以下、本発明の実施の形態を幾つかの実施例を用い、図面を用いて説明する。
図1は本発明による投射型液晶表示装置の第1の実施例を示す概略の平面図である。図1の実施例は、液晶ライトバルブとして反射型液晶表示素子2を、いわゆる色の3原色のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に対応して合計3枚用いた3板式投射型表示装置を示している。図1において、投射型液晶表示装置には光源1があり、光源1は、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ等の白色ランプである。光源1は、円形または多角形の出射開口を持つ少なくとも1つの反射面鏡5と、この光源1から出る光はライトバルブ素子である液晶表示素子2を通過して投射レンズ3に向かい、スクリーン4へ投影される。
光源1の電球から放射される光は楕円面または放物面または非球面のリフレクタ5にて集光され、この反射面鏡リフレクタ5の出射開口と略同等サイズの矩形枠に設けられた複数の集光レンズにより構成され、ランプユニットから出射した光を集光して、複数の2次光源像を形成するための第一のアレイレンズ6に入射され、さらに複数の集光レンズにより構成され、前述の複数の2次光源像が形成される近傍に配置され、かつ液晶表示素子2に第一のアレイレンズ6の個々のレンズ像を結像させる第二のアレイレンズ7を通過する。この出射光は第二のアレイレンズ7の各々のレンズ光軸の横方向のピッチに適合するように配置された各々のレンズ幅の略1/2サイズの菱形プリズムの列へ入射される。このプリズム面には偏光ビームスプリッター8の膜付けが施されており、入射光は、この偏光ビームスプリッター8にてP偏光光とS偏光光に分離される。P偏光光は、そのまま偏光ビームスプリッタ−8内を直行し、このプリズムの出射面に設けられたλ/2波長板9により、偏光方向が90°回転され、S偏光光に変換され出射される。一方、S偏光光は、偏光ビームスプリッター8により反射され、隣接する菱形プリズム内で本来の光軸方向にもう一度反射してからS偏光光として出射される。出射光はコリメータレンズ10に入射される。
従来の反射型液晶表示素子を用いた投射型液晶表示装置では、入射偏光板と反射液晶表示素子の組合せにより、一方向の偏光光しか反射しないため反射光量が約半分になっていた。しかし、偏光ビームスプリッター8を用いるため、光源1から出射するランダムな偏光光の偏光方向を揃えて反射型液晶表示素子2に入射するため、理想的には従来の投射型液晶表示装置の2倍の明るさが得られる。また、アレイレンズ6、7は、各レンズセルの個々の像が液晶表示素子2に重なり、均一な画質が得られるように作用する。
コリメータレンズ10は、少なくとも1枚以上の構成であり、正の屈折力を有し、このS偏光光をさらに集光させる作用を持ち、このコリメータレンズ10を通過した光は反射ミラ−11、12により光軸方向を所定方向90°変換される。その後、光はコンデンサレンズ30を通過して、各色RGB3枚の反射型液晶表示素子2R、2G、2Bを照射するために、まず色分離ミラー13あるいは図示していないが、色分離プリズムにより、G光とR、B光とに2分割され、それぞれの色専用の偏光分離合成素子である偏光ビームスプリッタ16G、16RBに入射される。すなわち、G光は、本発明であるG専用偏光ビームスプリッタ16Gに入射、その後S偏光光なのでG専用反射型液晶表示素子2G側へ反射され、このパネルを照射する。また、 B光とR光はB−R光専用偏光板14を通過し、本発明であるR−B専用偏光ビームスプリッタ16RBに入射、その後特定波長域のみ偏光方向を変換する特定波長域偏光変換素子17を通過してB光あるいはR光のどちらかの偏光をS偏光光からP偏光光に変換して、例えば、偏光を変換されたP偏光光であるB光は、R−B専用偏光ビームスプリッタ16RBを通過してB専用反射型液晶表示素子2Bを照射する。一方、R光はS偏光光なのでR−B専用偏光ビームスプリッタ16RBにて反射された後、R専用反射型液晶表示素子2Rを照射する。もちろん、上記例はひとつの具体例であり、実施例はこれに限定するものではなく、RがP偏光光に変換されてもよく、これとは別にもともとの照明系の偏光光がP偏光であり、RGBの一つの色がS偏光光に変換され、残りの二色がP偏光光となる場合も構成としては成り立つ。また、各色専用の反射型液晶表示素子2R、2G、2Bの入射側にはS偏光光を透過するRB専用入射偏光板14およびG専用入射偏光板15を配置し、各色の偏光度を高め、偏光板14をガラスに貼り、反対側に色調整膜を施すことによって色純度を高めることも可能である。その後、各色専用の反射型映像表示素子2で偏光を変換され、光は再び各色専用偏光ビームスプリッタ16G、16RBに入射し、S偏光光は反射され、P偏光光は透過する。
この反射型映像表示素子2は、表示する画素に対応する(例えば横1024画素縦768画素各3色など)数の液晶表示部が設けてある。そして、外部より駆動される信号に従って、液晶表示素子2の各画素の偏光角度が変わり、最終的に入射の偏光方向と直交方向になった光が出射され、偏光方向の一致した光が偏光ビームスプリッタ2により検光される。この途中の角度の偏光を持った光は、偏光ビームスプリッタ2の偏光度との関係で偏光ビームスプリッタを通る光の量と検光される量とが決まる。このようにして、外部より入力する信号に従った画像を投影する。この時、本発明のG専用偏光ビームスプリッタ16GとR−B専用偏光ビームスプリッタ16RBである偏光変換素子は、反射型映像表示素子2R、2G、2Bが黒表示を行う場合に、偏光方向は入射光と同等であり、そのまま入射光路に沿って光源側に戻される。しかし偏光ビームスプリッタの偏光度および消光比である検光効率が微妙に性能に影響を与え、わずかに漏れたあるいは乱れた偏光光が偏光ビームスプリッタを通過して出射側の色合成ミラー19あるいは色合成プリズムを通過して投射レンズ20側へ照射され、黒表示時に僅かの明るさをスクリーン上にて検知する。これによりコントラスト性能が低下する場合がある。
当然ながら、偏光変換素子および色分離合成プリズムを構成する誘電体多層膜は、これに入射される特定波長帯域の光に対し、そのP偏光光の透過効率あるいは反射効率およびS偏光光の透過効率あるいは反射効率、あるいは円偏光光に対する透過効率あるいは反射効率が、ピーク値をとるように、限定波長域専用の誘電体多層膜付けを施した構成、たとえば500nm近傍から600nm近傍迄の波長帯域のG光専用の最適な誘電体多層膜付けを施したG専用偏光ビームスプリッタ16G、400nm近傍から500nm近傍迄と、600nm近傍から700nm近傍迄の2つ以上の波長帯域でのR光およびB光専用の最適な誘電体多層膜付けを施したR−B専用偏光ビームスプリッタ 16RBを用いることにより、誘電体多層膜の膜付けが容易となり、かつ透過効率および反射効率、さらには上記検光効率も従来よりも向上する。このため、高精度な色再現性と高輝度、高効率コントラスト等を実現した反射型液晶表示装置を提供できる。さらに、場合により傾斜膜、すなわち光の入射角度によって誘電体多層膜の厚さを変えた膜を付加することにより、より均一性の高いかつ色純度の高い映像を表示できる。
偏光ビームスプリッタ16RBを出射した光は特定波長域偏光変換素子18によって、R光又はB光の一方の偏光方向が変換され、R光、B光共に例えばS偏光光に変換されてダイクロイックミラー19に入射される。
その後、映像であるRGB各色の光はダイクロイックミラー等の色合成ミラー19あるいは図示していないがダイクロイックプリズムにより再び色合成されて、光は、例えばズームレンズであるような投射手段(例えば投射レンズ)20を通過し、スクリーンに到達する。前記投射手段20により、反射型液晶表示素子2R、2G、2Bに形成された画像は、スクリーン上に拡大投影され表示装置として機能するものである。この3枚の反射型液晶表示素子を用いた反射型液晶表示装置は、電源21により、ランプおよびパネル等の駆動を行っている。
従って、従来の反射型液晶表示装置では、光源の光を少なくとも1つ以上の色分離プリズム、あるいは色分離ミラーでRGBの3色光に分離した後、少なくとも3つ以上の偏光ビームスプリッタにてRGB各色光を検光し、さらに色合成プリズムで3色を合成してから投射レンズにてスクリーン上へ映像を投射していたので、装置全体が大形、重量の重い、高コスト化する傾向にあった。本発明によるG専用およびR−B専用偏光ビームスプリッタを2個用いる構成などは小型、軽量化を達成できるとともに、さらには色純度を自由に制御でき、さらに色ムラ等を改善し、性能向上を同時に実現することができる。したがって、コンパクトで高輝度、高画質の投射型映像表示装置を実現できる。さらに、部品点数を削減できるので、低コスト化を達成できる。
図2は、本発明による第2の実施例を示す概略の平面図である。反射型映像表示素子2R、2G、2B、例えば反射型液晶表示素子、あるいは反射型強誘電映像表示素子、あるいは駆動マイクロミラー映像表示素子等、から出射され、偏光ビームスプリッタ16Gと偏光ビームスプリッタ16RBである偏光分離合成素子で検光された映像であるRGB各色の光は、ダイクロイダイクプリズム19aにより、再び色合成されて、光は、例えばズームレンズであるような投射手段20を通過し、スクリーンに到達する。投射手段20により、反射型液晶表示素子2R、2G、2Bに形成された画像は、スクリーン上に拡大投影され表示装置として機能するものである。本発明のプリズム19aは、光線がケラレないように偏光ビームスプリッタよりサイズを大きくしてあるもので、全体の構成を小型化するために、偏光ビームスプリッタとの大きさが異なる構成となっている。またダイクロイックコートで傾斜膜等も単独で自由設定できるので、均一な色純度の高い映像を提供できる。
また、本発明の構成により、ダイクロイックプリズム19aのような光学素子を筐体に角面取り部29の支持部等を設け、これにこの光学素子の角面取り部29を支持させることで、ダイクロイックプリズム19aのような光学素子の保持および位置決めを容易にし、量産時における組み付け時間を短縮、さらに投射型映像表示装置全体のコスト低減も可能となる。また、この角面取り部29により、発生した、スペース余裕に別の光学部材、たとえばレンズあるいは他の光学素子等を配置し、高密度配置した場合の互いの干渉をさけ、小型化を達成できる。
図3は、本発明による第3の実施例を示す平面図である。照明光はコンデンサレンズ30を通過して、各色RGB3枚の反射型液晶表示素子2R、2G、2Bを照射するために、まず特定波長域偏光変換素子28にて所定の波長帯域の光の偏光方向を変換する。この場合は照明光がS偏光ならばP偏光に変換し、広帯域用偏光ビームスプリッタ16RGBにより、各色光に分離される。例えば特定波長域偏光変換素子28でG光の偏光が変換された場合、偏光ビームスプリッタ16RGBによりG光とR、B光とに2分割され、それぞれの色専用の偏光分離合成素子である偏光ビームスプリッタ16G、16RBに入射される。すなわち、G光は、特定波長域偏光変換素子27にてP偏光光をS偏光光に偏光方向を変換し、G専用偏光ビームスプリッタ16Gに入射、その後S偏光光なのでG専用反射型液晶表示素子2G側へ反射され、この液晶表示素子2Gを照射する。また、B光とR光はB−R光専用偏光板14を通過し、R−B専用偏光ビームスプリッタ16RBに入射、その後特定波長域のみ偏光方向を変換する特定波長域偏光変換素子17を通過してB光あるいはR光のどちらかの偏光をS偏光光からP偏光光に変換して、例えば、偏光を変換されたP偏光光であるB光は、R−B専用偏光ビームスプリッタ16RBを通過してB専用反射型液晶表示素子2Bを照射する。一方、R光はS偏光光なのでR−B専用偏光ビームスプリッタ16RBにて反射された後、R専用反射型液晶表示素子2Rを照射する。
