JP4860672B2 - 防火用目地材 - Google Patents

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Description

本発明は、防火用目地材に関する。より詳しくは、本発明は、防火区画体に設けられた貫通口の隙間の一部もしくは全部、またはユニット構法等で組み立てられる建造物の継ぎ目に使用される防火用目地材に関する。
近年、火災の被害を少しでも軽減するために、防火区画体を貫通する電力ケーブル、通信ケーブル等のケーブル類と防火壁との間、空調設備等の配管類と防火壁との間、などに目地材として防火用膨張材料が使用されている。防火用膨張材料は、火災時の加熱により膨張して膨張層を形成し、これにより防火区画体にある貫通口の隙間を閉塞して火災の延焼防止を図るものである。そのため、防火用膨張材料からなる防火用目地材では、特に膨張層の形成後、膨張層が炎熱によって容易に形崩れを起こさず、所定の形状を出来るだけ長時間保持できることが要求される。
防火用膨張材料における膨張層が炎熱によって形崩れを起こさず、所定の形状を長時間保持する技術として、例えば、特許文献1では、ベース樹脂に、無機系膨張剤及び/又は有機系膨張剤と、形状安定化用樹脂としてポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂等が配合された樹脂組成物が提案されている。しかし、この組成物は、用途によっては弾性・柔軟性が充分でなく施工性が悪いという問題があった。
この弾性・柔軟性に優れた防火用膨張材料に関する技術として、例えば、特許文献2では、耐火性を付与したポリウレタンの製造方法が提案されている。これは、ポリオールとポリイソシアネートに、難燃剤として膨張性黒鉛を配合し、粉末状カゼインを形状の安定化剤として使用することを特徴としている。この技術では、弾性・柔軟性は改善することができるが、一方で形状の安定化は十分とはいえなかった。また、ポリオールとポリイソシアネートの2液反応混合物からポリウレタンを製造するこの技術では、難燃剤として多量の膨張性黒鉛を配合することは極めて困難であり、十分な耐火性能を得ることができないという問題があった。
また、従来問題点であった脆さや耐火性を改善するための技術として、特許文献3では、ゴムと膨張性黒鉛、エポキシ樹脂及び無機充填剤からなる可撓性防火用ゴム目地材が提案されている。この技術では、脆さや耐火性の改善は実現したものの、膨張後の形状安定化のために配合しているエポキシ樹脂が混練時に混練機器内壁に固着し、この除去が極めて困難という問題があった。
更に、膨張後の形状の安定化を改善する技術として、例えば、特許文献4には、膨張性黒鉛を配合した軟質ウレタンフォームにホウ酸を添加した組成物が提案されている。この技術では、熱膨張後の形状の安定化は改善されたものの、長期間高温下に曝されるとウレタンフォームが加水分解を起こす場合があり、これによって弾性が失われる問題があった。そのため、高温多湿下における使用を制限する必要があった。
この加水分解性による弾性の喪失の問題を改善する技術として、本願発明者らは、前記特許文献4の組成物中のホウ酸の代わりに、エポキシ樹脂を配合した組成物を開発した(特許文献5)。この技術では、熱膨張後の形状保持性を保ちつつ、長期間の高温耐久性も改善されている。
特開平09−176498号公報 特表平03−504738号公報 特開2002−181262号公報 特開2001−348476号公報 特開2006−70155号公報
前記のように、防火用膨張材料に関する技術に関しては、様々な開発が進んでいるが、防火用目地材として用いるためには、防火区画体に設けられた貫通口の隙間や、ユニット構法等で組み立てられる建造物の継ぎ目などに挿入し、圧縮して使用する必要があり、作業性を向上するためにも、軽量化や軟質化が要望されている。
そこで、本発明では、従来からの防火用膨張材料に欠かせない性質を保ちつつ、軽量化及び軟質化を実現し得る防火用目地材に関する技術を提供することを主目的とする。
本願発明者らは、前記課題を解決するために、防火用目地材の各構成成分の配合量について鋭意研究した結果、エポキシ樹脂と無機充填剤の配合量を、形状安定化性能や施工性を付与するには従来では非常識とされていた配合量に敢えて設定し、かつ、熱膨張性黒鉛の配合量を特定量に限定することにより、防火用膨張材料に欠かせない性質を保ちつつ、軽量化及び軟質化を実現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明では、まず、ウレタンプレポリマー100質量部と、
