JP4866554B2 - アクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法 - Google Patents

アクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はアクリルゾルを低粘度化させるために用いるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法に関する。
可塑剤を媒体とし重合体微粒子を分散させてなるプラスチゾルは、自動車アンダーコート、自動車ボディーシーラーなどの車両製造分野、床材、建築材料などの建材分野、カーペットバッキング材、壁紙などの室内装飾材分野、塗料など塗装分野、玩具や日用品製造分野など多岐に亘る産業分野で使用されている。
従来プラスチゾルといえば塩化ビニル系重合体粒子を使用した塩ビゾルが殆どであったが、近年では製造時や、廃棄処分時における地球環境汚染に対する配慮から(メタ)アクリル系重合体粒子を用いたアクリル系ゾルへの移行が検討されている。アクリル系ゾルはハロゲン系元素を含有しないため、製品を焼却した際に塩化水素ガスを発生せず、またダイオキシンの発生の懸念もないという利点を有しているため注目を集めている。
アクリル系ゾルは、貯蔵時の粘度安定性と加熱ゲル化後の成形品またはゲル化被膜の可塑剤保持性というプラスチゾルに必要とされる基本的性能を満足しており、塩ビゾルを代替する最も有力な材料であるが、塩ビゾルと比較すると粘度が高いという課題がある。プラスチゾルの粘度が高いと各工程における速度が低下し、効率の低下の要因となり、また、添加物の配合量が制限されてしまうなど、高付加価値の製品の製造が制限を受けたり、生産コストの低減が図れないなどの不都合が生じる。このため、低粘度のアクリル系ゾルの要請が高まっている。
アクリル系ゾルを低粘度化する方法としては、(a)減粘剤を添加する方法、(b)希釈剤もしくは低粘度可塑剤を添加する方法、(c)異なる粒子径の樹脂粒子を2種類以上ブレンドする方法等が知られている。
減粘剤としては種々の化合物が提案されており、例えばアミン系化合物が提案されている(特許文献1)。しかしながら、これらの減粘剤の効果はチキソ性を低減するもので、その効果は低剪断速度域で大きいが高剪断速度域では小さい。そのため、用途によっては高剪断速度域で、更なる低粘度化が求められている。
また、希釈剤や低粘度可塑剤としては、例えばトリアルキルペンタンジオールカルボン酸エステル(低粘度可塑剤)が提案されている(特許文献2)。しかしながら、希釈剤や低粘度可塑剤を添加するとゾルを焼き付ける際に大量のVOCが発生し作業環境の悪化や大気汚染につながるため、近年敬遠される傾向にある。
異なる粒子径の樹脂粒子を2種類以上ブレンドする方法としては、可塑剤と相溶のコアと非相溶のシェルを有するコアシェル構造を持つ微粒子の凝集体を微粒樹脂にブレンドすることで粘度低下及び貯蔵安定性の両立を図ることが報告されている。しかしながら、この方法により得られるアクリル系ゾルにおいても、貯蔵安定性のレベルが不充分であり、10℃程度での保存が必要となる。このため、保存温度が室温〜40℃若しくはそれ以上に達する用途においても貯蔵安定性を備え、取扱いが容易で充分な低粘度のアクリルゾルが求められている。
特願2002−202431号公報 特開2001−214022号公報 特許第3437285号公報
本発明の課題は、低粘度であって、貯蔵安定性が高く、これを用いて効率よく物品の製造を行うことができ、優れた工業生産性を備え、その製造時や廃棄処分時に塩化水素ガスを発生することがなく、ダイオキシン発生の懸念もない環境汚染を抑制することができるプラスチゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法を提供することにある。
すなわち本発明の主旨とするところは、
(1)(メタ)アクリル系重合体粒子が凝集してなるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子であって、比表面積が0.01m2/g以上10m2/g未満であり、圧縮破壊強度が3MPa以上であるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法であって、
粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液を95℃を超え150℃未満の温度で噴霧乾燥することを特徴とするアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法
(2)(メタ)アクリル系重合体粒子が凝集してなるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子であって、比表面積が0.01m 2 /g以上10m 2 /g未満であり、圧縮破壊強度が3MPa以上であるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法であって、
粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液に、(メタ)アクリル系重合体粒子に対して0.1質量%以上の割合で可塑剤、造膜助剤および造粒剤のうちいずれか一種以上を添加し、60℃以上150℃未満の温度で噴霧乾燥することを特徴とするアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法である。
本発明のアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法によって得られるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子や、これを用いた組成物は、低粘度であり、貯蔵安定性が高く、これを用いた物品の製造において効率よく製造を行うことができ、工業生産性に優れ、その製造時や廃棄処分時に塩化水素ガスを発生することがなく、ダイオキシン発生の懸念もない環境汚染を抑制することができる。本発明のアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法は、容易にアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子を製造することができる。
本発明のアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法によって得られるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子は、(メタ)アクリル系重合体粒子が凝集してなるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子であって、比表面積が0.01m2/g以上10m2/g未満であり、圧縮破壊強度が3MPa以上である。
本発明のアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法によって得られるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子は、(メタ)アクリル系重合体粒子が凝集したものである。上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子は、より小さい粒径の(メタ)アクリル系重合体粒子(一次粒子)が集合して形成される二次粒子のことであり、一次粒子同士が強く融着し外観上一次粒子のように観察される粒子も含む。上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子は、エポキシ樹脂に埋め込み薄膜切片を調製し透過型電子顕微鏡でサンプル断面を観察することで、凝集構造を確認することができる。
上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子に対する一次粒子として用いる(メタ)アクリル系重合体は、アクリレート重合体または/およびメタクリレート重合体である。かかる(メタ)アクリル系重合体は、メタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を有する単量体などから得られる重合体粒子であり、単独で重合した単独重合体でもよいし、2種以上の単量体で構成される共重合体でもよい。(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量は、1万以上500万以下が好ましい。重量平均分子量が1万以上であると、アクリル系ゾル組成物における貯蔵安定性に優れ、強度を有し、500万以下であると成膜時の硬化が低温で達成できる。
このような(メタ)アクリル系重合体を得るために用いられる単量体としては、具体的に、アクリロニトリル;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tーブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;あるいはシクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類;メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸2−サクシノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、メタクリル酸2−マレイノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリル酸2−フタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリル酸2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のカルボキシル基含有単量体;アリルスルホン酸等のスルホン酸基含有(メタ)アクリレート類、2−(メタ)アクリロイキシエチルアシッドホスフェート等のリン酸基含有(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類;アセトアセトキエチル(メタ)アクリレート等のカルボニル基含有(メタ)アクリレート類、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリレート類;アクリルアミドジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド等のアクリルアミド誘導体;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
