JP4861178B2 - 生体適合性および生物学的安定性を有する医療用品表面コーティング - Google Patents

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Description

本発明は、ポリスルホンおよび/またはポリスルホン誘導体、またはそれぞれの共重合体の、生体適合性および生物学的に安定なコーティングを有する医療用品表面に関する。このポリスルホンは、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を含み、および/またはこれらの薬剤によって被覆されている。本発明は、これらの表面の製造方法およびそれらの長期間にわたる植え込み物の形での使用、特に、再狭窄を防止するためのステントに関する。
近年、閉塞された血管のバルーン拡張において、ステントの植え込みがますます増加している。ステントは、血管閉塞の再発の危険を減少させるが、ステントは、現在まで完全にこのような再狭窄を防止することができない。
再狭窄という用語の正確な説明は、技術文献では見つけられない。一番よく用いられる再狭窄の形態学的な定義は、PTCA(経皮的経管的冠動脈形成)成功後、血管の直径が通常の50%未満に減少することを再狭窄とする定義である。これは、経験的に決められた値であり、その値の血行力学の関連および臨床病理学の関係は、安定的な科学的根拠に欠ける。実際、患者の臨床的な悪化は、以前に治療した血管部分の再狭窄の徴候であるとしばしば考えられている。
ステントによって引き起こされる再狭窄についての3つの異なる理由がある:
(a)植え込み後初めて、ステント表面が直接血液に曝され、現存する外来の表面のために、急性の血栓症が生じ得、そして再び血管を閉塞する。
(b)ステントの植え込みが血管損傷を引き起こし、血管損傷がまた炎症反応(上記の血栓症に加えて)を引き起こし、最初の7日間、回復プロセスに対して決定的な役割をはたす。ここで生じるプロセスが、増殖因子の放出にとりわけ関係し、それにより平滑筋細胞の増殖の増大が始まり、制御されない成長のために急速に血管閉塞の再発が生じる。
(c)数週間後、ステントは、血管の組織中に成長し始める。これは、ステントが平滑筋細胞によって完全に包み込まれ、そして血液に接触しないことを意味する。この瘢痕化は、非常に顕著であり得(新内膜増殖)、そしてステントの表面が被覆されるというだけでなく、ステントのすべての内部空間を閉塞させるという事実に導かれ得る。
ステントをヘパリンでコーティングすることによって再狭窄の問題を解決しようと試みたが失敗に終わった(J.Whorleら、European Heart Journal(2001)22、1808−1816)。しかし、ヘパリンは第1の理由のみで血液凝固阻止薬であると位置づけられ、さらに溶液中においてのみ、その総合的な効果を発揮し得る。この最初の問題は、血液凝固阻止薬の投与による医療処置によって、同時にほとんど完全に回避され得る。現在、第2および第3の問題が、ステントでの平滑筋細胞の増殖を局所的に阻害することによって解決しようとされている。これについては、例えば、放射性のステントまたは薬学的に活性な薬剤を含むステントが試みられている。
例えば、US−A−5 891 108は、中空成形されたステントを開示しており、その内部に薬学的に活性な薬剤を含み、この薬剤はステントの多くの開口部を通じて放出される。一方、EP−A−1 127 582は、表面に深さ0.1〜1mmおよび長さ7〜15mmの溝を示すステントを記載し、この溝は、活性な薬剤を保持するのに適している。これらの活性な薬剤の貯蔵部は、中空成形ステントの開口部に匹敵する程度に、その中に含まれる薬学的に活性な薬剤を、高濃度でそして比較的長期間にわたり正確に放出する。しかし、それは、平滑筋細胞は、ステントを取り囲む可能性がもはやない、あるいは非常にゆっくりとした方式でしかステントを取り囲む可能性がないという事実につながる。したがって、ステントは、より長く血液に曝され、そのことにより血栓症によって引き起こされる血管閉塞が多くなるということにつながる(Liistro F., Colombo A., Late acute thrombosis after Paclitaxel eluting stent implantation. Heart(2001)86, 262-4)。
この問題を解決するための1つの方法は、生体適合性を有するホスホリルコリンのコーティングであって(WO0101957)、それによってホスホリルコリン(赤血球細胞膜の成分である)は、ステントに付着する非生分解性重合体層の成分として、非血栓形成性の表面を作り出すために予定されている。それによって、活性な薬剤は、分子量に依存して、重合体を含んでいるホスホリルコリン層によって吸収されまたはその表面に吸着される。
本発明の目的は、血液適合性の表面を有する医療用製品およびこの血液適合性の表面を有する医療用製品の製造方法を提供することにある。
特に、医療用製品の血液適合性の表面は、医療用製品の血管壁中への継続的な、および制御された内部成長を許容する。
この目的は、本発明の独立請求項の技術的な教示により解決される。さらに、本発明の好都合な設計は、従属請求項、明細書、図面、および実施例から得られる。
本発明は、医療用製品に関し、該製品の表面は、少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層で、少なくとも部分的にコーティングされている。
驚くことに、永久的に血液と接触する医療表面のコーティングであって、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、および/またはポリフェニルスルホンおよびその誘導体でのコーティングが、活性な薬剤に対して非常に適切な生体適合性を有する基質となり得ることを見出した。生体適合性を有する親水性重合体と混合すること、あるいは相反する特性(すなわち、親油性部分および親水性部分)を有するポリスルホンを使用することによって、ポリスルホンマトリックスの細孔の大きさが変化され得、そのことにより使用される活性な薬剤、適用量、および所望の放出速度について複数の可能性が達成され得る。特に、少なくとも1つの活性な薬剤の溶出速度は、生物学的に安定な層の細孔の大きさによって調節され得る。同様に、細孔の大きさは、用いられる親水性重合体のタイプおよび量、またはポリスルホンまたはポリスルホン混合物中の親油性基および疎油性基のそれぞれの量によって決定される。添加される親水性重合体の影響に加えて、コーティング溶液に少量の水(またはさらに酢酸エチル)を添加することは、コーティングされた植え込み物(それには活性な薬剤が負荷されている)の将来の特性に影響を与える。薬剤負荷の分布の設定、放出特性の設定(時間および活性な薬剤の溶出量の関数として)、およびコーティング溶液の噴霧特性は、噴霧溶液中への水(またはさらに酢酸エチルまたはその他の以下に記載される添加剤)の規定された添加によって決定的に影響される。
スプレーコーティングのためにキャリアガスとして窒素を使用することは、活性な薬剤を含む重合体層に窒素を負荷することとなり、窒素は層に残存し、そして保護ガスとしての窒素の能力のおかげで、活性な薬剤を完全なままここに供給することに有利であることが見出された。それにより、活性な薬剤の保存期間は、薬剤が変質せずに有効なままの形で永久的に保証される。
新規な(例えば、ポリスルホンブロック共重合体としてまたは統計学的分布において新規な)ポリスルホン共重合体の調製のように高分子類似反応によってポリスルホン骨格を改変することは、得られる重合体の物理的挙動に影響を与え、それによって重合体の特性が、制御され得、それは非改変重合体と組み合わせて適用するかまたは新規の血液適合性のコーティング材料として個々に適用できる。したがって、カルボキシル基を含むポリエーテルスルホンは、ポリスルホン共重合体と4,4’−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン酸(BPA)との反応によって調製され得、これにより重合体の明らかな親水性が得られる。親水性ポリスルホンの特性は、すでに上述したように、非改変ポリスルホンに対する親水性重合体添加物としても用いられ得る。改変の程度の設定によって、親水性の程度は影響され、鎖ごとに非改変領域および改変領域を含み、そしてそれ自体に疎水性および親水性特性を兼ね備えた重合体分子が生じ、このことはまた鎖部分の改変された間隔的な配列、いわゆる二次構造を重合体に与える。したがって、コーティングのためにポリスルホンを使用することが好ましく、そしてこのポリスルホンは、親水性領域および疎水性領域を有する。そのようなポリスルホンは、重合体自体が疎水性である場合には、重合後に高分子類似反応により親水性の側鎖または親水性官能基をポリスルホンに与えることによって調製され得、あるいは逆に、親水性ポリスルホンに疎水性側鎖または疎水性官能基を与えることによって調製され得る。この好ましい実施態様では、親水性および疎水性の特性は、一般的には、高分子類似反応が統計学的な分布で進行するのにつれ統計学的分布で1つの重合体分子内に結合される。さらに、このような親水性ポリスルホンと疎水性ポリスルホンとのシステムは、少なくとも1つの親水性単量体および少なくとも1つの疎水性単量体の統計学的な重合によって調製され得る。それにより、構造は、高分子類似反応による続く改変の上述の実施態様とよく似た結果となる。第3の実施態様は、少なくとも1つの親水性スルホンブロック重合体と少なくとも1つの疎水性スルホンブロック重合体のブロック共重合でなり、これにより個々のブロックに親水性および疎水性特性をそれぞれ配置するポリスルホンが得られる。もう1つの改変は、少なくとも1つの親水性単量体を、少なくとも1つの疎水性単量体で交互共重合させて変換することでなる。これによって、得られるポリスルホンにおいて、親水性および疎水性の特性は、ポリマー鎖に交互に分配される。さらに、少なくとも1つの親水性ポリスルホンと少なくとも1つの疎水性ポリスルホンとの混合物が、本発明のコーティングに適用され得る。ここでは、親水性および疎水性の特性は、1つの重合体分子に組み込まれていないが、コーティングにおいて再び見出され、そして上述の実施態様と同様の効果を生じる。
ポリスルホンの調製においては、当業者に知られているいずれの重合反応も適しており、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、または熱重合が適している。上述のポリスルホンの例およびその調製の可能性を以下に述べる。
さらに、導入された官能基、例えばカルボキシル基の誘導化の可能性がある(Macrom. Chem. Phys. 1994, 195, 1709)。したがって、活性な薬剤の疎水性は、用いられる重合体の疎水性の性質を越えるレベルに、例えばフッ素化化合物の導入によって、容易に増強され得る(Coll. Polym. Sci. 2001, 279, 727)。官能基の導入によって、グラフト共重合体は調製され得、その重合体では側鎖は、主鎖と別の構造単位でなる。この目的のために、生体適合性であり、生物学的に安定な、そして生分解性の重合体が用いられ得る。
官能基はまた、活性な薬剤の加水分解に不安定である結合に対しても用いられ得る。したがって、活性な薬剤は、加水分解によってもまた制御される形式で放出され、そしてそれは、結合のタイプ(チオエステル結合、エステル結合)に依存する。ここで、利点は、以下の方法で活性な薬剤の溶出の制御が可能なことである。すなわち、放出曲線がもう1つの軌跡をたどり、そして、時間に依存する活性な薬剤の濃度に関する種々の要求を有する、疾病の多くの異なる推移に対する適応が、植え込み物で達成され得るということである。1つのバリエーションは、脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、および/またはN−カルボキシメチル化および/または部分的にN−アセチル化されたキトサンのポリマー鎖への共有結合でなり、それにより、重合体の血液適合性が抗血栓性の化合物によって改良される。
その組成についておよび添加剤の違いにおいて変更し得る重合体の少なくとも2層の構造の可能性のため、適用される活性な薬剤および濃度について、層に依存した区別が行われ得る。この適応性により、ポリスルホンマトリックスが、再狭窄を防止するための普遍的に適用できる生物学的に安定なコーティング材料として区別される。
細孔の大きさ、したがって、ポリスルホンマトリックス中の活性な薬剤の量を設定するために、親水性重合体だけではなく無機塩類および水でさえもが、添加剤として用いられ得る。一方、細孔の大きさは、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤の放出速度および決定された態様での活性な薬剤の量を制御する。これらは、ポリスルホンコーティングに組み込まれるか、あるいはそれぞれポリスルホンコーティングに付着している。ポリスルホンの細孔は、活性な薬剤の貯蔵部として役に立つためである。
これらの添加剤を適用したポリスルホンマトリックスの細孔の形成のために、異なった方法が行われ得、またはそれぞれが行われなければならない。