もちろん、上記例はひとつの具体例であり、実施例はこれに限定するものではなく、R光がP偏光光に変換されてもよく、これとは別にもともとの照明系の偏光光がP偏光であり、RGBの一つの色がS偏光光に変換され、残りの二色がP偏光光となる場合も構成としては成り立つ。また、各色専用の反射型液晶表示素子2R、2G、2Bの入射側にはS偏光光を透過するRB専用入射偏光板14およびG専用入射偏光板15を配置し、各色の偏光度およびまたは色純度を高めることも可能である。その後、各色専用の反射型映像表示素子2で偏光を変換され、光は再び各色専用偏光ビームスプリッタ16G、16RBに入射し、S偏光光は反射され、P偏光光は透過する。
この反射型映像表示素子2は、表示する画素に対応する(例えば横1024画素縦768画素各3色など)数の液晶表示部が設けてある。そして、外部より駆動される信号に従って、液晶表示素子2の各画素の偏光角度が変わり、最終的に入射の偏光方向と直交方向になった光が出射され、偏光方向の一致した光が偏光ビームスプリッタ16により検光される。この途中の角度の偏光を持った光は、偏光ビームスプリッタ16の偏光度との関係で偏光ビームスプリッタ16を通る光の量と検光される量とが決まる。このようにして、外部より入力する信号に従った画像を投影する。この時、G専用偏光ビームスプリッタ16GとR−B専用偏光ビームスプリッタ16RBである偏光変換素子は、反射型映像表示素子2R、2G、2Bが黒表示を行う場合に、偏光方向は入射光と同等であり、そのまま入射光路に沿って光源側に戻される。その後、映像であるRGB各色の光はダイクロイックミラー19あるいは図示していないがダイクロイックプリズムにより、再び色合成されて、光は、例えばズームレンズであるような投射手段20を通過し、スクリーンに到達する。前記投射手段20により、反射型液晶表示素子2R、2G、2Bに形成された画像は、スクリーン上に拡大投影され表示装置として機能するものである。この3枚の反射型液晶表示素子を用いた反射型液晶表示装置は、電源21により、ランプおよびパネル等の駆動を行っている。
従って、従来の反射型液晶表示装置では、光源の光を少なくとも1つ以上の色分離プリズム、あるいは色分離ミラーでRGBの3色光に分離した後、少なくとも3つ以上の偏光ビームスプリッタにてRGB各色光を検光し、さらに色合成プリズムで3色を合成してから投射レンズにてスクリーン上へ映像を投射していたので、装置全体が大形、重量の重い、高コスト化する傾向にあった。本発明によるG専用およびR−B専用偏光ビームスプリッタを2個用いる構成などでは小型、軽量化を達成できるとともに、さらには色純度を自由に制御でき、さらに色ムラ等を改善し、性能向上を同時に実現することができる。また、色分離手段を偏光ビームスプリッタと特定波長域偏光変換素子の組合せで行っているので、角度依存性にともなう影響が少ないので、色性能の設計が容易になる。従って、コンパクトで高輝度、高画質の投射型映像表示装置を実現できる。さらに、部品点数を削減できるので、低コスト化を達成できる。
図4は本発明による第4の一実施例を示す平面図である。図3の実施例の効果に加えて、反射型映像表示素子2R、2G、2B、から出射され、偏光ビームスプリッタ16Gと偏光ビームスプリッタ16RBである偏光分離合成素子で検光された映像であるRGB各色の光は、ダイクロイックプリズム19aにより、再び色合成されて、光は投射手段20を通過し、スクリーンに到達する。投射手段20により、反射型液晶表示素子2R、2G、2Bに形成された画像は、スクリーン上に拡大投影され表示装置として機能するものである。本発明のプリズム19aは、光線がケラレないように偏光ビームスプリッタよりサイズを大きくしてあるもので、全体の構成を小型化するために、偏光ビームスプリッタとの大きさが異なる構成となっている。またダイクロイックコートで傾斜膜等も単独で自由設定できるので、均一な色純度の高い映像を表示できる。
また、本発明の構成により、ダイクロイックプリズム19aのような光学素子を筐体に角面取り部29の支持部等を設け、これにこの光学素子の角面取り部29を支持させることで、ダイクロイックプリズム19aのような光学素子の保持および位置決めを容易にし、量産時における組み付け時間を短縮、さらに投射型映像表示装置全体のコスト低減も可能となる。また、この角面取り部29により、発生した、スペース余裕に別の光学部材、偏光分離合成素子である偏光ビームスプリッタ16RGBを配置し、高密度配置した場合の互いの干渉をさけ、小型化を達成できる。図5は本発明による映像表示装置の第5の実施例を示す平面図であり、特に光学系の構成を示している。
図5において、映像表示装置には光源1と反射リフレクタ2からなる光源ユニットが設けられ、光源ユニットから出される光は偏光整流素子31、例えば偏光板、または偏光ビームスプリッタ(PBS)を通過し、P偏光光として整流された光は、緑色分離ミラー13によってG光(緑色光)と、R光(赤色光)およびB光(青色光)に分離される。分離されたG光は偏光ビームスプリッタ16Gに入射し、P偏光光である入射光は透過し、映像表示素子である反射型液晶表示素子2Gに入射し、映像信号に応じた偏光変換を受け反射され、偏光ビームスプリッタ16Gに再び入射する。偏光ビームスプリッタ16Gは、入射光に対して、反射型液晶表示素子2Gにより受けた偏光変換量に応じて光を検光、すなわち入射光のうち偏光変換を受けて発生したS偏光成分のみを反射し映像を得る。
緑色分離ミラー13により分離されたR光及びB光は、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子17により、R光のみS偏光光に偏光変換され偏光ビームスプリッタ16RBに入射される。偏光ビームスプリッタ16RBにより、S偏光光であるR光は反射し、反射型液晶表示素子2Rに入射する。反射型液晶表示素子2Rに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射する。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Rにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し映像を得る。また、B光はP偏光光として偏光ビームスプリッタ16RBを透過し、反射型液晶表示素子2Bに入射される。反射型液晶表示素子2Bに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射する。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Bにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し映像を得る。
ここで図には示していないが、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子17により、B光のみS偏光光に偏光変換してもよい。このとき、偏光変換されたB光はS偏光光となり、偏光ビームスプリッタ16RBに入射される。偏光ビームスプリッタ16RBにより、S偏光光であるB光は反射され、反射型表示素子2Bに入射される。反射型液晶表示素子2Bに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射される。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Bにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し、映像を得る。また、R光はP偏光光として偏光ビームスプリッタを透過し、反射型液晶表示素子2Rに入射される。反射型液晶表示素子2Rに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射される。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Rにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し、映像を得る。
それぞれに得られた赤、青、緑各色の映像は色合成手段19、例えばダイクロイックミラーや、ダイクロイックプリズムにより合成され、投射レンズ20により投影される。この時、必要に応じて、偏光ビームスプリッタ16RBの出射側に特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子18を挿入し、R光とB光の偏光方向をそろえてもよい。さらにこの時、R光、G光、B光全ての光の偏光方向を揃えるよう特定波長域偏光変換素子18の偏光変換させる波長域を設定することにより、偏光スクリーンの使用が可能となる。
あるいは、G光の光路において偏光ビームスプリッタ16Gで検光された光に対し、S偏光光をP偏光光に変換する偏光変換素子32を配置し、色合成ミラー等の色合成手段19に対しP偏光光で入射する様にし、さらに、赤色およびB光路において、R光、B光の一方または両方の偏光方向をS偏光光になるように、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子18の偏光変換波長帯域を設定する。これにより、色合成手段19であるダイクロイックミラーまたはダイクロイックコートの偏光特性により、G光の透過帯域を広げ、かつR光、B光の一方または両方の反射帯域を広げることが可能となる。
さらに、偏光ビームスプリッタ16Gおよびないし、偏光ビームスプリッタ16RBの入射側およびないし出射側に偏光板等の偏光整流素子33、34、35を配置してもよい。この時、赤およびB光路において偏光ビームスプリッタ16RBの入射前に配置する偏光整流素子33は、特定波長域の偏光方向を変換させる光学素子17の入射前に配置する。また、赤及びB光の光路において偏光ビームスプリッタ16RBの入射後に配置する偏光整流素子35は、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子18の出射後に配置する。本発明による偏光ビームスプリッタを2個用いる構成などは小型、軽量化を達成できるとともに、さらには色純度を自由に制御でき、さらに色むら等を改善できる。
