JP4849743B2 - 工業用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工業用組成物、詳しくは、防藻剤および/または防かび剤として好適に用いられる工業用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品には、藻類やかびなどの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような微生物の繁殖を防除するために防藻効果や防かび効果を発現する防藻剤や防かび剤が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、既存の防藻剤や防かび剤では、雨水や湿気、あるいは、太陽光線などの紫外線を受ける屋内外の環境下において、その防藻効果や防かび効果が著しく低下するものも多い。
【0004】
また、近年では、環境保護の観点より、水性塗料や水性接着剤などの使用が増加しつつあるため、油性塗料や油性接着剤のみならず、アルカリ性の水性塗料や水性接着剤などにも有効に用いることのできる防藻剤や防かび剤の開発が望まれている。
【0005】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、耐熱性、耐水性、耐候性および耐アルカリ性に優れ、防藻効果および防かび効果を発現することのできる、工業用組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、
(1)トリアジン系化合物およびトリアゾール系化合物を含有することを特徴とする工業用組成物、
(2)トリアジン系化合物が、一般式(1)
【0007】
【化4】
(式中、R1、R2、R3およびR4は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子またはアルキルチオ基を示す。)
で表わされる化合物であることを特徴とする、前記(1)に記載の工業用組成物、
(3)一般式(1)の式中、R1およびR2が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R3およびR4が炭素数1〜4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xがハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキルチオ基であることを特徴とする、前記(2)に記載の工業用組成物、
(4)トリアジン系化合物が、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジンおよび2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記(1)〜前記(3)のいずれかに記載の工業用組成物、
(5)トリアゾール系化合物が、一般式(2)
【0008】
【化5】
(式中、Y1、Y2およびY3は同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、A1は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)、
および/または、一般式(3)
【0009】
【化6】
(式中、Y4およびY5は同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、A2は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)
で表わされる化合物であることを特徴とする、前記(1)〜前記(4)のいずれかに記載の工業用組成物、
(6)トリアゾール系化合物が、一般式(2)で表わされる化合物であり、一般式(2)の式中、Y1、Y2およびY3が同一または相異なって水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、A1がハロゲン置換フェニル基またはハロゲン置換フェニルアルキル基であることを特徴とする、前記(5)に記載の工業用組成物、
(7)トリアゾール系化合物が、一般式(3)で表わされる化合物であり、一般式(3)の式中、Y4およびY5が、ともに水素原子、または、一方が水素原子で他方が炭素数1〜4の炭化水素基であり、A2がハロゲン置換フェニル基であることを特徴とする、前記(5)に記載の工業用組成物、
(8)トリアゾール系化合物が、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、前記(1)〜前記(7)のいずれかに記載の工業用組成物、
(9)防藻剤および/または防かび剤である、前記(1)〜前記(8)のいずれかに記載の工業用組成物
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の工業用組成物は、特に限定されないが、工業用の防藻剤および/または防かび剤として有用であり、その有効成分として、トリアジン系化合物およびトリアゾール系化合物を含有している。
【0011】
本発明において、トリアジン系化合物としては、例えば、下記一般式(1)で表わされる化合物が挙げられる。
【0012】
【化7】
(式中、R1、R2、R3およびR4は水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、Xはハロゲン原子またはアルキルチオ基を示す。)
上記一般式(1)中、R1、R2、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基などが挙げられる。
【0013】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
【0014】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニルなどの炭素数2〜4のアルケニル基が挙げられる。
【0015】
アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどの炭素数2〜5のアルキニル基が挙げられる。
