JP4861422B2 - 調整式後頭部プレート - Google Patents

Description

（関連出願の引用）
本出願は、米国仮特許出願第６０／７２４，９６２（２００５年１０月７日出願、Ｐｕｒｃｅｌｌ、「Ａｄｊｕｓｔａｂｌｅ Ｏｃｃｉｐｉｔａｌ Ｐｌａｔｅ」）に対する優先権を主張し、該仮出願の開示全体が参照により本明細書に引用される。

本発明は、概して外科分野に関し、より具体的には、頭蓋と脊椎との間の後頭部／頸部接合点を固定するための、後頸部棒システムと連動して使用し得る調整式後頭部プレートに関する。

後頭・頸部固定は、概して首に対する頭蓋基底部の安定化を提供する種々の技術を使用して、達成されている。融合を促進するために、例えば、自家肋骨または湾曲腸骨稜の形を成す骨支柱が、後頭部および棘突起、頸部薄片、または小関節面に固定されている。ワイヤを使用して、骨融合が発生するまで支柱を定位置に固定する。

しかし、後頭部の厚さは異なるため、後頭部は典型的に、大後頭孔の近く、項部線上、および正中線稜に沿ってなど、より大きい厚さの領域においてワイヤで結ばれる。後頭部にドリルで穴が開けられ、同様に支柱内の穴を挿通するワイヤを取設する。この技術により骨融合が発生するものの、融合前は支柱が弱い場合があり、支柱が許容し得る程度の強固な固定化を提供することが可能となるまで、ハローベストまたはその他の硬カラーなどを伴う追加整形器具が適用される。あるいは、金属支柱が使用され得る。

後頭頸部固定のその他の技術は、その他の金属移植片の使用を伴う。金属移植片の１つは、ステンレス鋼の、スタインマンピンとして知られるＵ字形装置である。ネジ込みピンは、後頭・頸部の外形に適合するように曲げられ、ワイヤを使用して後頭部および頸部の薄片または小関節面に固定される。ピンは、略対称的に脊椎の周囲に配置され、「Ｕ」の側面は、骨移植片を配置し、さらにワイヤでピンに結ぶことが可能である中央領域を作り出す。後頭部および脊椎に取り付けられると、ピンは逆Ｕ字形構成となる。Ｕ字形屈曲を定位置に固定することができるように、いくつかの穴が後頭部に形成される。

付加的な金属移植片には、溝付きまたは粗面チタン棒、Ｈａｒｔｓｈｉｌｌ長方形またはＲａｎｓｆｏｒｄループの形の平滑鋼棒、Ｃｏｔｒｅｌ−Ｄｕｂｏｕｓｓｅｔ棒ネジプレート、およびチタン枠が採用されている。

本発明の実施形態は、頭蓋と脊椎との間の後頭部／頸部接合点を固定するための調整式後頭部プレートを対象とする。本発明の一部の実施形態は、種々の構成要素を使用して、いくつかの異なる軸における一連の動きを達成する。この多様な動きは、プレートが周辺生体構造になじむことを可能にし、ならびにそれが後部棒固定システムにより容易になじむようにする。

一実施形態において、固定プレートと、固定プレートに連結されるように構成される少なくとも１つの横棒と、少なくとも１つの横棒に連結されるように構成される少なくとも１つの摺動連結器と、少なくとも１つの棒接合具を使用して、少なくとも１つの摺動連結器に連結される少なくとも１つの後頸部棒とを含む、調整式後頭部プレートが提示される。

別の実施形態では、固定プレートと、固定プレートに連結されるように構成される２つの横棒と、それぞれが２つの横棒のそれぞれに連結されるように構成される２つの摺動連結器と、２つの棒接合具を使用して、それぞれが２つの摺動連結器のそれぞれに連結される２つの後頸部棒とを含む、調整式後頭部プレートが提示される。

別の実施形態では、固定プレートおよび少なくとも１つの横棒を提供するステップと、少なくとも１つの摺動連結器を、少なくとも１つの横棒に摺動自在に連結するステップと、固定プレートを少なくとも１つの横棒に接続するステップと、少なくとも１つの棒接合具を使用して、少なくとも１つの後頸部棒を少なくとも１つの摺動連結器に連結するステップとを含む、調整式後頭部プレートを組み立てる方法が提示される。

一部の実施形態では、調整式後頭部プレートの構成要素は、最初は可変式に自由に動くことができるが、正しい配置が患者において達成されると静止位置で係止することもできる。

