JP4865822B2 - 単電子素子インピーダンス測定装置および単電子素子インピーダンス測定方法 - Google Patents

単電子素子インピーダンス測定装置および単電子素子インピーダンス測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、単電子素子を構成する抵抗成分と容量成分からなるトンネル障壁を介した電荷移動に伴う単電子トランジスタのインピーダンス、つまり抵抗成分と容量成分を、上記単電子トランジスタ近傍にある電荷検出計の信号として素子上で位相検波する装置に関する。
従来の高速で動作する電荷検出計として、図5に示すように構成されている高周波単電子トランジスタが知られている。この高周波単電子トランジスタにおいて、単電子の帯電エネルギーが動作温度における熱エネルギーと同程度またはそれ以上となるような微小伝導領域101(以下、微小島101と称する)に、2つのトンネル障壁103と105を介して電子を出し入れすることができる。通常、このような微小島101は、半導体や金属を微細加工することによって、あるいは微小な伝導性分子や微粒子と半導体や金属とのトンネル接合を作製することによって得られる。
典型的な高周波単電子トランジスタ回路においては、微小島101は、トンネル障壁105を介した電極104と、トンネル障壁103を介した電極102とが接合されている。この電極104は接地され、電極102には人為的または寄生的に形成されたキャパシター106を介して接地されている。そして、電極102には、インダクター107を介して高周波信号108が入力される。以降、電極102を入出力端子102と称して説明する。
ここで、キャパシター106とインダクター107で定められる共振周波数の高周波を入出力端子102に入力すると、反射信号がこの入出力端子102に現れる。このとき、高周波の入力信号に対する反射信号の比、すなわち反射係数を測定することによって、単電子トランジスタのインピーダンスを高速かつ高感度に求めることができる。ここで、単電子トランジスタのインピーダンスは微小島101の電荷状態によって決まるため、高速かつ高感度な電荷検出計として利用することができる。このような技術として、非特許文献1が知られている。
しかしながら、このような従来の高周波単電子トランジスタにおいて測定される反射係数は、単電子トランジスタが高抵抗(クーロンブロッケード状態)の場合には原理的に1であり、単電子トランジスタが低抵抗(10キロオーム以上)の場合でも、通常用いられている回路定数では1を僅かに下回る値である。そのため、インピーダンスを得るためには、上記の僅かな反射係数の差を測定する必要があるとともに、大きな精度(桁数)が要求されるという問題があった。
また、従来型の高周波単電子トランジスタにおいては、回路内のキャパシターとインダクターで決定される共振周波数(通常はメガヘルツ帯域)でしか動作せず、周波数可変幅は極めて狭いという問題があった。従って、この共振周波数で決まる限定的な電荷状態しか検出することができないという問題があった。また、共振周波数を変化させる場合にはキャパシターとインダクターなどの回路部品を組み込んだ回路を再構成する必要があり、煩雑さが要求されるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、測定のための回路部品を減じるとともに入力する周波数の帯域を広くして、単電子トランジスタのインピーダンスを高感度に求めることができる単電子素子インピーダンス測定装置を提供することにある。
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、単電子の帯電エネルギーが動作温度における熱エネルギーと同程度またはそれ以上となるような微小伝導領域である微小島と、当該微小島にトンネル障壁を介して接合する電極である入力電極とを有する単電子トランジスタと、前記単電子トランジスタの近傍かつ前記単電子トランジスタの伝導路とは電気的に絶縁されている別の伝導路にあり、前記微小島と静電的に結合されているポイント接合と、前記ポイント接合に接合する一方の電極および前記入力電極に広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が入力信号として独立して入力され、当該入力信号によって誘起される前記微小島と前記入力電極との間の時間的な電荷移動に伴う前記単電子トランジスタのインピーダンスを、前記ポイント接合に接合する他方の電極から出力される出力信号により位相検波する電荷検出計と、を有することを特徴とする単電子素子インピーダンス測定装置である。
請求項2に記載の発明は、上記単電子トランジスタが、量子力学的に結合した複数の前記微小島を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の単電子素子インピーダンス測定装置である。
