次に、薄片をその代表的な紙幣で表した本発明の実施の形態について説明する。図1は薄片識別装置を内蔵したメダル貸機を設置した遊技装置の正面図、図2は薄片識別装置を内蔵したメダル貸機の正面斜視図、図3は遊技装置を取り付けた遊技台の側面図、図4は両島タイプの遊技装置における搬送装置の配置平面図、図5は搬送ユニットを接続した状態の正面図、図6は取り付け具と搬送ユニットの正面斜視図、図7は搬送ユニットのベルトと内側部材との関係を示す正面図、図8は搬送ユニットに取り付けた状態のカバー部材と薄片導入装置の正面図、図9は搬送ユニットに薄片導入装置を取り付けた状態を示す図、図10は基本カバー部材の主固定カバー部材とスライドカバー部材の組み合わせ関係を示す正面図、図11は主固定カバー部材とスライドカバー部材の関係を防護辺先端側から見た構成図、図12は第1及び第2の補助カバー部材の正面図、図13は第3の補助カバー部材の正面図、図14は第3の補助カバー部材を上下支持部材に取り付けた斜視図、図15は主固定カバー部材とスライドカバー部材が第1の補助カバー部材等と連結した状態を示す上面図、図16は片島の場合の搬送ユニットの断面図、図17は両島の場合の搬送ユニットの断面図、図18は基本カバー部材が開いた状態を示す側面図、図19は下支持部材に対して正規の取り付け状態にある基本カバー部材の回動支点部分の断面図、図20は下支持部材に対して回動した状態の基本カバー部材の回動支点部分の断面図、図21は薄片導入装置を透明な本体部分を透してローラの軸方向に見た内部構造図、図22は薄片導入装置の裏側から見た斜視図、図23は内側部材のローラとエンドレスベルトと駆動ローラの寸法関係を示す図、図24は搬送路M1の薄片が突部で案内される状態を示す搬送ユニットの断面図である。
本発明の実施の形態を図に基づき説明する。1は遊技機であり、パチンコ機、又はパチンコ機能とスロットマシン機能との併合であるパチスロ機等の遊技機を示す。2は遊技媒体(パチンコ球、メダル等)の供給を受けるために挿入された紙幣や有価カード等の薄片100の識別機能を有する薄片識別装置10と、前記遊技媒体の供給部20を備えた貸機である。貸機2は、遊技機1相互間に配置されるため台間貸機とも称し、遊技機1の横に隣接するように貸機2が配置されて遊技装置の島を形成している。遊技機1と貸機2は、遊技装置の島の外観形成を整えるために同一高さに形成されている。
有価カードとしては、プリペイドカード、その他のカード等の如くカードに貨幣価値が記憶されたものであり、このカードを薄片識別装置10に挿入することによって、貸機2から遊技媒体の供給を受けることができるものである。以下、貸機2がメダルを貸すメダル貸機2とし、薄片が紙幣である場合について説明する。メダル貸機2は、その筐体2A内の上部に薄片の一つである紙幣の真偽を識別する薄片識別装置10と、下部に前記遊技媒体の一つであるメダルを供給するメダル払い出し部20と、そして中間部に電装部30を内蔵している。
メダル貸機2は薄片識別装置10と電装部30の前面側を開閉できるように前面扉16を備えており、前面扉16には、薄片識別装置10に対応した前面側に紙幣挿入部11を備えている。前面扉16は、遊技装置の管理者が開閉できる施錠装置18によって閉じられているが、前面扉16を開くことによって薄片識別装置10及び電装部30の点検や修理等ができる。
紙幣挿入部11は、メダル貸機2の前面に開口した紙幣挿入口12と紙幣挿入口12の下側又は上側に挿入適用紙幣の金種表示部13を備えている。図に示す形態では、紙幣挿入口12の下側の傾斜面に挿入適用紙幣の金種表示部13を設けており、この金種表示部13の表示は、挿入適用紙幣が¥1000であれば¥1000を標記している。紙幣挿入口12から挿入された紙幣の真偽判別を薄片識別装置10で行い、識別した真正紙幣100を後述の薄片導入装置3へ導入する。メダル貸機2に適用可能な紙幣は、例えば、1000円以外に、2000円、5000円、10000円の紙幣の一つ又は複数とすることもできる。
メダル払い出し部20は、メダル払い出し装置21とその上部に設けたメダル収納部22を備え、メダル収納部22へ収納されたメダルをメダル払い出し装置21によって1枚ずつ所定枚数払い出すものである。メダル収納部22へのメダルの補給は、メダル収納部22に対応してメダル貸機2の前面に設けたメダル補充用の前面扉23を開くことにより可能である。前面扉23は、遊技装置の管理者が開閉できる施錠装置24によって閉じられており、前面扉23を開くことによって、メダル払い出し部20の点検、修理等もできる。メダル払い出し装置21は、メダル収納部22の下端部において電動機機構によって回転する払い出し盤の回転によって、メダル収納部22のメダルを1枚ずつ払い出す仕組みである。払い出されたメダルは、誘導樋25を通って遊技機1の前面に設けたトレイ部へ排出される仕組みである。
電装部30は、薄片識別装置10とメダル払い出し部20に電気的に接続されている。このため電装部30は、紙幣挿入口12から挿入され薄片識別装置10にて識別された真正紙幣(符号100)の金額データの読み込み制御や、この金額データを表示器17に表示させる制御や、この真正紙幣の金額に対応してメダル払い出し装置21から払い出すメダル数を表示器17に表示させる制御や、この真正紙幣の金額に対応してメダル払い出し装置21から所定数のメダルを払い出す制御や、メダル収納部22の収納メダルの不足を検知センサで検知しランプ等で報知する制御等を行う。
遊技機1と貸機2とは交互に基台210に一列状に併設されてグループAを構成して、遊技施設内に恰も「島」を形成するように見えるため、遊技島、遊技装置の島または単に島と称している。このような遊技島は、前記グループが背中合わせに配置したものを両島タイプと称し、片側のみのものを片島タイプと称している。図3および図4には、グループAが背中合わせに配置された両島タイプの構成を示している。グループAの背面側には、グループAに沿って薄片100を所定方向に向けて搬送する搬送路Mを形成する薄片搬送装置5が設けられており、貸機2の薄片識別装置10で識別された真正薄片100は、薄片導入装置3によって薄片搬送装置5へ導入される。薄片搬送装置5の搬送終端部には、搬送されてくる薄片100を制御部でカウントすると共に収納する収納部700が設けられている。
薄片搬送装置5は、1本のエンドレスベルト51の一方向搬送駆動によって薄片100を搬送する搬送ユニット50(別称、搬送カセット50)の複数が直列状態に接続されて薄片搬送路Mを形成する薄片搬送装置である。搬送ユニット50は、上下に並行配置した支持部材53と、搬送ユニット50の一端側と他端側にそれぞれ配置した回転子54A、54Bに所定の張力で持って架け渡された1本のエンドレスベルト51と、両回転子54A、54Bの何れか一方(図示のものは回転子54A)を駆動する電動機装置55と、エンドレスベルト51の外側を覆うようにエンドレスベルト51の前後両面又は片面から上下支持部材53に着脱可能に取り付けられるカバー部材52とを備えている。カバー部材52の内側には、カバー部材52とエンドレスベルト51との間に薄片100を挟持して搬送する搬送路M1が形成される。薄片識別装置10から導入される薄片100を搬送路M1へ導入する薄片導入装置3が、カバー部材52に隣接して上下支持部材53、53間に取り付けられている。上下支持部材53に対するカバー部材52と薄片導入装置3の取り付けは、搬送路M1に対する上流側と下流側の任意位置に取り付け可能である。
電動機装置55は、電動機とこの電動機によって回転する複数の歯車との組み合わせで構成され、上下支持部材53の一方に取り付けられている。図では電動機装置55のボックスを下側の支持部材53に取り付けた形態を示しており、電動機装置55によって回転子54Aを駆動する構成である。
薄片搬送装置5には、複数の薄片導入装置3が間隔を存して配置されているが、この薄片導入装置3は、貸機2に対応して配置されるため、遊技施設の配置構成等によって、貸機2の間隔が変化すればそれに応じて薄片導入装置3相互の間隔も変化する。このため、薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成が必要となる。本発明では、この間隔に合わせたカバー部材52の左右方向の長さ調節を行うために、カバー部材52は、基本カバー部材と補助カバー部材との組み合わせを採用している。この基本カバー部材は、上下支持部材53に着脱可能に取り付けられる左右方向に所定長さを有する主固定カバー部材52Bの左右両端部に、横方向へスライド可能にスライドカバー部材52Cが組み合わされた基本カバー部材52Aである。