原則として、細孔の形成は、マトリックスを構築するポリスルホンと共に、添加剤が適切な方法によって、コーティングされる医療用製品に付着されるような方法で行われる。ここで、添加剤のポリスルホンにおける均一な区画は、それらの大きさで制御され得、適用される添加剤の親水性の違いおよびマトリックスを構築するポリスルホンの親水性の違いに依存して形成される。ポリスルホンマトリクスの単位容量あたりのこれらの均一な区画の数は、添加された添加剤の量(%)によって制御され得る。
添加剤としては、詳細にはアミノ酸、ポリアミノ酸、親水性重合体、糖質、オリゴ糖類、多糖類、オリゴペプチド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、グリセリン、ポリエーテル、グリコール、無機塩類、および水が用いられ得る。
アミノ酸の場合、遺伝子学的にコードされた酸性アミノ酸であるアスパラギン酸およびグルタミン酸;中性アミノ酸であるアラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリン;塩基性アミノ酸であるアルギニン、ヒスチジン、およびリシン;および遺伝子学的にコードされていないアミノ酸であるオルニチンおよびタウリンが好ましい。特に、これらのアミノ酸を代表するL型が好ましい。さらに、これらアミノ酸を代表するD型、ならびに1種のアミノ酸のD,L型混合物および複数のアミノ酸のD,L型混合物が好ましい。
ポリアミノ酸の場合、アミノ酸であるポリ−L−アスパラギン酸、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ−L−アラニン、ポリ−L−アスパラギン、ポリ−L−システイン、ポリ−L−グルタミン、ポリ−L−グリシン、ポリ−L−イソロイシン、ポリ−L−ロイシン、ポリ−L−メチオニン、ポリ−L−フェニルアラニン、ポリ−L−プロリン、ポリ−L−セリン、ポリ−L−スレオニン、ポリ−L−トリプトファン、ポリ−L−チロシン、ポリ−L−バリン、ポリ−L−アルギニン、ポリ−L−ヒスチジン、ポリ−L−リシン、ならびにポリオルニチンおよびポリタウリンが好ましい。さらに、これらポリアミノ酸を代表するD型、ならびに1種のポリアミノ酸のD,L型混合物および数種のポリアミノ酸のD,L型混合物が適している。
親水性重合体の場合、球状分子、例えば有機ナノ粒子、星型重合体、デンドリマー、および/または高分岐重合体が好ましい。
無機塩類の場合、陽イオンであるナトリウム、カルシウム、カリウム、および/またはマグネシウムの炭酸塩、塩素酸塩、リン酸塩、および硫酸塩が好ましい。
細孔構造の形成のために、これらの区画は、次いでポリスルホンマトリックスから除去される。残っているものは、所定の細孔度を有する三次元構造であり、次いで、それは活性な薬剤で満たされ得る。
以下、細孔構造の形成のための3つの好ましいシステムを、添加剤の分類である重合体、無機塩類、および水に基づいて簡潔に説明する。
(システム1:重合体)
重合体の添加剤としては、例えば、熱に不安定なトリアゼン基を主鎖に有する特定の高分岐ポリエステルが用いられる。分子的に分散された高分岐重合体がポリスルホンマトリックスに組み込まれる。次いで、系の熱処理により、高分岐の細孔形成物は、対応するナノ細孔重合体層の形成の下で、揮発性の分解生成物に分解される。ポリスルホンは、特に温度安定性および高次元安定性によってそれら自身を区別し、それによって、この方法はすべての手段により適用可能である。さらに、この熱処理は、殺菌工程と併用して行われ得るため、このような熱処理は効果的な方法である。
(システム2:無機塩類)
無機塩類添加剤としては、例えば、生理学的に無害な化合物である炭酸カルシウムが適用される。ポリスルホンマトリックスは、ダブル親水性ブロック共重合体からなる。これらダブル親水性ブロック共重合体は親水性ブロックおよび第2の高分子電解質ブロックを含む。この親水性ブロックは無機塩類添加剤と相互に影響せず、そして第2の高分子電解質ブロックは、無機塩類添加剤の表面に強く影響する。これらのブロック共重合体は、炭酸カルシウムの結晶化工程において成長改変効果を有する。得られた無機塩類区画は、ほぼ卵形、バーベル形、または球形を有する。化学薬品の侵食に対するポリスルホンの優れた耐性および加水分解安定性により、無機塩類添加剤は、酸浴中で完全に除去され得る。残っているものは、所望のポリスルホンマトリックスのナノ細孔構造である。
(システム3:水)
流体の添加剤として、医療用製品を極性の活性な薬剤でコーティングする場合、水が最も入手しやすい溶液として考えられる。スプレー法を使用する場合には、ポリスルホンは例えば、クロロホルムのような有機溶媒中に存在する。ポリスルホンで飽和したクロロホルム溶液は、さらに活性な薬剤の受け入れが条件付きのみで可能である。したがって、活性な薬剤は主に水相に溶解し、相が分離しているために、医療用製品の表面に付着後、区画を形成する。次いで、これらの区画から、例えば凍結乾燥などによって、水が系から完全に除去され得る。残っているものは、活性な薬剤が負荷されたナノ細孔構造である。細孔の活性な薬剤の濃度は、引き続く工程、つまり水に溶解した活性な薬剤を用い、そして好ましくは、次いで凍結乾燥することにより、増大され得る。今日まで存在する方法では、活性な薬剤はまた、クロロホルム中にポリスルホンと共に溶解された。引き続いて起こる活性な薬剤の濃度の増大は、クロロホルム溶液によっても生じる。クロロホルムは、決して層から100%除去され得ないので、クロロホルムは最終製品ではだんだん濃縮され、患者をクロロホルムに不必要に曝すことを引き起こす。活性な薬剤の基質として水を用いることによって、クロロホルムは、ポリスルホンマトリックスの付着のために一度のみ用いられ、そしてクロロホルムに曝すことが最小限に減らされる。
少なくとも1つのポリスルホンおよび少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を含む噴霧溶液の調製のために、さらに次のような溶媒が好適である。そのような溶媒とは、容易に蒸発する、すなわち揮発性の溶媒であり、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ジエチルエーテル、および酢酸エチルがあり、そのような溶媒は、さらに水で飽和され得る、または特定の水分含量を有するように調製され得る溶媒である。この場合、水分含量は1.6〜15%、好適には2.1〜10%、より好適には2.6〜7.9%、特に好適には3.3〜6.8%である。さらに、有機溶媒、水、ポリスルホン、および活性な薬剤が均一な溶液を形成すれば好ましい。
共重合体の創成によって、ポリスルホンの親水性または疎水性のそれぞれもまた改変され得る。したがって、例えば、4,4’−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン酸(BPA)によってポリスルホン共重合体を合成することが可能であり、この方法では、カルボキシル基側鎖が導入され、カルボキシル基がポリスルホンマトリックスの疎水性を下げる。さらに、導入された官能基、例えばカルボキシル基で誘導化することが可能である(Macrom. Chem. Phys. 195(1994), 1709; Coll. Polym. Sci. 279(2001), 727)。
少なくとも2つの重合体層(その組成および添加剤の違いにより変化し得る)の形成の可能性によって、適用される活性な薬剤および濃度に関して、層に依存する区別がさらに行われ得る。この適応性により、再狭窄を防止するために普遍的に適用できる生物学的に安定なコーティング材料としてポリスルホンマトリックスが区別される。
さらに、熱可塑性ポリスルホンを使用することが好ましい。熱可塑性ポリスルホンは、熱(thermo)の影響の下で、可塑(plastic)的に変形され得る。一般的に、熱可塑性ポリスルホンは直鎖または低分岐の分子鎖でなる。加熱されると、それらは伸ばすことによって引き伸ばされ得る。さらに加熱されると、それらは完全に溶解され得、そして再構築され得る。特に、これらの熱可塑性重合体が親水性および疎水性特性を有すれば好ましい。このような相反する特性を有する熱可塑性ポリスルホンは、高分子類似反応、親水性単量体と疎水性単量体とのブロック共重合またはブロック重合によって上述の方法により合成され得る。このような方法で得られる熱可塑性ポリスルホン、あるいはそれがコートされた医療用製品の各々は、複数の殺菌性、水蒸気および加水分解に対する耐性、高い寸法安定性、化学薬品の侵食に対する耐性、および優れた熱老朽化安定性によって区別される。
好ましい熱可塑性ポリスルホンは、重縮合反応によりビスフェノールAおよび4,4’−ジクロロフェニルスルホンから合成される(以下の式(II)を参照のこと)。
Figure 0004861178
本発明によるコーティングのために適用され得るポリスルホンは、式(I)による以下の一般的な構造を有する:
Figure 0004861178
ここで、nは重合度を表し、nは10〜10000の範囲、好ましくは20〜3000の範囲、さらに好ましくは40〜1000の範囲、さらに好ましくは60〜500の範囲、さらに好ましくは80〜250の範囲、そして特に好ましくは100〜200の範囲である。
さらに、nがそのような範囲であり、重合体の重量平均が60000〜120000g/モルであれば好ましく、好ましくは70000〜99000g/モル、さらに好ましくは80000〜97000g/モル、より好ましくは84000〜95000g/モル、そして特に好ましくは86000〜93000g/モルである。
さらに、nがそのような範囲であり、重合体の数平均が20000〜70000g/モルであれば好ましく、好ましくは30000〜65000g/モル、さらに好ましくは32000〜60000g/モル、さらにより好ましくは35000〜59000g/モル、そして特に好ましくは45000〜58000g/モルである。
YおよびZは、1〜10の範囲の整数であり、そしてRおよびR’は、それぞれ独立して炭素数が1〜12のアルキレン基、炭素数が6〜20の芳香族基、炭素数が2〜10の複素芳香族基、炭素数が3〜15のシクロアルキレン基、炭素数が6〜20のアルキレンアリーレン基、炭素数が6〜20のアリーレンアルキレン基、炭素数が1〜12のアルキレンオキシ基、炭素数が6〜20のアリーレンオキシ基、炭素数が6〜20の複素アリーレンオキシ基、炭素数が3〜15のシクロアルキレンオキシ基、炭素数が6〜20のアルキレンアリーレンオキシ基、または炭素数が6〜20のアリーレンアルキレンオキシ基である。上述の基は、さらなる置換基を有し得、特に、それらは、「置換された」ポリスルホンとして以下に説明される。
例えば、RおよびR’の基としては、−R−、−R−、−R−、−R−、−R−、−R−、−R−R−、−R−R−、−R−R−、−R−R−R−、−R−R−R−、−R−R−R−R−、−R−R−R−R−R−、および−R−R−R−R−R−R−であり、ここで、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して以下の基を表す:
−CH−、−C−、−CH(OH)−、−CH(SH)−、−CH(NH)−、−CH(OCH)−、−C(OCH−、−CH(SCH)−、−C(SCH−、−CH(NH(CH))−、−C(N(CH)−、−CH(OC)−、−C(OC−、−CHF−、−CHCl−、−CHBr−、−CF−、−CCl−、−CBr−、−CH(COOH)−、−CH(COOCH)−、−CH(COOC)−、−CH(COCH)−、−CH(COC)−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(C)−、−C(C−、−CH(CONH)−、−CH(CONH(CH))−、−CH(CON(CH)−、−C−、−C−、−C−、−C10−、シクロ−C−、シクロ−C−、シクロ−C−、シクロ−C−、−OCH−、−OC−、−OC−、−OC−、−OC−、−OC10−、−CHO−、−CO−、−CO−、−CO−、−CO−、−C10O−、−NHCH−、−NHC−、−NHC−、−NHC−、−NHC−、−NHC10−、−CHNH−、−CNH−、−CNH−、−CNH−、−CNH−、−C10NH−、−SCH−、−SC−、−SC−、−SC−、−SC−、−SC10−、−CHS−、−CS−、−CS−、−CS−、−CS−、−C10S−、−C−、−C(CH)−、−C(C)−、−C(OH)−、−C(NH)−、−C(Cl)−、−C(F)−、−C(Br)−、−C(OCH)−、−C(SCH)−、−C(COCH)−、−C(COC)−、−C(COOH)−、−C(COOCH)−、−C(COOC)−、−C(NH(CH))−、−C(N(CH)−、−C(CONH)−、−C(CONH(CH))−、−C(CON(CH)−、−OC−、−OC(CH)−、−OC(C)−、−OC(OH)−、−OC(NH)−、−OC(Cl)−、−OC(F)−、−OC(Br)−、−OC(OCH)−、−OC(SCH)−、−OC(COCH)−、−OC(COC)−、−OC(COOH)−、−OC(COOCH)−、−OC(COOC)−、−OC(NH(CH))−、−OC(N(CH)−、−OC(CONH)−、−OC(CONH(CH))−、−OC(CON(CH)−、−CO−、−C(CH)O−、−C(C)O−、−C(OH)O−、−C(NH)O−、−C(Cl)O−、−C(F)O−、−C(Br)O−、−C(OCH)O−、−C(SCH)O−、−C(COCH)O−、−C(COC)O−、−C(COOH)O−、−C(COOCH)O−、−C(COOC)O−、−C(NH(CH))O−、−C(N(CH)O−、−C(CONH)O−、−C(CONH(CH))O−、−C(CON(CH)O−、−SC−、−SC(CH)−、−SC(C)−、−SC(OH)−、−SC(NH)−、−SC(Cl)−、−SC(F)−、−SC(Br)−、−SC(OCH)−、−SC(SCH)−、−SC(COCH)−、−SC(COC)−、−SC(COOH)−、−SC(COOCH)−、−SC(COOC)−、−SC(NH(CH))−、−SC(N(CH)−、−SC(CONH)−、−SC(CONH(CH))−、−SC(CON(CH)−、−CS−、−C(CH)S−、−C(C)S−、−C(OH)S−、−C(NH)S−、−C(Cl)S−、−C(F)S−、−C(Br)S−、−C(OCH)S−、−C(SCH)S−、−C(COCH)S−、−C(COC)S−、−C(COOH)S−、−C(COOCH)S−、−C(COOC)S−、−C(NH(CH))S−、−C(N(CH)S−、−C(CONH)S−、−C(CONH(CH))S−、−C(CON(CH)S−、−NH−C−、−NH−C(CH)−、−NH−C(C)−、−NH−C(OH)−、−NH−C(NH)−、−NH−C(Cl)−、−NH−C(F)−、−NH−C(Br)−、−NH−C(OCH)−、−NH−C(SCH)−、−NH−C(COCH)−、−NH−C(COC)−、−NH−C(COOH)−、−NH−C(COOCH)−、−NH−C(COOC)−、−NH−C(NH(CH))−、−NH−C(N(CH)−、−NH−C(CONH)−、−NH−C(CONH(CH))−、−NH−C(CON(CH)−、−C−NH−、−C(CH)−NH−、−C
(C)−NH−、−C(OH)−NH−、−C(NH)−NH−、−C(Cl)−NH−、−C(F)−NH−、−C(Br)−NH−、−C(OCH)−NH−、−C(SCH)−NH−、−C(COCH)−NH−、−C(COC)−NH−、−C(COOH)−NH−、−C(COOCH)−NH−、−C(COOC)−NH−、−C(NH(CH))−NH−、−C(N(CH)−NH−、−C(CONH)−NH−、−C(CONH(CH))−NH−、−C(CON(CH)−NH−。
特に、ポリスルホンおよびそれらの混合物が好ましく、ここで、−R−、−R−、−R−、−R−R−、および−R−R−R−の基は、それぞれ独立して以下の基である:−CO−、−C(CH−、−C−、−CSO−、−SO−、−OC−、−CO−C(CH−C−。
さらに、RおよびR’は、好ましくは、それぞれ独立して式(II)から(XV)中のスルホン基に結合された部分であり得る。
本発明によれば、生物学的に安定な単数または複数の層のための単数または複数のポリスルホンはそれぞれ、ポリエーテルスルホン、置換ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、置換ポリフェニルスルホン、ポリスルホンブロック共重合体、ペルフルオロポリスルホンブロック共重合体、セミフルオロポリスルホンブロック共重合体、置換ポリスルホンブロック共重合体、および/または上記の重合体の混合物を包含する群より選択される。
用語「置換」ポリスルホンは、官能基を有するポリスルホンと理解されるべきである。特に、メチレン単位は1つまたは2つの置換基を有し得、そしてフェニレン単位は1つ、2つ、3つ、または4つの置換基を有し得る。これらの置換基(これらはまた、X、X’、X’’、X’’’という)としては、例えば、−OH、−OCH、−OC、−SH、−SCH、−SC、−NO、−F、−Cl、−Br、−I、−N、−CN、−OCN、−NCO、−SCN、−NCS、−CHO、−COCH、−COC、−COOH、−COCN、−COOCH、−COOC、−CONH、−CONHCH、−CONHC、−CON(CH、−CON(C、−NH、−NHCH、−NHC、−N(CH、−N(C、−SOCH、−SOC、−SOCH、−SO、−SOH、−SOCH、−SO、−OCF、−O−COOCH、−O−COOC、−NH−CO−NH、−NH−CS−NH、−NH−C(=NH)−NH、−O−CO−NH、−NH−CO−OCH、−NH−CO−OC、−CHF、−CHF、−CF、−CHCl、−CHCl、−CCl、−CHBr、−CHBr、−CBr、−CHI、−CHI、−Cl、−CH、−C、−C、−CH(CH、−C、−CH−CH(CH、−CH−COOH、−CH(CH)−C、−C(CH、−Hがある。さらに好ましい置換基または官能基は、−CH−Xおよび−C−Xである。
以下の一般的な構造式は、ポリスルホンの好ましい繰り返し単位を表す。好ましくは、重合体はこれらの繰り返し単位のみからなる。しかし、1つの重合体中に、以下に示される繰り返し単位に加えて他の繰り返し単位またはブロックが存在することも可能である。好ましくは次の単位である:
Figure 0004861178
X、X’、n、およびR’は、それぞれ独立して上述の意味である。
Figure 0004861178
X、X’、n、およびR’は、それぞれ独立して上述の意味である。
Figure 0004861178
さらに、以下の一般式(X)のポリスルホンが、好ましい:
Figure 0004861178
ここで、Arは以下のものを表す:
Figure 0004861178
X、X’、およびnは、それぞれ独立して上述の意味である。
さらに、以下の繰り返し単位が好ましい:
Figure 0004861178
X、X’、X’’、X’’’、およびnは、それぞれ独立して上述の意味である。R’’およびR’’’は、XまたはX’について定義されたのと同様に、それぞれ独立して置換基を表し得、あるいはそれぞれ独立して−R−Hまたは−R−H基を表し得る。
もう1つの好ましい繰り返し単位は、例えば、式(XIV)または(XV)のように、2つの芳香環の間に環状の置換基を有する:
Figure 0004861178
R’’は、好ましくは−CH−、−OCH−、−CHO−、−O−、−C−、−C−、−CH(OH)−を表す。基−R−R’’−は、好ましくは環状エステル、アミド、炭酸エステル、尿素、またはウレタンを表し、それには、例えば、−O−CO−O−、−O−CO−O−CH−、−O−CO−O−C−、−CH−O−CO−O−CH−、−C−、−C−、−C−、−C10−、−C12−、−O−CO−NH−、−NH−CO−NH−、−O−CO−NH−CH−、−O−CO−NH−C−、−NH−CO−NH−CH−、−NH−CO−NH−C−、−NH−CO−O−CH−、−NH−CO−O−C−、−CH−O−CO−NH−CH−、−C−SO−、−C−SO−、−C−SO−、−C−SO−CH−、−C−SO−C−、−C−O−、−C−O−、−C−O−、−C−O−CH−、−C−O−C−、−C−CO−、−C−CO−、−C−CO−、−C−CO−CH−、−C−CO−C−、−O−CO−CH−、−O−CO−C−、−O−CO−C−、−CH−O−CO−CH−、または環状エステルがあり、これらは芳香環を含む。
以下に、高分子類似反応が説明される。これらは当業者に知られており、ポリスルホンの改変のために供される。
Figure 0004861178
XおよびX’部分としてクロロメチレン基がホルムアルデヒド、ClSiMe、および触媒(例えば、SnCl)を用いることによって導入され得、そしてさらに置換され得る。これらの反応によって、例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エーテル基、またはアルキル基が求核置換によって導入され得、メチレン基を介して芳香環に結合される。アルコラート、例えばフェノラート、ベンジラート、メタノラート、エタノラート、プロパノラート、またはイソプロパノラートとの反応により、75%を超えるクロロメチレン基に置換が生じた重合体が得られる。以下の親油性側鎖を有するポリスルホンが得られる。
Figure 0004861178
ここで、R**は、例えばアルキル部分またはアリール部分を表す。
以下の反応により、X’’およびX’’’部分が、単量体に存在しなくなるまで、重合体に導入され得る。
Figure 0004861178
エステル基に加えて、種々のその他の置換基が導入され得る。すなわち、まず強塩基、例えばn−BuLiまたはtert−BuLiにより単一のまたは二重の脱プロトン化を行い、次いで求電子試薬を添加することによってそれらの置換基が導入され得る。上記の例示とする場合において、二酸化炭素がエステル基導入のために添加され、そして得られた炭酸基がもう一つの工程でエステル化された。
本発明による親油性部分を有するポリスルホンおよび疎油性部分を有するポリスルホンとの組み合わせは、例えば、式(IIB)に示すポリスルホンと式(IIC)に示すポリスルホンとを一緒に用いることによって達成される。それぞれのポリスルホンの量比は98%:2%〜2%:98%の範囲であり得る。好ましい比は10%:90%、15%:85%、22%:78%、および27%:73%、36%:64%、43%:57%、および50%:50%である。これらの割合(%)は、親水性ポリスルホンおよび疎水性ポリスルホンの任意の組み合わせに適用され得るが、上述の混合物に限定されない。
1分子中に親水性部分および疎水性部分を有するポリスルホンの例としては、例えば式(IIC)に示すポリスルホンの不完全なエステル化のみを行うことによって得られ得る。したがって、親水性のカルボキシル基と疎水性のエステル基とが1分子中に存在する。カルボキシル基とエステル基とのモル(数)比は、5%:95%〜95%:5%であり得る。これらの割合(%)は、親水基および疎水基の任意の組み合わせに適用され得、上述の基に限定されない。
親水基または親水性重合体と疎水基または疎水性重合体との本発明によるこの組み合わせによって、非結晶性ポリマー層が医療用製品において構築されると考えられる。ポリスルホンから形成される重合体層は、結晶質または主として結晶質でないことが非常に重要である。なぜなら、結晶化は層を硬くし、そのことにより層が壊れ剥離し始めるからである。バリア層として供される柔軟なポリスルホンコーティングは、非結晶性または主として非結晶性のポリスルホン層のみにより達成され得る。
もちろん、重合が行われた後に、所望の置換型を得るために既に同様に置換された単量体を適用することも可能である。次いで、対応する重合体は、以下の反応スキームに従って公知の方法によって得られる。
Figure 0004861178
ここで、LおよびL’は、例えば、それぞれ独立して以下の基を表す:−SO−、−C(CH−、−C(Ph)−、または−O−。したがって、LおよびL’は、式(I)〜(XV)に対応する基の意味を有し得る。このような求核置換反応は、当業者に知られており、上記のスキームによって例示的に説明される。
既に述べたように、一方では1つの重合体内に、他方では少なくとも1つの親水性重合体と少なくとも1つの疎水性重合体との組み合わせを用いることによって、重合体が親水性の性質および疎水性の性質を有する場合が特に好ましい。したがって、例えば、XおよびX’が親水性の置換基を有し、そしてX’’およびX’’’が疎水性の置換基を有するか、またはその逆である場合が好ましい。
親水性の置換基としては、−OH、−CHO、−COOH、−COO、−CONH、−NH、−N(CH、−NHCH、−SOH、−SO 、−NH−CO−NH、−NH−CS−NH、−NH−C(=NH)−NH、−O−CO−NH、および特にプロトン化されたアミノ基が適用され得る。
疎水性の置換基としては、−H、−OCH、−OC、−SCH、−SC、−NO、−F、−Cl、−Br、−I、−N、−CN、−OCN、−NCO、−SCN、−NCS、−COCH、−COC、−COCN、−COOCH、−COOC、−CONHC、−CON(CH、−CON(C、−NHC、−N(CH、−N(C、−SOCH、−SOC、−SOCH、−SO、−SOCH、−SO、−OCF、−O−COOCH、−O−COOC、−NH−CO−OCH、−NH−CO−OC、−CHF、−CHF、−CF、−CHCl、−CHCl、−CCl、−CHBr、−CHBr、−CBr、−CHI、−CHI、−CI、−CH、−C、−C、−CH(CH、−C、−CH−CH(CH、−CH−COOH、−CH(CH)−C、−C(CHが適用され得る。
さらに、環状ポリスルホンが好ましく、それは例えば、式(XVI)に示されるような構造を有する。
Figure 0004861178
カルボキシエチレン基は、上記に例示される反応において必須ではない。カルボキシエチレン置換基およびメチル置換基の代わりに、任意の他の置換基または水素も存在し得る。