請求項3に記載の発明は、前記微小島が、GaAs化合物半導体、シリコン、炭素系材料、単一分子のうちのいずれかである、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単電子素子インピーダンス測定装置である。
請求項4に記載の発明は、上記広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が、正弦波信号またはパルス信号であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の単電子素子インピーダンス測定装置である。
請求項5に記載の発明は、単電子の帯電エネルギーが動作温度における熱エネルギーと同程度またはそれ以上となるような微小伝導領域である微小島と、当該微小島にトンネル障壁を介して接合する電極である入力電極とを有する単電子トランジスタと、前記単電子トランジスタの近傍かつ前記単電子トランジスタの伝導路とは電気的に絶縁されている別の伝導路にあり、前記微小島と静電的に結合されているポイント接合と、前記単電子トランジスタのインピーダンスを検出する電荷検出計とを有する単電子素子インピーダンス測定装置において用いられる単電子素子インピーダンス測定方法であって、前記電荷検出計が、前記ポイント接合に接合する一方の電極および前記入力電極に広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が入力信号として独立して入力され、当該入力信号によって誘起される前記微小島と前記入力電極との間の時間的な電荷移動に伴う前記単電子トランジスタのインピーダンスを、前記ポイント接合に接合する他方の電極から出力される出力信号により位相検波して検出する、ことを特徴とする単電子素子インピーダンス測定方法である。
この発明によれば、微小島と静電的に結合されているポイント接合に接合する一方の電極および微小島に接合する入力電極に、広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が入力信号として独立して入力され、電荷検出計が、当該入力信号によって誘起される微小島と入力電極との間の時間的な電荷移動に伴う単電子トランジスタのインピーダンス変分を、ポイント接合に接合する他方の電極から出力される出力信号により位相検波して検出する。
これにより本発明は、測定のための回路部品を減じるとともに入力する周波数の帯域を広くして、単電子トランジスタのインピーダンスを高感度に求めることができるという効果を奏する。
この発明の第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置の構成を示すブロック図である。 位相可変高周波電圧信号の周波数を1kHzとしたときの時間平均電流〈IQPC〉のゲート電圧Vg依存性を示すグラフである。 電極20と電極21に入力する位相可変高周波電圧信号の位相差θに対する電流ピーク(ディップ)の変化を示すグラフである。 この発明の第2の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置の構成を示すブロック図である。 従来の高周波単電子トランジスタの構成を示すブロック図である。
<第1の実施形態>
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。図1は、この発明の第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置の構成を示す概略ブロック図である。
単電子トランジスタ30は、単電子の帯電エネルギーが動作温度における熱エネルギーと同程度またはそれ以上となるような微小伝導領域である微小島1と、この微小島1にトンネル障壁3を介して接合する電極2(入力電極)と、この微小島1にトンネル障壁5を介して接合する電極4とを有している。
微小島1は、GaAs化合物半導体、シリコン、炭素系材料(カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン)、フラーレンまたは有機分子である単一分子、または金属を微細加工することによって、あるいは微小な伝導性分子や微粒子と半導体や金属とのトンネル接合を作製することによって得られる。
この微小島1には、トンネル障壁3またはトンネル障壁5を介して電子を1個ずつ出し入れすることができる。たとえば本実施形態においては、トンネル障壁3を介して電極2から微小島1に、電子を1個ずつ出し入れすることができる。なお、たとえば本実施形態においては、電極4は接地されている。なおトンネル障壁3と同様に、トンネル障壁5を介して電極4から微小島1に、電子を1個ずつ出し入れすることも可能である。
このような微小島1にトンネル障壁3を介して接続されている電極2は入力端子であり、この電極2には位相可変高周波電圧信号20が入力される。この位相可変高周波電圧信号20は、たとえば、正弦波信号である。この位相可変高周波電圧信号20と後述する位相可変高周波電圧信号21とは、互いの位相を可変とされる。