エポキシ樹脂5〜19質量部と、
無機充填剤70〜120質量部と、
熱膨張性黒鉛10〜30質量部と、からなる防火用目地材を提供する。
本発明に係る防火用目地材の酸素指数は、難燃性及び形状保持性が維持されていれば、特に限定されないが、好ましい指標として、本発明では酵素指数が40以上であることが望まれる。
前記エポキシ樹脂は、前記の配合量で配合されていれば、その性状は特に限定されないが、分散性を考慮するとエポキシ樹脂エマルジョンとして添加することが好ましい。
前記無機充填剤も、前記の配合量で配合されていれば、その種類は特に限定されないが、本発明においては、水酸化アルミニウムを無機充填剤として用いることが好ましい。
本発明に係る防火用目地材は、従来からの防火用膨張材料に欠かせない難燃性、形状保持性、適度な熱膨張性、高温耐久性等の性質を保ちつつ、軽量化及び軟質化の大幅な向上を実現した。その結果、施工性の大幅な改善が実現でき、施工コストや施工時間の大幅な軽減に貢献できる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本発明に係る防火用目地材は、大別して、(1)ウレタンプレポリマー、(2)エポキシ樹脂、(3)無機充填剤、(4)熱膨張性黒鉛、とからなる。以下、各構成成分について、それぞれ詳細に説明する。
(1)ウレタンプレポリマー
本発明に係る防火用目地材には、断熱性を有する主要構成成分として、ウレタンプレポリマーを用いる。ウレタンプレポリマーは、イソシアネート類と多価アルコールとの縮重合で作成できる。本発明に係る防火用目地材に用いることが可能なウレタンプレポリマーは、本発明の目的を損なわなければ、その種類は特に限定されず、公知のものを1種又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。例えば、一液タイプ、二液タイプ等、いずれの原料から得られたものも使用できるが、本発明においては特に、一液タイプが好ましい。
より具体的には、本発明に係る防火用目地材に用いることができるウレタンプレポリマーを構成するイソシアネート類としては、例えば、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−2,4'−または4、4'−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、粗製TDI、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(粗製MDI)、などを1種又は2種以上、自由に組み合わせて用いることができる。
本発明に係る防火用目地材に用いることができるウレタンプレポリマーを構成する多価アルコールとしては、例えば、低分子量ポリオールにアルキレンオキサイドを付加したポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、重合体ポリオール、などを1種又は2種以上、自由に組み合わせて用いることができる。
本発明では、特に、トルエンジイソシアネート(TDI)を末端基とし、ポリエチレンオキサイド及びポリプロピレンオキサイドを親水基として有するウレタンプレポリマーから得られるウレタンプレポリマーを好適に用いることができる。
(2)エポキシ樹脂
本発明に係る防火用目地材には、形崩れ防止のための形状安定化剤としてエポキシ樹脂を用いる。本発明に係る防火用目地材に用いることができるエポキシ樹脂の種類は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されず、公知のものを1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。この中でも特に、本発明においては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が汎用性に優れる点で好ましい。
