JP4858064B2 - 力学量検出センサおよびその製造方法 - Google Patents

力学量検出センサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、力学量検出センサおよびその製造方法に関する。力学量検出センサには、例えば、加速度センサ、角速度センサが含まれる。
半導体からなるトランデューサ構造体をガラス基板に接合して構成される、加速度を検出する力学量検出センサの技術が開示されている(特許文献1参照)。
特開2003−329702号公報
しかしながら、トランデューサ構造体にガラス基板を陽極接合する際に、錘部(重量部)がガラス基板に静電引力により引き寄せられて接合されてしまい、錘部が作動せず、力学量検出センサとして機能しない状態になる可能性があることが判った。
上記に鑑み、本発明は半導体からなるトランデューサ構造体とガラス基板との陽極接合の際に、錘部(重量部)とガラス基板との接合を防止することが可能な力学量検出センサおよびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る力学量検出センサは、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有し、かつ平板状の第1の半導体材料から一体的に構成される第1の構造体と、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有し、第2の半導体材料から構成され、かつ前記第1の構造体に積層して配置される第2の構造体と、前記固定部と前記台座とを接合する第1の接合部と、前記変位部と前記重量部とを接続する第2の接合部と、を有し、絶縁性材料から構成され、かつ前記第1の構造体と前記第2の構造体とを接合する接合体と、前記変位部の変位を検出する変位検出部と、前記台座に接続されて前記第2の構造体に積層配置され、前記重量部との対向面に配置される第1の導電性部材を有し、絶縁性材料から構成される第1の基体と、前記固定部と前記台座とを電気的に接続する第1の導通部と、前記変位部と前記重量部とを電気的に接続する第2の導通部とを具備し、前記第1の基体が、少なくとも前記第1の基体と前記第2の構造体との接合時に、前記第1の導電性部材と前記台座とを電気的に接続する第1の導電部を有することを特徴とする。
本発明の一態様に係る力学量検出センサの製造方法は、第1の半導体材料からなる第1の層、絶縁性材料からなる第2の層、および第2の半導体材料からなる第3の層が順に積層されてなる半導体基板の前記第1の層をエッチングして、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有する第1の構造体を形成するステップと、前記固定部と前記第3の層とを電気的に接続する第1の導通部を形成するステップと、前記変位部と前記第3の層とを電気的に接続する第2の導通部を形成するステップと、前記第3の層をエッチングして、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有する第2の構造体を形成するステップと、絶縁性材料から構成される第1の基体を、この第一の基体の前記重量部との対向面に配置される第1の導電性部材と前記台座との間を導通しながら、前記台座に接合して前記第2の構造体に積層配置するステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、半導体からなるトランデューサ構造体とガラス基板との陽極接合の際に、錘部(重量部)とガラス基板との接合を防止することが可能な力学量検出センサおよびその製造方法を提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明は、力学量検出センサ及びその製造方法に関するものであるが、ここでは加速度センサの構成について述べる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る加速度センサ100を表す斜視図である。また、図2は加速度センサ100を分解した状態を表す分解斜視図である。図3は、加速度センサ100の接続部(梁)上の配線を上面から見た状態を表す上面図である。図4は、加速度センサ100を図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。なお、見やすさおよび図4との対応関係を考慮し、図1〜図3において配線の図示を限定している。
加速度センサ100は、互いに積層して配置される第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130、基体140を有する。なお、図2では、見やすさのために、接合部120の記載を省略している。
第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130、基体140は、その外周が例えば、1mmの辺の略正方形状であり、これらの高さはそれぞれ、例えば、3〜12μm、0.5〜3μm、600〜725μm、600μmである。
第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130はそれぞれ、シリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能であり、シリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。
第2の構造体を構成するシリコンは、全体に例えばボロン等の不純物が含まれていてもよい。不純物の含有により第2の構造体の導電性が向上するので、後述するように、台座131(後述する)と基体140との陽極接合の際に、基体140の上面と重量部132(後述する)の裏面をより確実に等電位にできる。等電位である、基体140の上面と重量部132の裏面には、静電引力が働かないため、重量部132と基体140との接合をより確実に防止することができる。なお、重量部132と基体140との接合の防止の詳細については、後述する。
基体140は、例えば、ガラス材料で構成できる。
第1の構造体110は、外形が略正方形であり、固定部111、変位部112、接続部113から構成され、その上に配線構造150が配置される。第1の構造体110は、半導体材料の膜をエッチングして開口部115を形成することで、作成できる。
固定部111は、外周、内周(開口)が共に略正方形の枠形状の基板である。固定部111は、後述の台座131と形状が対応し、かつ接合部120によって台座131と接合される。
変位部112は、外周が略正方形の基板であり、固定部111の開口の中央近傍に配置される。
接続部(梁)113は略長方形の基板であり、固定部111と変位部112とを4方向(X正方向、X負方向、Y正方向、Y負方向)で接続する。
接続部113は、撓みが可能な梁として機能する。接続部113が撓むことで、変位部112が固定部111に対して変位可能である。具体的には、変位部112が固定部111に対して、Z正方向、Z負方向に直線的に変位する。また、変位部112は、固定部111に対してX軸およびY軸を回転軸とする正負の回転が可能である。即ち、ここでいう「変位」には、移動および回転(Z軸方向での移動、X、Y軸での回転)の双方を含めることができる。
変位部112の変位(移動および回転)を検知することで、X、Y、Zの3軸方向の加速度を測定することができる。
接続部113上に、12個のピエゾ抵抗素子R(Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4)が配置されている。このピエゾ抵抗素子Rは、抵抗の変化として接続部113の撓み(あるいは、歪み)、ひいては変位部112の変位を検出するためのものである。なお、この詳細は後述する。
第1の構造体110上に配線構造150が配置される。
配線構造150は、絶縁層151、配線層152、保護層153の層構造をなす。
絶縁層151は、第1の構造体110と配線層152とを分離するための層である。絶縁層151には、ピエゾ抵抗素子Rと配線層152とを電気的に接続するためのコンタクトホール(開口)154が形成される。このコンタクトホール154には、層間接続導体155が配置される。
配線層152には、配線156、およびボンディングパッド157のパターンが配置される。配線156は、層間接続導体155を介して、ピエゾ抵抗素子Rとボンディングパッド157とを電気的に接続する。
ボンディングパッド157は、加速度センサ100と外部回路とを例えば、ワイヤボンディングで接続するための接続端子である。
層間接続導体155、配線156、およびボンディングパッド157は、同一の材料、例えば、Ndを含有するAlからなる。これらが同一の材料からなるのは、この材料を堆積してパターニングすることで、形成されるためである。
この材料をNd含有Alとしているのは、層間接続導体155、配線156にヒロックが発生することを防止するためである。ここでいうヒロックとは、例えば、半球状の突起物をいう。後述のように、ピエゾ抵抗素子Rと層間接続導体155とをオーム性接触(オーミックコンタクト)させるため、層間接続導体155がアニール(加熱処理)される。このアニールによって層間接続導体155、配線156にヒロックが発生し、ピエゾ抵抗素子Rとボンディングパッド157間の電気的接続が不良となるおそれがある。第1、第2の構造体110、130の作成時に、配線156のヒロックが原因で配線156に断線等の欠陥が生じる可能性がある。
AlにNdを含有させることで(1.5〜10at%)、層間接続導体155、配線156へのヒロックの発生を防止し、接続信頼性を向上できる。
保護層153は、配線層152を外界から保護するための一種の絶縁層である。ボンディングパッド157と対応して、保護層153にパッド開口158が形成される。外部回路等とボンディングパッド157との接続のためである。
第2の構造体130は、外形が略正方形であり、台座131および重量部132(132a〜132e)から構成されている。第2の構造体130は、半導体材料の基板をエッチングして開口部133を形成することで、作成可能である。
台座131は、枠体部131aと突出部131bとに区分できる。
枠体部131aは、外周、内周(開口部133)が共に略正方形の枠形状の基板である。枠体部131aは固定部111と対応した形状を有し、接合部120によって固定部111に接続される。枠体部131aと、重量部132とは、互いに高さがほぼ等しく、また開口部133によって分離され、相対的に移動可能である。
突出部131bは、重量部132と基体140との間に間隙(ギャップ)を確保し、重量部132の変位を可能にするためのものである。
突出部131bは、枠体部131aと一体的に構成され、外周、内周が共に略正方形の枠形状の基板である。突出部131bの外周は、枠体部131aの外周と一致し、突出部131bの内周は、枠体部131aの内周より大きい。
重量部132は、質量を有し、加速度によって力を受ける重錘、あるいは作用体として機能する。即ち、加速度が印加されると、重量部132の重心に力が作用する。
重量部132は、略直方体形状の重量部132a〜132eに区分される。中心に配置された重量部132aに4方向から重量部132b〜132eが接続され、全体として一体的に変位(移動、回転)が可能となっている。即ち、重量部132aは、重量部132b〜132eを接続する接続部として機能する。
重量部132aは、変位部112と対応する略正方形の断面形状を有し、接合部120によって変位部112と接合される。この結果、重量部132に加わった加速度に応じて変位部112が変位し、その結果、加速度の測定が可能となる。
重量部132b〜132eはそれぞれ、第1の構造体110の開口部115に対応して配置される。重量部132が変位したときに重量部132b〜132eが接続部113に接触しないようにするためである(重量部132b〜132eが接続部113に接触すると、加速度の検出が阻害される)。
重量部132a〜132eによって、重量部132を構成しているのは、加速度センサ100の小型化と高感度化の両立を図るためである。加速度センサ100を小型化(小容量化)すると、重量部132の容量も小さくなり、その質量が小さくなることから、加速度に対する感度も低下する。接続部113の撓みを阻害しないように重量部132b〜132eを分散配置することで、重量部132の質量を確保している。この結果、加速度センサ100の小型化と高感度化の両立が図られる。
接合部120は、既述のように、第1、第2の構造体110、130を接続するものである。接合部120は、固定部111と台座131を接続する接合部121と、変位部112と重量部132aを接続する接合部122に区分される。接合部120は、これ以外の部分では、第1、第2の構造体110、130を接続していない。接続部113の撓み、および重量部132b〜132eの変位を可能とするためである。
なお、接合部121、122は、シリコン酸化膜をエッチングすることで構成可能である。
第1の構造体110と第2の構造体130とを必要な部分で導通させるため、導通部160、161を形成している。
導通部160は、固定部111と台座131とを導通するものであり、固定部111及び接合部121を貫通している。図1に示すように、本実施の形態では、導通部160は、加速度センサ100の上面の四隅にそれぞれ形成されている。
なお、導通部160は、ダイシング(後述する)ライン上に形成してもよい。これにより、導通部160に占有される領域を確保する必要がなくなるため、スペースを有効活用でき、加速度センサ100の小型化を図ることができる。
導通部161は、変位部112と重量部132とを導通するものであり、変位部112a及び接合部122を貫通し、加速度センサ100の上面の中央に形成されている。
導通部160、161は、例えば、貫通孔の縁、壁面及び底部に、例えばAl等の金属層が形成されたものである。なお、貫通孔の形状は特に制限されないが、Al等のスパッタ等により金属層を効果的に形成できるため、導通部160、161の貫通孔を上広の錐状の形状にすることが好ましい。
基体140は、第1、第2の構造体110、130を支持する機能とともに、加速度センサ100に強い衝撃が加わった時に重量部132が一定値以上変位するのを防止し、梁の破壊を防ぐストッパとしての機能を有する。基体140は、第2の構造体130の突出部131bと接合され、その上面に接合防止層141が配置される。
基体140は、例えば、ガラス材料からなり、略直方体の外形を有する。
基体140と突出部131bは、例えば、陽極接合によって接続される。基体140と突出部131bとを接触させて加熱した状態で、これらの間に電圧を印加することで、接合がなされる。
接合防止層141は、導電性部材として機能し、基体140の重量部132との対向面に配置され、例えば略正方形をしており、重量部132と基体140との接合を防止するためのものである。前述の陽極接合の際に、静電引力によって基体140に重量部132が接触することで、これらが接合され、加速度センサ100が動作不良となる可能性がある。