ポイント接合7は、キャパシター6を介して微小島1と静電的に結合している。また、このポイント接合7を構成する伝導路と、微小島1を有する単電子トランジスタ30を構成する伝導路とは、近接しているが(両者の距離は100ナノメートル程度)、別の伝導路にあり、電気的には絶縁されている。ここで、電極2から微小島1に出入りする電子によって、ポイント接合7のコンダクタンスが変調されることから、ポイント接合7は単電子トランジスタ30に対する電荷検出計として機能する。
本実施形態においては、広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号20と21とを、単電子トランジスタ30の電極2および電荷検出計10が電極9とポイント接合7とを介して接合する電極8に独立して入力することで、素子上で位相検波を行う。
すなわち、ポイント接合7に接合する一方の電極8および単電子トランジスタ30の入力端子である電極2に、広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号20と21とが入力信号として独立して入力される。そして、電荷検出計10は、この入力信号によって誘起される微小島1と電極2との間の時間的な電荷移動に伴う単電子トランジスタ30のインピーダンス変分を、ポイント接合7に接合する他方の電極9から出力される出力信号により位相検波する。この電荷検出計10の他端は、直流電源11の一端に接続されている。この直流電源11の他端は、接地されている。
たとえば、電極2を介して微小島1に周波数fopの位相可変高周波電圧信号20を入力すると、微小島1のポテンシャルが変調され、微小島1と電極2と電極4とで構成される単電子トランジスタ30のインピーダンスZQD(fop)が変化する。ここで、電極8を介してポイント接合7に周波数fop、位相差θの位相可変高周波電圧信号21を入力すると、電極9に接続する電荷検出計10で検出される時間平均電流〈IQPC〉は、ZQD(fop)eに比例する。そのため、位相差θを変調することで、インピーダンスZQD(fop)のレジスタンス成分とリアクタンス成分とを独立に検出することができる。
また、たとえば、トンネル障壁3の高さを調整するゲート電圧Vgを変化させながら時間平均電流〈IQPC〉を測定すると、バックグランド成分を伴った電流ピーク(もしくはディップ)が観測される。図2は位相可変高周波電圧信号の周波数を1kHzとしたときの時間平均電流〈IQPC〉のゲート電圧Vg依存性を示したグラフである。なお、バックグランド成分は電極2と電極8の間の静電的結合に起因する。
この図2に示されるように、微小島1において電子数が変化する境界領域で、微小島1と電極2と電極4とからなる単電子トランジスタ30のインピーダンスの増大に伴う電荷検出計10のコンダクタンスの増大によって、電流ピークが観測される。ここで、ポイント接合7からなる電荷検出計10の信号がピークもしくはディップになるのは、微小島1とポイント接合7の位置関係で決まる。
図3は電極2と電極8とに入力する位相可変高周波電圧信号の位相差θに対して、電荷検出計10で検出される信号における電流ピーク(ディップ)の変化を示したグラフである。このグラフから、周波数が低いときは位相差がゼロのときにピーク強度が最大となり、位相差が90度となる場合にはピーク強度が0となることから、位相検波ができていることがわかる。そして、周波数の増大とともにピーク強度が減少し、位相がシフトする(図3中の矢印参照)。これは、ピーク強度の減少は入力電圧の周波数がトンネル障壁3を通過する時間に近づくために、電荷移動が起こりにくくなるためである。また位相のシフトは、電荷検出計10が単電子トランジスタ30のインピーダンスを検出していることを保証している。
上記に説明した第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置においては、微小島1と静電的に結合されているポイント接合7に接合する一方の電極8および微小島1に接合する入力電極2に、広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号20と21とが入力信号として独立して入力される。そして、電荷検出計10が、当該入力信号によって誘起される微小島1と入力電極2との間の時間的な電荷移動に伴う単電子トランジスタのインピーダンス変分を、ポイント接合7に接合する他方の電極9から出力される出力信号により位相検波して検出する。