固定プレートは、骨ネジを取設するための１つ以上の（または複数の）開口構成を含む骨プレートであってもよい。プレートは、横棒用の取り付け点も含む。横棒は固定プレートに取り付けることができ、プレートの中間点から横方向に延在することができる。従って、棒を使用して、対応する摺動連結器による回転および移動を達成する。

摺動連結器は、横棒、棒接合具、および頸部棒の間の接合具として使用することができる。そのような連結器は、横方向に、および／または回転して自由に動くことができ、位置決めネジのトルクで圧縮され動かないように係止されることができる。

棒接合具は摺動連結器に接続することができ、座金を伴い定位置に保持することができる。そのため、棒接合具は、後頸部棒ならびに位置決めネジを取設することができる（位置決めネジは、アセンブリ全体を係止する作動機構とすることができる）。

本発明のさらなる実施形態、特徴、目的、および利点、ならびに本発明の様々な実施形態の構造および操作は、添付の図面を参照して、下記で詳しく開示する。

添付の図面を参照して本発明を説明する。図中に現れる類似参照番号は、同一の、または機能的に類似した要素を示す。また、参照番号の最左数字は、参照番号が最初に現れる図面を識別する。

そのような本発明による調整式後頭部プレートの例示的実施形態を図示する図１〜図４に示されるように、調整式後頭部プレート１００は、固定プレート１０２、横棒１０８、第１の摺動連結器１１４、第２の摺動連結器１１６、第１の横棒接合具１１８、第２の横棒接合具１２０、第１の後頸部棒１３０、および第２の後頸部棒１３２を含む。

一部の実施形態によれば、横棒１０８は、中間部分１０７、第１の端１１０、および第２の端１１２を含むことができ、中間部分１０７は第１の端１１０と第２の端１１２との間に位置する。一部の実施形態では、固定プレート１０２は中間部分１０７を組み込むこともでき、中間部分は、２つの横棒１１０、１１２に一体化するか、または連結することもできる。下記の説明では、「第１および第２の端１１０、１１２」および「第１および第２の横棒１１０、１１２」という用語は、交換可能に使用される。当業者であれば理解できるように、横棒１０８のその他の実施形態が可能である。

中間部分１０７の角度は、特定の患者に対して望まれる設定により、可変式となり得る。第１の端１１０は、摺動連結器１１４が横棒１０８から摺動して離れることを防ぐように構成される、ストッパ１１１も含むことができる。第２の端１１２は、摺動連結器１１２が横棒１０８から摺動して離れることを防ぐように構成される、ストッパ１１３も含むことができる。一部の実施形態では、固定プレート１０２は、横棒１０８の中間部分１０７に連結することができる。固定プレート１０２は、２つの端１１０および１１２に対して対称的に配置されるような方法で、中間部分１０７に連結することができる。一実施形態では、固定プレート１０２は、横棒１０８（または横棒１１０、１１２）に、接着、溶接、ネジ留め、またはその他の手段によって取り付けることが可能である。代替実施形態では、固定プレート１０２および横棒１０８は一体型構造となり得る。さらに別の代替実施形態では、固定プレート１０２および端１１０、１１２は、図１に示されるように、共に連結されて固定プレート１０２と横棒１０８の構造を形成する、別々の構造となり得る。当業者であれば理解できるように、固定プレート１０２および横棒１０８のその他の実施形態も可能である。

第１の摺動連結器１１４は、横棒１０８の第１の端１１０に固定されるように構成することができる。図４に示されるように、第１の摺動連結器１１４は、円形部分４１０によって互いに連結される、上側部分４１２および底部分４１４を含む。一実施形態では、部分４１０、４１２、４１４のそれぞれは、略均一な厚さである。当業者であれば理解できるように、厚さは可変性となり得る。

上側部分および底部分４１２、４１４は、好ましくは、図４に示されるように、互いに略平行かつ隣接する。丸い部分４１０は、第１の端１１０（図４に図示せず）を収容するように構成される中空内部４１６を含むことができる。上側部分および底部分４１２、４１４は、棒接合具１１８内に位置する位置決めネジ１２６を使用して、互いに押されて近接することが可能である。部分４１２、４１４を互いに押されると、丸い部分４１０が圧縮され、よって中空内部４１６の直径を減少させる。丸い部分４１０が圧縮されると、第１の端１１０（図４に図示せず）との摩擦適合連結を作り出す。摩擦適合は、第１の摺動連結器の移動および第１の端１１０の周りの回転運動を防ぐ。さらなる滑りを防いで付加的支持を提供するために、座金１２２を、棒接合具１１８と第１の摺動連結器１１４の上側部分４１２との間に配置することができる。

