JP4859431B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アクチュエータを作動する油圧制御装置に関し、特に、アクチュエータの作動を制御するメインバルブに対してパイロット制御弁から供給するパイロット圧を、アクチュエータの作動状況に応じて制御できる油圧制御装置に関するものである。
従来から、パワーショベルのような掘削積込み用車両においては、一般に上部旋回体上の左側には運転席、右側にはブーム、アーム、及びバケット等からなる作業機が設けられている。作業時には、ブームが上部旋回体に対して起伏し、ブームの先端に設けられたアーム及びアーム先端のバケットが、それぞれ前後方向に独立して回動するように構成されている。
しかし、車両の側方を掘る場合には、上述した構成の作業機では掘ることができない。このため、図9(a)にその側面図を示し、図9(b)にその平面図を示しているように、従来のブームを上側ブーム72と下側ブーム71との上下に分割した構成として、上側ブーム72を下側ブーム71に対して左右方向にオフセットできるように構成した掘削積込み用車両が用いられている。
このような構成を持つ掘削積込み用車両においては、上側ブーム72を運転席75側にオフセットした場合、即ち、車両の左側に上側ブーム72をオフセットした場合、アーム73やバケット74の作業範囲内に運転席75が含まれてしまい、アーム73やバケット74が運転席75と干渉してしまう危険がある。
このため、アーム73やバケット74と運転席75との干渉を防止するために、運転席75の周りに干渉防止領域を設定し、アーム73やバケット74が干渉防止領域に入った場合には自動的に作業を停止させることになっている。特許文献1には、停止させたい操作のみを停止できる干渉防止装置が提案されている。
特許文献1に記載された干渉防止装置を本発明の従来例として、図8に干渉防止装置における油圧回路を示している。図8に示すように、図示せぬアクチュエ−タに油圧を供給する方向切換弁51a、51b、51cの切換え制御は、パイロット制御弁53a、53b、53cから出力されるパイロット圧によって行われる。パイロット制御弁53a、53b、53cから出力されるパイロット圧は、パイロットポンプ52から供給される油圧をパイロット制御弁53a、53b、53cでそれぞれ減圧制御することによって行う。
パイロット制御弁53aにおけるブーム上げ側と方向切換弁51aにおけるブ−ム上げ側とを結ぶ回路65の途中には、ブ−ム上げ停止用の電磁比例弁55が設けられている。パイロット制御弁53bにおけるア−ムの掘削側と方向切換弁51bにおける掘削側とを結ぶ回路66の途中には、ア−ム掘削停止用の電磁比例弁56が設けられている。また、パイロット制御弁53cにおける左オフセット側と方向切換弁51cにおける左オフセット側とを結ぶ回路67の途中には、オフセット停止用の電磁弁57が設けられている。
コントロ−ラ59は、ブ−ム60の支点部に設けたポテンショメータ69a、ア−ム61の支点部に設けたポテンショメータ69b、オフセットブ−ム62の支点部に設けたポテンショメータ69cからの信号を入力し、作動中の作業機が運転室の回りに予め設定した干渉防止領域に入る恐れのある場合には、これを回避されるため各電磁比例弁55、56、電磁弁57又は油圧ロック電磁弁64に対しての制御信号を発する。
油圧ロック電磁弁64は、干渉防止領域内の停止領域に更に緊急停止領域を設けた場合において、バケット刃先が緊急停止領域内に侵入した時に全操作の緊急停止を行うために設けられている。このため、油圧ロック電磁弁64は、各パイロット制御弁53a、53b、53cとパイロットポンプ52とを結ぶ回路68に配されている。バケット刃先が緊急停止領域内に侵入した時には、コントロ−ラ59からの制御信号によって回路68を遮断して全操作の緊急停止を行うことができる。
電磁比例弁55、56の絞りを制御することによって、停止ショックを低減して荷こぼれを防止することができる。また、停止位置のバラツキを少なくすることができる。このため、スピ−ドに応じて電磁比例弁55、56の絞り量を加減することができ、作業機の移動速度が速いときには、絞りを大きくして流れる面積を少なくしている。
作業機の作動中にバケット63の刃先が、干渉領域における減速領域から停止領域に接近したときには、コントロ−ラ59はこれを検知して電磁比例弁55、56の両方に対して制御信号を出力する。今、電磁比例弁55、56の両方がコントロ−ラ59からの制御信号を受けたものとすると、電磁比例弁55、56はそれぞれの方向切換弁51a、51bの回路65、66の圧力を下げるように作動する。
従って、操作レバーによって作業機の移動速度を速くなるように操作していても、コントローラ59による電磁比例弁55,56の絞り制御によって、作業機の移動速度は遅くなる。これにより、作業機はゆっくりと停止領域で停止することができる。このため、作業機の移動停止に伴う荷こぼれが少なくなり、作業機と運転室との干渉も防止できる。
また、操作レバーの操作において、コントロ−ラ59による作業機の移動速度よりも遅い移動速度での操作が行われている場合には、操作レバーの操作による移動速度で作業機は移動することができ、停止領域で作業機の移動を停止させることもできる。この状態からパイロット制御弁53aをブ−ム下げ位置、またはパイロット制御弁53bをア−ムダンプ位置に操作すれば、バケット63の刃先は干渉領域から抜け出る方向に移動する。従って、バケット63の刃先が干渉領域から抜け出ると、電磁比例弁55,56における絞り制御は解除される。
特開平5−272154号公報