【0016】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
【0017】
アリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
【0018】
R1、R2、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0019】
上記した、R1およびR2で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基が好ましい。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
【0020】
上記した、R3およびR4で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよいアルキル基または置換基を有していてもよいシクロアルキル基が好ましい。
【0021】
R3およびR4で示される置換基を有していてもよいアルキル基のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチルなどの炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、その置換基としては、上記と同様のものが挙げられる。
【0022】
また、R3およびR4で示される置換基を有していてもよいシクロアルキル基のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの炭素数3〜6のシクロアルキル基が挙げられる。また、その置換基としては、上記と同様のものが挙げられる。
【0023】
Xで示されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。また、Xで示されるアルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基が挙げられる。
【0024】
上記一般式(1)の好ましい態様としては、R1およびR2が、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R3およびR4が、置換されていないかあるいは炭素数1〜4のアルコキシ基によって置換されている炭素数1〜5のアルキル基、または、置換されていないかあるいは炭素数1〜4のアルコキシ基によって置換されている炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xが、ハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキルチオ基である態様が挙げられる。このうち、とりわけ、炭素数3〜6のシクロアルキル基がシクロプロピル基であり、Xが塩素原子であるか、メチルチオまたはエチルチオである態様が好ましい。
【0025】
このようなトリアジン系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができる。その具体例としては、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン、2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンなどが挙げられる。これらのうち、より好ましくは、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンが挙げられる。これらトリアジン系化合物は、単独または2種以上併用してもよい。
【0026】
トリアジン系化合物は、塩基のまま用いてもよく、また、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との塩、あるいは、例えば、酢酸、プロピオン酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸との塩として用いてもよい。
【0027】
本発明において、トリアゾール系化合物としては、例えば、下記一般式(2)および/または下記一般式(3)で表わされる化合物が挙げられる。
【0028】
【化8】
(式中、Y1、Y2およびY3は同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、A1は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)、
【0029】
【化9】
(式中、Y4およびY5は同一または相異なって水素原子または置換基を有していてもよい炭化水素基を、A2は置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基を、nは1〜3の整数を示す。)
上記一般式(2)中、Y1、Y2およびY3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基およびアリール基などが挙げられる。
【0030】
Y1、Y2およびY3で示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、sec−オクチル、tert−オクチル、ノニル、デシルなどの炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
【0031】
Y1、Y2およびY3で示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニルなどの炭素数2〜4のアルケニル基が挙げられる。
【0032】
Y1、Y2およびY3で示されるアルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、ペンチニルなどの炭素数2〜5のアルキニル基が挙げられる。
【0033】
Y1、Y2およびY3で示されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどの炭素数3〜8のシクロアルキル基が挙げられる。
【0034】
Y1、Y2およびY3で示されるアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
