平均直径に対する塗布時間の変化率とに基づいて、塗布予定直径を得るための塗布時間を演算する。塗布時間と塗布直径との離散データと補間演算とによって必要な塗布時間が決定されるのであり、吐出管332の直径および塗布予定直径と対応付けて記憶され、実際の回路基板32への接着剤268の塗布時に読み出され、その塗布時間、シリンジ260に正圧が供給される。このように接着剤268の塗布時間が決定されることにより、接着剤268は設定された直径に精度良く塗布される。
回路基板32について予定された接着剤268の塗布を行ったならば、ディスペンスユニット250は収納装置252に戻される。この際、ユニット吸着ヘッド120はディスペンスユニット収納装置252へ移動させられ、例えば、図13(b)に示すように、ディスペンスユニット250が上下方向においてユニット収納・取出開始位置に位置させられ、吐出口336が開口440の下端よりやや上に位置する状態から、開口440を通って収納孔430内に進入させられる。そして、ディスペンスユニット250が収納孔430内に位置する状態で収納位置へ下降させられ、ノズル本体330が圧力印加通路520に嵌合されるとともに、キャップ266が支持面434上に載置される。ディスペンスユニット250は、キャップ266に設けられた位置決め凹部と、支持面434に設けられた位置決め突部436とが一致する位相とされた状態で下降させられる。それにより、位置決め突部436が位置決め凹部に嵌合されるとともに、図7に示すように、カバー264の切欠部350と高周波発振型スイッチ502との位相が合わされ、カバー264と検知部504との干渉を回避しつつ、ディスペンスユニット250が収納孔430に嵌合される。このディスペンスユニット250の収納装置252への収納時にも、残量検出装置452によりシリンジ260内の接着剤268の残量が検出されるが、それについては後述する。ディスペンスユニット収納装置252から取り出されて接着剤268の塗布を行なっていたディスペンスユニット250において接着剤268の温度は変化し、下がっているが、ディスペンスユニット250は収納装置252に戻されて接着剤268の温度が調温装置450により調節される。
2つのディスペンスユニット250の交替を説明する。
2つのディスペンスユニット収納装置252にそれぞれ収納されたディスペンスユニット250は、種類が同じであれば、1枚の回路基板32への塗布点数が多く、塗布の途中で接着剤の温度が低下し、粘度が高くなって適切な塗布量が得られなくなる場合に交替させられる。交替は、前述のように、作業者による設定に基づいて行われる。また、2つのディスペンスユニット250の種類が異なるのであれば、塗布される接着剤268の種類,塗布直径およびディスペンスユニット250の1回の塗布動作により塗布される塗布点数等、塗布の内容が変わる場合に交替させられる。いずれにしてもディスペンスユニット250は、一連の接着剤268の塗布の途中で交替させられるのであり、塗布制御プログラムは、ディスペンスユニット250を交替させるか否かの判定を行い、交替が必要な場合には交替させるプログラムとされている。
接着剤268の塗布およびディスペンスユニット250の交替は、図12にフローチャートで表す塗布制御プログラムの実行により行われる。本プログラムのステップ1(以後、S1と略記する。他のステップについても同じ。)の実行により、回路基板32への接着剤268の塗布が行われる。塗布は、前述のように、ディスペンスユニット250のX軸,Y軸,Z軸方向の移動,シリンジ260への正圧の供給,停止および負圧の供給,停止を制御することにより行われる。そして、ディスペンスユニット250による1回の塗布動作が終了する毎に、例えば、ディスペンスユニット250が上昇端位置へ上昇させられる毎にS2が実行され、1枚の回路基板32に予定された全部の塗布個所への接着剤268の塗布が行われたか否かが判定される。この判定は当初はNOであり、S3が実行され、ディスペンスユニット250を交替させるか否かの判定が行われる。この判定は、2つのディスペンスユニット250が同種であれば、ディスペンスユニット250の交替が設定されているか否か、設定されているのであれば、ディスペンスユニット250が収納装置252から取り出されてから現在までの時間が設定時間以上になったか否かにより行われる。