特許文献1に記載されているような干渉防止装置では、左側オフセットによる干渉を防止するため、パイロット制御弁53cに対して電磁弁57が1個しか配設されていない。車体の形状、大きさによっては、右側オフセットによる干渉を防止するため、パイロット制御弁53cにおける右側オフセット側のパイロット回路にも電磁弁57を設けておく必要がある場合がある。しかしながら、電磁弁57を新たに設けるための場積や電磁弁を新たに設けたことに伴うコスト上昇などを考慮すると、電磁弁57は1個であるほうが好ましい構成となっている。
また、オフセット操作において、アッパーブームの移動速度を制御できるように構成したり、アッパーブームの移動を急激に停止させた場合に発生する衝撃を防止できるようにするには、電磁弁57の代わりに電磁比例弁を用いた方が好ましい構成となる。
そこで、特許文献1に記載されているような干渉防止装置において、パイロット圧を検出する圧力スイッチをパイロット制御弁53cと方向切換弁51cとを結ぶ回路67の途中に配設し、電磁弁57の代わりに用いた電磁比例弁をパイロット制御弁53cと油圧ロック電磁弁64とを結ぶ回路の途中に配設した場合について検討してみる。この場合、パイロット制御弁53cから出力されたパイロット圧を圧力スイッチによって検出することができる。そして、圧力スイッチによる検出信号に基づいて、コントローラ59は制御信号を出力することができる。
この構成では、干渉防止領域内で停止中の作業機に対して、干渉側へ更にオフセットを行わせるべくパイロット圧が出力されたのを圧力スイッチで検出したときには、コントローラ59は電磁比例弁を制御してパイロット制御装置53cへの元圧カットを行うことができる。
この元圧カットを行う場合において、干渉防止領域内で停止中の作業機に対して干渉側へ更にオフセットを行わせるパイロット圧がパイロット制御弁53cから出力されると、同パイロット圧は圧力スイッチによって検出される。コントローラ59は、圧力スイッチからの検出信号によって、更にオフセットを行うためのパイロット圧が出力されたと判断することができ、電磁比例弁に対して回路67を遮断する制御信号を発することになる。
電磁比例弁は、パイロット制御弁53cに供給する元圧をカットする。パイロット制御弁53cに供給される元圧がカットされると、圧力スイッチで検出していたパイロット圧が検出されなくなる。コントローラ59は、圧力スイッチによってパイロット圧の出力が検出されなくなったので、電磁比例弁に対して出力していた制御信号を停止して、パイロット制御弁53cへの元圧カットを解除する。
パイロット制御弁53cへの元圧カットが解除されると、パイロット制御弁53cには元圧が供給され、パイロット制御弁53cからはパイロット圧が出力される。出力されたパイロット圧は圧力スイッチによって検出され、コントローラ59は電磁比例弁に対して回路67を遮断する制御信号を発することになる。
このようにして元圧の遮断、供給が繰り返えされて制御されるので、油圧制御装置はハンチングを起こしてしまうことになる。
前記ハンチングの発生を防止するため、干渉防止領域で停止中の作業機に対して干渉側へ更なるオフセットを行わせるパイロット圧が出力されて、元圧のカットを行ったときには、元圧カット状態を維持させておく構成にすることができる。
しかし、この構成にした場合には、干渉解除を行わせようとして干渉領域から作業機を抜け出させる方向のパイロット圧を出力させようとしても、パイロット制御弁53cには元圧が供給されていないのでパイロット圧を出力することができない。従って、圧力スイッチによってパイロット圧の出力を検出することができず、干渉領域から作業機を抜け出させることができなくなる。
本発明はこれらの問題点に鑑み、干渉防止機能を備えた油圧制御装置において、従来技術の持つ欠点の解消を行うとともに、1個の電磁比例弁によって上述した欠点の解消を行うことのできる油圧制御装置を提供することにある。
本発明の課題は請求項1、2に記載された各発明により達成することができる。
即ち、アクチュエータを駆動するための油圧制御装置において、本発明では請求項1に記載したように、油圧ポンプと、外部入力に基づき前記油圧ポンプから供給される圧油の圧力を減圧して、パイロット圧を出力するパイロット制御弁と、前記パイロット圧により作動して、前記アクチュエータに供給する圧油の流れ方向と圧力とを調節するメインバルブと、前記油圧ポンプと前記パイロット制御弁との間の流路に配設される電磁比例弁と、前記圧油の流れ方向に対応した前記パイロット制御弁と前記メインバルブとの間の流路にそれぞれ配設され、前記アクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧未満の圧力である所定の切換り圧力で切換る圧力検出器と、前記アクチュエータの位置を検出する位置検出器と、前記圧力検出器からの信号と前記位置検出器からの信号とから、前記アクチュエータに対する作動が所定の条件を満たす作動を行わせるものであるときには、前記パイロット圧が、前記所定の切換り圧以上でかつ前記最小パイロット圧未満の圧力となるように、前記電磁比例弁を制御するコントローラと、を有してなることを最も主要な特徴となしている。
また、本発明では請求項2に記載したように、アクチュエータの作動を停止させるコントローラの構成を特定したことを主要な特徴となしている。
本発明によって、電磁比例弁を介してパイロット制御弁に供給する元圧は最低でも、アクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧未満の圧力であって、かつ圧力検出器を作動させることのできる切換り圧力以上の圧力とすることができる。