棒接合具１１８は、上側部分および底部分４１２、４１４に略平行に延在するトンネル開口４１８も含むことができる。トンネル開口４１８は、第１の後頸部棒１３０（図４に図示せず）の挿入を収容するように構成される。一実施形態では、トンネル開口４１８は、第１の棒接合具１１８および位置決めネジ１２６を通って延在することが可能である。こうして、第１の後頸部棒１３０がトンネル開口４１８を通して挿入されると、図１および図２に示されるように、棒１３０の両端は、棒接合具１１８を越えて延在することが可能である。

図３は、棒接合具１１８の外面上に位置する開口３１０を図示する、棒接合具１１８の別の側面図である。開口３１０は、後頸部棒１３０の挿入を収容する働きをする。棒１３０が開口３１０に挿入されると、トンネル開口４１８（図３に図示せず）を押通される。トンネル開口４１８を押通されると、棒１３０は、開口３１０と同様に、棒接合具１１８の外部に位置付けられて開口３１０（図１および２に示されるように）と対向する、棒接合具１１８の開口を通って突出する。図３は、部分４１２および４１４（図４）とそれぞれ同様である、摺動連結器１１４の上側部分および底部分３１２および３１４をさらに図示する。頸部棒１３０は、位置決めネジ１２６を締めることによって、摺動連結器１１４に固定することができる。一実施形態では、位置決めネジ１２６は、摺動連結器１１４を第１の端１１０に動かないように固定することができる。

第１の棒接合具１０８は、図２に示されるように、上側部分４１２に略直角である軸の周りを回転するように構成することができる。第１の棒接合具１０８を回転させることによって、第１の後頸部棒１３０の位置および方向を調整することが可能である。これにより外科医は、調整式後頭部プレート１００を特定の患者に合わせ適合させることができる。位置決めネジ１２６は、棒接合具１０８を摺動連結器１１４に動かないように固定することができる。

第１の摺動連結器１１４は、図２に示されるように、第１の端１１０の周りを回転するように構成することができる。代替実施形態では、第１の摺動連結器１１４は、同様に図２に示されるように、第１の端１１０に沿って移動するように構成することができる。第１の摺動連結器１１４は、ストッパ１１１と、固定プレート１０２が第１の端１１０に連結する点との間で、移動することができる。この種の移動は、内外方向の移動（ｍｅｄｉａｌ ｌａｔｅｒａｌ ｔｒａｎｓｌａｔｉｏｎ）と呼ぶことができる。

上記の移動および回転により、外科医は、患者の身体特性およびニーズに従って、後頭部プレートを患者に合わせて適合させることができる。

再び図１を参照して、固定プレート１０２は、ネジ１０６ａおよび１０６ｂをそれぞれ収容するように構成される、２つの開口１０４ａおよび１０４ｂを含む。ネジ１０６は、頸部ネジ、またはその他任意の種類の骨ネジまたは取付／締結の手段／装置となり得る。当業者であれば理解できるように、固定プレート１０２は、各開口１０４がネジ１０６を収容する少なくとも１つの開口１０４を含むことができる。固定プレート１０２は、ネジ１０６とともに、患者の頸部の骨への後頭部プレート１００の取り付けを可能にする。

図１および２に示されるように、後頸部棒１３０は、棒接合具取付部１４２、曲線部１４４、および伸長部１４６を含む。棒接合具取付部１４２は、棒接合具１１８に挿入されるように構成される。曲線部１４４は、特定の患者の身体特性に基づいて選択することが可能な湾曲である（但し、曲線部分は傾斜部分に代替されてもよい）。曲線部１４４は、接合具取付部１４２に連結する。伸長部１４６は、曲線部１４４に連結し、患者の頭蓋部に挿入されるように構成される。伸長部１４６は、特定患者の身体特性に基づいて選択することが可能な可変長を有することができる。当業者であれば理解できるように、第２の後頸部棒１３２に関して、同様の状況が存在する。