塗布制御プログラムの開始以後、時間が計測され、その時間が設定時間以上になったか否かが判定される。ディスペンスユニット250の交替が設定されていない場合、および交替が設定されていても、ディスペンスユニット使用時間が設定時間に達していないのであれば、交替はまだ不要であり、S3の判定結果はNOになってプログラムの実行はS1に戻る。また、2つのディスペンスユニット250が異種であれば、S3の判定は、塗布の内容が変わるか否かにより行われる。この判定はRAM606に記憶させられた塗布データに基づいて行われ、塗布の内容が変わらず、ディスペンスユニット250の交替が不要であれば、S3の判定結果はNOになってプログラムの実行はS1に戻る。
2つのディスペンスユニット250の種類が同じであっても、異なっていても、ディスペンスユニット250の交替が必要になったならば、S3の判定結果がYESになってS4が実行され、ディスペンスユニット250が交替させられる。現にユニット吸着ヘッド120により吸着されているディスペンスユニット250が空のディスペンスユニット収納装置252へ移動させられて収納孔430に収納され、もう1つのディスペンスユニット収納装置252に収納されたディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120により保持されるとともに、ディスペンスユニット収納装置252から取り出され、塗布が再開されるのである。
1枚の回路基板32への全部の接着剤268の塗布が終了すれば、S2の判定結果がYESになってプログラムの実行は終了する。その後、回路基板32への電子回路部品の装着が行われ、装着終了後、次に電子回路部品が装着される回路基板32について接着剤268の塗布が行われるのであるが、2つのディスペンスユニット250の種類が同じであれば、先の回路基板32への最後の接着剤268の塗布に使用されていたディスペンスユニット250ではない方のディスペンスユニット250であって、収納装置252における収納時間が長く、接着剤268の温度が調節されているディスペンスユニット250が塗布に使用されるようにされる。
2つのディスペンスユニット250の種類が同じであれば、交替により、ディスペンスユニット収納装置252に収納されていて、調温装置450により接着剤268の温度が適温に調節されているディスペンスユニット250により、回路基板32への接着剤268の塗布が行われ、設定された時間の接着剤268の吐出により、設定量の接着剤268が設定された直径で塗布される。接着剤268の温度が下がって状態で塗布が行なわれ続けることがなく、塗布が正確に行なわれるのである。2つのディスペンスユニット250の種類が同じである場合、ディスペンスユニット250の交替回数は、塗布点数によっては複数回設定されることもあり得る。この場合、ディスペンスユニット使用時間が設定時間に達する毎に交替が行われるのであるが、その際、交替させられたディスペンスユニットについて新たに使用時間が計測され、S3の判定が行われる。また、最後の交替後(交替回数が1回のみ設定されている場合には、1回の交替後)はS3の判定結果がNOになるように構成されている。2つのディスペンスユニット250の種類が異なるのであれば、交替により、回路基板32に2種類の態様で接着剤268の塗布を行うことができる。
シリンジ260内の接着剤268の残量取得を説明する。
残量取得は、例えば、ディスペンスユニット250がディスペンスユニット収納装置252から取り出されるとき、ディスペンスユニット収納装置252へ収納されるとき、残量取得が指示されたときに行われる。ディスペンスユニット250は収納装置252から取り出されるとき、ユニット収納位置からユニット収納・取出開始位置まで上昇させられた後、水平方向に移動させられ、開口440を通って収納孔430から抜け出させられるが、その際、高周波発振型近接スイッチ502による前記フロート278のアルミニウム層282の検知状態が変化し、スイッチ502の出力信号の変化に基づいて接着剤268の残量が取得される。ディスペンスユニット250の収納装置252への収納時にも同様である。接着剤268の残量検出は、ディスペンスユニット250の収納装置252からの取出し時と収納時とのいずれか一方のみにおいて行われてもよく、両方において行なわれてもよい。いずれにおいて残量検出を行うかは、例えば、予め設定されていてもよく、あるいは作業者の指示に基づいて設定されてもよい。