これにより、第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置においては、従来技術のように入力電極2で反射係数を測定する必要がないために、インピーダンスを得るために、僅かな反射係数の差を測定する必要が無くなる。また、従来技術のように回路内のキャパシターとインダクターで決定される共振周波数(通常はメガヘルツ帯域)で動作させる必要がないために、周波数可変幅を広くすることができる。また、従来技術のように共振周波数で動作させる必要がないために、共振周波数を変化させる場合に必要となるキャパシターとインダクターなどの回路部品を組み込んだ回路を再構成する必要がなくなる。
すなわち、第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置は、キャパシターやインダクター等の回路部品を必要とせず、数ヘルツ程度から数十ギガヘルツまでの広帯域で単電子トランジスタのインピーダンスを測定でき、このインピーダンスは微小島における電荷伏態によって決定されることから、広帯域での電荷状態の検出を可能にすることが出来る。
従って、第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置は、測定のための回路部品を減じるとともに入力する周波数の帯域を広くして、単電子トランジスタのインピーダンスを高感度に求めることができるという効果を奏する。
<第2の実施形態>
次に図4を用いて、第2の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置の構成について説明する。第2の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置は、第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置に対比して、単電子トランジスタ30が、量子力学的に結合した複数の直列に結合された微小島1を有している。
この図4において、図1の構成に対応する構成には同一の符号を付してその説明を省略し、図1の構成と相違する構成のみについて説明する。この図4における単電子トランジスタ30Aは、図1の単電子トランジスタ30に相当する。ここでは単電子トランジスタ30Aが、量子力学的に結合した2つの微小島1、すなわち微小島1Aと微小島1Bとを有する場合について説明する。
単電子トランジスタ30Aは、図1の微小島1に代えて、直列に接続されている複数の微小島を有している。たとえば、単電子トランジスタ30Aは、図1の微小島1に代えて、微小島1Aと微小島1Bとを有している。この微小島1Aと微小島1Bとは、トンネル障壁3Aを介して直列に接続されている。
この第2の実施形態においても、図1を用いて説明した第1の実施形態の場合と同様に、トンネル障壁3Bを介して電極2から微小島1Bに、電子を1個ずつ出し入れすることが可能である。また、トンネル障壁5を介して電極4から微小島1Aに、電子を1個ずつ出し入れすることも可能である。更に、トンネル障壁3Aを介して微小島1Aから微小島1Bに、またはその逆に、トンネル障壁3Aを介して微小島1Bから微小島1Aに、1個ずつ電子を出し入れすることも可能である。
複数の微小島のそれぞれには、ポイント接合7が対応付けられて設置されている。たとえば、ポイント接合7Aは、キャパシター6Aを介して微小島1Aと静電的に結合しており、ポイント接合7Bは、キャパシター6Bを介して微小島1Bと静電的に結合している。また、ポイント接合7Aとポイント接合7Bとは、微小島1Aと微小島1Bと同様に、直列に接続されている。
この第2の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置においても、第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置と同様に、直列に接続されている複数の微小島1(1Aと1B)と静電的に結合されている複数のポイント接合7(7Aと7B)に接合する一方の電極8、および、直列に接続されている複数の微小島1(1Aと1B)のうちの微小島1Bに接合する入力電極2に、広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号20と21とが入力信号として独立して入力される。そして、電荷検出計10が、当該入力信号によって誘起される微小島1Bと入力電極2との間の時間的な電荷移動に伴う単電子トランジスタのインピーダンス変分を、ポイント接合7Aに接合する他方の電極9から出力される出力信号により位相検波して検出する。
これにより第2の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置は、第1の実施形態による単電子素子インピーダンス測定装置と同様に、測定のための回路部品を減じるとともに入力する周波数の帯域を広くして、単電子トランジスタのインピーダンスを高感度に求めることができるという効果を奏する。
上述した第1または第2の実施形態によれば、次の効果を奏する。
・単電子トランジスタのインピーダンス(レジスタンス成分およびリアクタンス成分)を得ることができる。