配線層142は、接合防止層141と台座131(突出部131b)を電気的に接続するものであり、導電部として機能する。
接合防止層141は、配線層142によって台座131(突出部131b)と電気的に接続されている。また、固定部111と台座131は導通部160によって電気的に接続され、変位部112と重量部132は導通部161によって電気的に接続されている。変位部112と接続部113と固定部111は、一体的に構成されている。このため、接合防止層141の配置された基体140の上面と重量部132の下面は、導通されており等電位である。台座131と基体140との陽極接合時に、等電位である基体140の上面と重量部132の下面との間には静電引力が働かないため、重量部132と基体140との接合を防止することができる。
接合防止層141及び配線層142の構成材料には、導電性材料を用いることができ、例えば、Al等を挙げることができる。
なお、本実施の形態では、突出部131bの下面に接触しないように接合防止層141を形成しているが、接合防止層141を突出部131bに接触するように形成して突出部131bと電気的に接続し、配線層142としての機能を併せてもたせてもよい。
(加速度センサ100の動作)
加速度センサ100による加速度の検出の原理を説明する。既述のように、接続部113には、合計12個のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4が配置されている。
これら各ピエゾ抵抗素子は、シリコンからなる接続部113の上面付近に形成されたP型もしくはN型の不純物ドープ領域(拡散層116)によって構成できる。
3組のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4が、接続部113上のX軸方向、Y軸方向、X軸方向に一直線に並ぶように配置される。
なお、ピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Rz1〜Rz4は、接続部113によって配置が異なる。これはピエゾ抵抗素子Rによる接続部113の撓みの検出をより高精度化するためである。
3組のピエゾ抵抗素子Rx1〜Rx4、Ry1〜Ry4、Rz1〜Rz4はそれぞれ、重量部132のX、Y、Z軸方向成分の変位を検出するX、Y、Z軸方向成分変位検出部として機能する。なお、4つのピエゾ抵抗素子Rz1〜Rz4は、必ずしもX軸方向に配置する必要はなく、Y軸方向に配置してもよい。
ピエゾ抵抗素子Rの伸び(+)、縮み(−)の組み合わせと、その伸び縮みの量それぞれから、加速度の方向および量を検出することができる。ピエゾ抵抗素子Rの伸び、縮みは、ピエゾ抵抗素子Rの抵抗の変化として検出できる。
例えば、接続部113の構成材料の結晶面指数が{100}で、ピエゾ抵抗素子Rの長手方向での結晶方向が<110>の場合を考える。ここで、各ピエゾ抵抗素子RがシリコンへのP型不純物ドープによって構成されているとする。このときには、ピエゾ抵抗素子Rの長手方向での抵抗値は、伸び方向の応力が作用したときには増加し、縮み方向の応力が作用した場合には減少する。
なお、ピエゾ抵抗素子RをシリコンへのN型不純物ドープによって構成した場合には、抵抗値の増減が逆になる。
図5A〜図5Cはそれぞれ、ピエゾ抵抗素子Rの抵抗からX、Y、Zの軸方向それぞれでの加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。この検出回路では、X、Y、Zの軸方向の加速度成分をそれぞれを検出するために、4組のピエゾ抵抗素子からなるブリッジ回路を構成し、そのブリッジ電圧を検出している。
これらのブリッジ回路では入力電圧Vin(Vx_in、Vy_in、Vz_in)それぞれに対する出力電圧Vout(Vx_out、Vy_out、Vz_out)の関係は以下の式(1)〜(3)で表される。
Vx_out/Vx_in=
[Rx4/(Rx1+Rx4)−Rx3/(Rx2+Rx3)] ……式(1)
Vy_out/Vy_in=
[Ry4/(Ry1+Ry4)−Ry3/(Ry2+Ry3)] ……式(2)
Vz_out/Vz_in=
[Rz3/(Rz1+Rz3)−Rz4/(Rz2+Rz4)] ……式(3)
加速度とピエゾ抵抗Rの伸び縮み量が比例し、さらにピエゾ抵抗素子Rの伸び縮の量と抵抗値Rの変化とが比例する。この結果、入力電圧に対する出力電圧の比(Vxout/Vxin、Vyout/Vyin、Vzout/Vzin)は加速度と比例し、X、Y、Z軸それぞれでの加速度を分離して測定することが可能となる。
(加速度センサ100の作成)
加速度センサ100の作成工程につき説明する。
図6は、加速度センサ100の作成手順の一例を表すフロー図である。また、図7A〜図7Qは、図4に対応し、図6の作成手順における加速度センサ100の状態を表す断面図である
(1)半導体基板Wの用意(ステップS11、および図7A)
図7Aに示すように、第1、第2、第3の層11、12、13の3層を積層してなる半導体基板Wを用意する。
第1、第2、第3の層11、12、13はそれぞれ、第1の構造体110、接合部120、第2の構造体130を構成するための層であり、ここでは、シリコン、酸化シリコン、シリコンからなる層とする。
シリコン/酸化シリコン/シリコンという3層の積層構造をもった半導体基板Wは、シリコン基板上にシリコン酸化膜を積層した基板と、シリコン基板とを接合後、後者のシリコン基板を薄く研磨することで作成できる(いわゆるSOI基板)。また、半導体基板Wは、シリコン基板上に、シリコン酸化膜、シリコン膜を順に積層することでも作成できる。
第2の層12を第1、第3の層11、13とは異なる材料から構成しているのは、第1、第3の層11、13とエッチング特性を異ならせ、エッチングのストッパ層として利用するためである。第1の層11に対する上面からのエッチング、および第3の層13に対する下面からのエッチングの双方で、第2の層12がエッチングのストッパ層として機能する。
なお、ここでは第1の層11と第3の層13とを同一材料(シリコン)によって構成するものとするが、第1、第2、第3の層11、12、13のすべてを異なる材料によって構成しても良い。
(2)拡散層の形成(ステップ12、および図7B〜図7D)
拡散層の形成は、次のa、bのようにして行われる。
a.拡散マスク14の形成(図7B)
例えば、低圧CVD(Low Pressure-Chemical Vapor Deposition)によって、第1の層11上にSiN膜を積層し、レジストをマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)で開口を形成する。このようにして、第1の層11上に開口15を有する膜、即ち、拡散マスク14が形成される。
b.拡散層116の形成(図7C、図7D)
例えば、拡散マスク14上に、例えば、Bを含有する不純物層を、例えば、スピンコートによって形成した後、例えば1000℃に熱処理し、不純物層に含まれる不純物、例えば、Bを第1の層11内に拡散させ、拡散層116を形成する。
次に、フッ酸を用いて、Bの不純物層をエッチングして、拡散マスク14上の不純物層を除去する(図7C)。
次に、例えば、拡散マスク14の構成材料がSiNの場合、熱リン酸によって、これをエッチングし、除去する。この結果、第1の層11が露出される(図7D)。
(3)配線構造150の形成(ステップS13、および図7E〜図7H)
配線層150の形成は、次のa〜cのようにして行われる。
a.絶縁層151の形成(図7E)
第1の層11上に絶縁層151を形成する。例えば、第1の層11の表面を熱酸化することで、SiOの層を形成できる。
絶縁層151に、例えば、レジストをマスクとしたRIEによって、コンタクトホール(開口)154を形成する。
b.配線156の形成(図7F)
絶縁層151上に配線156を形成する。
例えばスパッタリングによって、第1の層11上にNdを含むAl層を形成する。この堆積の結果、第1の層11上に配線層152が、コンタクトホール154内に層間接続導体155が形成される。
次に、例えば、レジストをマスクとしてウェットエッチングすることで、配線層152をパターニングして、配線156、およびボンディングパッド157のパターンのパターンを形成する。
c.保護層153の形成(図7G、図7H)
例えば、低圧CVDによりSiN層を堆積し、配線層152上に保護層153を形成する(図7G)。
次に、半導体基板Wを、例えば380℃、あるいは400℃程度に熱処理し、拡散層116と層間接続導体155間をオーム性接触(オーミックコンタクト)させる。
次に、例えば、レジストをマスクとするRIEによって、保護層153をエッチングして、保護層153にパッド開口158を形成する(図7H)。
(4)第1の構造体110の作成(第1の層11のエッチング、ステップS14、および図7I)
第1の層11をエッチングすることにより、開口部115を形成し、第1の構造体110を形成する。即ち、第1の層11に対して浸食性を有し、第2の層12に対して浸食性を有しないエッチング方法を用いて、第1の層11の所定領域(開口部115)に対して、第2の層12の上面が露出するまで厚み方向にエッチングする。
第1の層11の上面に、第1の構造体110に対応するパターンをもったレジスト層を形成し、このレジスト層で覆われていない露出部分を垂直下方に浸食する。このエッチング工程では、第2の層12に対する浸食は行われないので、第1の層11の所定領域(開口部115)のみが除去される。
図7Iは、第1の層11に対して、上述のようなエッチングを行い、第1の構造体110を形成した状態を示す。
(5)導通部160、161の形成(ステップS15、および図7J、図7K)
導通部160、161の形成は、次のa、bのようにして行われる。
a.貫通孔の形成(図7J)
例えば、レジストをマスクとするRIEによって、配線構造150の上面の所定の箇所に開口を形成する。さらに、レジストをマスクとするRIEによって、露出した第1の層11の上面に、この開口よりも小さい開口端の貫通孔16を第2の層12まで貫通するように形成する。
b.金属層の形成(図7K)
配線構造150の上面及び貫通孔16内に、例えばAlを蒸着法やスパッタ法等により堆積させて、導通部160、161を形成する。配線構造150の上面に堆積した不要な金属層(導通部160、161の上端の縁の外側の金属層)はエッチングで除去する。なお、金属層の形成の際には、ボンディングパッド157を保護するため、ボンディングパッド157上をレジストで覆う必要がある。
(6)第2の構造体130の作成(第3の層13のエッチング、ステップS16、および図7L、図7M)
第2の構造体130は2段階に区分して作成される。
1)突出部131bの形成(図7L)
第3の層13の下面に、突出部131bに対応するパターンをもったレジスト層を形成し、このレジスト層で覆われていない露出部分を垂直上方へと浸食させる。この結果、第3の層13の下面に窪み(凹部)21が形成される。この窪み21の外周が突出部131bである。
2)台座131および重量部132の形成(図7M)
第3の層13の窪み21をさらにエッチングすることにより、開口部133を形成し、第2の構造体130を形成する。即ち、第3の層13に対して浸食性を有し、第2の層12に対して浸食性を有しないエッチング方法により、第3の層13の所定領域(開口部133)に対して、第2の層12の下面が露出するまで厚み方向へのエッチングを行う。
第3の層13の下面に、第2の構造体130に対応するパターンをもったレジスト層を形成する。窪み21内のレジスト層で覆われていない露出部分を垂直上方へと浸食させる。このエッチング工程では、第2の層12に対する浸食は行われないので、第3の層13の所定領域(開口部133)のみが除去される。
図7Mは、第3の層13に対して、上述のようなエッチングを行い、第2の構造体130を形成した状態を示す。
なお、上述した第1の層11に対するエッチング工程(ステップS14)と、第3の層13に対するエッチング工程(ステップS16)の順序は入れ替えることができる。いずれのエッチング工程を先に行ってもかまわないし、同時に行っても差し支えない。
導通部160、161の形成工程(ステップS15)は、配線構造の形成(ステップS13)の前又は後に行ってもかまわないし、配線構造の形成(ステップS13)と同時に行ってもよい。配線構造の形成(ステップS13)と同時に行うことにより、例えばAl等のパターニングを1回で済ませることができる。また、導通部160、161の形成工程(ステップS15)は、第2の構造体の形成工程(ステップS16)の後に行ってもかまわないし、接合部の形成工程(ステップS17)の後に行ってもかまわない。
(7)接合部120の作成(第2の層12のエッチング、ステップS17、および図7N)
第2の層12をエッチングすることにより、接合部120を形成する。即ち、第2の層12に対しては浸食性を有し、第1の層11および第3の層13に対しては浸食性を有しないエッチング方法により、第2の層12に対して、その露出部分から厚み方向および層方向にエッチングする。
以上の製造プロセスにおいて、第1の構造体110を形成する工程(ステップS14)と、第2の構造体130を形成する工程(ステップS16)では、次の2つの条件を満たすエッチング法を行う必要がある。
第1の条件は、各層の厚み方向への方向性を持つことである、第2の条件は、シリコン層に対しては浸食性を有するが、酸化シリコン層に対しては浸食性を有しないことである。第1の条件は、所定寸法をもった開口部や溝を形成するために必要な条件であり、第2の条件は、酸化シリコンからなる第2の層12を、エッチングストッパ層として利用するために必要な条件である。
第1の条件を満たすエッチング方法として、誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法:Inductively-Coupled Plasma Etching Method )を挙げることができる。このエッチング法は、垂直方向に深い溝を掘る際に効果的な方法であり、一般に、DRIE(Deep Reactive Ion Etching )と呼ばれているエッチング方法の一種である。
この方法では、材料層を厚み方向に浸食しながら掘り進むエッチング段階と、掘った穴の側面にポリマーの壁を形成するデポジション段階と、を交互に繰り返す。掘り進んだ穴の側面は、順次ポリマーの壁が形成されて保護されるため、ほぼ厚み方向にのみ浸食を進ませることが可能になる。
一方、第2の条件を満たすエッチングを行うには、酸化シリコンとシリコンとでエッチング選択性を有するエッチング材料を用いればよい。例えば、エッチング段階では、SFガス、およびOガスの混合ガスを、デポジション段階では、Cガスを用いることが考えられる。
第2の層12に対するエッチング工程(ステップS17)では、次の2つの条件を満たすエッチング法を行う必要がある。第1の条件は、厚み方向とともに層方向への方向性をもつことであり、第2の条件は、酸化シリコン層に対しては浸食性を有するが、シリコン層に対しては浸食性を有しないことである。