上記一次粒子としての(メタ)アクリル系重合体は、上記アクリロニトリルやメタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を有する単量体と、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フィニルスチレン等のスチレン誘導体;(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリン、ジビニルエーテル等の多官能単量体;イタコン酸;クロトン酸;マレイン酸、マレイン酸エステル、無水マレイン酸等のマレイン酸誘導体等;フマル酸、フマル酸エステル等のフマル酸誘導体;トリアリールイソシアヌレートなどの単量体との共重合体であってもよい。
このような(メタ)アクリル系重合体の粒子の構造としては、特に限定されるものではなく、単一構造や2層以上のコア/シェル構造、或いは重合体粒子の中心部から外郭部まで連続的に組成が変化するグラディエント構造等を挙げることができる。これらの中でも、必要に応じてアクリル系ゾルにさらなる付加的な物性を導入することができることから、各層の組成が異なるコア/シェル構造やグラディエント構造が好ましい。
また、(メタ)アクリル系重合体粒子の粒子径は0.01μm以上、30μm未満である。0.01μm以上であると重合体粒子をコアシェル構造としたときに可塑剤の吸収を抑制するシェルの厚みを十分とることができ、凝集粒子において貯蔵安定性が良好となる。30μm未満であると、凝集粒子において圧縮破壊強度を発明の範囲に制御するのに必要な熱量が小さくなる
更に、(メタ)アクリル系重合体粒子の最外郭のTgは、65℃以上、150℃未満が好ましい。65℃以上であると重合体粒子の分子運動が抑制されるので、凝集粒子において可塑剤が侵入しにくくなり貯蔵安定性が良好となる傾向がみられるので好ましい。また、150℃未満であると、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の比表面積や圧縮破壊強度を発明の範囲に制御するのに必要な熱量が小さくなるので好ましい。
このような(メタ)アクリル系重合体粒子の凝集粒子は、比表面積が0.01m2/g以上10m2/g未満であり、好ましくは、その上限が3m2/g未満である。一般に、ゾル中の粒子が可塑剤を吸収するとゾル粘度が経時的に上昇することが知られている。このことは重合体粒子構造を2層以上のコアシェル構造とし、あるいは重合体粒子の中心部から外郭部まで連続的に組成が変化するグラディエント構造とし、可塑剤と相溶しない組成の外殻部を有する場合であっても、内部に可塑剤と相溶する組成を選択すると、粒子が少しずつ可塑剤を吸収しゾル粘度が経時的に上昇することからも明らかになっている。(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の比表面積が10m2/g未満であると、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子が、可塑剤との接触面積の減少により可塑剤を吸収するのを抑制することができ、経時に伴う粘度の増加を抑制することができる。比表面積が3m2/g未満であると、夏場の環境においても、経時に伴う粘度の増加の抑制効果をより顕著に得ることができる。一方、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の比表面積が0.01m2/g以上であると、アクリル系ゾルにおいて可塑剤中で(メタ)アクリル系重合体凝集粒子が沈降する、さらには沈降した(メタ)アクリル系重合体凝集粒子同士が融着するというような問題が起こり難く、粒子の融着による凝集粒子の圧縮破壊強度が低下するのを抑制することができる。
ここで、比表面積はBET吸着法による比表面積をいい、連続流動式表面積計SA−6201(堀場製作所社(株)製)を用いて測定した値であり、前処理として50℃で30分間脱ガス処理を行ったときの測定によるものである。