同様に当業者であれば理解できるように、第１の摺動連結器１１４に関する上記の説明は、第２の摺動連結器１１６に同等に適用できる。

図６は、図１〜図４に図示される調整式後頭部プレート１００の一部の拡大斜視図である。図示されるように、プレート１００は、固定プレート１０２、棒１１０、１１２、摺動連結器１１４、１１６、棒接合具１１８、１２０、位置決めネジ１２６、１２８、および頸部棒１３０、１３２を含む。図１〜図４に関して上述したように、調整式後頭部プレート１００は、少なくとも１つの頸部棒１３０（または１３２）を固定することによって、患者の首および頭蓋の部分を接続するように構成される。

調整式後頭部プレートの別の実施形態を、図７〜図１０に図示する。図示されるように、調整式後頭部プレート７００は、固定プレート７０２、横棒７１０、７１２、第１の摺動連結器７１４、第２の摺動連結器７１６、第１の横棒接合具７１８、第２の横棒接合具７２０、第１の後頸部棒７３０、および第２の後頸部棒７３２を含む。固定プレート７０２は、第１の横棒７１０および第２の横棒７１２が連結される中間部分７０７を含む。固定プレート７００が組み立てられると、中間部分７０７は、第１の横棒７１０と第２の横棒７１２との間に位置する。図１０は、骨移植片と組み合わせた調整式後頭部プレートを図示する。

固定プレート７０２は、棒７１０、７１２と一体となり得る（例えば、単一構造）か、または、溶接、接着、はんだ付け、係止機構などの手段によって棒に取り付けることができる。中間部分７０７の角度は、特定の患者に対して望まれる設定によって、可変式となり得る。第１の棒７１０は、摺動連結器７１４が棒７１０から摺動して離れることを防ぐように構成されるストッパ７１１も含むことができる。第２の棒７１２は、摺動連結器７１６が棒７１２から摺動して離れることを防ぐように構成されるストッパ７１３も含むことができる。固定プレート７０２は、２つの棒７１０および７１２に対して対称的に配置することが可能である。

第１の摺動連結器７１４は、図４に示されるものと同様の方法で、第１の棒７１０に固定されるように構成することができる。図８に示されるように、第１の摺動連結器７１４は、上側部分７４７および底部分７４５を含む。上側部分および底部分７４７、７４５は互いに略平行であり、曲線部分７４８を使用して互いに取り付けることができる。曲線部分７４８は、位置決めネジ７２６および７２８を通して締める前は、第１の棒７１０の直径と略同等であるか、またはやや大きい（または、場合によっては小さい）直径を有する。こうして、曲線部分７４８は、第１の棒７１０の上に配置することが可能であり、それによって、摺動連結器７１４が第１の棒７１０に固定されていない場合には、第１の棒７１０に沿った摺動連結器７１４の移動および回転運動を可能にする（図１〜図４で論じられるように）。

さらに、上側部分および底部分７４７、７４５は、開口７５３、７５１をそれぞれ含む。開口７５３および７５１は、第１の棒接合具７１８の配置を可能にするように構成することができる。開口７５３、７５１は円形とすることができるが、当業者であれば理解できるように、これらの開口はその他任意の形状を有することが可能である。

第１の接合具７１８は、上側部分７６１および基底部分７６２を含み、基底部分７６２は、上側部分７６１よりも直径が大きい。上側部分および基底部分は円形とすることができるが、当業者であれば理解できるように、これらの部分はその他任意の形状を有することが可能である。さらに、上側部分７６１は、後頸部棒７３０の直径と略同等であるか、またはやや大きい幅を有するように構成されるチャネル７６４を含む。こうして、頸部棒７３０は、第１の棒接合具７１８によって収容することが可能である。チャネル７６４は、好ましくは、位置決めネジ７２６の高さおよび後頸部棒７３０の直径の組み合わせと略同等であるか、またはやや大きい深さを有するように構成される。これにより、後頸部棒７３０がチャネル７６４に配置されると、位置決めネジ７２６が後頸部棒７３０を固定することができる。

さらに、チャネル７６４は、その内壁にネジ切り７４１を有するように構成することができる。位置決めネジ７２６は、ネジ切り７４３を有するように構成される。ネジ切り７４１およびネジ切り７４３は、位置決めネジ７２６がチャネル７６４に挿入されて頸部棒７３０を固定するときに、互いに相互作用するように構成される。