これにより、パイロット制御弁からパイロット圧が出力されたことを常に圧力検出器によって検出することが可能となる。従って、作業機に対する干渉防止の制御によって電磁比例弁が制御されてアクチュエータの作動が停止している場合であっても、パイロット制御弁に対しての操作が行われれば、同操作がアクチュエータをどちら側に移動させるための操作であるのかを、圧力検出器からの検出信号によってコントローラで判別することができる。
尚、作業機に対する干渉防止の制御によってアクチュエータの作動が停止されている場合には、電磁比例弁が制御されてアクチュエータの作動を停止させることができる。このとき電磁比例弁からは予め設定した元圧が出力されている。この元圧は、アクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧未満の圧力であって、かつ圧力検出器を作動させることのできる切換り圧力以上の圧力である。このため、パイロット制御弁を操作してメインバルブにパイロット圧を供給した場合には、メインバルブは作動しないが圧力検出器を作動させることができる。
このことから、例えば、アクチュエータ動作禁止領域として運転席側における干渉防止領域を設定した場合、同干渉防止領域内で左オフセットへの移動が停止されている作業機を、更に左オフセットさせるためのパイロット圧がパイロット制御弁から出力されたときには、パイロット制御弁から出力されたパイロット圧は圧力検出器によって検出することができる。圧力検出器からの検出信号によって、コントローラは操作された作業機の移動方向が干渉防止領域から抜け出る方向とは反対の方向への移動操作であると判別できる。即ち、コントローラはこの判別に基づいて、作業機の停止状態を継続させておく制御を行うことができる。
逆に、パイロット制御弁から出力されたパイロット圧が右オフセット用のパイロット圧である場合には、パイロット制御弁から出力された右オフセット用のパイロット圧を検出した圧力検出器からの検出信号によって、コントローラは操作された作業機の移動方向が干渉防止領域から抜け出る方向への移動操作であると判別できる。即ち、コントローラはこの判別に基づいて、作業機に対する干渉防止に基づく停止状態の解除を行い、電磁比例弁に対して作業機の移動動作を可能とする元圧を出力させることができる。
コントローラによって作業機の右オフセット移動に対して干渉防止領域が設定されている場合には、上述した左オフセット移動に対して干渉防止領域が設定されている場合とは逆の制御を行うことができる。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本発明の油圧制御装置として、オフセット機能を有するパワーショベルに適用した構成について、以下において説明を行う。しかし、本発明の油圧回路は、以下で説明する形状、配置構成以外にも本発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を採用することができるものである。このため、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
オフセット機能を有するパワーショベルの構成は、例えば、図1の側面図に示すような構成となっている。オフセット機能を有するパワーショベル自体の構成は、本発明の要部をなすものではなく、本発明の油圧制御装置を備えた油圧回路を適用したものとして説明を行うものである。
オフセット機能を有するパワーショベル1は、下部走行体2上に上部旋回体3が設けられている。上部旋回体3には、ロアブーム5が上下方向に対して揺動可能に取り付けられている。ロアブーム5には、水平方向に対して揺動可能にアッパーブーム6が取り付けられている。アッパーブーム6には、水平方向に対して揺動可能にシリンダブラケット9が取り付けられている。
また、アッパーブーム6の側部には、サブリンク14が平行に配設されており、サブリンク14の両端部は、ロアブーム5の上端側部とシリンダブラケット9の端部先端側との間でピン結合されている。アッパーブーム6、サブリンク14、ロアブーム5の上端側部及びシリンダブラケット9の端部先端側との間で平行リンク機構を構成している。
シリンダブラケット9には、上下方向に対して揺動可能にアーム7が取り付けられている。アーム7には、上下方向に対して揺動可能に作業具であるバケット8が取り付けられている。
上部旋回体3とロアブーム5との間にはブームシリンダ10が配設され、ロアブーム5はブームシリンダ10の作動によって上下方向に揺動する。ロアブーム5とアッパーブーム6との間にはオフセットシリンダ11が配設されており、アッパーブーム6はオフセットシリンダ11の作動によって水平方向に揺動する。
また、オフセットシリンダ11の作動により、アッパーブーム6を水平方向に揺動させると、前記平行リンク機構によってシリンダブラケット9はアッパーブーム6とは反対向きの水平方向に揺動する。シリンダブラケット9はロアブーム5に対して平行状態が保たれることになるので、アッパーブーム6をオフセットさせたときには、アーム7はロアブーム5に対して平行に移動することができる。
即ち、アッパーブーム6、アーム7及びバケット8の作動を模式的に示した図2を用いて説明する。尚、図2の実線ではアッパーブーム6がオフセットされていない状態を示し、2点鎖線では、アッパーブーム6が水平方向に揺動した状態を示している。また、図2では、平行リンク機構の構成は省略している。
図2で示すように、上述した平行リンク機構によって、アッパーブーム6が2点鎖線で示すように水平方向に揺動しても、アーム7及びバケット8は、水平方向に対して平行移動することができる。従って、アーム7及びバケット8はロアブーム5に対して平行状態を保ったまま水平方向に平行移動することができる。