また、上記アクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子は、圧縮破壊強度が3MPa以上であり、好ましくは8MPa以上である。一般に、異なる粒子径の樹脂粒子をブレンドする際の減粘効果は、大きな樹脂粒子の作る空間に小さな樹脂粒子が入り込む樹脂粒子の充填率が向上することに由来する。プラスチゾルの低粘度化を図るためには、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子は可塑剤中でその形状を保ち、可塑剤の充填率を維持していることが好ましい。(メタ)アクリル系重合体凝集粒子と可塑剤を混合してアクリル系ゾルを調製するときに、剪断力で(メタ)アクリル系重合体凝集粒子が破壊され形状が不定形となると、粒子の充填率の低下が生じると共に、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子が破壊されることにより樹脂の総表面積が増大して粘度が上昇してしまう。(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の圧縮破壊強度が3MPa以上であれば、アクリル系ゾルの調製時の剪断力による(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の破壊が抑制される。また、一般に成型品の硬度はプラスチゾルに配合する可塑剤の量で制御するが、可塑剤の含有量が低減するとアクリル系ゾル調製時に(メタ)アクリル系重合体凝集粒子にかかる剪断力は飛躍的に高くなる。圧縮破壊強度が8MPa以上であると、アクリル系ゾル調製時に可塑剤量が少量であっても(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の破壊が抑制され、所望の硬度の成形品を得ることができる。
ここで、圧縮破壊強度とは、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の1粒が圧縮して破壊されるときの強度をいい、圧縮破壊強度の値は微小圧縮試験機MCTE−500(島津製作所(株)製)を用い、圧縮速度を、7.75mN/secとして10個の粒子の測定値の平均値を示す。
上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の平均粒子径は、特に制限されるものではないが、3μm以上、500μm未満が好ましい。3μm以上であるとアクリル系ゾルにおいて他の物質との粒子径比が大きくなり、低粘度化効果も大きい。また、500μm未満であるとコーティング用途や薄膜成型物において(メタ)アクリル系重合体凝集粒子由来の表面の凹凸が抑制され製品外観が良好となる傾向を有する。(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の形状は、表面が平滑な真球状が好ましい。表面が平滑な真球状を有すると、アクリル系ゾルにおいて配合した微粒子の充填密度が高くなり低粘度化効果が大きい。
本発明の(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法としては、例えば乳化重合法やシード重合法、ソープフリー重合法、分散重合法、微細懸濁重合法など公知の重合方法により得られる(メタ)アクリル系重合体粒子分散液を、噴霧乾燥法(スプレードライ法)、酸凝固や塩凝固とそれに続く乾燥プロセス、凍結乾燥法、遠心分離法などを用いて粉体化する方法を挙げることができるが、噴霧乾燥法は、プロセスが簡略で、表面が平滑な真球状(メタ)アクリル系重合体凝集粒子を得ることが容易であるため、好ましい。
噴霧乾燥法を用いて、上記比表面積や圧縮破壊強度を有する(メタ)アクリル系重合体凝集粒子を製造する方法としては、単量体を重合して得られた(メタ)アクリル系重合体分散液を、乾燥温度を制御して粉体化する方法(第1の方法)や、(メタ)アクリル系重合体分散液を乾燥して(メタ)アクリル系重合体粒子を得て後工程で加熱温度を制御する方法(第2の方法)、(メタ)アクリル系重合体分散液に可塑剤や造膜助剤(有機溶剤)、造粒剤を添加して、乾燥温度を制御して粉体化する方法(第3の方法)等が挙げられる。上記第1の方法としての本発明の(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法は、粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液を95℃を超え150℃未満の温度で噴霧乾燥する方法である。この方法において、粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液は、単量体を公知の方法により重合して得られる(メタ)アクリル系重合体分散液を使用することができる。粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を噴霧乾燥する方法としては、例えば、粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を10質量%〜70質量%の濃度で含む分散液を、噴霧乾燥機を使用して、入口温度250℃前後、出口温度を95℃を超え150℃未満の温度とし、噴霧乾燥する方法などを挙げることができる。噴霧乾燥における温度が、95℃を超えることにより、アクリル系ゾルにおいて経時による粘度の増加(増粘率)を抑制することができ、150℃未満であると噴霧乾燥機の乾燥室内や配管への重合体粒子の融着の低減を図り、収率の向上を図ることができる。噴霧乾燥における温度が100℃未満であると、更に乾燥に要する熱量の低減を図ることができより好ましい。