図6は本発明による映像表示装置の第6の実施例を示す平面図であり、光学系の構成をしめしている。図6において、映像表示装置には、光源1、反射リフレクタ5からなる光源ユニットがあり、光源1は白色ランプである。光源ユニットから出される光は偏光板等の偏光整流素子8、例えば偏光板、ないしは偏光変換素子(偏光ビームスプリッタ)を通過し、S偏光光として整流された光は、緑色分離ミラー13によってG光と、R光およびB光に分離される。分離されたG光は偏光ビームスプリッタ16Gに入射し、S偏光光である入射光は反射し、映像表示素子である反射型液晶表示素子2Gに入射し、映像信号に応じた偏光変換をうけ反射され、偏光ビームスプリッタ16Gに再び入射する。偏光ビームスプリッタ16Gは、入射光に対して、反射型液晶表示素子2Gにより受けた偏光変換量に応じて光を検光、すなわち入射光の内、偏光変換を受けて発生したP偏光成分のみを反射し、映像を得る。
緑色分離ミラー13により分離されたR光およびB光は、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子17により、R光のみP偏光光に偏光変換され偏光ビームスプリッタ16RBに入射される。偏光ビームスプリッタ16RBにより、P偏光光であるR光は透過し、反射型液晶表示素子2Rに入射される。反射型液晶表示素子2Rに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射する。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Rにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し映像を得る。また、B光はS偏光光として偏光ビームスプリッタ16RBにより反射され、反射型液晶表示素子2Bに入射する。反射型液晶表示素子2Bに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射される。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Bにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し、映像を得る。ここで図には示していないが、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子17により、B光のみP偏光光に偏光変換してもよい。このとき、偏光変換されたB光はP偏光光となり、偏光ビームスプリッタ16RBに入射される。偏光ビームスプリッタ16RBにより、P偏光光であるB光は透過し、反射型液晶表示素子2Bに入射される。反射型液晶表示素子2Bに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射される。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Bにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し、映像を得る。また、R光はS偏光光として偏光ビームスプリッタ16RBで反射され、反射型液晶表示素子2Rに入射される。反射型液晶表示素子2Rに入射した光は映像信号に応じた偏光変換を受けて反射され偏光ビームスプリッタ16RBに再び入射される。偏光ビームスプリッタ16RBでは、反射型液晶表示素子2Rにより受けた偏光変換量に応じて光を検光し映像を得る。
それぞれに得られた赤、青、緑各色の映像は色合成手段19例えばダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムにより合成され、投射レンズ20により投影される。この時、必要に応じて、偏光ビームスプリッタ16RBの出射側に特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子18を挿入し、R光、G光、B光全ての光の偏光方向を揃えるよう特定波長域偏光変換素子18の偏光変換させる波長域を設定することにより、偏光スクリーンの使用が可能となる。
あるいは、このとき、R光及びB光の光路において、R光、B光の一方または両方の偏光方向をS偏光光になるように、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子18の偏光変換波長帯域を設定する。これにより、色合成手段19であるダイクロイックミラーまたはダイクロイックコートの偏光特性により、G光の透過帯域を広げ、かつR光、B光の反射帯域を広げることが可能となる。
さらに、偏光ビームスプリッタ16G、偏光ビームスプリッタ16RBの入射側または出射側に偏光整流素子33、34、35を配置してもよい。この時、赤及びB光の光路において偏光ビームスプリッタ16RBの入射前に配置する偏光整流素子33は、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子17の入射前に配置する。また、R光及びB光の光路において偏光ビームスプリッタ16RBの入射後に配置する偏光整流素子35は、特定波長域の偏光方向を変換させる特定波長域偏光変換素子18の光出射側に配置する。本発明による偏光ビームスプリッタを2個用いる構成などは小型、軽量化を達成できるとともに、さらには色純度を自由に制御でき、さらに色むら等を改善できる。
図7は本発明における投射型映像表示装置第7の実施例を示す平面図である。図7の実施例では、液晶ライトバルブとして反射型液晶表示素子2R、2G、2Bをいわゆる色の3原色のR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に対応して合計3枚用いた3板式投射型表示装置を示している。図7の投射型液晶表示装置において、光源1は白色ランプである。光源1から出される光は円形ないし多角形の出射開口を持つ少なくとも1つの反射面鏡5で反射されライトバルブ素子である液晶表示素子2R、2G、2Bを通過して投射レンズ20に向かい、スクリーンへ投影される。
偏光ビームスプリッタ8と反射型液晶表示素子2の間には光の三原色であるのR光、G光、B光の内、G光のみを透過、または反射する色分離手段であるダイクロイックミラー13またはダイクロイックプリズム等が配置され、他のR光及びB光と分離される。このダイクロイックミラー13により分離されたG光は偏光ビームスプリッタ16Gにより透過、または反射され、液晶表示素子2Gに入射される。この時、偏光ビームスプリッタ16Gの入射側およびないし、出射側にG光に対し偏光整流作用を持つ偏光板15、29を配しても良い。液晶表示素子2Gに入射した光は読み出し光としてそれぞれ変調されて反射して射出され、変調光が偏光ビームスプリッタ16Gによって、それぞれ検光される。また、G光と分離されたR光および、B光は略510nmから580nmの内の特定の波長以上もしくは以下の帯域のみを偏光変換する特定波長域偏光変換素子17を通過し、R光、ないしはB光の内いずれか一方の色光の偏光が変化し、R光とB光の偏光方向は直交する。その後、偏光ビームスプリッタ16RBに入射し、偏光方向の異なるR光とB光は分離され、それぞれの液晶表示素子2R及び2Bに入射される。この時、前記特定波長域偏光変換素子17の入射側に偏光整流作用を持つ偏光板14を配しても良い。およびまたは偏光ビームスプリッタ28RBの出射側に、略510nmから580nmの内の特定の波長以上もしくは以下の帯域のみを偏光変換する特定波長域偏光変換素子18を配しても良い。さらにはこの時前記特定波長域偏光変換素子18の出射側に偏光整流作用を持つ偏光板29を配しても良い。
液晶表示素子2R、2Bに入射した光は読み出し光として当該各色に対応した液晶表示素子よって、それぞれ変調されて反射して射出され、当該各色の変調光が偏光ビームスプリッタ16RBによって、それぞれ検光される。検光されたR光および、G光及びB光は色合成フィルタであるダイクロイックミラー19ないしはダイクロイックプリズムにより合成され、投射手段20を通過し、スクリーンに到達する。この時、色合成フィルタを透過する光路の光はP偏光光になるように、および色合成フィルタを反射する光路の光はS偏光光となるように特定波長域偏光変換素子18を設定することにより、色合成フィルタの透過および反射帯域が広がり高効率な光学系が実現できる。投射手段20により、液晶表示素子2に形成された画像は、スクリーン上に拡大投影され表示装置として機能するものである。また偏光板を偏光ビームスプリッタの入射および出射に設けているので、コントラストを向上できる。
本発明による偏光ビームスプリッタを2個用いる構成は小型、軽量化を達成できるとともに、さらには色純度を自由に制御でき、さらに色ムラ等を改善し、性能向上を同時に実現することができる。したがって、コンパクトで高輝度、高画質の投射型映像表示装置を実現できる。さらに、部品点数を削減できるので、低コスト化を達成できる。
以下、本発明による光学エンジンの第8の実施例について、図8を用いて説明する。図8は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第8の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図において、光源(図示せず)からの光は偏光ビームスプリッタプリズムと1/2波長板との組み合わせ構成に代表される偏光変換素子101を通して、P偏光光はS偏光光に変換され、S偏光光はそのままS偏光光として出射される。偏光変換素子101としては、S偏光光をP偏光光に変換されるものを用いてもよい。本実施例においては偏光変換素子101によって、P偏光光はS偏光光に変換される場合を例にとって説明する。
偏光変換素子101を透過したS偏光光の内、B光はダイクロイックミラー等の色分離ミラー102を透過し、偏光板103a、及び1/2λ波長板等の偏光変換素子(偏光特定波長域偏光変換素子でもよい。)115、色調整膜104aを透過して、偏光ビームスプリッター105RGBに入射される。偏光板103aは本来の光であるS偏光光の他に混じっているP偏光光を除去するために使用される。色調整膜104aについてはその詳細を後述する。S偏光光であるB光は偏光変換素子115でS偏光光がP偏光光に変換された後、偏光ビームスプリッタ105RGBを透過して全反射プリズム108に入射され、ここで反射される。全反射プリズム108で反射されたB光は1/4λ波長板を通して反射型液晶表示素子107Bに入射され、液晶表示素子107BでP偏光光はS偏光光に変換され、再び全反射プリズム108で反射された後、色合成用偏光ビームスプリッタ(又はダイクロイックプリズム)105RGBに入射され、ここで反射されて投射レンズ(図示せず)に出射される。なお、1/4λ波長板106aは液晶表示素子107Bの偏光軸と偏光ビームスプリッタ105RGB及び照明光学系の偏光軸を揃えることを主目的として使用される。