主固定カバー部材52Bに対してスライド可能に組み合わされるスライドカバー部材52Cは、その上下両端部の裏側に、主固定カバー部材52Bの上下両端部が嵌り合う係合部56を形成している。図では係合部56が上下に各3個形成した形態を示している。そして、スライドカバー部材52Cから突出して平行になっている一対のリブ57が主固定カバー部材52Bに形成されて平行になっている一対の長孔58Aにスライド可能に嵌り合い、長孔58Aの縁部にリブ57から延出した係止部59が係止した状態で、主固定カバー部材52Bに対してスライドカバー部材52Cがスライド可能に組み合わされている。また、スライドカバー部材52Cから突出した突起STが主固定カバー部材52Bに形成した長孔58Bにスライド可能に嵌り合い、主固定カバー部材52Bに対してスライドカバー部材52Cが引き出されて突起STが長孔58Bの端部に当接したとき、主固定カバー部材52Bに対するスライドカバー部材52Cの引き出し長さが所定の最大である。この最大引き出し長さは、実施例では40mmである。また、主固定カバー部材52Bに対してスライドカバー部材52Cが押し込まれて、突起STが長孔58Bの反対側の端部に当接したとき、スライドカバー部材52Cは主固定カバー部材52B内に引っ込んだ状態となり、主固定カバー部材52Bに対するスライドカバー部材52Cの引き出し長さは0(ゼロ)である。このように、主固定カバー部材52Bに対するスライドカバー部材52Cの引き出し長さは、0(ゼロ)から所定長さ(実施例では40mm)の範囲で引き出し長さが調節可能である。
基本カバー部材52Aのみで薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成ができる場合は、基本カバー部材52Aのスライドカバー部材52Cと薄片導入装置3とは、係合部60によって着脱自在に連結可能である。また、基本カバー部材52Aのみでは、薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成ができない場合は、補助カバー部材を追加採用する。このように、選択的に採用される補助カバー部材は、横幅の異なる複数種類の形態を備えており、それぞれ上下支持部材53に着脱可能に取り付けられる第1の補助カバー52P1と、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3を備えている。
スライドカバー部材52Cと薄片導入装置3とは弾性係合の係合部60によって着脱自在に連結可能であり、また、薄片導入装置3と第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、又は第3補助カバー部材52P3とは、前記係合部60と同様の構成の弾性係合の係合部60によって着脱自在に連結可能である。更に、スライドカバー部材52Cと第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、又は第3補助カバー部材52P3とは、前記係合部60と同様の構成の弾性係合の係合部60によって着脱自在に連結可能である。更にまた、第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、及び第3補助カバー部材52P3のいずれも、前記係合部60と同様の構成の弾性係合の係合部60によって、相互に着脱自在に連結可能である。
係合部60に関して以下に説明する。スライドカバー部材52Cの上下両部分には、スライドカバー部材52Cと一体に横方向へ防護辺200が延出形成され、防護辺200の基部には、係合部60の一方側を形成する係合突起61Aが形成されている。防護辺200は、合成樹脂製のスライドカバー部材52Cと一体形成されて弾力性を有している。薄片導入装置3の左右両端部には、係合部60の他方側を形成する係合突起61Bが形成されている。
スライドカバー部材52Cと前記補助カバー部材(第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、又は第3補助カバー部材52P3)とを連結する係合部60は、スライドカバー部材52Cの防護辺200の基部に形成された弾性係合する係合突起61Aと、これに係合するように前記補助カバー部材の左右両端部の一方側に形成された係合突起61Bとで構成されている。そして、前記補助カバー部材の左右両端部の他方側には、係合突起61Aと同様の弾性係合する係合突起61Aが形成されている。また、薄片導入装置3の左右両端部には、上記の係合突起61Bと同様に、スライドカバー部材52Cの防護辺200の基部に形成された係合突起61A、又は前記補助カバー部材(第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、又は第3補助カバー部材52P3)が弾性係合する係合突起61Bが形成されている。
このような係合部60の構成によって、例えば、スライドカバー部材52Cが、第1補助カバー部材52P1を介して薄片導入装置3に連結される場合は、薄片導入装置3と基本カバー部材52Aと第1補助カバー部材52P1とを上下の支持部材53に取り付けた状態で、第1補助カバー部材52P1の一方の係合突起61Aを弾力性によって、薄片導入装置3の一方の係合突起61Bに係合し、スライドカバー部材52Cの係合突起61Aを弾力性によって、第1補助カバー部材52P1の他方の係合突起61Bに係合する。この場合の係合操作の順序は限定されない。このような関係によって、基本カバー部材52Aは第1補助カバー部材52P1を介して両側の薄片導入装置3、3に連結される。
また、スライドカバー部材52Cが、第2補助カバー部材52P2を介して薄片導入装置3に連結される場合は、薄片導入装置3と基本カバー部材52Aと第2補助カバー部材52P2とを上下の支持部材53に取り付けた状態で、第2補助カバー部材52P2の一方の係合突起61Aを弾力性によって、薄片導入装置3の一方の係合突起61Bに係合し、スライドカバー部材52Cの係合突起61Aを弾力性によって、第2補助カバー部材52P2の他方の係合突起61Bに係合する。この場合の係合操作の順序は限定されない。このような関係によって、基本カバー部材52Aは第2補助カバー部材52P2を介して両側の薄片導入装置3、3に連結される。
また、図8のように、スライドカバー部材52Cが、第1補助カバー部材52P1と第2補助カバー部材52P2を介して薄片導入装置3に連結される場合は、薄片導入装置3と基本カバー部材52Aと第1補助カバー部材52P1と第2補助カバー部材52P2とを上下の支持部材53に取り付けた状態で、第1補助カバー部材52P1の一方の係合突起61Aを弾力性によって、薄片導入装置3の一方の係合突起61Bに係合し、第2補助カバー部材52P2の他方の係合突起61Bに第1補助カバー部材52P1の一方の係合突起61Aを係合し、スライドカバー部材52Cの係合突起61Aを弾力性によって、第2補助カバー部材52P2の他方の係合突起61Bに係合する。このような構成によって、基本カバー部材52Aは第1補助カバー部材52Pと第2補助カバー部材52P2を介して両側の薄片導入装置3、3に連結される。
このように、薄片導入装置3と、スライドカバー部材52Cと、前記補助カバー部材(第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、又は第3補助カバー部材52P3)のいずれも、係合部60によって相互に着脱自在に連結可能である。これは各係合部60の構成が同様の構成であることによって達成できる。この場合の係合操作の順序は限定されない。なお、各係合部60は、係合突起61Aの弾力性に抗した強い引き離し方向の作用力の付与によって、係合が解除できる。
ここで、基本カバー部材52Aと第1の補助カバー部材52P1を組み合わせ採用する場合の上下支持部材53に対する取り付けについて説明する。スライドカバー部材52Cと薄片導入装置3とは、係合部60によって着脱自在に連結可能であり、スライドカバー部材52Cと第1の補助カバー部材52P1とは前記係合部60と同様の係合部60によって着脱自在に連結可能である。これによって、主固定カバー部材52Bを上下支持部材53に取り付けた状態で、スライドカバー部材52Cのスライドによる長さ調節と、補助カバー部材52P1の選択的採用によって、薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52が構成される。