ディスペンスユニット250の収納装置252からの取出し時における残量の取得を説明する。
シリンジ260における接着剤268の収容量が満杯の場合、図13(a)に示すように、ディスペンスユニット250が収納孔430に収納され、ユニット収納位置に位置する状態では、アルミニウム層282がスイッチ502により検知される高さにあり、スイッチ502の出力信号はONである。この状態からディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120により吸着されて上昇させられ、図13(b)に示すように、ユニット収納・取出開始位置へ上昇させられれば、アルミニウム層282はスイッチ502の検知部504から上方へ外れ、スイッチ502の出力信号はOFFになる。スイッチ502の出力信号がONからOFFへ変化する瞬間がアルミニウム層282の下縁の検出時点であり、この下縁検出時におけるディスペンスユニット250の高さ位置(上下方向位置)に基づいてシリンジ260内における接着剤268の収容量(残量)が取得される。ディスペンスユニット250の高さ位置は、昇降用モータ152に設けられたエンコーダの出力値に基づいて取得される。ユニット吸着ヘッド120の高さ位置に基づいてディスペンスユニット250の高さ位置が取得されることとなるが、本実施例では、下縁検出時におけるエンコーダの出力値とシリンジ260内における接着剤268の収容量との関係が予め対応付けて記憶させられており、そのデータに基づいて残量が取得される。
接着剤268の塗布が行われ、残量が減少しても、図14(a)に示すように、収容量がまだ多い状態では、ディスペンスユニット250がユニット収納位置に位置する状態では、アルミニウム層282がスイッチ502により検知され、ユニット収納・取出開始位置へ上昇させられれば、アルミニウム層282が検知部504から外れ、満杯時と同様にスイッチ502の出力信号はONからOFFに変化する。残量が更に減少すれば、図15(a)に示すように、ディスペンスユニット250がユニット収納位置に位置する状態においても、図15(b)に示すように、ユニット収納・取出開始位置まで上昇させられた状態においても、アルミニウム層282はスイッチ502により検知されず、スイッチ502の出力信号はOFFであるが、上昇の途中でアルミニウム層282がスイッチ502により検知され、出力信号はOFFからONに変化し、再びOFFになる。アルミニウム層282の上縁と下縁との両方が検出されるのである。
そして更に接着剤268の残量が減少すれば、図16(a)に示すように、ディスペンスユニット250がユニット収納位置に位置する状態では、アルミニウム層282が検知部504から下方へ外れて検知されず、スイッチ502の出力信号はOFFであるが、ディスペンスユニット250がユニット収納・取出開始位置へ上昇させられる途中でスイッチ502の出力信号がONになり、アルミニウム層282の上縁がスイッチ502により検出される。図16(b)に示すように、ディスペンスユニット250がユニット収納・取出開始位置まで上昇させられた状態でも、アルミニウム層282は検知部504により検知される高さにあり、スイッチ502の出力信号はONのままである。図17(a),(b)に示すように、接着剤268の残量が0になり、シリンジ260が空になった場合も同様である。
このように接着剤268の減少に伴ってフロート278が下降することにより、高周波近接スイッチ502の出力信号を変化させるアルミニウム層282の縁が変わる。接着剤268の残量が多い場合には、アルミニウム層282の下縁によりスイッチ502の出力信号がONからOFFに変化させられ、少ない状態では、アルミニウム層282の上縁によりOFFからONに変化させられ、中間の状態ではアルミニウム層282の上縁によりOFFからONに変化させられた後、下縁によりONからOFFに変化させられる。
