JP4857095B2 - 欠陥レビュー方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、他の検査装置で検査した半導体ウェーハ上の欠陥の詳細な画像を取得して欠陥をレビューする欠陥レビュー方法及びその装置に関し、特に、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)により観察された半導体ウェーハ上の欠陥画像から、半導体製造プロセスにおける前記欠陥の付着プロセスを特定するための欠陥自動分類(Automatic Defect Classification:ADC)を行う欠陥レビュー方法及びその装置に関するものである。
半導体デバイスは、基板となるウェーハに対して、成膜・レジスト塗布・露光・現像・
エッチング等の複数の製造工程を繰り返すことによって製造され、その複数の処理工程の
うちの所定の工程での処理後に、光学式あるいはSEM式の欠陥検査装置を用いて欠陥位
置の特定や大きさの検査が行われる。検出欠陥数は、1ウェハあたり数百から数千に及ぶ
ことがあり、これらの欠陥検査装置においては高速な欠陥検出が要求される。
それに対し、前記欠陥検査装置により検出された欠陥位置を、より撮像倍率の高いSE
M式の欠陥レビュー装置を用いて撮像し、より詳細な欠陥の解析を行うことがある。欠陥
レビュー装置においては、例えば特開2000−30652号公報に記載された方法によ
り、欠陥検査装置からの欠陥位置情報を基に、自動的に欠陥の拡大画像を取得する欠陥自
動撮像機能(Automatic Defect Review:ADR)や、前記の拡大画像から、例えば特開
2001−331784号公報に記載された方法により、欠陥分類クラスを自動判定し出力する欠陥自動分類機能(Automatic Defect Classification:ADC)搭載の製品が開発されている。
半導体製造プロセスの早期立ち上げと歩留まり向上のためには、半導体製造プロセスに
おける欠陥の発生原因解析や歩留まり予測、更にこれらの解析に基づく迅速な問題プロセ
ス対策が必要である。前記欠陥検査装置や欠陥レビュー装置から取得された検査情報から
欠陥分類を行い、歩留まりとの関係を解析するシステムとして、特許第3255292号公報に記載されているような構成がある。また、荷電粒子ビーム装置用カラムに関しては特開2000−348658号公報に開示されている。
特開2000−30652号公報 特開2001−331784号公報 特許第3255292号公報 特開2000−348658号公報
問題プロセスの特定において有効な欠陥分類基準の代表例としては、欠陥発生原因別の
分類(発塵による異物欠陥/研磨によるスクラッチ欠陥/パターンニングよるパターン欠陥
)、電気的特性別の分類(下層のショート欠陥/オープン欠陥)、異物欠陥の付着時期や
パターン欠陥の発生時期別の分類(配線パターンの表層上/表層下の欠陥。以後「膜上/膜
下欠陥」と呼ぶ)等が挙げられる。問題プロセス特定の迅速化と省人化を図るうえで、こ
れらの分類作業を自動化するADC技術の確立が望まれている。前述の欠陥分類クラスの
中でも、特に膜上/膜下欠陥分類が実現すると、問題プロセス特定において有効な判断材料となる。しかしながら、従来、下記変動要因のために信頼性の高い膜上/膜下欠陥分類は困難であった。
本発明の目的は、下記変動要因にロバストな膜上/膜下欠陥分類手法に関する発明であり、信頼性が高く、かつ複数の製造プロセス間で汎用性の高い処理パラメータを用いて膜上/膜下欠陥分類を行う手法を提供することにある。
(1) SEM画像のボケやノイズ
(2) 欠陥表面のテクスチャ(模様)のバリエーション
(3) 欠陥の有無や形状に起因する電子線の散乱状態の違いによって生じる画像明度値
の変動
(4) 欠陥による周囲の配線エッジの形状変形
さらに本発明の目的は、膜上/膜下欠陥分類の結果から、欠陥発生時期の絞込みを行う手法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明では以下のような特徴を有する膜上/膜下欠陥判定手法および装置とした。
すなわち本発明では、配線領域と下地領域の境界線(以後、「配線エッジ」と呼ぶ)に着目した欠陥分類手法において、欠陥領域内において参照画像で配線エッジが存在する領域(以後、「判定領域」と呼ぶ)を算出し、前記判定領域に対応する欠陥画像における領域において、同様に配線エッジが検出される割合(以後、「エッジ保存率」と呼ぶ)を算出し、前記エッジ保存率の大小により膜上/膜下判定を行うようにした。
すなわち、配線の形成後に発生する膜上欠陥は配線より上部に存在するため、欠陥領域
内において配線エッジは観察不可能になり、一方、配線形成前に発生した膜下欠陥の欠陥
領域においては配線エッジを観察することができる点に着目した分類手法である。なお、
欠陥領域が配線エッジにかかっていない孤立欠陥は判定不可とする判定可否判定を伴うこ
と、また判定不可と判断された欠陥は別の分類手法により分類可能なことを特徴とする。
前述のエッジ保存率の算出には、参照・欠陥画像間で配線エッジが保存されているかの
判定が必要となり、複数の評価指標に基づく保存判定を併用したエッジ保存判定を行うこ
とを特徴とする。前述の複数の評価指標に基づく保存判定には、欠陥画像と参照画像より
算出したエッジ成分の強度が欠陥・参照画像間で保存されているかの判定や、同じくエッ
ジ成分の方向が欠陥・参照画像間で保存されているかの判定等が挙げられる。
前述の判定領域の算出には、まず欠陥の有無やパターンの形状変形に相当する欠陥領域
を正確に抽出する必要があるが、欠陥・参照画像間で欠陥の有無や形状に起因するエッジ
効果の違い等により、欠陥・参照画像の差分画像において配線エッジ部が擬似欠陥として
引き残ってしまうことがある。そこで、前記差分画像を二値化して得られる欠陥領域に対
して前述のエッジ保存判定を行い、同エッジが保存されている領域を除去することで、欠
陥領域の検出精度を向上させることを特徴とする。このような欠陥領域検出方法は膜上/
膜下分類用に限らず、一般のADR、ADCにおける欠陥検出法として用いることが可能
である。
また、本発明では、膜下欠陥により配線エッジが変形した場合も同エッジは保存と判定される必要があるため、前述の配線エッジの保存判定を、判定を行う判定領域内の着目画素周辺に対しても同様に行い、保存判定条件を満たす周辺画素が存在すれば、着目画素においてエッジ保存と判定するようにした。
更に、本発明では、膜上/膜下欠陥分類を含む多様な欠陥分類クラスの欠陥自動分類を、前述のエッジ保存率や判定領域の画素数を画像特徴量として、前記画像特徴量に基づくルールベース型の分類エンジン、あるいは前記画像特徴量に基づく学習型の分類エンジン、あるいはルールベース型と学習型の分類エンジンを組み合わせた分類エンジンにより行うようにした。また、前記画像特徴量としてエッジ保存率や判定領域の画素数だけでなく、他の画像特徴量(画像明度値等)も含めて分類基準とすることが可能である。
一方、欠陥発生時期の推定に関して、同じ膜上欠陥あるいは膜下欠陥であっても、例えば異物欠陥/パターン欠陥等の欠陥発生原因の違いがあれば、欠陥発生時期の推定結果が異なる場合がある。そこで本発明においては、膜上/膜下欠陥の分類結果と、必要に応じて異物欠陥/パターン欠陥等の欠陥分類クラス(欠陥種)の情報を基に欠陥発生時期を特定できるようにした。