色分離ミラー102で反射されたS偏光光であるR光およびG光は反射ミラー109で反射され、S偏光光を除去するための偏光板103bを通して特定波長域偏光変換素子112aに入射さる。ここで、R光はS偏光光からP偏光光に変換され、G光はS偏光光のまま、色調整膜104bを透過して色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RGに入射される。S偏光光であるG光は偏光ビームスプリッタ105RGで反射され、1/4λ波長板106bを透過してG光用の反射型液晶表示素子107Gに入射され、この液晶表示素子107GでS偏光光がP偏光光に変換されて反射され、P偏光光として再び偏光ビームスプリッタ105RGに入射され、ここを透過して特定波長域偏光変換素子112bに入射される。
P偏光光に変換されたR光は色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RGを透過し、1/4λ波長板106cを透過した後、R光用の反射型液晶表示素子107Rに入射され、この液晶表示素子107RでP偏光光がS偏光光に変換されて反射され、S偏光光として出射される。S偏光光であるR光は偏光ビームスプリッタ105RGで反射されて特定波長域偏光変換素子112bに入射される。特定波長域偏光変換素子112bではR光のS偏光光をP偏光光に変換し、G光はP偏光光のまま透過する。P偏光光であるR光、G光は、コントラストの劣化を防ぐため偏光板103cでR光、G光に含まれているP偏光光成分が除去された後、色合成用の偏光ビームスプリッタ(又はダイクロイックプリズム)105RGBに入射される。P偏光光であるR光及びG光は偏光ビームスプリッタ(又はダイクロイックプリズム105RGBを透過し、S偏光光であるB光は偏光ビームスプリッタ(もしくはダイクロイックプリズム)105RGBで反射されて投射レンズ(図示せず)に入射される。B光に混入されているP偏光成分は偏光ビームスプリッタ105RGBで反射せずにここを透過するので、P偏光光成分は投射レンズに入射されない。
図8の実施例においては、色分離ミラー102に入射される光はS偏光光に変換されているが、P偏光光に変換された光を用いるように構成してもてもよい。また、特定波長域偏光変換素子112aはR光をS偏光光からP偏光光に変換しているが、G光をP偏光光に変換するように構成してもよい。色調整膜104としては、例えば、誘電体多層膜を直接偏光ビームスプリッタやダイクロイックプリズムに蒸着したもの、誘電体多層膜を偏光板や1/2波長板に貼り付けたガラス板等に蒸着して偏光ビームスプリッタやダイクロイックミラーダイクロイックミラーに張り付けたもの、カラーフィルム、又は色付きガラス等のカラーフィルタ等であり、要はある特定の波長域の透過率を下げることができるものならばなんでも適用できる。
本実施例において、全反射プリズム108は必ずしも必要ではなく、色合成用偏光ビームスプリッタ105RGBのB光の出射面に対向して配置してもよい。但し、本実施例のように全反射プリズム108を設けることによって、各R、G、B光の光路の高さを揃えることができるため、各色光の効率がよく、かつ、コントラストを好適にすることができる。
以下、本発明による光学エンジンの第9の実施例について、図9を用いて説明する。図9は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第9の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図において、光源(図示せず)からの光は偏光ビームスプリッタプリズムと1/2波長板との組み合わせ構成に代表される偏光変換素子(図示せず)を通して、P偏光光はS偏光光に変換され、S偏光光はそのままS偏光光として出射される。
図9において、G光は色分離ミラー102を透過して偏光板103aでS偏光光成分に含まれているP偏光光が取り除かれ、偏光変換素子115でP偏光光に変換された後、偏光ビームスプリッタ105RGBを透過し、全反射ミラー108で反射され、1/4λ波長板106aを通してG光用の液晶表示素子107Gに入射される。液晶表示素子107Gに入射されたG光はここでS偏光光に変換され、再び1/4λ波長板106aを透過した後、全反射プリズム108で反射され、偏光ビームスプリッタ105RGBに入射される。G光はS偏光光であるため今度は偏光ビームスプリッタ105RGBで反射される。
S偏光光であるR光及びB光は偏光板103bを透過した後、反射プリズム110で反射され、特定波長域偏光変換素子112aを透過する。特定波長域偏光変換素子112aはB光をS偏光光からP偏光光に変換し、R光はその偏光が変換されずに、S偏光光のまま透過され、B光及びR光は色分離及び合成用の偏光ビームスプリッタ105RBに入射される。B光はP偏光光なので、偏光ビームスプリッタ105RBを透過し、1/4λ波長板106bを透過してB光用の液晶表示素子107Bに入射され、ここでS偏光光に変換されて反射され、再び1/4λ波長板106bを通して偏光ビームスプリッタ105RBに入射され、ここで反射される。R光はS偏光光なので、偏光ビームスプリッタ105RBで反射され、1/4λ波長板106cを通してR光用の液晶表示素子105RBに入射され、ここで、P偏光光に変換された後、再び1/λ波長板106cをとうかして偏光ビームスプリッタ105RBに入射される。R光はP偏光光なので、今度は偏光ビームスプリッタ105RBを透過する。偏光ビームスプリッタ105RBから出射されたR光とB光は特定波長域偏光変換素子112bに入射される。特定波長域偏光変換素子112bはS偏光光であるB光をP偏光光に変換し、P偏光光であるR光を偏光変換することなくそのまま透過させる。特定波長域偏光変換素子112bを透過したR光及びB光は色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBに入射される。R光とB光は共にP偏光光であるので、偏光ビームスプリッタ105RGBを透過し、特定波長域偏光変換素子112cに入射される。特定波長域偏光変換素子112cはG光をS偏光光からP偏光光に変換する。従って、R光、G光及びB光はP偏光光として偏光板103cを透過して投射レンズ(図示せず)に入射される。R光、B光の偏光方向はこれに限るものではなく、R光がP偏光に、G光がS偏光のまま偏光ビームスプリッタ105RBに入射してもよい。
図10は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第10の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図において、図8の第8の実施例と比較して、偏光変換素子(図示せず)によって、偏光方向がS偏光光に変換されたR光、G光及びB光を特定波長域偏光変換素子112dに入射させ、ここで、B光をP偏光光に変換している点、色分離ミラー102の代わりに色分離用の偏光ビームスプリッタ111を設けている点、反射ミラー109の代わりに全反射プリズム110を設けている点が主に異なる。
B光は特定波長域偏光変換素子112dでS偏光光からP偏光光に変換された後、偏光ビームスプリッタ111を透過し、色調整膜104、偏光板103(偏光板により整流する場合の一例)を透過し、色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBに入射される。それ以降のB光は図8の実施例と同様な経路を経て偏光ビームスプリッタ105RGBから出射される。S偏光光であるR光及びG光は全反射ミラー110で反射された後、偏光板103bに入射される。その後のR光及びB光は図8の実施例と同様に処理され、偏光ビームスプリッタ105RGBから出射される。偏光板103aは特定波長域偏光変換素子112dの位置に設けてもよく、偏光板、蒸着偏光板、偏光分離シート等を特定波長域偏光変換素子112dと共にプリズム111に貼り付けてもよい。さらに、この場合はプリズム111、110、偏光ビームスプリッタ105RGB、全反射プリズム108をすべて貼り付けることができ、組立性を向上することができる。また、光軸の調整も容易である。
図11は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第11の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。本実施例においては、偏光変換素子(図示せず)によって、光源ユニット(図示せず)からの光の内、P偏光光は偏光変換素子をそのまま透過され、S偏光光はP偏光光に変換される。特定波長域偏光変換素子112dでG光のみがS偏光光に変換されて分離用の偏光ビームスプリッタ111に入射され、S偏光光であるG光のみがここで反射され、更に、全反射プリズム108で反射され、1/4λ波長板106aを通してG光用の液晶表示素子107Gに入射され、P偏光光として偏光ビームスプリッタ111に入射される。G光はP偏光光であるため、今度は偏光ビームスプリッタ111を透過し、更に偏光板103a、色合成用偏光ビームスプリッタ105RGBを透過して投射レンズ(図示せず)に入射される。B光及びR光はP偏光光であるため、この色分離用の偏光ビームスプリッタ111、偏光板103bを透過して、特定波長域偏光変換素子112aに入射される。特定波長域偏光変換素子112aでR光はS偏光光に変換され、B光は偏光されずにP偏光光のまま色分離合成用(又は検光用)の偏光ビームスプリッタ105RBに入射される。R光はS偏光光であるため、偏光ビームスプリッタ105RBで反射されて1/4λ波長板106bを通してR光用の液晶表示素子107Rに入射され、P偏光光に変換され、偏光ビームスプリッタ105RBを透過する。B光はP偏光光であるため、偏光ビームスプリッタ105RBを透過し、1/4λ波長板106cを通してB光用の液晶表示素子107Bに入射される。ここで、S偏光光に変換され、今度はS偏光光であるために偏光ビームスプリッタ105RBで反射されて、特定波長域偏光変換素子112bに入射される。ここで、R光はS偏光光に変換され、B光は偏光が変換されS偏光光のままここを透過し偏光板103cを通して全反射プリズム117で反射され、合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBに入射される。R光及びB光はS偏光光であるために、偏光ビームスプリッタ105RGBで反射され、投射レンズ(図示せず)に入射される。本実施例において、偏光板103aはなくてもよく、その場合は全反射プリズム108、偏光ビームスプリッタ111、105RGB、全反射プリズム117をすべて貼り合わせることができる。
図12は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第12の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図の実施例は図10の実施例と比較して、特定波長域偏光変換素子112dを設ける代わりに、偏光変換素子115を設けている点、偏光ビームスプリッタ111の代わりにダイクロイックプリズム111bが設けられている点、液晶表示素子107の配置が異なる点が相違する。なお、色調整膜104は図示されていないが、図10や図8と同様な位置等適宜設けてもよい。
