JP4869111B2 - 高周波用磁性薄膜及びそれを利用した高周波用磁性デバイス - Google Patents

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Description

本発明は、強磁性薄膜と反強磁性薄膜を積層した高周波用磁性薄膜及びそれを利用した高周波用磁性デバイスに関し、更に具体的には、低いうず電流損失で、高周波数領域への適用に好適な高周波用磁性薄膜の改良に関するものである。
情報通信,例えば携帯電話や無線LANなどでは、使用周波数帯域がGHzのオーダーに達しており、今後も更なる高周波化が予想されている。このため、回路で使用される磁性材料に対しても高周波化の要求は強く、GHzオーダーでも高い透磁率を有する磁性薄膜が要望されるに至っている。
磁性薄膜の透磁率を高周波化させる一つの手法として、強磁性膜と反強磁性膜を積層し、両者間に生じる交換結合によって大きな一軸磁気異方性を誘導して、強磁性膜の強磁性共鳴周波数を高周波化する方法があり、例えば下記特許文献1に記載された「高周波デバイス」がある。これは、強磁性膜と反強磁性膜を交互に積層することによって得られるバイレイヤー(bilayer)構造の薄膜で、強磁性−反強磁***換相互作用による交換バイアス磁界が生じることを利用している。
特開2003−257739公報
ところで、上述した交換バイアス磁界の大きさは強磁性膜及び反強磁性膜の組成や膜厚に依存し、交換バイアス磁界を大きくするためには強磁性膜や反強磁性膜をある程度以上の厚みとする必要がある。しかし、強磁性膜や反強磁性膜として用いる材料が金属の場合には、膜厚が厚いと、高周波下ではうず電流損失が顕著となってしまう。これに対しては、強磁性膜や反強磁性膜として、非金属の酸化物材料を用いる方法が考えられるが、酸化物材料は飽和磁気モーメントMsが小さいことから、大きな透磁率は期待できない。このため、透磁率の絶対値を確保するためには、飽和磁気モーメントMsの大きな金属系の磁性材料が好ましく、うず電流損失低減のために膜厚を薄くすることができれば好都合である。
一方、静的な交換バイアス磁界が存在しないような状態,すなわち交換バイアス磁界が零の状態でも、強磁性膜と反強磁性膜の間に磁気的な交換結合が存在していることを示唆する研究結果が報告されている(S.Queste et al., Journal of Magnetism and Magnetic Materials 288 (2005) 60-65参照)。このような相互作用が透磁率の高周波特性にどのような影響を与えるかは明らかではないが、強磁性膜と反強磁性膜の間で何らかの交換結合が存在すれば、透磁率特性にも影響を与えることが考えられる。してみると、交換バイアス磁界を零とするために反強磁性膜の厚みを薄くしても、強磁性−反強磁***換結合を利用して透磁率の高周波特性を改善でき、反強磁性膜の厚みの低下によってうず電流損失も低減できる可能性がある。
本発明は、以上の点に着目したもので、その目的は、膜の厚みを抑えて渦電流損失を低減しつつ、良好な高周波特性を得ることができる高周波用磁性薄膜及びそれを利用した高周波用磁性デバイスを提供することを、その目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、強磁性層と反強磁性層を積層した積層膜を有する高周波用磁性薄膜において、前記反強磁性層の厚さを減じていった場合に、静的磁気特性で求めた交換バイアス磁界ないし交換結合の強さが略零となるように、前記反強磁性層の厚さを設定したことを特徴とする。
主要な形態の一つは、前記強磁性層としてCo70Fe30を用いるとともに、前記反強磁性層としてMnIrを用いる場合、MnIr層の一層の厚みを5nm以下としたことを特徴とする。

更に他の形態としては、前記強磁性層として、Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む材料,あるいは、Fe,Co,Niのうちの少なくとも2種を含む合金材料,あるいは、Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種とその他の元素を含む多元系合金材料,を用いるとともに、前記反強磁性層として、Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む材料,あるいは、Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む酸化物材料,あるいは、Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも2種を含む合金材料,あるいは、該合金材料と酸化物を含む合金酸化物材料,あるいは、前記合金酸化物材料とその他の元素を含む多元系合金酸化物材料,を用いたことを特徴とする。