本発明における膜上/膜下欠陥分類手法は、以下のような事項の影響を受けることなく、高精度な膜上/膜下欠陥分類を可能とする。
SEM画像のボケやノイズ
欠陥表面のテクスチャの変化
欠陥の有無や形状に起因する電子線の散乱状態の違いによって生じる画像明度値の変動
(4)欠陥による周囲の配線エッジの形状変形
前記項目(3)を実現するための手段であるエッジ効果に起因する配線エッジの引き残
り除去処理は、欠陥検出精度の高精度化に繋がり、このことは膜上/膜下欠陥分類の高精
度化に限らず、一般のADR、ADCにおける欠陥領域撮像、欠陥サイズ計測、欠陥領域
の画像特徴量算出、欠陥分類等の高精度化を実現することに繋がる。
本膜上/膜下欠陥分類手法において必要となる参照・欠陥画像間での配線エッジの保存
判定に、複数の評価指標に基づく保存判定を併用した方式を用いることにより、単独の判
定ではテクスチャ等による偶発的なエッジによりエッジ保存と誤判定されてしまうケース
を抑制することができる。
判定可否判定により、本発明の膜上/膜下欠陥分類手法を用いて信頼性の高い分類が可
能か否かを自動的に判断することができる。これにより、膜上/膜下欠陥分類正解率の純
度(purity)を向上させることができ、さらに、本発明の膜上/膜下欠陥分類手法を用いて
分類が困難なサンプルに関しては別の分類手段により分類を行うという処理の分岐を効率
的に行うことができる。
膜上/膜下欠陥の分類結果と、必要に応じて異物欠陥/パターン欠陥等の欠陥分類クラ
ス(欠陥種)の情報を基に欠陥発生時期の特定や欠陥発生時期の絞込みが可能となる。更
に欠陥分布情報、欠陥組成情報、装置履歴情報等を併せることにより、高精度な歩留まり
予測、あるいは問題工程特定が実現し、効率の良い問題工程対策へと繋がる。
図1〜図14を用いて本発明を説明する。実施例として、以降の説明では膜上/膜下欠
陥分類における欠陥種は異物欠陥を例に説明するが、本発明は欠陥種としてパターン欠陥
等に対しても同様に用いることができる。
1.装置構成
図1は本発明において試料の二次電子像(Secondary Electron:SE像)あるいは反射電子像(Backscattered Electron:BSE像)を取得する走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を備えたレビューSEM装置の構成概要のブロックを示す。
また、SE像とBSE像を総称してSEM画像と呼ぶ。また、ここで取得される画像は測
定対象を垂直方向から観察したトップダウン画像、あるいは任意の傾斜角方向から観察し
たチルト画像の一部または全てを含む。
103は電子銃であり、電子線(1次電子)104を発生する。ステージ117上にお
かれた試料である半導体ウェーハ101上の任意の位置において電子線が焦点を結んで照
射されるように、偏向器106および対物レンズ108により電子線の照射位置と絞りと
を制御する。電子線を照射された半導体ウェーハ101からは、2次電子と反射電子が放
出され、2次電子は109の2次電子検出器により検出される。一方、反射電子は110
および111の反射電子検出器により検出される。反射電子検出器110と111とは互
いに異なる方向に設置されている。2次電子検出器109および反射電子検出器110お
よび111で検出された2次電子および反射電子はA/D変換機112、113、114
でデジタル信号に変換され、画像メモリ122に格納され、CPU121で目的に応じた
画像処理が行われる。
図2(a)及び(b)に、半導体ウェーハ上に電子線を走査して照射した際、半導体ウ
ェーハ上から放出される電子の信号量を画像化する方法を示す。電子線は、例えば図2(
a)に示すようにx,y方向に201〜203又は204〜206のように走査して照射
される。電子線の偏向方向を変更することによって走査方向を変化させることが可能であ
る。x方向に走査された電子線201〜203が照射された半導体ウェーハ上の場所をそ
れぞれG1〜G3で示している。同様にy方向に走査された電子線204〜206が照射
された半導体ウェーハ上の場所をそれぞれG4〜G6で示している。前記G1〜G6にお
いて放出された電子の信号量は、それぞれ図2(b)内に示した画像209における画素
H1〜H6の明度値になる(G、Hにおける右下の添え字1〜6は互いに対応する)。2
08は画像上のx,y方向を示す座標系である。
図1中の115はコンピュータシステムであり、画像を撮像するため、ステージコント
ローラ119や偏向制御部120に対して制御信号を送る、あるいは半導体ウェーハ10
1上の観察画像に対し本発明における膜上/膜下欠陥分類を含む各種画像処理を行う等の
処理・制御を行う。また、処理・制御部115はディスプレイ116と接続されており、
ユーザに対して画像等を表示するGUI(Graphic User Interface)を備える。117は
XYステージであり、半導体ウェーハ101を移動させ、前記半導体ウェーハの任意の位
置の画像撮像を可能にしている。XYステージ117により観察位置を変更することをス
テージシフト、偏向器106により電子線を偏向することにより観察位置を変更すること
をビームシフトと呼ぶ。
図1では反射電子像(陰影像)の検出器を2つ備えた実施例を示したが、前記反射電子
像の検出器の数を減らすことも、あるいは増やすことも可能である。また、前述したコン
ピュータシステム115における処理・制御の一部又は全てを異なる複数台の処理端末に
割り振って処理・制御することも可能である。
図1に示す装置を用いて測定対象を任意の傾斜角方向から観察したチルト画像を得る方法としては(1)電子光学系より照射する電子線を偏向し、電子線の照射角度を傾斜させて傾斜画像を撮像する方式(例えば特開2000−348658号公報に記載されている方式)、(2)半導体ウェーハを移動させるステージ117自体を傾斜させる方式(図1においてはチルト角118でステージが傾斜している)、(3)電子光学系自体を機械的に傾斜させる方式等がある。
図1に示した走査型電子顕微鏡(SEM)を備えたレビューSEM装置を用いて半導体
ウェーハ上の欠陥を撮像し、欠陥の画像を分類するフローを図2(c)に示す。
まず半導体ウェーハ上の欠陥をSEMで比較的拡大倍率が高い像を撮像するために、図示しない比較的拡大倍率の低い他の検査装置(たとえば光学式の明視野欠陥検査装置や暗視野欠陥検査装置など)で予め検出された欠陥位置データ(座標情報)を入力する(2001)。
次に、SEMで半導体ウェーハ上の欠陥の画像を取得するが、このとき、レビュー装置の座標精度と検査装置の座標精度とは必ずしも一致しないので、検査装置から出力された欠陥位置の座標情報に基づいてステージ117を制御してレビュー装置で観察しようとしても、必ずしもSEMの視野内に観察しようとする欠陥があるとは限らない。そこで、(2001)で入力した欠陥の位置座標情報に基づいてSEMで欠陥を観察する場合には、欠陥がSEMの画像視野内におさまるよう、低倍率で視野を大きくして見たい欠陥が確実に視野に入るようにして撮像する必要がある。
すなわち、(2001)で入力した欠陥位置データに基づいてステージ移動を行い(2