そのため、接着剤268の残量が多く、ディスペンスユニット250の取出し時に信号がONからOFFに変わるのみである場合には、その変化に基づいて残量が取得される。また、接着剤268の残量が減少し、ディスペンスユニット250の取出し時にスイッチ502の出力信号がOFFからONに変わるのみである場合には、その変化に基づいて残量が取得される。信号がOFFからONに変化した際の昇降用モータ152のエンコーダの出力値とシリンジ260内における接着剤268の残量との関係が予め対応付けて記憶させられており、そのデータに基づいて残量が取得されるのである。接着剤268の残量が減少する途中では、接着剤268の残量が半分になるまでは、出力信号のONからOFFへの変化に基づいて残量が取得され、半分より少なくなった状態では、信号のOFFからONへの変化に基づいて残量が取得される。
ディスペンスユニット250の収納時には、ディスペンスユニット250が、ユニット収納・取出開始位置に位置する状態からユニット収納位置へ下降させられる際に、アルミニウム層282がスイッチ502により検知され、出力信号が変化する。出力信号はディスペンスユニット250の取出し時とは逆になり、残量が多く、半分になるまでは、検知信号のOFFからONへの変化およびその際のユニット吸着ヘッド120(ディスペンスユニット250)の上下方向の位置に基づいて残量が取得され、残量が半分より少なくなった状態では、出力信号のONからOFFへの変化およびその際のユニット吸着ヘッド120(ディスペンスユニット250)の上下方向の位置に基づいて残量が取得される。
接着剤268の残量が指示に基づいて取得される場合、残量取得指示は、例えば、作業者により為され、あるいは制御コンピュータ610により自動的に為される。例えば、設定枚数の回路基板32への接着剤の塗布が行われた場合等、予め設定された条件が成立した場合に残量が取されるようにされるのである。設定条件が成立したとき、ディスペンスユニット250の収納装置252への収納時に残量が取得されてもよく、収納装置252からの取出し時に取得されてもよい。設定条件の成立がディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120に保持されて接着剤268の塗布を行っている最中であれば、そのディスペンスユニット250が次に収納装置252に収納される際に残量が取得される。また、ディスペンスユニット250が収納装置252に収納されているのであれば、そのディスペンスユニット250が次に収納装置252から取り出される際に残量が取得される。塗布の途中であっても、塗布を中断して収納装置252に収納し、残量を取得してもよい。
取得された接着剤268の残量に応じて種々の対応が為される。説明を簡単にするために、1つのディスペンスユニット250によって接着剤268の塗布が行われる場合について説明するが、例えば、表示画面626に残量が表示され、残量が設定量以下であれば、残量が少ないことを警告する表示が為される。警告は、接着剤268の残量と共に表示されてもよく、警告のみが表示されてもよい。表示装置624は報知装置ないし警告装置の一態様であり、警告は、表示以外の報知手段、例えば、ブザーの鳴動,ランプの点灯あるいは点滅,音声によるアナウンス等により行われてもよい。
接着剤268の残量が警告を行うほど減少したことを判定するための設定量は、例えば、接着剤268が完全になくなるまでにはまだ余裕がある状態で、例えば、10数枚の回路基板32については接着剤268の塗布を行うことができる状態で警告が行われる量に設定されている。そのため、作業者は、まだ電子回路部品が装着されていない残りの回路基板32の枚数と、接着剤268の残量とを比較し、一連の回路基板32への電子回路部品の装着が終わりに近く、残りの回路基板32への塗布に接着剤268が足り、補給しなくてもよい場合には補給を行わない。また、接着剤268が足りない場合には補給を行うが、直ちに行わなくてもよく、都合のついたときに行うことができる。