更に他の形態の一つは、前記強磁性層として、Fe,FeSiAl,FeAlO,FeN,FeCo,FeCoB,FeCoAlO,FeCoSi,NiFe,CoNiFe,
のいずれかを用いるとともに、前記反強磁性層として、FeMn,MnNi,MnIr,CrMnPt,MnRu,MnRh,MnRuRh,MnIr,MnRu,MnRh,NiMn,PtMn,PdPtMn,NiO,α−Fe,CoO,のいずれかを用いたことを特徴とする。
本発明の高周波用磁性デバイスは、前記いずれかの高周波用磁性薄膜を使用したことを特徴とする。本発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
本発明によれば、反強磁性層の厚みを低減するにもかかわらず、強磁性層−反強磁性層間の交換結合が増大し、強磁性共鳴周波数が高くなる。このため、うず電流損失を低減しつつ、良好な高周波特性を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて詳細に説明する。
最初に、図1〜図3を参照しながら、本発明の基本構成を示す実施例1について説明する。図1には、本実施例の積層構造が示されている。同図において、基板10の主面上には、バッファ層12が形成され、その上に、強磁性層14,反強磁性層16が交互にN/2層づつ、全体でN層形成される。別言すれば、強磁性層14と反強磁性層16のバイレイヤー薄膜17がN/2層形成されている。最上層の上には、更に酸化防止用保護膜としてキャップ層18が形成される。基板10としては、その主面上にSiO膜11が形成されたSiウエハが使用される。バッファ層12,キャップ層18としては、例えばCuが使用される。強磁性層14としては、例えばCo70Fe30が使用され、反強磁性層16としては、例えばMnIrが使用される。
以上のような強磁性層14と反強磁性層16の交互積層によって得られるバイレイヤー薄膜17の直流磁化曲線は、図2に示すようなシフトが生じることが知られている。図2中、縦軸は磁化M,横軸は磁界Hであり、グラフが全体として−Hの方向にシフトしている。このシフトは、強磁性層14と反強磁性層16の間の交換結合によって生じており、このシフト量が交換バイアス磁界Heとして定義される。
ここで、強磁性層14の厚みtFを一定とした場合、前記交換バイアス磁界Heは、反強磁性層16の厚みtAFに依存し、一般的には図3に示すような振る舞いを示す。同図中、縦軸は交換バイアス磁界He,横軸は反強磁性層16の厚みtAFである。同図に示すように、交換バイアス磁界Heは、反強磁性層16の一定の厚みから急激に上昇してピークに達し、その後は、厚みの増大に伴って多少低下するものの一定以上の値となっている。
従来の交換結合を用いた透磁率の高周波化は、一定の交換バイアス磁界Heが生じるピーク以降の領域WBの範囲となるように反強磁性層16の厚みtAFを設定している。これに対し、本実施例では、交換バイアス磁界Heがピーク以前の領域WAの範囲となるように反強磁性層16の厚みtAFを設定している。この領域では、交換バイアス磁界Heは、ピークから急激に低下して零となる。後述する実施例で詳述するように、交換バイアス磁界Heが零の領域でも、強磁性層14と反強磁性層16の間は交換結合しており、この交換結合の効果で強磁性共鳴周波数が高周波化し、GHzオーダーの帯域まで透磁率を確保することができる。また、領域WAは、反強磁性層16の厚みが薄いため、磁性薄膜全体の厚みを抑制することができ、渦電流損失も良好に低減されるようになる。
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例は、反強磁性層16が、上述した図3の領域WAの厚みを有する場合と、領域WBの厚みを有する場合についてそれぞれサンプルを製作し、磁気特性を比較したものである。