002)、検出したい欠陥の近傍でこの欠陥を含まず、かつ、半導体ウェーハ上でこの欠
陥の位置に対応する正常な箇所の低倍の参照画像を取得する(2003)。次に、検出し
たい欠陥がSEMの低倍率の比較的大きな視野内に入るように欠陥位置データに基づいて
ステージ移動を行い(2004)、欠陥を含む低倍の画像を取得する(2005)。この
ようにして取得した欠陥を含む低倍の画像を低倍の参照画像と比較して、低倍の欠陥画像
を抽出する(2006)。
次に、抽出した欠陥を含む高倍画像を取得する(2007)。その後、ステージを移動
させて(2008)この欠陥の近傍でこの欠陥を含まず、かつ、半導体ウェーハ上でこの
欠陥の位置に対応する正常な箇所の高倍の参照画像を取得する(2009)。次に、欠陥
を含む高倍画像と高倍参照画像とを比較して高倍率の欠陥の画像を抽出する(2010)。
さらに、抽出した高倍率の欠陥画像とこの欠陥の位置に対応する正常な箇所の参照画像
とを用いて検出した欠陥が膜の上に存在するものか膜の下に存在するものかを判定するこ
とが可能か否かを判断する膜上/膜下判定可否判断(2011)を行い、膜上/膜下判定
が可能な欠陥については欠陥の画像に含まれるパターンのエッジの保存率を求めて膜上/
膜下判定を行う(2012)。
2.膜上/膜下欠陥分類
2.1.膜上/膜下欠陥
次に、図2(c)で説明した処理フローにおける膜上/膜下判定可否判断(2011)と膜上/膜下判定(2012)のステップについて、以下に詳細に説明する。
本発明において分類を行う膜上/膜下欠陥の例として、図3にゲート配線パターンの形成
プロセスにおける膜上/膜下異物の付着プロセスを簡略的に示す。各ステップ301〜3
04、305〜308の上に対応するウェーハ断面形状の概略図を示す。まず、同図(a
)に示すように、配線パターン310Bは下地309(ステップ301)に対し、成膜3
10A(ステップ302)、露光・エッチング(ステップ303)を順に行うことにより
形成される。膜上異物とは、このように配線パターン310Bが形成された後に付着した
異物311のような欠陥を指す(ステップ304)。一方、膜下異物とは、同図(b)に
示すように、下地309(ステップ305)の上にまず異物311が付着し(ステップ3
06)、その上から成膜310A(ステップ307)、露光・エッチング(ステップ30
8)が行われた欠陥を指す。
このような異物の膜上/膜下分類が可能となると、その異物が付着した工程の特定、す
なわち成膜の後に付着した異物であるか、前に付着した異物であるかを特定することが可
能となり、問題プロセス特定において有効な判断材料となる。また、膜上/膜下分類クラ
スに加え、膜上に存在すると判定された異物と膜下に存在すると判定された異物とに対し
てそれぞれ別の分類ルールを用いて異物を分類することにより、より詳細な異物の分類を
行うことができる。更に、図4に示すように、多様な欠陥分類クラス(欠陥種)や欠陥発
生時期に対する欠陥分類結果401や、欠陥分布情報402、欠陥組成情報403、装置
履歴情報404等の一部又は全てを併せた総合的な解析により、迅速かつ高精度な歩留ま
り予測405や欠陥発生原因特定406、さらには問題工程対策407が可能となる。
2.2.膜上/膜下欠陥分類方法
2.2.1.基本アイデア
図5(a)は参照画像(正常パターン。図3中ステップ303の上に示した断面形状をウェーハ面に対して垂直上方から観測した図に相当)、図5(b)は欠陥画像(膜上異物あ
り。図3中ステップ304の上に示した断面形状を同じく上方観測した図に相当)、図5
(c)は欠陥画像(膜下異物あり。図3中ステップ308の上に示した断面形状を同じく
上方観測した図に相当)を模式的に示したものである。同図を用いて、膜上/膜下欠陥を分類するための基本アイデアについて述べる。膜上/膜下欠陥を分類するため、下地領域501と配線領域502の境界線(以後、「配線エッジ」と呼ぶ。図5(a)においては505で示す4本の線)に着目した。異物が存在する領域内の配線エッジは、膜上異物においては図5(b)に示すように異物503が配線502の上部に存在するため観察不能となる。一方、膜下欠陥においては図5(c)に示すように配線エッジ505はその下に位置する膜下異物504によって多少形状変形する可能性はあるが、観察可能である。
この性質に着目し、欠陥領域(およそ欠陥503あるいは504が存在する領域。参照
画像においては図5(a)の点線で囲まれた丸い枠領域506)内において参照画像で配
線エッジが存在する領域507(本例では点線で囲まれた三つの細長い領域。以後、「判
定領域」と呼ぶ)を算出し、前記判定領域507に対応する欠陥画像における領域におい
て、同様に配線エッジが検出される割合(以後、「エッジ保存率」と呼ぶ)を算出し、前
記エッジ保存率の大小により膜上/膜下欠陥判定を行うことができる。
図6に示すように、エッジ保存率が任意のしきい値TSE(602)よりも低いものを膜上異物603、高いものを膜下異物604として両者を分類する。また、欠陥画像605のように配線領域に対して孤立している異物に関しては判定領域が存在しないため判定不可として分類することができる。また、欠陥画像606のように配線領域に対して接している異物に関しては判定領域画素数が非常に少ないため、あえて信頼性の低い判定を避け、判定不可として分類することができる。ここではしきい値TPI(601)を設定し、判定領域の画素数がTPIに満たない場合は判定不可としている。
2.2.2.分類処理フロー
図7に、前述の膜上/膜下欠陥判定を含む多様な欠陥分類クラスへの分類ならびに欠陥発生時期推定のための処理フロー例を示す。欠陥701に対して、分類エンジン702による分類を行い、欠陥の属性706を決定する。前記分類エンジンにおいては、判定領域画素数703(特徴量fと記述する)、配線エッジ保存率704(特徴量fと記述する)、その他の任意の特徴量f705(i=1〜I)を任意の組み合わせで前記属性決定の判断基準として用いることができる。前記判定領域画素数703、配線エッジ保存率704の算出方法の詳細は後述する。また、その他の任意の特徴量f705の例としては、画像の明るさや左右2枚の陰影像の差分値など、画像の明度パターンを評価する任意の特徴量が含まれる。
欠陥の属性の代表例には、欠陥の付着時期に関する属性707(膜上欠陥708/膜下
欠陥709)(欠陥分類基準gと記述する)、欠陥の発生原因に関する属性(異物欠陥
712/スクラッチ欠陥713/パターン欠陥714)(欠陥分類基準gと記述する)
、その他の任意の欠陥分類基準gに関する属性716(属性A/属性A/・・・)
(j=1〜J)等が挙げられる。また、それぞれの属性分類707、711、716にお
いて、判定不能あるいは該当する属性クラスが存在しない場合、前記属性分類に関してそ
れぞれ判定不能710、715、719という属性を与えることができる。
複数の前記属性を基にステップ720において欠陥を各欠陥クラス(欠陥種721〜7
23等)に分類することができる。例えば、欠陥の付着時期に関する属性が「膜上欠陥」
で、欠陥の発生原因に関する属性が「異物欠陥」である欠陥は、膜上異物721へと分類
される。図7における特徴量、欠陥属性、欠陥クラスは一例であり、更に多様な特徴量や