本発明に係る防火用目地材におけるエポキシ樹脂の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して5〜19質量部に設定する。この含有量は、従来からの常識では、少量すぎる設定であり、形状保持性が十分に発揮されない量であると考えられてきた。しかし、本発明においては、後述する無機充填剤や熱膨張性黒鉛を特定の配合量に限定したことで、5〜19質量部と従来に比べ極端に少量であっても、形状保持性を維持することに成功した。
5質量部以上に設定したのは、形状保持性を維持するために最低の量であるからである。19質量部以下に設定したのは、19質量部を超えると得られた防火用目地材の硬度が上昇する場合があり、圧縮性の低下にもつながるからである。
エポキシ樹脂は、前記の配合量で配合されていれば、その性状は特に限定されないが、本発明においては、エマルジョン又は粉体として添加することが好ましい。ウレタンプレポリマーに均一に分散させるためである。作業性を考慮すると、エポキシ樹脂エマルジョンとして添加することが、より好ましい。
(3)無機充填剤
本発明に係る防火用目地材には、防火用目地材の難燃性をより向上させるために無機充填剤を用いる。本発明に係る防火用目地材に用いることができる無機充填剤の種類は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されず、公知のものを1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、ベントナイト、活性白土、セピオライト、ガラス繊維、ガラスビーズ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンブラック、グラファイト、などを挙げることができる。これらの中でも特に、本発明においては、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムが好ましく、両者の中でも特に、水酸化アルミニウムがより好ましい。これらは、加熱時の脱水反応により生成する水によって吸熱反応が起こり、本発明に係る防火用目地材の温度上昇が抑えられるからである。
本発明に係る防火用目地材における無機充填剤の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して70〜120質量部に設定する。この含有量は、従来からの常識では、大量すぎる設定であり、硬度が上昇しすぎる量であると考えられてきた。しかし、本発明においては、前記エポキシ樹脂や後述する熱膨張性黒鉛を特定の配合量に限定したことで、70〜120質量部と従来に比べ大量であっても、軟質化を実現し、圧縮性を上昇させることに成功した。
70質量部以上に設定したのは、70質量部未満であると、難燃性が低下する(酸素指数で表すと、例えば40未満となる)とともに、熱膨張層の強度が不足する場合があるからである。120質量部以下に設定したのは、120質量部を超えると得られた防火用目地材の硬度が上昇しすぎて可撓性が低下する可能性があり、また、比重が上昇することにより軽量化の実現が難しくなり、施工性が低下する場合があるからである。
無機充填剤は、前記の配合量で配合されていれば、その性状は特に限定されないが、本発明においては、分散性の観点から、無機充填剤の平均粒径が、レーザー回折法における測定値として1〜50μmであることが好ましい。
(4)熱膨張性黒鉛
本発明に係る防火用目地材には、防火用目地材に適度な熱膨張性を付与するために、熱膨張性黒鉛を用いる。この熱膨張性黒鉛は、200℃程度以上の温度に曝されると、100倍以上に熱膨張し、隙間を閉塞させて火炎や煙の流入を防止する機能を発揮する。
本発明に係る防火用目地材に用いることができる熱膨張性黒鉛は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されず、公知のものを1種又は2種以上、自由に選択して用いることができる。例えば、天然グラファイトや熱分解グラファイト等の粉末を、硫酸や硝酸等の無機酸と、濃硝酸や過マンガン酸塩等の強酸化剤とで処理し、グラファイト層状構造を維持した結晶化合物などを用いることができる。なお、天然グラファイト、熱分解グラファイト等の粉末には、脱酸処理や中和処理を行った各種品種があるが、本発明においては、いずれを使用してもよい。