記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の噴霧乾燥法を使用した第2の製造方法として、(メタ)アクリル系重合体粒子分散液を乾燥して得られた(メタ)アクリル系重合体凝集粒子を後工程で加熱処理する際は、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子を流動状態に保つことが好ましい。流動状態を保つことで、凝集粒子同士が融着して粗大粒子が発生するのを抑制でき、圧縮破壊強度の低減を抑制することができる。
上記第3の方法の、本発明のプラスチゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法として、粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液に、(メタ)アクリル系重合体粒子に対して0.1質量%以上の割合で可塑剤や造膜助剤、造粒剤等を添加し、60℃以上150℃未満の温度で噴霧乾燥する方法を挙げることができる。この方法において使用する、粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液としては、上記第1の方法において使用する分散液と同様のものを挙げることができる。(メタ)アクリル系重合体粒子分散液を噴霧乾燥する際の乾燥室の温度は60℃以上150℃未満とすることができる。乾燥温度が60℃以上であると、得られる粉体の含有水分率を低く保つことができ、150℃未満であると、噴霧乾燥機の乾燥室内や配管への重合体粒子の融着の低減を図り、収率の向上を図ることができる。可塑剤を使用することにより、いずれの組成の(メタ)アクリル系重合体においても、100℃未満の噴霧乾燥温度で比表面積や粒子強度を発明の範囲に制御することが可能であるため、噴霧乾燥温度を100℃未満とすることが、生産性の点のみでなく物性の点でも好ましく、延いては乾燥に要する熱量の低減を図ることができ、好ましい。
かかる(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液に添加する可塑剤としては、公知のものから適宜選択して使用することができる。具体的には、例えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤;ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジヘキシルアジペート、ジー2−エチルヘキシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート等のアジピン酸エステル系可塑剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバチン酸エステル系可塑剤;ポリ−1,3−ブタンジオールアジペート等の脂肪族系ポリエステル可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾエート、ジブチレングリコールジベンゾエート等の安息香酸系可塑剤;エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル系可塑剤;アルキルスルホン酸フェニルエステル等のアルキルスルホン酸フェニルエステル系可塑剤;脂環式二塩基酸エステル系可塑剤;ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテル系可塑剤;クエン酸アセチルトリブチル等のクエン酸系可塑剤を挙げることができる。これらのうち、アルキルスルホン酸フェニルエステルやクエン酸アセチルトリブチル、ジエチレングリコールジベンゾエート等の極性の高い可塑剤は少量の添加で効果が大きいから、好ましい。
可塑剤は元来アクリルゾルに含有されている材料であり、加工性や成形品の諸物性に悪影響がないので添加剤としては最も好ましい。
また、上記可塑剤と共に、または可塑剤に変えて造膜助剤や、造粒剤を用いてもよい。かかる造膜助剤として、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン;エチレングリコール、プロピレングリコール及びその誘導体;n−ヘキシルアルコール、ベンジジアルコールなどの低沸点アルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類;などを挙げることができ、造粒剤として、具体的には、ポリビニルアルコール類、セルロース類、ポリエチレングリコール類、ポリカルボン酸類等の水溶性高分子、ミリスチルアルコール、セチルアルコールなど室温で固体状の低分子化合物やワックス等が挙げられる。