属性を追加し、詳細な欠陥クラスへの分類が可能である。
ステップ706における欠陥属性、あるいはステップ720における欠陥分類クラスを
基にステップ724において欠陥発生時期の推定を行う。前記欠陥発生時期は、半導体製
造プロセスにおいて積層方向に順に形成されるパターンA,B,・・・において、例えば
パターンAの形成前に発生あるいは付着した欠陥である(725)やパターンA形成時に
発生した欠陥である(726)等の推定である。また前記推定は、例えばパターンA形成
前かあるいはパターンA形成時に発生した欠陥である等のいくつかの発生時期候補として
推定される場合もある(発生時期の絞込み)。ステップ724の詳細については図15を
用いて後述する。欠陥分類クラス(欠陥種)や欠陥発生時期に対する欠陥分類結果を基に
、図4に示すように歩留まり予測や欠陥発生原因特定、さらには問題工程対策が可能とな
る。
前記分類エンジン702について補足する。分類エンジンは任意の複数の特徴量を基に
欠陥を様々な分類基準で分類する。分類エンジンはルール型分類エンジンや教示型の分類
エンジン、さらに、両分類形式を複数個、任意に組み合わせた分類エンジンを構成するこ
とも可能である。図8にルール型分類エンジンを用いた膜上/膜下欠陥分類の例を示す。
欠陥801(同欠陥は既に任意の分類エンジンにより任意の欠陥クラスに分類されている
場合を含む)に対して膜上/膜下判定可否判定802を行う。膜上/膜下判定可否判定80
2においては前述の判定領域の画素数803を基に欠陥を判定不能804、判定可能80
5に分類する。
判定不能に分類された欠陥804は、必要に応じて他の分類ルール810を用いて膜上/膜下欠陥分類を含む他の任意の欠陥分類クラスに分類することができる。一方、分類可
と判断された欠陥に対して前述の配線エッジ保存率807を用いた膜上/膜下欠陥判定8
06を行い、膜上欠陥808、膜下欠陥809に同欠陥を分類する。さらに膜上欠陥80
8、膜下欠陥809を他の任意の分類エンジン(図示せず)を用いて更に詳細な分類クラ
スへと分類することも可能である。前述の判定可否判定により、本発明における膜上/膜下欠陥分類手法による分類が困難なサンプルに関しては判定不可として分類することによって、膜上/膜下欠陥分類正解率の純度(purity)を向上させることができる。さらに、分類が困難なサンプルに関しては別の分類手段により分類を行うという処理の分岐を効率的に行うことができる。
前節の判定可否判別を伴う膜上/膜下欠陥分類(膜上/膜下/判定不可の3クラス分類)
を実現するためには、信頼性の高い判定領域の抽出と、判定領域内における配線エッジの
保存判定が求められる。
本発明は特に下記4つの変動要因にロバストな膜上/膜下欠陥分類手法を提供する。
(1) SEM画像のボケやノイズ
(2) 欠陥表面のテクスチャ(模様)の変化
(3) 欠陥の有無や形状に起因する電子線の散乱状態の違いによって生じる画像明度値
の変動
(4) 欠陥による周囲の配線エッジの形状変形
次に判定領域の抽出と、判定領域内における配線エッジの保存判定の二つについて順に説明する。
2.2.3.判定領域抽出
配線エッジの保存判定を行う欠陥領域内の配線エッジ領域(判定領域)の算出手順について図9中A〜Eを用いて説明する。まず、入力情報として欠陥画像A(中央に楕円で示した異物系の膜上欠陥が存在する)、および参照画像Bを撮像し、両者の比較検査により欠
陥二値領域Cを検出する。ここで参照画像とは欠陥撮像位置に対し隣接するチップ内で同
一の設計パターンをもつ正常領域の画像である。ただし、この参照画像の代わりに欠陥画
像からパターンの連続性等を基に欠陥のない画像を合成した画像を用いる、あるいは事前
に撮像して保存済みの正常領域の画像を用いる等のバリエーションがありうる。その場合
、図2(c)において高倍の前記参照画像を撮像するステップ2009を省略することが
できる。また、図9中の参照画像Bは高倍画像であるが、低倍画像についても参照画像の
代わりに同様の処理により得られた画像を用いることが可能であり、その場合図2(c)
において低倍の前記参照画像を撮像するステップ2003を省略することができる。
欠陥画像のみから欠陥領域を特定する方法として特開2003−98114号公報に記
載されている方法があり、ここで特定された欠陥領域において周囲パターンの連続性等を
基に正常パターンの明度値を推定することにより、実際の撮像を行わずに参照画像を推定
することができる。なお、図9においては欠陥・参照画像間で撮像の位置ずれは見られな
いが、前処理として両画像の位置ずれを計算し、両画像で画素値を比較するときには、前
記ずれを考慮して対応する画素同士を比較する処理を行う。次に、欠陥二値領域Cと参照
画像Bから検出した配線エッジ画像Dとの論理積をとることにより、判定領域E(905
内の白い画素)を得る。
しかし、前述の判定領域抽出法では、前述の「(3) 欠陥の有無や形状に起因する電
子線の散乱状態の違いによって生じる画像明度値の変動」に対して精度の高い判定領域抽
出が困難である。すなわち、前述の判定領域の算出には、欠陥の有無やパターンの形状変
形に相当する欠陥領域を正確に抽出する必要があるが、図10(a)に例示した欠陥二値
画像C(1001)のように欠陥の有無や形状に起因するエッジ効果の違い等により、正
確な欠陥領域が推定できないことがある。
図10(a)の欠陥二値画像C(1001)は図9中の欠陥画像A(901)と参照画像B(902)から推定される欠陥領域の例であるが、図9中に示した精度の高い欠陥二値画像C(903)と比較すると、配線エッジ部が擬似欠陥として引き残っていることが分かる。この場合、前記引き残りは欠陥ではなく、欠陥二値画像C(1001)に対して後述する配線エッジの保存判定を行った場合、引き残りは欠陥部分のエッジ保存と判定されるため、保存率の算出精度は著しく低下する。
本例は膜上欠陥の例であるが、特に膜下欠陥に対して同様の引き残りが発生すると、配線エッジの保存率は実際より大きくなってしまうため、膜上/膜下欠陥分類について誤判定を引き起こす。
そこで本発明では、このような本来欠陥領域ではない、引き残り部分を欠陥領域から除
去することを特徴とする。その方法として、後述する配線エッジの保存判定を行い、欠陥
−参照画像間で同エッジが保存されている領域(図9中のエッジ保存領域画像G(908
)における白い領域)を欠陥二値画像C(1001)から除去することで、欠陥領域の検
出精度を向上させる。この処理により、配線エッジの引き残り部分のみを良好に除去した
欠陥二値領域C1(1002)を検出することができる。ただし、このような処理では膜
下欠陥において真の欠陥領域に内包される配線エッジ部も除去されてしまうため、後述す
る配線エッジの保存判定において都合が悪い(判定領域E(905)がなくなってしまう
)。
そこで例えば前記欠陥二値領域C1(1002)の欠陥領域を膨張処理することによ
って、差分二値画像C(1001)に見られた引き残りは欠陥に含まれず、かつ真の欠陥
領域に内包される配線エッジ部は欠陥に含まれるような欠陥二値画像C2(1003)が
得られる。欠陥二値画像C2(1003)は図9における欠陥二値画像C(903)に相
当する。このように図10の引き残り除去処理を図9の処理に組み合わせることによって