【0035】
Y1、Y2およびY3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子およびアルコキシ基が挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0036】
上記した、Y1、Y2およびY3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基のうちでは、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、その中でも、アルキル基、シクロアルキル基が好ましい。Y1、Y2およびY3で示されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、とりわけ、メチルが好ましい。また、Y1、Y2およびY3で示されるシクロアルキル基としては、シクロプロピルが好ましい。
【0037】
Y1、Y2およびY3の好ましい例としては、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、Y1、Y2およびY3がともに水素原子、Y1、Y2およびY3がともにアルキル基、Y1、Y2およびY3がともにシクロアルキル基である態様、例えば、Y1、Y2およびY3のうち、いずれか2つがアルキル基で、残りがシクロアルキル基または水素原子、Y1、Y2およびY3のうち、いずれか2つがシクロアルキル基で、残りがアルキル基または水素原子、Y1、Y2およびY3のうち、いずれか2つが水素原子で、残りがシクロアルキル基またはアルキル基である態様、例えば、Y1、Y2およびY3のうち、いずれか1つがアルキル基で、いずれか1つがシクロアルキル基で、残りが水素原子である態様が挙げられる。これらの態様のうち、Y1、Y2およびY3がともにアルキル基である態様、および、Y1、Y2およびY3のうち、いずれか1つがアルキル基で、いずれか1つがシクロアルキル基で、残りが水素原子である態様がより好ましい。
【0038】
また、A1で示される置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。好ましくは、フェニルが挙げられる。また、A1で示される置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、例えば、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、ジフェニルメチルなどの炭素数7〜13のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、1−フェニルエチルが挙げられる。さらに、A1で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基など)などが挙げられる。好ましくは、ハロゲン原子が挙げられる。これらの置換基は同一または相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していてもよい。
【0039】
これらのうち、A1で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基の最も好ましい例としては、ハロゲン置換されているフェニル、ハロゲン置換されている1−フェニルエチルが挙げられる。
【0040】
なお、上記一般式(2)で表わされるトリアゾール系化合物において、nは、1であることが好ましい。
【0041】
また、上記一般式(3)で表わされるトリアゾール系化合物において、Y4およびY5で示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、Y1、Y2およびY3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基として上記したものと同様のものを挙げることができ、その中でも、置換基を有していない炭化水素基が好ましく、とりわけ、アルキル基が好ましい。より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。Y4およびY5の好ましい例としては、水素原子、アルキル基が挙げられ、好ましい態様としては、例えば、Y4およびY5がともに水素原子、Y4およびY5のうち、いずれか一方が水素原子であって他方がアルキル基、Y4およびY5がともにアルキル基である態様が挙げられる。
【0042】
また、A2で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基としては、A1で示される置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアラルキル基として上記したものと同様のものを挙げることができ、好ましくは、置換基を有していてもよいアリール基、より好ましくは、ハロゲン置換されているフェニルが挙げられる。
【0043】
なお、上記一般式(3)で表わされるトリアゾール系化合物において、nは、1であることが好ましい。
【0044】
このようなトリアゾール系化合物は、以下に示す具体的な化合物に準じて公知の方法により製造することができる。その具体例としては、例えば、次式(4)で示されるα−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、
【0045】
【化10】
次式(5)で示される1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、
【0046】
【化11】
次式(6)で示される1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、
【0047】
【化12】
次式(7)で示されるα−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)
【0048】
【化13】
などが挙げられる。より好ましくは、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)が挙げられる。これらトリアゾール系化合物は、単独で用いてもよく、また、2種以上併用してもよい。