本発明に係る防火用目地材における熱膨張性黒鉛の含有量は、ウレタンプレポリマー100質量部に対して10〜30質量部、より好ましくは、13〜20質量部に設定する。この含有量に設定することにより、前記含有量に設定した前記エポキシ樹脂や前記無機充填剤と相俟って、難燃性、形状保持性、適度な熱膨張性、高温耐久性等の従来からの防火用膨張材料に欠かせない性質を保ちつつ、軽量化及び軟質化を実現し、圧縮率を上昇させることに成功した。
10質量部以上に設定したのは、10質量部未満であると、十分な熱膨張性が得られず、また、十分な難燃性が得られない可能性があるからである。30質量部以下に設定したのは、30質量部を超えると、熱膨張倍率は上昇するものの、得られた防火用目地材の硬度が上昇しすぎて可撓性が低下する可能性があり、また、比重が上昇することにより軽量化の実現が難しくなり、施工性が低下する場合があるからである。
熱膨張性黒鉛は、前記の配合量で配合されていれば、その性状は特に限定されないが、本発明においては、熱膨張性黒鉛の粒度が、20〜400メッシュ(JIS Z 8901による測定)程度であることが好ましい。400メッシュより粒度が小さくなると熱膨張性黒鉛の膨張度が小さく、得られた防火用目地材が火災時に充分熱膨張しない場合があり、また20メッシュより粒度が大きくなると分散性が悪くなり、防火用目地材の弾性が低下する場合があるからである。
本発明に係る防火用目地材は、前記の各構成成分を特定の含有量で配合していれば、本発明の目的を達成することができるが、一指標として、酸素指数(JIS K7201による測定)が40以上であることが好ましい。40未満では、火災時において十分な難燃性が得られない可能性があり、また、形崩れ防止性も劣る場合がある。なお、この酸素指数は、前記無機充填剤及び前記膨張性黒鉛の配合量を操作することによって調整することができる。
また、本発明に係る防火用目地材の300℃、0.5時間における熱膨張倍率は、1.5〜2.5倍であることが好ましい。熱膨張倍率が1.5倍未満であると、火災時に十分に膨張せず、目的の隙間等を十分に閉塞することができず、火災の延焼防止を図ることができない場合があるからである。また、熱膨張倍率を2.5倍以下と設定したのは、本発明に係る防火用目地材は柔軟性があるので圧縮して防火処理部分に挿入することが出来るため、圧縮倍率(100/100−圧縮率)とこの熱膨張倍率を乗じた倍率が施工状態での膨張倍率となるが、熱膨張倍率が2.5倍を有すれば、実際の火災現場における延焼防止効果としては十分であるからである。
また、本発明に係る防火用目地材の比重は、0.22以下であることが好ましい。本発明に係る防火用目地材の軽量化を図り、施工性の向上を実現するためである。
また、本発明に係る防火用目地材の硬度は、8以下であることが好ましい。本発明に係る防火用目地材の軟質化を図り、施工性の向上を実現するためである。
更に、本発明に係る防火用目地材の圧縮率は、65%以上であることが好ましい。本発明に係る防火用目地材の施工性の向上を実現するためである。
以上説明した本発明に係る防火用目地材は、その構成成分及び配合比に特徴があって、その製造方法は特に限定されず、公知の方法を自由に選択して製造することができる。例えば、まず、熱膨張性黒鉛、エポキシ樹脂、無機充填剤を用いてスラリーを調整する。この際、水を加えて液状で混合することにより、エポキシ樹脂が混練機器内壁に固着することを防ぐことができる。次に、このスラリーにウレタンプレポリマーを添加し、発泡が開始するまで攪拌混合を続け、次いで所定の形状を有する型に注入して発泡成形させる。更に、所定の温度(例えば、約50℃)で養生して含有水分を蒸発させることにより、本発明に係る防火用目地材を製造することができる。なお、養生時間は、防火用目地材である発泡成形体の大きさや養生温度に応じて適宜設定すればよい。
前記製造工程におけるスラリー中の固形分は、最終製品の使用目的、用途等に応じて適宜設定することができるが、通常は15〜80質量%であり、30〜60質量%が特に好ましい。固形分が15質量%未満の場合には、得られる成形体の形状安定性が低下するおそれがあり、固形分が80質量%を超える場合は、スラリーの粘度が上昇し、所望の防火用目地材が得られなくなるおそれがあるからである。
また、前記製造工程におけるスラリーには、必要に応じて他の添加剤を配合することができる。例えば、界面活性剤、架橋剤、整泡剤、触媒、発泡剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料、フィラー等を添加することが可能である。これらの添加剤は、熱膨張性黒鉛、エポキシ樹脂、無機充填剤と同時に若しくは順次配合した後、公知の攪拌機等で均一に混合することにより、添加剤を配合したスラリーを調整することができる。
