JP4865672B2 - 気相成長装置及び半導体素子の製造方法 - Google Patents

気相成長装置及び半導体素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば縦型シャワーヘッド型MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等の気相成長装置及び半導体素子の製造方法に関するものである。
従来、発光ダイオード及び半導体レーザ等のデバイスにおいては、GaAsやInGaP等のIII−V族半導体結晶の薄膜が用いられている。最近では、特に、III−Vナイトライド(nitride)系と呼ばれるInGaNやInGaNAsが注目されている。上記III−Vナイトライド(nitride)系と呼ばれるInGaNやInGaNAsは、該InGaP、GaAs等のIII−Vナイトライド(nitride)系以外の半導体結晶にはない、0.8〜1.0eVのバンドギャップを持つため、高効率の発光、受光が可能となる。また、ドープされるナイトライド(nitride)の組成により、バンドギャップを変える技術も報告されており、良質なナイトライド(nitride)系の半導体結晶は、応用が期待されている。特に、近年、高効率化が切望されている太陽電池の分野おいて期待が高まっている。
これらの半導体結晶の製造に際して、トリメチルガリウム(TMG)又はトリメチルアルミニウム(TMA)等の有機金属ガスと、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)又はアルシン(AsH)等の水素化合物ガスとを成膜に寄与する原料ガスとして成長室に導入して化合物半導体結晶を成長させるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相堆積)法が広く知られている。
MOCVD法は、上記の原料ガスを不活性ガスと共に成長室内に導入して加熱し、所定の基板上で気相反応させることにより、その基板上に化合物半導体結晶を成長させる方法である。MOCVD法を用いた化合物半導体結晶の製造においては、成長する化合物半導体結晶の品質を向上させながら、コストを抑えて、歩留まりと生産能力とをどのように最大限確保するかということが常に高く要求されている。
つまり、原料ガスからどれだけ多くの結晶を成膜できたかを示す成膜効率が高い方が望ましい。また、良好なデバイスとして活用するには、膜厚及び組成比が均一であることが望まれる。
図16に、MOCVD法に用いられる従来の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置の一例の模式的な構成を示す。
このMOCVD装置においては、ガス供給源102から反応炉101の内部の成長室111に反応ガス及び不活性ガスを導入するためのガス配管103が接続されており、反応炉101における内部の成長室111の上部には該成長室111に反応ガス及び不活性ガスを導入するための複数のガス吐出孔を有するシャワープレート110がガス導入部として設置されている。
また、反応炉101の成長室111の下部中央には図示しないアクチュエータによって回転自在の回転軸112が設置され、この回転軸112の先端にはシャワープレート110と対向するようにしてサセプタ108が取り付けられている。上記サセプタ108の下部には該サセプタ108を加熱するためのヒータ109が取り付けられている。
さらに、反応炉101の下部には、該反応炉101における内部の成長室111内のガスを外部に排気するためのガス排気部104が設置されている。このガス排気部104は、パージライン105を介して、排気されたガスを無害化するための排ガス処理装置106に接続されている。
上記のような構成の縦型シャワーヘッド型MOCVD装置において、化合物半導体結晶を成長させる場合には、サセプタ108に基板107が設置され、その後、回転軸112の回転によりサセプタ108が回転させられる。そして、ヒータ109の加熱によりサセプタ108を介して基板107が所定の温度に加熱され、シャワープレート110に形成されている複数のガス吐出孔から反応炉101の内部の成長室111に反応ガス及び不活性ガスが導入される。
複数の反応ガスを供給して基板107上で反応せしめ薄膜を形成する方法として、従来は、シャワーヘッドの中で複数のガスを混合し、シャワープレート110に多数設けられているガス吐出口から基板107に反応ガスを吹き出させる方法がとられていた。
近年では、複数の供給ガスそれぞれに、バッファエリアを設け、このバッファエリアからそれぞれの反応ガスをシャワープレート110のガス吐出孔を通して、分離した状態で成長室へ供給する方法が一般的によく用いられる。これは、シャワーヘッド内で気相反応が生ずるのを避けるためである。上記III族系ガス吐出孔とV族系ガス吐出孔とは交互に近接配置されるため、例えば、図17に示す特許文献1に開示された反応容器200のように、III族系ガスのバッファエリア201とV族系ガスのバッファエリア202とを2層上下に配置し、それぞれのガスが成長室203以外で混合しないように、ガス流路が分離された積層構造がよく用いられている。
特開平8−91989号公報(1996年4月9日公開) 特開平2002−151488号公報(2002年2月24日公開) 特開2002−8995号公報(2002年1月11日公開)
しかしながら、従来の特許文献1に開示された気相成長装置では、III族系ガスのバッファエリア201とV族系ガスのバッファエリア202とのいずれかに、ガスが通過するパスが設置される。このため、両ガスのバッファエリア201・202では、ガスフローが異なる。この結果、ガス吐出孔から成長室203へ供給されるガスフローが両ガス間で不均一となる恐れがあるという問題点を有している。このため、成膜厚や組成比も不均一となる。また、成膜条件が安定せず、最適な条件で成膜できないため、成膜効率も悪くなる。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、シャワープレートを用いて少なくとも2種類の反応ガスを成長室内に供給する場合に、ガス吐出孔から成長室へ供給されるガスフローを均一化することができる気相成長装置及び半導体素子の製造方法を提供することにある。
本発明の気相成長装置は、上記課題を解決するために、第1原料ガス及び第2原料ガスを、それぞれ独立に吐出する複数の第1原料ガス吐出孔及び複数の第2原料ガス吐出孔を配設したシャワープレートを介して被成膜基板を収容する成長室内に供給し、上記成長室内で混合して上記被成膜基板を成膜する気相成長装置において、シャワープレート上に、上記第2原料ガスと第1原料ガスとのそれぞれを充満させる互いに隔離された第2原料ガス中間室と第1原料ガス中間室とがこの順に積層され、上記第2原料ガス中間室には、上記第1原料ガス中間室から上記シャワープレートの複数の第1原料ガス吐出孔に連通する複数の第1原料ガス管が貫通して設けられていると共に、上記第1原料ガス中間室には、複数の柱が、上記複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に設けられていることを特徴としている。
上記発明によれば、シャワープレート上には、第2原料ガスと第1原料ガスとのそれぞれを充満させる互いに隔離された第2原料ガス中間室と第1原料ガス中間室とがこの順に積層されている。そして、第2原料ガス中間室には、第1原料ガス中間室からシャワープレートの複数の第1原料ガス吐出孔に連通する複数の第1原料ガス管が貫通して設けられている。
したがって、第1原料ガスは、第1原料ガス中間室に充満された後、複数の第1原料ガス管及びシャワープレートの複数の第1原料ガス吐出孔から、被成膜基板を収容する成長室内に供給される。一方、第2原料ガスは、第2原料ガス中間室に充満された後、シャワープレートの複数の第2原料ガス吐出孔から、被成膜基板を収容する成長室内に供給される。
この結果、第2原料ガス中間室の第2原料ガスは、該第2原料ガス中間室に林立した複数の第1原料ガス管の間を通って、シャワープレートの複数の第2原料ガス吐出孔から吐出される。
これに対して、第1原料ガス中間室の第1原料ガスは、複数の柱が存在しない場合には、広い空間である第1原料ガス中間室から複数の第1原料ガス管を通してシャワープレートの複数の第1原料ガス吐出孔から吐出される。
したがって、第1原料ガス中間室と第2原料ガス中間室との空間の構造上の違いにより、第1原料ガス吐出孔及び第2原料ガス吐出孔から吐出される各ガスフローが両ガス間で不均一となる恐れがある。
そこで、本発明では、第1原料ガス中間室には、複数の柱が、複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に設けられている。ここで、複数の第1原料ガス吐出孔及び複数の第2原料ガス吐出孔はシャワープレートに配設されているので、第2原料ガス中間室に林立された第1原料ガス管と同じ配列構造で、第1原料ガス中間室に複数の柱が林立されていることになる。
この結果、第1原料ガス中間室の空間構造と第2原料ガス中間室の空間構造とが同じになるので、第1原料ガス中間室のガスフロー及び第1原料ガス中間室のガスフローが同じになり、これにより、第1原料ガス中間室を通して第1原料ガス吐出孔から吐出されるガスフローと、第2原料ガス中間室を通して第2原料ガス吐出孔から吐出されるガスフローとが同じになる。
したがって、シャワープレートを用いて少なくとも2種類の反応ガスを成長室内に供給する場合に、ガス吐出孔から成長室へ供給されるガスフローを均一化することができる。これにより、被成膜基板の成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。また、成膜条件が安定するため、最適な条件での成膜が可能となるため、成膜効率も向上できる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱を加熱する柱加熱手段が設けられていることが好ましい。