上下支持部材53は、前後端部に突出した係止壁53Aをその長さ方向に形成し、係止壁53A、53A相互間には、係止壁53A、53Aに近接して相対向するリブ53Fが形成され、リブ53F、53Fに形成された向かい合う突部53F1によって入口が狭まった溝53Bを上下支持部材53の長さ方向に形成している。溝53Bは、深さを規定するために底壁から入口へ向けて立ち上がったリブ53Cを形成している。これら係止壁53A、溝53B、リブ53Cを一体に形成するために、上下支持部材53は、搬送ユニット50の略全長に渡る直線状部材で構成され、この直線状部材は、アルミニウムの押し出し成形材、合成樹脂製等で形成される。このため、上下支持部材53はレール状支持部材と称することができる。
基本カバー部材52Aを上下支持部材53に取り付ける取り付け部520として、主固定カバー部材52Bには、上下端部に上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて係止する係止部52Dと、着脱操作用のレバー部52Eを形成した取り付け部520を形成している。主固定カバー部材52Bは、左右方向寸法が340〜350mmのように比較的長いため、安定した取り付けを得るために、複数の取り付け部520が上下端部に配置されており、図示のものは上下端部にそれぞれ4個の取り付け部520が配置されている。
主固定カバー部材52Bを上下支持部材53に取り付ける場合は、弾性係止部52Dと一体のレバー部52Eを手で押し圧して弾性係止部52Dを開いた状態で、主固定カバー部材52Bを上下支持部材53の縦面に当接させ、この状態でレバー部52Eの押し圧を解除することにより、弾性係止部52Dが上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて係止して、主固定カバー部材52Bが上下支持部材53に保持される。主固定カバー部材52Bを上下支持部材53から取り外す場合は、レバー部52Eを手で押し圧して弾性係止部52Dを開いて、上下支持部材53の係止壁53Aから外すことによって行える。このような構成であるため、基本カバー部材52Aは、弾性係止部52Dを弾性にて係止することによって、上下支持部材53の任意位置に着脱自在であり、更に、搬送路M1に対して、上流側と下流側の任意位置に取り付け可能となる。
第1の補助カバー部材52P1を上下支持部材53に着脱自在に取り付ける取り付け部520は、主固定カバー部材52Bの取り付け部520と同様に、第1の補助カバー部材52P1は、上下端部に上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて係止する係止部52Dと操作用レバー部52Eを備えた取り付け部520を形成している。上下支持部材53に対する第1の補助カバー部材52P1の着脱操作は、主固定カバー部材52Bの場合と同様である。
第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3を上下支持部材53に着脱自在に取り付ける取り付け部も、主固定カバー部材52Bの取り付け部520と同様の取り付け部を備えており、第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3は、それぞれ上下端部に上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて係止する係止部52Dと操作用レバー部52Eを備えた取り付け部520を形成している。上下支持部材53に対する第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3の着脱操作は、主固定カバー部材52Bの場合と同様である。
搬送途中で詰まった薄片100の取り除きなどのために、基本カバー部材52Aは、スライドカバー部材52Cと共に、下支持部材53への取り付け部520を支点として、エンドレスベルト51から離れる方向へ開放可能である。このために、基本カバー部材52Aが上下支持部材53に正規に取り付けられた状態では、図19のように、その係止部52Dが係止壁53Aに係止した状態であり、係止部52Dの端部がリブ53Fの部分53Rに近接又は当接した構成である。このため、基本カバー部材52Aの開放操作に伴って、主固定カバー部材52Bの係止部52Dが下支持部材53の係止壁53Aの端部を中心に回動するとき、図20のように、係止部52Dは係止壁53Aとリブ53Fの部分53Rとで挟まれた状態を維持するため、係止部52Dの遊びが制限されて、係止部52Dが係止壁53Aから脱落することが防止され、基本カバー部材52Aの開放操作を安定して行うことができる。実施例では、基本カバー部材52Aが開く角度は、略30度である。
薄片導入装置3は、カバー部材52を上下支持部材53に取り付けるための弾性係止部52Dとレバー部52Eの構成と同様な構成の取り付け部90を備えている。即ち、取り付け部90は、その薄片導入装置3の上下端部に、上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて係止する係止部90Aと操作用のレバー部90Bを形成しており、取り付け部520と同様の機能構成である。図では、薄片導入装置3の安定した取り付けを得るために、取り付け部90は上下に各2個設けている。
薄片導入装置3を上下支持部材53に取り付ける場合は、レバー部90Bを手で押し圧して弾性係止部90Aを開いた状態で、薄片導入装置3を上下支持部材53の縦面に当接させ、この状態でレバー部90Bの押し圧を解除することにより、弾性係止部90Aが上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて係止して、薄片導入装置3が上下支持部材53に保持される。薄片導入装置3を上下支持部材53から取り外す場合は、レバー部90Bを手で押し圧して弾性係止部90Aを開いて、上下支持部材53の係止壁53Aから外すことによって行える。薄片導入装置3の隣りにカバー部材52が近接又は当接状態に配置される。このような構成によって、カバー部材52と薄片導入装置3の各々は、上部と下部にそれぞれ形成した係止部520と90を、上下支持部材53に弾性係止することにより、搬送路M1に対する上流側と下流側の任意位置に取り付け可能となる。
上記のように、基本カバー部材52Aのみでは、薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成ができない場合は、補助カバー部材を追加採用し、選択的に採用される補助カバー部材は、横幅の異なる複数種類の形態を備えており、第1の補助カバー52P1と、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3とを備えている。この場合、基本的に採用される補助カバー部材は、第1の補助カバー52P1であり、第1の補助カバー部材52P1の横幅YSは、スライドカバー部材52Cの最大引き出し長さと同等又は若干長く、実施例では50mmである。
次に、第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3について説明する。第2の補助カバー部材52P2は、第1の補助カバー部材52P1とは横幅YSが異なるだけで、図12に示すように、上下支持部材53に着脱自在に取り付ける取り付け部520を含めて、全体構成と機能は第1の補助カバー部材52P1と同様である。第2の補助カバー部材52P2の横幅は、スライドカバー部材52Cの最大引き出し長さと同等であるが、第3の補助カバー部材52P3の横幅は、スライドカバー部材52Cの最大引き出し長さの整数倍である。実施例では、第2の補助カバー部材52P2の横幅YSは40mmであり、第3の補助カバー部材52P3の横幅は120mmである。
第1の補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3は、主固定カバー部材52Bと同様に、下支持部材53への取り付け部520を支点として、エンドレスベルト51から離れる方向へ開放可能である。このため、第1の補助カバー部材52P1乃至第3の補助カバー部材52P3の各係止部52Dが係止壁53Aに係止した状態で、係止部52Dの端部がリブ53Fに近接した構成であるため、第1の補助カバー部材52P1乃至第3の補助カバー部材52P3は、その開放操作に伴って、係止部52Dが下支持部材53の係止壁53Aの端部を中心に回動するとき、係止部52Dの遊びが制限されて、係止部52Dが係止壁53Aから脱落することが防止され、第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3の開放操作を安定して行うことができる。