頸部棒７３０を固定するために、棒接合具７１８の上側部分７６１は、第１の摺動連結器７１４の底部分７４５の開口７５１を通してまず挿入され、そして上側部分７６１は、第１の摺動連結器７１４の上側部分７４７の開口７５３を通して挿入される。上側部分７６１は、基底部分７６２が摺動連結器７１４の底部分７４５と接触するまで、挿入される。このことが生じると、基底部分７６２は、開口７５１、７５３を通るさらなる動きを防ぐ。図９は、摺動連結器７１４、７１６の開口７５１および７５３を通して配置される棒接合具７１８、７２０を図示する、調整式後頭部プレート７００の一部の斜視図である。

次いで、頸部棒７３０はチャネル７６４の内側に配置され、位置決めネジ７２６はチャネル７６４のネジ山７４１に沿って螺入され、頸部棒７３０を固定することができる。ネジ山７４１に沿って位置決めネジ７２６を前進させることによって、上側部分および底部分７４７、７４５は互いに付勢される（つまり、基底部分７６２および頸部棒７３０が接合する）。部分７４７、７４５が互いに付勢されると、摺動連結器７１４の曲線部分７４８は横棒７０８を掴持し、摺動連結器７１４を横棒７０８に固定する（または、摩擦適合する）。

当業者であれば理解できるように、第１の摺動連結器７１４、第１の棒接合具７１８、第１の位置決めネジ７２６、および第１の後頸部棒７３０の上記の説明は、第２の摺動連結器７１６、第２の棒接合具７２０、第２の位置決めネジ７２８、および第２の後頸部棒７３２にも適用できる。図７は、摺動連結器７１４、７１６にそれぞれ固定されている棒７３０、７３２を伴う調整式後頭部プレート７００を図示する。当業者であればさらに理解できるように、調整式後頭部プレート７００に固定される任意の数の後頸部棒が存在し得る。

頸部棒７３０を固定する前に、外科医（またはその他任意の資格のあるユーザ）は、摺動連結器７１４の位置および方向ならびに頸部棒７３０の位置および方向を調整することができる。図２に関して上述したように、摺動連結器７１４、７１６は、好ましくは、横棒７１０、７１２それぞれの周りを回転し、ならびに（好ましくは）横棒７１０、７１２に沿って移動するように構成される。後頸部棒７３０、７３２は、摺動連結器７１４、７１６の上面に略直角である軸の周りを回転するように構成することもできる。頸部棒７３０、７３２は、棒接合部７１８、７２０それぞれのチャネル７６４に沿って移動するように構成することもできる。上記の移動および回転により、外科医は、患者に身体特性およびニーズに従って、後頭部プレートを患者に合わせて適合することができる。

再び図７を参照して、固定プレート７０２は、３つの開口７０４（ａ、ｂ、ｃ）を含む。開口７０４（ａ、ｂ、ｃ）は、頸部ネジ、またはその他任意の種類のネジまたは取付／締結装置を収容するように構成される（図１参照）。当業者であれば理解できるように、固定プレート７０２は、各開口７０４がネジを収容する少なくとも１つの開口７０４を含むことができる。固定プレート７０２は、ネジとともに、患者の頸部の骨への後頭部プレート７００の取り付けを可能にする。

後頸部棒７３０、７３２の構造は、上述の図１〜図２の頸部棒１３０、１３２の構造と同様であってもよい。

図１〜図４に示される後頭部プレート１００を組み立てて調整し、ならびに患者の頭蓋および脊椎を接続する目的でそれを取り付けるために使用することができる例示的方法５００の実施形態は、図５に図示される。同様に当業者であれば理解できるように、方法５００は、図７〜図１０に関して上述される調整式後頭部プレート７００に同等に適用できる。

それに応じて、ステップ５０２で、外科医（またはその他任意の資格のあるユーザ）は患者を診察して、患者の身体的特性を判断する。そのような特性に基づいて、ステップ５０６に解説されるように、外科医は、長さ、幅、および厚さがあり、少なくとも１つのネジ１０６の挿入用の少なくとも１つの開口１０４を含む、固定プレート１０２を選択する。そして外科医は、第１の端１１０、第２の端１１２を選び、それらを固定プレート１０２に連結する。あるいは、外科医は、横棒１０８を選んで、棒を固定プレート１０２に連結してもよい。

ステップ５０４に示されるように、端が固定プレート１０２に連結される前に、第１および第２の摺動連結器１１４、１１６は、第１および第２の端１１０、１１２に摺動自在に連結されるように構成することができる。