本発明の(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法に用いられる可塑剤や、これと共にまたは可塑剤に変えて用いられる造膜助剤や造粒剤の使用量は、(メタ)アクリル系重合体粒子に対して0.1質量%以上の割合である。可塑剤等の使用量が0.1質量%以上であると、可塑剤等が(メタ)アクリル系重合体粒子の全体に均一に分布し、粒子の圧縮破壊強度や比表面積にムラができない。また、可塑剤等の使用量は1質量%以上、20質量%未満が特に好ましい。可塑剤等の使用量が1質量%以上であると比表面積を制御するのに必要な熱をさらに小さくすることが可能となり、乾燥室や配管に熱融着する(メタ)アクリル系重合体凝集粒子が減少し、歩留まりの向上を図ることができる。可塑剤等の使用量が20質量%未満であると、(メタ)アクリル系重合体粒子分散液に添加する際に、該分散液の安定性や粘度に悪影響がないので好ましい。
このような可塑剤等を添加する方法は、原料となる(メタ)アクリル系重合体粒子分散液に予め添加しておく方法、乾燥工程で凝集粒子に可塑剤等を噴霧する方法、得られた凝集粒子に後工程で可塑剤を噴霧する方法等が挙げられる。
上記可塑剤等を(メタ)アクリル系重合体粒子分散液に予め添加しておく方法においては、乳化剤を用いて可塑剤等を水に分散させたものを添加する方法が好ましい。また、乾燥工程で凝集粒子に可塑剤等を噴霧し後処理工程で再加熱する方法や、凝集粒子を加熱処理する後工程中に可塑剤等を噴霧する方法においては、可塑剤等の噴霧液滴を500μm以下に微粒化することが好ましい。添加する可塑剤等が500μm以下であると、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子と均一に分布するので、少量の添加量で上記効果を得ることができる。
クリル系ゾル組成物は、少なくとも本発明の(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法により得られる(メタ)アクリル系重合体凝集粒子と、可塑剤、造膜助剤および造粒剤のうちいずれか一種以上とを含有するものが好ましく上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子と共に、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子より小径の重合体粒子を含有することが好ましい。上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子と小径の重合体粒子の混合比は適宜選択することができるが、(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の配合割合が多いとアクリル系ゾルにおける粘度は低くなる。
クリル系ゾル組成物に配合する可塑剤等としては公知の可塑剤等から適宜選択して使用することができる。可塑剤等としては、本発明の(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法に用いられる可塑剤等と同様のものを、具体的に挙げることができる。
クリル系ゾル組成物には、上記(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の機能を損なわない範囲で必要に応じて、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、さらに消泡剤、防黴剤、防臭剤、抗菌剤、界面活性剤、滑剤、紫外線吸収剤、香料、発泡剤、レベリング剤、接着剤、減粘剤等、各種添加剤を適宜配合してもよい。また、前述した理由で使用量の削減が求められているが、ミネラルターペン、ミネラルスピリット等の希釈剤を配合して更なる低粘度化を図ることも可能である。
クリル系ゾル組成物を調製する装置としては、公知の方法ものを適宜選択使用することができ、例えば、ポニーミキサー(Pony mixer)、チェンジキャンミキサー(Change−can mixer)、ホバートミキサー(Hobert mixer)、プラネタリーミキサー、バタフライミキサー、らいかい機、ニーダー等を挙げることができる。
クリル系ゾル組成物は、被覆材料としても成形材料としても使用可能であり、その塗布方法や成形方法は特に限定されない。クリル系ゾル組成物を被覆材料として用いる場合、基材上に被覆材を形成する方法としては、ディップコーティング法、スプレーコーティング法、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、カーテンフローコーティング法、刷毛塗り塗装法、静電塗装法等により形成されたアクリル系ゾルの塗膜を、加熱してゲル化させて成膜する方法を挙げることができる。