第1の条件は、不要な部分に酸化シリコン層が残存して重量部132の変位の自由度を妨げることがないようにするために必要な条件である。第2の条件は、既に所定形状への加工が完了しているシリコンからなる第1の構造体110や第2の構造体130に浸食が及ばないようにするために必要な条件である。
第1、第2の条件を満たすエッチング方法として、バッファド弗酸(例えば、HF=5.5wt%、NHF=20wt%の混合水溶液)をエッチング液として用いるウェットエッチングを挙げることができる。
(8)基体140の接合(ステップS18、および図7O、図7P)
1)基体140への接合防止層141の形成(図7O)
基体140に接合防止層141及び配線層142を形成する。例えば、スパッタリングによって、基体140の上面にAlの層を形成する。さらに、レジストをマスクとするエッチングにより、配線層142の一端部のみが突出部131bの下面と接触するように不要なAl層を除去して、所定の位置に接合防止層141及び配線142を形成する。突出部131bと基体140との接合を確保しつつ、重量部132と基体140との接合を防止するためである。
2)半導体基板Wと基体140の接合(図7P)
半導体基板Wと基体140とを接合する。基体140と突出部131bそれぞれの構成材料がガラスおよびSiの場合、陽極接合(静電接合ともいう)が可能となる。
基体140と突出部131bとを接触させて加熱した状態で、これらの間に電圧を印加する。加熱によって基体140のガラスが軟化する。また、ガラス中に含まれる可動イオン(例えば、Naイオン)の移動によって、基体140のガラスにナトリウム欠乏層が生成される。具体的には、可動イオンがガラス中を接合面と反対方向に移動してガラス表面に析出し、ガラス中の接合面近傍にナトリウム欠乏層が生成される。この結果、基体140と突出部131b間に電気的二重層が発生し、その静電引力によりこれらが接合される。
このとき、接合防止層141が、基体140と重量部132間の電位差を低減して、静電引力の発生を抑制し、この結果、基体140と重量部132間での接合が防止される。
接合防止層141は、配線142によって台座131(突出部131b)と電気的に接続されている。固定部111と台座131は導通部160によって電気的に接続され、変位部112と重量部132は導通部161によって電気的に接続されている。変位部112と接続部113と固定部111は、一体的に構成されている。このため、接合防止層141の配置された基体140の上面と重量部132の下面は、導通されており等電位である。台座131と基体140との陽極接合時に接合防止層141と重量部132とは電気的に接続されており、等電位である基体140の上面と重量部132の下面には静電引力が働かないため、重量部132と基体140との接合を、より確実に防止することができる。
図7Pでは、配線142がAlで構成されている場合を示している。配線142がAlで構成されている場合には、基体140と半導体基板Wとの陽極接合によって、突出部131bの下面に位置する配線層142の端部(接合防止層141と接続されていない側の端部)は容易に潰れる。そのため、基体140と半導体基板Wとの強固な接合が可能である。
なお、接合防止層141をCrで構成することにより、接合防止層141自体に接合防止機能を持たせて、重量部132と基体140との接合をより確実に防止することができる。CrとSiは、接合しにくいためである。接合防止層141をCrで構成した場合にも、前述したように容易に潰れるため、配線層142はAlで構成することが好ましい。
(9)半導体基板Wのダイシング(ステップS19および図7Q)
互いに接合された半導体基板Wおよび基体140にダイシングソー等で切れ込みを入れて、個々の加速度センサ100に分離する。
(第2の実施形態)
ここでは角速度センサの構成について述べる。
図8は角速度センサ200を分解した状態を表す分解斜視図である。角速度センサ200は、互いに積層して配置される第1の構造体210、接合部220、第2の構造体230、及び第2の基体240、第1の基体250を有する。
図9は、角速度センサ200の一部(第一の構造体210、第2の構造体230)をさらに分解した状態を表す分解斜視図である。図10、11、12はそれぞれ、第1の構造体210、接合部220、第2の構造体230の上面図である。図13、図14、図15はそれぞれ、第2の基体240の下面図、第1の基体250の上面図、および第1の基体250の下面図である。図16、図17はそれぞれ、角速度センサ200を図8のB−B及びC−Cに沿って切断した状態を表す断面図である。
変位部212(後述する)をZ軸方向に振動させると、X軸またはY軸方向の角速度ωx、ωyによるY軸またはX軸方向のコリオリ力Fy、Fxが変位部212に印加される。印加されたコリオリ力Fy、Fxによる変位部212の変位を検出することで角速度ωx、ωyを測定できる。このように角速度センサ200は、2軸の角速度ωx、ωyを測定できる。なお、この詳細は後述する。
第1の構造体210、接合部220、第2の構造体230、第2の基体240、第1の基体250は、その外周が例えば、5mmの辺の略正方形状であり、これらの高さはそれぞれ、例えば、20μm、2μm、675μm、500μm、500μmである。
第1の構造体210、接合部220、第2の構造体230はそれぞれ、シリコン、酸化シリコン、シリコンから構成可能であり、シリコン/酸化シリコン/シリコンの3層構造をなすSOI(Silicon On Insulator)基板を用いて製造可能である。第1の構造体210、第2の構造体230を構成するシリコンには、全体に例えばボロン等の不純物が含まれた導電性材料を使用することが好ましい。後述するように、第1の構造体210、第2の構造体230に不純物が含まれたシリコンを用いることにより、角速度センサ200の配線を簡略にすることができる。本実施の形態では、第1の構造体210及び第2の構造体230に不純物が含まれたシリコンを使用している。
また、第2の基体240、第1の基体250はそれぞれ、ガラス材料から構成できる。
第1の構造体は、外形が略正方形であり、固定部211、変位部212(212a〜212e)、接続部213(213a〜213d)、ブロック上層部214(214a〜214j)から構成される。第1の構造体210は、半導体材料の膜をエッチングして開口214a〜214d及びブロック上層部214a〜214jを形成することで、作成できる。
固定部211は、枠部211aと突出部211b、211cとに区分できる。枠部211aは、外周、内周が共に略正方形の枠形状の基板である。突出部211bは、枠部211aの内周のコーナー部に配置され、変位部212bに向かって(X−Y平面のX方向を0°としたとき、0°方向に)突出する略正方形の基板である。突出部211cは、枠部211aの内周のコーナー部に配置され、変位部212dに向かって(X−Y平面のX方向を0°としたとき、180°方向に)突出する略正方形の基板である。枠部211aと突出部211b、211cは、一体的に構成されている。
変位部212は、変位部212a〜212eから構成される。変位部212aは、外周が略正方形の基板であり、固定部211の開口の中央近傍に配置される。変位部212b〜212eは、外周が略正方形の基板であり、変位部212aを4方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)から囲むように接続、配置される。変位部212a〜212eはそれぞれ、接合部120によって後述の重量部232a〜232eと接合され、固定部211に対して一体的に変位する。
変位部212aの上面は、駆動用電極E1(後述する)として機能する。この変位部212aの上面の駆動用電極E1は、第2の基体240の下面に設置された後述の駆動用電極244aと容量性結合し、この間に印加された電圧によって変位部212をZ軸方向に振動させる。なお、この駆動の詳細は後述する。
変位部212b〜212eの上面は、変位部212のX軸およびY軸方向の変位を検出する検出用電極E1(後述する)としてそれぞれ機能する。この変位部212b〜212eの上面の検出用電極は、第2の基体240の下面に設置された後述の検出用電極244b〜244eとそれぞれ容量性結合する(変位部212のb〜eのアルファベットと、検出用電極244のb〜eのアルファベットは、それぞれ順に対応している)。なお、この検出の詳細は後述する。
接続部213a〜213dは略長方形の基板であり、固定部211と変位部212aとを4方向(X−Y平面のX方向を0°としたとき、45°、135°、225°、315°方向)で接続する。
接続部213a〜213dは、枠部211aに近い領域では、台座231の突出部231c(後述する)と接合部220によって接合されている。その他の領域、すなわち変位部212aに近い領域では、対応する領域に突出部231cが形成されておらず、厚みが薄いため、可撓性を有している。接続部213a〜213dの枠部211aに近い領域が、突出部231cと接合されているのは、大きな撓みにより接続部213a〜213dが損傷することを防止するためである。
接続部213a〜213dは、撓みが可能な梁として機能する。接続部213a〜213dが撓むことで、変位部212が固定部211に対して変位可能である。具体的には、変位部212が固定部211に対して、Z正方向、Z負方向に直線的に変位する。また、変位部212は、固定部211に対してX軸およびY軸を回転軸とする正負の回転が可能である。即ち、ここでいう「変位」には、移動および回転(Z軸方向での移動、X,Y軸での回転)の双方を含めることができる。
ブロック上層部214は、ブロック上層部214a〜214jから構成される。ブロック上層部214a〜214jは、略正方形の基板であり、固定部211の内周に沿い、かつ変位部212を周囲から囲むように配置される。
ブロック上層部214h、214aは、その端面が変位部212eの端面と対向し、ブロック上層部214b、214cは、その端面が変位部212bの端面と対向し、ブロック上層部214d、214eは、その端面が変位部212cの端面と対向し、ブロック上層部214f、214gは、その端面が変位部212dの端面と対向している。図10に示すように、ブロック上層部214a〜214hはそれぞれ、変位部212の8つの端面のうちの1つと対向するように、アルファベット順に右回りで配置されている。ブロック上層部214i、ブロック上層部214jは、X−Y平面のX方向を0°としたとき、それぞれ90°、270°の方向に配置される。
ブロック上層部214a〜214hはそれぞれ、接合部220によって後述のブロック下層部234a〜234hと接合される(ブロック上層部214のa〜hのアルファベットと、ブロック下層部234のa〜hのアルファベットは、それぞれ順に対応している)。
ブロック上層部214i、214jは、接合部220によって後述のブロック下層部214i、214jとそれぞれ接合され、変位部212をZ軸方向に振動させるための配線の用途で用いられる。なお、この詳細は後述する。
第2の構造体230は、外形が略正方形であり、台座231(231a〜231c)、重量部232(232a〜232e)、及びブロック下層部234(234a〜234j)から構成される。第2の構造体230は、半導体材料の基板をエッチングして開口233、ブロック下層部234a〜234j、及びポケット235(後述する)を形成することで、作成可能である。なお、台座231と、ブロック下層部234a〜234jは、互いに高さがほぼ等しく、重量部232は、台座231及びブロック下層部234a〜234jよりも高さが低い。重量部232と第1の基体250との間に間隙(ギャップ)を確保し、重量部232の変位を可能にするためである。台座231と、ブロック下層部234a〜234hと、重量部232は、それぞれ離間して配置される。
台座231は、枠部231aと突出部231b〜231dとに区分できる。
枠部231aは、外周、内周が共に略正方形の枠形状の基板であり、固定部211の枠部211aと対応した形状を有する。
突出部231bは、枠部231aの内周のコーナー部に配置され、重量部232bに向かって(X−Y平面のX方向を0°としたとき、0°方向に)突出する略正方形の基板であり、固定部211の突出部211bと対応した形状を有する。
突出部231cは、4つの略長方形の基板であり、X−Y平面のX方向を0°としたとき、45°、135°、225°、315°方向にそれぞれ突出し、一端が台座231の枠部231aと接続され、他端は重量部232と離間して配置されている。突出部231cは、接続部213a〜213dと対応する領域のうち、枠部231a側の略半分の領域に形成されており、他の領域、すなわち、重量部232側の略半分の領域には形成されていない。
突出部231dは、枠部231aの内周のコーナー部に配置され、重量部232dに向かって(X−Y平面のX方向を0°としたとき、180°方向に)突出する略正方形の基板内に、この基板の表面と裏面とを貫通するポケット235(開口)が形成されたもので、固定部211の突出部211cと接合されている。
ポケット235は、高真空を維持するためのゲッター材料を入れる、例えば直方体形状の空間である。ポケット235は、突出部231dの基板の表面と裏面とを貫通して形成される。ポケット235の一方の開口端は接合部220によって蓋がされている。ポケット235の他方の開口端は第1の基体250によって大部分に蓋がされているが、重量部232寄りの一部は蓋がされておらず、他方の開口端と重量部232等が形成されている開口233とは一部で通じている(図示せず)。ゲッター材料は、真空封入された角速度センサ200内の真空度を高める目的で残留気体を吸着するもので、例えば、ジルコニウムを主成分とする合金等で構成されている。
枠部211aと突出部231b〜231dは、一体的に構成されている。
台座231は、接合部220によって固定部211、及び接続部213a〜213dの所定の領域に接続される。
重量部232は、質量を有し、角速度に起因するコリオリ力を受ける重錘、あるいは作用体として機能する。即ち、角速度が印加されると、重量部232の重心にコリオリ力が作用する。
重量部232は、略直方体形状の重量部232a〜233eに区分される。中心に配置された重量部232aに4方向から重量部232b〜233eが接続され、全体として一体的に変位(移動、回転)が可能となっている。即ち、重量部232aは、重量部232b〜233eを接続する接続部として機能する。
重量部232a〜232eはそれぞれ、変位部212a〜212eと対応する略正方形の断面形状を有し、接合部220によって変位部212a〜212eと接合される。重量部232に加わったコリオリ力に応じて変位部212が変位し、その結果、角速度の測定が可能となる。
重量部232a〜232eによって、重量部232を構成しているのは、角速度センサ200の小型化と高感度化の両立を図るためである。角速度センサ200を小型化(小容量化)すると、重量部232の容量も小さくなり、その質量が小さくなることから、角速度に対する感度も低下する。接続部213a〜213dの撓みを阻害しないように重量部232b〜232eを分散配置することで、重量部232の質量を確保している。この結果、角速度センサ200の小型化と高感度化の両立が図られる。