・トンネル障壁3やトンネル障壁5を介した電荷移動に伴う単電子トランジスタのインピーダンスの変化を測定することで、電子のトンネル時間を測定することができる。
・微小島中の電子スピンの緩和時間は数百マイクロ秒であることから、本実施形態による技術により単一スピン状態を検出することができる。
また、上述した第2の実施形態によれば、次の効果を奏する。
・量子力学的に結合した二つの微小島を用いれば、ドット間障壁の電荷移動に伴うインピーダンスを測定することができる。
・複数の微小島を直列に結合させた系において、複数の微小島の電荷状態を検出できる。
・量子力学的に結合した二つの微小島において、電荷が構成する量子力学的な状態である反結合軌道状態と結合軌道状態を識別して検出することができる。両状態を識別するにはフォノン緩和時間(数ギガヘルツ)よりも高速な測定が必要であり、本技術によって検出が可能である。
なお、微小島を構成する半導体材料としては、GaAs化合物半導体、シリコン、炭素系材料(カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン)、単一分子(フラーレンまたは有機分子)などが挙げられる。
また、位相可変高周波電圧信号における正弦波信号をパルス信号に置き換えても同様の効果を得ることができる。
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
1,1A、1B、101…微小島、2、4、8、9,102、104…電極、3、3A、3B、5、103、105…トンネル障壁、6、6A、6B、106…キャパシター、7、7A、7B…ポイント接合、10…電荷検出計、11…直流電源、20、21…位相可変高周波電圧信号、107…インダクター、108…高周波信号

Claims (5)

  1. 単電子の帯電エネルギーが動作温度における熱エネルギーと同程度またはそれ以上となるような微小伝導領域である微小島と、当該微小島にトンネル障壁を介して接合する電極である入力電極とを有する単電子トランジスタと、
    前記単電子トランジスタの近傍かつ前記単電子トランジスタの伝導路とは電気的に絶縁されている別の伝導路にあり、前記微小島と静電的に結合されているポイント接合と、
    前記ポイント接合に接合する一方の電極および前記入力電極に広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が入力信号として独立して入力され、当該入力信号によって誘起される前記微小島と前記入力電極との間の時間的な電荷移動に伴う前記単電子トランジスタのインピーダンスを、前記ポイント接合に接合する他方の電極から出力される出力信号により位相検波する電荷検出計と、
    を有することを特徴とする単電子素子インピーダンス測定装置。
  2. 上記単電子トランジスタが、
    量子力学的に結合した複数の前記微小島を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の単電子素子インピーダンス測定装置。
  3. 前記微小島が、
    GaAs化合物半導体、シリコン、炭素系材料、単一分子のうちのいずれかである、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の単電子素子インピーダンス測定装置。
  4. 上記広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が、
    正弦波信号またはパルス信号であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の単電子素子インピーダンス測定装置。
  5. 単電子の帯電エネルギーが動作温度における熱エネルギーと同程度またはそれ以上となるような微小伝導領域である微小島と、当該微小島にトンネル障壁を介して接合する電極である入力電極とを有する単電子トランジスタと、前記単電子トランジスタの近傍かつ前記単電子トランジスタの伝導路とは電気的に絶縁されている別の伝導路にあり、前記微小島と静電的に結合されているポイント接合と、前記単電子トランジスタのインピーダンスを検出する電荷検出計とを有する単電子素子インピーダンス測定装置において用いられる単電子素子インピーダンス測定方法であって、
    前記電荷検出計が、
    前記ポイント接合に接合する一方の電極および前記入力電極に広帯域周波数の位相可変高周波電圧信号が入力信号として独立して入力され、当該入力信号によって誘起される前記微小島と前記入力電極との間の時間的な電荷移動に伴う前記単電子トランジスタのインピーダンスを、前記ポイント接合に接合する他方の電極から出力される出力信号により位相検波して検出する、
    ことを特徴とする単電子素子インピーダンス測定方法。
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