これにより、柱加熱手段によって、第1原料ガス中間室に分散して配置されている複数の柱が加熱されるので、第1原料ガス中間室内の第1原料ガスが均一に加熱される。その結果、加熱により第1原料ガスが活性化され、成膜時のドープを促進することができる。
この結果、活性化されない第1原料ガスによる成膜時よりも、成膜効率が向上する。さらに、所望の膜厚及び組成比を得ることが可能である。また、均一に活性化された第1原料ガスが供給されるため、成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。
また、本発明の気相成長装置では、前記複数の柱が加熱される第1原料ガス中間室は、前記シャワープレートから最も遠い層に設けられていることが好ましい。
すなわち、加熱を望まない原料ガスの層とシャワープレートとの間に加熱される層を配置する場合には、隣接する加熱を望まない層への柱加熱手段からの直接的熱伝導防止策が両隣接層に必要となる。
しかし、本発明では、前記複数の柱が加熱される第1原料ガス中間室は、前記シャワープレートから最も遠い層に設けられているので、熱伝導防止策は片側の隣接層で足りる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、熱伝導性材料で構成されていることが好ましい。
これにより、第1原料ガス中間室における複数の柱が短時間で加熱されるので、第1原料ガス中間室内における第1原料ガスの加熱を高効率で行うことができる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、前記第2原料ガス中間室とは反対側が熱伝導性の良い材料で構成されていると共に、第2原料ガス中間室側が該第2原料ガス中間室とは反対側よりも熱伝導性の悪い材料で構成されていることが好ましい。
これにより、第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板への熱伝導性が悪くなるので、第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板への伝熱による、第2原料ガス中間室に充満される第2原料ガスへの局所的加熱の影響を防止することができる。また、複数の柱から第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板へ熱が逃げるのを低減できるので、第1原料ガス中間室に充満される第1原料ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、第2原料ガス中間室との境界板との間に隙間を有して設けられていることが好ましい。
これにより、整流機能を確保しながら、複数の柱が第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板に接触しないので、複数の柱から第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板への熱伝導性が悪くなる。この結果、第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板への伝熱による、第2原料ガス中間室に充満される第2原料ガスへの局所的加熱の影響を防止することができる。また、複数の柱から第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板へ熱が逃げるのを低減できるので、第1原料ガス中間室に充満される第1原料ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、第2原料ガス中間室との境界板側が先細りとなっていることが好ましい。
これにより、整流機能を確保しながら、第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板との接触面積が小さくなり、かつ複数の柱から第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板への熱伝導性が悪くなる。この結果、第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板への伝熱による、第2原料ガス中間室に充満される第2原料ガスへの局所的加熱の影響を防止することができる。また、複数の柱から第1原料ガス中間室における第2原料ガス中間室との境界板へ熱が逃げるのを低減できるので、第1原料ガス中間室に充満される第1原料ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、前記複数の第1原料ガス吐出孔と同じ平面位置にも、第2原料ガス中間室との境界板との間に隙間を有して設けられていると共に、前記第2原料ガス中間室には、前記複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に第2原料ガス中間室におけるシャワープレートとの間、又はシャワープレート側の境界板との間に隙間を有して複数の柱が設けられていることが好ましい。
これにより、第1原料ガス中間室における柱の数が増すので、第1原料ガス中間室における第1原料ガスがより短時間で加熱される。したがって、第1原料ガス中間室内における第1原料ガスの加熱をより高効率で行うことができる。
この場合、第1原料ガス中間室における柱の数を増すことによって、第1原料ガスと第2原料ガスとの各ガスフローが変化することになる。この点、本発明では、第2原料ガス中間室には、複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に第2原料ガス中間室における床面との間に隙間を有して複数の柱が設けられている。
したがって、第1原料ガス中間室と第2原料ガス中間室との各空間の構造上の同一性は確保されるので、第1原料ガスと第2原料ガスとの各ガスフローが変化することはない。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、立設方向に垂直な断面形状が多角形となっていることが好ましい。
これにより、柱の表面積が円に比べて増加するので、第1原料ガス中間室内における第1原料ガスの加熱をより高効率で行うことができる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、フィンを有していることが好ましい。
これにより、柱の表面積が増加するので、第1原料ガス中間室内における第1原料ガスの加熱をより高効率で行うことができる。
また、本発明の気相成長装置では、前記第1原料ガスは、V族系ガスであると共に、前記第2原料ガスは、III族系ガスであることが好ましい。
これにより、第1原料ガス中間室であるV族系ガスの空間構造と第2原料ガス中間室であるIII族系ガスの空間構造とが同じになるので、第1原料ガス中間室のガスフロー及び第1原料ガス中間室のガスフローが同じになり、これにより、第1原料ガス中間室を通して第1原料ガス吐出孔から吐出されるV族系ガスのガスフローと、第2原料ガス中間室を通してから第2原料ガス吐出孔から吐出されるIII族系ガスのガスフローとが同じになる。
したがって、シャワープレートを用いて少なくともIII族系ガスとV族系ガスとの2種類の反応ガスを成長室内に供給する場合に、ガス吐出孔から成長室へ供給されるガスフローを均一化することができる。これにより、被成膜基板の成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。また、成膜条件が安定するため、最適な条件での成膜が可能となるため、成膜効率も向上できる。
また、本発明の気相成長装置では、前記V族系ガスは、アンモニアを含むガスであることが好ましい。
これにより、III−V族の例えばナイトライド(nitride)系の結晶成長において、より、成膜厚・組成比の均一化及び成膜効率の向上が可能となる。すなわち、例えば、III−V族ナイトライド(nitride)系であるInGaNやInGaNAs等の結晶成長を行う場合では、被成膜基板以外での反応や熱分解及び成長膜のホール発生等が生じるため、600℃以下の低温成長が行われる。この場合、600℃以下の低温では、アンモニア分子が活性化されず、N原子が成長膜にドープされ難い。
しかし、本発明によれば、アンモニアを含むV族系ガスのみを800℃に加熱し、活性化したガスを成長室に供給できる。この結果、活性化されないV族系ガスによる成膜時よりも、成膜効率が格段に向上する。さらに、所望の膜厚及び組成比を得ることが可能である。また、均一に活性化されたIII族系ガス及びV族系ガスが供給されるため、成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。
また、本発明の気相成長装置では、前記複数の第1原料ガス吐出孔及び複数の第2原料ガス吐出孔は、シャワープレートの周辺部では中央部よりも各孔径が小さいことが好ましい。
これにより、シャワープレートの周辺部に多くの第1原料ガス及び第2原料ガスが吐出されることによる、被成膜基板以外での反応や熱分解及び成長膜のホール発生等が生じるのを防止することができる。
また、本発明の気相成長装置では、前記シャワープレートには、第1原料ガス吐出孔と第2原料ガス吐出孔との間に不活性ガス吐出孔が設けられていることが好ましい。
これにより、シャワープレートにおける第1原料ガス吐出孔及び第2原料ガス吐出孔の目詰まりを防止することができる。
本発明の半導体素子の製造方法は、上記課題を解決するために、上記記載の気相成長装置を用いて、半導体素子を製造することを特徴としている。
上記発明によれば、シャワープレートを用いて少なくとも2種類の反応ガスを成長室内に供給する場合に、被成膜基板上のガス濃度分布を均一化することができる気相成長装置を用いた半導体素子の製造方法を提供することができる。