図1に示すように、アーム7とシリンダブラケット9との間にはアームシリンダ12が配設され、アーム7はアームシリンダ12の作動により上下方向に揺動する。バケット8とアーム7との間にはリンク機構を介してバケットシリンダ13が配設され、バケット8はバケットシリンダ13の作動により上下方向に揺動する。
図2に示したように、アッパーブーム6を運転室4側にオフセットした場合、バケット8の作業範囲内に運転室4が存在してしまい、バケット8の先端と運転室4とが干渉してしまう危険性がある。また、アッパーブーム6を右側水平方向にオフセットした場合に、バケット8の先端を図示せぬ車体本体の外装カバー等に干渉させてしまう危険性もある。
以上のようなパワーショベルに、本願実施形態に係わる油圧制御装置が構成されている。油圧制御装置によって、アッパーブーム6を水平方向にオフセットしたときにバケット8が予め設定した干渉領域内に入った場合には、アッパーブーム6のオフセット動作を自動的に停止させることができ、かつ、干渉解除が容易にできる。図3には、油圧制御装置における油圧回路を示している。尚、以下の説明において、図3に記載されていない部材であっても、同部材を示す符号として図1で用いた部材符合を用いることにする。
図3に示すように、油圧回路では、2つのメインバルブ体28、29が配設されている。各メインバルブ体28、29は、それぞれアクチュエータ用の複数のメインバルブが積層して構成されている。メインバルブ体28には、複数のロアブーム5を作動するブームシリンダ10に対して作動圧油の給排制御を行うブーム用メインバルブ28a、アームシリンダ12に対する制御を行うアーム用メインバルブ28bなどの各アクチュエータ用のメインバルブが積層して構成されている。
メインバルブ体29には、アッパーブーム6をオフセットするオフセットシリンダ11に対する制御を行うオフセット用メインバルブ29a等の各アクチュエータ用のメインバルブが複数積層して構成されている。メインバルブ体28、29を2つ配設しているのは、メインバルブ体28とメインバルブ体29とにそれぞれ積層する各アクチュエータ用のメインバルブにおいて必要とする圧油の圧力や流量等が異なるためである。
このため、必要とする油圧の圧力や流量等が近いメインバルブ同士を集めたものであり、作動圧用油圧ポンプ32〜34を複数配設した構成として示している。しかし、メインバルブ体28、29を一つの積層したメインバルブ体として構成することは可能であり、作動圧用油圧ポンプの配設数を減らすことは可能である。また、各メインバルブは、パイロット圧制御式の方向制御弁により構成されている。
尚、図3では、油圧回路としての回路図を見易くし、かつ作動についての説明を行い易くするため、説明に用いなかった各アクチュエータ用のメインバルブに関しての回路構成等については省略して示している。
エンジン30により駆動される作動圧用油圧ポンプ32〜34からは、それぞれメインバルブ体28、29に対して作動圧油が供給される。供給された作動圧油は、各メインバルブ体28、29を構成する各メインバルブに供給される。各メインバルブは、それぞれのメインバルブに供給されたパイロット圧の大きさに基づいて制御される。
各メインバルブを制御することによって、それぞれのメインバルブから出力する作動圧油の流量、及びメインバルブで制御するアクチュエータからの戻り圧油の排出流量を制御することができる。従って、メインバルブを制御することによって、対応するアクチュエータの作動を制御することができる。
各メインバルブを制御するパイロット圧の大きさは、図3ではパイロット制御弁20〜24によって制御される。ブーム用のパイロット制御弁20及びバケット用のパイロット制御弁21は、操作レバー25の操作によって制御される。上部旋回体3における旋回用のパイロット制御弁22及びアーム用のパイロット制御弁23は、操作レバー26の操作によって制御される。
操作レバー25、26によってそれぞれ2つのパイロット制御弁を制御する構成例を示しているが、パイロット制御弁20〜23毎に操作レバーを配設した構成とすることもできる。
パイロット制御弁20〜24に供給される元圧は、エンジン30により駆動されるパイロット用の油圧ポンプ31により生成される。油圧ポンプ31により生成された圧油は、パイロット管路41を介して各パイロット制御弁20〜24に対して元圧として供給される。パイロット管路41の途中には、元圧の供給を停止させるロック用電磁制御弁35が配設されている。ロック用電磁制御弁35は、通常連通位置にあり、緊急時等において作業用のアクチュエータを全て停止させる必要が生じたときには、コントローラ18からの信号によって遮断位置に切換えることができる電磁切換弁によって構成されている。
油圧回路を用いた干渉防止機構として、ブーム用のパイロット制御弁20とブーム用メインバルブ28aとを接続するパイロット管路には、それぞれ電磁比例弁36、38が配設されている。アーム用のパイロット制御弁23におけるアーム引き側とアーム用メインバルブ28bの引き側とを接続するパイロット管路には、電磁比例弁37が配設されている。また、干渉防止機構及び安全装置を構成するオフセット用のパイロット制御弁24の入力側には、電磁比例弁39が配設されている。
干渉防止機構としては、ロアブーム5の上下動時、アーム7の引き作動時、又はアッパーブーム6のオフセット時に干渉の発生又は干渉が発生する危険性が生じた場合に、対応する電磁比例弁36〜39を制御することによって、ロアブーム5、アーム7、又はアッパーブーム6の作動を個別に停止させることができる。
ロアブーム5又はアーム7の作動を停止させるのに、電磁比例弁36〜38に代えて電磁切換弁を用いることもできるが、電磁切換弁を用いたときにはロアブーム5又はアーム7の作動が急激に停止することになる。急激停止に伴う衝撃の発生するのを防止するため、電磁比例弁36〜38を用いることが望ましい。