た、上記アクリル系ゾル組成物を成形材料として用いる場合、成形品を製造する方法としては、ディップモールディング法、キャストモールディング法、スプラッシュモールディング法、ローテーショナルモールディング法等を使用し、加熱によりゲル化する方法を挙げることができる。
上記アクリル系ゾル組成物を用いて得られる物品として、被覆材や、成型品を挙げることができ、例えば、壁紙、ビニル鋼板、自動車用被覆材等の被覆材や、レザー、人形、玩具、手袋、床材、スポンジ製品、自動車部品、産業機械部品等の成型品を挙げることができる。
以下に、本発明を実施例により詳述する。本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。
実施例における特性測定方法と評価方法は以下の通りである。
[粘度]
アクリル系ゾル組成物を25℃の恒温槽で3時間保温した後、EHD型粘度計((株)東京計器製、製品名:EHD型粘度計、ローター:特殊コーン(円錐角度3度))を用いて、回転数20rpmにおいて1分後の粘度 (単位:mPa・s) を測定した。測定した粘度を下記の通り分類し、表中に示した。
「◎」:3500mPa・s未満
「○」:3500mPa・s以上7000mPa・s未満
「×」:7000mPa・s以上
[貯蔵安定性(増粘率)]
得られたアクリル系ゾル組成物について、調製後1時間経過後の粘度(α)と、40℃雰囲気下で10日保管後の粘度(β)を測定し、それらの値をもとに下記式(2)を用いて増粘率(%)を求めた。
なお、組成物の粘度は、EHD型粘度計((株)東京計器製、製品名:EHD型粘度計、ローター:特殊コーン(円錐角度3度))を用いて、回転数20rpmにおいて1分後の粘度を測定した。
増粘率(%)=(β−α)/α×100 ・・・(2)
「◎」:500%未満。
「○」:500%以上1000%未満。
「×」:1000%以上。
[生産性]
生産性は、乾燥温度100℃未満を◎、100℃以上150℃未満を○、150℃以上を×とした。
[圧縮強度]
微小圧縮試験機MCTE−500(島津製作所(株)製)を用いて測定した。圧子は平面50μm圧子を用いた。圧縮速度は、7.75mN/secとしたときの、負荷を測定した。測定値は合計10個の微粒子を圧縮破壊した際の平均値を用いた。
[比表面積]
連続流動式表面積計SA−6201(堀場製作所(株)製)を用いて測定した。供試するサンプルは前処理として50℃で30分間脱ガス処理を行った。
[粒子径]
レーザー散乱式粒度分布計(堀場製作所(株)LA−910)にて純水を分散媒として測定した際の体積平均粒子径を求めた。
[重合体粒子分散液(E1)の調製]
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した2リットルの4つ口フラスコに、純水600gを入れ、30分間十分に窒素ガスを通気し、純水中の溶存酸素を置換した。窒素ガス通気を停止した後、200rpmで攪拌しながら80℃に昇温した。内温が80℃に達した時点でジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:ペレックスO−TP)0.006gと過硫酸カリウム0.3gを添加し、引き続きメチルメタクリレート240g及びn−ブチルメタクリレート180g及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:ペレックスO−TP)2.1gの混合物(Mc1)を3時間かけて滴下した。さらに80℃にて1時間攪拌を継続して、その後メチルメタクリレート174g及びメタクリル酸6g及びジアルキルスルホコハク酸ナトリウム(花王(株)製、商品名:ペレックスO−TP)0.9gの混合物(Ms1)を2時間かけて滴下した。さらに80℃にて1時間攪拌を継続して、重合体粒子分散液(E1)を得た。
[重合体粒子分散液(E2〜5)の調製]
内温が80℃に達したときに添加する乳化剤量とモノマー混合物(Mc1)、(Ms1)を、表1に示す乳化剤量とモノマー混合物(Mc2〜5)、(Ms2〜5)に変更した以外は、上記と同様の方法で重合体粒子分散液(E2〜5)を得た。
Figure 0004866554
[重合体凝集粒子(P1)の調製]
重合体粒子分散液(E1)をL−8型スプレードライヤー(大河原化工機(株)製)を用いて噴霧乾燥し(入口温度/出口温度=250℃/130℃ ディスク回転数30000rpm)、重合体凝集粒子(P1)を得た。得られた重合体凝集粒子の圧縮破壊強度は4MPa、比表面積は2.9m2/g、平均粒子径は41μmであった。
[重合体凝集粒子(P2〜9及び17〜20)の調製]
重合体粒子分散液(E1〜5)をL−8型スプレードライヤー(大河原化工機(株)製)を用いて表2に示す条件で噴霧乾燥し、重合体凝集粒子(P2〜9及び17〜20)を得た。得られた重合体凝集粒子の圧縮破壊強度、比表面積、平均粒子径を表3に示した。
[重合体凝集粒子(P10)の調製]