表1には、本実施例のサンプルと、背景技術にかかる比較例のサンプルの諸条件が示されている。材料は両者とも同一であるが、強磁性層14と反強磁性層16の膜厚の条件は、以下の表のように設定した。具体的には、反強磁性層16の厚みを、本実施例は2.5nm,比較例は10nmとし、透磁率の特性がほぼ同じになるように強磁性層14の厚みtF及び積層数Nを調整した。
Figure 0004869111
以上のような各サンプルにつき、透磁率の周波数依存性を測定したところ、次の図4に示すような結果が得られた。同図中、(A)は本実施例のサンプル,(B)は比較例のサンプルの測定結果をそれぞれ示す。また、図の縦軸は透磁率,横軸は周波数である。これらを比較すれば明らかなように、ほぼ同等の周波数依存性を示している。このように、本実施例によれば、比較例に対して反強磁性層16のトータル膜厚が4分の1以下であるにもかかわらず、ほぼ同等の透磁率が周波数の高帯域側まで得られており、比較例として遜色のない結果となっている。
次に、本発明の実施例3について説明する。この実施例は、強磁性層14の厚みtFを一定とし、反強磁性層16の厚みtAFを変化させたときの交換結合の強さの変化を調べたものである。前記図1に示した磁性薄膜を、マグネトロンスパッタリングの手法を用いて作製した。強磁性層14としてCo70Fe30を選択し、その厚みtFを50nm一定とした。一方、反強磁性層16としてMnIrを用い、その厚みtAFを0〜20nmと変化させて成膜し、それぞれサンプルを得た。なお、基板10としてはシリコン基板を用い、バッファ層12,キャップ層18としてはCuを用いた。成膜した後に、1kOeの磁場中で1時間熱処理を加えた。なおこのときの熱処理温度は、200℃〜340℃である。
図5は、強磁性層14と反強磁性層16との間の交換結合の強さJc(縦軸)と、反強磁性層16の膜厚tAF(横軸)の関係のグラフである。同図中、「○」は交換バイアス磁界Heから決定した交換結合の強さJcの値であり、「●」は強磁性共鳴から決定した交換結合の強さJcの値である。これらのグラフを見ると、交換バイアス磁界He(静的磁気特性)から決定した交換結合の強さJcの場合、Jcは反強磁性層膜厚tAFの増加とともに増加し、約5〜7nmで最大となるものの、その後徐々に減少する。なお、便宜上、交換バイアス磁界Heから決定した交換結合の強さJcが最大になる反強磁性層16の厚みtAFを臨界厚みと定義する。
これに対し、強磁性共鳴(動的磁気特性)から求めた交換結合の強さJcの場合、前記臨界厚み以下でも反強磁性層16の厚みtAFの低下に伴ってJcの値が増大している(領域WA参照)。このことは、臨界厚み以下でも強磁性層14と反強磁性層16の間には交換結合が存在しており、その強さJcは臨界厚み以下の方が大きいことを示している。
背景技術の場合、交換バイアス磁界He,すなわち静的磁気特性から決定した交換結合の強さJcが最大となるように反強磁性層16の厚みtAFを調整することが一般的である(領域WB参照)。これに対し、本実施例では、強磁性共鳴,すなわち動的磁気特性から決定した交換結合の強さJcが最大となるように反強磁性層16の厚みtAFを調整している。このように、領域WAにおける大きな強磁性層−反強磁性層間交換結合を利用することで、優れた高周波透磁率特性が得られる。
なお、図5に示すように、背景技術の適用領域WBに対して、本発明の適用領域WAは、反強磁性層16の厚さtAFを減じていった場合に、その厚さが交換バイアス磁界Heから求めた交換結合の強さが減少に転じる領域であり、この範囲で良好な高周波透磁率特性が得られるが、より好ましくは、強磁性共鳴から求めた交換結合の強さが最大となる付近,すなわち交換バイアス磁界が略零の付近となるように、反強磁性層16の厚さtAFを設定すると好都合である。
次に、図6を参照しながら、本発明の実施例4について説明する。この実施例は、反強磁性層16の厚みtAFを一定とし、強磁性層14の厚みtFを変化させたときの透磁率の変化を調べたものである。前記実施例と同様に、マグネトロンスパッタリングの手法を用いてサンプルを作製した。反強磁性層16としてMnIrを用い、その厚みtAFを2nm一定とした。一方、強磁性層14としてCo70Fe30を選択し、その厚みtFを100,20,10nmと変化させてそれぞれサンプルを得た。なお、基板10はシリコン,バッファ層12,キャップ層18はCuである。成膜した後、1kOeの磁場中で1時間熱処理を加える点,熱処理温度が200℃〜340℃である点も、前記実施例3と同様である。