【0049】
このような、トリアジン系化合物とトリアゾール系化合物とが配合される割合は、例えば、トリアジン系化合物100重量部に対して、トリアゾール系化合物が10〜300重量部、好ましくは、40〜240重量部、さらに好ましくは、50〜200重量部である。
【0050】
また、トリアジン系化合物とトリアゾール系化合物との配合は、例えば、物理的に混合するなど、公知の配合方法を用いればよい。
【0051】
このようにして得られる本発明の工業用組成物は、防かびおよび防藻において、優れた効力を有するため、好ましくは、防藻剤および/または防かび剤として有効に用いられる。
【0052】
なお、本発明の工業用組成物は、予めトリアジン系化合物とトリアゾール系化合物とを配合して製剤化したものを適用対象物に添加してもよく、また、トリアジン系化合物とトリアゾール系化合物とを、適用対象物に、それぞれ個別に添加して、適用対象物中において作用させてもよい。
【0053】
本発明の工業用組成物を、防かび剤および/または防藻剤として用いる場合には、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の剤型に製剤化して用いることができる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製してもよい。
【0054】
これらのうち、例えば、液剤として製剤化するには、トリアジン系化合物およびトリアゾール系化合物を上記した割合で、適宜溶剤に溶解または分散すればよい。より具体的には、例えば、溶剤60〜98重量%に対して、トリアジン系化合物が1〜20重量%、トリアゾール系化合物が1〜20重量%となる割合で配合し、溶解または分散させればよい。
【0055】
このときに用いられる溶剤としては、トリアジン系化合物およびトリアゾール系化合物を溶解しまたは分散し得る溶剤であれば特に制限されない。
【0056】
このような溶剤としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶剤、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶剤、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレンカーボネートなどのケトン系溶剤、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチルエーテルなどのエーテル系溶剤、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチルなどのエステル系溶剤、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、イソプロピルナフタレン、ジイソプロピルナフタレン、エチルビフェニル、ジエチルビフェニル、ソルベントナフサなどの芳香族系溶剤、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレンなどのハロゲン化炭化水素系溶剤、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリドンなどの極性溶剤などが挙げられる。
【0057】
また、工業的に使用されている脂肪族系石油溶剤や芳香族系石油溶剤を用いてもよい。脂肪族系石油溶剤としては、例えば、ミネラルスピリットなどが挙げられる。また、芳香族系石油溶剤としては、市販品として、例えば、MSP(蒸留範囲(℃)90〜120、比重(15/4℃)0.820以上、混合アニリン点(℃)26以下、芳香族含量(容量%)70以上)、スーパーゾール100(蒸留範囲(℃)95〜111、比重(15/4℃)0.825、混合アニリン点(℃)26.0、芳香族含量(容量%)75以上)、ペガゾールARO−80(蒸留範囲(℃)104〜123、比重(15/4℃)0.832、混合アニリン点(℃)26、芳香族含量(容量%)75.9)、スワゾール100(蒸留範囲(℃)106〜116、比重(15/4℃)0.835、混合アニリン点(℃)24.6、芳香族含量(容量%)76.4)、スワゾール200(蒸留範囲(℃)132〜144、比重(15/4℃)0.844、混合アニリン点(℃)23.8、芳香族含量(容量%)80.9)、MHS(蒸留範囲(℃)140〜170、比重(15/4℃)0.86〜0.88、混合アニリン点(℃)11〜12、芳香族含量(容量%)98以上)、ハイアロム2S(蒸留範囲(℃)152〜187、比重(15/4℃)0.816、混合アニリン点(℃)47以下、芳香族含量(容量%)45〜55)、スワゾール310(蒸留範囲(℃)153〜177、比重(15/4℃)0.817、混合アニリン点(℃)43.6、芳香族含量(容量%)51.0)、スーパーゾール150(蒸留範囲(℃)153〜197、比重(15/4℃)0.815、混合アニリン点(℃)21.5、芳香族含量(容量%)50以上)、昭石ハイゾール(蒸留範囲(℃)153〜198、比重(15.6/15.6℃)0.818、芳香族含量(容量%)55)、HAWS(蒸留範囲(℃)154〜190、比重(15/4℃)0.822、芳香族含量(容量%)50)、スーパーゾール1500(蒸留範囲(℃)155〜171、比重(15/4℃)0.869、混合アニリン点(℃)14.6、芳香族含量(容量%)98以上)、日石ハイゾール100(蒸留範囲(℃)155〜180、比重(15/4℃)0.870〜0.880、混合アニリン点(℃)15以下、芳香族含量(容量%)99.0以上)、ベガゾールR−100(蒸留範囲(℃)156〜174、比重(15/4℃)0.874、混合アニリン点(℃)14、芳香族含量(容量%)96.4)、ソルベッソ100(蒸留範囲(℃)158〜177、比重(15/4℃)0.870、混合アニリン点(℃)14、芳香族含量(容量%)98.0)、MSS(蒸留範囲(℃)158〜180、比重(15.6/15.6℃)0.86〜0.89、混合アニリン点(℃)13〜14、芳香族含量(容量%)98以上)、SHELLSOL