本発明の気相成長装置は、以上のように、シャワープレート上に、上記第2原料ガスと第1原料ガスとのそれぞれを充満させる互いに隔離された第2原料ガス中間室と第1原料ガス中間室とがこの順に積層され、上記第2原料ガス中間室には、上記第1原料ガス中間室から上記シャワープレートの複数の第1原料ガス吐出孔に連通する複数の第1原料ガス管が貫通して設けられていると共に、上記第1原料ガス中間室には、複数の柱が、上記複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に設けられているものである。
また、本発明の半導体素子の製造方法は、以上のように、上記記載の気相成長装置を用いて、半導体素子を製造する方法である。
それゆえ、シャワープレートを用いて少なくとも2種類の反応ガスを成長室内に供給する場合に、ガス吐出孔から成長室へ供給されるガスフローを均一化することができる気相成長装置及び半導体素子の製造方法を提供するという効果を奏する。
本発明の一実施形態について図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態の図面において、同一の参照符号は、同一部分又は相当部分を表わすものとする。
(装置の基本構成)
図2に、本発明の気相成長装置としてのMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属気相堆積)装置の一例である縦型シャワーヘッド型のMOCVD装置10の模式的な構成の一例を示す。
本実施の形態のMOCVD装置10は、図2に示すように、中空部である成長室1を有する反応炉2と、被成膜基板3を載置するサセプタ4と、上記サセプタ4に対向しかつ底面にシャワープレート21を持つシャワーヘッド20とを含んでいる。
上記サセプタ4の下側には被成膜基板3を加熱するヒータ5及び支持台6が設けられており、支持台6に取り付けた回転軸7が図示しないアクチュエータ等によって回転することにより、上記サセプタ4及びヒータ5が、サセプタ4の上面(シャワープレート21側の面)が対向するシャワープレート21と平行な状態を保ちながら回転するようになっている。上記サセプタ4、ヒータ5、支持台6及び回転軸7の周囲には、ヒータカバーである被覆板8が、これらサセプタ4、ヒータ5、支持台6及び回転軸7を取り囲むように設けられている。
また、MOCVD装置10は、成長室1の内部のガスを外部に排出するためのガス排出部11と、このガス排出部11に接続されたパージライン12と、このパージライン12に接続された排ガス処理装置13とを有している。これにより、成長室1の内部に導入されたガスはガス排出部11を通して成長室1の外部に排出され、排出されたガスはパージライン12を通って排ガス処理装置13に導入され、排ガス処理装置13において無害化される。
さらに、MOCVD装置10は、III族元素を含む第2原料ガスとしてのIII族系ガスの供給源となるIII族系ガス供給源31と、このIII族系ガス供給源31から供給されたIII族系ガスをシャワーヘッド20に供給するためのIII族系ガス配管32と、III族系ガス供給源31から供給されるIII族系ガスの供給量を調節することができるIII族系ガス供給量調節部としてのマスフローコントローラ33とを有している。上記III族系ガス供給源31は、III族系ガス配管32によって、マスフローコントローラ33を介して、シャワーヘッド20のIII族系ガス供給部23に接続されている。
なお、本実施の形態において、III族元素としては、例えば、Ga(ガリウム)、Al(アルミニウム)又はIn(インジウム)等があり、III族元素を含むIII族系ガスとしては、例えば、トリメチルガリウム(TMG)又はトリメチルアルミニウム(TMA)等の有機金属ガスの1種類以上を用いることができる。
また、このMOCVD装置10は、V族元素を含む第1原料ガスとしてのV族系ガスの供給源となるV族系ガス供給源34と、V族系ガス供給源34から供給されたV族系ガスをシャワーヘッド20に供給するためのV族系ガス配管35と、V族系ガス供給源34から供給されるV族系ガスの供給量を調節することができるV族系ガス供給量調節部であるマスフローコントローラ36とを有している。上記V族系ガス供給源34は、V族系ガス配管35によって、マスフローコントローラ36を介してシャワーヘッド20のV族系ガス供給部24に接続されている。
なお、本実施の形態において、V族元素としては、例えば、N(窒素)、P(リン)又はAs(ヒ素)等があり、V族元素を含むV族系ガスとしては、例えば、アンモニア(NH)、ホスフィン(PH)又はアルシン(AsH)等の水素化合物ガスの1種類以上を用いることができる。
上記マスフローコントローラ33・36は図示しない制御部にて制御されるようになっている。
また、冷水供給部22には、冷水系配管37により水冷装置38から冷水が供給されるようになっている。なお、本実施の形態では、冷水供給部22は冷却水を供給するようになっているが、必ずしも水に限らず、他の液体及び気体による冷媒を用いることが可能である。
(シャワーヘッドの構成)
〈基本構成の説明〉
図1を用いてシャワーヘッド20の構成を説明する。
シャワーヘッド20は、図1に示すように、下から順番に、シャワープレート21、冷水供給部22、III族系ガス供給部23、V族系ガス供給部24、及び柱加熱手段としての温度調整機構25が積層されて構成されている。
上記シャワープレート21、冷水供給部22、III族系ガス供給部23、及びV族系ガス供給部24は積層配置であるため、本実施の形態では、V族系ガス供給部24における第1原料ガス中間室としてのV族系ガスバッファエリア24bのV族系ガスは、III族系ガスバッファエリア23b及び冷水系バッファエリア22bを貫通して設けられた第1原料ガス管としてのV族系ガス供給管24cを通してシャワープレート21の第1原料ガス吐出孔としてのV族系ガス吐出孔H5から成長室1に吐出される。
また、III族系ガス供給部23における第2原料ガス中間室としてのIII族系ガスバッファエリア23bのIII族系ガスは、冷水系バッファエリア22bを貫通して設けられたIII族系ガス供給管23cを通してシャワープレート21の第2原料ガス吐出孔としてのIII族系ガス吐出孔H3から成長室1に吐出される。
以下、それぞれの説明を行う。
〈シャワープレートの説明〉
図3(a)に、図1に示すMOCVD装置10に用いられるシャワープレート21の一例の模式的な平面図を示す。
シャワープレート21には、成長室1にIII族系ガスを供給するためのIII族系ガス吐出孔H3、及びV族系ガスを供給するためのV族系ガス吐出孔H5がそれぞれ複数形成されている。そして、シャワープレート21の面内(前記サセプタ4に向かい合っている表面内)において、III族系ガス吐出孔H3とV族系ガス吐出孔H5とが交互に配列されている。図3(a)に示す例においては、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の配列方向は、水平方向及び垂直方向となっている。つまり、格子状となっている。ただし、この格子は正方格子に限らず、菱形の格子等でもよい。上記シャワープレート21における、III族系ガス吐出孔H3の開口部の面積とV族系ガス吐出孔H5の開口部の面積とは同一となっている。
なお、図3(b)に示すように、III族系ガス吐出孔H3とV族系ガス吐出孔H5とがそれぞれ放射状に設けられかつそれらが回転方向に交互に配列されていてもよい。また、図4に示すように、III族系ガス吐出孔H3とV族系ガス吐出孔H5とがそれぞれ複数単位で交互に配列されていてもよい(同図4においては3個毎に交互に配設されている。)。さらに、図5(a)に示すように、上記図3(a)に示す格子状配列において、III族系ガス及びV族系ガスとは別の他の原料ガス又は不活性ガスにおける他原料ガス吐出孔又は不活性ガス吐出孔が付加されていてもよい。他原料ガス吐出孔が存在する場合には、整流作用及び熱分解作用を促進することができる。また、不活性ガス吐出孔が存在する場合には、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の目詰まりを防止する効果がある。このIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の目詰まりを防止する観点からすると、図5(b)(c)に示す配列がさらに効果がある。
すなわち、これらの関係から分かるように、シャワープレート21において、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5が、他の原料ガスの他原料ガス吐出孔又は不活性ガスの不活性ガス吐出孔の存在の如何に関わらず、それぞれ一個毎に交互に又は複数毎に交互に分布して配設されていることが分かる。
次に、上記図3(a)(b)、図4、及び図5(a)(b)(c)におけるIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5のシャワープレート21における配列においては、シャワープレート21の中央部と周辺部との違いによって、III族系ガス吐出孔H3の孔径とV族系ガス吐出孔H5の孔径とを変更することが好ましい。
例えば、図6においては、図3(a)に示すIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5のシャワープレート21における格子状配列において、シャワープレート21の中央部21aと周辺部21bとの違いによって、III族系ガス吐出孔H3の孔径とV族系ガス吐出孔H5の孔径とを変更した場合のシャワープレート21を示している。具体的には、中央部21aで孔径を大きくし、周辺部21bで孔径を小さくしている。これにより、周辺部21bでのガスの流量を抑制することができる。