上記のように、基本カバー部材52Aのみで薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成ができる場合は、基本カバー部材52Aの左右両側のスライドカバー部材52Cと薄片導入装置3、3とは、それぞれ係合部60によって着脱自在に連結される。基本カバー部材52Aのみを採用し、スライドカバー部材52Cによる長さ調節のみでは、薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成ができない場合は、第1の補助カバー52P1と、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3のいずれかを選択的に追加採用する。この場合、基本的に採用される補助カバー部材は第1の補助カバー52P1であり、第1の補助カバー52P1の横幅50mmと左右のスライドカバー部材52Cによる調整幅80mmによって、薄片導入装置3、3相互の長さに渡るカバー部材52を構成する。この構成は図8に示す。すなわち、一方側の薄片導入装置3と第1の補助カバー部材52P1が係合部60によって着脱自在に連結され、一方側のスライドカバー部材52Cとこの第1の補助カバー部材52P1が係合部60によって着脱自在に連結され、他方側のスライドカバー部材52Cと他方側の薄片導入装置3が係合部60によって着脱自在に連結される。このようにして、薄片導入装置3、3相互間に渡るカバー部材52が構成される。
また、基本カバー部材52Aと第1の補助カバー52P1との組み合わせでは、薄片導入装置3、3相互の長さに合わせたカバー部材52の構成ができない場合は、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3のいずれか又は双方を追加採用する。上記のように、横幅が50mmの第1の補助カバー部材52P1が薄片導入装置3と連結された状態で、スライドカバー部材52Cによる長さ調節幅を0〜40mmとし、横幅が40mmの第2の補助カバー部材52P2と、横幅が120mmの第3の補助カバー部材52P3とを用意すれば、まず、第2の補助カバー部材52P2を組み合わせる場合は、カバー部材52の長さは、基本カバー部材52Aの長さと、第1の補助カバー部材52P1の50mmと、第2の補助カバー部材52P2の40mmを加えた固定長さに対して、左右のスライドカバー部材52Cによる調節幅0〜80mmの長さで調節できる。
次に、第3の補助カバー部材52P3を組み合わせる場合は、カバー部材52の長さは、基本カバー部材52Aの長さと、第1の補助カバー部材52P1の50mmと、第3の補助カバー部材52P3の120mmを加えた固定長さに対して、左右のスライドカバー部材52Cによる調節幅0〜80mmの長さで調節できる。
更に、第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3を組み合わせる場合は、カバー部材52の長さは、基本カバー部材52Aの長さと、第1の補助カバー部材52P1の50mmと、第2の補助カバー部材52P2の40mmと、第3の補助カバー部材52P3の120mmを加えた固定長さに対して、左右のスライドカバー部材52Cによる調節幅0〜80mmの長さで調節できる。
なお、特別な場合として、第1の補助カバー部材52P1を採用せず、基本カバー部材52Aと、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3とを組み合わせる場合は、カバー部材52の長さは、基本カバー部材52Aの長さと、第2の補助カバー部材52P2の40mmと、第3の補助カバー部材52P3の120mmを加えた固定長さに対して、左右のスライドカバー部材52Cによる調節幅0〜80mmの長さで調節できる。
上記では、補助カバー部材は、横幅の異なる複数種類の補助カバー部材として、第1の補助カバー部材52P1と、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3を備えている。これによって、薄片導入装置3、3相互の間隔に合わせて、基本カバー部材52Aに加えて、第1の補助カバー部材52P1と、第2の補助カバー部材52P2と、第3の補助カバー部材52P3を選択的に配置し、主固定カバー部材52Bの左右両端部に取り付けたスライドカバー部材52Cのスライドによって、薄片導入装置3、3相互に渡るカバー部材52を構成することができる。このような構成によって、薄片導入装置3との連結の選択の幅が広がり、薄片100の円滑な搬送を得ることができる搬送ユニット50の構成ができ、遊技施設での搬送装置5の組み立て作業も簡素化される。
上記のように、第2の補助カバー部材52P2の横幅は、スライドカバー部材52Cの最大スライド長さと同等である。また、第3の補助カバー部材52P3の横幅は、スライドカバー部材52Cの最大スライド長さの整数倍である。このため、スライドカバー部材52Cによる長さ調節幅の最大長さを基準として、第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3の長さを設定することによって、薄片導入装置3に対するカバー部材52の連結の選択の幅が広がり、薄片100の円滑な搬送を得ることができる搬送ユニット50の構成ができ、遊技施設での搬送装置5の組み立て作業も簡素化される。
上記のように、エンドレスベルト51とカバー部材52とで、薄片100をその厚さ方向の両側から挟持し、横長に立てた状態で挟持して搬送する搬送路M1をカバー部材52の内側に形成している。このため、エンドレスベルト51とカバー部材52の裏側のリブ62とで薄片100を挟持して搬送する搬送路M1を形成する構成も考えられるが、更に十分な挟持構成として、本発明では、カバー部材52に設けたローラ65とエンドレスベルト51とで、薄片100をその厚さ方向の両側から挟持して搬送する搬送路M1をカバー部材52の内側に形成している。
具体的には、主固定カバー部材52Bと第1の補助カバー部材52P1と第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3のそれぞれの裏側、即ちベルト51側の面に、薄片100の搬送方向に沿ってそれぞれ補強用の複数のリブ62が形成されている。また、スライドカバー部材52Cの裏側、即ちベルト51側の面にも、薄片100の搬送方向に沿って補強用の複数のリブ57が形成されている。主固定カバー部材52Bと第1の補助カバー部材52P1と第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3は、上下支持部材53に取り付けられた状態で、各リブ57、62はベルト51に対して同等の近接状態になるように設定している。このような構成において、ローラ65はリブ62よりもベルト51側へ若干突出しており、ローラ65とエンドレスベルト51とで、薄片100をその厚さ方向の両側から挟持して搬送する搬送路M1を形成する。
実施例では、ローラ65は主固定カバー部材52Bと第1の補助カバー部材52P1と第2の補助カバー部材52P2と第3の補助カバー部材52P3にそれぞれ設けられている。図15に示すように、主固定カバー部材52Bのローラ65は、主固定カバー部材52Bの外面に取り付けた収納ケース66内において、前後方向、即ちベルト51方向に移動可能にバネ67によって付勢された上下方向軸68に回転可能に取り付けられており、ローラ65が主固定カバー部材52Bのリブ62から突出して、ベルト51に当接する状態に保たれる。バネ67は収納ケース66内に形成したボス69に一端側が嵌りあって保持され、他端側が上下方向軸68を押す。この場合、バネ67で押された上下方向軸68が、主固定カバー部材52Bから外れないように、最大押し圧位置において主固定カバー部材52Bに当接するように構成されている。また、第1の補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3のローラ65とそれに係る構成も、主固定カバー部材52Bのローラ65と同様の構成であるため、同じ符号によってそれを示している。