ステップ５０８〜５１４は後頭部プレート１００の調整を解説し、当業者であれば理解できるように、任意の順序で行うことが可能である。ステップ５０８−５１４を参照して、摺動連結器を伴う端が固定プレート１０２に連結されると、外科医は、各端に沿って移動させることによって、摺動連結器の位置を調整することができる。外科医は、端の周りでそれらを回転させることによって、連結器の方向角を調整することもできる。

そして外科医は、後頸部棒１３０および１３２を、摺動連結器１１４、１１６上の各棒接合具に挿入することができる。摺動連結器を端１１０、１１２に取り付ける前に、棒１３０、１３２を棒接合具に挿入することができる。あるいは、棒１３０、１３２は、摺動連結器の調整前に、棒接合具に挿入することができる。当業者であれば理解できるように、棒１３０、１３２（一方または両方）の挿入は、随時行うことができる。

そして棒１３０、１３２は、各摺動連結器の表面に略直角である軸の周りで回転することができる。棒が特定位置に設定されると、棒は各位置決めネジ１２６、１２８を使用して、摺動連結器に固定することができる。一実施形態では、位置決めネジ１２６、１２８は、締め付け工具（レンチ、スクリュードライバ、六角レンチ、および同類のもの）を使用して締めることができる。また、締め付けによって、摺動連結器１１４、１１６も各端１１０、１１２に固定される。

当業者であれば理解できるように、摺動連結器（頸部棒を含む）の調整は、固定プレート１０２が患者の脊椎に連結されている場合に、行うことができる。よって、外科医は、後頭部プレート１００を患者の脊椎に取り付け、そしてプレート１００の様々な構成要素を回転および移動させ、その後、それらを静止構成に係止することが可能である。よって、取り付けの前に、後頭部プレート１００は、その様々な軸の周りに種々の動きがあってもよいが、取り付けられると、静止した動かない位置に固定されることができる。あるいは、ステップ５１６に解説されるように、後頭部プレート１００は、患者の体外で調整し、静止構成に係止することができる。別の代替実施形態では、後頭部プレート１００は、部分的に固定し、そして患者に取り付け、静止構成に係止することができる。

当業者であれば理解できるように、後頭部プレート１００を調整し取り付けるその他の考えられる方法が可能である。さらに、後頭部プレート１００の静止構成とは、その動的構成、つまり、いずれの構成要素も固定されていない場合よりも少ない動き（例えば、プレート１００の少なくとも１つの構成要素の移動および回転）を可能にし得る構成である。

再び図７を参照して、中間部分７０７に取り付けられている骨移植片１００１を伴う調整式後頭部プレート７００が図示される。中間部分７０７は、成形された縁１００４を有する成形された拡張または突起１００３を含むことができる。一実施形態では、成形された拡張１００３は、骨移植片１００１を調整式後頭部プレート１００１にうまく固定するように構成され得、移植片格納機構と呼ぶことができる。骨移植片１００１を使用して、後頭部と頸部の薄片間にブリッジを作製することによって、後頭部頸部接合点における融合を促進することができる。

骨移植片１００１は、図１１〜図１２でさらに図示される。一実施形態では、骨移植片１００１は、様々な形状および縁を有する多外形とし、後頭部頸部接合点における融合をさらに促進し得る。図示されるように、骨移植片１００１はさらに、Ｃ２薄片外形１１０２（図１２に薄片外形１２０６として示される）、プレート接触域１２０２（図１２に示される）、および後頭部接触域１２０４（図１２に示される）を含むように構成される。薄片外形１１０２（または１２０６）または移植片の遠位端は、頸椎（例えば、薄片、小関節面、棘突起）の後部要素になじむように、あらかじめ成形され得る。プレート接触域１２０２および後頭部接触域１２０４は、調整式後頭部プレート７００および後頭部にそれぞれなじむように、あらかじめ成形される。一実施形態では、骨移植片１００１は、ポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）、同種移植組織、チタンなどの、任意の生体適合性材料から製造することができる。当業者であれば理解できるように、骨移植片１００１は、任意の形状、サイズ、長さ、幅、厚さ、高さ、構造、またはその他任意のパラメータを有することができる。

本発明の方法および構成要素の例示的実施形態を、本書で説明した。別掲のとおり、これらの例示的実施形態は、解説の目的のみで記述されており、限定するものではない。その他の実施形態が可能であり、本発明の対象となる。そのような実施形態は、本書に含まれる教示に基づき当業者であれば、明白であろう。よって、本発明の範囲は、上記の例示的実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記の請求項およびその均等物に従ってのみ、定義されるべきである。