なお、図6に示すように、周辺部21bでIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の孔径を小さくした場合においても、III族系ガス吐出孔H3の開口部の面積と、V族系ガス吐出孔H5の開口部の面積とは同一となっている。勿論、中央部21aにおいても、III族系ガス吐出孔H3の開口部の面積と、V族系ガス吐出孔H5の開口部の面積とは同一となっている。
〈冷水供給部の説明〉
冷水供給部22は、図1に示すシャワープレート21を一定の温度以下に冷却することによって、シャワープレート21への反応生成物の付着を抑制し、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の目詰まりを防止する。冷水供給部22は、シャワープレート21上に設けられた冷水系バッファエリア22bを有しており、この冷水系バッファエリア22bには、例えば、シャワーヘッド20の側方から冷却水が流入し、シャワーヘッド20の反対側の側方から流出するようになっている。
〈ガス供給部の説明〉
図1に示すように、III族系ガス供給部23は、シャワーヘッド20の例えば周辺部から供給されたIII族系ガスを均一にIII族系ガス吐出孔H3に導くため、III族系ガス外環流路23aと、第2原料ガス中間室としてのIII族系ガスバッファエリア23bと、このIII族系ガスバッファエリア23bから成長室1に連通するIII族系ガス供給管23cとにより構成されている。なお、III族系ガス供給管23cの断面は、必ずしも円形に限ることはなく、角管、楕円管又はその他の断面でもよい。また、本発明では、冷水供給部22が無い場合には、III族系ガス供給管23cはなくても良い。その場合には、III族系ガスバッファエリア23bのIII族系ガスはIII族系ガス吐出孔H3から吐出される。
一方、同様に、V族系ガス供給部24は、シャワーヘッド20の周辺部より供給された反応ガスを均一にV族系ガス吐出孔H5に導くため、V族系ガス外環流路24aと、V族系ガスバッファエリア24bと、V族系ガス供給管24cとにより構成されている。なお、V族系ガス供給管24cの断面についても、必ずしも円形に限ることはなく、角管、楕円管又はその他の断面でもよい。
ここで、図7は、V族系ガス外環流路24aの斜視図である(III族系ガス外環流路23aも構造は同じであるため説明は省略する。)。
例えば、V族系ガス外環流路24aの横方向から供給されたV族系ガスは、V族系ガス外環流路24aの内周側に均等配置された複数の開口Hを有する開口付き仕切り24dを介して、周方向に均一にV族系ガスバッファエリア24bへ供給される。そして、V族系ガスバッファエリア24bのV族系ガスは、前記複数のV族系ガス供給管24cを通って、V族系ガス吐出孔H5から成長室1へ供給される。
すなわち、図1に示すように、III族系ガスバッファエリア23b内には、V族系ガス供給管24cが、それぞれのガスが混合しないよう分離されて配置されている。つまり、III族系ガスバッファエリア23bの平面においては、III族系ガス吐出孔H3の位置には、III族系ガスバッファエリア23bからIII族系ガス吐出孔H3へ連通されるIII族系ガス供給管23cが配置されていると共に、V族系ガス吐出孔H5の位置には、V族系ガスバッファエリア24bからV族系ガス吐出孔H5に連通されるV族系ガス供給管24cが柱のように林立していることになる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、V族系ガスバッファエリア24bに、III族系ガス吐出孔H3と同じ平面位置に柱としてのダミー柱25cが配置されている。つまり、ダミー柱25cは、III族系ガス供給管23cと同じ平面上の配置位置に設けられていると共に、その平面形状もIII族系ガス供給管23cと同じ平面形状を有している。
これにより、III族系ガスバッファエリア23bとV族系ガスバッファエリア24bとにおけるガス流れを同じにすることができ、III族系ガスとV族系ガスとにおいて、成長室1に供給されるガスの分布を同等にすることができるという整流機能を有することとなっている。
ところで、結晶成長においては、気相反応を行う温度にも考慮する必要がある。
すなわち、III−V族半導体結晶の成長においては、一般的に、III族系ガスは金属ガスが用いられ、V族系ガスは有機ガスが用いられることが多い。
ここで、気相反応における温度が高すぎると、金属ガスが処理室の壁面等の成長基板以外で反応し、成膜効率の低下に繋がる。また、バッファエリアから処理室への連通部分であるガス吐出孔にて反応してしまうと、ガス吐出孔が目詰まりする恐れもある。ガス吐出孔が目詰まりすると、ガス吐出孔の径が変わり、ガスフローの条件が変わってしまうため、所望の膜質及び成長レートを得ることができなくなる。また、成長膜の再蒸発や成長膜でのホールの発生等により、膜質及び成長レートの劣化の恐れがある。
一方、気相反応における温度が低すぎると、反応が進行し難く、成長レートが劣化する恐れがある。また、分子が分解して成長膜にドープされない、或いは分子のままドープされてホールを形成してしまう等、膜質及び成長レートの劣化の恐れがある。
いずれの場合も、デバイスに使用するには不都合が生じる。このため、気相反応は最適温度で行われることが望まれる。
例えばInGaNやInGaNAs等の結晶成長を行う場合、600℃以上の高温にすると、成長した結晶が熱分解し、成長膜にホールが発生する。このため、著しく導電率が劣化し、デバイスとして使用できない。また、500〜600℃では、ナイトライド(nitride)系の材料ガスとしてよく用いられるアンモニア分子が分解せず、N原子が成長膜にドープされ難く、デバイスとして使用するに至らない。
そこで、V族系ガスを予め成膜域以外で加熱し、活性化されたガスを成膜域に供給することにより、基板温度をIII族系ガスが熱分解しない程度の温度を保ったまま、気相反応を進行させる手法が知られている。
例えば、特許文献2では、図18に示すように、成膜域の上流のガス配管流路301でガスを予熱機302にて予備加熱する手法が提案されている。
また、特許文献3では、図19に示すように、成膜域へガスを供給するガス吐出口付近を、ヒータ401にて加熱することによって、成膜域に活性化したガスを供給する手法が提案されている。
しかしながら、特許文献2及び特許文献3では、熱分布は均一ではないため、必ずしも均一に活性化されたガスが、V族系ガス吐出孔から成長室へ供給されているわけではない。
例えば特許文献2では、予備加熱を行ったガス配管流路301のガスと加熱されていないガス配管流路303のガスとが、シャワーヘッド304よりも上流側で混合されており、成長室305に達する前に反応が起こるため、成膜効率が低下することが予想される。
また、加熱されたガス配管流路301のガスは、ガス配管流路303の配管及びシャワーヘッド304を通過する間に冷却され、十分に活性化されたガスが成長室305に供給されない恐れがある。さらに、通過距離や経路の影響を受けるため、活性化されたガスの分布が不均一となり易い。
また、例えば特許文献3では、シャワープレート402或いはガス吐出孔403・404の周囲を加熱している。シャワープレート402全体が加熱されると、ガス露出面にて成長膜が形成され、成長レートが低下してしまう恐れがある。さらに、ガス吐出孔403・404付近に成長膜が形成されると、ガス吐出孔403・404が目詰まりする恐れがある。目詰まりすることによって、ガス吐出孔403・404の径が変わり、ガスフローの条件が変わってしまうため、所望の膜質及び成長レートを得ることができなくなる。
さらに、加熱温度を、一方のガスが反応せず、かつ他方のガスが分解する温度に設定する必要がある。しかし、上記のように、V族系ガスとしてアンモニアを用いる場合、アンモニアが活性化される温度において、反応しないようなIII族系ガスを用いる必要があるため、材料が制限される。少なくとも、InN系の結晶は再分解してしまうため、特許文献3の方法による成膜は難しい。
そこで、本実施の形態では、図示しないヒータを内蔵した温度調整機構25を設けることによって、V族系ガスバッファエリア24b内のV族系ガスを加熱すると共に、加熱温度を調整することも可能となっている。
また、上記ダミー柱25cは、温度調整機構25から垂下して設けられており、温度調整機構25が加熱されることにより、熱伝導の良い材料からなるダミー柱25cに熱伝導されるようになっている。その結果、V族系ガスバッファエリア24bのV族系ガスが、この温度調整機構25の底面及びダミー柱25cの表面に接触することによって、加熱されるようになっている。
この結果、V族系ガスバッファエリア24bのV族系ガスの加熱を効率よく行うことができるものとなっている。
ここで、本実施の形態では、ダミー柱25cは、図1に示すように、V族系ガスバッファエリア24bの床面に接触して設けられている。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、図8に示すように、ダミー柱25cがV族系ガスバッファエリア24bの床面である境界板41と僅かに離れている構成とすることが可能である。
この理由は、ダミー柱25cは、整流機能を確保しながら、V族系ガスバッファエリア24bとIII族系ガスバッファエリア23bとの境界板41に接していないため、境界板41の伝熱によるIII族系ガスバッファエリア23bに充満されるIII族系ガスに対する局所的加熱の影響を防止するためである。また、ダミー柱25cから境界板41への熱の逃げを低減できるので、V族系ガスバッファエリア24bに充満されるV族系ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、ダミー柱25cは、図9に示すように、下方に向かって先細りとなるように形成することが可能であると共に、その先端に、例えば、熱伝導が悪い部材42を付与することが可能である。