ローラ65の左右間隔は、薄片100の左右長さよりも短い間隔になるように配置することにより、薄片110の安定搬送が可能となる。実施例では、主固定カバー部材52Bには5個のローラ65が略等間隔に配置され、第1の補助カバー部材52P1と第2の補助カバー部材52P2には1個のローラ65が配置され、第3の補助カバー部材52P3には、2個のローラ65が配置されている。後述のように、上下支持部材53に取り付けた薄片導入装置3、3相互の間隔をカバー部材52によって塞ぐようにするために、薄片導入装置3、3相互の間隔に合わせて、基本カバー部材52Aに対して、第1の補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3取捨選択し、スライドカバー部材52Cのスライドと合わせた調整を行い、薄片導入装置3、3相互の間隔をカバー部材52によって塞ぐようにする。このため、両島タイプでは、上下支持部材53に隣接配置される薄片導入装置3とカバー部材52によって、搬送ユニット50の前後両面の略全体が覆われ、片島タイプでは前面又は後面の略全体が上下支持部材53に隣接配置される薄片導入装置3とカバー部材52によって覆われる。なお、搬送中に薄片100の端や中間部がカバー部材52側へ偏移しても、リブ57と62によってその偏移が制限されるため、安定した搬送が達成できる。
符号50Uは、両島タイプにおいて、搬送装置5の端部に配置された搬送ユニット50の端部に設けたUターン部であり、図において、搬送ユニット50の手前側の搬送路M1を搬送される薄片100は、このUターン部50Uで搬送ユニット50の向こう側の搬送路M1へ移動して搬送される部分である。
主固定カバー部材52B、スライドカバー部材52C、第1の補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3は、搬送路M1の状況や、薄片100の搬送状態や、薄片100の詰まり位置の把握等のために、リブ57、62を含めて搬送ユニット50の内部を外部から透視可能なポリカーボネート等の合成樹脂資材で形成され、収納ケース66を含めて透明なポリカーボネート等の合成樹脂によって所定形状に形成される。また、主固定カバー部材52B、スライドカバー部材52C、第1の補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3は、それぞれ別色とすることによって区別がし易くなり、取り付け状態の把握もし易くなる。そして、主固定カバー部材52Bに対するスライドカバー部材52Cのスライド位置等の把握のために、主固定カバー部材52Bとスライドカバー部材52Cとは別色に着色され、実施例では、主固定カバー部材52Bが薄緑色又は薄水色に着色した透明体であり、スライドカバー部材52Cを黄色又は橙色に着色した透明体である。また、第1の補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3は、補助カバー部材の点で共通であり、大きさも明確に異なるため、区別し易く、そのため、着色なしの透明体あるが、別色の着色でもよい。
薄片識別装置10で識別された真正薄片100は、薄片識別装置10のローラ10Aによって、薄片導入装置3の薄片導入路81の入口81Aへ導入される。薄片導入路81の入口81Aには、一対の導入ローラ80A、80Bを備え、薄片導入路81はベルト51の搬送下流方向へ向けて流線形状に屈曲した通路を形成している。薄片導入路81の出口81Bの搬送下流側には、ベルト51の搬送方向に沿って一対の駆動ローラ82A、82Bが設けられている。駆動ローラ82A、82Bは、駆動源をベルト51とするようにベルト51に当接して、ベルト51の回転移動によって回転され、この駆動ローラ82A、82Bの回転が伝達歯車装置83を介して導入ローラ80Bを回転駆動する構成である。
薄片導入装置3の構成を更に詳述する。薄片導入装置3は、板状の本体部分3Aに突出して薄片導入路81の入口81Aが形成され、後述のように、導入ローラ80Aと80B、駆動ローラ82Aと82B、中間歯車85、伝達歯車装置83の歯車83A、83B、83Cを収納するハウジング部88が、本体部分3Aに突出して設けられている。駆動ローラ82A、82Bは、それぞれ軸82A1、82B1によってハウジング部88内において、門型のホルダ84に回転可能に軸支持され、駆動ローラ82A、82B相互に噛み合う中間歯車85が、ホルダ84を貫通した軸85Aによって回転可能にホルダ84内に軸支持されている。これによって、ホルダ84は軸85Aを中心として回転可能である。
導入ローラ80Aと80Bの軸80A1と80B1は、ハウジング部88の対向壁に取り付けられている。また、導入ローラ80Aを導入ローラ80Bに向けて付勢するために、導入ローラ80Aの軸80A1は、ハウジング部88に形成した位置決めボス92に支持したコイルバネ91によって、導入ローラ80B側へ向けて押し圧されるように、ハウジング部88の対向壁に移動可能に支持されている。
歯車83A、83B、83Cは、ホルダ86内において順次噛み合った状態で、各軸83A1、83B1、83C1によって回転可能にホルダ86に軸支持されている。そして、ハウジング88内において、ホルダ86は導入ローラ80Bの軸80B1によって、本体部分3Aに対して回動可能に支持されており、ハウジング88内において、ホルダ84とホルダ86は、軸82A1によって相互に回動可能な連結である。このため、駆動ローラ82Aには歯車83Aが噛み合い、駆動ローラ82Aと歯車83Aとの噛み合いが安定して維持できると共に、駆動ローラ82A、82Bの何れか一方がベルト51から離れたときにも、他方の駆動ローラ82A又は82Bがベルト51に当接することにより、両方の駆動ローラ82A、82Bが回転することができるため、歯車83Aの回転は歯車83B、83Cを介して導入ローラ80Bを安定して回転駆動する。なお、駆動ローラ82Aと82Bは、ベルト51との接触を良好にするために、左右一対の環状リブ95と中間歯車85とに噛み合い部96を備え、環状リブ95と噛み合い部96との間に、左右一対のゴムリング110を備えている。
図21及び図24に示すように、ホルダ84は、線条バネ87によってベルト51方向へ付勢されている。このため、線条バネ87は、基部を軸80B1に巻回してハウジング部88に当接し、先端部がホルダ84の係止部84Aに係止されている。ホルダ84とホルダ86は、軸82A1によって相互に回動可能な連結であるため、伝達歯車装置83と駆動ローラ82Aとの噛み合いも適正に維持された状態で、このバネ87によって、ホルダ84が本体部分3A側へ付勢される。このバネ87による付勢によって、駆動ローラ82Aと82Bは、本体部分3Aの開口を貫通した状態でエンドレスベルト51に当接される。このバネ87による付勢によって、駆動ローラ82Aと82Bの軸82A1、82B1の両端部分は、前記開口縁部において本体部分3Aに当接し、エンドレスベルト51への駆動ローラ82Aと82Bの当接を適正に保っているが、これに限らず、例えばホルダ84の一部分が本体部分3Aに当接するようにしてもよい。このバネ87による付勢によって、エンドレスベルト51が搬送駆動中に不規則な運動をした場合や、薄片導入装置3の取り付け状態の誤差等によって、駆動ローラ82A、82Bとエンドレスベルト51との位置関係が変化して、一方の駆動ローラがエンドレスベルト51から浮いても、他方の駆動ローラとエンドレスベルト51との当接が安定に維持されるため、中間歯車85を介して浮いた方の駆動ローラ82Aは回転する。このため、エンドレスベルト51の搬送駆動に伴う駆動ローラ82A、82Bの安定回転を維持でき、この回転が伝達歯車装置83を介して導入ローラ80Bに的確に伝達されることとなる。
線条バネ87に代わってコイルバネ87によってホルダ84を付勢する構成もある。これは、図23に示している。コイルバネ87は、一端を軸85Aに取り付け他端を本体部分3Aに取り付けている。この場合も、エンドレスベルト51に対する駆動ローラ82Aと82Bの付勢の作用は上記同様である。
薄片導入装置3も内部を外部から透視して確認できるようにするために、ハウジング部88を含めて本体部分3Aは、外部から透視可能な資材で形成され、ハウジング部88を含めて本体部分3Aは、透明な合成樹脂によって所定形状に形成される。