図１は、本発明による、調整式後頭部プレートの例示的実施形態を図示する。 図２は、本発明による、調整式後頭部プレートの別の例示的実施形態を図示する。 図３は、本発明による、例示的棒接合具付きの摺動連結器の側面図を示す。 図４は、本発明による、例示的棒接合具付きの摺動連結器の別の側面図を示す。 図５は、本発明による、調整式後頭部プレートを組み立てて取り付ける例示的方法を図示する、フローチャートである。 図６は、図１に図示される例示的な調整式後頭部プレートの拡大斜視図である。 図７は、本発明による、例示的な調整式後頭部プレートの別の実施形態の斜視図である。 図８は、図７に図示される例示的な調整式後頭部プレートの実施形態の分解図である。 図９は、図７に図示される例示的な調整式後頭部プレートの一部の拡大斜視図である。 図１０は、骨移植片部分を含む、図７に図示される例示的な調整式後頭部プレートの一部の拡大斜視図である。 図１１は、図７に図示される調整式後頭部プレートとともに使用することが可能な骨移植片の斜視断面図である。 図１２は、図１１に示される骨移植片の別の斜視断面図である。

Claims (45)

1. 固定プレートと、
   該固定プレートに連結されるように構成される少なくとも１つの横棒と、
   該少なくとも１つの横棒に連結されるように構成される少なくとも１つの摺動連結器と、
   少なくとも１つの棒接合具を使用して、該少なくとも１つの摺動連結器に連結されるように構成される少なくとも１つの後頸部棒と
   を備える、調整式後頭部プレート。
2. 少なくとも１つの位置決めネジと少なくとも１つの座金とをさらに備え、
   該少なくとも１つの位置決めネジと該少なくとも１つの座金とは、前記少なくとも１つの後頸部棒と、前記少なくとも１つの摺動連結器と、前記少なくとも１つの棒接合具とに連結されるように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
3. 前記固定プレートは、２つの横棒に連結されるように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
4. 第１の摺動連結器と、第２の摺動連結器とをさらに備える、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
5. 前記第１の摺動連結器に連結されるように構成される第１の棒接合具と、
   前記第２の摺動連結器に連結されるように構成される第２の棒接合具と
   をさらに備える、請求項４に記載の調整式後頭部プレート。
6. 前記第１の棒接合具に連結されるように構成される第１の後頸部棒と、
   前記第２の棒接合具に連結されるように構成される第２の後頸部棒と
   をさらに備える、請求項５に記載の調整式後頭部プレート。
7. 前記固定プレートは、前記第１の摺動連結器と前記第２の摺動連結器との間で連結されるように構成される、請求項４に記載の調整式後頭部プレート。
8. 前記固定プレートは２つの横棒に連結され、該固定プレートと該２つの横棒との組み合わせは湾曲を形成するように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
9. 前記少なくとも１つの摺動連結器は、前記少なくとも１つの横棒に沿って移動するように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
10. 前記移動は、内外方向の移動である、請求項９に記載の調整式後頭部プレート。
11. 前記少なくとも１つの摺動連結器は、前記少なくとも１つの横棒の周りを回転するように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
12. 前記少なくとも１つの棒接合具は、前記少なくとも１つの摺動連結器に略直角である軸の周りを回転するように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
13. 前記固定プレートは、ネジを取設するための少なくとも１つの開口を含むように構成される、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
14. 前記固定プレートは、ネジを取設するための２つの開口を含むように構成される、請求項１３に記載の調整式後頭部プレート。
15. 前記固定プレートは、ネジを取設するための３つの開口を含むように構成される、請求項１３に記載の調整式後頭部プレート。
16. 移植片格納部材をさらに備える、請求項１に記載の調整式後頭部プレート。
17. 前記移植片格納部材は、骨移植片を前記調整式後頭部プレートに固定するように構成される、請求項１６に記載の調整式後頭部プレート。
18. 骨移植片をさらに備える、請求項１６に記載の調整式後頭部プレート。
19. 前記骨移植片は、ＰＥＥＫ、同種移植組織、およびチタニウムから成る群より選択される、請求項１８に記載の調整式後頭部プレート。
20. 骨移植片をさらに備え、該骨移植片の遠位端は、頸椎の１つ以上の後部要素に対応するように構成され、該骨移植片の近位端は、前記骨格納部材の一部および後頭部のうちの少なくとも１つに対応するように構成される、請求項１６に記載の調整式後頭部プレート。