本発明に係る防火用目地材は、防火膨張性材料を用いる公知のあらゆる工法に適用することができる。各工法における使用方法や使用部位も特に制限されず、防火性が要求される箇所に幅広く用いることができる。
例えば、防火区画体に設けられた貫通口の隙間の一部もしくは全部を閉塞するために用いることができる。また、ユニット構法のように工場で予め組み立てられた構造物を積み重ねて建造する場合など、その継ぎ目の防火部位にも好適に用いられる。具体的には、防火壁、床スラブ等の防火区画体に設けられた貫通口を通る電源ケーブルや通信ケーブル、パイプ等と防火壁の隙間を本発明に係る防火用目地材で被覆したり、本発明に係る防火用目地材を施工部分に適合する形状に成形して作製したガスケットを装着したりして用いることが出来る。
更に、ユニット式の集合住宅やビルの外装材の継ぎ目に、テープ状に形成した本発明に係る防火用目地材を装着し、圧縮密着させて用いることも可能である。その他、防火を必要とする装置本体とそれを覆う耐火パネルの間、もしくはその耐火パネルの端部に使用することができる。この場合、粘着剤や接着剤で貼り付けたり、ボルトや釘などで固定したりして用いることが可能である。
なお、本発明に係る防火用目地材は、軽量性、軟質性、圧縮性、断熱性、形状保持性、高温耐久性、弾性、柔軟性、熱膨張性、など様々な特性を有しているため、弾性、柔軟性、熱膨張性、断熱性、耐火性、制振性、防音性等の特性が要求される様々な分野に、広く利用することが可能である。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
本実施例における「部」及び「%」は質量基準に基づく。また、本実施例において使用した材料の詳細を、それぞれ以下に示す。
(1)ポリオール系ウレタンプレポリマー:三井化学ポリウレタン株式会社製、「EGH−401」
(2)エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂エマルジョン(ジャパン エポキシ レジン株式会社製、「W2811R70」固形分70%)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂パウダー(ジャパン エポキシ レジン株式会社製、「4010P」)
(3)熱膨張性黒鉛:エア・ウォーター株式会社製「SS−3」、膨張開始温度260℃
(4)無機充填剤:水酸化アルミニウム(日本軽金属株式会社製、「B53」)
<防火用目地材の作製>
下記の表1及び表2に示す配合量に従って、エポキシ樹脂、熱膨張性黒鉛、無機充填剤の混合物に水を加えてスラリーを調整した。このスラリーにウレタンプレポリマーを加えて攪拌混合し、寸法12cm×12cm×17cmの型に注入して発泡成形させ、型と共にオーブン中100℃、1時間で養生した後、脱型した。得られた発泡硬化体をさらにオーブン中50℃で2日間、養生することにより水分を蒸発させてスポンジ状の防火用目地材(実施例1〜9、比較例1〜6)を作製した。
<各特性の評価>
実施例1〜9、比較例1〜6に係る防火用目地材について、下記の測定方法に従い、各特性を評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
(1)比重
JIS K6220に準じて電子比重計(Mirage Trading社製;EW120SG)で測定した。
(2)硬度
発泡成形体に、C型ゴム硬度計(高分子計器株式会社製)を当てた直後の硬度計の指示を読み取ることにより測定した。
(3)圧縮率
50mm角の発泡成形体を圧縮試験機で圧縮速度10mm/minの速度で圧縮した。圧縮応力が0.1Mpaとなったときの圧縮率を測定した。
(4)熱膨張性倍率
試験片を300℃で保持された雰囲気内に0.5時間放置した後の膨張倍率を測定した。
(5)形状保持性
熱膨張倍率測定後の試験片を目視と指触で評価した。型崩れせず指で触っても崩れないものを「良」、指触ですぐ崩れるか、あるいは既に崩れてしまったものを「不可」と評価した。
(6)酸素指数
JIS K6269に準じて燃焼性試験装置(スガ試験機株式会社製、ON−1D型)を用いて測定した。