重量部232aの裏面は、駆動用電極E1(後述する)として機能する。この重量部232aの裏面の駆動用電極E1は、第1の基体250の上面に設置された後述の駆動用電極254aと容量性結合し、この間に印加された電圧によって変位部212をZ軸方向に振動させる。なお、この駆動の詳細は後述する。
重量部232b〜232eの裏面は、変位部212のX軸およびY軸方向の変位を検出する検出用電極E1(後述する)としてそれぞれ機能する。この重量部232b〜232eの裏面の検出用電極E1は、第1の基体250の上面に設置された後述の検出用電極254b〜254eとそれぞれ容量性結合する(重量部232のb〜eのアルファベットと、検出用電極254のb〜eのアルファベットは、それぞれ順に対応している)。なお、この検出の詳細は後述する。
ブロック下層部234a〜234jは、それぞれブロック上層部214a〜214jと対応する略正方形の断面形状を有し、接合部220によってブロック上層部214a〜214hと接合される。ブロック上層部214a〜214h及びブロック下層部234a〜234hを接合したブロックを、以下、それぞれ「ブロックa〜h」と称する。ブロックa〜hは、それぞれ駆動用電極244b〜244e、254b〜254eに電源を供給するための配線の用途で用いられる。ブロック上層部214i、214j及びブロック下層部234i、234jを接合したブロック(以下、それぞれ「ブロックi、j」と称する)は、変位部212をZ軸方向に振動させるための配線の用途で用いられる。なお、この詳細は後述する。
接合部220は、既述のように、第1、第2の構造体210、230を接続するものである。接合部220は、接続部213の所定の領域及び固定部211と、台座231とを接続する接合部221と、変位部212a〜212eと重量部232a〜233eを接続する接合部222(222a〜222e)と、ブロック上層部214a〜214jとブロック下層部234a〜234jを接続する接合部223(223a〜223j)と、に区分される。接合部220は、これ以外の部分では、第1、第2の構造体210、230を接続していない。接続部213a〜213dの撓み、および重量部232の変位を可能とするためである。
なお、接合部221、222、223は、シリコン酸化膜をエッチングすることで構成可能である。
第1の構造体210と第2の構造体230とを必要な部分で導通させるため、導通部260〜262を形成している。
導通部260は、固定部211と台座231とを導通するものであり、固定部211の突出部211b及び接合部221を貫通している。
導通部261は、変位部212と重量部232とを導通するものであり、変位部212a及び接合部222を貫通している。
導通部262は、ブロック上層部214a、214b、214e、214f、214iとブロック下層部234a、234b、234e、234f、234iとをそれぞれ導通するものであり、ブロック上層部214a、214b、214e、214f、214i及び接合部223をそれぞれ貫通している。
導通部260〜262の構造は、第1の実施形態での導通部160、161と同様である。
第2の基体240は、例えばガラス材料からなり、略直方体の外形を有し、枠部241と底板部242とを有する。枠部241及び底板部242は、基板に略直方体状(例えば、縦横2.5mm、深さ5μm)の凹部243を形成することで作成できる。
枠部241は、外周、内周が共に略正方形の枠形状の基板形状である。枠部241の外周は、固定部211の外周と一致し、枠部241の内周は、固定部211の内周よりも大きい。
底板部242は、外周が枠部241と略同一の略正方形の基板形状である。
第2の基体240に凹部243が形成されているのは、変位部212が変位するための空間を確保するためである。変位部212以外の第1の構造体210、すなわち固定部211及びブロック上層部214a〜214jは、第2の基体240と、例えば陽極接合によって接合される。
底板部242上(第2の基体240の裏面上)には、変位部212と対向するように駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eが配置されている。駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eは、いずれも導電性部材として機能する。駆動用電極244aは、例えば十字形状で、変位部212aに対向するように凹部243の中央近傍に形成されている。検出用電極244b〜244eは、それぞれ略正方形で、駆動用電極244aを4方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)から囲み、それぞれ順に変位部212b〜212eと対向して配置される。駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eは、それぞれ離間している。
第2の基体240と、第1の構造体210の台座231及びブロック上層部214との陽極接合の際に、静電引力によって第2の基体240に変位部212が接触することで、これらが接合され、角速度センサ200が動作不良となる可能性がある。重量部232を形成する前に、第2の基体240を陽極接合すれば、接続部213a〜213dには厚みの薄い領域が存在せず可撓性を有していないため、静電引力が生じても変位部212は第2の基体240に引き寄せられず、これらの接合を防止できる。そのため、重量部232を形成する前に、第2の基体240を第1の構造体210(台座231及びブロック上層部214)と陽極接合することが好ましい。
駆動用電極244aには、ブロック上層部214iの上面と電気的に接続される配線層L1が接続されている。検出用電極244bには、ブロック上層部214bの上面と電気的に接続される配線層L4、検出用電極244cには、ブロック上層部214eの上面と電気的に接続される配線層L5、検出用電極244dには、ブロック上層部214fの上面と電気的に接続される配線層L6、検出用電極244eには、ブロック上層部214aの上面と電気的に接続される配線層L7がそれぞれ接続されている。
また、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eには、固定部211の突出部211bの上面とそれぞれ接続されていた、切断あるいは溶断等された断線状態の配線層L12〜L16がそれぞれ接続されている(駆動用電極244a及び検出用電極244b〜244eのa〜eのアルファベット順と、配線層L12〜L16の番号順は、それぞれ順に対応している)。配線層L12〜L16は、第1の基体250の陽極接合時には、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eと固定部211(突出部211b)とをそれぞれ電気的に接続する導電部として機能していた。
駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eに、断線状態の(切断あるいは溶断等された)配線層L12〜L16がそれぞれ接続されている理由を以下に述べる。
後述する第1の基体250と、台座231及びブロック下層部234a〜234jとの陽極接合の際に、静電引力によって第2の基体240と変位部212が接触して接合され、角速度センサ200が動作不良となる可能性がある。
駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eは、第1の基体250の陽極接合の際には、配線層L12〜L16(第1の基体250と台座231及びブロック下層部234との陽極接合時には断線されていない)によって固定部211(突出部211b)の上面とそれぞれ電気的に接続されている。また、変位部212と接続部213と固定部211は、導電性材料により一体的に構成されている。このため、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eの配置された第2の基体240の下面と変位部212の上面は、導通されており等電位である。台座231及びブロック下層部234a〜234jと、第1の基体250との陽極接合時に、等電位である第2の基体240の下面と変位部212の上面には静電引力が働かないため、変位部212と第2の基体240との接合を防止することができる。
第1の基体250を陽極接合した後においては、角速度センサ200が機能するように、駆動電極244aと変位部212aの上面の駆動電極E1、検出用電極244b〜244eと変位部212b〜212eの上面の検出用電極E1をそれぞれ容量性結合させるべく、配線層L12〜L16をそれぞれ断線させている。
駆動用電極244a、検出用電極244b〜244e、及び配線層L1、L4〜L7、L12〜L16の構成材料には、例えば、Ndを含有するAlを用いることができる。駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eにNdを含有するAlを用いることで(Nd含有率1.5〜10at%)、後述する熱処理工程(第1、又は第2の基体の陽極接合や、ゲッター材料の活性化)で、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eにヒロックが発生することを抑制できる。ここでいうヒロックとは、例えば、半球状の突起物をいう。これにより、駆動用電極244aと、駆動用電極244aと容量性結合する変位部212aの上面に形成された駆動用電極E1との間の距離や、検出用電極244b〜244eと、検出用電極244b〜244eとそれぞれ容量性結合する変位部212b〜212eの上面に形成された検出用電極E1との間の距離の寸法精度を高くすることができる。
第1の基体250は、例えばガラス材料からなり、略正方形の基板形状である。
重量部232以外の第2の構造体210、すなわち台座231及びブロック下層部234a〜234jは、第1の基体250と、例えば陽極接合によって接合される。重量部232は、台座231及びブロック下層部234a〜234jよりも高さが低いため、第1の基体250と接合されない。重量部232と第1の基体250との間に間隙(ギャップ)を確保し、重量部232の変位を可能にするためである。
第1の基体250の上面上には、重量部232と対向するように駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eが配置されている。駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eは、いずれも導電性部材として機能する。駆動用電極254aは、例えば十字形状で、重量部232aに対向するように第1の基体250の上面の中央近傍に形成されている。検出用電極254b〜254eは、それぞれ略正方形で、駆動用電極254aを4方向(X軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向)から囲み、それぞれ順に重量部232b〜232eに対向して配置される。駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eは、それぞれ離間している。
駆動用電極254aには、ブロック下層部214jの裏面と電気的に接続される配線層L2が接続されている。
検出用電極254bには、ブロック下層部234cの裏面と電気的に接続される配線層L8、検出用電極254cには、ブロック下層部234dの裏面と電気的に接続される配線層L9、検出用電極254dには、ブロック下層部234gの裏面と電気的に接続される配線層L10、検出用電極254eには、ブロック下層部234hの裏面と電気的に接続される配線層L11がそれぞれ接続されている。
また、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eには、台座231の突出部231bの裏面とそれぞれ接続されていた、切断あるいは溶断等された断線状態の配線層L17〜L21がそれぞれ接続されている(駆動用電極254a及び検出用電極254b〜254eのa〜eのアルファベット順と、配線層L17〜L21の番号順は、それぞれ順に対応している)。配線層L17〜L21は、第1の基体250の陽極接合時には、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eと台座231(突出部231b)とをそれぞれ電気的に接続する導電部として機能していた。
駆動用電極254a、検出用電極254b〜254e、及び配線層L2、L8〜L11、L17〜L21の構成材料には、例えば、Ndを含有するAlを用いることができる。駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eにNdを含有するAlを用いることで(Nd含有率1.5〜10at%)、後述する熱処理工程(第1、又は第2の基体の陽極接合や、ゲッター材料の活性化)で、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eにヒロックが発生することを抑制できる。これにより、駆動用電極254aと、駆動用電極254aと容量性結合する重量部232aの裏面に形成された駆動用電極E1との間の距離や、検出用電極254b〜254eと、検出用電極254b〜254eとそれぞれ容量性結合する重量部232b〜232eの裏面に形成された検出用電極E1との間の距離の寸法精度を高くすることができる。
駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eに、断線状態の(切断あるいは溶断等された)配線層L17〜L21がそれぞれ接続されている理由を以下に述べる。
第1の基体250と、台座231及びブロック下層部234a〜234jとの陽極接合の際に、静電引力によって第1の基体250と重量部232が接触して接合され、角速度センサ200が動作不良となる可能性がある。
駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eは、陽極接合の際には、配線層L17〜L21(第1の基体250と台座231及びブロック下層部234との陽極接合時には断線されていない)によって台座231(突出部231b)の下面とそれぞれ電気的に接続されている。また、固定部211と台座231は導通部260によって電気的に接続され、変位部212と重量部232は導通部261によって電気的に接続されている。変位部212と接続部213と固定部211は、導電性材料により一体的に構成されている。このため、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eの配置された第1の基体250の上面と重量部232の下面は、導通されており等電位である。台座231及びブロック下層部234a〜234jと、第1の基体250との陽極接合時に、等電位である第1の基体250の上面と重量部232の下面には静電引力が働かないため、重量部232と基体250との接合を防止することができる。