図6は、以上のようにして得た各サンプルの透磁率の周波数特性を示したグラフである。同図中、縦軸は透磁率,横軸は周波数,黒印は透磁率の実数部,白印は透磁率の虚数部をそれぞれ示す。また、強磁性層14の厚みtFは、(A)が100nm,(B)が20nm,(C)が10nmである。これらのグラフに示すように、強磁性層厚みtAFが100nmのときは(同図(A)参照)、透磁率が約250,強磁性共鳴周波数が約3.5GHzとなっている。同様に、強磁性層厚みtAFが20nmのときは(同図(B)参照)、透磁率が約100,強磁性共鳴周波数が約6GHzであり、強磁性層厚みtAFが10nmのときは(同図(C)参照)、透磁率が約40,強磁性共鳴周波数が約8GHzという高周波特性が得られた。
このように、本実施例によれば、反強磁性層16の厚みtAFがわずか2nmであるにもかかわらず、高周波領域において良好な透磁率が得られている。すなわち、反強磁性層16の厚みtAFが臨界厚み以下であって、かつ、交換バイアス磁界Heから求めた交換結合の強さJcが略零の領域,すなわち交換バイアス磁界が略零の領域を利用することで、反強磁性層16の厚みを抑えて渦電流損失を低減しつつ、良好な高周波特性を得ることができる。
従来、強磁性−反強磁性バイレイヤー薄膜の強磁性共鳴周波数を高周波化させるためには、静的な交換バイアス磁界の大きい方が有利とされていた。しかし、上述した実施例に示したように、強磁性共鳴周波数の高周波化には強磁性層−反強磁性層間の交換結合がむしろ重要であって、強磁性共鳴周波数の高周波化には、強磁性層−反強磁性層間の交換結合が最大となるように反強磁性層16の厚みを設定することが最も適しており、その領域では静的な交換バイアス磁界が略零であることが見出された。更に、強磁性層−反強磁性層間の交換結合が強くなるため、反強磁性層16のみならず、強磁性層14の厚みも低減することができる。強磁性層14は金属である場合が多く、この金属層を薄くすることで、渦電流による損失を更に低減することができる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることができる。例えば、以下のものも含まれる。
(1)前記実施例に示した材料,形状,寸法は一例であり、同様の効果を奏するように適宜変更可能である。例えば、前記実施例では、強磁性層14としてCo70Fe30を使用し、反強磁性層16としてMnIrを用いたが、適宜材料を選択してよい。
例えば、以下のような材料が考えられる。
a,強磁性層14:Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む材料,あるいは、Fe,Co,Niのうちの少なくとも2種を含む合金材料,あるいは、Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種とその他の元素を含む多元系合金材料,例えば、Fe,FeSiAl,FeAlO,FeN,FeCo,FeCoB,FeCoAlO,FeCoSi,NiFe,CoNiFeなど,
b,反強磁性層16:Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む材料,あるいは、Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む酸化物材料,あるいは、Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも2種を含む合金材料,あるいは、該合金材料と酸化物を含む合金酸化物材料,あるいは、前記合金酸化物材料とその他の元素を含む多元系合金酸化物材料,例えば、FeMn,MnNi,MnIr,CrMnPt,MnRu,MnRh,MnRuRh,MnIr,MnRu,MnRh,NiMn,PtMn,PdPtMn,NiO,α−Fe,CoOなど,
(2)強磁性層14の材料と反強磁性層16の材料の組み合わせにも、格別の制限はない。なお、図5で示した臨界厚みは、選択する強磁性層14の材料及び厚みtF,及び反強磁性層16の材料で異なる。