薄片導入装置3は、搬送の上流側と下流側に、薄片100の案内ローラ115と116を回転可能に軸支持している。案内ローラ115と116は、その軸115A、116Aがバネ117、118によってベルト51方向へ押し圧付勢されており、案内ローラ115と116はエンドレスベルト51との間に薄片100を挟持しつつ、ベルト51の移動に伴って薄片100を搬送する仕組みである。これによって、薄片導入装置3を通過する薄片100が安定して搬送されることとなる。なお、薄片導入装置3は、板状の本体部分3Aのベルト51側の面に上下複数本の補強用のリブ3Bを形成しており、駆動ローラ82Aと82B、案内ローラ115と116は、このリブ3Bよりも若干ベルト51側に突出した状態である。またリブ3Bと並行に後述の通路壁52Kの延長線上に通路壁3Kを上下に形成している。
このような構成において、図24及び図25に示すように、駆動ローラ82A、82Bが単一の搬送ユニット50のエンドレスベルト51に当接するように配置された場合は、エンドレスベルト51の搬送駆動に伴って駆動ローラ82A、82Bが回転し、伝達歯車装置83を介して導入ローラ80Bが回転駆動される。導入ローラ80Bには導入ローラ80Aが当接しており、導入ローラ80Bの回転によって導入ローラ80Aが回転するため、薄片識別装置10のローラ10Aから導入ローラ80A、80B間に導入された薄片100は、導入ローラ80A、80Bによって薄片導入路81を通り、その出口81Bから搬送路M1へ導入されて、ベルト51によって搬送される。
主固定カバー部材52Bには、搬送中の薄片100が存在するか否かを光センサで検出する光センサ装置70を備えている。光センサ装置70は、搬送中の薄片100によって作動する検出レバー71を備え、搬送路M1に搬送中の薄片100が存在しない場合は、バネ力によって検出レバー71が搬送路M1へ突出することによって、光センサの発光部と受光部間の光通路から検出レバー71が退避し、搬送路M1に搬送中の薄片100が存在する場合は、薄片100によって検出レバー71が押し圧されて回動して、光センサの発光部と受光部間の光通路を検出レバー71が遮るようにしており、受光部で光を受けた状態と受けない状態とによって、薄片100が存在しない状態と薄片100が存在する状態を検出する。
搬送ユニット50に薄片導入装置3を取り付けた通常形態を図9に示す。これにおいて、薄片100の搬送方向をPPとし、一つの搬送ユニット50に二つの薄片導入装置3が配置される形態であるとした場合において、一つの搬送ユニット50(50−ロ)から見て搬送上流側の搬送ユニット50(50−イ)の搬送路M1に薄片100(これを便宜上100Aとする)が存在することを搬送ユニット50−イに配置した薄片導入装置3である3−イの下流側にある光センサ装置70が検出した時点から、薄片導入装置3―ロの下流側にある光センサ装置70が検出までは、搬送ユニット50−ロ3−ロに対応する薄片識別装置10へ薄片100が挿入されても、その薄片100の導入を一時待機状態とするように、薄片識別装置10の一対のローラ10Aを停止して、図21に示すように、薄片100を一対のローラ10Aで挟んだ保持状態とするように制御部で制御する。そして、薄片100Aを薄片導入装置3―ロの下流側の光センサ装置70が検出したとき、後続の薄片100が薄片導入装置3−イの下流側の光センサ装置70で検出されていなければ、前記一対のローラ10Aで挟んだ薄片100を搬送路M1に導入するように一対のローラ10Aを稼動させる。
ここで、薄片100が重なって搬送されないようにすること、経済性や長寿命化を図る等のために、各搬送ユニット50の電動機装置55の運転は、その搬送ユニット50に配置した薄片導入装置3に対応する薄片識別装置10へ薄片100が挿入された場合は、搬送ユニット50の電動機装置55をONするが、そうでない場合はOFFする。また下流側の搬送ユニット50に薄片100が存在する場合はONさせ、そうでない場合はOFFするように制御する。このため、搬送ユニット50−ロの電動機装置55の運転は、搬送ユニット50(50−イ)に薄片100が存在しない場合はOFFさせ、搬送ユニット50(50−イ)に薄片100が存在する場合はONさせる制御であり、搬送ユニット50−ロの電動機装置55がOFFしていた場合は、薄片導入装置3―ロの下流側の光センサ装置70が、薄片100A又は上記の一対のローラ10Aから導入される薄片100を検出したとき、この搬送ユニット50−ロの電動機装置55をONして、搬送ユニット50−ロによる搬送を行う制御である。また、搬送ユニット50−ロの電動機装置55がOFFしていた場合において、搬送ユニット50−ロに対応した薄片導入装置3―ハや薄片導入装置3―ニに対応する薄片識別装置10へ薄片100が挿入された場合も搬送ユニット50−ロの電動機装置55をONする。このように、各搬送ユニット50の電動機装置55は、対応する薄片識別装置10へ薄片100が挿入されたか否か、また下流側の搬送ユニット50に搬送ユニット50が存在するか否か等によってON−OFF制御されるように、搬送のタイミングをとる制御を収納部700に設けた制御部で行っている。
また、本発明は、上記のように、カバー部材52はエンドレスベルト51の前後両面又は片面から上下支持部材53に着脱可能に取り付けられ、薄片識別装置3はカバー部材52に隣接して上下支持部材53間に着脱可能に取り付けられ、カバー部材52と薄片導入装置3はそれぞれ係合部520と90によって着脱自在に連結される。このため、搬送路M1の形成がし易く、また内部点検や詰まった薄片100の取り除きがし易やすくなる。
また、搬送ユニット50は、エンドレスベルト51の前後二辺のベルト51A、51Bで囲まれた内側において、エンドレスベルト51の内側への撓みを抑制するために、上下に並行配置した支持部材53間に取り付けられた内側部材120を備えている。この内側部材120は、エンドレスベルト51の前後二辺のベルト51A、51Bに当接または近接する位置において、エンドレスベルト51が内側へ撓んだときにそれを抑制する平面部やリブを形成した形態でもよいが、実施例ではベルト51との接触抵抗を少なくするために、エンドレスベルト51の内側への撓みを抑制するローラ121を備えている。この内側部材120は、搬送ユニット50の長さに渡る長尺の単一体で形成し、これに複数のローラ121がエンドレスベルト51の搬送方向へ所定間隔で配列された構成でもよいが、実施形態では、内側部材120は合成樹脂で形成され、左右にローラ121を備えた短尺のものが複数個、エンドレスベルト51の搬送方向へ所定間隔で配列された構成である。
上下の支持部材53には、内側部材120を取り付けるための取り付け部53Pが、カバー部材52とエンドレスベルト51との間に挟持されて搬送される薄片100の上下端部に対抗する位置まで延びた状態に形成されている。取り付け部53Pは、前記挟持されて搬送される薄片100の上下端部に対面して、搬送される薄片100の上下端部が内側へ倒れるのを抑制するガイド面53P1を形成している。ガイド面53P1は、薄片100の搬送方向に沿ったエンドレスベルト51の内側空間(エンドレスベルト51の前後二辺のベルト51A、51Bで囲まれた内側空間)の略全長に渡って形成するのがよい。
取り付け部53Pの一つの形態として、ガイド面53P1の先端部に突出形成した係合部122が形成され、合成樹脂で形成された内側部材120には、係合部122に嵌り合う係合部123を上下に形成している。係合部123は、入口が狭い蟻溝形状をなしており、係合部122が係合部123の入口を押し広げつつ嵌合するように、弾力性を有している。又は、係合部122に対して係合部123がスライドにて嵌るように、内側部材120を上下の支持部材53の端部からスライドにて組み合わせることができる。この係合部122と123の嵌合によって上下の支持部材53相互が連結される。
なお、上下の支持部材53相互の結合を強固なものとして、上下の支持部材53相互の間隔を所定寸法に維持するために、搬送ユニット50の左右両端部において、上下の支持部材53に渡る長さを有して上下の支持部材53にネジ止め131される連結部材130でもって、上下の支持部材53相互を結合している。このように、内側部材120によって上下の支持部材53相互が連結されるため、上下の支持部材53が長尺の場合には、内側部材120によって上下の支持部材53の撓みが防止されることとなり、内側部材120を連結部材と称することもできる。