残りの回路基板32への塗布に接着剤268が足りると作業者が判断し、補給を行わなかった場合でも、接着剤268が不足する場合には、作業者は表示される接着剤268の残量および警告に基づいて不足を認識し、システムを停止させる。これら接着剤268の残量と残りの回路基板32の枚数とに基づく接着剤268の補給の有無の判定およびシステム停止の判定は、制御装置600において自動的に行われ、その判定結果が報知され、作業者に接着剤268の補給を行わせるようにしてもよく、システムが自動的に停止させられるようにしてもよい。2つのディスペンスユニット250によって交替で接着剤268の塗布が行われる場合にも同様に接着剤268の残量の表示等が行われるが、特に、2つのディスペンスユニット250の種類が同じ場合、作業者はもっと余裕を持って接着剤268の補給作業を行うことができる。
以上の説明から明らかなように、本システムにおいては、制御装置600のS3,S4を実行する部分が交替制御部を構成している。また、フロート278のアルミニウム層282が設けられた部分がインジケート部を構成し、その上縁が上部被検出部を構成し、下縁が下部被検出部を構成し、昇降用モータ152のエンコーダが上下位置取得部を構成し、制御装置600の高周波発振型近接スイッチ502の出力信号およびユニット吸着ヘッド120の上下方向の位置に基づいて接着剤268の残量を取得する部分が残量取得部を構成し、残量に応じて表示画面626に警告を表示する部分が、残量対応処理部たる残量少警告部を構成し、残量によっては、作業者による指示に基づいて、あるいは自動的にシステムを停止させる部分が残量対応処理部たるシステム停止部を構成している。さらに、制御装置600の、吐出ノズル262の吐出口336に印加される漏れ防止圧の高さを接着剤268の残量に応じて制御する部分が圧力制御装置を構成している。また、正圧源186,切換装置188および制御装置600の切換装置188を制御し、正圧源186から正圧・負圧供給通路160に正圧を供給させる部分が吐出装置を構成し、制御装置600の、図10のタイムチャートに示すように、接着剤268の回路基板32への塗布時に吐出ノズル262における接着剤268の糸引きが断たれるように昇降装置122と切換装置188とを制御する部分が糸引き防止部を構成し、ユニット移動装置82,昇降装置122および切換装置188を制御し、ディスペンスユニット250の水平方向の移動,昇降および接着剤268の吐出を並行して行わせる部分が移動・塗布同期制御部を構成している。さらに、ユニット吸着用負圧室負圧取得部たる負圧センサ619および制御装置600の負圧センサ619により検出されるユニット吸着用負圧室212の負圧を設定値と比較し、ディスペンスユニット250の吸着に必要な負圧が得られているか否かを判定する判定部が、シリンジ260およびカバー264がキャップ266によって正確に保持されているか否か検出するシリンジ保持状態検出部を構成している。
ディスペンスユニット収納装置252はフィーダ保持装置42に1つ保持させるのみでもよい。この場合、塗布に使用されるディスペンスユニット250は1つであることとなるが、回路基板32の全部の接着剤塗布箇所について行われる塗布の内容が同じであれば、ディスペンスユニット250は1つで済む。また、塗布は、全部の接着剤塗布箇所に1度に行ってもよく、複数回に分けて行ってもよい。塗布を複数回に分けて行う場合、電子回路部品の装着も複数回に分けて行われ、塗布と電子回路部品の装着とが交互に行われることとなる。複数回に分けて行えば、電子回路部品の装着が行われる間、ディスペンスユニット250が収納装置252に収納され、シリンジ260に収容された接着剤268の温度が調節される利点があるが、その他に、例えば、回路基板32に塗布された接着剤268の性状変化を回避することができる利点もある。例えば、接着剤268の性質によっては、回路基板32に塗布された接着剤268が電子回路部品が装着されない状態が長く続けば、接着剤268が流れて形状が変わったり、位置がずれたり、あるいは乾燥して硬くなったりすることがある。接着剤268の塗布と電子回路部品の装着とを交互に行えば、1度に行われる塗布の点数が少なく、塗布された接着剤268の性状が変化する前に電子回路部品を装着することができる。塗布を1度に全部行うか、複数回に分けて行うかは、例えば、作業者により設定され、複数回に分けて行う場合には、1回毎の塗布点数および1回毎の電子回路部品の装着数も設定される。これらは接着剤268の性質,塗布点数等に基づいて自動的に設定されるようにしてもよい。