これによって、整流機能を確保しながら、境界板41との接触面積が小さくなり、かつ境界板41への熱伝導性が悪くなるので、境界板41の伝熱によるIII族系ガスバッファエリア23bに充満されるIII族系ガスに対する局所的加熱の影響を防止することができる。また、ダミー柱25cから境界板41への熱の逃げを低減できるので、V族系ガスバッファエリア24bに充満されるV族系ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
さらに、ダミー柱25cは、図8の構成に加えて、図10に示すように、さらに、ダミー柱43をV族系ガス供給管24cと同心かつ僅かに離れさせて設け、かつダミー柱44をIII族系ガス供給管23cと同心かつ僅かに離れさせて設けることが可能である。
これにより、ダミー柱25cは、整流機能を確保しながら、境界板41に接していないため、境界板41の伝熱によるIII族系ガスバッファエリア23bに充満されるIII族系ガスに対する局所的加熱の影響を防止することができる。また、ダミー柱25cから境界板41への熱の逃げを低減できるので、V族系ガスバッファエリア24bに充満されるV族系ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
さらに、ダミー柱25cがV族系ガス供給管24cと同一平面の配置となるため、V族系ガスバッファエリア24bにおけるV族系ガスのガス流れと、III族系ガスバッファエリア23bにおけるIII族系ガスのガス流れとを同一にすることができる。
また、ダミー柱25cが、V族系ガスバッファエリア24bからV族系ガス供給管24cへ流れ込む開口部の直上に位置するため、V族系ガスが加熱されたダミー柱25cの近傍を通ってV族系ガス供給管24cに流れ込むことになる。したがって、V族系ガスを加熱が確実に行われるので、V族系ガスの活性化を確実に行うことができる。
なお、原料ガスとして、III族系ガス及びV族系ガスだけでなく、他の原料ガス又は不活性ガスを使用する場合には、シャワーヘッド20も多段になる。そして、その場合には、ダミー柱25c等の配設方法は、以下のようにすることが可能である。
例えば、前記図5(a)に示すIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の配設方法では、図11(a)に示すように、例えば、第2層が他の原料ガス又は不活性ガスの他ガスバッファエリア26bとすることができる。この場合には、図10の構成に加えて、他ガスバッファエリア26bには、他ガス供給管26cと同心かつ僅かに離れさせてダミー柱45を設けると共に、第1層であるV族系ガスバッファエリア24bにおいてもダミー柱45と同心かつ境界板41から僅かに離れさせてダミー柱46を設ける。また、他ガスバッファエリア26bにおいては、さらに、III族系ガス供給管23cと同心かつ境界板41aから僅かに離れさせてダミー柱47を設ける。
一方、例えば、前記図5(b)に示すIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の配設方法では、図11(b)に示すように、例えば、第2層が他の原料ガス又は不活性ガスの他ガスバッファエリア26bとすることができる。この場合には、図10の構成に加えて、他ガスバッファエリア26bには、他ガス供給管26cと同心かつ僅かに離れさせてダミー柱45を設けると共に、第1層であるV族系ガスバッファエリア24bにおいてもダミー柱45と同心かつ境界板41から僅かに離れさせてダミー柱46を設ける。また、他ガスバッファエリア26bにおいては、さらに、III族系ガス供給管23cと同心かつ境界板41aから僅かに離れさせてダミー柱48を設ける。
なお、上述の図11(a)(b)に示す例では、第2層が他の原料ガス又は不活性ガスの他ガスバッファエリア26bとしたが、必ずしもこれに限らず、第3層が他の原料ガス又は不活性ガスの他ガスバッファエリアとすることができる。この場合、例えば、図11(a)に対応する例では、図12に示すように、第2層のIII族系ガスバッファエリア23bには、III族系ガス供給管23cと同心かつ僅かに離れさせてダミー柱44を設ける。そして、第1層であるV族系ガスバッファエリア24bにおいてもダミー柱44と同心かつ境界板41から僅かに離れさせてダミー柱46を設けると共に、V族系ガス供給管24cと同心かつ僅かに離れさせてダミー柱43を設けることが可能である。なお、第3層が不活性ガスの場合には、他ガスバッファエリア27bにダミー柱はなくてもよい。
なお、上記ダミー柱25cは、中実であっても中空であってもよい。中空の場合には、例えば、温度調整機構25として加熱流体を還流させることも可能である。
また、上記ダミー柱25cの平面形状は、円形に限らず、例えば、図13(a)〜(c)に示す多角形の形状等とすることができると共に、図13(d)に示すように、複数本にて構成することが可能である。これらの形状とすることにより、III族系ガス供給管23cと同様の整流機能を確保しながら、ダミー柱25cの表面積が広くなるので、V族系ガスへの伝熱性が良くなり、V族系ガスの活性化を効率的に行うことができる。
また、ダミー柱25cは、図14に示すように、複数のフィン49を設けることが可能である。この構成によっても、フィン49によりダミー柱25cの表面積が広くなるので、V族系ガスへの伝熱性が良くなり、V族系ガスの活性化を効率的に行うことができる。
(成長方法の説明)
次に、図1及び図2に基づいて、III−V族化合物半導体結晶を本実施の形態のMOCVD装置10を用いたMOCVD法により成長させてIII−V族化合物半導体を製造する方法を説明する。
図2に示す構成の本実施の形態のMOCVD装置10を用いて、III−V族化合物半導体結晶をMOCVD法により成長させる際には、まず、サセプタ4上に下地となる被成膜基板3が設置される。その後、回転軸7の回転により、サセプタ4の上面に設置された被成膜基板3の表面がシャワープレート21と平行な状態を保ちながら回転し、ヒータ5の加熱により、サセプタ4を介して被成膜基板3が所定の温度に加熱される。そして、シャワープレート21に形成されているIII族系ガス吐出孔H3からIII族系ガスが成長室1に、被成膜基板3の表面に対して垂直方向に導入されると共に、シャワープレート21に形成されているV族系ガス吐出孔H5からV族系ガスが成長室1に、被成膜基板3の表面に対して垂直方向に導入される。これにより、被成膜基板3の表面上にIII−V族化合物半導体結晶が成長することになる。なお、ここでは、III族系ガスの供給量及びV族系ガスの供給量は、図示しない制御部によってマスフローコントローラ33・36にて制御され、III族系ガス及びV族系ガスのそれぞれが成長室1に供給されることになる。
III族系ガス及びV族系ガスは、シャワープレート21に交互に配列されたIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5からそれぞれ供給されていることから、被成膜基板3の表面上方におけるIII族系ガス吐出孔H3とV族系ガス吐出孔H5との分布の偏りを低減することができる。
III族系ガスとV族系ガスとが混合し濃度分布が均一となり、ヒータ5による被成膜基板3の加熱と相俟ってIII族系ガスとV族系ガスとの気相反応が被成膜基板3の表面近傍において進行する。
ここで、ヒータ5による加熱は所定の温度に設定される。以下、理由を説明する。
まず、気相反応における温度が高すぎると、III族系ガスが成長室1の壁面等、被成膜基板3以外で反応し、成膜効率の低下に繋がる。また、各III族系ガスバッファエリア23b及びV族系ガスバッファエリア24bから成長室1へ導入されるIII族系ガス及びV族系ガスがIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5にて反応してしまうと、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5が目詰まりする恐れもある。目詰まりすると、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の径が変わり、ガスフローの条件が変わってしまうため、所望の膜質及び成長レートを得ることができなくなる。また、成長膜の再蒸発や、成長膜でのホールの発生等により、膜質や成長レートの劣化の恐れがある。
次に、温度が低すぎると、反応が進行し難く成長レートが劣化する恐れがある。また、分子が分解して成長膜にドープされない、或いは分子のままドープされてホールを形成してしまう等、膜質や成長レートの劣化の恐れがある。いずれの場合も、デバイスに使用するには不都合が生じる。
例えばInGaNやInGaNAs等の結晶成長を行う場合、600℃以上の高温にすると、成長した結晶が熱分解し、成長膜にホールが発生するため、著しく導電率が劣化しデバイスとして使用できない。また、500〜600℃では、ナイトライド(nitride)系の材料ガスとしてよく用いられるアンモニア分子が分解せず、N原子が成長膜にドープされ難く、デバイスとして使用するに至らない。
これらから、気相反応は最適温度で行うことが望ましい。
本実施の形態では、上記ヒータ5の温度制御に加えて、図1に示すように、シャワーヘッド20の天板部分に設けられた温度調節機構65によりダミー柱25cを加熱し、V族系ガスバッファエリア24b内を所望の温度となるように設定している。なお、温度調整機構25には加熱機構及び温度制御部、さらにV族系ガスバッファエリア24b内の温度を測定するために、温度センサーを含む。本実施の形態では、例えば、熱電対を壁面に取付け、測定している。
ダミー柱25cは、供給するガスに対する熱伝導率、耐腐食性、耐熱性、及び耐久性等を考え、装置の仕様を満たすものであればよい。熱伝導率の良いものであれば、効率よく加熱できる。本実施の形態では、上記の観点より、例えばMoを用いている。その他、耐腐食性、耐熱性等に優れているタングステン(W)、金(Au)等でも良い。仕様に合わせて適宜選択すれば良い。