ポリスルホンは、化学薬品の侵食に対する高い耐性によって特徴づけられ、それらは加水分解および熱に安定であり、そして非常に優れた機械的特性および摩擦特性(表面摩耗がない)を有する。さらに、生体に適用する材料としての特定の性質としても、高い寸法安定性および複数の殺菌性が強調され得る。ポリスルホンは、医療用の重合体として、すでに長期間にわたり用いられている。主な使用は、例えば、血液透析装置の中の中空繊維に集中し、フレゼニウス社のポリスルホン繊維が優れた血液適合性および薄膜形成特性により世界市場を先導している。それによると、透析における問題は、第一に血液透析の間、抗凝血剤、一般的には、ヘパリンが投与されなければならないという必要性があることであり、その場合には2、3年後に副作用が増大する。5時間の治療で、約75リットルの血液が透析装置を流れ、これは患者が有する血液量のほぼ15倍に等しい。したがって、薄膜が非常に高い血液適合性要求に対応しなければならないことは明らかである。
もう1つの大きな分野は、眼科学におけるポリスルホンキャピラリーの使用であり、そして種々の医療技術の補助的な手段における平らな薄膜の形での使用である。
少なくとも1つの親水性重合体が、生物学的に安定な層のために用いられるポリスルホンに添加されれば好ましい。それによって、それぞれのポリスルホン層において、ポリスルホンと親水性重合体との比は、50質量%対50質量%から99.999質量%対0.001質量%であり得る。
親水性重合体としては、ポリビニルピロリドン、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリバレロラクトン、ポリ−ε−デカラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチドとポリグリコリドとの共重合体、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヒドロキシブタン酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシブチレート−co−バレレート、ポリ(1、4−ジオキサン−2、3−ジオン)、ポリ(1、3−ジオキサン−2−オン)、ポリ−パラ−ジオキサノン、ポリ無水マレイン酸のようなポリ無水物、フィブリン、ポリシアノアクリレート、ポリカプロラクトンジメチルアクリレート、ポリ−b−マレイン酸、ポリカプロラクトンブチルアクリレート、例えば、オリゴカプロラクトンジオールおよびオリゴジオキサノンジオール由来のような複合ブロック重合体、PEGおよびポリブチレンテレフタレートのようなポリエーテルエステル複合ブロック重合体、ポリピボトラクトン、ポリグリコール酸トリメチルカーボネート、ポリカプロラクトン−グリコリド、ポリ−g−エチルグルタメート、ポリ(DTH−イミノカーボネート)、ポリ(DTE−co−DT−カーボネート)、ポリ(ビスフェノール−A−イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、ポリグリコール酸トリメチル−カーボネート、ポリトリメチルカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリ(N−ビニル)−ピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、グリコール化ポリエステル、ポリホスホエステル、ポリホスファゼン、ポリ[(p−カルボキシフェノキシ)プロパン]、ポリヒドロキシペンタン酸、ポリ無水物、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド、ソフトポリウレタン、骨格中にアミノ酸残基を有するポリウレタン、ポリエチレンオキサイド、ポリアルケンオキサレート、ポリオルトエステル、およびそれらの共重合体のようなポリエーテルエステル、脂質、カラギーナン、フィブリノゲン、デンプン、コラーゲン、タンパク質をベースとした重合体、ポリアミノ酸、合成ポリアミノ酸、ゼイン、改変されたゼイン、ポリヒドロキシアルカノエート、ペクチン酸、アクチン酸、改変および未改変のフィブリンおよびカゼイン、カルボキシメチル硫酸塩、アルブミン、ヒアルロン酸、キトサンおよびその誘導体、コンドロイチン硫酸塩、デキストラン、β−シクロデキストリン、PEGとポリプロピレングリコールとの共重合体、アラビアガム、グアーガム、ゼラチン、コラーゲン、コラーゲン−N−ヒドロキシスクシンイミド、脂質、リン脂質、上記物質の改変体および共重合体および/または混合物が適しており、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、およびグリセリンが好ましく用いられる。
例えば、ポリスルホン溶液の製造において粘度を高めるために、ポリビニルピロリドン(PVP)が添加され、それは、中空繊維の製造中、沈殿剤に溶解し、そして再び除去される。出来た細孔性の中空繊維はまだPVPを平均1〜2%の量で含む。ポリビニルピロリドンの添加は、製造工程における粘度の助け、すなわち粘度を増加させるだけではなく、ポリスルホンの細孔の大きさを共同決定する要因の助けとなり、したがって、最終製品の浸透性について決定的となる。なぜなら、浸透性は、細孔の大きさおよび粒子の大きさに依存するからである。したがって、製造されたポリスルホンの細孔の大きさ、つまり浸透性は、添加されたポリビニルピロリドンの量および分子量によって調整され得る。
ポリスルホンの生体適合性および優れた機械的特性およびポリビニルピロリドンおよび/またはもう1つの親水性重合体および/または水(酢酸エチル)の添加による細孔の大きさの調整の可能性により、この重合体はすべての製薬のための理想的な基質となる。それは、血管の再閉塞の防止のために目的とされる局所的な適用、例えば心臓に適用され得る。
同時に、封入される窒素により活性な薬剤の貯蔵期間が長くなる。添加される重合体の好ましい量は、0〜50質量%の範囲であり、さらに好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは2〜10質量%である。添加される量は、実質的には適用される活性な薬剤の所望の溶出速度に従う。
本発明による医療用製品は、任意の材料で形成され得る表面を有する。この表面は、好ましくは血液適合性でない。さらに、この表面は、好ましくはコーティングされておらず、特に、重合体および/または有機高分子によりコーティングされていない。
生物学的に安定なポリスルホン層は、この表面に粘着性によりまたは共有結合的に、および部分的に粘着性によりおよび部分的に共有結合的に接着され得る。好ましくは共有結合である。ポリスルホン層は医療用製品の表面を少なくとも部分的に、しかし好ましくは完全に被覆する。もし、医療用製品がステントであれば、少なくとも血液に曝される表面は、ポリスルホンでコーティングされる。
好ましくは、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を含む少なくとも1つの層は、この第1の生物学的に安定なポリスルホン層の上におよび/またはこの第1のポリスルホン層の中に付着されおよび/または組み込まれ得る。少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を含む少なくとも1つの層は、1つ以上の活性な薬剤で完全になり得;もう1つの生物学的に安定なポリスルホン層(その中に活性な薬剤が含まれる)であり得;あるいは血液適合性を有する層(その中に活性な薬剤が含まれる)であり得る。一方、疎水性の活性な薬剤は、生物学的に安定な層の中におよび/または上におよび/または下に付着され得るが、親水性の活性な薬剤は、好ましくは、生物学的に安定な層の上におよび/または下に付着され得る。
したがって、本発明による医療用製品は、1層、2層、3層、またはそれ以上の層でコーティングされた表面を有し得、1層、2層、または3層、そして特に2層が好ましい。
抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤は、各々の層に粘着性によりまたは共有結合的に、あるいは部分的に粘着性によりおよび部分的に共有結合的に接着され得、粘着性により接着していることが好ましい。
より生物学的に安定なポリスルホン層および/または血液に適合した層および/または活性な薬剤の層を有する表面コーティングの場合は、これらの層はそれぞれ、異なった親水性重合体および異なった量の親水性重合体を有する異なったポリスルホン、ならびに異なった血液適合性の化合物または異なった活性な薬剤でなり得る。
さらに、医療用製品が血液に適合する層を含む表面を有すれば好ましく、その層は、一番下の第1の生物学的に安定なポリスルホン層の上にまたは中に付着および/または組み込まれる。この血液に適合する層はまた、第2または第3の層を形成し得、そしてそれらは、一番下の生物学的に安定な層の上および/または活性な薬剤の層あるいは第2の生物学的に安定なポリスルホン層の上または下に直接的または間接的に位置する。さらに、血液に適合する層が最下層を形成すれば好ましく、そしてこの層の上に活性な薬剤の層が与えられ、次いでこれが生物学的に安定なポリスルホン層によって覆われ得ること、またはこの一番下の血液に適合する層の上に活性な薬剤あるいは活性な薬剤の組み合わせを有する生物学的に安定なポリスルホン層が付着していることが好ましい。
この血液に適合する層は、好ましくは完全に脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、N−カルボキシメチル化、部分的にN−アセチル化されたキトサン、および/またはこれらの物質の混合物でなる。血液に適合する層は、上述の物質に加えて他の血液に適合する有機物質を含み得るが、好ましくは上述の物質のみでなる。
本発明による医療用製品に関しては、血液に適合する層が単独で存在すれば好ましい。さらに、この血液に適合する単独の層が外層または最下層を形成すれば好ましい。
さらに、基礎となる表面または基礎となる層を完全に被覆する層が存在することが好ましい。しかし、同様に部分的な被覆も可能である。
さらに、本発明による医療用製品がステントであれば特に好ましい。このステントは、任意の材料および材料混合物で形成され得る。好ましくは、金属およびプラスチックであり、例えば、医療用ステンレス鋼、チタン、クロム、バナジウム、タングステン、モリブデン、金、およびニチノールがある。ステントはコーティングされておらず、および/または条件付で血液適合性でないことが好ましい。特に、ステントは、有機材料で形成されるコーティングを有さない。医療用ワイヤーは、医療用製品としては除外され得る。
本発明によるこれらのステントには、好ましくは生物学的に安定なポリスルホンでなる少なくとも1つの生体適合性の層が与えられている。この層は、親水性重合体を所定の比で有するかまたは有さず、そして少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を含み、そしてステントを完全にまたは不完全に被覆している。それによって、活性な薬剤は、マトリックス中に存在し得るおよび/または第2の層としてマトリックスを被覆し得る。本明細書中では、第2の層は、第1の層に付着した層などという。
本発明のステントのもう1つの好ましい実施態様においては、コーティングを有し、そのコーティングは少なくとも2つのポリスルホン層からなる。この2層設計によれば、第1の層は、同一または異なる細孔の大きさを有する生物学的に安定なもう1つの層によって実質的に完全に被覆されている層でなる。1つまたは両方の層は、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を含む。さらに、活性な薬剤の組み合わせが用いられ、これらの薬剤は、それらによって得られる効果を互いに支持しおよび/または互いに補足する。
この2層設計から端を発し、異なる活性な薬剤を、それぞれ対応する活性な薬剤について適するような各々の層に互いに別に組み込むことが可能である。そのため例えば、疎水性の活性な薬剤がより親水性である層の中に置かれ、そしてその薬剤は、もう1つの疎水性の活性な薬剤がより疎水性の重合体層の中に置かれた場合と同様、別の溶出速度を有する。上記の逆であってもよい。これは、活性な薬剤の有用性における明瞭で合理的な結果を確立する可能性ならびに溶出時間および溶出濃度を制御する可能性を幅広い分野に提供する。
本発明によるステントのもう1つの好ましい実施態様は、少なくとも3層からなるコーティングを有する。この3層設計によれば、第1の層がもう1つの純粋な活性な薬剤または活性な薬剤の組み合わせでなる第2の層によって実質的に完全にまたは不完全に被覆された層でなり、そして第2の層は、次いで、同一または異なる細孔の大きさの生物学的に安定な第3のポリスルホンの層で被覆される。ポリスルホン層は、活性な薬剤を含まないか、あるいは1つまたはこれらの両方ともが少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤のためのマトリックスとなる。活性な薬剤の組み合わせも用いられ、その効果において互いに支持しおよび/または互いに補足する。
この実施態様は、純粋な活性な薬剤の層の形成において、親水性の活性な薬剤または活性な薬剤の組み合わせの使用について特に適している。所定量の親水性重合体を有し、上に存在する生物学的に安定な重合体層は、活性な薬剤の溶出を制御するのに役立つ。少なくとも1つの親水性の活性な薬剤を有する活性な薬剤の組み合わせは、異なる溶出速度を生じる。
トップコーティングとしては、親水性重合体が用いられ得、この親水性重合体はポリスルホンと混合され得、ポリスルホンはまた下層となり得る。