塗布を複数回に分けて行うモードが作業者により設定されれば、例えば、図18に示す塗布・装着制御プログラムが実行される。このプログラムは制御コンピュータのROMに記憶させられている。塗布・制御プログラムのS11においては、ユニット吸着ヘッド120によりディスペンスユニット250が保持される。この際、ユニット吸着ヘッド120が装着ヘッド80を保持しているのであれば、装着ユニット収納装置20に戻され、ディスペンスユニット250が保持される。そして、S12が実行され、ディスペンスユニット250が回路基板32へ移動させられ、接着剤268の塗布を行う。接着剤268の1つの接着剤塗布箇所への塗布後、S13が実行され、1回の塗布が終了したか否かが行われる。この判定は、塗布点数の累積値が予め設定されている1回の塗布点数に達したか否かにより行われ、達していなければ、S13の判定結果はNOになってS12が実行される。
塗布点数の累積数が設定数に達し、1回の塗布が終了すれば、S13の判定結果がYESになってS14が実行され、ディスペンスユニット250が収納装置252に収納されるとともに、装着ユニット80がユニット吸着ヘッド120により保持される。そして、S15が実行され、装着ユニット80による電子回路部品の回路基板32への装着が行われる。装着ユニット80が保持する1個あるいは複数個の電子回路部品の装着後、S16が実行され、1回の装着が終了したか否かが行われる。予め設定された少なくとも1箇所への電子回路部品の装着であって、1回の装着が終了していなければ、S16の判定結果はNOになってS15が実行される。1回の装着が終了するまでS15およびS16が繰り返し実行され、1回の装着が終了すれば、S16の判定結果がYESになってS17が実行され、1枚の回路基板32に予定された全部の電子回路部品の装着が終了したか否かが判定される。まだ終了していないのであれば、S17の判定結果はNOになってプログラムの実行はS11に戻り、ディスペンスユニット250がユニット吸着ヘッド120により保持されて接着剤268の塗布が行われる。制御装置600のS11〜S16を実行する部分が塗布・装着交互実行制御部を構成している。
なお、高粘性流体塗布システムがディスペンスユニットを複数含み、それらによって高粘性流体の塗布を行う場合にも、塗布と電子回路部品の装着とを交互に行わせてもよい。
また、複数のディスペンスユニットの各シリンジにそれぞれ収容される高粘性流体の種類を異ならせ、例えば、ディスペンスユニットの1つに接着剤を収容させ、別の1つにクリーム状はんだを収容させ、1つの塗布システムによって2種類の高粘性流体の塗布が行われるようにしてもよい。それにより、例えば、回路基板に接着剤を塗布し、上下両面にそれぞれ電極を有する電子回路部品を装着し、その電子回路部品の上面の電極にクリーム状はんだを塗布し、下面のみに電極を有する別の電子回路部品を装着することができる。
さらに、同種の複数のディスペンスユニットを用いて高粘性流体の塗布が行われる場合、ディスペンスユニットの交替条件は、ディスペンスユニット使用時間が設定時間に達するのことの他に、例えば、回路基板の枚数により設定されてもよい。例えば、1枚の回路基板への高粘性流体の塗布点数が少なく、回路基板1枚あたりのディスペンスユニットの使用時間が短い場合には、使用による高粘性流体の温度変化、例えば、温度低下は少なく、収納装置に戻されて温度調節される時間が短くても迅速に適切な温度に調節可能であり、連続して複数枚の回路基板への高粘性流体の塗布に使用することができる。
また、同種の複数のディスペンスユニットを用いて高粘性流体の塗布が行なわれる場合、ディスペンスユニットの交替条件は、高粘性流体の残量が設定量以下に減少したこととしてもよい。この場合、複数のディスペンスユニットのうちの1つが、その残量が設定量以下に減少するまで、連続して高粘性流体の塗布に使用される。