第1の基体250を陽極接合した後においては、角速度センサ200が機能するように、駆動電極254aと重量部232aの裏面の駆動電極E1、検出用電極254b〜244eと重量部232b〜232eの裏面の検出用電極E1をそれぞれ容量性結合させるべく、配線層L17〜L21をそれぞれ断線させている。
配線層L12〜L21の断線方法としては、例えば、レーザー光を照射してそれぞれ焼き切る、配線層L12〜L21にそれぞれヒューズを形成しておき、過電流を流してヒューズを断線させる等が挙げられる。
ヒューズは、ヒューズ以外の配線層L12〜L21の部分に、それぞれ例えばAl(融点660.4℃)配線層を形成して、ヒューズの部分のみに、例えばPb(融点327.5℃)、Zn(融点419.58℃)、Te(融点449.8℃)等の溶断しやすい材料を使用して形成できる。また、配線層L12〜L21(ヒューズを含む)全体を、それぞれ例えばAlからなる同一材料で構成し、ヒューズの部分を他の部分よりも、細く(例えば、配線層L12〜L21のヒューズ以外の部分に対してそれぞれ1/10〜1/100の太さ)形成してもよい。他の配線部分よりも細い部分は溶断しやすいためである。
第1の基体250には、第1の基体250を貫通する配線用端子T(T1〜T11)が設けられており、角速度センサ200の外部から駆動用電極244a、254aや検出用電極244b〜244e、254b〜254eへの電気的接続を可能としている。
配線用端子T1の上端は、台座231の突出部231bの裏面に接続されている。配線用端子T2〜T9は、それぞれブロック下層部234a〜234hの裏面に接続されている(配線用端子T2〜T9のT2〜T9の番号順と、ブロック下層部234a〜234hの234a〜234hのアルファベット順とは、それぞれ対応している)。配線用端子T10、T11は、それぞれブロック下層部234i、234jの裏面に接続されている。
配線用端子Tは、図16、図17に示すように、上広の錐状貫通孔の縁、壁面及び底部に、例えばAl等の金属膜が形成されたものであり、導通部260〜262と同様の構造をしている。配線用端子Tは、外部回路とを、例えばワイヤボンディングで接続するための接続端子として使用できる。
なお、図8〜図17では、第1の構造体210、接合部220、第2の構造体230の見やすさを考慮して、第1の基体250が下に配置されるように図示している。配線用端子Tと外部回路とを、例えばワイヤボンディングで接続する場合には、角速度センサ200の第1の基体250を例えば上になるように配置して容易に接続することができる。
(角速度センサ200の動作、配線)
角速度センサ200の配線、及び電極について説明する。
図18は、図16に示す角速度センサ200における6組の容量素子を示す断面図である。図18では、電極として機能する部分をハッチングで示している。なお、図18では6組の容量素子を図示しているが、前述したように角速度センサ200には、10組の容量素子が形成される。
10組の容量素子の一方の電極は、第2の基体240に形成された駆動用電極244a、検出用電極244b〜244e、及び第1の基体250に形成された駆動電極254a、検出用電極254b〜254eである。
もう一方の電極は、変位部212aの上面の駆動用電極E1、変位部212b〜212eの上面にそれぞれ形成された検出用電極E1、及び重量部232aの下面の駆動用電極E1、重量部232b〜232eの下面にそれぞれ形成された検出用電極E1である。すなわち、変位部212及び重量部232を接合したブロックは、10組の容量性結合の共通電極として機能する。第1の構造体210及び第2の構造体230は、導電性材料(不純物が含まれるシリコン)から構成されているため、変位部212及び重量部232を接合したブロックは、電極として機能することができる。
コンデンサーの容量は、電極間の距離に反比例するため、変位部212の上面及び重量部232の下面に電極E1があるものと仮定している。すなわち、電極E1は、変位部212の上面や、重量部232の下面の表層に別体として形成されているわけではない。変位部212の上面や、重量部232の下面が電極E1として機能すると捉えている。
第2の基体240に形成された駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eは、それぞれ順に、配線層L1、L4〜L7を介してブロック上層部214i、214b、214e、214f、214aと電気的に接続されている。また、ブロック上層部214i、214b、214e、214f、214aとブロック下層部234i、234b、234e、234f、234aとはそれぞれ導通部262で導通されている。
第1の基体250に形成された駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eは、それぞれ順に、配線層L2、L8〜L11を介してブロック下層部234j、234c、234d、234g、234hと電気的に接続されている。
したがって、これらの駆動用電極244a、254a、検出用電極244b〜244e、254b〜254eに対する配線は、ブロック下層部234a〜234jの下面に接続すればよい。配線用端子T2〜T9は、それぞれブロック下層部234a〜234hの下面に配置され、配線用端子T10、T11は、それぞれブロック下層部234i,234jの下面に配置されている。
以上より、配線用端子T2〜T11は、それぞれ順に、検出用電極244e、244b、254b、254c、244c、244d、254d、254e、駆動用電極244a、254aと電気的に接続されている。
電極(駆動用電極、検出用電極)E1は、変位部212の上面及び重量部232の下面からそれぞれなっている。変位部212及び重量部232は、導通部261で導通されており、いずれも導電性材料で構成されている。台座231及び固定部211は、導通部260で導通されており、いずれも導電性材料で構成されている。変位部212と接続部213と固定部211は、導電性材料により一体的に構成されている。したがって、電極E1に対する配線は、台座231の下面に接続すればよい。配線用端子T1は、台座231の突出部231bの下面に配置されて、配線用端子T1は、電極E1と電気的に接続されている。
以上のように、第1の構造体210、及び第2の構造体230を導電性材料(不純物が含まれるシリコン)で構成しているので、ブロック上層部214a〜214j、及びブロック下層部234a〜234jが接合されたブロックa〜jに配線としての機能をもたせることができ、容量素子に対する配線を簡略にすることが可能である。
角速度センサ200による角速度の検出の原理を説明する。
(1)変位部212の振動
駆動用電極244a、E1間に電圧を印加すると、クーロン力によって駆動用電極244a、E1が互いに引き合い、変位部212(重量部232も)はZ軸正方向に変位する。また、駆動用電極254a、E1間に電圧を印加すると、クーロン力によって駆動用電極254a、E1が互いに引き合い、変位部212(重量部232も)はZ軸負方向に変位する。即ち、駆動用電極244a、E1間、駆動用電極254a、E1間への電圧印加を交互に行うことで、変位部212(重量部232も)はZ軸方向に振動する。この電圧の印加は正又は負の直流波形(非印加時も考慮するとパルス波形)、半波波形等を用いることができる。
変位部212の振動の周期は電圧を切り換える周期で決まってくる。この切換の周期は変位部212の固有振動数にある程度近接していることが好ましい。変位部212の固有振動数は、接続部213の弾性力や重量部232の質量等で決定される。変位部212に加えられる振動の周期が固有振動数に対応しないと、変位部212に加えられた振動のエネルギーが発散されてエネルギー効率が低下する。
なお、駆動用電極244a、E1間、又は駆動用電極254a、E1間のいずれか一方のみに、変位部212の固有振動数の1/2の周波数の交流電圧を印加してもよい。
(2)角速度に起因するコリオリ力の発生
重量部232(変位部212)がZ軸方向に速度vzで移動しているときに角速度ωが印加されると重量部232にコリオリ力Fが作用する。具体的には、X軸方向の角速度ωxおよびY軸方向の角速度ωyそれぞれに応じて、Y軸方向のコリオリ力Fy(=2・m・vz・ωx)およびX軸方向のコリオリ力Fx(=2・m・vz・ωy)が重量部232に作用する(mは、重量部232の質量)。
X軸方向の角速度ωxによるコリオリ力Fyが印加されると、変位部212にY方向への傾きが生じる。このように、角速度ωx、ωyに起因するコリオリ力Fy、Fxによって変位部212にY方向、X方向の傾き(変位)が生じる。
(3)変位部212の変位の検出
変位部212の傾きは検出用電極244b〜244e、254b〜254eによって検出することができる。変位部212にY正方向のコリオリ力Fyが印加されると、検出用電極E1、244c間、検出用電極E1、254e間の距離は小さくなり、検出用電極E1、244e間、検出用電極E1、254c間の距離は大きくなる。この結果、検出用電極E1、244c間、検出用電極E1、254e間の容量は大きくなり、検出用電極E1、244e間、検出用電極E1、254c間の容量は小さくなる。即ち、検出用電極E1と検出用電極244b〜244e、254b〜254eとの間の容量の差に基づいて、変位部212のX、Y方向の傾きの変化を検出し、検出信号として取り出すことができる。
以上のように、駆動用電極244a、E1、駆動用電極254a、E1によって変位部212をZ方向に振動させ、検出用電極E1、244b〜244e、254b〜254eによって変位部212のX方向、Y方向への傾きを検出する(駆動用電極244a、E1(変位部212aの上面)、駆動用電極254a、E1(重量部232aの下面)は振動付与部として、検出用電極244b〜244e、254b〜254e、E1(変位部212b〜212eの上面、重量部232b〜232eの下面)は変位検出部として機能する)。この結果、角速度センサ200によるY方向、X方向(2軸)の角速度ωy、ωxの測定が可能となる。
(4)検出信号からのバイアス成分の除去
検出用電極244b〜244e、254b〜254e、E1から出力される信号は、重量部232に印加される角速度ωy、ωxに起因する成分のみではない。この信号には重量部232に印加されるX軸、Y軸方向の加速度αx、αyに起因する成分も含まれる。加速度αx、αyによっても変位部212の変位が生じうるからである。
検出信号から加速度成分を除去し角速度成分を得るには、それらの成分の特性の相違を利用することができる。重量部232(質量m)に角速度(ω)が印加されたときの力Fω(=2・m・vz・ω)は重量部232のZ軸方向の速度vzに依存する。一方、重量部232(質量m)に加速度(α)が印加されたときの力Fα(=m・α)は重量部232の振動には依存しない。即ち、検出信号の角速度成分は変位部212の振動に対応して周期的に変化する一種の振幅成分であり、検出信号の加速度成分は変位部212の振動に対応しない一種のバイアス成分である。
検出信号からバイアス成分を除去することで、検出信号から角速度成分の抽出、即ち、角速度の測定を行うことができる。例えば、検出信号の周波数分析によって変位部212の振動数と同様の振動成分を抽出する。
(角速度センサ200の作成)
角速度センサ200の作成工程につき説明する。
図19は、角速度センサ200の作成手順の一例を表すフロー図である。また、図20A〜図20Jは、図19の作成手順における角速度センサ200の状態を表す断面図である(図8に示す角速度センサ200をC−Cで切断した断面に相当する)。図20A〜図20Jは、図17の角速度センサ200を上下逆に配置したものに対応する。
(1)半導体基板Wの用意(ステップS20、および図20A)
図20Aに示すように、第1、第2、第3の層21、22、23の3層を積層してなる半導体基板Wを用意する。
第1、第2、第3の層21、22、23はそれぞれ、第1の構造体210、接合部220、第2の構造体230を構成するための層であり、ここでは、不純物が含まれるシリコン、酸化シリコン、不純物が含まれるシリコンからなる層とする。
不純物が含まれるシリコン/酸化シリコン/不純物が含まれるシリコンという3層の積層構造をもった半導体基板Wは、シリコン基板上に、不純物が含まれるシリコン、シリコン酸化膜、不純物が含まれるシリコン膜を順に積層することで作成できる(いわゆるSOI基板)。
シリコンに含まれる不純物としては、例えば、ボロン等を挙げることができる。ボロンが含まれるシリコンとしては、例えば、高濃度のボロンを含み、抵抗率が0.001〜0.01Ω・cmのものを使用できる。
不純物が含まれるシリコンは、例えば、チョクラルスキー法によるシリコン単結晶の製造において、ボロンをドープすることにより製造できる。
なお、ここでは第1の層21と第3の層23とを同一材料(不純物が含まれるシリコン)によって構成するものとするが、第1、第2、第3の層21、22、23のすべてを異なる材料によって構成してもよい。
(2)第1の構造体210の作成(第1の層21のエッチング、ステップS21、および図20B)
第1の層21をエッチングすることにより、開口215を形成し、第1の構造体210を形成する。即ち、第1の層21に対して浸食性を有し、第2の層22に対して浸食性を有しないエッチング方法を用いて、第1の層21の所定領域(開口215a〜215d)に対して、第2の層22の上面が露出するまで厚み方向にエッチングする。
第1の層21の上面に、第1の構造体210に対応するパターンをもったレジスト層を形成し、このレジスト層で覆われていない露出部分を垂直下方に侵食する。このエッチング工程では、第2の層22に対する浸食は行われないので、第1の層21の所定領域(開口215a〜215d)のみが除去される。
図20Bは、第1の層21に対して、上述のようなエッチングを行い、第1の構造体210を形成した状態を示す。
(3)接合部220の作成(第2の層22のエッチング、ステップS22、および図20C)
第2の層22をエッチングすることにより、接合部220を形成する。即ち、第2の層22に対しては浸食性を有し、第1の層21および第3の層23に対しては浸食性を有しないエッチング方法により、第2の層22に対して、その露出部分から厚み方向および層方向にエッチングする。
このエッチング工程では、別途、レジスト層を形成する必要はない。即ち、第1の層21の残存部分である第1の構造体210が、第2の層22に対するレジスト層として機能する。エッチングは、第2の層12の露出部分に対してなされる。
第2の層12に対するエッチング工程(ステップS22)では、次の2つの条件を満たすエッチング法を行う必要がある。第1の条件は、厚み方向とともに層方向への方向性をもつことであり、第2の条件は、酸化シリコン層に対しては浸食性を有するが、シリコン層に対しては浸食性を有しないことである。
第1の条件は、不要な部分に酸化シリコン層が残存して重量部232の変位の自由度を妨げることがないようにするために必要な条件である。第2の条件は、既に所定形状への加工が完了しているシリコンからなる第1の構造体210や第3の層23に浸食が及ばないようにするために必要な条件である。