また、アーム7の引き作動側に電磁比例弁37を配設している。これは、図2に示すようにアッパーブーム6のオフセット時にアーム7が引かれると、運転室4とバケット8の先端部とが干渉してしまう危険性がある。このような危険性を防止するため、アーム7の引き作動側に電磁比例弁37を配設している。必要があるならば、アーム7の押し作動側に電磁比例弁37を配設しておくこともできる。
オフセット用のパイロット制御弁24の入力側には、電磁比例弁39を配設している。しかも、前記パイロット制御弁24の出力側には、それぞれ圧力検出器40a、40bを配設している。各圧力検出器40a、40bからの検出信号は、コントローラ18に入力される。電磁比例弁39、及び圧力検出器40a、40bによる作動等の説明は、図4〜図7を用いて後述する。
また、パイロット制御弁20〜24の構成は、それぞれ同様の構成となっている。このため、図4を用いてオフセット用のパイロット制御弁24の構成を説明することで、それぞれのパイロット制御弁20〜23の構成についての説明は省略する。
図3に示すように、コントローラ18は、作業機49の各揺動点に配設したポテンショメータ15〜17からなる位置検出器からの検出信号を入力する。入力した検出信号に基づいて、コントローラ18は、バケット8等の移動に対して予め設定した危険領域内にバケット8等が侵入したか否かの判別を行う。危険領域内にバケット8等が侵入したときには、コントローラ18は対応する電磁比例弁36〜39に対して、信号を出力してロアブーム5等の作動を停止させる。これにより、運転室4に対する作業機49の干渉や、構築物に対する作業機49の干渉を防止できる。
作業機49に対する危険領域は、例えば次のようにして設定することができる。ロアブーム5を上方に揺動させたときに、シリンダブラケット9等が天井等に当接する手前の位置でロアブーム5の上方への揺動を停止する。このとき、停止スイッチ19をONすることで、ロアブーム5を停止させた位置での各ポテンショメータ15〜17において検出した値を、記憶しておく。各ポテンショメータ15〜17における検出値の記憶を、危険領域と考えられる各領域に対して順次行う。
これにより、作業中に各ポテンショメータ15〜17から検出された検出値が、危険領域として記憶した値になったときには、コントローラ18は該当する電磁比例弁36〜39に対してメインバルブの作動を停止させる信号を出力する。
危険領域の設定は、上述したように危険領域のポイント毎に、データを入力する方法以外にも、予めポテンショメータ毎に、あるいは複数のポテンショメータの組み合わせで危険な揺動角度を設定しておく方法など、各種の設定方法を用いることができる。
次に、図4を用いて油圧制御装置における回路構成について説明する。図4では、オフセット用のパイロット制御弁24を例に挙げて、オフセット用のパイロット制御弁24に関する油圧制御装置の回路構成についてその説明を行う。しかし、本発明に係わる油圧制御装置は、オフセット用のパイロット制御弁24以外にも、ブーム用パイロット制御弁20やアーム用のパイロット制御弁23等に対しても構成することができる。尚、図4では、図3においてパイロット管路41に配設したロック用電磁制御弁35の記載は省略している。
油圧ポンプ31から吐出した圧油は、リリーフ弁45によってリリーフ圧に調整されて電磁比例弁39に供給される。電磁比例弁39のソレノイド39aには、常に最低でも所定の電流が供給されている。従ってソレノイド39aは少なくとも供給されている所定の電流によって常に磁励されていることになる。
これにより、電磁比例弁39からは、オフセットシリンダ11を作動させるのに必要な最小パイロット圧よりも小さな最小パイロット圧未満の圧力であって、圧力検出器40a、40bをそれぞれ作動させることのできる圧力を出力することができる。
パイロット制御弁24は、操作ペダル27により操作される2つの減圧弁24a、24bを備えている。操作ペダル27を減圧弁24a側に踏込むと、アッパーブーム6を図2における車両進行方向に対して右方向にオフセットさせることができる。このとき、減圧弁24aに供給されている元圧を一次圧として、操作ペダル27を踏込んだ操作量に応じた二次圧を生成し、生成した二次圧をパイロット管路42に出力することができる。減圧弁24a、24bは、図示例の中立状態に維持されているときには、減圧弁24a、24bの供給されている元圧をそれぞれパイロット管路42、43に出力することはない。
逆に、操作ペダル27を減圧弁24b側に踏込むと、アッパーブーム6を図2における車両進行方向に対して左方向にオフセットさせることができる。このとき、減圧弁24bに供給されている元圧を一次圧として、操作ペダル27を踏込んだ操作量に応じた二次圧を生成し、生成した二次圧をパイロット圧としてパイロット管路43に出力することができる。
減圧弁24aから二次圧となって出力されたパイロット圧は、圧力検出器40aに供給されるとともに、オフセット用メインバルブ29aのパイロット受圧部47aに供給される。コントローラ18によって電磁比例弁39が制御され、パイロット受圧部47aに供給される元圧が、オフセット用メインバルブ29aの図示せぬスプールを摺動させることのできる圧力P3であるときには、オフセット用メインバルブ29aのスプールはパイロット制御弁24からのパイロット圧に応じて加減速制御される。即ち、減圧弁24aの操作量に応じた速度でアッパーブーム6は右方向に揺動することになる。
また、操作ペダル27により減圧弁24bが操作されたときには、同様にしてオフセット用メインバルブ29aのスプールをパイロット制御弁24からのパイロット圧に応じて、上述したスプールの摺動方向とは逆方向にスプールの加減速制御を行うことができる。即ち、減圧弁24bの操作量に応じた速度でアッパーブーム6は左方向に揺動することになる。