A(蒸留範囲(℃)160〜182、比重(15/4℃)0.873、芳香族含量(容量%)98)、スワゾール1000(蒸留範囲(℃)162〜176、比重(15/4℃)0.878、混合アニリン点(℃)12.7、芳香族含量(容量%)99.7)、出光イプゾール100(蒸留範囲(℃)162〜179、比重(15/4℃)0.875、混合アニリン点(℃)13.5、芳香族含量(容量%)99.5以上)、昭石特ハイゾール(蒸留範囲(℃)162〜180、比重(15/4℃)0.881、混合アニリン点(℃)12.6、芳香族含量(容量%)99.99)、スワゾール1500(蒸留範囲(℃)180〜207比重(15/4℃)0.886、混合アニリン点(℃)16.5、芳香族含量(容量%)98.8)、日石ハイゾール150(蒸留範囲(℃)182〜216、比重(15/4℃)0.887〜0.904、混合アニリン点(℃)17以下、芳香族含量(容量%)99.0以上)、スーパーゾール1800(蒸留範囲(℃)183〜208、比重(15/4℃)0.889、混合アリニン点(℃)15.7、芳香族含量(容量%)99以上)、ソルベッソ150(蒸留範囲(℃)185〜211、比重(15/4℃)0.896、混合アニリン点(℃)18.3、芳香族含量(容量%)97.3)、出光イプゾール150(蒸留範囲(℃)186〜205、比重(15.6/15.6℃)0.895、混合アニリン点(℃)15.2、芳香族含量(容量%)99.5以上)、SHELLSOL AB(蒸留範囲(℃)187〜213、比重(15/4℃)0.894、芳香族含量(容量%)99.5)、ペガゾールR−150(蒸留範囲(℃)191〜212、比重(15/4℃)0.890、混合アニリン点(℃)18、芳香族含量(容量%)97.2)、スワゾール1800(蒸留範囲(℃)197〜237、比重(15/4℃)0.940、混合アニリン点(℃)14.0、芳香族含量(容量%)99.6)が挙げられる。
【0058】
これらのうち、好ましくは、グリコール系溶剤、芳香族系溶剤および芳香族系石油溶剤が挙げられる。これら溶剤は、単独または2種以上併用してもよい。
【0059】
さらに、本発明の工業用組成物は、その目的および用途によって、公知の添加剤、例えば、他の防藻剤および/または防かび剤、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
【0060】
他の防藻剤および/または防かび剤としては、例えば、3−ヨード−2−プロピニル−ブチル−カーバメイト、ジヨードメチル−p−トリルスルホンおよびp−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンなどのジチオール系化合物、例えば、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどのチオフェン系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミドおよびN−(フルオロジクロロメチルチオ)−N,N’−ジメチル−N−フェニル−スルファミドなどのハロアルキルチオ系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、ジンクピリチオンおよびナトリウムピリチオンなどのピリチオン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどの尿素系化合物、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカーバメイト、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾールなどのイミダゾール系化合物、例えば、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−ベンツイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンなどのイソチアゾリン系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン 4−オキシドなどのオキサチアジン系化合物などが挙げられる。
【0061】
これらの他の防藻剤および/または防かび剤は、単独または2種以上併用してもよい。また、これらの配合割合は、その剤型および目的ならびに用途によって適宜決定される。
【0062】
また、界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など、公知の界面活性剤が挙げられ、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。
【0063】
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック共重合物などが挙げられる。
【0064】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられる。また、これらの金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
【0065】
また、酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−t−ブチルフェノール]などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
【0066】
これら、界面活性剤および酸化防止剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
【0067】
また、光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。
【0068】
このような光安定剤は、例えば、液剤の場合には、液剤100重量部に対して0.1〜10重量部添加される。
【0069】
このようにして得られる本発明の工業用組成物は、耐熱性、耐水性、耐候性および耐アルカリ性に優れ、防藻効果および防かび効果を発現することができる。
【0070】