本実施例では、R光、G光及びB光はS偏光光であるとして説明する。G光はダイクロイックプリズム111b、偏光板103aを透過して偏光変換素子115でP偏光光に変換され、偏光ビームスプリッタ105RGBを透過して、全反射プリズム108で反射され、1/4λ波長板106aを通して、G光用の液晶表示素子107Gに入射される。その後は図10のB光と同様な経路を経て再び偏光ビームスプリッタ105RGBに入射され、ここで反射される。
一方、R光とB光はダイクロイックプリズム111bで反射されて全反射プリズム110で反射され、偏光板103bを透過し、特定波長域偏光変換素子112aで、B光はS偏光光からP偏光光に変換され、R光は偏光方向が偏光されずに色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RBに入射される。P偏光光であるB光は偏光ビームスプリッタ105RBを透過し、1/4λ波長板106cを透過し、B光用の液晶表示素子107BでS偏光光として反射される。B光はさらに偏光ビームスプリッタ105RBで反射されて、特定波長域偏光変換素子112bによりP偏光光に変換され、偏光板103cを透過した後偏光ビームスプリッタ105RGBを透過する。R光はS偏光光なので、色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RBで反射され、1/4λ波長板106bを透過してR光用の液晶表示素子107RでP偏光光として反射され、検光子である偏光ビームスプリッタ105RBを透過し、特定波長域偏光変換素子112bはそのままの偏光で透過して、偏光板103cで偏光整流された後、偏光ビームスプリッタ105RGBを透過する。R光、B光及びG光の内、G光は特定波長域偏光変換素子112cでP偏光光に変化される。このため、R光、B光及びG光は共にP偏光光として偏光板103dを通して偏光整流された後投射レンズ(図示せず)に入力される。従って、偏光板103cを無くして偏光板103dにてR光、G光、B光の全ての出射光の偏光整流を行ってもよい。この場合、出射偏光方向は全ての光でそろえられる。更に、偏光板103cを冷却しなくてもよく、構造上も簡単になり、バックフォーカス距離も短くなり光学的に有利である。
図13は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第13の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図13に示す実施例は図11に示す実施例と比較して、分離用の偏光ビームスプリッタ105の出射面に特定波長域偏光変換素子112cが設けられ、さらに、図11で、偏光ビームスプリッタ105RBと全反射プリズム117間に設けられていた偏光板103cが特定波長域偏光変換素子112cの出射面に設けられ、偏光ビームスプリッタ111と偏光ビームスプリッタ105RGBの間に設けられていた偏光板103cが取り除からた点が異なる。
G光は図11の場合と同じ経路を経て液晶表示素子107Gで反射された後、偏光ビームスプリッタ111及び偏光ビームスプリッタ105RGBをP偏光光として透過する。R光、G光も図11の場合と同様にそれぞれ液晶表示素子107R、107Bで反射された後、特定波長域偏光変換素子112bでR光はP偏光光からS偏光光に変換され、R光及びB光はS偏光光として全反射プリズム117で反射され、さらに偏光ビームスプリッタ105RGBで反射される。その後、特定波長域偏光変換素子112cによって、G光のみがP偏光光からS偏光光に変換され、R光、G光及びB光はS偏光光として偏光板103cを通して投射レンズ(図示せず)に入射される。更に、偏光板103b、特定波長域偏光変換素子112bは除いても色分離合成用として十分に機能する。また、偏光ビームスプリッタの大きさは偏光ビームスプリッタ105RGBが一番大きく、偏光ビームスプリッタ105RBが一番小さく、偏光ビームスプリッタ111がこれらの中間の大きさになるようにすると、照明系から色分離合成系に入射する光をテレセントリックにしても液晶表示素子に入射された光が偏光ビームスプリッタや全反射プリズムよってケラレることを防止することができる。
図14は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第14の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図14の実施例を図8の実施例と比較すると、図14の実施例では、色分離ミラー102と色合成偏光ビームスプリッタ105RGB間にコンデンサレンズ119aが設けられており、色分離ミラー102と反射ミラー109間にコンデンサレンズ119bを設けた点が異なる。従って、G光、R光及びB光の反射及び透過経路は同じである。図14は本発明による映像表示装置に使用する光学エンジンの第14の実施例を示す概略の平面図である。なお、光は実線と点線で示され、実線はS偏光光を、点線はP偏光光を示す。図15の実施例は図9の実施例と比較して、色分離ミラー102の入射側にコンデンサレンズ119が設けられている点が異なる。G光、R光及びB光の反射及び透過経路は図9の場合と同じである。
以下、図8から図15の実施例の作用効果について説明する。図8、10、14の液晶表示素子107B、図9、11、1213、15における液晶表示素子107Gは必ずしも全反射プリズム108で反射させる必要はなく、直接色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBや偏光ビームスプリッタ111に対向して取り付けてもよい。
図8〜15の本実施例では、色分離ミラー102、偏光ビームスプリッタ111、色分離ダイクロイックプリズム111b等の色分離手段と、色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RG、偏光ビームスプリッタ105RB等の色分離合成手段、色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBで示される色合成手段によって構成することができる。従って、軽量、低コストでしかも簡単にRGBの色分離、合成ができる。
また、全ての実施例において、反射ミラー109、全反射プリズム110、117等の第1の反射手段と、全反射プリズム108等の第2の反射手段とを備えることによって、R光、B光及びG光の光路長を同じにすることができる。また、このように構成することによって、軽量、低コストとすることができると共に、種々の配置を構成することができる。即ち、矩形プリズムブロックよりも光学光路長の同じ三角プリズムの方が、同一硝材なら略半分の軽量化と、それによる材料費の削減が図れる。
これらの反射ミラー109、全反射プリズム110、117及び全反射プリズム108等の反射手段はアルミ、銀蒸着ミラー、反射プリズム又はミラー蒸着プリズム等を用いることができる。これによって、反射効率を向上させ、小型軽量化を達成することができる。又は、これら反射手段としては誘電体多層膜を施したダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを採用することができる。これによって、不要光をカットし、色調整が可能となる。さらに、この反射手段に色調整膜104を用いることにより、より精細に色調整を行うことができる。
また、本発明による図8〜10等の実施例においては、分離ミラー102、偏光ビームスプリッタ111、色分離ダイクロイックプリズム111b等の色分離手段によりR光、G光及びB光の内、第1〜第3の光に分離され、第1と第2の光は反射ミラー109、全反射プリズム110、117等の第1の反射手段により光軸方向を、例えば略直角方向に曲げられ、偏光ビームスプリッタ105RG、偏光ビームスプリッタ105RB等の色分離合成手段に入射される。この色分離合成手段に入射した光は第1の光と第2の光に分離され、互いに略直角に配された、それぞれの色の光に対応するライトバルブである映像表示素子に入射され、これら映像表示素子で反射された第1の光及び第2の光は色合成手段に入射される。第3の光は色分離手段で分離された後、この第3の光の出射光軸方向に配置された偏光ビームスプリッタ105RGBで構成される色合成手段をその光軸方向に通過して、第2の反射手段により、例えば略直角方向に曲げられ、第3の光用のライトバルブである映像表示素子に入射され、それぞれの色の光に対応したライトバルブである映像表示素子を反射した後、この映像表示素子から出射された映像光は、色合成手段において第1、第2の光と合成される。従って、本実施例においては、第1〜第3の光である例えば、R光、G光、B光の各色の効率とコントラスト比を最適とすることができる。
また、本発明の実施例においては、照明光学系にてS偏光光あるいはP偏光光に統一された偏光光は、色分離手段によりR光、G光、B光に分離された光の内、第1、第2の2色光は第1の反射手段により光軸方向を略直角方向に曲げられ、特定波長域偏光変換素子により第1、第2の2色光の内、第1の光は偏光方向を第2の光の偏光方向と異なる方向、例えば第1の光がS偏光光ならば第2の色光はP偏光光に偏光変換された後、色分離合成手段に入射される。この色分離合成手段に入射された光は第1、第2の光に分離され、互いに略直角に配された、それぞれの色光に対応するライトバルブである映像表示素子に入射される。色分離手段で分離された残りの第3の光は色分離手段で分離された後、第3の光の出射光軸方向に配置された偏光変換素子、例えば偏光変換素子115、1/2λ波長板などにより偏光方向が変換され、例えばS偏光方向をP偏光方向に変換され(図8参照)、この偏光変換素子の出射側に配置された色合成手段、例えば偏光ビームスプリッタ105RGBを第3の光の光軸方向に通過し、さらに、第3の光は第2の反射手段により略直角方向に曲げられ、この第3の光の色に対応するライトバルブである映像表示素子に入射される。この場合、第2の反射手段を用いずに、単に色合成手段の出射光軸方向に、光学媒質、例えば硝材あるいは空気などを介して、この色のライトバルブである映像表示素子に入射してもよい。それぞれの色のライトバルブである映像表示素子で反射される。これらの映像表示素子から出射された映像光の内、第1の光はP偏光光で映像表示素子から出射され、第2の色光はS偏光光で映像表示素子から出射され、それぞれ、色分離合成手段、例えば偏光ビームスプリッタ105RB、105RGにより色合成、あるいは黒表示などは検光されて、この色分離合成手段の入射光軸とは直交方向に出射される。その後、その出射光軸に配された特定波長域偏光変換素子(例えば、特定波長域偏光変換素子112b)により、S偏光光である第2の色光はP偏光光に変換されて、第1の色光であるP偏光光と偏光方向を揃えられて色合成手段に入射される。一方、第3の光は映像表示素子を反射した後、入射光がP偏光光ならば出射光はS偏光光になるように映像表示素子で偏光方向が変換され、第2の反射手段を介して色合成手段に入射される。第3の光はその後色合成手段で反射されて第1、第2のP偏光光である光と合成されて、第3の光の色合成手段への入射光軸とは別の出射光軸から出射される。また、色分離手段に入射される光がP偏光光の場合は前述の第3の光の偏光変換素子115、1/2λ波長板は必要ではなく、P偏光光のまま色分離手段を透過し、第2の反射手段に入る。第1の光と第の光はそれぞれP偏光、S偏光に分離する必要がるため、前述と同様に特定波長域偏光変換素子を色分離合成手段の入射出射光路上に必要となる。この場合は第3の光用の偏光変換素子が減り低コスト化できる。