可塑剤(ATBC)12gと純水12g、ペレックスOTP0.12gをウルトラタラクッス(IKA社製)で混合し(11000rpm×60秒)、可塑剤の乳化物を得た。これを重合体粒子分散液(E3)に添加し、L−8型スプレードライヤー(大河原化工機(株)製)を用いて噴霧乾燥し(入口温度/出口温度=200℃/90℃ ディスク回転数30000rpm)、重合体凝集粒子(P10)を得た。得られた重合体凝集粒子の圧縮破壊強度は9MPa、比表面積は2.1m2/g、平均粒子径は41μmであった。
[重合体凝集粒子(P11〜16及び21)の調製]
表2に示す条件で得た可塑剤の乳化物を重合体粒子分散液(E3)に添加して、L−8型スプレードライヤー(大河原化工機(株)製)を用いて表2に示す条件で噴霧乾燥し、重合体凝集粒子(P11〜16及び21)を得た。得られた重合体凝集粒子の圧縮破壊強度、比表面積、平均粒子径を表3に示した。
[実施例1]
重合体として重合体凝集粒子(P1)を70部、ダイヤナールLP−3106(三菱レイヨン(株)製)を30部、可塑剤としてジイソノニルフタレート(DINP)80部を計量し、真空ミキサー((株)シンキー製、製品名:ARV−200)にて10秒間大気圧(0.1MPa)で混合した後、引き続き2.7kPaに減圧して110秒間混合し、アクリル系ゾル組成物を得た。得られたアクリル系ゾル組成物の粘度は3600mPa・s、増粘率は50%であった。
[実施例2〜16、比較例1〜5]
重合体凝集粒子(P1)に替えて表3に示す重合体凝集粒子を用いた以外は実施例1と同様にしてアクリル系ゾル組成物を得た。得られたアクリル系ゾル組成物の粘度、増粘率は表3に示した。
実施例1〜9について
実施例1〜3は一次粒子径が異なる重合体粒子分散液から得られる重合体凝集粒子を用いた例で、実施例4、5は噴霧乾燥時の条件を変えて得られる重合体凝集粒子を用いた例で、実施例6、7は重合体粒子の組成が異なる重合体粒子分散液から得られる重合体凝集粒子を用いた例で、実施例8、9は二次粒子径が異なる重合体凝集粒子を用いた例である。何れの例でも、低粘度で貯蔵時の安定性の良好なアクリル系ゾル組成物が得られた。
比較例1〜4について
比較例1、2は、圧縮破壊強度は本発明の範囲内であるが、比表面積が本発明の範囲から外れる重合体凝集粒子を用いた例である。比較例3、4は、比表面積は本発明内であるが、圧縮破壊強度が本発明の範囲から外れる重合体凝集粒子を用いた例である。比較例1、2では初期粘度は低いが、増粘率が1,000%以上で実用化は難しい。比較例3、4では初期粘度が高く粘度低下効果は認められない。また、初期粘度が高いためEHD型粘度計では増粘率の評価ができなかった。
実施例10〜16について
実施例10〜16はいずれも、可塑剤を添加して重合体粒子分散液を噴霧乾乾燥して得た重合体凝集粒子を用いた例である。そのうち実施例10〜12は可塑剤の添加量が異なる例で、実施例13、14は添加する可塑剤種が異なる例で、実施例15、16は添加する際の可塑剤の分散状態が異なる例である。何れの例でも、低粘度で増粘率が低いアクリル系ゾル組成物が得られた。また、本実施例で用いた重合体凝集粒子は、低い乾燥温度で調製しており生産性の点で優れる。
比較例5について
比較例5は、添加する可塑剤の量が本発明の範囲から外れる例である。本重合体凝集粒子は低い乾燥温度で調製しており生産性の点で優れるが、重合体凝集粒子の比表面積が本発明の範囲から外れている。アクリル系ゾルの粘度は低いが、増粘率が高く実用化は難しい。
Figure 0004866554
Figure 0004866554

Claims (2)

  1. (メタ)アクリル系重合体粒子が凝集してなるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子であって、比表面積が0.01m2/g以上10m2/g未満であり、圧縮破壊強度が3MPa以上であるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法であって、
    粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液を95℃を超え150℃未満の温度で噴霧乾燥することを特徴とするアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法。
  2. (メタ)アクリル系重合体粒子が凝集してなるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子であって、比表面積が0.01m 2 /g以上10m 2 /g未満であり、圧縮破壊強度が3MPa以上であるアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法であって、
    粒子径が0.01〜30μmの(メタ)アクリル系重合体粒子を含む分散液に、(メタ)アクリル系重合体粒子に対して0.1質量%以上の割合で可塑剤、造膜助剤および造粒剤のうちいずれか一種以上を添加し、60℃以上150℃未満の温度で噴霧乾燥することを特徴とするアクリル系ゾル用(メタ)アクリル系重合体凝集粒子の製造方法。
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