ここで、本実施の形態では、V族系ガスのみ加熱されるため、III族系ガスの被成膜基板3以外での反応を考慮する必要がなく、所望の温度に設定することができる。さらに、ダミー柱25cは、V族系ガスバッファエリア24b全体に林立して配置されている。ダミー柱25cに均等に熱を付与することによって、V族系ガスバッファエリア24b内のV族系ガスを均一に加熱することができる。加えて、III族系ガスバッファエリア23bとV族系ガスバッファエリア24bとにおけるガスフローを同等に保ったまま、均一に加熱される。
なお、上記においては、III族系ガス、V族系ガスを導入する場合について説明したが、本実施の形態においては、III族系ガス及びV族系ガスと共に、不活性ガスやドーパント源となるガス等を成長室1に供給してもよい。
また、一般的に、III族系ガスは比較的低温が好ましく、かつV族系ガスは比較的高温が好ましいとされているため、上記のようにV族系ガスのみを加熱している。しかし、供給ガスによって結晶成長に最適な温度が異なる場合であれば、本発明を適用できる。つまり、高い温度に設定したいガスのバッファエリアにダミー柱25cを配置すれば良い。
また、上記においては、III族系ガス吐出孔H3、及びV族系ガス吐出孔H5がそれぞれ円形である場合について説明したが、本発明においては、III族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5の形状は特に限定されず、例えば、多角形又は楕円形等の形状にすることができる。
また、上記においては、被成膜基板3を1枚設置した場合について説明したが、本発明においては、被成膜基板3は1枚だけでなく複数枚設置してもよい。
さらに、本発明においては、MOCVD装置10を構成する反応炉2、シャワープレート21及びその他の部材の形状が、図2に示す形状に限定されないことは言うまでもない。例えば、本実施の形態のMOCVD装置10では、被成膜基板3が上側を向いたいわゆるフェイスアップの構成となっているが、本発明においては、必ずしもこれに限らず、被成膜基板3を落ちないように爪等にて支持することにより、被成膜基板3が下側を向いたいわゆるフェイスダウンの構成とすることも可能である。
最後に、上述したMOCVD装置10を用いた具体的な例えば半導体レーザ素子の製造方法について、図15に基づいて説明する。図15は、GaN系の半導体レーザ素子50を複式的に図解した断面図である。なお、半導体素子は、必ずしも半導体レーザ素子に限らず、LED素子等の半導体素子でもよい。
上記半導体レーザ素子50の作製に際しては、図15に示すように、まず、厚さ400μmのn型GaN基板51を、上記MOCVD装置10内に搬入する。次に、キャリアガス(H)を流しながらTMG(トリメチルガリウム)、NH、及びSiHを導入し、n型GaN基板51に約1125℃の基板温度の下でSiドープn型GaN下部コンタクト層52を厚さ4μmに成長させる。続いて、TMA(トリメチルアルミニウム)を所定流量で導入し、同じ基板温度の下で厚さ0.95μmのn型Al0.1Ga0.9N下部クラッド層53を形成する。この後、TMAの供給を停止し、同じ基板温度の下でSiドープn型GaN下部ガイド層54を厚さ0.1μmに成長させる。
その後、TMG及びSiHの供給を停止し、キャリアガスをHからNに代えて基板温度を約725℃まで下げた後に、TMI(トリメチルインジウム)及びTMGを導入し、InGa1−VN(0≦V≦1)障壁層を成長させる。続いて、TMIの供給を所定量にまで増加させ、InGa1−WN(0≦W≦1)井戸層を成長させる。InGaN障壁層とInGaN井戸層との形成を繰り返して交互積層構造(障壁層/井戸層/・・・井戸層/障壁層)からなる多重量子井戸を含む活性層55を形成する。InGaNの混晶からなる障壁層と井戸層との組成比及び厚さは、発光波長が370〜430nmの範囲内になるように設計され、井戸層の数は例えば3層とすることができる。
活性層55の形成後、TMI及びTMGの供給を停止して、活性層55よりも下のGaN系半導体層52〜54の成長温度よりも低い約1050℃まで基板温度を高める。ここで、キャリアガスをNからHに代えて、TMG、TMA、及びp型ドーピング剤のビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)を導入し、例えば厚さ18nmのMgドープp型Al0.2Ga0.8N蒸発防止層56を形成する。
次に、TMAの供給を停止し、TMGの供給量を調整して、同じ基板温度で例えば厚さ0.1μmのMgドープp型GaN上部ガイド層57を形成する。続いて、TMAを所定流量で導入してTMGの流量を調整し、同じ基板温度で例えば厚さ0.5μmのp型Al0.1Ga0.9N上部クラッド層58を形成する。そして、TMAの供給を停止してTMGの供給量を調整し、同じ基板温度で例えば厚さ0.1μmのMgドープp型GaN上部コンタクト層59を形成し、これによってエビタキシャル結晶成長を終了する。結晶成長終了後、TMG及びCpMgの供給を停止して基板温度を下げ、室温にてウェハをMOCVD装置10から取り出す。
得られたエビタキシャルウェハは、複数のレーザ素子チップに加工される。まず、p型用電極部分の形成に際して、幅2μmのストライプ状のレジストをMgドープp型GaN上部コンタクト層59上に形成し、反応性イオンエッチング(RIE)によってリッジストライプ部60を形成する。そして、電流狭窄のためのSi0誘電体膜61を蒸着によって形成する。次いで、レジストを剥離してMgドープp型GaN上部コンタクト層59を露出させ、Pd/Mo/Auの順序で蒸着してp型用電極62を形成する。
その後、n型GaN基板51の第二主面を研磨等で削ることにより、ウェハ厚さを140μmにし、ウェハを分割し易いようにする。そして、n型GaN基板51の第二生面上にTi/A1の順序で蒸着してn型用電極63を形成する。n型用電極まで形成されたウェハは、劈開してバー状に分割され、劈開面からなる共振器端面が形成される。このとき、共振器長は、例えば500μmに設定される。その後、各バーをリッジストライプと平行にダイシングして分割し、複数のレーザ素子チップを得る。
以上のプロセスにより、図15に示すGaN系の半導体レーザ素子50が得られる。
このように、本実施の形態のMOCVD装置10は、第1原料ガスとしてのV族系ガス及び第2原料ガスとしてのIII族系ガスを、それぞれ独立に吐出する複数のV族系ガス吐出孔H5及び複数のIII族系ガス吐出孔H3を配設したシャワープレート21を介して被成膜基板3を収容する成長室1内に供給し、この成長室1内で混合して被成膜基板3を成膜する。
そして、シャワープレート21上に、III族系ガスとV族系ガスとのそれぞれを充満させる互いに隔離されたIII族系ガスバッファエリア23bとV族系ガスバッファエリア24bとがこの順に積層され、III族系ガスバッファエリア23bにはV族系ガスバッファエリア24bからシャワープレート21の複数のV族系ガス吐出孔H5に連通する複数のV族系ガス供給管24cが貫通して設けられている。
したがって、V族系ガスは、V族系ガスバッファエリア24bに充満された後、複数のV族系ガス供給管24c及びシャワープレート21の複数のV族系ガス吐出孔H5から、被成膜基板3を収容する成長室1内に供給される。一方、III族系ガスは、III族系ガスバッファエリア23bに充満された後、シャワープレート21の複数のIII族系ガス吐出孔H3から、被成膜基板3を収容する成長室1内に供給される。
この結果、III族系ガスバッファエリア23bのIII族系ガスは、III族系ガスバッファエリア23bに林立した複数のV族系ガス供給管24cの間を通って、III族系ガス供給管23cを通してシャワープレート21の複数のIII族系ガス吐出孔H3から吐出される。
これに対して、V族系ガスバッファエリア24bのV族系ガスは、複数のダミー柱25cが存在しない場合には、広い空間であるV族系ガスバッファエリア24bから複数のV族系ガス供給管24cを通してシャワープレート21の複数のV族系ガス吐出孔H5から吐出される。
したがって、V族系ガスバッファエリア24bとIII族系ガスバッファエリア23bとの空間の構造上の違いにより、V族系ガス吐出孔H5及びIII族系ガス吐出孔H3から吐出される各ガスフローが両ガス間で不均一となる恐れがある。
そこで、本実施の形態では、V族系ガスバッファエリア24bには、複数のダミー柱25cが、複数のIII族系ガス吐出孔H3と同じ平面位置に設けられている。ここで、複数のV族系ガス吐出孔H5及び複数のIII族系ガス吐出孔H3はシャワープレート21に配設されているので、III族系ガスバッファエリア23bに林立されたV族系ガス供給管24cと同じ配列構造で、V族系ガスバッファエリア24bに複数のダミー柱25cが林立されていることになる。
この結果、V族系ガスバッファエリア24bの空間構造とIII族系ガスバッファエリア23bの空間構造とが同じになるので、V族系ガスバッファエリア24bのガスフロー及びV族系ガスバッファエリア24bのガスフローが同じになり、これにより、V族系ガスバッファエリア24bを通してV族系ガス吐出孔H5から吐出されるガスフローと、III族系ガスバッファエリア23bを通してIII族系ガス吐出孔H3から吐出されるガスフローとが同じになる。
したがって、シャワープレート21を用いてIII族系ガスとV族系ガスとの少なくとも2種類の反応ガスを成長室1内に供給する場合に、シャワープレート21のIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5から成長室1へ供給されるガスフローを均一化することができるMOCVD装置10を提供することができる。これにより、被成膜基板3の成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。また、成膜条件が安定するため、最適な条件での成膜が可能となるため、成膜効率も向上できる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cを加熱する温度調整機構25が設けられている。