さらに、ディスペンスユニットの昇降と水平移動とを並行させるとともに、下降端位置において停留させてもよい。
また、調温装置の温度センサとオーバヒートセンサとは、一方に他方を兼ねさせてもよい。調温用流体の温度は、例えば、調温用ヒータと調温ヘッドとの間に温度センサを設け、調温ヘッドに供給される前であって、調温前に検出されてもよい。
さらに、ディスペンスユニット収納装置にコンピュータを設け、調温用エアの温度制御や吐出ノズルの吐出口に印加される圧力の制御や高粘性流体の残量の取得が行われるようにしてもよい。ディスペンスユニット収納装置あるいはテーブルにコンピュータを設ける場合、システム全体を制御する制御装置のコンピュータに接続され、通信が行われるようにされる。
また、テーブルにより構成されるディスペンスユニット収納装置の取付部は複数のディスペンスユニット収納装置に共用としてもよい。1つのテーブルに収納装置本体を複数取り付け、それぞれにディスペンスユニットが収納されるようにしてもよいのである。
さらに、フィーダ型部品供給装置は、台車により移動させられる装置に限らず、フィーダ保持装置がシステム本体に固定的に設けられ、フィーダが着脱可能に保持される装置でもよい。
また、ディスペンスユニット収納装置は、フィーダ保持装置に保持させるのに限らず、移動装置の移動領域内の箇所であって、フィーダ保持装置とは別の箇所に設けてもよく、装着ユニット収納装置と共に設けてもよい。
請求可能発明の一実施例である接着剤塗布システムおよび電子回路部品装着システムを含む電子回路組立システムを概略的に示す平面図である。 上記電子回路部品装着システムにおいてフィーダ型部品供給装置の台車による着脱を概略的に説明する側面図である。 上記フィーダ型部品供給装置のフィーダ保持台のベッドに取り付けられる部分を示す正面図である。 上記電子回路部品装着システムのリボルバ型装着ユニットがユニット吸着ヘッドに保持された状態を示す正面図(一部断面)である。 上記接着剤塗布システムのディスペンスユニットが上記ユニット吸着ヘッドに保持された状態を示す正面図(一部断面)である。 上記ディスペンスユニットがディスペンスユニット収納装置に収納された状態を示す側面図(一部断面)である。 上記ディスペンスユニットがディスペンスユニット収納装置に収納された状態を示す平面断面図である。 上記ディスペンスユニットのカバーにキャップが被せられた状態を示す底面断面図である。 上記電子回路組立システムを制御する制御装置を概略的に示すブロック図である。 上記接着剤塗布システムにおけるディスペンスユニットの水平移動,昇降および塗布のタイミングを示すタイムチャートである。 接着剤の塗布時間を設定するために取得された塗布直径と塗布時間との関係を示すグラフである。 上記制御装置の主体を成す制御コンピュータのROMに記憶された塗布制御プログラムを示すフローチャートである。 上記ディスペンスユニットのシリンジにおける接着剤の収容量が満杯である場合における残量取得を説明する図である。 上記シリンジにおける接着剤の収容量がやや減少した場合における残量取得を説明する図である。 上記シリンジにおける接着剤の収容量がさらに減少した場合における残量取得を説明する図である。 上記シリンジにおける接着剤の収容量がかなり減少した場合における残量取得を説明する図である。 上記シリンジが空になった場合における残量取得を説明する図である。 別の態様である接着剤塗布システムを有する電子回路組立システムを制御する制御装置の主体を成す制御コンピュータのROMに記憶させられた塗布・装着制御プログラムを示すフローチャートである。
符号の説明
12:フィーダ型部品供給装置 32:回路基板 42:フィーダ保持装置 44:フィーダ保持台 80:装着ユニット 82:ユニット移動装置 122:昇降装置 250:ディスペンスユニット 252:ディスペンスユニット収納装置 260:シリンジ 262:吐出ノズル 264:カバー 268:接着剤 278:フロート 336:吐出口 450:調温装置 452:残量検出装置 454:圧力印加装置 458:調温ヘッド 460:調温用エア供給装置 500:検出ヘッド 516:圧力印加ヘッド 518:エア供給装置 600:制御装置

Claims (6)