21. 固定プレートと、
    該固定プレートに連結されるように構成される２つの横棒と、
    ２つの摺動連結器であって、それぞれが該２つの横棒のそれぞれに連結されるように構成される、２つの摺動連結器と、
    ２つの後頸部棒であって、それぞれが２つの棒接合具を使用して該２つの摺動連結器のそれぞれに連結されるように構成される、２つの後頸部棒と
    を備える、調整式後頭部プレート。
22. ２つの位置決めネジと２つの座金とをさらに備え、
    該２つの位置決めネジと該２つの座金とは、前記２つの後頸部棒と、前記２つの摺動連結器と、前記２つの棒接合具とに連結されるように構成される、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
23. 第１の摺動連結器と、第２の摺動連結器とをさらに備える、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
24. 前記第１の摺動連結器に連結されるように構成される第１の棒接合具と、
    前記第２の摺動連結器に連結されるように構成される第２の棒接合具と
    をさらに備える、請求項２３に記載の調整式後頭部プレート。
25. 前記第１の棒接合具に連結されるように構成される第１の後頸部棒と、
    前記第２の棒接合具に連結されるように構成される第２の後頸部棒と
    をさらに備える、請求項２４に記載の調整式後頭部プレート。
26. 前記固定プレートは、前記第１の摺動連結器と前記第２の摺動連結器との間で連結されるように構成される、請求項２３に記載の調整式後頭部プレート。
27. 前記固定プレートは湾曲をさらに含む、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
28. 前記２つの摺動連結器のそれぞれは、前記２つの横棒のそれぞれに沿って移動するように構成される、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
29. 前記移動は、内外方向の移動である、請求項２８に記載の調整式後頭部プレート。
30. 前記２つの摺動連結器のそれぞれは、前記２つの横棒のそれぞれの周りを回転するように構成される、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
31. 前記２つの棒接合具のそれぞれは、前記２つの摺動連結器のそれぞれに略直角である軸の周りを回転するように構成される、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
32. 前記固定プレートは、ネジを取設するための少なくとも１つの開口を含むように構成される、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
33. 前記固定プレートは、ネジを取設するための２つの開口を含むように構成される、請求項３２に記載の調整式後頭部プレート。
34. 前記固定プレートは、ネジを取設するための３つの開口を含むように構成される、請求項３２に記載の調整式後頭部プレート。
35. 移植片格納部材をさらに備える、請求項２１に記載の調整式後頭部プレート。
36. 骨移植片をさらに備え、該移植片格納部材は、該骨移植片を前記調整式後頭部プレートに固定するように構成される、請求項３５に記載の調整式後頭部プレート。
37. 前記骨移植片は、生体適合性材料から製造される、請求項３６に記載の調整式後頭部プレート。
38. 前記骨移植片の遠位端は、頸椎の１つ以上の後部要素に対応するように構成され、該骨移植片の近位端は、前記骨格納部材の一部および後頭部のうちの少なくとも１つに対応するように構成される、請求項３６に記載の調整式後頭部プレート。
39. 固定プレートおよび少なくとも１つの横棒を提供するステップと、
    少なくとも１つの摺動連結器を、該少なくとも１つの横棒に摺動自在に連結するステップと、
    該固定プレートおよび該少なくとも１つの横棒を接続するステップと、
    少なくとも１つの棒接合具を使用して、少なくとも１つの後頸部棒を該少なくとも１つの摺動連結器に連結するステップと
    を含む、調整式後頭部プレートを組み立てる方法。
40. 前記少なくとも１つの摺動連結器を、前記少なくとも１つの横棒に沿って移動させるステップをさらに含む、請求項３９に記載の方法。
41. 前記少なくとも１つの摺動連結器を、前記少なくとも１つの横棒の周りで回転させるステップをさらに含む、請求項３９に記載の方法。
42. 前記少なくとも１つの棒接合具および前記少なくとも１つの後頸部棒を、前記少なくとも１つの摺動連結器に略直角である軸の周りで回転させるステップをさらに含む、請求項３９に記載の方法。
43. 前記少なくとも１つの摺動連結器を、前記少なくとも１つの横棒に固定するステップをさらに含む、請求項３９に記載の方法。
44. 前記少なくとも１つの後頸部棒を、前記少なくとも１つの摺動連結器に固定するステップをさらに含む、請求項３９に記載の方法。
45. 骨移植片を前記調整式後頭部プレートに接続するステップさらに含む、請求項３９に記載の方法。

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