オフセット用メインバルブ29aが制御されることにより、オフセット用メインバルブ29aからオフセットシリンダ11に出力する作動圧油の流量及びオフセットシリンダ11からオフセット用メインバルブ29aを介してタンク等に排出される戻り圧油の流量を可変に制御することができる。従って、アッパーブーム6のオフセット揺動方向及び揺動速度を自由に制御することができる。
上述したようにパイロット制御弁24には、最低でも上述した圧力が元圧として電磁比例弁39から供給されている。このため、操作ペダル27を操作してパイロット制御弁24からパイロット圧を出力させれば、メインバルブ29aを作動させずに圧力検出器40a、40bをそれぞれ作動させることができる。即ち、操作ペダル27が操作されたとき、同操作ペダル27の操作が、右オフセット側への移動操作なのか、左オフセット側への移動操作なのかを、圧力検出器40a、40bからの検出信号によってコントローラ18は判別することができる。
次に、図3、図4を用いて油圧制御装置におけるコントローラ18の作動について説明する。コントローラ18の作動を説明するにあたって、アッパーブーム6を左方向にオフセット揺動中に、位置検出器であるポテンショメータ15〜17からの検出信号によりコントローラ18は、バケット8が運転席に干渉する等の予め設定した危険領域に侵入したものと判断しているものと仮定する。
そして、コントローラ18からは、電磁比例弁39に対してパイロット制御弁24に供給する元圧を、アッパーブーム6、バケット8等のアクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧よりも小さな最小パイロット圧未満の圧力であって、しかも圧力検出器40a、40bをそれぞれ作動させることのできる圧力P2にする制御信号が出力される。これによって、アッパーブーム6の作動が停止しアッパーブーム6に対する干渉防止制御が行われる。
この状態のとき、操作ペダル27が減圧弁24b側、即ち、アッパーブーム6を更に左方向にオフセットする側に踏込まれて操作されると、パイロット制御弁24からはパイロット管路43に圧力P2のパイロット圧が出力される。圧力P2のパイロット圧によって圧力検出器40bは切換わり、減圧弁24b側から出力されたパイロット圧の検出信号を出力することができる。そして、図5に示すように、圧力検出器40bは、検出信号をコントローラ18の第2判定部に出力する。
第2判定部では操作ペダル27による操作が、予め記憶されているアクチュエータ動作禁止領域において、アッパーブーム6を更に左方向にオフセットする操作なのか、アッパーブーム6を右方向にオフセットする操作なのかの判別を行う。第2判定部での判別結果は、出力信号制御部に出力される。
出力信号制御部では、位置検出器15〜17からの位置情報に基づいて、アッパーブーム6がアクチュエータ動作禁止領域内にあるか否かの判定を行った第1判定部からの出力信号と、第2判定部からの出力信号とを基に、操作ペダル27の操作がアッパーブーム6を更に左方向にオフセットする操作であるときには、電磁比例弁39に対して元圧を圧力P2とする制御信号を出力する。
上述した例の場合、アッパーブーム6を更に左方向にオフセットする操作であるので、出力信号制御部から電磁比例弁39に対して、圧力P2の元圧を出力させる制御信号が出力される。操作ペダル27による操作が、アッパーブーム6をアクチュエータ動作禁止領域から抜け出る方向への操作であるときには、出力信号制御部から電磁比例弁39に対して、アクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧以上である圧力P3の元圧を出力させる制御信号が出力される。
電磁比例弁39からパイロット制御弁24に供給される元圧が圧力P2の状態のときは、圧力検出器40a、40bを作動させることはできるが、メインバルブ29aを作動させることのない圧力となっている。従って、アクチュエータを作動させずに、パイロット制御弁24での操作が行われたことを検出できる。
これによって、オフセット用メインバルブ29aのスプールは、スプールを押圧する図示せぬバネの付勢力によって、オフセットシリンダ11への作動圧油の供給を遮断する位置に復帰することになる。従って、オフセットシリンダ11の作動を停止させて、停止させた状態を維持させておくことができる。即ち、作業機49が更に左方向に揺動するのが禁止され、運転席や構築物等との干渉を防止することができる。
因みに、出力信号制御部で作業機がアクチュエータ動作禁止領域に入っていないことが判別されているときには、出力信号制御部から電磁比例弁39に対して、アクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧以上の圧力P3となる元圧をパイロット制御弁24に対して出力するように制御信号が出力される。
次に、図6(a)〜(e)、図7(a)〜(e)を用いて、油圧制御装置の作動の説明を続ける。このとき、アッパーブーム6の右方向への揺動中にバケット8等が干渉防止領域に入ってしまいオフセットシリンダ11の作動停止が行われた後に、操作ペダル27が中立位置に復帰しているものとする。
図6は、アッパーブーム6を更に右方向にオフセットさせようとしたとき、即ち、減圧弁24aを作動させる方向に操作ペダル27を操作したときの、油圧制御装置の作動状況を示している。図7は、アッパーブーム6を反対の左方向にオフセットさせようとしたとき、即ち、減圧弁24bを作動させる方向に操作ペダル27を操作したときの、油圧制御装置の作動状況を示している。