  1. 高粘性流体を収容するシリンジおよびそのシリンジの内部空間と連通した吐出ノズルを含むディスペンスユニットと、
    そのディスペンスユニットを着脱可能に保持するユニット保持ヘッドと、
    そのユニット保持ヘッドを少なくとも一平面内の任意の位置へ移動させる移動装置と、
    前記シリンジ内の高粘性流体を前記吐出ノズルから吐出させる吐出装置と、
    前記ユニット保持ヘッドから取り外されたディスペンスユニットを収納する収納装置と、
    調温ヘッドを備え、その調温ヘッドにより前記ディスペンスユニット内の前記高粘性流体の温度を設定温度に調節する調温装置と
    を含む高粘性流体塗布システムであって、
    (a)前記調温装置の少なくとも前記調温ヘッドが前記収納装置に設けられ、前記ディスペンスヘッドおよび前記ユニット保持ヘッドには設けられないこと、ならびに(b)前記移動装置が、前記ユニット保持部を上下方向に移動させる昇降装置を含み、前記収納装置の前記ディスペンスユニットを収納する収納部の上部に、上方と側方とに連続して開いた開口が形成され、前記収納部に収納された前記ディスペンスユニットが、前記昇降装置による前記ユニット保持ヘッドの上昇と前記移動装置による前記一平面に平行な方向の移動との両方により、前記上方と側方とに連続して開いた開口を通って前記収納部から離脱させられることを特徴とする高粘性流体塗布システム
  2. それぞれ複数の電子回路部品を収容し、1個ずつ順次供給する複数のフィーダを保持する複数のフィーダ保持部を備えたフィーダ保持装置を含み、前記収納装置がそのフィーダ保持装置に保持され、かつ、前記ユニット保持ヘッドが、前記複数のフィーダから前記電子回路部品を取り出して回路基板に装着する装着ユニットと前記ディスペンスユニットとを選択的に保持することを特徴とする請求項1に記載の高粘性流体塗布システム。
  3. 前記ディスペンスユニットと前記収納装置とをそれぞれ複数含み、かつ、前記複数のディスペンスユニットを交替で前記ユニット保持ヘッドに保持させる交替制御部を含む制御装置を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の高粘性流体塗布システム。
  4. 前記複数のディスペンスユニットが、前記吐出ノズルの吐出口の横断面積、共通の前記シリンジの内部空間に連通した前記吐出ノズルの数、および前記シリンジ内に収容された高粘性流体の種類が互いに同じである同種ディスペンスユニットを含み、前記交替制御部が、それら複数の同種ユニット同士を交替させる同種ユニット交替制御部を含むことを特徴とする請求項3に記載の高粘性流体塗布システム。
  5. 前記同種ユニット交替制御部が、前記ディスペンスユニットが前記ユニット保持ヘッドに連続して保持されている時間であるユニット連続使用時間と、前記ディスペンスユニットが前記収納装置に収納されることなく高粘性流体が塗布される点数である連続塗布点数と、前記ディスペンスユニットが前記収納装置に収納されることなく高粘性流体が塗布される回路基板の枚数である連続塗布枚数との少なくとも1つが設定値以上になったことを条件に、複数の同種ユニット同士を交替させる連続使用量依拠交替制御部を含むことを特徴とする請求項4に記載の高粘性流体塗布システム。
  6. 前記複数のディスペンスユニットが、前記吐出ノズルの吐出口の横断面積、共通の前記シリンジの内部空間に連通した前記吐出ノズルの数、および前記シリンジ内に収容された高粘性流体の種類の少なくとも1つを互いに異にする複数種類の異種ディスペンスユニットを含み、前記交替制御部が、塗布対象物に塗布されるべき高粘性流体の塗布直径、1回の塗布動作により同時に塗布される高粘性流体の点数、および塗布対象物に塗布されるべき高粘性流体の種類の少なくとも1つに応じて、前記ユニット保持ヘッドに保持されるディスペンスユニットを交替させる異種ユニット交替制御部を含むことを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の高粘性流体塗布システム。
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