本実施例においては、第8の実施例に示すように、第1の色分離手段はR光とG光とを反射させ、B光を透過させてもよい。全反射プリズム108の光の入射位置に色分離合成プリズムを配置することによって、R光とB光を透過させ、B光を反射させる構成としてもよい。また、図11の実施例の様に、R光とB光とを透過させ、G光を反射させてもよい。また、この構成において、R光とG光とを透過させ、B光を反射させてもよい。同様に、色分離手段は図9に示すように、R光、B光を反射させ、G光を透過させてもよい。もしくは、全反射プリズム108の光の入射位置に色分離合成プリズムを配置することによって、R光とB光を透過させ、G光を反射させる構成でもよい。
また、色分離手段はG光とB光を反射させ、R光を透過させる構成、もしくはG光とB光とを透過させ、R光を反射させる構成でもよい。また、本発明の実施例において、色分離手段はダイクロイックミラーまたはダイクロイックプリズムで構成される。色分離合成手段と色合成手段は、偏光分離合成素子である偏光ビームスプリッタで構成される。
本実施例おいては、第1の色分離手段と色分離合成手段の間に、特定波長域偏光変換素子を配置する。また、第1の色分離手段と色合成手段の間、及び色分離合成手段と色合成手段の間に、特定波長偏光変換素子を配した構成としているために、R、G、B各光の効率とコントラスト比が向上する。また、これらの構成において、第1の色分離手段と色合成手段の間、及び色分離合成手段と色合成手段の間に、偏光板(又は、偏光整流素子)を配置することによって、R、G、B各色光のコントラスト比を向上させることができる。
色分離合成手段は、入射する2色にその透過効率あるいは反射効率が最適となるように光学特性のピーク値をとる。例えばR光及びG光の色分離合成に特性を特化させた偏光ビームスプリッタ105RGである構成、もしくは、R光及びB光の色分離合成に特性を特化させた偏光ビームスプリッタ105RB、もしくはG光とB光の色分離合成に特性を特化させた偏光ビームスプリッタ構成でもよい。これにより、R、G、B各色光の効率とコントラスト比を向上させることができる。
色分離合成手段と色合成手段は偏光分離及び検光素子である。これにより、R、G、B各色光のコントラスト比を向上させることができる。色分離合成手段と色合成手段は、色分離合成手段のサイズを色合成手段のサイズより大きくすることによって、光のケラレをなくすことができる。本実施例において、色合成手段は互いに略直交方向から入射するP偏光光である2色(BG光、またはRB光、またはRG光)の光と、S偏光光である1色(R光、またはG光、またはB光)の光を合成して、P偏光光軸方向に3色を出射する構成としてもよい。本実施例において、色合成手段の光軸は投射手段の光軸と平行であるが、光軸はシフトしていてもよい。
図9に示す本実施例においては、反射ミラー部を全反射プリズム108、110としたので、光路長をR光、G光及びB光でそろえることができると共に、バックフォーカスを短縮化することができる。また、全反射プリズム108と色合成プリズムや偏光ビームスプリッタ105RGBとを接着することによって、組立て精度の誤差を低減することができる。
また、G光用の液晶表示素子107Gからの出射光をS偏光光とし、かつR光用の液晶表示素子107Rからの出射光をP偏光光とし、B光用の液晶表示素子107Bからの出射光をS偏光光とすることによって、R、G、B各色光の効率とコントラスト比を向上させることができる。
図11の実施例において、特定波長域偏光変換112dを透過した後、色分離手段である偏光ビームスプリッタ111で色分離され、第1、第2の光色は色分離合成手段(例えば、偏光ビームスプリッタ105RG)を通して、第1、第2の光に対応する液晶表示素子に入出射され、色分離合成手段にて合成されて、入射とは別の直交光軸から出射され、ミラー(全反射ミラー117)を介して色合成手段に入射される。第3の光はミラー(全反射ミラー108)を介して第3の光に対応する液晶表示素子に入出射され、色分離手段を通過し、色合成手段に入射される。その後、色合成手段にて第1、第2、第3の光は合成される。第1〜第3の光の出射する出射方向は、偏光板103、又は特定波長域偏光変換素子112の場所に1/2λ波長板を挿入すれば、照明光軸と直交方向にも、平行方向にも出射できる。
図12の実施例では、図1に示すダイクロイックミラー102をダイクロイックプリズム111bに置き換えている。これによって、液晶表示素子までの入射光路の実行長を短くでき、拡散光を抑えることができる。特に、ダイクロイックプリズム111bの入射前に、例えば図15に示すようにコンデンサレンズ119を入れて、テレセントリック系にすると、偏光ビームスプリッタ、ダイクロイックプリズム、ダイクロイックミラー、偏光板における光線角度に対する特性変化を最小限に抑えることができ、更に拡散光によるプリズム内面反射等の悪影響を低減できる。
また、図13に示す実施例のように、PBS105RGBと偏光ビームスプリッタ111のプリズム面を貼り合わせ、偏光ビームスプリッタ111と全反射ミラー108の面を貼り合わせると、組立て精度が向上し、位置精度が出し易い。
図14に示すように、コンデンサレンズ119a、119bを各光路上に入れることによって、テレセントリック系にすると、偏光ビームスプリッタ、ダイクロイックプリズム、ダイクロイックミラー、偏光板における光線角度に対する特性変化を最小限に抑えることができ、更に拡散光によるプリズム内面反射等の悪影響を低減できる。
また、図15に示すように、第1の色分離手段の前にコンデンサレンズ119を設けることによって、テレセントリック系にすると、偏光ビームスプリッタ、ダイクロイックプリズム、ダイクロイックミラー、偏光板における光線角度に対する特性変化を最小限に抑えることができ、更に拡散光によるプリズム内面反射等の悪影響を低減できる。
図8の実施例においては、色調整膜104としては、例えば、誘電体多層膜を直接偏光ビームスプリッタやダイクロイックプリズムに蒸着したもの、誘電体多層膜を偏光板、特定波長域偏光変換素子、1/2λ波長板や1/4λ波長板を貼り付けたガラスに蒸着して偏光ビームスプリッタやダイクロイックミラーダイクロイックミラーに貼り付けたもの、カラーフィルム、又は色付きガラス等のカラーフィルタ等であり、要はある特定の波長域の透過率を下げることができるものならばなんでも適用できる。
本実施例において、全反射プリズム108は必ずしも必要ではなく、色合成用偏光ビームスプリッタ105RGBのB光の出射面に対向して配置してもよい。但し、本実施例のように全反射プリズム108を設けることによって、各R、G、B光の光路の高さを揃えることができるため、色むらを無くすことができる。
また、本実施例によれば、1個の色分離ミラー102と、偏光ビームスプリッタ(又はダイクロイックプリズム)105RG等の色分離合成用手段、偏光ビームスプリッタ(又はダイクロイックプリズム)105RGB等の色合成用手段によって光学エンジンを構成することができるので、軽量、低コストでR光、G光、B光を分離することができる。
図8、10、14の実施例において、色調整膜104で光の波長を低下させる波長帯域を選択することによって、色調整を行うことができると共に、色の再現性を良好にすることができる。例えば、色調整膜104a、104bで透過率を低下させる波長帯域を選択して、イエローの波長領域とシアンの波長領域の透過率を低下させて良好な色を得るようにしてもよい。また、明るくする場合、イエロー成分を多くしてもよい。この場合、ホワイトバランスを保つために、シアンをカットするように色調整膜104で調整することができる。
図8の実施例において、色調整膜104aは偏光ビームスプリッタ105RGBのB光の入射面に設けられているが、図10に示すように、偏光ビームスプリッタ111のB光の出射面に設けてもよい。図8において、色調整膜104bは色分離合成用(検光用)の偏光ビームスプリッタ105RGのR光及びB光の入射面に設けられているが、図10に示すように、色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RGのR光およびB光の出射面に設けてもよいし、色合成用の偏光ビームスプリッタもしくはダイクロイックプリズム105RGBのR光およびB光の入射面に設けてもよい。すなわち、色調整膜104は検光用の偏光ビームスプリッタ及び色合成用偏光ビームスプリッタもしくはダイクロイックプリズムの光の入射面又は出射面に設けても同様な効果を得ることができる。
図9の実施例において、ダイクロイックミラー等の色分離ミラー102と特定波長域偏光変換素子112a、112bを調整して、色調整を行なうことができる。しかしながら、以下に示す実施例は図9だけではなく他の実施例にも応用できる。
この場合の一例について、図16を用いて説明する。
図16は光の透過率を示す分光特性図であり、横軸は波長Wを、縦軸は光の出力Pを示す。図16(a)は、図9の色分離ミラー102の出力特性曲線P0を示しており、例えば、半値で略500nm〜略600nmの間の光が透過しないように構成されているとする。この色分離ミラー102を透過した光の内、図10(b)に示すように、略600nmより波長が長いS1以下の光をS偏光光からP偏光光に変換し、波長S1以上の波長の光はS偏光光のままで透過させるように、特定波長域偏光変換素子112aの特性曲線P1を構成する。この光は液晶表示素子107B、107Rで反射されて偏光が変換され、S1までの波長の光はS偏光光に変換され、S1以上の波長の光はP偏光光に変換される。図10(c)に示すように、波長S2以下の光はS偏光光からP偏光光に変換し、波長がS1以上の光の偏光方向を変えずP偏光光のままとするような特性曲線P2を持つ特定波長域偏光変換素子112bを通過させると、波長S2〜S1まではS偏光光のままなので、この領域の光は偏光ビームスプリッタ105RGBで反射されるので、投写レンズには入射されない。このようにして、波長S1〜S2の光をカットすることができる。
このようにして、反射ミラー110と特定波長域偏光変換素子112a、112bの組み合わせによって、波長の特定領域の透過率を変えることができる。本実施例において、略600nmを略580nmにすることにより、黄色を排除することができる。同様にして、特定波長域偏光変換素子112と色調整膜104の構成を変えて、明るさを改善することができる。例えば、輝線光を入れて明るさ向上を狙う時には、色調整膜104の半値と特定波長域偏光変換素子112の半値を組み合わせて500nm近傍の光、例えば、500nm〜515nmの光をカットして輝線光580nm近傍の光を入れて明るさ向上とホワイトバランスの改善を行うことができる。