図6、図7における横軸は、全て時間軸である。図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)における縦軸は、圧力検出器40a、40bがパイロット圧を検出したON状態か、パイロット圧を検出していないOFF状態かを示している。圧力検出器40a、40bは、パイロット管路42、43におけるパイロット圧が、P1以上の圧力のとき作動してON信号を出力する。パイロット管路42、43におけるパイロット圧が、P1よりも低い圧力のときには作動せずOFF信号を出力する。
図6(c)及び図7(c)における縦軸は、パイロット制御弁24の各減圧弁24a、24bから出力されるパイロット圧をそれぞれ示している。図6(d)及び図7(d)における縦軸は、それぞれ電磁比例弁39のソレノイド39aに供給される電流値を示している。電磁比例弁39から出力されるパイロット圧は、ソレノイド39aに供給される電流値に応じて制御されることになる。
図6(e)及び図7(e)における縦軸は、操作ペダル27の操作状態を示している。操作ペダル27がフルに踏込まれたときには、フルの状態となり、操作ペダル27が中立状態では、ゼロの状態となっている。
図6(e)に示すように、アッパーブーム6が右方向への揺動中に干渉防止制御によってオフセットシリンダ11の作動が停止しているとき、操作ペダル27が操作されなければ、操作ペダル27はゼロの状態となっている。このとき、図6(d)に示すように、電磁比例弁39のソレノイド39aには所定の電流値の電流が供給され、オフセット用のパイロット制御弁24の一部を構成する減圧弁24aには、圧力P2となった元圧を供給しておくことができる。
このとき、操作ペダル27が中立状態となっているため、図6(c)に示すように、減圧弁24aからはパイロット圧が出力されず、減圧弁24aからの出力圧はゼロとなっている。また、操作ペダル27が中立状態となっているため、減圧弁24bからもパイロット圧が出力されていない。このため、アッパーブーム6の右方向へのオフセット制御を行わせるパイロット圧の出力を検出する圧力検出器40a、及びアッパーブーム6の左方向へのオフセット制御を行わせるパイロット圧の出力を検出する圧力検出器40bからの出力はゼロ状態となっている。
図6(e)において、アッパーブーム6を右にオフセットする方向に操作ペダル27が踏み込まれると、右方向にオフセットする操作ペダル27はフル状態となる。このとき、コントローラ18は、まだ操作ペダル27がフル状態に操作されたことを検出していない。このため、図6(d)に示すように、コントローラ18から電磁比例弁39のソレノイド39aに供給される電流値は、変更されず所定の電流値の電流が供給される。即ち、減圧弁24aには、圧力P2の元圧が供給されている。
図6(c)に示すように、操作ペダル27がフル状態に操作されたことにともなって、減圧弁24aからは、圧力P2のパイロット圧が所定の立ち上がりをもって出力されていくことになる。減圧弁24aから出力されたパイロット圧が、圧力検出器40aを作動させる圧力P1以上になると、図6(b)で示すように圧力検出器40aは、ON信号を出力する。このとき、減圧弁24bからはパイロット圧が出力されていないので、圧力検出器40bはOFF状態のままである。
図6(b)で示すように圧力検出器40aからON信号が出力されると、コントローラ18は、アッパーブーム6を右方向にオフセットするために操作ペダル27が踏み込まれたことを検出することができる。しかし、アッパーブーム6は、既に右方向にオフセットした状態において干渉防止のため、その作動が停止させられている。
このため、コントローラ18は操作ペダル27の踏み込み操作による制御をキャンセルして、図6(d)で示すように電磁比例弁39のソレノイド39aに対する電流値を変更せずに、所定の電流値の電流を供給し続ける。従って、図6(c)で示すように、操作ペダル27の踏み込み操作が行われている間中、減圧弁24aからは圧力P2のパイロット圧が出力されていることになる。
操作ペダル27を一旦中立位置に戻してから、改めて減圧弁24aを作動させる側に踏み込んでも、上述した通り減圧弁24aからは圧力P2のパイロット圧が出力されることになる。パイロット制御弁24から出力されるパイロット圧が、圧力P2よりも所定量高圧の圧力に上昇しない限り、オフセット用メインバルブ29aを作動させることができない。このため、オフセットシリンダ11は、停止位置を維持しアッパーブーム6のオフセット作動が禁止された状態のままとなる。
次に、アッパーブーム6の右方向へのオフセット作動が干渉防止制御によって禁止されている状態で、図7に示すように操作ペダル27がアッパーブーム6を左方向にオフセットする方向に操作された場合について説明する。操作ペダル27が減圧弁24bを作動さる方向に踏み込まれないと、図6で説明したと同様に圧力検出器40bからはON信号が出力されない。このとき、減圧弁24bに対しても、圧力P2の元圧が電磁比例弁39から供給されたままである。
図7(e)で示すように操作ペダル27が減圧弁24bを作動さる方向へフルに踏み込まれると、図7(c)に示すように、操作ペダル27がフル状態に操作されたことにともなって、減圧弁24bからは、元圧P2としたパイロット圧が所定の立ち上がりをもって出力されていくことになる。減圧弁24bから出力されたパイロット圧が、圧力検出器40bを作動させる圧力P1以上になると、図7(b)で示すように圧力検出器40bは、ON信号を出力する。このとき、減圧弁24aからはパイロット圧が出力されていないので、圧力検出器40aはOFF状態のままである。