画像明度値の変動に対しロバストな処理が実現する。
このような本来欠陥ではない配線エッジの引き残り除去処理は欠陥検出精度の高精度化
に繋がることから、本処理は膜上/膜下欠陥分類の高精度化に限らず、一般のADR、A
DCにおける欠陥領域撮像、欠陥サイズ計測、欠陥領域の画像特徴量算出、欠陥分類等の
高精度化を実現することに繋がる。
ここで求めた判定領域の画素数(905内の白い画素数)は、前述のように図7におけ
る画像特徴量703として活用する、あるいは図8における膜上/膜下欠陥判定可否判定のための指標値803として活用することができる。
前述の配線エッジの引き残り除去処理による欠陥領域の検出精度向上は、ウェーハ下層
に内在する電気的欠陥であるVC(Voltage Contrast)欠陥の検出にお
いては不具合を生じる可能性がある。すなわち、VC欠陥においては下層パターンにおけ
る配線間のショート(短絡)あるいはオープン(断線)により、パターンのエッジ部分の
みが正常パターンの明度値に対して明るくなる、あるいは暗くなるといった現象が見られ
ることがあり、前述の配線エッジの引き残り除去処理はこのようなVC欠陥を欠陥領域か
ら除去してしまう危険性がある。そのため、検出したい欠陥種別に前記引き残り除去処理
を選択的に用いることを特徴とする。
図12に前記引き残り除去処理の選択的利用について一例を示す。まず、ステップ12
03において欠陥画像(1201)および参照画像(1202)から欠陥領域を検出する。ステップ1204において前記欠陥領域に対し前述の引き残り除去処理を実施し、算出
された欠陥領域内の明度パターンに対して欠陥分類を行い(1205)、膜上欠陥120
7、膜下欠陥1208を含む欠陥クラスに欠陥を分類する。一方、前述の引き残り除去処
理を実施しない欠陥領域内の明度パターンに対しに対して欠陥分類を行い(1206)、
オープン欠陥1209、ショート欠陥1210を含む欠陥クラスに欠陥を分類する。
2.2.4.配線エッジ保存判定
前述の方法により抽出した判定領域E内における配線エッジの保存判定方法について図9中A,B,F1,F2,・・・,G,Hを用いて説明する。判定は判定領域内の画素に対してのみ行うが、同図では説明のため視野全体に対する処理結果を示している。
本発明では参照・欠陥画像間で配線エッジが保存されているかの判定に、複数の評価指
標J1〜JN(N≧1)に基づく保存判定を併用したエッジ保存判定を行うことを特徴とす
る。図9に各画素(x,y)において前記評価指標J1,J2,・・・により配線エッジ
の保存判定を行い、配線エッジが保存されていると判定された領域を白で示したエッジ保
存領域画像F1,F2,・・・を906,907,・・・に示す(F3以降は図示せず)。このように複数の評価指標を用意する理由は、配線エッジの保存判定においては欠陥表面にもテクスチャが存在するため、欠陥・参照画像間の対応する画素間で単純に一つの評価指標だけ用いて配線エッジの保存判定を行っても、判定を誤る危険性が高いためである。そこで、例えば前記エッジ保存領域画像F1,F2,・・・の論理積により求めたエッジ保存領域画像Gを最終的なエッジ保存判定に用いることにより、高精度なエッジ保存判定が実現する。すなわち、複数のエッジ保存基準を満たすことを配線エッジの保存条件とすることを特徴とする。
前記評価指標の具体例としては、判定領域Γ内において参照・欠陥画像間の対応する画
素でのエッジ強度P(x,y)の保存判定が挙げられる。すなわち配線エッジ部において
は周囲の画素に対し明度値が大きく変化する傾向があるという性質を利用して、参照・欠
陥画像におけるエッジ強度P(x,y)が共にしきい値IMIN以上である画素を配線エッジ
の保存領域とする。エッジ強度P(x,y)は、例えばソーベル型のエッジフィルタある
いはラプラシアン型のエッジフィルタ等を用いることによって算出することができ、更に
画像(SEM画像、光学像)の違いや、撮像倍率の違い等によって生じる配線エッジの明
度パターンに応じて、前記エッジフィルタの種類やサイズを変更することが可能である。
また、別の前記評価指標の具体例として、参照・欠陥画像間の対応する画素でのエッジ
方向θ(x,y)(θ(x,y)は例えばx軸方向を0°としたときの相対角)の保存判
定が挙げられる。すなわち配線エッジ部は特定の方向に対し大きく明度値が変化する傾向
があるため、同様の配線エッジ部が参照・欠陥画像間で保存されていれば、前記方向は両
画像で類似したものになるという性質を利用して、参照・欠陥画像におけるエッジ方向θ
(x,y)の差分がある一定のしきい値DMAX以下である画素を配線エッジの保存領域とする。エッジ方向θ(x,y)も、同様にソーベル型のエッジフィルタあるいはラプラシアン型のエッジフィルタ等を用いることによって算出することができる。
また、別の前記評価指標の具体例として、画像の明るさや左右2枚の陰影像の差分値な
ど画像の明度パターンを評価する任意の特徴量や判定方法を組み合わせることも可能であ
る。
このような複数の異なる判定条件を用いた判定処理により、単独の判定ではテクスチャ
等による偶発的なエッジによりエッジ保存と誤判定されてしまうケースを抑制し、保存画
像から欠陥上のテクスチャによるエッジを精度良く除去することができる。エッジ保存領
域画像Gにおいても、各エッジ保存領域画像F1,F2,・・・単独から判断される配線
エッジの保存判定結果と比較して、膜上異物上に保存された配線エッジが少なく、より良
好な判定結果が得られている。
エッジ保存領域画像Gを判定領域Eでマスクした画像を配線エッジ保存判定画像Hとす
る。画像Hにおいてエッジが保存された画素数をn(画像H中の白い画素数)として、
配線エッジ保存率rは判定領域の画素数(905内の白い画素数)に対する前記nの割合として定義することができる。ここで求めた配線エッジ保存率は、前述のように図7における膜上/膜下欠陥判定のための指標値、あるいは図8における画像特徴量として活用することができる。
前述した膜上/膜下欠陥を分類するための基本アイデアによれば、膜下欠陥により配線
エッジが変形した場合も同エッジは保存と判定される必要がある。しかし、前述のエッジ
保存判定法では、前述の「(4) 欠陥による周囲の配線エッジの形状変形」に対して精
度の高いエッジ保存判定が困難である。
図11(a)に示す参照画像1101(1102は配線パターン)と図11(b)に示す欠陥画像1104(1105は配線パターン、1106は膜下欠陥)を用いた膜上/膜下欠陥判定を例に説明する。図11(b)に示す丸い膜下欠陥1106が存在した場合、前記膜下欠陥が存在する領域が盛り上がるために、配線パターン1105の同欠陥領域に重なる部分1107(太線で強調表示)の形状が変形する場合がある(同図では配線エッジが左右に広がっている)。そのため、図11(a)に太線で強調表示した判定領域1103(参照画像において欠陥領域1106に対応する領域内に存在する配線エッジ領域。図9の判定領域E(白い画素)に対応)において配線エッジの保存判定を行っても、欠陥領域の配線エッジは1107に示すように変形しているため、前記判定領域1103に対応する場所には配線エッジは存在せず、配線エッジ保存と判定することができない。
そこで配線エッジの保存判定を、判定を行う欠陥画像上の着目画素周辺に対しても同様