また、ダイクロイックミラー102と色調整膜104の組み合わせによって、同様な効果を得ることができる。本実施例において、ダイクロイックミラー102、全反射ミラー110はダイクロイックプリズムに置き換えることができる。このため、上述の説明において、ダイクロイックミラー102や全反射ミラー110をダイクロイックプリズムに読み替えることができる。
図8、図9の実施例において、偏光板103bは偏光ビームスプリッタ105RGの近傍に設けられ、偏光板103cは偏光ビームスプリッタ105RGBの近傍に設けられている。これら偏光板103を近傍の偏光ビームスプリッタに貼り付けると、界面が削減され、光透過率を上げることができる。また、偏光ビームスプリッタ105は放熱効果が大きく、偏光板103の熱を吸収するため、偏光板103の冷却性をたかめることができる。なお、図8、図9等の光学エンジンをダイクロイックプリズムで構成することができる。この場合、ダイクロイックプリズムに偏光板103を貼り付けてもよい。この場合、偏光板103をフィルムで構成すると好適である。
図8、図9等の実施例において、色分離ミラー102、例えばダイクロイックミラーの入射面に色調整膜を設ける場合、例えば、誘電体多層膜を蒸着する場合、光の入射角が大きい部分の厚さを厚くし、光の入射角が小さい部分の厚さが薄くなるように、膜厚を変えると、半値の波長の値がシフトして、出射光の色及び色ムラを調整することができる。また、図8、図9等に示す光学エンジンをダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムで構成する場合、すなわち、色分離ミラー102をダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムで構成し、偏光ビームスプリッタ105の代わりにダイクロイックプリズムを設ける場合、色調整膜をこれらの入射面に厚さを変えて設けると同様な効果を得ることができる。
図8、図9等の実施例において、色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RG、105RBと色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBの硝材を変えると好適である。例えば、色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RG、105RBには、例えば、PBH53W等の複屈折量が少ない硝材を選択し、合成偏光ビームスプリッタ105RGBには、例えばBK7等の軽くて低コストの硝材を選択することによって、性能の最適化、低コスト化、低重量化が達成できる。色分離ミラー102をダイクロイックプリズムや偏光ビームスプリッタで構成し、偏光ビームスプリッタ105をダイクロイックプリズムで置き換える場合も同様に適用できる。この場合、分離用のダイクロイックプリズムを合成用の偏光ビームスプリッタもしくはダイクロイックプリズムと同様に、軽く、低コストの硝材を使ってもよい。
図8、図9等において、色分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RG、105RBの容積をV1とし、色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBの容積をV2とした場合、V1をV2より小さくし、上述したように硝材を選択すると、使用特性に合わせて性能の最適化が可能であり、また、低コスト硝材を使用でき、重量も低減できる。変形例として、色分離ミラー102として、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを使い、偏光ビームスプリッタ105の代わりにダイクロイックプリズムを使用する場合にも適用できる。特に色分離用及び色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBやダイクロイックプリズムの大きさを大きくすると、入出射光線がケラレないようにすることができる。この場合、硝材の透過効率、あるいは反射率などの使用目的に対して、偏光ビームスプリッタやダイクロイックプリズムの硝材を変えることにより、性能向上、コストの軽減、比重の軽い硝材を利用して軽量化を狙える。例えば、検光偏光ビームスプリッタは高屈折で光り弾性定数の0.5×10-12N/m2、大きさ□32及び応力を5.3×104以Pa以下である硝材で消光比を良好にするが、色分離用や色合成用のダイクロイックプリズムや偏光ビームスプリッタは比重が軽く、誘電体多層膜も含めて総合的な透過効率の良い硝材を用いれば、光線のケラレ防止で体積を大きくした場合にも、性能向上と軽量化及び低コスト化を狙える。
次に、図17を用いて、液晶表示素子を偏光ビームスプリッタ105に取り付ける場合の例について説明する。
図17(a)、(b)は偏光ビームスプリッタへの液晶表示素子の取り付け方の実施例を示す一部断面平面図である。図17(a)において、液晶表示素子107Gは枠107に液晶材132が封入され、その両側にカバーガラス133a、133bが設けられている。この液晶表示素子107Gの位置を調整後、枠130部分を接着剤134a、134bで直接偏光ビームスプリッタ105Gに接着されている。接着剤としては例えば、UV接着剤や熱硬化接着剤などを用いて硬化させても良い。本実施例において、カバーガラス133aと偏光ビームスプリッタ105Gを接着剤で接着または固定してもよい。
図17(b)は他の実施例を示すもので、本実施例においては調整板134が設けられており、この調整板134が偏光ビームスプリッタ105Gに接着剤134で接着される。液晶表示素子107Gは偏光ビームスプリッタ105Gに対して位置が調整された後、枠130が調整板134に接着または固定される。また、カバーガラス133aと偏光ビームスプリッタ105Gとの間にシリコンオイルあるいは接着剤等を用いて空気層を無くすことができる。本実施例によれば、偏光ビームスプリッタ105Gと液晶表示素子107G間の界面を低減させることができるため、光利用効率を上げることができる。なお、図17の実施例では、偏光ビームスプリッタ105GとG光用の液晶表示素子を例にとって説明したが、R光、B光用の液晶表示素子107R、107Bについても同様に偏光ビームスプリッタ105RBに直接取り付けることによって、同様な効果を得ることができる。
次に、図18を用いて、偏光ビームスプリッタの組立について説明する。図18(a)は偏光ビームスプリッタの一実施例を示す斜視図であり、図18(b)は偏光ビームスプリッタの組立構造部の一実施例を示す斜視図である。本実施例において、図8に示す色分離ミラー102、全反射ミラー110を偏光ビームスプリッタもしくはダイクロイックプリズムとした、4個のプリズムを使用した構成として示している。
図18(a)において、151は色分離用の偏光ビームスプリッタもしくはダイクロイックプリズムであり、貼り合わせ面に段差を設けるために、高さの長い三角柱のプリズム151Hと短い三角柱のプリズム151Lとから構成されている。152はG光用の偏光ビームスプリッタであり、貼り合わせ面に段差を設けるために、長い三角柱のプリズム152Hと短い三角柱のプリズム152Lとから構成されている。153はR光およびB光用の偏光ビームスプリッタであり、貼り合わせ面に段差を設けるために、長い三角柱のプリズム153Hと短い三角柱のプリズム153Lとから構成されている。光は色分離用の偏光ビームスプリッタ151もしくはダイクロイックプリズムで色分離され、G光は偏光ビームスプリッタもしくはダイクロイックプリズム152で反射されてG光用液晶表示素子107Gに入射され、液晶表示素子107Gで反射されたG光は色合成用の偏光ビームスプリッタ154で反射されて投射レンズ(図示せず)に入射される。偏光ビームスプリッタ151で分離されたR光およびB光は偏光ビームスプリッタ153で分離されて、それぞれ液晶表示素子107R、107Bに入射される。液晶表示素子107R、107Bで反射されたR光、B光は色合成用の偏光ビームスプリッタ154を透過して投射レンズ(図示せず)に入射される。各偏光ビームスプリッタ間の隙間には偏光板、1/2λ波長板、特定波長域偏光変換素子等が挿入される。長い三角柱のプリズムと短い三角柱のプリズムの組み合わせによって、偏光ビームスプリッタ151〜154の上下にはそれぞれ段部155が設けられている。図18(b)において、157は組立構造部であり、長い三角柱のプリズム151H〜154Hを載置する台部158H〜161H及び短い三角柱のプリズム151L〜154Lを載置する台部158L〜161Lが設けられている。なお、この組立構造部157に設けられている突起部163は位置決めのために使用される。
図18(a)の偏光ビームスプリッタを組立構造部157に組み立てるには、長い三角柱のプリズム151H〜154Hの底部を台部158H〜161Hに位置決め用の突起部163に接するように配置し、短い三角柱のプリズム151L〜154Lを台部158L〜158Lに位置決め用の突起部163に接するように配置する。各偏光ビームスプリッタ151〜154の間には溝が施されており、偏光板や特定波長域偏光変換素子等が配置される。このとき、バネやフォーム等で位置決めされると精度良く配置できる。
本実施例においては、偏光ビームスプリッタ151〜154に段部を設け、この段部で位置決めを行っているために、偏光ビームスプリッタの誘電体多層膜の面が基準面となり、組立精度が向上し、したがって、性能も向上する。また、図より明らかなように、本実施例においては、色分離用の偏光ビームスプリッタ151は光の入射側のプリズム151Hの面積を広くし、出射側偏光ビームスプリッタ、すなわち色合成用の偏光ビームスプリッタの出射側のプリズム154Hの面積を広くしている。光は液晶表示素子に到達するまでは、先に行くに従って光の透過面積を小さくする方が好適であり、液晶表示素子から出射された光は先に行くにしたがって透過面積が大きくなるように設定して光のケラレを防ぐようにすると好適である。本実施例ではこの様な効果を達成することができる。なお、図18において、一部の偏光ビームスプリッタをダイクロイックプリズムで構成する場合においても同様な効果を得られることは言うまでもない。
次に、1/4λ波長板の調整機構について、図19を用いて説明する。図19は1/4λ波長板の取付を説明するための側面図である。図において、160は例えば、図8の1/4λ波長板106bの取付板であり、偏光ビームスプリッタ152からの光が透過するための窓が設けられている。1/4λ波長板106bは軸161に固定されている。軸161は取付板160に回転可能に取り付けられており、液晶表示素子107Gとの光の偏光軸が合うように調整され、調整後取付板160に固定される。1/4λ波長板106bの回転軸の中心はプリズム152Lの上面に合わせて位置決めされている。すなわち、1/4λ波長板106bは偏光ビームスプリッタ152の上面あるい下面、もしくは出射側あるいは左右の面を基準としている。したがって、液晶表示素子交換時も基準が一定であり、もとの位置が明確なため、調整手順を明確にすることができる。上記の実施例は他の1/4λ波長板の取付にも適用できることは言うまでもない。