そのため、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、印刷インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、プラスチック製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品などの防藻・防かび用途において有効に用いることができる。
【0071】
とりわけ、本発明の工業用組成物は、耐水性、耐候性に優れているため、雨水や湿気、あるいは、太陽光線などの紫外線を受ける屋内外の環境下においても好適に用いることができ、さらに、特に耐アルカリ性(pH8〜12)に優れているため、その適用対象が、油性のみならず水性であっても、その効果を有効に発現することができる。そのため、そのような環境下で使用される水性および油性の塗料や接着剤、あるいは、プラスチック製品などに好適に用いることができる。
【0072】
したがって、本発明の工業用組成物は、より具体的には、油性または水性の屋外塗料(外壁塗料など)や屋外接着剤、船底塗料、屋外用ビニルフィルム(農業用ビニルフィルムなど)、各種プラスチック製品、シーリング剤、目地剤などの用途に好適に用いることができる。
【0073】
なお、本発明の工業用組成物は、その適用対象に応じて添加量を適宜決定すればよいが、10〜20000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、200〜10000mg(有効成分)/kg(製品)の濃度として用いることが好ましい。
【0074】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。
【0075】
(1) 実施例および比較例の工業用組成物の調製
有効成分および溶剤として下記のものを用いて、これらを表1に示す割合となるように配合した後、攪拌することにより、実施例1、2および比較例1、2の工業用組成物を調製した。
【0076】
トリアジン系化合物:
イルガロール1071(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、98重量%含有)
トリアゾール系化合物:
テブコナゾール(バイエル社製、98重量%含有)
溶剤:
メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)
実施例1
90gのメチルカルビトールに、5gのイルガロール1071と、5gのテブコナゾールと加え、室温で撹拌して、100gのほとんど透明な液体からなる工業用組成物を得た。
【0077】
実施例2
90gのメチルカルビトールに、7.5gのイルガロール1071と、2.5gのテブコナゾールと加え、室温で撹拌して、100gのほとんど透明な液体からなる工業用組成物を得た。
【0078】
比較例1
90gのメチルカルビトールに、10gのイルガロール1071を加え、室温で撹拌して、100gのほとんど透明な液体からなる工業用組成物を得た。
【0079】
比較例2
90gのメチルカルビトールに、10gのテブコナゾールを加え、室温で撹拌して、100gのほとんど透明な液体からなる工業用組成物を得た。
【0080】
【表1】
(2) 試験塗膜の調製
1)表2に示す組成のアクリル・スチレン系エマルション塗料に、各実施例および各比較例の工業用組成物をそれぞれ1.0重量%添加し混合した。
【0081】
2)3cmφの濾紙に各塗料を均一に塗布し、塗膜調製後、24時間乾燥することによって試験塗膜を得た。
【0082】
【表2】
(ミルベース)
分散剤:ポリカルボン酸ナトリウム塩(商品名:オロタン850、ローム・アンド・ハース社製)
湿潤剤:アルキルエーテルサルフェート(商品名:トライトンCF−10、ユニオン・カーバイド社製)
消泡剤:鉱物油とポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤の混合物(商品名:ノプコ8043−L、サンノプコ(株)社製)
チタン白:ルチル型酸化チタン(商品名:TITANIX JR−900、テイカ(株)社製)
(レットダウン)
エマルション:アクリル・スチレン系エマルション(商品名:ウルトラゾールC−62、ガンツ化成(株)社製)
造膜助剤:2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(商品名:CS−12、チッソ(株)社製)
消泡剤:鉱物油とポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤の混合物(商品面:ノプコ8034−L、サンノプコ社製)
防腐剤:ハロゲン化窒素硫黄化合物(商品名:スラオフCA、武田薬品工業(株)社製)
増粘剤:ヒドロキシエチルセルロース(商品名:SP−600、ダイセル(株)社製)の2重量%水溶液
(3) 防藻試験
1)上記(2)で得られた各試験塗膜を、150℃の恒温器に24時間放置し、その後、室温で24時間放置することにより、耐熱試験サンプルを調製した。
【0083】
2)上記(2)で得られた各試験塗膜を、200mLの水槽に40℃で3日間浸漬した後、室温で24時間放置することにより、耐水試験サンプルを調製した。
【0084】
3)上記(2)で得られた各試験塗膜を、クリーンベンチの殺菌灯に7日間暴露した後、室温で24時間放置することにより、耐紫外線試験サンプルを調製した。
【0085】
4)3種混合藻液(クラミドモナス・レインハルドティー(Chlamydomonas reinhardtii)(C−238)、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)(NIES−47)、クロレラ・エスピー(Chlorella sp.))を、各試験サンプル(耐熱試験サンプル、耐水試験サンプルおよび耐紫外線試験サンプル)を添付したアレーン培地に噴霧して、25℃で、光照射(明状態:16時間、暗状態:8時間)しながら培養し、その後、藻類の生育状態を判定した。その結果を表1に示す。
【0086】
なお、表1では、耐熱試験サンプルの防藻試験の結果を「耐熱防藻性」、耐水試験サンプルの防藻試験の結果を「耐水防藻性」、耐紫外線試験サンプルの防藻試験の結果を「耐紫外線防藻性」として、それぞれ示している。また、表1には、各実施例および各比較例の工業用組成物を添加していない防藻試験例を「コントロール」として併記した。