コントローラ18は、アッパーブーム6を左方向にオフセットするため操作ペダル27が踏み込まれたことを検出することができる。このとき、アッパーブーム6の左方向へのオフセット移動は禁止されていない。即ち、アッパーブーム6を干渉防止領域から抜け出す方向への移動となっている。このため、コントローラ18は操作ペダル27の操作を有効な操作と判断して、図7(d)で示すように電磁比例弁39に対してパイロット制御弁24に供給する元圧を圧力P3とするように、ソレノイド39aに供給する電流値をフル状態まで増大する。
電磁比例弁39から減圧弁24bに供給される元圧が圧力P3まで増圧されると、図7(c)で示すように減圧弁24bから出力するパイロット圧は、オフセット用メインバルブ29aを作動させる圧力P3となる。尚、ここでは、オフセット用メインバルブ29aを作動させる圧力を圧力P3として説明しているが、圧力P3はオフセット用メインバルブ29aに供給することのできる最高圧力であって、オフセット用メインバルブ29aのスプールは、圧力P2よりも所定量大きな圧力において作動させることができる。
操作ペダル27の減圧弁24bを作動させる方向への操作により、即ち、アッパーブーム6を禁止領域から退避させる操作によって、干渉防止によるアッパーブーム6の作動停止を解除することができる。しかも、干渉防止によるアクチュエータの作動停止中であっても、操作ペダル27が操作されれば、操作ペダル27の操作状態を圧力検出器により検出することができる。
これによって、干渉防止による作動停止状態の解除を、操作ペダル27の操作により行うことができる。特に、操作ペダル27の操作だけで、干渉防止による作動停止状態の解除とアッパーブーム6の退避動作を同時に行わせることができるので、誤操作が防止される。
本発明に係わる油圧制御装置は、干渉防止による作動停止状態の解除と作動停止状態からの退避動作を行うこと以外にも、本発明の技術思想を適用することができる油圧回路における機能として適用することができるものである。
本発明は、本発明の技術思想を適用することができる装置等に対しては、本発明の技術思想を適用することができる。
オフセット機能を有するパワーショベルの側面図である。(実施例1) パワーショベルのオフセット状況の作動説明図である。(実施例1) 油圧回路装置における油圧回路の説明図である。(実施例1) 一部の油圧回路を示す回路図である。(実施例1) コントローラの概略構成図である。(実施例1) パイロット制御弁の操作状態に関する説明図である。(実施例1) パイロット制御弁の操作状態に関する別の説明図である。(実施例1) 干渉防止装置における油圧回路図である。(従来例1) オフセット式掘削積込み車両の側面図及び平面図である。(従来例)
符号の説明
5・・・ロアブーム、6・・・アッパーブーム、11・・・オフセットシリンダ、18・・・コントローラ、20・・・パイロット制御弁(ブーム用)、24・・・パイロット制御弁(オフセット用)、24a、24b・・・減圧弁、25、26・・・操作レバー、27・・・操作ペダル、28・・・メインバルブ、28a・・・ブーム用メインバルブ、29・・・メインバルブ、29a・・・オフセット用メインバルブ、35・・・パイロット圧ロック用電磁制御弁、36、37・・・電磁比例弁、38・・・電磁制御弁、39・・・電磁比例弁、40a、40b・・・圧力検出器、51a、51b、51c・・・方向切換弁、53a、53b、53c・・・パイロット制御弁、55、56、57・・・電磁比例弁、59・・・コントローラ、64・・・油圧ロック電磁弁、72・・・上ブーム。

Claims (2)

  1. アクチュエータを駆動するための油圧制御装置であって、
    油圧ポンプと、
    外部入力に基づき前記油圧ポンプから供給される圧油の圧力を減圧して、パイロット圧を出力するパイロット制御弁と、
    前記パイロット圧により作動して、前記アクチュエータに供給する圧油の流れ方向と圧力とを調節するメインバルブと、
    前記油圧ポンプと前記パイロット制御弁との間の流路に配設される電磁比例弁と、
    前記圧油の流れ方向に対応した前記パイロット制御弁と前記メインバルブとの間の流路にそれぞれ配設され、前記アクチュエータを作動させるのに必要な最小パイロット圧未満の圧力である所定の切換り圧力で切換る圧力検出器と、
    前記アクチュエータの位置を検出する位置検出器と、
    前記圧力検出器からの信号と前記位置検出器からの信号とから、前記アクチュエータに対する作動が所定の条件を満たす作動を行わせるものであるときには、前記パイロット圧が、前記所定の切換り圧以上でかつ前記最小パイロット圧未満の圧力となるように、前記電磁比例弁を制御するコントローラと、
    を有してなることを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記コントローラは、前記位置検出器からの信号に基づき前記アクチュエータがアクチュエータ動作禁止領域内にあるか否かの判定を行う第1判定部と、
    前記圧力検出器からの信号に基づき、前記アクチュエータの動作方向が、前記アクチュエータ動作禁止領域から抜け出る方向であるか否かの判定を行う第2判定部と、
    前記電磁比例弁に制御信号を出力する出力信号制御部と、
    を有し、
    前記出力信号制御部は、前記第1判定部による判定結果が、前記アクチュエータがアクチュエータ動作禁止領域内にあり、かつ前記第2判定部による判定結果が、前記アクチュエータの動作方向が前記アクチュエータ動作禁止領域から抜け出る方向ではないとする場合には、前記パイロット圧が前記所定の切換り圧以上でかつ最小パイロット圧未満の圧力とする制御信号を前記電磁比例弁に対して出力してなることを特徴とする請求項1記載の油圧制御装置。
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