ステントの生体適合性を有するコーティングは、必要な血液適合性および活性な薬剤(または活性な薬剤の組み合わせ)のために提供される。この薬剤は、ステントの全表面にわたって均一に存在し、その結果、細胞、特に平滑筋細胞および内皮細胞のステント表面での増殖が、制御された様式で進む。したがって、再狭窄を引き起こすようなステント表面での細胞の急激な増殖および異常増殖が起こらない。しかし、血栓の危険を伴うようなステント表面の細胞の増殖は、高濃度の薬剤によって完全には防止されない。
したがって、ポリスルホンの使用は、以下のことを保証する。すなわち、活性な薬剤または活性な薬剤の組み合わせ(基礎となる層に粘着性により結合および/または該層に粘着性により組み込まれている)は、連続的にそして少量で放出され、そのためステント表面における細胞の増殖が防止されないが、異常増殖が防止される。この両方の効果の組み合わせが本発明のステントに血管壁への素早い成長の能力を与え、そして再狭窄の危険性および血栓の危険性を減少する。活性な薬剤(単一または複数の薬剤)の放出は、植え込み後1〜24ヶ月、好ましくは1〜12ヶ月、特に好ましくは1〜3ヶ月の期間にわたる。
活性な薬剤の放出は、ポリビニルピロリドンまたは同様の親水性重合体の添加により細孔の大きさを調節することによって調整され得る。すなわち、活性な薬剤の個々の特徴、溶出速度、およびその薬物動力学、および1つより多くの活性な薬剤の場合、溶出順序が必要な要求を満たし得るように調整され得る。
活性な薬剤としては、抗増殖物質、消炎薬、および抗血栓薬が用いられる。抗増殖剤としては、好ましくは細胞***抑制剤、マクロライド系抗生物質、および/またはスタチン(statin)が用いられる。適用し得る抗増殖剤としては、シロリムス(ラパマイシン)、エベロリムス、ピメクロリムス、ソマトスタチン、タクロリムス、ロキシスロマイシン、デュナイマイシン(dunaimycin)、アスコマイシン、バフィロマイシン(bafilomycin)、エリスロマイシン、ミデカマイシン、ジョサマイシン、コンカナマイシン(concanamycin)、クラリスロマイシン、トロレアンドマイシン、フォリマイシン(folimycin)、セリバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチン、プラバスタチン、ピタバスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、エトポシド、テニポシド、ニムスチン(nimustine)、カルムスチン、ロムスチン、シクロホスファミド、4−ヒドロキシシクロホスファミド、エストラムスチン、メルファラン、ベツリン酸、カンプトテシン、ラパコール、β−ラパコン、ポドフィロトキシン、ベツリン、トロホスファミド(trofosfamide)、ポドフィリン酸2−エチルヒドラジド、イホスファミド、クロラムブシル、ベンダムシチン(bendamustine)、ダカルバジン、ブスルファン、プロカルバジン、トレオスルファン(treosulfan)、テモゾロマイド、チオテパ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、アクラルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、メトトレキサート、フルダラビン、フルダラビン−5’−2水素リン酸塩、モフェブダゾン、アセメタシン、ジクロフェナク、ロナゾラク、ダプソン、o−カルバミルフェノキシ酢酸、リドカイン、ケトプロフェン、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、クロロキンリン酸塩、ペニシラミン、ヒドロキシクロロキン、オーラノフィン、金チオリンゴ酸ナトリウム、オキサセプロール(oxaceprol)、セレコキシブ、β−シトステリン、アデメチオニン(ademetionine)、ミルテカイン(myrtecaine)、ポリドカノール、ノニバミド(nonivamide)、レボメントール(levomenthol)、ベンゾカイン、アエシン、クラドリビン、メルカプトプリン、チオグアニン、シタラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、カペシタビン、ドセタキセル、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、アムサクリン、イリノテカン、トポテカン、ヒドロキシカルバミド、ミルテフォシン、ペントスタチン、アルデスロイキン、トレチノイン、アスパラギナーゼ、ペグアスパルガーゼ、アナストロゾール、エキセメスタン、レトロゾール、フォルメスタン(formestane)、アミノグルテチミド、アドリアマイシン、アジスロマイシン、スピラマイシン、セファランチン(cepharantin)、smc増殖抑制剤−2w、エポチロンAおよびB、ミトキサントロン、アザチオプリン、マイコフェノラトモフェチル(mycophenolatmofetil)、c−myc−アンチセンス、b−myc−アンチセンスセレクチン(サイトカイン拮抗剤)CETP阻害剤、カドヘリン(cadherines)、サイトカイニン阻害剤、COX−2阻害剤、NFkB、アンギオペプチン(angiopeptin)、シプロフロキサシン、カンプトテシン、フルロブラスチン(fluroblastin)、モノクローナル抗体(筋肉細胞の増殖を抑制する)、bFGF拮抗剤、プロブコール、プロスタグランジン類、葉酸およびその誘導体、B列のビタミン、カルシポトリオールおよびタカルシトールのようなビタミンD誘導体、チモシン(thymosine)α−1、フマル酸およびフマル酸ジメチルのようなフマル酸誘導体、IL−1β阻害剤、コルヒチン、テトラ硝酸ペンタエリスリトールおよびシンドノエイミン(syndnoeimine)のようなNO供与体、S−ニトロソ誘導体、タモキシフェン、スタウロスポリン(staurosporine)、β−エストラジオール、α−エストラジオール、エストロン、エストリオール、エチニルエストラジオール、ホスフェストロール、メドロキシプロゲステロン、エストラジオールサイピオネート(estradiol cypionate)、エストラジオールベンゾエート、トラニラスト、カメバカウリンおよび他のテルペノイド(ガンの治療に適用される)、ベラパミル、チロシンキナーゼ阻害剤(チロホスチン)、シクロスポリンA、パクリタキセルおよびその誘導体(6−α−ヒドロキシ−パクリタキセル、バッカチン、タキソテール、およびその他)、合成的に生産された亜酸化炭素大環状オリゴマー(MCS)およびその誘導体ならびに天然原料から得られる同様のもの、モルグラモスチム(rhuGM−CSF)、ペグインターフェロンα−2b、レノグラスチム(r−HuG−CSF)、フィルグラスチム、マクロゴール、ダカルバジン、バシリキシマブ、ダクリズマブ、エリプティシン(ellipticine)、D−24851(カルビオケム)、コルセミド、サイトカラシンA〜E、インダノシン(indanocine)、ノコダゾール(nocodazole)、S100プロテイン、PI−88、メラニン細胞刺激ホルモン(α−MSH)、バシトラシン、ビトロネクチンレセプター拮抗剤、アゼラスチン、グアニジルシクラーゼ刺激剤、金属プロテイナーゼ−1および2の組織阻害剤、遊離核酸、ウイルス伝達物質に組み入れられた核酸、DNAおよびRNAフラグメント、プラスミノゲンアクチベータ阻害剤−1、プラスミノゲンアクチベータ阻害剤−2、アンチセンスオリゴヌクレオチド、IGF−1と称されるVEGF阻害剤がある。さらに、抗生物質の群からは、セファドロキシル、セファゾリン、セファクロル、セフォタキシム(cefotaxim)、トブラマイシン、ゲンタマイシンが適用される。ジクロキサシリン、オキサシリンのようなペニシリン、スルホンアミド、メトロニダゾール、アルガトロバン、アスピリン、アブシキシマブ(abciximab)、合成の抗トロンビン薬、ビバリルジン(bivalirudin)、カウマジン(coumadin)、エノクサパリン(enoxaparin)、ヘモパリン(hemoparin(登録商標))(脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン)、組織プラスミノゲンアクチベータ、GpIIb/IIIa血小板膜レセプター、第X因子阻害剤、活性化プロテインC、抗体、ヘパリン、ヒルディン、r−ヒルディン、PPACK、プロタミン(protamin)、プロウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ワーファリン、ウロキナーゼのような抗血栓薬;ジピラミドール(dipyramidole)、トリアゾロピリミジン(triazolopyrimidine)(登録商標、トラピジル)、ニトロプルシッドのような血管拡張剤;トリアゾロピリミジンおよびセラミン(seramin)のようなPDGF拮抗剤;カプトプリル、シラザプリル、
リシノプリル(lisinopril)、エナラプリル(enalapril)、ロサルタンのようなACE阻害剤、チオプロテアーゼ阻害剤、カスパーゼ阻害剤、アポトーシス阻害剤、p65NF−kBおよびBcl−xLアンチセンスオリゴヌクレオチドのようなアポトーシス調節剤、およびプロスタサイクリン、バピプロスト(vapiprost)、インターフェロンα、β、
およびγ、ヒスタミン拮抗剤、セロトニンブロッカー、ハロフジノン、ニフェジピン、トコフェロール、トラニラスト、モルシドミン、茶ポリフェノール、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、ボスウェリン酸およびその誘導体、レフルノミド、アナキンラ、エタネルセプト、スルファサラジン、エトポシド、ジクロキサシリン、テトラサイクリン、トリアムシノロン、ムタマイシン、プロカインアミド、レチノイン酸、キニジン、ジソピラミド(disopyramide)、フレカイニド、プロパフェノン、ソタロール、アミドロン(amidorone)が、手術後期間の積極的な影響を有する。さらに活性な薬剤としては、ステロイド類(ヒドロコルチゾン、ベタメタゾン、デキサメタゾン)、非ステロイド性物質(NSAIDS)(フェノプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ナプロキセン、フェニルブタゾンのような)などがある。アシクロビル、ガンシクロビル、およびジドブジンのような抗ウイルス剤もまた適用できる。異なる抗真菌薬がこの分野で用いられる。その例としては、クロトリマゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィンがある。クロロキン、メフロキン、キニーネのような抗原虫薬は、同等の効果を有する活性な薬剤である。さらに、ヒポカエスクリン(hippocaesculin)、バリングトジェノール−C21−アンゲレート(barringtogenol-C21-angelate)、14−デヒドロアグロスチスタチン(14-dehydroagrostistachin)、アグロスケリン(agroskerin)、アグロスチスタチン(agrostistachin)、17−ヒドロキシアグロスチスタチン(17-hydroxyagrostistachin)、オバトジオリド(ovatodiolids)、4,7−オキシシクロアニソメリン酸(4,7-oxycycloanisomelic acid)、バッカリノイド(baccharinoid)B1、B2、B3、ツベイモサイド(tubeimoside)、ブルセアノール(bruceanol)A、B、およびC、ブルセアンチノサイド(bruceantinoside)C、ヤダンジオサイド(yadanzioside)NおよびP、イソデオキシエレファントピン(isodeoxyelephantopin)、トメンファントピン(tomenphantopin)AおよびB、コロナリン(coronarin)A、B、C、およびD、ウルソール酸、ハイプタチン酸(hyptatic acid)A、ゼオリン、イソイリドジャーマナル(iso-iridogermanal)、マイテンフォリオール(maytenfoliol)、エフサンチン(effusantin)A、エクシサニン(excisanin)AおよびB、ロンギカウリン(longikaurin)B、スクルポネアチン(sculponeatin)C、カメバウニン(kamebaunin)、レウカメニン(leukamenin)AおよびB、13,18−デヒドロ−6−α−セネシオイロキシカパリン(dehydro-6-α-senecioyloxychaparrin)、1,11−ジメトキシカンチン−6−オン、1−ヒドロキシ−11−メトキシカンチン−6−オン、スコポレチン、タクサマイリン(taxamairin)AおよびB、レジェニロール(regenilol)、トリプトリド(triptolide)のような天然テルペノイド類;さらにシマリン、アポシマリン(apocymarin)、アリストロキア酸、アノプテリン(anopterin)、ヒドロキシアノプテリン(hydroxyanopterin)、アネモニン、プロトアネモニン、ベルベリン、塩化ケリブリン(cheliburin chloride)、シクトキシン(cictoxin)、シノコクリン(sinococuline)、ボムブレスタチン(bombrestatin)AおよびB、クドライソフラボン(cudraisoflavone)A、クルクミン、ジヒドロニチジン(dihydronitidine)、塩化ニチジン(nitidine chloride)、12−β−ヒドロキシプレグナジエン4,16−ジエン−3,20−ジオン、ビロボール、ギンコール、ギンコール酸、ヘレナリン、インディシン(indicine)、インディシン−N−オキサイド(indicine-N-oxide)、ラシオカルピン、イノトジオール(inotodiol)、グリコシド1a、ポドフィロトキシン、ジャスティシジン(justicidin)AおよびB、ラレアチン(larreatin)、マロテリン(malloterin)、マロトクロマノール(mallotochromanol)、イソブチリルマロトクロマノール(isobutyrylmallotochromanol)、マキロサイド(maquiroside)A、マルカンチン(marchantin)A、マイタンシン、ライコリディシン(lycoridicin)、マルゲチン(margetine)、パンクラティスタチン(pancratistatin)、リリオデニン(liriodenine)、オキソシンサニン(oxoushinsunine)、アリストラクタム−AII、ビスパルセノリジン(bisparthenolidine)、ペリプロコサイド(periplocoside)A、ガラキノサイド(ghalakinoside)、ウルソール酸、デオキシプソロスペルミン(deoxypsorospermin)、プシコルビン(psychorubin)、リシンA、サンギナリン、マヌー小麦酸(manwu wheat acid)、メチルソルビフォリン(methylsorbifolin)、スファセリアクロメン(sphatheliachromen)、