これにより、温度調整機構25によって、V族系ガスバッファエリア24bに分散して配置されている複数のダミー柱25cが加熱されるので、V族系ガスバッファエリア24b内のV族系ガスが均一に加熱される。その結果、加熱によりV族系ガスが活性化され、成膜時のドープを促進することができる。
この結果、活性化されないV族系ガスによる成膜時よりも、成膜効率が向上する。さらに、所望の膜厚及び組成比を得ることが可能である。また、均一に活性化されたV族系ガスが供給されるため、成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、複数のダミー柱25cが加熱されるV族系ガスバッファエリア24bは、シャワープレート21から最も遠い層に設けられていることが好ましい。
すなわち、加熱を望まない例えばIII族系ガス等の原料ガスの層とシャワープレート21との間に、加熱される層であるV族系ガスバッファエリア24bを配置する場合には、隣接する加熱を望まない層であるIII族系ガスバッファエリア23bへの柱加熱手段からの直接的熱伝導防止策が両隣接層に必要となる。
しかし、本実施の形態では、複数のダミー柱25cが加熱されるV族系ガスバッファエリア24bは、シャワープレート21から最も遠い層に設けられているので、熱伝導防止策は片側の隣接層で足りる。例えば、本実施の形態のように、温度調整機構25を隣接する層のない側に設けると、加熱を望まない隣接する層であるIII族系ガスバッファエリア23bへの温度調整機構25からの直接的熱伝導防止策が不要である。この場合、対策不十分の場合は、熱効率が悪くなる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cは、熱伝導性材料で構成されている。これにより、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cが短時間で加熱されるので、V族系ガスバッファエリア24b内におけるV族系ガスの加熱を高効率で行うことができる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cは、III族系ガスバッファエリア23bとは反対側である天井側が熱伝導性の良い材料で構成されていると共に、III族系ガスバッファエリア23b側である床面側が該III族系ガスバッファエリア23bとは反対側である上記天井側よりも熱伝導性の悪い材料で構成されているとすることができる。
これにより、V族系ガスバッファエリア24bの床面への熱伝導性が悪くなるので、V族系ガスバッファエリア24bの床面への伝熱による、III族系ガスバッファエリア23bに充満されるIII族系ガスへの局所的加熱の影響を防止することができる。また、複数のダミー柱25cからV族系ガスバッファエリア24bの床面へ熱が逃げるのを低減できるので、V族系ガスバッファエリア24bに充満されるV族系ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cは、III族系ガスバッファエリア23bとの境界板41つまりV族系ガスバッファエリア24bの床面との間に隙間を有して設けられているとすることができる。
これにより、整流機能を確保しながら、複数のダミー柱25cがV族系ガスバッファエリア24bの床面に接触しないので、複数のダミー柱25cからV族系ガスバッファエリア24bの床面への熱伝導性が悪くなる。この結果、V族系ガスバッファエリア24bの床面への伝熱による、III族系ガスバッファエリア23bに充満されるIII族系ガスへの局所的加熱の影響を防止することができる。また、複数のダミー柱25cからV族系ガスバッファエリア24bの床面へ熱が逃げるのを低減できるので、V族系ガスバッファエリア24bに充満されるV族系ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cは、床面側つまりIII族系ガスバッファエリア23bとの境界板41側が先細りとなっていることが好ましい。
これにより、整流機能を確保しながら、V族系ガスバッファエリア24bの床面との接触面積が小さくなり、かつ複数のダミー柱25cからV族系ガスバッファエリア24bの床面への熱伝導性が悪くなる。この結果、V族系ガスバッファエリア24bの床面への伝熱による、III族系ガスバッファエリア23bに充満されるIII族系ガスへの局所的加熱の影響を防止することができる。また、複数のダミー柱25cからV族系ガスバッファエリア24bの床面へ熱が逃げるのを低減できるので、V族系ガスバッファエリア24bに充満されるV族系ガスの活性化を効率的に行うことができ、省エネとなる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、複数のV族系ガス吐出孔H5と同じ平面位置にも、III族系ガスバッファエリア23bとの境界板41である、V族系ガスバッファエリア24bにおける床面との間に隙間を有してV族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱43が設けられていると共に、III族系ガスバッファエリア23bには、複数のIII族系ガス吐出孔H3と同じ平面位置にIII族系ガスバッファエリア23bにおける床面であるシャワープレート21側の境界板との間に隙間を有して複数のダミー柱44が設けられているとすることができる。
これにより、V族系ガスバッファエリア24bにおけるダミー柱25c及びダミー柱44の数が増すので、V族系ガスバッファエリア24bにおけるV族系ガスがより短時間で加熱される。したがって、V族系ガスバッファエリア24bにおけるV族系ガスの加熱をより高効率で行うことができる。
この場合、V族系ガスバッファエリア24bにおけるダミー柱25c及びダミー柱44の数を増すことによって、V族系ガスとIII族系ガスとの各ガスフローが変化することになる。この点、本実施の形態では、III族系ガスバッファエリア23bには、複数のIII族系ガス吐出孔H3と同じ平面位置にIII族系ガスバッファエリア23bにおける床面との間に隙間を有して複数のダミー柱44が設けられている。
したがって、V族系ガスバッファエリア24bとIII族系ガスバッファエリア23bとの各空間の構造上の同一性は確保されるので、V族系ガスとIII族系ガスとの各ガスフローが変化することはない。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cは、立設方向に垂直な断面形状が多角形となっていることが好ましい。
これにより、ダミー柱25cの表面積が円に比べて増加するので、V族系ガスバッファエリア24b内におけるV族系ガスの加熱をより高効率で行うことができる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスバッファエリア24bにおける複数のダミー柱25cは、フィン49を有していることが好ましい。
これにより、ダミー柱25cの表面積が増加するので、V族系ガスバッファエリア24b内におけるV族系ガスの加熱をより高効率で行うことができる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、第1原料ガスは、V族系ガスであると共に、第2原料ガスは、III族系ガスであることが好ましい。
これにより、V族系ガスバッファエリア24bであるV族系ガスの空間構造とIII族系ガスバッファエリア23bであるIII族系ガスの空間構造とが同じになるので、V族系ガスバッファエリア24bのガスフロー及びIII族系ガスバッファエリア23bのガスフローが同じになり、これにより、V族系ガスバッファエリア24bを通してV族系ガス吐出孔H5から吐出されるV族系ガスのガスフローと、III族系ガスバッファエリア23bを通してからIII族系ガス吐出孔H3から吐出されるIII族系ガスのガスフローとが同じになる。
したがって、シャワープレート21を用いて少なくともIII族系ガスとV族系ガスとの2種類の反応ガスを成長室1内に供給する場合に、シャワープレート21のIII族系ガス吐出孔H3及びV族系ガス吐出孔H5から成長室1へ供給されるガスフローを均一化することができるMOCVD装置10を提供することができる。これにより、被成膜基板3の成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。また、成膜条件が安定するため、最適な条件での成膜が可能となるため、成膜効率も向上できる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、V族系ガスは、アンモニアを含むガスである。
これにより、III−V族の例えばナイトライド(nitride)系の結晶成長において、より、成膜厚・組成比の均一化及び成膜効率の向上が可能となる。すなわち、例えば、III−V族ナイトライド(nitride)系であるInGaNやInGaNAs等の結晶成長を行う場合では、被成膜基板3以外での反応や熱分解及び成長膜のホール発生等が生じるため、600℃以下の低温成長が行われる。この場合、600℃以下の低温では、アンモニア分子が活性化されず、N原子が成長膜にドープされ難い。
しかし、本実施の形態によれば、アンモニアを含むV族系ガスのみを800℃に加熱し、活性化したガスを成長室1に供給できる。この結果、活性化されないV族系ガスによる成膜時よりも、成膜効率が格段に向上する。さらに、所望の膜厚及び組成比を得ることが可能である。また、均一に活性化されたIII族系ガス及びV族系ガスが供給されるため、成膜厚・組成比の均一性が向上し、高品質な結晶成長が可能となる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、複数のV族系ガス吐出孔H5及び複数のIII族系ガス吐出孔H3は、シャワープレート21の周辺部21bでは中央部21aよりも各孔径が小さいことが好ましい。