第1、第2の条件を満たすエッチング方法として、バッファド弗酸(例えば、HF=5.5wt%、NHF=20wt%の混合水溶液)をエッチング液として用いるウェットエッチングを挙げることができる。また、CFガスとOガスとの混合ガスを用いたRIE法によるドライエッチングも適用可能である。
(4)導通部260〜262の形成(ステップS23、および図20D)
導通部260〜262の形成は、次のa、bのようにして行われる。
a.錐状貫通孔の形成
第1の構造体210の所定の箇所をウエットエッチングし、第2の層22まで貫通するような錘状貫通孔を形成する。エッチング液としては、第1の構造体のエッチングでは、例えば、20%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を用いることができ、第2の層のエッチングでは、例えば、バッファド弗酸(例えば、HF=5.5wt%、NHF=20wt%の混合水溶液)を用いることができる。
b.金属層の形成
第1の構造体210の上面及び錐状貫通孔内に、例えばAlを蒸着法やスパッタ法等により堆積させて、導通部260〜262を形成する。第1の構造体210の上面に堆積した不要な金属層(導通部260〜262の上端の縁(図示せず)の外側の金属層)はエッチングで除去する。
(5)第2の基体240の接合(ステップS24、および図20E)
1)第2の基体240の作成
絶縁性材料からなる基板、例えば、ガラス基板をエッチングして凹部243を形成し、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244e、及び配線層L1、L4〜L7、L12〜L16を、例えばNdを含むAlからなるパターンによって所定の位置に形成する。
2)半導体基板Wと第2の基体240の接合
半導体基板Wと第2の基体240とを、例えば陽極接合により接合する。
第2の構造体230の作成前に第2の基体240を陽極接合している。重量部232を形成する前に、第2の基体240を陽極接合しているので、接続部213a〜213dには厚みの薄い領域が存在せず可撓性を有していないため、静電引力が生じても変位部212は第2の基体240に引き寄せられない。このため、第2の基体240と変位部212との接合を防止することができる。
図20Eは、半導体基板Wと第2の基体240とを接合した状態を示す。
(6)第2の構造体230の作成(第3の層23のエッチング、ステップS25、および図20F)
第3の層23をエッチングすることにより、開口233、ブロック下層部234a〜234j、及びポケット235を形成し、第2の構造体230を形成する。即ち、第3の層23に対して浸食性を有し、第2の層22に対して浸食性を有しないエッチング方法により、第3の層23の所定領域(開口233)に対して、第2の層22の下面が露出するまで厚み方向へのエッチングを行う。
第3の層23の上面に、第2の構造体230に対応するパターンをもったレジスト層を形成し、このレジスト層で覆われていない露出部分を垂直下方に侵食する。
図20Fは、第3の層23に対して、上述のようなエッチングを行い、第2の構造体230を形成した状態を示す。
以上の製造プロセスにおいて、第1の構造体210を形成する工程(ステップS21)と、第2の構造体230を形成する工程(ステップS25)では、以下のようなエッチング法を行う必要がある。
第1の条件は、各層の厚み方向への方向性を持つことである、第2の条件は、シリコン層に対しては浸食性を有するが、酸化シリコン層に対しては浸食性を有しないことである。
第1の条件を満たすエッチング方法として、誘導結合型プラズマエッチング法(ICPエッチング法:Induced Coupling Plasma Etching Method )を挙げることができる。このエッチング法は、垂直方向に深い溝を掘る際に効果的な方法であり、一般に、DRIE(Deep Reactive Ion Etching )と呼ばれているエッチング方法の一種である。
この方法では、材料層を厚み方向に浸食しながら掘り進むエッチング段階と、掘った穴の側面にポリマーの壁を形成するデポジション段階と、を交互に繰り返す。掘り進んだ穴の側面は、順次ポリマーの壁が形成されて保護されるため、ほぼ厚み方向にのみ浸食を進ませることが可能になる。
一方、第2の条件を満たすエッチングを行うには、酸化シリコンとシリコンとでエッチング選択性を有するエッチング材料を用いればよい。例えば、エッチング段階では、SFガス、およびOガスの混合ガスを、デポジション段階では、Cガスを用いることが考えられる。
(7)第1の基体250の接合(ステップS26、および図20G)
1)第1の基体250の作成
絶縁性材料からなる基板に、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254e、及び配線層L2、L3、L8〜L11を、例えばNdを含むAlからなるパターンによって所定の位置に形成する。また、第1の基体250をエッチングすることにより、配線用端子T1〜T11を形成するための上広の錐状貫通孔20を所定の箇所に11個形成する。
2)半導体基板Wと第1の基体250の接合
ポケット235にゲッター材料(サエスゲッターズジャパン社製、商品名 非蒸発ゲッター)を入れて、第1の基体250と半導体基板Wとを、例えば陽極接合により接合する。
陽極接合の際に、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eは、配線層L17によって台座231(突出部231b)と電気的に接続されている。また、固定部211と台座231は導通部260によって電気的に接続され、変位部212と重量部232は導通部261によって電気的に接続されている。変位部212と接続部213と固定部211は、導電性材料により一体的に構成されている。このため、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eの配置された基体250の下面と重量部232の上面は、導通されており等電位である。台座231及びブロック下層部234a〜234jと、第1の基体250との陽極接合時に、等電位である第1の基体250の下面と重量部232の上面には静電引力が働かないため、重量部232と基体250との接合を防止することができる。
また、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eは、第1の基体250の陽極接合の際には、配線層L12〜L16(第1の基体250と台座231及びブロック下層部234との陽極接合時には断線されていない)によって固定部211(突出部211b)の下面とそれぞれ電気的に接続されている。また、変位部212と接続部213と固定部211は、導電性材料により一体的に構成されている。このため、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eの配置された第2の基体240の上面と変位部212の下面は、導通されており等電位である。台座231及びブロック下層部234a〜234jと、第1の基体250との陽極接合時に、等電位である第2の基体240の上面と変位部212の下面には静電引力が働かないため、変位部212と第2の基体240との接合を防止することができる。
図20Gは、半導体基板Wと第1の基体250とを接合した状態を示す。
(8)配線用端子T1〜T11の形成(ステップS27、および図20H)
第1の基体240の上面及び錐状貫通孔20内に、例えばCr層、Au層の順に金属層を蒸着法やスパッタ法等により形成する。不要な金属層(配線用端子Tの上端の縁の外側の金属層)をエッチングにより除去し、配線用端子T1〜T11を形成する。
(9)配線層L12〜L21の断線(ステップS28、および図20I)
第1の基体250の上側から、配線層L17〜L21にレーザー光を照射し、また、第2の基体240の下側から、配線層L12〜L16にレーザー光を照射ことにより、配線層L12〜L21をそれぞれ焼き切り、断線させる。第1の基体250、第2の基体240は、レーザー透過性を有するガラス基板で構成されているため、レーザー光により配線層L12〜L21を焼き切ることができる。
第1の基体250を陽極接合した後においては、角速度センサ200が機能するように、駆動用電極244aと変位部212aの上面の駆動用電極E1、検出用電極244b〜244eと変位部212b〜212eの上面の検出用電極E1をそれぞれ容量性結合させるべく、配線層L12〜L16をそれぞれ断線させている。
また、第1の基体250を陽極接合した後においては、角速度センサ200が機能するように、駆動電極254aと重量部232aの裏面の駆動電極E1、検出用電極254b〜254eと重量部232b〜232eの裏面の検出用電極E1をそれぞれ容量性結合させるべく、配線層L17〜L21をそれぞれ断線させている。
(10)半導体基板W、第2の基体240、第1の基体250のダイシング(ステップS29および図20J)
例えば、450℃の熱処理によってポケット235中のゲッター材料を活性化した後、互いに接合された半導体基板W、第2の基体240、及び第1の基体250にダイシングソー等で切れ込みを入れて、個々の角速度センサ200に分離する。
(変形例)
以上の角速度センサ200は、第1の基体250の陽極接合後に、配線層L12〜L21をレーザー光により焼き切って断線させている。
これに対して、配線層L12〜L21にそれぞれヒューズを形成しておき、配線層L12〜L21に過電流を流すことにより、このヒューズを断線させることも可能である。すなわち、S24の第2の基体240の作成において配線層L12〜L16に、S26の第1の基体250の作成において配線層L17〜L21に、ヒューズをそれぞれ形成しておき、S28でのレーザー光の照射に代えて、配線用端子T1と配線用端子T2〜T11とを用いて、外部から配線層L12〜L21に過電流を流すことにより、このヒューズをそれぞれ断線させることができる。
ヒューズは、ヒューズ以外の配線層L12〜L21の部分に、それぞれ例えばAl(融点660.4℃)配線層を形成して、ヒューズの部分のみに、例えばPb(融点327.5℃)、Zn(融点419.58℃)、Te(融点449.8℃)等の溶断しやすい材料を使用して形成できる。また、配線層L12〜L21(ヒューズを含む)全体を、それぞれ例えばAlからなる同一材料で構成し、ヒューズの部分を他の部分よりも、細く(例えば、配線層L12〜L21のヒューズ以外の部分に対してそれぞれ1/10〜1/100の太さ)形成してもよい。他の配線部分よりも細い部分は溶断しやすいためである。
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3に実施形態に係る角速度センサ300の主要な部分を表す一部断面図である。図22Aは、図21の点線の楕円で囲まれた領域の拡大図であって、熱応動スイッチTSf及び凹部331c近傍の拡大図である。図22Bは、図21の点線の楕円で囲まれた領域の拡大図であって、熱応動スイッチTSa及び凹部311d近傍の拡大図である。図17に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図21に示すように、本実施形態の角速度センサ300は、第2の実施形態での角速度センサ200と、以下の点において相違している。
第1に、本実施形態の角速度センサ300は、第2の実施形態での角速度センサ200の配線層L17〜L21に代えて、熱応動スイッチTSf〜TSjを備えている(配線層L17〜L21の17〜21の番号順と、熱応動スイッチTSf〜TSjのf〜jのアルファベット順とはそれぞれ順に対応している。)。また、本実施形態の角速度センサ300は、第2の実施形態での角速度センサ200の配線層L12〜L16に代えて、熱応動スイッチTSa〜TSeを備えている(配線層L12〜L16の12〜16の番号順と、熱応動スイッチTSa〜TSeのa〜eのアルファベット順とはそれぞれ順に対応している。)。
第2に、突出部331bにおける2つの端面が交わる辺部の下端に、熱応動スイッチTSf〜TSjの動作部TS1(後述する)を収容する凹部331cが形成されている。また、突出部311bにおける2つの端面が交わる辺部の上端に、熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1を収容する凹部311dが形成されている。
熱応動スイッチTS(TSa〜TSj)は、加熱により作動するスイッチ(言い換えれば、可動部材)である。熱応動スイッチTSf〜TSjは、第1の基体350の陽極接合時には、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eと台座の突出部331bとをそれぞれ電気的に接続する導電部として機能する。また、熱応動スイッチTSa〜TSeは、第1の基体350の陽極接合時には、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eと固定部の突出部311bとをそれぞれ電気的に接続する導電部として機能する。
熱応動スイッチTS(TSa〜TSj)は、動作部TS1と、熱応動スイッチTSを第1の基体350又は第2の基体340に固定する固定部TS2とで構成される。動作部TS1は、加熱により変形し、温度の低下により復帰するものである。動作部TS1は、一端が固定部TS2に固定された固定端となっていて、他端は第1の基体350又は第2の基体340と離れて自由端となっており、かつ凹部331c又は凹部311d内に配置されている。
動作部TS1は、熱膨張係数の異なる2種類あるいは2種類以上の部材を張り合わせて板状に一体化したものであり、少なくとも、加熱されて突出部331b又は突出部311bと接触する部材は、電気伝導性部材である必要がある。本実施の形態では、2種類の導電層30、31で構成している。
導電層30は、導電層31よりも熱膨張係数が大きな材料で構成される。導電層30は、例えばAl(20℃での線膨張係数3.02×10−5/K)で構成でき、導電層31は、例えばP型ポリシリコン(例えば、ボロンを添加したP型シリコン、例えば、20℃での線膨張係数2.6×10−6/K)で構成できる。ボロンが含まれるシリコンとしては、例えば、高濃度のボロンを含み、抵抗率が0.001〜0.01Ω・cmのものを使用できる。
動作部TS1は、加熱されると、熱膨張係数の大きい導電層30の伸び量が熱膨張係数の小さい導電層31よりも大きくなるため、熱膨張係数の小さい導電層31側へ曲がり、凹部331cの上面に対応する突出部331b、又は凹部311dの下面に対応する突出部311bと接触する。また、動作部TS1は、温度の低下により復帰して、凹部331cの上面に対応する突出部331b、又は凹部311dの下面に対応する突出部311bと離れる。