スチゾフィリン(stizophyllin)、マンソニン(mansonine)、ストレブロサイド(strebloside)、アカゲリン(akagerine)、ジヒドロウサムバレンシン(dihydrousambarensine)、ヒドロキシウサムバリン(hydroxyusambarine)、ストリクノペンタミン(strychnopentamine)、ストリクノフィリン(strychnophylline)、ウサムバリン(usambarine)、ウサムバレンシン(usambarensine)、ベルベリン、リリオデニン(liriodenine)、オキソシンサニン(oxoushinsunine)、ダフノレチン(daphnoretin)、ラリシレシノール、メトキシラリシレシノール、シリンガレシノール(syringaresinol)、ウンベリフェロン(umbelliferon)、アフロモソン(afromoson)、アセチルビスミオン(acetylvismione)B、デスアセチルビスミオン(desacetylvismione)A、ビスミオン(vismione)AおよびB、さらに、ヒポカエスクリン(hippocaesculin)、14−デヒドロアグロスチスタチン(14-dehydroagrostistachin)、C−タイプナトリウム利尿性ペプチド(CNP)、アグロスケリン(agroskerin)、アグロスチスタチン(agrostistachin)、17−ヒドロキシアグロスチスタチン(17-hydroxyagrostistachin)、オバトジオリド(ovatodiolid)、4,7−オキシシクロアニソメリン酸(4,7-oxycycloanisomelic acid)、ヤダンジオサイド(yadanzioside)NおよびP、イソデオキシエレファントピン(isodeoxyelephantopin)、トメンファントピン(tomenphantopin)AおよびB、コロナリン(coronarin)A、B、C、およびD、ウルソール酸、ハイプタチン酸(hyptatic acid)A、ゼオリン、イソイリドジャーマナル(iso-iridogermanal)、マイテンフォリオール(maytenfoliol)、エフサンチン(effusantin)A、エクシサニン(excisanin)AおよびB、ロンギカウリン(longikaurin)B、スクルポネアチン(sculponeatin)のような天然テルペノイド類がある。
活性な薬剤は、別々にまたは組み合わせて、同じ濃度または異なる濃度で用いられる。特に好ましい薬剤は、抗増殖効果に加えて、免疫抑制性をも有する。このような活性な薬剤の中には、エリスロマイシン、ミデカマイシン、タクロリムス、シロリムス、パクリタキセルおよびその誘導体、そしてジョサマイシン、およびトリアゾロピリミジン(triazolopyrimidine)(登録商標、トラピジル)、D−24851、α−およびβ−エストラジオール、大環状亜酸化炭素(MCS)およびその誘導体、PI−88、2−メチルチアゾリジン−1,4−ジカルボン酸のナトリウム塩およびその誘導体、およびシロリムスが含まれる。
さらに、好ましくは、免疫抑制性の活性な薬剤と、いくつかの抗増殖活性物質または抗増殖性の活性な薬剤との組み合わせである。
特に好ましくは、活性な薬剤は、パクリタキセルおよびその誘導体、β−エストラジオール、シムバスタチン、PI−88(硫酸化されたオリゴ糖;Progen Ind.)、大環状亜酸化炭素(MCS)およびそれらの誘導体、トラピジル(登録商標)、N−(ピリジン−4−イル)−[1−4−(4−クロロベンジル)−インドール−3−イル]−グリオキシルアミド(D−24851)、およびタクロリムスを含む群より選択される。
活性な薬剤は、好ましくは、ステント表面に0.001〜20mg/cmの薬学的に活性な濃度で含まれ、さらに好ましくはステント表面に0.005〜15mg/cm、特に好ましくは0.01〜10mg/cmで含まれる。別の活性な薬剤が、同様の濃度で、同一の層または別の層に含まれ得る。なお、好ましい実施態様は、2つの異なる活性な薬剤を同一の層または異なる層に含む。さらに好ましい実施態様は、最上層として純粋な活性な薬剤でなる層を有する。
医療用製品あたりに付着される重合体の量、そして特にステントあたり層あたりの量は、好ましくは、0.01mg/cm・表面から3mg/cm・表面の間の範囲であり、さらに好ましくは0.20mg/cm・表面から1mg/cm・表面、そして特に好ましくは0.2mg/cm・表面から0.5mg/cm・表面である。
さらに、2層に活性な薬剤を含む実施態様が好ましい。なお、これは2つの異なる活性な薬剤であり得る。もし、同一の活性な薬剤が2層に含まれれば、2層は、活性な薬剤を異なる濃度で有することが好ましい。さらに、下層が上層より低い濃度で活性な薬剤を有することが好ましい。
本発明によるステントは、ステントの生体適合性を有するコーティング方法によって製造され得、その基本は以下の原理である。
(a)ステントを供給する工程、および
(b)少なくとも1つの親水性重合体を有しているかまたは有していない少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程、および
(c)該生物学的に安定な層の上におよび/または中に、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を付着させるおよび/または組み込む工程、または
(b’)少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤と共に、少なくとも1つの親水性重合体を有しているかまたは有していない少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程。
好ましくは、工程(b’)の後に、工程(c’)が続き得る。
(c’)少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤を、前記生物学的に安定な重合体層の上に付着させる工程。
工程(a)、(b)、および(c);工程(a)、(b’);または工程(a)、(b’)、および(c’)の後に、さらにもう1つの工程(d)が続き得る。
(d)少なくとも1つの第2の生物学的に安定なポリスルホン層を付着する工程。
一方、この第2の生物学的に安定なポリスルホン層は、第1の基礎となる層の以外のポリスルホンからなり得、そして他方、同一またはもう1つの親水性重合体を、異なった量で含み得る。この第2の生物学的に安定なポリスルホン層が、少なくとも1つの活性な薬剤を含めば好ましい。特に好ましいのは、外層として親水性重合体を含むまたは含まない生物学的に安定なポリスルホン層を有する実施態様である。
抗増殖剤、抗炎症剤、消炎剤、および/または抗血栓剤は、好ましくは上述の群より選択される。
さらに、血液に適合する層を有する実施態様が好ましい。この血液に適合する層は、上述の血液適合性を有する物質、特に、完全に脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、N−カルボキシメチル化、部分的にN−アセチル化されたキトサン、および/またはこれらの物質の混合物からなり、より下の生物学的に安定な層に、間接的にまたは直接的に付着される。この血液に適合する層は、2つの他の層の間に置かれ得、そして最上層を形成し得、血液に適合する2つの層を有する実施態様もまた可能である。しかし、1つのみの血液に適合する層が好ましい。血液に適合する層は、粘着性によりおよび共有結合的に、または部分的に粘着性によりおよび部分的に共有結合的に、基礎となる層に接着され得る。
それぞれの層は、好ましくはディッピング法またはスプレー法によって付着される。さらに、個々の層は、好ましくは基礎となる層が乾燥するまで、その上付着されない。
好ましい方法は、2つの工程(a)および(b’)からなる。
コーティングの原理は、活性な薬剤に関する要求および適用されるポリスルホンの性質について幅広い変化を提供する。したがって、コーティングについて異なるバリエーションが生じ、それはまたお互い組み合わせることができる。
PVPのような添加される親水性重合体の量および分子量によってポリスルホンの性質に影響を及ぼすという可能性により、適用される活性な薬剤に関して、各成分が幅広い分野において最適なシステムに適合することが示される。
さらに、PVPを添加しないポリスルホン層および/または同一または異なるPVP含有量を有するポリスルホン層であって、活性な薬剤を含むおよび含まないポリスルホン層が可能である。同様に、完全にN−脱アセチル化および再アセチル化されたヘパリン、脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、N−カルボキシメチル化および/または部分的にN−アセチル化されたキトサン、および/またはこれらの物質の混合物の層が、好適には表面に直接共有結合的に接着され、層が付着され得る。この層の非血栓生成特性により、上の生物学的に安定な1つまたは複数の層表面に傷がある場合に、基礎となる外来の表面をマスクすることができる。この傷は、例えば、植え込みに先立ってあるいは植え込みが行われるときに、コーティングが機械的に破壊されて生じる傷である。必要に応じて、この不活性な層が付与され得、さらに2層間におよび/またはトップ層として共有結合的または粘着性により付与され得る。
(バリエーションA)
a)コーティングされていないステントを供給する工程、
b)親水性重合体を有するかあるいは有していない1つの生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程、
c)活性な薬剤または活性な薬剤の組み合わせをポリスルホン層の中におよび/または上にディッピング法またはスプレー法によって付着させる工程、
d)活性な薬剤を含む生物学的に安定なポリスルホン層を、少なくとももう1つの生物学的に安定なポリスルホンの層で実質的に完全におよび/または不完全にコーティングする工程であって、このもう1つのポリスルホンの層が第1の層に相当するか、または親水性重合体の含有量、および細孔の大きさにおいてこの第1の層と異なる層である、工程、
e)同一のまたはもう1つの活性な薬剤あるいは活性な薬剤の組み合わせを、外側の生物学的に安定な層の中および/または上に付着させる工程であって、そのため異なる活性な薬剤および/または活性な薬剤の組み合わせが、両方の層によってお互い別々に目的とする様式でステントに付着され得、そして重合体が異なる細孔の大きさを有する場合には、活性な薬剤が異なる量で負荷され得、そして同一および/またはもう1つの活性な薬剤の溶出速度の違いを可能にする、工程。
特に、工程c)および/または工程e)の用語「付着」は、それぞれの層への活性な薬剤の「拡散」を意味する。
医療用製品は、好ましくは2つの生物学的に安定なポリスルホン層を有し、そしてそれらは異なる親水性重合体を異なる濃度で含み得る。
同一の活性な薬剤または活性な薬剤の組み合わせが両方の層に含まれるべきである場合には、供給されるすべての重合体層の付着は、これらの層に活性な薬剤が拡散する前に行われ得る。
さらに、適したポリスルホンのもう1つの層、または純粋な親水性重合体の層でさえもが、拡散バリアおよびトップコーティングとして付着され得る。
(バリエーションB)
a)コーティングされていないステントを供給する工程、