図8、図9等において、各偏光ビームスプリッタ105RG、105RB、105RGBには光の透過又は反射に寄与しない面があるが、これらの面での光の乱反射を防ぐために、これら光の透過又は反射に使用しない面をすりガラスにしたり、黒く塗りつぶすと好適である。偏光ビームスプリッタをダイクロイックプリズムに置き換えた場合も同様である。
図8を参照すると、色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBに入射するB光はS偏光光であり、RG光はP偏光光であり、かつB光用の液晶表示素子107Bからの出射光軸と色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBの出射光軸は直角になるように配置されている。色合成用の偏光ビームスプリッタRGBの代わりに、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを用いることができる。
図8に示す色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBの代わりにダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを用いた場合、色合成用のダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズム内で、反射光として他の光と合成される光はS偏光光の方が効率がよく、逆に透過光として合成される光はP偏光光の方が効率がよい。すなわち、反射光がS偏光光の場合は、ダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムに設けられた誘電体多層膜の反射帯域幅が広くなり、帯域シフト等による膜特性の影響を受け難い。また、透過光がP偏光光の場合には、 ダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムに設けられた誘電体多層膜の透過帯域幅が広くなり、帯域シフト等による膜特性の影響を受け難い。従って、B光はS偏光で反射光とし、 ダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムを透過するRG光をP偏光として合成し、 ダイクロイックミラー又はダイクロイックプリズムによって反射される光軸方向に出射するように構成すると効率がよい。一方、色合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBを用いる場合は、B光用の液晶表示素子107Bからの光を偏光ビームスプリッタ105RGBで反射させ、RG光と合成して出射するように構成した場合、当然ながら反射光をS偏光光とし、透過光をP偏光光とする必要がある。
図9においては、色合成手段である偏光ビームスプリッタ105RGBに入射されるG光はS偏光光であり、RB光はP偏光光であり、かつ、G光用の液晶表示素子107Gからの出射光と平行になるように出射手段である偏光ビームスプリッタ105RGBの出射光軸が設けられる。また、図9を参照すると、R光用の液晶表示素子107RとB光用の液晶表示素子107Bは略直角に配置され、R光及びB光を分離合成する分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RBの入射光軸と出射光軸とは略直角であり、この出射光軸と略平行に投射レンズ113が配置されるように構成されている。本実施例において、分離合成用の偏光ビームスプリッタ105RBの代わりに、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムを用いることができることは言うまでもない。光学エンジンを図8、9等に示すように構成することによって、図14に示すような映像表示装置が得られる。
図20は本発明による映像表示装置の一実施例を示す概略斜視図である。図において、光学系を透視して示している。図において、171は照明光学系であり、172は図8、9に示すような光学エンジンである。照明光学系171から光の分離合成ユニット172に入射された光の光軸は略直角に曲げられて光の分離合成ユニット172から出射される。この光は投射レンズ118を通してキャビネットの背面に設けられた反射ミラー174で反射されてスクリーン175に投射される。この場合、分離合成ユニット172と投射レンズ118の光軸をシフトさせて背面の反射ミラー174への入射角度を変化させてもよい。これによりミラーサイズを小さくし、また、セットの奥行き方向サイズを小さくできる。また、この場合、検光プリズムと色合成プリズムの光軸をシフトしてもよい。さらには投射レンズ118の光軸と色合成プリズムの光軸を段階的にシフトしてもよい。
図21は光学系の他の実施例を示す斜視図である。図は図14と比較して、光軸を変換するためのミラー176が設けられている点が異なる。本実施例ではミラー176を設けることによって、直接スクリーンに映像を投射することができる。図20及び図21の実施例においては光学系をコンパクトに配置することができる。
図8において、反射ミラー109に直接偏光変換素子101からR光、B光及びG光を入射し、G光及びB光を反射ミラー109を透過させ、B光を反射させ、このB光を偏光ビームスプリッタで反射させてB光用の液晶表示素子に入射させ、 B光用の液晶表示素子からの光を合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBに入射させ、これを透過して出射させ、一方G光及びR光をそれぞれR光及びBG光用の液晶表示素子に入射させ、ここから出射された光を合成用の偏光ビームスプリッタ105RGBで反射させて、出射させることによって、色分離ミラーとして働くミラー109に入射される光軸と、偏光ビームスプリッタ105RGBから投写レンズに出射される光軸は略平行になるように構成することができる。なお、この場合、偏光ビームスプリッタをダイクロイックミラーやダイクロイックプリズムに置き換えることができることは当業者ならば当然のことである。
上述した光学エンジンを用いた映像表示装置について、図22を用いて説明する。
図22は本発明による映像表示装置の他の実施例を示す概略斜視図である。図において、照明光学系171から光学エンジン178に入射する光の入射軸と光学エンジン178から出射される光軸とは略平行になっており、光学エンジン179から出射された光は反射ミラー179で反射されて投写レンズ118に入射され、キャビネット173の背面に設けられた反射ミラー174で反射されてスクリーン175に投射される。
本実施例においては、投写レンズのバックフォーカスを短くすることができるので、投射レンズの枚数を低減して小型化することができる。図23は光学系の更に他の実施例を示す斜視図である。図においては反射ミラー179を使用しない配置例である。図22の実施例と比較して、映像表示装置は縦方向に多少長くなるが、横方向に短くすることができる。図20及び図22において、投射レンズからの出射光をキャビネット173の背面に設けられた反射ミラー174によってスクリーン175に投射する場合、スクリーン175に一体にレンズ、例えばフレネルレンズを設けて広がりのある光を略平行にするとセットの小型化を達成することができる。
図1において、液晶表示素子2R、2G、2Bの前に配置されたコンデンサレンズ30を投射レンズ20と一体と考え、投射レンズ20の絞り面近傍に第一合成焦点位置が存在するように構成すると、偏光ビームスプリッタ16G、16RB、色合成ミラー19を通過する光束を絞ることができるため、これらを小型にすることができる。特に色合成ミラー19の代わりに、色合成偏光ビームスプリッタ又はダイクロイックプリズムを用いた場合には、プリズムが軽くなり、安価になる効果が得られる。
図8または図9等において、色分離ミラー102の代わりにダイクロイックプリズム又はダイクロイックミラーを用い、偏光ビームスプリッタ105RGBの代わりに、ダイクロイックプリズムまたはダイクロイックミラーを用いた場合、色分離ダイクロイックプリズム又はダイクロイックミラーの半値波長と色合成ダイクロイックプリズム又はダイクロイックミラーの半値波長とを異なる値とすることにより、不要光を排除し、色純度を向上させることができる。例えば、入射のダイクロ特性、すなわちバンドパスフィルタの低域半値波長を500nm、高域半値波長590nmとし、出射プリズムのダイクロ特性の低域半値波長を510nm、高域半値波長580nmと規定すると、500nm〜510nmのシアンと580nm〜590nmの間の黄色光を排除することができる。この組み合わせは特定波長域偏光変換素子とダイクロイックの組み合わせでも可能であり、さらには特定波長域偏光変換素子と偏光ビームスプリッタの組み合わせでも可能である。カットする光は近紫光、近赤外光であっても良く、組み合わせは十である。
図8、9等の実施例において、偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGB間に冷却流路を設けると、特定波長偏光変換素子112や偏光板103の直接冷却を行えるため、冷却効率が良い。偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGBの光の入射面または偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGBの間に冷却媒体の吹き出し口を設けることによって、特定波長偏光変換素子112や偏光板103の直接冷却を行えるため、冷却効率が良い。偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGBの光の入射面または偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGBの間に冷却媒体の入出射口を同時に設けることによって、冷却媒体の流量を増やし、直接冷却を行えるので、さらに冷却効率が良い。上記の冷却方式において、偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGBの光の入射面または偏光ビームスプリッタ105RG、又は105RBと偏光ビームスプリッタ105RGBの間に設けられた偏光板103を直接冷却することによって、偏光板103を直接冷却でき、冷却を高効率で実現、性能向上もできる。
本発明によれば、小型、軽量化を達成できるとともに、さらには色純度を自由に制御でき、色ムラ等を改善し、性能向上を同時に実現することができる。また、色分離手段を偏光ビームスプリッタと特定波長域偏光変換素子の組合せで行っているので、角度依存性にともなう影響が少なく、色性能の設計が容易になる。したがって、小型、高輝度、高画質の光学エンジンまたは投射型映像表示装置を実現できる。さらに、部品点数を削減できるので、低コスト化を達成できる。
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