また、内側部材120には、ローラ121が上下方向軸によって回転可能に支持されており、ローラ121がエンドレスベルト51の前後二辺のベルト51A、51Bに当接する状態に設けられている。搬送ユニット50は、1m〜2m程度の長さを有しており、直線状の搬送ユニット50を安定的に形成するために、上下の支持部材53は、搬送ユニット50の略全長に渡る長さを有する一体成形のアルミニウム製である。一方、内側部材120は、この上下の支持部材53と略同じ長さの一体成形で形成して、略等間隔にローラ121を配置した構成でもよいが、製造と組み立てのし易さを考慮して、実施例では、ローラ121を左右両側に配置したものを一単位(ユニット)として、これの複数がエンドレスベルト51の搬送方向に一列状に配置されている。
このユニットの内側部材120に設けた左右のローラ121の間隔は、搬送される薄片100の長さよりも短い間隔に設定されている。内側部材120は、この複数のユニットを直列状態に配置した構成でもよいが、ローラ121相互が略等間隔となるようにするために、図7の実施例では、ローラ121を備えない補助の内側部材125を設け、ローラ121を備えた内側部材120と補助の内側部材125とを交互に配列した構成を採用している。この配列によって、各ローラ121の間隔は、搬送される薄片100の長さよりも短い間隔に設定される。このため、内側部材120と補助の内側部材125とを含めて本発明の内側部材としてもよい。
このユニットの内側部材120に設けた左右のローラ121の間隔は、搬送される薄片100の長さよりも短い間隔に設定されている。また、上記のように、カバー部材52のローラ65の間隔も搬送される薄片100の長さよりも短い間隔に設定されているため、搬送ユニット50の搬送路M1を搬送される薄片100は、少なくともカバー部材52のローラ65の2個に渡った状態でもって、エンドレスベルト51とローラ65とによって挟持された状態で搬送される。
内側部材120に設けた各ローラ121間に位置して、カバー部材52のローラ65が配置される組み立てとすれば、ローラ121とローラ65とがエンドレスベルト51に当接することによって、エンドレスベルト51に所定のテンションを与えることができる。また、各カバー部材52のローラ65の左右間隔(搬送方向間隔)を、搬送される薄片100が少なくとも常に2個のローラ65に渡って保持される状態に設定し、各内側部材120に設けたローラ121の左右間隔(搬送方向間隔)を、搬送される薄片100が少なくとも常に2個のローラ121に渡って保持される状態に設定することにより、薄片100が搬送路M1から脱落しない安定搬送が達成できる。また、搬送ユニット50の搬送路M1を直線状に形成するためには、内側部材120に設けた各ローラ121と、カバー部材52のローラ65とが対応する位置になるように組み立てることによって、エンドレスベルト51を直線状に張った状態に維持できる。
内側部材120に設けたローラ121は、エンドレスベルト51の前後二辺のベルト51A、51Bに当接し、エンドレスベルト51が上下方向にずれないようにするために、図16と図17に示すように、ローラ121の中央部分121Aの直径が大きく、そこから上下端部に行くに従って小径となる形状であり、ローラ121の上下幅L2は、エンドレスベルト51の上下幅L3と略等しい長さであり、エンドレスベルト51の上下幅L3よりも若干長い。また、カバー部材52のローラ65の上下幅(長さ)L1は、エンドレスベルト51の上下幅L3よりも充分短く、また、内側部材120のローラ121の上下幅L2に比して充分短く、搬送ユニット50においては、ローラ121の上下幅L2の略中央部に、ローラ65が対応するように構成している。このため、正規の状態では、エンドレスベルト51の上下幅L3の略中央部にローラ65が対応するようになる。また、同じ寸法と形態の駆動ローラ82A、82Bの上下幅L4は、エンドレスベルト51の上下幅L3よりもかなり短い。
エンドレスベルト51の安定駆動のために、設計上では、カバー部材52のローラ65、内側部材120のローラ121、薄片導入装置3の駆動ローラ82A、82Bと案内ローラ115、116は、それらの上下幅の中心が、一直線上になるような配置であり、この一直線とエンドレスベルト51の上下幅の中心線が一致するような配置である。
薄片100は、搬送途上において何らかの原因によって下降(下方下移動する)又は上昇(上方移動)することがある。下降又は上昇した薄片100の下端又は上端を受けるように、カバー部材52の下部及び上部には、搬送路M1の底壁と上壁を形成するように、搬送路M1に沿って薄片100の搬送方向に沿って長く通路壁52Kが略水平状態に突出している。
組み立て上の融通性を考慮して、カバー部材52の対抗部材である下側支持部材53のガイド面53P1の下部とカバー部材52との間に、隙間SKが生じる。具体的には、通路壁52Kの先端と支持部材53との間に隙間SKが生じる。薄片100は、搬送途上において何らかの原因によって下降する(下方下移動する)ことがある。下降した薄片100の下端は、図25に示すように隙間SKに入り込む。このため、薄片100の搬送抵抗が大きくなって予定通りの正常な搬送が得られず、最悪の場合は薄片100詰まりが生じることとなる。
本発明は、このようなことを防止するために、図24に示すように、搬送路M1の下部には、下降する薄片100の下端部を受ける突部300を設ける。この突部300は、通路壁52Kに近接して通路壁52Kの真上位置にカバー部材52側へ突出しており、構造上から形成し易い場所として、内側部材120を取り付ける下支持部材53の外面、即ち、取り付け部53Pの外面であるガイド面53P1の下部に、斜め下方に傾斜した傾斜面301を有する突起として、支持部材53に一体成形に搬送路M1に沿って長く形成している。
この構成によって、搬送途上において薄片100が下降した場合には、下降する薄片100の下端は、突部300によって抵抗を受けるため、新札同様の腰のある紙幣等の薄片100は、この突部300によって支えられて下降が停止し、腰のない紙幣等の薄片100は、支え切れなくなってもカバー部材52側へ偏向される。このため、薄片100の下端が隙間SKへ進入することが防止され、この隙間SKに入って詰まり現象を起こすこともなく、安定した搬送が達成できるものとなる。なお、このような構成によって、突部300によって支えられた薄片100には、上向き矯正力が作用して、自然に正規の姿勢に戻る場合もある。
なお、薄片100の下端を受ける突部300の受け面を水平面とした場合は、この水平面が鏡面のようにほとんど抵抗の少ない状態であれば問題ないが、通常は汚れなどがあるため、薄片100が下降したときの薄片100の下端が受ける抵抗が急激に増加することによって、薄片100の下端が折れ曲がる虞があり、そのようになれば、その場で薄片100の詰まり現象が生じる虞がある。
この点に鑑みて、突部300の受け面は傾斜面301であることによって、薄片100が下降したときの搬送抵抗が少なく、しかも薄片100の下降ガイドがスムースに行われるものとなり、良好な搬送が得られるものとなる。この傾斜面301の傾斜角は、直線的な傾斜面の場合は、水平軸に対して略45度〜60度の俯角が好ましい。なお、傾斜面301は、下方に凸に湾曲した傾斜面であってもよく、この場合も水平軸に対して略45度〜60度の俯角を基準として形成すればよい。
搬送中の薄片100が正規の姿勢を逸脱するのは、主として下降移動が多いが、搬送途上において何らかの原因によって上昇する(上方移動する)ことがある。上昇した薄片100の上端を受けるように、カバー部材52の上部には、搬送路M1の上壁を形成するように、搬送路M1に沿って薄片100の搬送方向に沿って長く通路壁52Kを略水平状態に突出形成する。これによって、上下の通路壁52Kの相互間隔が搬送路M1の上下幅となるが、この搬送路M1の上下幅は、横向きに搬送される薄片100の上下幅よりも十分大きい寸法である。この場合も、カバー部材52の対抗部材である上側支持部材53のガイド面53P1の上部とカバー部材52との間に、隙間SKが生じる。具体的には、通路壁52Kの先端と支持部材53との間に隙間SKが生じ、上昇した薄片100の上端が、この隙間SKに入り込むことがあり、薄片100の搬送抵抗が大きくなって予定通りの正常な搬送が得られず、最悪の場合は薄片100詰まりが生じることとなる。