に行い、保存判定条件を満たす周辺画素が存在すれば、着目画素においてエッジ保存と判
定する処理を追加することを可能とする。すなわち、変形によって、欠陥・参照画像間で
対応する位置に存在しなくなった配線エッジを、周辺探索により探し出す処理を追加する
ことを特徴とする。周辺探索の範囲は、発生しうる配線エッジの変化度合いに応じて任意
に設定することができる。
図13中の分布図1301にいくつかのサンプルにおいて算出したエッジ保存率を横軸
、判定領域画素数を縦軸としてプロットした結果を示す。同図において分類正解が膜上/
膜下/判定不可(孤立異物等)であるサンプルをそれぞれ□/○/△で示す。膜上/膜下/判定不可であるサンプルがおおよそ点線で示す領域1302、1303、1304にそれぞれ局在しており、例えば同図に示すように判定可否に関するしきい値をTPIと設定し得られる境界線1305、膜上/膜下判定に関するしきい値をTSEと設定し得られる境界線1306により、膜上/膜下/判定不可の三クラスを良好に分離することができる。
3.GUI表示
本発明の画像処理における各種処理パラメータの入力ならびに処理結果の表示を行うGUI(Graphic User Interface)について図13を用いて説明する。図13(a)に前述のエッジ保存率、判定領域画素数の分布図1301やクラス分類のための境界線1305、
1306を表示することができる。
図13(b)中のウェーハ表示1307に示すように、欠陥のウェーハ上の位置と分類
結果をセットにして表示することができる。図13(a)(b)においては、共に欠陥サ
ンプルの膜上/膜下/判定不可をそれぞれ□/○/△で表示しているが、これはユーザからの教示に基づく膜上/膜下/判定不可分類結果を表示させることも、本発明における分類手法により自動分類された膜上/膜下/判定不可分類結果を表示させることも可能である。
図13(c)中のウェーハ表示1308に示すように、欠陥のウェーハ上の位置と発生
時期の推定結果をセットにして表示することができる。ウェーハ表示1308では各欠陥
位置を四角(□)で示し、その内部に、欠陥の発生時期のIDを示している。IDは一例
として欠陥の発生時期が任意のパターンAについて「前記パターンAの形成前である:1
」、「形成時である:2」、「形成後である3」ことを示している。欠陥サンプルの中に
は「12」のように二つのIDを記載する場合もある(この場合、欠陥の発生時期は「パ
ターンA形成前:1」あるいは「パターンA形成時:2」のいずれかであることを示す。
図13(d)中の1309に本発明における画像処理の各種画像処理パラメータや膜上
/膜下/判定不可の判定用のしきい値等を指定、並びに表示することができる。同図中の
***は任意の数値を入力あるいは表示することを示す。
分布図1301あるいはウェーハ表示1307、1308上の任意のサンプルを選択す
ることにより前記サンプルの欠陥画像や処理画像を図13(e)に示すウィンドウ131
0に表示させることができる。同図において表示した画像は欠陥画像A、参照画像B、配
線エッジ保存判定画像Hとなっているが、図9に示すA〜Hの画像群を任意の組み合わせ
で表示させることも可能である。また、1311に示すように各サンプルにおいて算出さ
れた判定領域画素数やエッジ保存率の値を表示させることが可能である。
図13(a)〜(e)に示したGUI表示は、任意の組み合わせで一つの画面に並べて
同時に表示することが可能である。
本発明で述べた判定可否判別を含む膜上/膜下欠陥分類はトップダウンSEM画像のみ
ならず、前述の電子線を偏向やステージの傾斜により取得されたチルト観察画像や反射電
子像に対しても適用可能である。また、SEMにより取得された画像に限らず、光学顕微
鏡により取得された検査画像においても同様に適用することが可能である。また、分類さ
れる欠陥も異物系の欠陥に限らず、その他の欠陥種にも適用することが可能である。図1
4はその一例としてパターン欠陥の例である。
図14(a)〜(c)は上下二層の配線が観測できるパターンにおいて、順に参照画像(正
常パターン)、欠陥画像(下層配線1402がショートしたパターン欠陥)、欠陥画像(
上層配線1403がショートしたパターン欠陥)を模式的に示したものである。図14(
b)においてショートした欠陥領域と下層配線1402との境界1404においてはエッ
ジが保存されていないが、上層配線1403との境界1405においてはエッジが保存さ
れており、同欠陥は下層配線1402形成時に発生した欠陥であると推定される(膜上/
膜下欠陥に対し、本欠陥は下層配線1402に対する膜中欠陥と呼ぶこともできる)。一
方、図14(c)においてショートした欠陥領域と上層配線1403との境界1406に
おいてエッジが保存されておらず、同欠陥は上層配線1403形成時に発生した欠陥であ
ると推定される(本欠陥は上層配線1403に対する膜中欠陥と呼ぶこともできる)。
本発明は図7に示すように、膜上/膜下や異物欠陥/パターン欠陥等の欠陥分類クラス
(欠陥種)の特定に加え、欠陥発生時期の特定を行うことを特徴とする。図15は欠陥発
生時期の特定例を示す。図15(a)は下層に二本の配線パターン1502、1503(
それぞれA1、A2と呼び、A1、A2を合わせてパターンAと呼ぶ)と上層に二本の配
線パターン1504、1505(それぞれB1、B2と呼び、B1、B2を合わせてパタ
ーンBと呼ぶ)をもつ参照画像1501である。図15(b)〜(f)は、前記参照画像
1501のような正常パターンに対し発生しうる欠陥のバリエーション例である。図15
(b)〜(d)は斜線で示す異物欠陥(それぞれ1507、1510、1514)が付着
した欠陥画像(それぞれ1506、1509、1513)であり、図15(e)(f)は
パターン欠陥の一つであるショート欠陥(それぞれ1517、1520)が発生した欠陥
画像(それぞれ1516、1519)である。
異物欠陥1507、1510、1514については図15(b)〜(d)で積層方向の付着時期が異なるため、上層パターンによる隠れより見え方が異なるが、前記異物欠陥1507、1510、1514は全て同じ形状(隠れのない形状は1514)である。また、図15(b)〜(f)において、1511、1515、1518、1521に代表される点線は、図15(a)に示した参照画像においては観測されていたが、異物欠陥あるいはショート欠陥の発生により観測できなくなった、あるいは消滅した配線エッジを示す。
また、図15(g)は半導体製造プロセスの内、パターンA、B形成部分のステップを
抜き出したものである。参照画像1501からも分かるように、パターンA、Bは積層方
向に順に形成されている。図15(g)の各ステップ1522〜1526の左側に、対応
するステップにおいて欠陥が発生したと推定される欠陥画像のIDを示す。各ステップ1
522〜1526の左側に記したID(b)〜(f)は、それぞれ図15(b)〜(f)
に示した欠陥画像に対応する。
図15(b)〜(f)の欠陥画像について欠陥発生時期は次のように推定される。
・図15(b)中の異物欠陥1507に対して、下層の配線パターンA2の配線エッジ
1508は保存されているので(観測可能)、同欠陥はパターンA形成前(図15(g)