表1に示す通り、実施例1〜9に係る防火用目地材は、全て、良好な形状保持性及び酸素指数40以上を維持しつつ、比重及び硬度が低く(比重:0.22以下、硬度:8以下)、圧縮率が高いことが分かった(圧縮率:65以上)。また、実施例1〜9に係る防火用目地材の熱膨張倍率は、高すぎたり低すぎたりせず(1.5〜2.5倍)、実際の火災現場における延焼防止効果を十分に発揮すると示唆された。
一方、表2に示す通り、各比較例は、以下の点で本発明の目的を達成しないことが分かった。
(1)比較例1
比較例1に係る防火用目地材は、比重及び硬度が低く、圧縮率が高く、形状保持性も良好であったが、膨張性黒鉛の配合量が少ないため、膨張倍率および酸素指数が低くなることが分かった。従って、比較例1に係る防火用目地材は、膨張倍率が低いために、火災現場における延焼防止効果が劣り、また、酸素指数も低いため、火災時に十分な難燃性が得られないと考えられる。
(2)比較例2
比較例2に係る防火用目地材は、形状保持性は良好であり、酸素指数も40以上であるため、難燃性も良好であると考えられるが、熱膨張性黒鉛及びエポキシ樹脂の配合量が多いために比重及び硬度が高く、それに伴い、圧縮率が低くなることが分かった。また、膨張性黒鉛の配合量が多いために、膨張倍率が高くなりすぎることが分かった。従って、比較例2に係る防火用目地材は、比重及び硬度が高く、圧縮率が低いために施工性が悪いと考えられる。
(3)比較例3
比較例3に係る防火用目地材は、比重及び硬度が低く、圧縮率が高く、膨張倍率も適当で、酸素指数も40以上であるが、エポキシ樹脂の配合量を低くしすぎたために、形状保持性が劣ることが分かった。
(4)比較例4
比較例4に係る防火用目地材は、酸素指数は40以上であるため、難燃性は良好であると考えられるが、エポキシ樹脂の配合量を本発明の範囲となるように極端に少量にしたにも関わらず、熱膨張性黒鉛の配合量が多いために、比重及び硬度が高く、それに伴い、圧縮率が低くなり、更に形状保持性も劣ることが分かった。また、膨張性黒鉛の配合量が多いために、膨張倍率が高くなりすぎることが分かった。従って、比較例4に係る防火用目地材は、比重及び硬度が高く、圧縮率が低いために施工性が悪いと考えられる。
(5)比較例5
比較例5に係る防火用目地材は、比重及び硬度が低く、圧縮率が高く、膨張倍率も適当で、形状保持性も良好であったが、無機充填剤の配合量が少ないため、酸素指数が低くなることが分かった。従って、比較例5に係る防火用目地材は、酸素指数が低いために、火災時に十分な難燃性が得られず、熱膨張性層の強度が不足すると考えられる。
(6)比較例6
比較例6に係る防火用目地材は、熱膨張倍率が適当で、形状保持性も良好で、酸素指数も40以上であったが、無機充填剤の配合量が多すぎるため、比重及び硬度が高くなり、それに伴い圧縮率が低くなることが分かった。従って、比較例6に係る防火用目地材は、比重及び硬度が高く、圧縮率が低いために施工性が悪いと考えられる。
本実施例の結果、形状保持性、難燃性、適度な熱膨張性、など従来から防火用目地材に必要とされていた性質を保ちつつ、軽量化、軟質化、及び圧縮率の上昇を実現させるためには、エポキシ樹脂と無機充填剤の配合量を、形状安定化性能や施工性を付与するには従来では非常識とされていた配合量(エポキシ樹脂:5〜19質量部、無機充填剤:70〜120質量部)に敢えて設定し、かつ、熱膨張性黒鉛の配合量を10〜30質量部といった特定の量に限定することが必要であることが分かった。

Claims (4)

  1. ウレタンプレポリマー100質量部と、
    エポキシ樹脂5〜19質量部と、
    無機充填剤70〜120質量部と、
    熱膨張性黒鉛10〜30質量部と、からなる防火用目地材。
  2. 酸素指数が40以上である請求項1記載の防火用目地材。
  3. 前記エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂エマルジョンとして添加する請求項1又は2に記載の防火用目地材。
  4. 前記無機充填剤は、水酸化アルミニウムである請求項1から3のいずれか一項に記載の防火用目地材。
JP2008196289A 2008-07-30 2008-07-30 防火用目地材 Active JP4860672B2 (ja)

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