本発明は、このような事態を解決するために、図24に示すように、搬送路M1の上部には、薄片100の上端が当接して、上昇する薄片100をカバー部材52側へ偏向させて隙間SKから遠ざかるように、薄片100の上端を通路壁52Kの下面基部側へ寄せるための突部300を設ける。この突部300は、通路壁52Kに近接して通路壁52Kの真下位置にカバー部材52側へ突出しており、構造上から形成し易い場所として、内側部材120を取り付ける下支持部材53の外面、即ち、取り付け部53Pの外面であるガイド面53P1の上部に、斜め上方に傾斜した傾斜面301を有する突起として、上支持部材53に一体成形にて搬送路M1に沿って長く形成している。この傾斜面301の傾斜角は、直線的な傾斜面の場合は、水平軸に対して略45度〜60度の俯角が好ましい。なお、傾斜面301は、上方に凸に湾曲した傾斜面であってもよく、この場合も水平軸に対して略45度〜60度の俯角を基準として形成すればよい。
この様な構成によって、上記同様に上昇する薄片100の上端は、上記同様に突部300の傾斜面301に支えられるか、又は傾斜面301に案内されて隙間SKから遠ざかるように、カバー部材52側へ偏向されて通路壁52Kの基部側へ寄せられるため、隙間SKに入り込まず、詰まり現象が解消される。
上記のように、上下支持部材53の形状が同じ共通構成においては、図24に示すように、上下支持部材53の同じ位置に突部300が形成された状態となるため、構成がし易く便利である。また、カバー部材52は、エンドレスベルト51の前側に取り付ける場合と後側に取り付ける場合では、同一形状のカバー部材52を、上下位置を反転させた状態の取り付けとすればよいため、この場合は、図24に示すように、カバー部材52の上部にも通路壁52Kが形成された状態となり、構成がし易く便利である。これによって、上下の通路壁52Kの相互間隔が搬送路M1の上下幅となる。
上記のように、搬送中の薄片100が正規の姿勢を逸脱するのは、主として下降移動が多いため、通路壁52Kと突部300は、少なくとも搬送路M1の下部に設ければよいが、下降移動と上昇移動の両方に対処するためには、通路壁52Kと突部300は、図24に示すように、搬送路M1の上部と下部の両方に設ければよい。
また、内側部材120の上下幅を大きくし、上下の支持部材53は内側部材120を取り付ける取り付け部53Pの長さを短くした形態とし、ガイド面53P1を上下の支持部材53に形成せずに内側部材120にガイド面53P1相当部を形成した場合は、突部300は、内側部材120に形成する構成とすることができる。この場合も、上記同様の作用と効果が得られる
また、上記のように、カバー部材52と薄片導入装置3とは、その上下端部に上下支持部材53の係止壁53Aに弾性にて着脱自在に係止する係止部520、90を備え、上下支持部材53の任意位置に着脱可能である。本発明では、カバー部材52は、下支持部材53への取り付け部520を支点として、エンドレスベルト51から離れる方向へ開放可能である。具体的には、上記のように、基本カバー部材と第1補助カバー部材52P1、第2補助カバー部材52P2、第3補助カバー部材52P3は、係合部60の係合突起61Aと係合突起61Bの係合が解除された状態で、下支持部材53への取り付け部520を支点として、エンドレスベルト51から離れる方向へ開放可能である。
図17にはカバー部材52を搬送ユニット50の前後両面に取り付けて、搬送ユニット50の前後両面でもって薄片100が搬送される両島タイプの搬送装置5を構成する搬送ユニット50を示しているが、片島タイプの搬送装置5を構成する搬送ユニット50は、図16に示している。この片島タイプの場合は、搬送ユニット50の片面のみ、即ち、前面のみで薄片100が搬送されるため、カバー部材52を前面のみに取り付け、他方の面、即ち、後面には塵埃等が入り込まないようにするために、上下の支持部材53の係止溝161に着脱自在に取り付けられた保護カバー160によって塞がれる。この保護カバー160は、搬送ユニット50と略同じ長さを有し、搬送ユニット50ごとに着脱自在に取り付けられる。
搬送ユニット50は一端側に突出した結合突起73が、隣り合う他方の搬送ユニット50の受け部に嵌りあうことにより接合され、搬送ユニット50相互に渡る結合板170をネジ止めによって、搬送ユニット50相互が一連の搬送路を形成するように結合される。具体的には、左右の搬送ユニット50の上下支持部材53の溝53Bに嵌り込んだ結合板170を、ネジ134によって上下の支持部材53に止めることにより、搬送ユニット50相互は連結固定される。
上記のように、上下支持部材53は、相対向する突部53Fを入口に形成して入口が狭まった溝53Bをその長さ方向に形成し、溝53Bは、深さを規定するために底壁から入口へ向けて立ち上がったリブ53Cを形成している。複数の搬送ユニット50が直列状態に接続されて搬送装置5を構成するが、この溝53Bの任意位置に係止する取り付け部材140を介して、搬送装置5を遊技施設内の所定の所定位置へ設置する。具体的には、取り付け部材140の脚部141が、リブ53Cと突部53Fとの間にスライドにて挿入される。このようにして、搬送ユニット50ごとに取り付け部材140を取り付け、又は任意の搬送ユニット50に取り付け部材140を取り付けた状態で、遊技施設内の壁などの固定部分に、ネジ142等によって取り付けられるコ字状の固定部材143の上辺と下辺に、ネジ144で取り付け部材140を取り付ける。これによって、搬送装置5は遊技施設内の所定位置へ設置される。
このように、取り付け部材140は、溝53Bに搬送ユニット50の長さ方向にスライド可能に挿入されることによって、遊技施設内の形態に応じて取り付け部材140位置を動かすことができるため、搬送装置5を遊技施設内の所定位置へ設置する場合の融通性を持たせることができる。
また、上下支持部材53の溝53Bを利用して搬送装置5に係る電気配線150を支持することができる。具体的には、電気配線150の取り付け部材145の脚部147が、溝53Bに搬送ユニット50の長さ方向にスライド可能に挿入されるように、脚部147がリブ53Cと突部53Fとの間にスライドにて挿入される。このようにして、搬送ユニット50ごとに取り付け部材145を1個または複数個取り付け、又は任意の搬送ユニット50に取り付け部材145を取り付けた状態で、中空状の保持部146内の空間に電気配線150を通して保持する。なお、保持部146は開閉できない筒状の他に、保持部146を開閉構造とすることにより、電気配線150を保持し易くなる。図16では支持部材53の下側に電気配線150を保持する場合を示しているが、同様の取り付け部材145によって、上側の支持部材53の上側に電気配線150を保持することも可能である。
取り付け部材145は合成樹脂製とすれば電気絶縁性に優れる。いずれにしても、搬送装置5の下側又は上側に搬送装置5に沿って電気配線150を配置できるため、電気配線150が邪魔にならない状態で、安全に保持できるものとなる。
上記の構成において、上下支持部材53は断面が同一形状であるため、上下支持部材53に対して、薄片導入装置3は、上下反転した状態でも取り付け部90によって取り付け可能である。また、基本カバー部材52A、第1補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3も、上下支持部材53に対して、上下反転した状態で、取り付け部520によって取り付け可能である。このため、前記片島タイプにおいて、搬送装置5の左端側に収納部(金庫)700が配置される形態では、エンドレスベルト51による薄片100の搬送方向は左方向であり、そのように電動機装置55によってエンドレスベルト51が回転するため、これに合わせて薄片導入装置3を左向きに取り付け、これに合わせて基本カバー部材52Aを上下支持部材53に取り付け、また、必要となる第1補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3を上下支持部材53に取り付ける。そして、搬送装置5の右端側に収納部(金庫)700が配置される形態では、エンドレスベルト51による薄片100の搬送方向は右方向であり、電動機装置55の逆回転によってそのようにエンドレスベルト51が回転するため、これに合わせて薄片導入装置3を右向きに取り付け、これに合わせて基本カバー部材52Aを上下反転して上下支持部材53に取り付け、また、必要となる第1補助カバー部材52P1、第2の補助カバー部材52P2、及び第3の補助カバー部材52P3を上下支持部材53に取り付ける。なお、両島タイプにおいても同様である。