中のステップ1522)あるいはパターンA形成時(ステップ1523)に発生した欠陥
と推定される。
・図15(c)中の異物欠陥1510に対して、下層の配線パターンA2の配線エッジ
1511は保存されておらず(観測不能)、上層の配線パターンB2のエッジ1512は
保存されているので、パターンA形成後かつパターンB形成前(ステップ1524)ある
いは同欠陥はパターンB形成時(ステップ1525)に発生した欠陥と推定される。
・図15(d)中の異物欠陥1514に対して、上層の配線パターンB2の配線エッジ
1515は保存されていないので、同欠陥はパターンB形成後(ステップ1526)に
発生した欠陥と推定される。
・図15(e)中のショート欠陥1517に対して、下層の配線パターンA2の配線エッ
ジ1518は保存されていないので、同欠陥はパターンA形成時(ステップ1523)に
発生した欠陥と推定される。
・図15(f)中のショート欠陥1520に対して、上層の配線パターンB2の配線エッ
ジ1521は保存されていないので、同欠陥はパターンB形成時(ステップ1525)に
発生した欠陥と推定される。
前述のように、欠陥発生時期の推定に関して、欠陥発生時期を特定、あるいはいくつか
の欠陥発生時期の候補に絞り込むことが可能である。また、図15(c)(e)のように
、共に下層パターンAの配線エッジが消滅していても(それぞれ1511、1518が消
滅)、また共に配線パターンBに対し膜下欠陥であっても、図15(c)の異物欠陥と同
図(e)のショート欠陥とでは欠陥発生時期の推定結果が異なる場合がある(図15(c
)の異物欠陥はステップ1524又は1525、同図(e)のショート欠陥はステップ1
523)。このように欠陥発生時期の推定には、膜上/膜下判定結果のみならず、欠陥種
の情報も加味することを特徴とする。本実施例では前記欠陥種として異物欠陥/パターン
欠陥を挙げたが、その他の任意の欠陥種を加味することが可能である。
また、本発明で述べた欠陥付着位置や欠陥発生時期の判定は、図5に例示したような一
層分の配線パターンのみ観測可能な画像や、図15に例示した二層分の配線パターン(A
、B)が観測可能な画像に限定されず、3層分以上の任意の層数が観測可能な画像への適
用が可能である。また,配線パターンの形状もx,y方向に直交する直線パターンに限らず,任意の斜め配線,あるいは曲線的なパターンに対しても同様に応用することが可能である(コンタクトホールを含む)。
また本発明で述べたエッジ保存判定法は広く二枚の画像パターン間の相関値あるいはパ
ターンの保存状態を定量化する手段として有効である。前述の方法では保存状態を評価す
る画像パターンとして配線エッジに着目したが、同様に任意の明度パターンの保存状態の
評価に応用することが可能である。
上記した実施例は、半導体ウェーハ上に形成されたパターンの欠陥をレビューして分類する方法及びその装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、TFT基板や磁気ヘッド、磁気ディスクなどの薄膜プロセスを用いて基板上に形成されたパターンをレビューする場合にも応用することができる。
半導体製造プロセスの早期立ち上げと歩留まり向上のためには、半導体製造プロセスにおける欠陥の発生工程特定や歩留まり予測、更にこれらの解析に基づく迅速な問題プロセス対策が必要であり、これらの解析において重要な判断材料となる欠陥自動分類技術の高精度化が求められている。本発明は、前記欠陥自動分類の一つである膜上/膜下欠陥分類ならびに前記膜上/膜下欠陥分類に基づく欠陥発生時期の絞込みに関するものである。前記欠陥発生時期の絞込みと、必要に応じ欠陥分布情報、欠陥組成情報、装置履歴情報とを組み合わせた解析を行うことにより、高精度な問題工程特定が実現する。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
図1は、欠陥をレビューするためのシステムの1実施例を示すシステム構成図である。 図2(a)は電子線の走査方向と試料表面から放出された電子の状態を示す試料の斜視図、図2(b)は画像データの2次元の情報を示す模式図、図2(c)は欠陥レビューの処理フローを示すフロー図である。 図3(a)はゲート配線パターン形成プロセスの概略のフローと試料の膜上に異物が発生する場合の各工程における試料の断面を示す図であり、図3(b)はゲート配線パターン形成プロセスの概略のフローと試料の膜下に異物が発生する場合の各工程における試料の断面を示す図である。 図4は、欠陥の解析情報から歩留まり予測、問題工程の特定、問題工程対策を行うフローを示す図である。 図5(a)は参照画像(正常パターン)を示す図、図5(b)は膜上に異物がある状態の欠陥画像、図5(c)は膜下に異物がある状態の欠陥画像である。 図6は、欠陥分類クラスを示す図である。 図7は、欠陥クラスや欠陥発生時期の分類処理フローを示す図である。 図8は、欠陥分類処理のフローを示す図である。 図9は、欠陥分類処理の処理画像と処理フローを示す図である。 図10(a)は比較検査により検出された欠陥領域を示す図で配線エッジ部が擬似欠陥とが残っている状態を示す図、図10(b)は配線エッジの引き残り部分を良好に除去した状態を示す図、図10(c)は配線エッジの引き残り部分をなくし、かつ、真の欠陥領域に内包される配線エッジ部は欠陥に含まれるように画像処理した結果を示す図である。 図11(a)は変形した配線パターンを検出する処理における参照画像、図11(b)は変形した配線パターンを検出する処理における欠陥画像を示す図である。 図12は欠陥領域における引き残り除去処理を選択的に行うフローを示す図である。 図13(a)はエッジ保存率と判定領域画素数との関係を示す分布図、図13(b)は欠陥のウェーハ上の位置と分類結果をセットにして表示したウェーハマップ図、図13(c)は欠陥のウェーハ上の位置と発生時期の推定結果をセットにして表示したウェーハマップ図、図13(d)は画像処理パラメータおよびしきい値を設定、表示する画面の一例を示す図、図13(e)はサンプルの欠陥画像、参照画像及び処理画像を表示するGUIの一実施例を示す図である。 図14(a)は参照画像(正常パターン)、図14(b)は下層配線がショートしたパターン欠陥の画像、図14(c)は上層配線がショートしたパターン欠陥の画像である。 図15(a)は二層の配線パターンの参照画像で配線パターンA1,A2の上部に配線パターンB1,B2が形成されている、図15(b)は配線パターンA2の下に異物欠陥が存在する状態の欠陥画像、図15(c)は配線パターンA2の上で配線パターンB1及びB2の下に異物欠陥が存在する状態の欠陥画像、図15(d)は配線パターンB1及びB2の上に異物欠陥が存在する状態の欠陥画像、図15(e)は配線パターンA1とA2とがショートした状態の欠陥画像、図15(f)は配線パターンB1とB2とがショートした状態の欠陥画像、図15(g)は半導体デバイス製造工程のうちのパターンA及びパターンBを形成する工程を抜粋して示したフロー図である。
符号の説明