【0087】
また、表1において、生育状態の判定は、次の基準による。
【0088】
−:試験サンプル面に藻類の生育が全く認められない。
【0089】
±:試験サンプル面に藻類の生育がごくわずかに認められる。
【0090】
+:試験サンプル面の1/3以下の面積で藻類の生育が認められる。
【0091】
++:試験サンプル面の2/3未満の面積で藻類の生育が認められる。
【0092】
+++:試験サンプル面の2/3以上の面積で藻類の生育が認められる。
【0093】
(4) 防かび試験
1)上記(2)で得られた各試験塗膜を、150℃の恒温器に24時間放置し、その後、室温で24時間放置することにより、耐熱試験サンプルを調製した。
【0094】
2)上記(2)で得られた各試験塗膜を、200mLの水槽に40℃で3日間浸漬した後、室温で24時間放置することにより、耐水試験サンプルを調製した。
【0095】
3)上記(2)で得られた各試験塗膜を、クリーンベンチの殺菌灯に7日間暴露した後、室温で24時間放置することにより、耐紫外線試験サンプルを調製した。
【0096】
4)4種混合胞子懸濁液(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger、黒かび)(IFO−6341)、ペニシリウム・シトリナム(Penicillium citrinum 、青かび)(IFO−6352)、クラドスポリウム・クラドスポリオイデス(Cladosporium cladosporioides クロカワかび)(IFO−6348)、およびアルタナリア・スピーシーズ(Alternaria sp.))を、各試験サンプル(耐熱試験サンプル、耐水試験サンプルおよび耐紫外線試験サンプル)を添付したグルコース寒天培地に噴霧して、28℃で培養した。培養後、4週目に各試験サンプル上のかびの生育状態を判定した。その結果を表1に示す。
【0097】
なお、表1では、耐熱試験サンプルの防かび試験の結果を「耐熱防かび性」、耐水試験サンプルの防かび試験の結果を「耐水防かび性」、耐紫外線試験サンプルの防かび試験の結果を「耐紫外線防かび性」として、それぞれ示している。表1には、各実施例および各比較例の工業用組成物を添加していない防かび試験例を「コントロール」として併記した。
【0098】
また、表1において、生育状態の判定は、次の基準による。
【0099】
−:試験サンプル面にかびの生育が全く認められない。
【0100】
±:試験サンプル面にかびの生育がごくわずかに認められる。
【0101】
+:試験サンプル面の1/3以下の面積でかびの生育が認められる。
【0102】
++:試験サンプル面の2/3未満の面積でかびの生育が認められる。
【0103】
+++:試験サンプル面の2/3以上の面積でかびの生育が認められる。
【0104】
表1から明らかなように、各実施例の工業用組成物が添加された試験サンプルでは、各比較例の工業用組成物が添加された試験サンプルに対して、防かび効果および防藻効果が優れていることがわかる。このことより、各実施例の工業用組成物は、アルカリ性の塗料に添加して、得られた塗膜を、加熱し、水に浸漬し、さらには、紫外線照射した後でも、良好な防藻効果および防かび効果を発現し得ることがわかる。
【0105】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の工業用組成物は、耐熱性、耐水性、耐候性および耐アルカリ性に優れ、防藻効果および防かび効果を発現することができる。そのため、雨水や湿気、あるいは、太陽光線などの紫外線を受ける屋内外の環境下においても好適に使用することができ、さらには、耐アルカリ性に優れているため、その適用対象が、油性のみならず水性であっても、その効果を有効に発現することができる。したがって、そのような環境下で使用される水性および油性の塗料や接着剤、あるいは、プラスチック製品などに好適に用いることができる。
Claims (6)
- 一般式(1)の式中、R1およびR2が水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、R3およびR4が炭素数1〜4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜4のアルコキシ基によって置換されていてもよい炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、Xがハロゲン原子または炭素数1〜4のアルキルチオ基であることを特徴とする、請求項1に記載の工業用組成物。
- トリアジン系化合物が、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4,6−ジエチルアミノ−s−トリアジン、2−クロロ−4−エチルアミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジンおよび2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の工業用組成物。
- 一般式(2)の式中、Y1、Y2およびY3が同一または相異なって水素原子または炭素数1〜4の炭化水素基であり、A1がハロゲン置換フェニル基またはハロゲン置換フェニルアルキル基であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の工業用組成物。
- トリアゾール系化合物が、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールおよび/またはα−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノールであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の工業用組成物。
- 防藻剤および/または防かび剤であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の工業用組成物。
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