半導体基板Wと第1の基体350との陽極接合時には、300℃近くにまで加熱されるため、熱応動スイッチTSf〜TSjの動作部TS1は変形してそれぞれ突出部331bと接触する。これにより、第1の基体350の陽極接合時には、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eは、突出部331bとそれぞれ電気的に接続されるため、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eの配置された第1の基体350の上面と、重量部232の下面は導通されて等電位となる。等電位である第1の基体350の上面と、重量部232の下面には静電引力が働かないため、角速度センサ300では、第1の基体350の陽極接合の際に、重量部232と第1の基体350との接合を防止することができる。
同様に、半導体基板Wと第1の基体350との陽極接合時には、300℃近くにまで加熱されるため、熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1は変形してそれぞれ突出部311bと接触する。これにより、第1の基体350の陽極接合時には、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eは、突出部311bとそれぞれ電気的に接続されるため、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eの配置された第2の基体340の下面と、変位部212の下面は導通されて等電位となる。等電位である第2の基体340の下面と、変位部212の下面には静電引力が働かないため、角速度センサ300では、第1の基体350の陽極接合の際に、変位部212と第2の基体340との接合を防止することができる。
第1の基体350を陽極接合した後には、温度の低下により熱応動スイッチTSf〜TSjの動作部TS1は復帰してそれぞれ突出部331bと離れ、熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1は復帰してそれぞれ突出部311bと離れるため、第2の実施形態での角速度センサ200で行った配線層L12〜L21の断線に対応する工程は、角速度センサ300においては不要である。
なお、図22Aに図示されていないが、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eと熱応動スイッチTSf〜TSjはそれぞれ電気的に接続されている(駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eの254a〜254eのアルファベット順と、熱応動スイッチTSf〜TSjのf〜jのアルファベット順とは、それぞれ順に対応している)。
また、図22Bに図示されていないが、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eと熱応動スイッチTSa〜TSeはそれぞれ電気的に接続されている(駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eの244a〜244eのアルファベット順と、熱応動スイッチTSa〜TSeのa〜eのアルファベット順とは、それぞれ順に対応している)。
本実施の形態では、固定部TS2と駆動用電極244a、254a及び検出用電極244b〜244e、254b〜254eとのそれぞれの電気的接続を、熱応動スイッチTSを構成する導電層30、31と同一材料により構成しているが、例えば導電層30又は導電層31のいずれかや、他の導電性材料により接続してもよい。
凹部331cは、台座の突出部331bにおける2つの端面が交わる辺部の下端に形成された、熱応動スイッチTSf〜TSjの動作部TS1を収容する凹部である。凹部331cの形状は、例えば直方体にすることができるが、直方体に限定されるものではなく、任意の形状でかまわない。凹部331cは、熱応動スイッチTSf〜TSjの動作部TS1が加熱により変形してそれぞれ突出部331bに接触し、加熱しない状態では動作部TS1が突出部331bとそれぞれ離れる高さに形成される。
凹部311dは、固定部の突出部311bにおける2つの端面が交わる辺部の上端に形成された、熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1を収容する凹部である。凹部311dの形状は、例えば直方体にすることができるが、直方体に限定されるものではなく、任意の形状でかまわない。凹部311dは、熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1が加熱により変形してそれぞれ突出部311dに接触し、加熱しない状態では動作部TS1が突出部311dとそれぞれ離れる高さに形成される。
なお、図21、図22bでは、凹部311dの下面が、固定部の突出部311bになるように凹部311dを形成し、熱応動スイッチTSa〜TSeを介して駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eと固定部とをそれぞれ電気的に接続している。熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1を収容する凹部の下面が、台座の突出部331bになるようにこの凹部を形成し、熱応動スイッチTSa〜TSeを介して駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eと台座とを電気的に接続してもよい。
角速度センサ300は、例えば、動作部TS1を、Alからなる導電層30とP型ポリシリコンからなる導電層31とによって構成している場合には、動作部TS1の長さを50μm、動作部TS1の厚みを0.5μm(導電層30の厚み0.25μm、導電層31の厚み0.25μm)、凹部331cの上面と導電層31の上面との距離(凹部311dの下面と導電層31の下面との距離)を5μmにすることができる。
角速度センサ300の作成工程について説明する。
図23は、角速度センサ300の作成手順の一例を表すフロー図である。
図23に示すように、本実施形態の角速度センサ300の作成方法は、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法と、以下の点において相違している。
第1に、ステップ31において、エッチング等の方法で突出部311bの所定の位置に凹部311dを形成する。また、ステップ35において、エッチング等の方法で突出部331bの所定の位置に凹部331cを形成する。
第2に、本実施形態では、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法におけるステップS24での配線層L12〜L16の形成に代えて、ステップS34において熱応動スイッチTSa〜TSeを形成している。また、本実施形態では、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法におけるステップS26の配線層L17〜L21の形成に代えて、ステップS36において熱応動スイッチTSf〜TSjを形成している。
第3に、前述したように、本実施形態では、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法でのステップ28(配線層L12〜L21の断線)に対応するステップが不要である。
熱応動スイッチTSfを例に、熱応動スイッチTSの作成手順を説明する。
図24A〜図24Dは、図23の作成手順のステップS36における、第1の基体350に形成する熱応動スイッチTSfの作成手順の一例を表す断面図である。まず、図24Aに示すように、第1の基体250の上面で、かつ凹部331c内にレジスト32を形成する。次に、駆動電極254aの端面に接続され、かつレジスト32の上面を覆うように、例えばスパッタリングの手法を用いて導電層30、31を順に形成して積層する(図24B、図24C)。最後に、レジスト32を除去すれば動作部TS1が第1の基体250の上面から離れて形成されるので、熱応動スイッチTSfを作成することができる(図24D)。
図25は、第2の基体に形成された熱応動スイッチTSa〜TSe及び凹部の変形例であって、熱応動スイッチTSa〜TSe及び凹部243a近傍の拡大図である。
この変形例では、固定部の突出部311bに凹部311d(図22B)を形成せずに、固定部の突出部211bの上面における変位部212側の縁部が露出するように第2の基体に凹部243aを形成している。また、凹部243a内であって、上面が露出している突出部211bの上方の空間に熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1をそれぞれ形成している。熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1は、加熱により変形してそれぞれ突出部211bの上面に接触し、加熱しない状態では動作部TS1が突出部211bとそれぞれ離れる高さに形成される。この変形例では、ステップS34の第2の基体の作成の際に、固定部の突出部211b上面の所定の領域が露出するように凹部243aを形成するので、ステップS31において固定部の突出部211bに凹部を形成する必要がない。そのため、図22Bに示したものよりも、熱応動スイッチTSa〜TSeの動作部TS1を収容する凹部の形成が容易であるため、熱応動スイッチTSa〜TSe及び凹部を容易に作成できる。
(第4の実施形態)
図26は、本発明の第4の実施形態に係る角速度センサ400を分解した状態を表す分解斜視図である。図27は、図26のD−Dに沿って切断した状態を表す断面図である。図8、図17に共通する部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図26、図27に示すように、本実施形態の角速度センサ400は、第2の実施形態での角速度センサ200と、以下の点において相違している。第1に、本実施形態の角速度センサ400は、第2の実施形態での角速度センサ200の第1の基体250に形成された配線用端子T1〜T11に代えて、第2の基体440に配線用端子T1a〜T11aが形成されている。第2に、本実施形態の角速度センサ400は、第2の実施形態での角速度センサ200のブロック上層部214a、214b、214e、214f、214iに形成された導通部262に代えて、ブロック上層部214c、214d、214g、214h、214jにそれぞれ導通部462を備えている。第3に、本実施形態の角速度センサ400は、第2の実施形態での角速度センサ200が備えている切断あるいは溶断等された配線層L12〜L21を、備えていない。
導通部462は、ブロック上層部214c、214d、214g、214h、214jとブロック下層部234c、234d、234g、234h、234jとをそれぞれ導通するものであり、ブロック上層部214c、214d、214g、214h、214j及び接合部223をそれぞれ貫通している。導通部462の構造は、第2の実施形態での導通部260〜262と同様である。
第2の基体440には、枠部251及び底板部252を貫通する配線用端子Ta(T1a〜T11a)が設けられており、角速度センサ400の外部から駆動用電極244a、254aや、検出用電極244b〜244e、254b〜244eへの電気的接続を可能としている。配線用端子T1a〜T11aの構造は、第2の実施形態での配線用端子T1〜T11と同様である。
配線用端子T1aの下端は、固定部211の突出部211bの上面に接続されている。配線用端子T2a〜T9aの下端は、それぞれブロック上層部214a〜214hの上面に接続されている(配線用端子T2a〜T9aのT2a〜T9aの番号順と、ブロック上層部214a〜214hの214a〜214hのアルファベット順とは、それぞれ対応している)。配線用端子T10a、T11aは、それぞれブロック上層部214i、214jの上面に接続されている。
したがって、配線用端子T2a〜T11aは、第2の実施形態での配線用端子T2〜T11と同様に、それぞれ順に、検出用電極244e、244b、254b、254c、244c、244d、254d、254e、駆動用電極244a、254aと電気的に接続されている。
また、配線用端子T1aは、第2の実施形態での配線用端子T1と同様に、変位部212の上面及び重量部232の下面に形成される電極E1と電気的に接続されている。
本実施の形態では、半導体基板Wと第1の基体450との陽極接合時には、重量部232と電気的に接続されている配線用端子T1aと、駆動用電極244a、254a、検出用電極244b〜244e、254b〜254eに電気的に接続されている配線用端子T2a〜T11aとを導線等により外部で電気的に接続する。
これにより、第1の基体450の陽極接合時には、駆動用電極254a、検出用電極254b〜254eの配置された第1の基体450の上面と、重量部232の下面は導通されて、等電位となる。等電位である、第1の基体450の上面と、重量部232の下面には静電引力が働かないため、角速度サンサ400では、第1の基体450の陽極接合の際に、重量部232と第1の基体450との接合を防止することができる。
同様に、第1の基体450の陽極接合時には、駆動用電極244a、検出用電極244b〜244eの配置された第2の基体440の下面と、変位部212の上面は導通されて、等電位となる。等電位である、第2の基体440の下面と、変位部212の下面には静電引力が働かないため、角速度センサ400では、第1の基体450の陽極接合の際に、変位部212と第2の基体440との接合を防止することができる。
第1の基体450を陽極接合した後には、配線用端子T1aと配線用端子T2a〜T11aとを外部で接続している導線は、容易に除去できる。
角速度センサ400の作成工程について説明する。
図28は、角速度センサ400の作成手順の一例を表すフロー図である。
図28に示すように、本実施形態の角速度センサ400の作成方法は、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法と、以下の点において相違している。第1に、本実施形態では、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法におけるステップ24での配線層12〜16の形成、ステップS26での配線層L17〜L21の形成が、不要である。第2に、前述したように、本実施形態では、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法におけるステップS28での配線層L12〜L21の断線に代えて、ステップS48において配線用端子T1と配線用端子T2a〜T11aとを外部で接続している例えば導線を除去する。第3に、本実施形態では、第2の実施形態での角速度センサ200の作成方法におけるステップ27での第1の基体250への配線用端子T1〜T11の形成に代えて、ステップ45において第2の基体440に配線用端子T1a〜T11aを形成する。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張、変更可能であり、拡張、変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、加速度センサについても、第2の実施形態で述べた角速度センサ200のように、基体140の接合後に配線層142を断線させてもよい。