これにより、シャワープレート21の周辺部に多くのV族系ガス及びIII族系ガスが吐出されることによる、被成膜基板3以外での反応や熱分解及び成長膜のホール発生等が生じるのを防止することができる。
また、本実施の形態のMOCVD装置10では、シャワープレート21には、V族系ガス吐出孔H5とIII族系ガス吐出孔H3との間に不活性ガス吐出孔が設けられていることが好ましい。
これにより、シャワープレート21におけるV族系ガス吐出孔H5及びIII族系ガス吐出孔H3の目詰まりを防止することができる。
本実施の形態の半導体レーザ素子50の製造方法は、上記記載のMOCVD装置10を用いて、半導体レーザ素子50を製造する。
したがって、シャワープレート21を用いて少なくとも2種類の反応ガスを成長室1内に供給する場合に、被成膜基板3上のガス濃度分布を均一化することができるMOCVD装置10を用いた半導体レーザ素子50の製造方法を提供することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、シャワープレート上部の空間に周辺部よりガスを導入し、シャワープレートの複数のガス吐出孔から基板表面に反応ガスを供給するシャワープレートを用いた縦型のMOCVD装置等の気相成長装置及び半導体素子の製造方法に利用できる。
本発明における気相成長装置の実施の一形態を示すものであり、シャワーヘッドの構成を示す断面図である。 上記気相成長装置の全体構成を示す概略図である。 (a)は上記シャワーヘッドにおけるシャワープレートの構成を示す平面図であり、(b)は上記シャワーヘッドにおけるシャワープレートの他の構成を示す平面図である。 上記シャワーヘッドにおけるシャワープレートのさらに他の構成を示す平面図である。 (a)〜(c)は、III族系ガス及びV族系ガスに加えて、他の原料ガス又は不活性ガスを付加供給する場合の上記シャワーヘッドにおけるシャワープレートの構成を示す平面図である。 図3(a)に示すシャワーヘッドにおけるシャワープレートの変形例の構成を示す平面図である。 上記シャワーヘッドにおけるV族系ガス供給部のV族系外環流路の構成を示す斜視図である。 上記シャワーヘッドにおけるV族系ガス供給部の他のダミー柱の構成を示す断面図である。 上記シャワーヘッドにおけるV族系ガス供給部のさらに他のダミー柱の構成を示す断面図である。 上記シャワーヘッドにおけるV族系ガス供給部のさらに他のダミー柱の構成を示す断面図である。 (a)は図5(a)に対応する上記シャワーヘッドにおけるダミー柱の構成を示す断面図であり、(b)は図5(b)に対応する上記シャワーヘッドにおけるダミー柱の構成を示す断面図である。 上記シャワーヘッドにおける第3層に不活性ガスの他ガスバッファエリアを設けた場合のダミー柱の構成を示す断面図である。 (a)〜(d)は、上記ダミー柱の平面形状を示す断面図である。 上記ダミー柱の形状を示す縦方向の断面図である。 上記気相成長装置にて製造される半導体レーザ素子の構成を示す断面図である。 従来の縦型シャワーヘッド型の気相成長装置の構成を示す断面図である。 従来の他の縦型シャワーヘッド型の気相成長装置の構成を示す断面図である。 従来のさらに他の縦型シャワーヘッド型の気相成長装置の全体構成を示す概略図である。 従来のさらに他の縦型シャワーヘッド型の気相成長装置におけるシャワーヘッドの構成を示す断面図である。
符号の説明
1 成長室
2 反応炉
3 被成膜基板
4 サセプタ
5 ヒータ
7 回転軸
10 MOCVD装置(気相成長装置)
11 ガス排出部
12 パージライン
20 シャワーヘッド
21 シャワープレート
21a 中央部
21b 周辺部
22 冷水供給部
22b 冷水系バッファエリア
23 III族系ガス供給部
23a III族系ガス外環流路
23b III族系ガスバッファエリア(第2原料ガス中間室)
23c III族系ガス供給管
24 V族系ガス供給部
24a V族系ガス外環流路
24b V族系ガスバッファエリア(第1原料ガス中間室)
24c V族系ガス供給管(第1原料ガス管)
24d 開口付き仕切り
25 温度調整機構(柱加熱手段)
25c ダミー柱(柱)
26b 他ガスバッファエリア
26c 他ガス供給管
27b 他ガスバッファエリア
41 境界板
41a 境界板
42 熱伝導が悪い部材
43 ダミー柱
44 ダミー柱
45 ダミー柱
46 ダミー柱
47 ダミー柱
48 ダミー柱
49 フィン
50 半導体レーザ素子
H 開口
H3 III族系ガス吐出孔
H5 V族系ガス吐出孔

Claims (15)

  1. 第1原料ガス及び第2原料ガスを、それぞれ独立に吐出する複数の第1原料ガス吐出孔及び複数の第2原料ガス吐出孔を配設したシャワープレートを介して被成膜基板を収容する成長室内に供給し、上記成長室内で混合して上記被成膜基板を成膜する気相成長装置において、
    シャワープレート上に、上記第2原料ガスと第1原料ガスとのそれぞれを充満させる互いに隔離された第2原料ガス中間室と第1原料ガス中間室とがこの順に積層され、
    上記第2原料ガス中間室には、上記第1原料ガス中間室から上記シャワープレートの複数の第1原料ガス吐出孔に連通する複数の第1原料ガス管が貫通して設けられていると共に、
    上記第1原料ガス中間室には、複数の柱が、上記複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に設けられていることを特徴とする気相成長装置。
  2. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱を加熱する柱加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
  3. 前記複数の柱が加熱される第1原料ガス中間室は、前記シャワープレートから最も遠い層に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の気相成長装置。
  4. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、熱伝導性材料で構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の気相成長装置。
  5. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、前記第2原料ガス中間室とは反対側が熱伝導性の良い材料で構成されていると共に、第2原料ガス中間室側が該第2原料ガス中間室とは反対側よりも熱伝導性の悪い材料で構成されていることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の気相成長装置。
  6. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、第2原料ガス中間室との境界板との間に隙間を有して設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  7. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、第2原料ガス中間室との境界板側が先細りとなっていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  8. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、前記複数の第1原料ガス吐出孔と同じ平面位置にも、第2原料ガス中間室との境界板との間に隙間を有して設けられていると共に、
    前記第2原料ガス中間室には、前記複数の第2原料ガス吐出孔と同じ平面位置に第2原料ガス中間室におけるシャワープレートとの間、又はシャワープレート側の境界板との間に隙間を有して複数の柱が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の気相成長装置。
  9. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、立設方向に垂直な断面形状が多角形となっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  10. 前記第1原料ガス中間室における複数の柱は、フィンを有していることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  11. 前記第1原料ガスは、V族系ガスであると共に、
    前記第2原料ガスは、III族系ガスであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  12. 前記V族系ガスは、アンモニアを含むガスであることを特徴とする請求項11に記載の気相成長装置。
  13. 前記複数の第1原料ガス吐出孔及び複数の第2原料ガス吐出孔は、シャワープレートの周辺部では中央部よりも各孔径が小さいことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  14. 前記シャワープレートには、第1原料ガス吐出孔と第2原料ガス吐出孔との間に不活性ガス吐出孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の気相成長装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の気相成長装置を用いて、半導体素子を製造することを特徴とする半導体素子の製造方法。
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