101…半導体ウェーハ 102…電子光学系 103…電子銃 104…一次電子 105…コンデンサレンズ 106…偏向器 107…ExB偏向器 108…対物レンズ 109…二次電子検出器 110,111…反射電子検出器 112〜114…A/D変換器 115…処理・制御部 116…GUI画面 117…ステージ 119…ステージコントローラ 120…偏向制御部 121…CPU 122…画像メモリ 501…下地 502…配線 503…膜上異物 504…膜下異物 505…配線エッジ 506…欠陥領域 507…判定領域 603…跨線膜上異物 604…跨線膜下異 605…孤立膜上異物
606…接線膜上異物 1401…下地 1402…下層配線 1403…上層配線 1404,1405,1406…境界

Claims (14)

  1. パターンが形成された試料を予め他の検査装置で検査して検出された前記試料上の欠陥の位置情報を用いて前記試料上の欠陥を含む検査領域を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像して欠陥画像を取得し、
    前記検査領域に対応する前記欠陥を含まない参照画像を取得し、
    前記欠陥画像と前記参照画像とを比較して欠陥領域を抽出し、
    前記抽出した欠陥領域に対応する領域内に存在する前記参照画像上の配線エッジを抽出し、
    前記配線エッジに対応する領域内に存在する前記欠陥画像上の配線エッジを抽出し、
    前記参照画像上の配線エッジと前記欠陥画像上の配線エッジから前記試料上における前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定する
    ことを特徴とする欠陥レビュー方法。
  2. 請求項1記載の欠陥レビュー方法であって、前記パターンとの上下関係の判定結果と欠陥種の情報とを基に、製造プロセスにおける欠陥の発生時期を推定あるいは発生時期の範囲を絞り込むステップを更に含む。
  3. 請求項1記載の欠陥レビュー方法であって、前記参照画像は、前記検査領域における回路設計パターンと本来同一の外観をもつよう設計された前記試料上の領域を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像して得られた画像、あるいは前記欠陥画像から推定した欠陥のない正常画像あるいは事前に撮像して保存済みの正常領域の画像であることを特徴とする。
  4. 請求項1記載の欠陥レビュー方法であって、前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定するステップにおいて、前記参照画像上の配線エッジと前記欠陥画像上の配線エッジから前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定することを、前記欠陥領域内において配線エッジが前記欠陥画像と前記参照画像間において保存されている割合に基づいて判定することを特徴とする。
  5. 請求項4記載の欠陥レビュー方法であって、前記前記配線エッジが前記欠陥画像と前記参照画像間において保存されている割合を、前記参照画像上の任意の着目画素と該着目画素に対応する前記欠陥画像の画素あるいはその周辺画素のいずれかにおいて、エッジ強度とエッジ方向が共に保存されていることを条件として判定することを特徴とする。
  6. 請求項1記載の欠陥レビュー方法であって、前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定するステップにおいて、前記抽出した欠陥領域内において配線エッジが前記欠陥画像と前記参照画像間において保存されている領域を前記欠陥領域から除去することを特徴とする。
  7. 請求項1記載の欠陥レビュー方法であって、前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定するステップにおいて、前記抽出した欠陥領域に対応する領域内に存在する前記参照画像上の配線エッジを抽出し、前記配線エッジの画素数を基に前記試料上における前記欠陥と前記パターンとの上下関係の判定可否を判定することを特徴とする。
  8. 予め他の検査装置でパターンが形成された試料を検査して検出された前記試料上の欠陥の位置情報を記憶する記憶手段と、
    該記憶手段に記憶された前記試料上の欠陥の位置情報を用いて該欠陥を含む検査領域を撮像して欠陥画像と参照画像とを得る走査型電子顕微鏡(SEM)と、
    該走査型電子顕微鏡で取得した欠陥画像と、前記試料上の検査領域と本来同一の外観をもつよう設計された前記欠陥を含まない比較領域から得られた参照画像とを処理する画像処理手段とを備え、
    前記画像処理手段は、前記欠陥画像と前記参照画像とを比較して欠陥領域を抽出し、前記抽出した欠陥領域に対応する領域内に存在する前記参照画像上の配線エッジを抽出し、前記配線エッジに対応する領域内に存在する前記欠陥画像上の配線エッジを抽出し、前記参照画像上の配線エッジと前記欠陥画像上の配線エッジから前記試料上における前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定することを特徴とする欠陥レビュー装置。
  9. 請求項8記載の欠陥レビュー装置であって、前記画像処理手段は前記パターンとの上下関係の判定結果と欠陥種の情報とを基に、製造プロセスにおける欠陥の発生時期を推定あるいは発生時期の範囲を絞り込むことを特徴とする。
  10. 請求項8記載の欠陥レビュー装置であって、前記画像処理手段で処理する前記参照画像は、前記検査領域における回路設計パターンと本来同一の外観をもつよう設計された前記試料上の領域を前記走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像して得られた画像、あるいは前記検査領域内に対応する回路設計パターン、あるいは前記欠陥画像から推定した欠陥のない正常画像であることを特徴とする。
  11. 請求項8記載の欠陥レビュー装置であって、前記画像処理手段は、前記欠陥と前記パターンとの上下関係を判定することを、前記欠陥領域内において配線エッジが前記欠陥画像と前記参照画像間において保存されている割合に基づいて判定することを特徴とする。
  12. 請求項11記載の欠陥レビュー装置であって、前記画像処理手段は、前記配線エッジが前記欠陥画像と前記参照画像間において保存されている割合を、前記参照画像上の任意の着目画素と該着目画素に対応する前記欠陥画像の画素あるいはその周辺画素のいずれかにおいて、エッジ強度とエッジ方向が共に保存されていることを条件として判定することを特徴とする。
  13. 請求項8記載の欠陥レビュー装置であって、前記画像処理手段は、前記欠陥画像と前記参照画像とを比較して欠陥領域を抽出し、前記欠陥領域内において配線エッジが前記欠陥画像と前記参照画像間において保存されている領域を前記欠陥領域から除去することを特徴とする。
  14. 請求項8記載の欠陥レビュー装置であって、前記画像処理手段は、前記欠陥画像と前記参照画像とを比較して欠陥領域を抽出し、前記抽出した欠陥領域に対応する領域内に存在する前記参照画像上の配線エッジを抽出し、前記配線エッジの画素数を基に前記試料上における前記欠陥と前記パターンとの上下関係の判定可否を判定することを特徴とする。
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