同様に、加速度センサについても、第3の実施形態で述べた角速度センサ300のように、配線層142に代えて熱応動スイッチを形成してもよい。
また、加速度センサについても、第4の実施形態で述べたように、基体140の陽極接合時に接合防止層141と変位部112を、導線等により外部で電気的に接続し、基体140の接合後にこの導線を除去してもよい。
また、角速度センサ200〜400では、第1の構造体210及び第2の構造体220に、導電性材料(不純物が含まれるシリコン)を用いた場合を例に説明したが、必ずしも全体がすべて導電性材料で構成されている必要はない。少なくとも、例えば電極(駆動用電極、検出用電極)E1や、配線用端子T10とブロック下層部234iの下面との間を導通する部分等のような必要な部分が導電性材料によって構成されていてもよい。
また、角速度センサ200、300では、第1の基体250、350に配線用端子T1〜T11を形成したが、第4の実施形態で述べたように、第2の基体240に配線用端子を形成し、ブロック上層部214a〜214jの上面、及び固定部211の突出部211bの上面とそれぞれ接続してもよい。
本発明の第一の実施形態に係る加速度センサを表す斜視図である。 図1の加速度センサを分解した状態を表す分解斜視図である。 図1の加速度センサの接続部(梁)上の配線を上面から見た状態を表す上面図である。 図3のA−Aに沿って切断した状態を表す一部断面図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からX軸方向での加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からY軸方向での加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 ピエゾ抵抗素子の抵抗からZ軸方向での加速度を検出するための検出回路の構成例を示す回路図である。 加速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 図6の作成手順における加速度センサの状態を表す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る角速度センサを分解した状態を表す分解斜視図である。 図8の角速度センサを分解した状態を表す分解斜視図である。 第1の構造体の上面図である。 接合部の上面図である。 第2の構造体の上面図である。 第2の基体の下面図である。 第1の基体の上面図である。 第1の基体の下面図である。 図8のB−B沿って切断した状態を表す断面図である。 図8のC−Cに沿って切断した状態を表す断面図である。 図16に示す角速度センサにおける6組の容量素子を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る角速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 図19の作成手順における角速度センサの状態を表す断面図である。 本発明の第3に実施形態に係る角速度センサの主要な部分を表す一部断面図である。 図21の点線の楕円で囲まれた領域の拡大図であって、熱応動スイッチ及び台座に形成された凹部近傍の拡大図である。 図21の点線の楕円で囲まれた領域の拡大図であって、熱応動スイッチ及び固定部に形成された凹部近傍の拡大図である。 本発明の第3の実施形態に係る角速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。 図23の作成手順のステップS37における、第1の基体に形成する熱応動スイッチの作成手順の一例を表す断面図である。 図23の作成手順のステップS37における、第1の基体に形成する熱応動スイッチの作成手順の一例を表す断面図である。 図23の作成手順のステップS37における、第1の基体に形成する熱応動スイッチの作成手順の一例を表す断面図である。 図23の作成手順のステップS37における、第1の基体に形成する熱応動スイッチの作成手順の一例を表す断面図である。 第2の基体に形成された熱応動スイッチ及び凹部の変形例であって、熱応動スイッチ及び凹部近傍の拡大図である。 本発明の第4の実施形態に係る角速度センサを分解した状態を表す分解斜視図である。 図26のD−Dに沿って切断した状態を表す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る角速度センサの作成手順の一例を表すフロー図である。
符号の説明
100 加速度センサ
110 第1の構造体
111 固定部
112 変位部
113 接続部
115 開口部
116 拡散層
120 接合部
121 接合部
122 接合部
130 第2の構造体
131 台座
131a 枠体部
131b 突出部
132(132a-133e) 重量部
133 開口部
140 基体
141 接合防止層
142 配線層
150 配線構造
151 絶縁層
152 配線層
153 保護層
154 コンタクトホール
155 層間接続導体
156 配線
157 ボンディングパッド
158 パッド開口
160,161 導通部
Rx1-Rx4,Ry1-Ry4,Rz1-Rz4 ピエゾ抵抗素子
14 マスク
15 開口
16 貫通孔
200,300,400 角速度センサ
210 第1の構造体
211 固定部
211a 枠部
211b,211c 突出部
212(212a-212e) 変位部
213(213a-213d) 接続部
214(214a-214j) ブロック上層部
215(215a-215d) 開口
220,221,222,223 接合部
230 第2の構造体
231 台座
231a 枠部
231b,231c,231d 突出部
232(132a-133e) 重量部
233 開口
234(234a-234j) ブロック下層部
235 ポケット
240,340,440 第2の基体
241 枠部
242 底板部
243,243a 凹部
244a 駆動用電極
244b-244e 検出用電極
250,350,450 第1の基体
254a 駆動用電極
254b-254e 検出用電極
260-262 導通部
311b 突出部
311d 凹部
331b 突出部
331c 凹部
462 導通部
30,31 導電層
32 レジスト
L1,L2,L4-L21 配線層
T1-T11,T1a-T11a 配線用端子
E1 駆動用電極、検出用電極
TS(TSa-TSj) 熱応動スイッチ
TS1 動作部
TS2 固定部

Claims (20)

  1. 開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有し、かつ平板状の第1の半導体材料から一体的に構成される第1の構造体と、
    前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有し、第2の半導体材料から構成され、かつ前記第1の構造体に積層して配置される第2の構造体と、
    前記固定部と前記台座とを接合する第1の接合部と、前記変位部と前記重量部とを接続する第2の接合部と、を有し、絶縁性材料から構成され、かつ前記第1の構造体と前記第2の構造体とを接合する接合体と、
    前記変位部の変位を検出する変位検出部と、
    前記台座に接続されて前記第2の構造体に積層配置され、前記重量部との対向面に配置される第1の導電性部材を有し、絶縁性材料から構成される第1の基体と、
    前記固定部と前記台座とを電気的に接続する第1の導通部と、
    前記変位部と前記重量部とを電気的に接続する第2の導通部とを具備し、
    前記第1の基体が、少なくとも前記第1の基体と前記第2の構造体との接合時に、前記第1の導電性部材と前記台座とを電気的に接続する第1の導電部を有することを特徴とする力学量検出センサ。
  2. 前記力学量が、加速度又は角速度であることを特徴とする請求項1に記載の力学量検出センサ。
  3. 前記固定部に接続されて前記第1の構造体に積層配置され、前記変位部との対向面に配置される第2の導電性部材を有し、絶縁性材料から構成される第2の基体をさらに具備し、
    前記第2の基体が、少なくとも前記第1の基体と前記第2の構造体との接合時に、前記第2の導電性部材と前記固定部又は前記台座とを電気的に接続する第2の導電部を有することを特徴とする請求項2に記載の力学量検出センサ。
  4. 前記第1の導電部が、加熱により変形して前記台座と接触し、加熱されない状態では復帰して前記台座と離れ、かつ前記第1の導電性部材と電気的に接続される第1の可動部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の力学量検出センサ。
  5. 前記第2の導電部が、加熱により変形して前記固定部又は前記台座と接触し、加熱されない状態では復帰して前記固定部又は前記台座と離れ、かつ前記第2の導電性部材と電気的に接続される第2の可動部材を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の力学量検出センサ。
  6. 前記第2の半導体材料は、不純物が含まれるシリコンであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の力学量検出センサ。
  7. 前記第1の半導体材料が、不純物が含まれるシリコンであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の力学量検出センサ。
  8. 第1の半導体材料からなる第1の層、絶縁性材料からなる第2の層、および第2の半導体材料からなる第3の層が順に積層されてなる半導体基板の前記第1の層をエッチングして、開口を有する固定部と、この開口内に配置され、かつ前記固定部に対して変位する変位部と、前記固定部と前記変位部とを接続する接続部と、を有する第1の構造体を形成するステップと、
    前記固定部と前記第3の層とを電気的に接続する第1の導通部を形成するステップと、
    前記変位部と前記第3の層とを電気的に接続する第2の導通部を形成するステップと、
    前記第3の層をエッチングして、前記変位部に接合される重量部と、前記重量部を囲んで配置され、かつ前記固定部に接合される台座と、を有する第2の構造体を形成するステップと、
    絶縁性材料から構成される第1の基体を、この第一の基体の前記重量部との対向面に配置される第1の導電性部材と前記台座との間を導通しながら、前記台座に接合して前記第2の構造体に積層配置するステップと、
    を有することを特徴とする力学量検出センサの製造方法。
  9. 前記力学量が加速度又は角速度であることを特徴とする請求項8に記載の力学量検出センサの製造方法。
  10. 前記第1、第2の導通部を形成するステップと前記第2の構造体を形成するステップとの間に、絶縁性材料から構成される第2の基体を、前記固定部に接合して前記第1の構造体に積層配置するステップをさらに有することを特徴とする請求項8又は9に記載の力学量検出センサの製造方法。
  11. 前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップが、前記第2の基体の前記変位部との対向面に配置される第2の導電性部材と、前記固定部又は前記台座との間を導通するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の力学量検出センサの製造方法。
  12. 前記第1の基体が、前記第1の導電性部材と前記台座との間を導通する第1の配線を有し、
    前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップにおける前記第1の導電性部材と前記台座との間の導通は、前記第1の配線によりなされることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の力学量検出センサの製造方法。
  13. 前記第2の基体が、前記第2の導電性部材と前記固定部との間を導通する第2の配線を有し、
    前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップにおける前記第2の導電性部材と前記固定部との間の導通は、前記第2の配線によりなされることを特徴とする請求項11又は12に記載の力学量検出センサの製造方法。
  14. 前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップの後に、前記第1及び/又は第2の配線を断線するステップをさらに有することを特徴とする請求項12又は13に記載の力学量検出センサの製造方法。
  15. 第1及び/又は第2の配線の断線が、レーザー光により焼き切ることによりなされることを特徴とする請求項14に記載の力学量センサの製造方法。
  16. 第1及び/又は第2の配線の断線が、前記第1及び/又は第2の配線中の部材に過電流を流して溶断することによりなされることを特徴とする請求項14に記載の力学量検出センサの製造方法。
  17. 前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップにおける前記第1の導電性部材と前記台座との間の導通は、前記第1の基体に形成された第1の可動部材を、加熱して変形させることによりなされることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の力学量検出センサの製造方法。
  18. 前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップにおける前記第2の導電性部材と前記固定部又は前記台座との間の導通は、前記第2の基体に形成された第2の可動部材を、加熱して変形させることによりなされることを特徴とする請求項11又は17に記載の力学量検出センサの製造方法。
  19. 前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップにおける前記第1の導電性部材と前記台座との間の導通は、前記第2の基体に形成され、かつ前記第1の導電性部材と電気的に接続された第1の配線用端子と、前記第2の基体に形成され、かつ前記台座と電気的に接続された第2の配線用端子とを電気的に接続することによりなされることを特徴とする請求項10又は11に記載の力学量検出センサの製造方法。
  20. 前記第1の基体を前記第2の構造体に積層配置するステップにおける前記第2の導電性部材と前記固定部との間の導通は、前記第2の基体に形成され、かつ前記第2の導電性部材と電気的に接続された第3の配線用端子と、前記固定部と電気的に接続された前記第2の配線用端子とを電気的に接続することによりなされることを特徴とする請求項19に記載の力学量検出センサの製造方法。
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