b)親水性重合体を有するか、あるいは有していない1つの生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程、
c)少なくとも1つの抗増殖剤、消炎剤、および/または抗血栓剤、および/または活性な薬剤の組み合わせで生物学的に安定なポリスルホン層を、スプレー法によって実質的に完全におよび/または不完全にコーティングする工程、
d)活性な薬剤の層を、少なくとももう1つの生物学的に安定なポリスルホンの層で実質的に完全におよび/または不完全にコーティングする工程であって、このもう1つのポリスルホンの層が第1の層に相当するか、または親水性重合体の含有量、および細孔の大きさにおいてこの第1の層と異なり、活性な薬剤および/または活性な薬剤の組み合わせを含有するか、または含有しない層である、工程、および/または
d’)活性な薬剤および/または活性な薬剤の組み合わせを有するかあるいは有していない親水性重合体により活性な薬剤の層を実質的に完全におよび/または不完全にコーティングして、該親水性重合体の層をトップコーティング層とする工程。
これらのバリエーションによって、コーティング材料を活性な薬剤に適合させることができる。さらにまた、一時的に放出される活性な薬剤の量を対応するセグメントの要求性に適合させることができる。
多層システムにおいて、新たに付着される層は、基礎となる層を実質的に完全に被覆する。「実質的に」とは、50〜100%、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは80〜100%、さらに好ましくは90〜100%を意味し、そして特に好ましくは96%を超えることをいい、さらに特に好ましくは98%を超えることをいう。
本発明の目的はまた、上述の方法により製造され得る医療用製品であり、特にステントである。
本発明によるステントは、ステントの植え込み後の急性血栓症の問題および新たな内膜の肥厚の両方を解決する。さらに、本発明によるステントは、単層システムであっても多層システムであっても、そのコーティングにより、1つまたはそれ以上の抗増殖剤、抗炎症薬、消炎薬、抗血栓薬、および/または免疫抑制性の活性な薬剤の連続的な放出に特に適している。活性な薬剤を目的とする様式により、必要とされる量で連続的に放出するこの能力により、本発明のコーティングされたステントは、再狭窄の危険性をほぼ完全に防止する。
再狭窄の防止または減少は、一方では、植え込み直後の日および植え込み後すぐの週において、選択された活性な薬剤および活性な薬剤の組み合わせにより細胞反応が抑制されることによって行われる。他方では、これは、生体適合性を有する表面が提供されることによって行われ、そのため活性な薬剤の影響の減少につれても、存在する外来の表面で、長期間のうちには血管の再閉塞を引き起こすような反応が起こらない。
(実施例1)ポリエーテルスルホンによるステントのコーティング
(噴霧溶液)
a.PS溶液:
PS(ポリエーテルスルホン、ユーデル(登録商標)、ソルベイ社により市販)を176mg秤量し、クロロホルムを加えて20gとする(0.88%PS)。
Figure 0004861178
(実施例2)基礎コーティングとしてポリエーテルスルホン、およびトップコーティングとして0.04%のPVPまたは0.08%のPVPをそれぞれ有するポリエーテルスルホンを用いたステントのコーティング
(噴霧溶液)
a.ポリスルホン溶液:
PSを17.6mg秤量し、クロロホルムを加えて2gとする(0.88%PS)。
b.ポリスルホン/PVP溶液:
PSを25.2mgおよびPVPを1.2mg秤量し、クロロホルムを加えて3gとする(0.84%PS、0.04%PVP)。
b’.ポリスルホン/PVP溶液:
PSを24mgおよびPVPを2.4mg秤量し、クロロホルムを加えて3gとする(0.80%PS、0.08%PVP)。
(スプレーコーティング)
予め秤量したステントを、a)0.5mlおよびb)0.85mlという指示された順序で噴霧溶液を用いてスプレーコーティングする。それによって、それぞれの噴霧工程後、次の層を付着させるまで少なくとも6時間経過させる。清浄な部屋で室温にて1晩乾燥後、再度秤量する。
Figure 0004861178
(実施例3)バリエーションBによる3層システムによる、MCSおよびポリエーテルスルホンを有するステントの製造
(噴霧溶液)
a)ポリエーテルスルホン溶液(第1層:基礎コーティング):
PSを70.4mg秤量し、クロロホルムを加えて8gとする(0.88%PS)。
b)MCS溶液(第2層:中間コーティング):
MCSを39.6mg秤量し、20%エタノール水溶液を加えて18gとする(0.22%MCS)。
c)ポリエーテルスルホン/PVP溶液(第3層:トップコーティング):
PSを100.8mgおよびポリビニルピロリドンを4.8mg秤量し、クロロホルムを加えて12gとする(0.84%PS、0.04%PVP)。
(スプレーコーティング)
膨張していないステンレス鋼ステントを秤量し、洗浄した後、スプレーコーティングする。ステントに、各々の噴霧溶液を、a)0.5ml、b)1.5ml、およびc)0.85mlの量および指示された順序で噴霧する。それによって、それぞれの噴霧工程後、次の層を付着させるまで少なくとも6時間経過させる。室温で1晩乾燥後、再度秤量する。ステント上の活性な薬剤の量の平均値は、153±9μgである。
Figure 0004861178
(実施例4)4.5%のPVPを含むポリエーテルスルホンからのMCSの溶出速度の測定
スナップで留める蓋を有するコップのそれぞれの中に、1つのステントを入れ、2mlのPBS緩衝液と混合し、パラフィルムで密閉し、そして37℃の乾燥室内で所定の時間インキュベートする。選択した時間の経過後、上清をピペットで取り、その207nmにおけるUV吸収を測定する。それぞれのステントを再度2mlのPBSと混合し、37℃で再度インキュベートする。この操作を数回繰り返す。
(実施例5)シムバスタチンを負荷したポリスルホンマトリックスによるステントのコーティング
(噴霧溶液)
a.PS/シムバスタチン溶液:
PSを26.4mgおよびシムバスタチンを8.8mg秤量し、クロロホルムを加えて4gとする(0.66%PS、0.22%シムバスタチン)。
b.PS/シムバスタチン/PVP溶液:
PSを24.8mg、シムバスタチンを8.8mg、およびPVPを1.6mg秤量し、クロロホルムを加えて4gとする(0.62%PS、0.22%シムバスタチン、0.04%PVP)。
Figure 0004861178
(実施例6)PVPを高い割合で含有し、シムバスタチンが負荷されたポリスルホンマトリックスによるステントのコーティング
(噴霧溶液)
a.PS/シムバスタチン/PVP溶液:
PSを23.2mg、シムバスタチンを8.8mg、およびPVPを3.2mg秤量し、クロロホルムを加えて4gとする(0.58%PS、0.22%シムバスタチン、0.08%PVP)。
Figure 0004861178
(実施例7)パクリタキセルが負荷されたポリスルホンマトリックスによるステントのコーティング
(噴霧溶液)
a.PS/パクリタキセル溶液:
PSを13.2mgおよびパクリタキセルを4.4mg秤量し、クロロホルムを加えて2gとする(0.66%PS、0.22%パクリタキセル)。
b.PS/PVP/パクリタキセル溶液:
PSを11.6mg、PVPを1.6mg、およびパクリタキセルを4.4mg秤量し、クロロホルムを加えて2gとする(0.58%PS、0.08%PVP、0.22%パクリタキセル)。
Figure 0004861178
(実施例8)ポリスルホンマトリックス中の17−β−エストラジオールによるステントのコーティング
(噴霧溶液)
a.PS/25%17−β−エストラジオール溶液:
PSを46.2mgおよび17−β−エストラジオールを15.4mg秤量し、クロロホルムを加えて7gとする(0.66%PS、0.22%17−β−エストラジオール)。
b.PS/20%17−β−エストラジオール溶液:
PSを28.2mgおよび17−β−エストラジオールを7mg秤量し、クロロホルムを加えて4gとする(0.704%PS、0.176%17−β−エストラジオール)。
c.PS/15%17−β−エストラジオール溶液:
PSを29.9mgおよび17−β−エストラジオールを5.3mg秤量し、クロロホルムを加えて4gとする(0.748%PS、0.132%17−β−エストラジオール)。
Figure 0004861178
(実施例9)トリアゾロピリミジン(triazolopyrimidine)(登録商標、トラピジル)を含むポリスルホンマトリックスによるステントのコーティング
(噴霧溶液)
PS/トラピジル(登録商標)溶液:
PSを19.8mgおよびトラピジル(登録商標)を6.6mg秤量し、クロロホルムを加えて7gとする(0.66%PS、0.22%トラピジル(登録商標))。
Figure 0004861178
(実施例10)大環状亜酸化物を含むおよび含まないポリエーテルスルホンをマトリックスとして有するステントのインビボでの試験
13匹の異なる性別の20〜25kgの家畜用ブタの冠状動脈内に、ポリエーテルスルホンでコーティングされたステントを植え込んだ。ステントを3群に区別した。1群は高用量のパクリタキセルを含み、第2の群は低用量のパクリタキセルを含み、そして最後の群は活性な薬剤を添加していない純粋なマトリックスのステントであった。4週後、ステントを取り出し、そして炎症反応(支柱(strut)周囲)および新たな内膜の形成を分析した。
Figure 0004861178
分析されたすべてのステントは、コーティングに関係なくステントの支柱のまわりおよび外膜に最小限の炎症しか示さなかった。活性な薬剤の負荷が少ないステントの内膜の厚さの平均値がより高いのは、植え込みの間、血管の過拡張がより強かったためと考えられ得る。純粋なマトリックスステントは、血管の反応に目立った問題を示さず、これは重合体に帰すると考えるべきであり、その重合体の血液適合性および活性な薬剤の基質としての適合性が支持される。
(実施例11)パクリタキセルを含むおよび含まないポリエーテルスルホンをマトリックスとして有するステントのインビボでの試験
上記実施例10と類似の方法によって、ポリエーテルスルホンでコーティングされたステントを、ポリエーテルスルホンでコーティングされ、パクリタキセルが負荷されたステントと比較した。
Figure 0004861178
この研究結果はまた、ポリスルホンコーティングの利点を示す。
(実施例12)式(IIA)のポリスルホンの調製
ポリスルホン(IIA)を、E. Avram ら、J.Macromol Sci. Pure Appl. Chem., 1997, A34, 1701の指示に従って調製した。
3モル当量のベンジルアルコールをトルエンに溶解し、ナトリウムで脱プロトン化する。1モル当量のポリスルホン(IIA)を添加し、次いで反応混合物を沸点まで加熱する。反応生成物が22%の収率で得られる。
(実施例13)式(IIC)のポリスルホンの調製
ポリスルホン(IIC)を、M. D. Guiver ら、Brit.Polym. L. 1990, 23, 29の指示に従って調製した。
得られたポリスルホン(IIC)1gを、オルト酢酸エチルを用いることによって、エステル化し、トルエンを溶媒として利用し、そして揮発性の反応生成物を蒸留によって平衡状態の反応混合物から除去した。カルボキシル基の40%が、エチルエステル基に変換された。
実施例7に従い、この重合体を、パクリタキセルと共にステント上に付着させた。
ステントは、優れた血液適合性を示し、非結晶ポリスルホンのコーティングが、パクリタキセルの放出を制御するために好適であった。
(実施例14)
実施例12により調製されたポリスルホン1gを、式(IIC)のポリスルホン200mgと混合し、実施例7に従って活性な薬剤であるパクリタキセルと共にステント上に付着させる。
コーティングされたステントは、優れた血液適合性を示し、非結晶ポリスルホンのコーティングが、パクリタキセルの放出を制御するために好適であった。
(実施例15)ポリスルホンへのクロロスルホン基の導入
ポリスルホン2.4gをクロロホルム700mlに溶解させ、−20℃まで冷却する。次いで、クロロスルホン酸23.3mlを、ゆっくりと滴下して加える。反応は激しい発熱反応なので、反応容器を氷浴で冷却する。クロロスルホン酸の添加後、溶液を撹拌しながら室温まで昇温させる。30分後、重合体をエタノール中で沈殿させて、次いで脱イオン水ですすぐ。クロロスルホン酸を完全に除去するために、脱イオン水で再度10分間抽出する。
(実施例16)S−アルコキシ脱塩素化
エタノール10gを水100mlに溶解し、アセトンに溶解したメチルレッド2〜3滴と混合する。この溶液に、細かい粒状のクロロスルホン化されたポリスルホン5gを加える。
溶液に、5NのKOHを黄色から赤に色が変化するまで滴下して混合する。次いで、容器を密閉し、十分に振蕩する。苛性カリ溶液を加え、色の変化が起こらなくなるまで振蕩する。形成されたポリスルホンエステルを吸引にて取り出し、水で洗浄し、そして再結晶して精製する。
(実施例17)S−アルコキシ脱塩素化