(3)本発明の高周波用磁性薄膜は、各種の高周波用磁性デバイスに適用してよい。例えば、高周波インダクタ、トランス、アンテナなどに適用可能である。具体的には、本発明の積層膜と導体コイルを有する高周波用プレーナインダクタ,本発明の積層膜と導体ラインを有する伝送線路,本発明の積層膜の強磁性共鳴を用いた高周波フィルタ,本発明の積層膜と金属筐体を有する高周波用アンテナ,などへの適用が可能である。図7には、一例が示されており、図1に示した高周波用磁性薄膜50の主面上にSiO膜20を介して渦巻き状の導体パターン30が形成されており、これによって高周波用のインダクタが構成されている。
(4)前記実施例では、動的磁気特性から決定した交換結合の強さJcが最大となるように反強磁性層16の厚みtAFを調整したが、最大付近であれば、実用的には差し支えない。
本発明によれば、渦電流損失を低減しつつ良好な高周波特性が得られるので、特にGHzオーダーの周波数帯域における高周波デバイスに好適である。
本発明の実施例1の高周波用磁性薄膜の積層構成を示す主要断面図である。 前記実施例の1の磁性薄膜の直流磁化曲線を示すグラフである。 前記実施例1における交換バイアス磁界Heと反強磁性層16の厚みtAFとの関係を示すグラフである。 本発明の実施例2におけるサンプルと背景技術のサンプルの透磁率を比較して示すグラフである。 本発明の実施例3における交換結合の強さJcと反強磁性層16の厚みtAFの関係を示すグラフである。 本発明の実施例4における強磁性層14の厚みtFを変化させたときの透磁率の周波数特性を示すグラフである。 本発明の高周波用磁性薄膜を適用したデバイスの一例を示す斜視図である。
符号の説明
10:基板
11:SiO
12:バッファ層
14:強磁性層
16:反強磁性層
17:バイレイヤー薄膜
18:キャップ層
20:SiO
30:導体パターン
50:高周波用磁性薄膜
H:磁界
He:交換バイアス磁界
M:磁化
N:積層数
tF:強磁性層の厚み
tAF:反強磁性層の厚み
WA,WB:膜厚の領域

Claims (5)

  1. 強磁性層と反強磁性層を積層した積層膜を有する高周波用磁性薄膜において、
    前記反強磁性層の厚さを減じていった場合に、静的磁気特性で求めた交換バイアス磁界ないし交換結合の強さが略零となるように、前記反強磁性層の厚さを設定したことを特徴とする高周波用磁性薄膜。
  2. 前記強磁性層としてCo70Fe30を用いるとともに、前記反強磁性層としてMnIrを用いる場合、MnIr層の一層の厚みを5nm以下としたことを特徴とする請求項1記載の高周波用磁性薄膜。
  3. 前記強磁性層として、
    Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む材料,あるいは、
    Fe,Co,Niのうちの少なくとも2種を含む合金材料,あるいは、
    Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種とその他の元素を含む多元系合金材料,
    を用いるとともに、
    前記反強磁性層として、
    Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む材料,あるいは、
    Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも1種を含む酸化物材料,あるいは、
    Mn,Fe,Co,Niのうちの少なくとも2種を含む合金材料,あるいは、
    該合金材料と酸化物を含む合金酸化物材料,あるいは、
    前記合金酸化物材料とその他の元素を含む多元系合金酸化物材料,
    を用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波用磁性薄膜。
  4. 前記強磁性層として、
    Fe,FeSiAl,FeAlO,FeN,FeCo,FeCoB,FeCoAlO,FeCoSi,NiFe,CoNiFe,
    のいずれかを用いるとともに、
    前記反強磁性層として、
    FeMn,MnNi,MnIr,CrMnPt,MnRu,MnRh,MnRuRh,MnIr,MnRu,MnRh,NiMn,PtMn,PdPtMn,NiO,α−Fe,CoO,
    のいずれかを用いたことを特徴とする請求項記載の高周波用磁性薄膜。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載した高周波用磁性薄膜を使用したことを特徴とする高周波用磁性デバイス。
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