乾燥エタノール10gをピリジン60mlと混合する。この溶液を、細かく粉砕したクロロスルホン化されたポリスルホン40gに氷で冷却しながら加える。次いで、除湿下で、それを1晩室温で撹拌する。次いで、懸濁液を氷水に注ぎ、そして濃塩酸で注意深く酸性化する。炭酸水素塩水溶液で、洗浄を行う。ろ過後、エステル化されたポリスルホンを再結晶し得る。
(実施例18)ポリスルホンと式(IIC)のポリスルホンとの混合物によるコーティング
PSを24mgおよび式(IIC)のポリスルホンを2.4mg秤量し、クロロホルムを加えて3gとする(0.80%PS、0.08%PVP)。
実施例7に従ってこの混合物を用いて、ステントをスプレー法によってコーティングする。
3層システムからの大環状亜酸化炭素(MCS)の溶出を示すグラフであり、該3層システムは、ベースコーティングとしてポリスルホン、中間層として活性な薬剤を有し、そして、ポリスルホンコーティングが中間の活性な薬剤の層を完全に被覆し、この被覆層は、ポリビニルピロリドンを0.04%の割合で有する。 9.1%の量のポリビニルピロリドンを有するポリスルホンマトリックスからのパクリタキセルの溶出を示すグラフである。 親水性重合体を含まない純粋なポリスルホンマトリックスからのシムバスタチンの溶出を示すグラフである。 親水性重合体を含まない純粋なポリスルホンマトリックスに15質量%の割合で含まれているβ−エストラジオールの溶出を示すグラフである。 4.5%の量のポリビニルピロリドンを有するポリスルホンマトリックスからのトラピジル(登録商標)の溶出を示すグラフである。 純粋なポリスルホンマトリックスに50質量%の割合で含まれているトラピジル(登録商標)の溶出を示すグラフである。 ブタに植え込み4週後における血管部分の顕微鏡写真であり、図7Aは、マトリックスステントの拡大断面を示し、図7Bは、ステントを有する血管部分の断面図を示し、このステントはポリスルホンでコーティングされ、そして高濃度でMCSが負荷されている。

Claims (25)

  1. 医療用製品であって、
    該医療用製品の表面が、少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層で少なくとも部分的にコーティングされており、該ポリスルホン層の中、下または上に、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤が存在し、この活性な薬剤を含有する重合体層がさらに窒素を含んでおり、該少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層の下または上に、完全に脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、N−カルボキシメチル化または部分的にN−アセチル化されたキトサン、またはこれらの物質の混合物の少なくとも1つの層が存在することを特徴とする、医療用製品。
  2. 前記ポリスルホンが、ポリエーテルスルホン、置換ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、置換ポリフェニルスルホン、ポリスルホンブロック共重合体、ペルフルオロポリスルホンブロック共重合体、セミフルオロポリスルホンブロック共重合体、置換ポリスルホンブロック共重合体、および上記の重合体の混合物を包含する群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の医療用製品。
  3. 前記少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層が、少なくとも1つの親水性重合体を含む、請求項1または2に記載の医療用製品。
  4. 前記少なくとも1つの親水性重合体を含むポリスルホンが、ポリスルホンと親水性重合体とが50質量%:50質量%から99.999質量%:0.001質量%の混合比で存在する、請求項3に記載の医療用製品。
  5. 前記親水性重合体が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリバレロラクトン、ポリ−ε−デカラクトン、ポリラクトン酸、ポリグリコール酸、ポリグリコリド、ポリラクチドとポリグリコリドとの共重合体、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヒドロキシブタン酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシバレレート、ポリヒドロキシブチレート−co−バレレート、ポリ(1、4−ジオキサン−2、3−ジオン)、ポリ(1、3−ジオキサン−2−オン)、ポリ−パラ−ジオキサノン、ポリ無水マレイン酸、ポリシアノアクリレート、ポリ−b−マレイン酸、ポリカプロラクトンブチルアクリレート、オリゴカプロラクトンジオールおよびオリゴジオキサノンジオール由来の複合ブロック重合体、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエステル複合ブロック重合体、ポリピボトラクトン(polypivotolactones)、ポリグリコール酸トリメチルカーボネート、ポリカプロラクトン−グリコリド、ポリ−g−エチルグルタメート、ポリ(DTH−イミノカーボネート)、ポリ(DTE−co−DT−カーボネート)、ポリ(ビスフェノール−A−イミノカーボネート)、ポリオルトエステル、ポリグリコール酸トリメチルカーボネート、ポリトリメチルカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリ(N−ビニル)−ピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエステルアミド、グリコール化ポリエステル、ポリホスホエステル、ポリホスファゼン、ポリ[(p−カルボキシフェノキシ)プロパン]、ポリヒドロキシペンタン酸、ポリ無水物、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド、骨格中にアミノ酸残基を有するポリウレタン、ポリエチレンオキサイド、ポリアルケンオキサレート、ポリエーテルエステル、カラギーナン、フィブリノゲン、デンプン、コラーゲン、タンパク質をベースとする重合体、ポリアミノ酸、合成ポリアミノ酸、ゼイン、ポリヒドロキシアルカノエート、ペクチン酸、アクチン酸、フィブリン、カゼイン、カルボキシメチル硫酸塩、アルブミン、ヒアルロン酸、キトサンおよびその誘導体、コンドロイチン硫酸塩、デキストラン、β−シクロデキストリン、アラビアガム、グアーガム、ゼラチン、コラーゲン、コラーゲン−N−ヒドロキシスクシンイミド、および上記物質の共重合体および混合物を包含する群より選択されることを特徴とする、請求項3または4に記載の医療用製品。
  6. 前記親水性重合体が、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、およびポリプロピレングリコールを包含する群より選択されることを特徴とする、請求項5に記載の医療用製品。
  7. 前記ポリスルホンコーティングの細孔の大きさが、ポリスルホンと、前記少なくとも1つの親水性重合体との混合比によって決定されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかの項に記載の医療用製品。
  8. 前記少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層の下または上に、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤が存在することを特徴とする、請求項1から7のいずれかの項に記載の医療用製品。
  9. 前記生物学的に安定な層が、前記医療用製品の表面に粘着性によりまたは共有結合的に結合していることを特徴とする、請求項1から8のいずれかの項に記載の医療用製品。
  10. 前記医療用製品の表面のコーティングが、1層、2層、または3層でなる、請求項1から9のいずれかの項に記載の医療用製品。
  11. 多層系において、前記少なくとも2つの生物学的に安定な層が、前記親水性重合体の割合において異なることを特徴とする、請求項1から10のいずれかの項に記載の医療用製品。
  12. 多層系において、少なくとも1つの親水性重合体の混合物を有している前記少なくとも1つのポリスルホン層が、少なくとも1つの生分解性重合体の少なくとも1層で前記生物学的に安定なポリスルホン層を少なくとも部分的に被覆することを特徴とする、請求項1から11のいずれかの項に記載の医療用製品。
  13. 前記少なくとも1つの抗増殖剤が、パクリタキセル、その誘導体、およびシロリムスを包含する群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の医療用製品。
  14. 前記少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤が、0.001〜20mg/cm・表面の薬学的に活性な濃度で含まれることを特徴とする、請求項1から13のいずれかの項に記載の医療用製品。
  15. 多層系において、前記少なくとも2つの層が、少なくとも1つの活性な薬剤を同一または異なる活性な薬剤濃度で含み、該活性な薬剤が共有結合的にまたは粘着性により接着されていることを特徴とする、請求項1から14のいずれかの項に記載の医療用製品。
  16. 多層系において、最上層が純粋な活性な薬剤の層であり、共有結合的にまたは粘着性により接着されることを特徴とする、請求項1から15のいずれかの項に記載の医療用製品。
  17. 少なくとも1つの活性な薬剤を含む前記少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層が、少なくとも1つの活性な薬剤で被覆され、および活性な薬剤を含まないか、または同一のあるいは異なる濃度で少なくとも1つの活性な薬剤を含む生分解性重合体の層で共有結合的にまたは粘着性により少なくとも部分的に被覆されることを特徴とする、請求項1から16のいずれかの項に記載の医療用製品。
  18. 医療用製品の生体適合性のコーティング方法であって、
    (a)医療用製品を供給する工程、および
    (b)少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程、および
    (c)該生物学的に安定な層の上におよび中に、少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤を付着させるまたは組み込む工程、または
    (b’)少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤と共に、少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程
    e)この活性な薬剤を含有する重合体層に窒素を負荷する工程、および
    (f)該少なくとも1つの生物学的に安定なポリスルホン層の上または下に、完全に脱硫酸化およびN−再アセチル化されたヘパリン、N−カルボキシメチル化または部分的にN−アセチル化されたキトサン、またはこれらの物質の混合物の少なくとも1つの層を付着させる工程、
    により特徴づけられる、方法。
  19. 前記工程(b’)、および
    さらに、(c’)少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤を、前記生物学的に安定な重合体層の上に付着させる工程、
    を包含する、請求項18に記載の方法。
  20. さらに、(d)少なくとも1つの第2の生物学的に安定なポリスルホン層を付着させる工程であって、該第2のポリスルホン層の付着時に同一のまたは異なる濃度の少なくとも1つの活性な薬剤を組み込むかまたは付着させる工程、を包含することを特徴とする、請求項18または19に方法。
  21. さらに、(d’)少なくとも1つの生分解性重合体の少なくとも1つのさらなる層を付着させる工程であって、該層の付着時に、同一のまたは異なる濃度の少なくとも1つの活性な薬剤を組み込むかまたは付着させる工程、
    を包含する、請求項18から20のいずれかの項に記載の方法。
  22. 請求項18から21のいずれかの項に記載の方法によって得られ得る、医療用製品。
  23. 前記少なくとも1つの抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤が、表面コーティングを介して制御された方式で放出されることを特徴とする、請求項1から17および22のいずれかの項に記載の医療用製品。
  24. 前記抗増殖剤、抗炎症剤または抗血栓剤のそれぞれが、前記医療用製品に0.001〜10mg/cm・表面の薬学的に活性な濃度で含まれ、そしてそれは、活性な薬剤を有する層ごとに含まれることを特徴とする、請求項1から1722および23のいずれかの項に記載の医療用製品。
  25. 前記医療用製品がステントである、請求項1から17および22から24のいずれかの項に記載の医療用製品。
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