JP4849397B2 - エレベータの異常検出装置 - Google Patents

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Description

この発明は、かごの移動に伴って移動するロープの引っ掛かりを検出するためのエレベータの異常検出装置に関するものである。
従来、ロープの引っ掛かりを検出するために、ロープが通された環状落下部材をロープに沿って落下させるエレベータの異常検知装置が提案されている。環状落下部材には、無線タグが取り付けられている。また、昇降路の下部には、環状落下部材を受ける読取装置が設けられている。無線タグからの信号は、環状落下部材が読取装置の位置に到達したときに読取装置によって受信される。環状落下部材を落下したにもかかわらず、無線タグからの信号を読取装置が受信しないときに、ロープの引っ掛かりが検出される(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−29312号公報
しかし、従来のエレベータの異常検知装置では、無線タグや読取装置を新たに設置する必要があるので、製造コストが上昇してしまう。
また、環状落下部材を一度落下させてしまうと、自動で復帰させることができないので、ロープの引っ掛かりの自動検出動作を繰り返し行うことができなくなってしまう。これにより、ロープの引っ掛かりの検出の信頼性の向上を図ることができない。
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題としてなされたものであり、エレベータの異常をより確実に検出することができ、またコストの上昇の抑制を図ることができるエレベータの異常検出装置を得ることを目的とする。
この発明に係るエレベータの異常検出装置は、かごの移動に伴って移動するロープの振動を検出する振動検出部、振動検出部からの情報に基づいて、ロープの振動についての周波数分析を行う周波数分析部、及び昇降路機器に接触しながら移動するときのロープの振動成分のうち、ロープの表面形状に起因する振動成分の周波数を含む所定の周波数領域が判定領域としてあらかじめ設定され、判定領域において、周波数分析によって求められた振動成分の大きさと所定の基準値とを比較することにより、ロープの上記昇降路機器への引っ掛かりの有無を判定する判定部を備え、互いに異なる速度でかごを移動させる複数種類の点検運転を行い、かごの速度に応じた互いに異なる周波数領域を判定領域として点検運転ごとに設定する。

この発明に係るエレベータの異常検出装置では、ロープの振動についての周波数分析を行い、あらかじめ設定された判定領域において、周波数分析によって求められた振動成分の大きさと、所定の基準値とを比較することにより、ロープの昇降路機器への引っ掛かりの有無を判定するようになっているので、従来のように高価な無線タグや読取装置等を新たに追加する必要がなくなり、コストの上昇の抑制を図ることができる。また、ロープの昇降路機器への引っ掛かりの有無の検出動作を繰り返し行うことができ、エレベータの異常の有無をより確実に検出することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による異常検出装置が設けられたエレベータを示す構成図である。図において、昇降路1内には、かご2及び釣合おもり3が昇降可能に設けられている。昇降路1の下部には、かご2及び釣合おもり3を昇降させるための巻上機4が設けられている。
巻上機4は、モータを含む巻上機本体5と、巻上機本体5により回転される駆動シーブ6とを有している。駆動シーブ6には、複数本の主ロープ7が巻き掛けられている。かご2及び釣合おもり3は、各主ロープ7により昇降路1内に吊り下げられている。かご2及び釣合おもり3は、駆動シーブ6の回転により昇降路1内を昇降される。
各主ロープ7は、複数本の子縄(ストランド)が撚り合わされて構成されている。これにより、各主ロープ7の表面形状は、複数の凸部が主ロープ7の長さ方向へ一定の間隔(一定のピッチ)で配置された凹凸形状となっている。昇降路1内に設置された昇降路機器(例えばエレベータの支持構造物等)26に各主ロープ7が接触しながら移動するとき(即ち、摺動するとき)には、主ロープ7の表面の各凸部が昇降路機器26に周期的に当接することとなる。これにより、主ロープ7が昇降路機器26に対して摺動するときには、主ロープ7の振動に含まれる振動成分のうち、主ロープ7の表面の各凸部が昇降路機器26に当接する周期に基づく周波数(特異周波数)の振動成分が大きくなる。即ち、主ロープ7が昇降路機器26に対して摺動するときには、主ロープ7の表面形状に起因する振動成分が大きくなる。
かご2の下部には、一対のかご吊り車8が設けられている。釣合おもり3の上部には、釣合おもり吊り車9が設けられている。また、昇降路1の上部には、かご側返し車10及び釣合おもり側返し車11が設けられている。さらに、昇降路1の上部には、各主ロープ7の一端部が接続された第1綱止め装置12と、各主ロープ7の他端部が接続された第2綱止め装置13とが設けられている。
各主ロープ7は、第1綱止め装置12から、各かご吊り車8、かご側返し車10、駆動シーブ6、釣合おもり側返し車11及び釣合おもり吊り車9の順に巻き掛けられ、第2綱止め装置13に至っている。
また、昇降路1の上部には、かご2の速度が設定過速度を超えたときに動作される調速機14が設けられている。調速機14は、調速機本体15と、調速機本体15に対して回転可能な調速機シーブ16とを有している。昇降路1の下部には、張り車17が設けられている。調速機シーブ16及び張り車17間には、かご2の移動に伴って移動される調速機ロープ18が巻き掛けられている。調速機ロープ18の一端部及び他端部は、かご2に設けられた作動レバー19に接続されている。
調速機ロープ18は、複数本の子縄(ストランド)が撚り合わされて構成されている。これにより、調速機ロープ18の表面形状は、複数の凸部が調速機ロープ18の長さ方向へ一定の間隔(一定のピッチ)で配置された凹凸形状となっている。昇降路1内に設置された昇降路機器(例えばエレベータの支持構造物等)27に調速機ロープ18が接触しながら移動するとき(即ち、摺動するとき)には、調速機ロープ18の表面の各凸部が昇降路機器27に周期的に当接することとなる。これにより、調速機ロープ18が昇降路機器27に対して摺動するときには、調速機ロープ18の振動に含まれる振動成分のうち、調速機ロープ18の表面の各凸部が昇降路機器27に当接する周期に基づく周波数(特異周波数)の振動成分が大きくなる。即ち、調速機ロープ18が昇降路機器27に対して摺動するときには、調速機ロープ18の表面形状に起因する振動成分が大きくなる。
調速機ロープ18を構成する各子縄の直径は、主ロープ7を構成する各子縄の直径よりも小さくなっている。また、調速機ロープ18の表面の各凸部間のピッチは、主ロープ7の表面の各凸部間のピッチよりも小さくなっている。即ち、主ロープ7及び調速機ロープ18の各表面形状は、互いに異なっている。従って、主ロープ7の表面形状に起因する振動成分の周波数と、調速機ロープ18の表面形状に起因する振動成分の周波数とは、互いに異なっている。
巻上機4には、駆動シーブ6の回転に応じた信号を発生する巻上機エンコーダ20が設けられている。また、調速機14には、調速機シーブ16の回転に応じた信号を発生する調速機エンコーダ21が設けられている。かご2及び釣合おもり3の位置及び速度は、巻上機エンコーダ20及び調速機エンコーダ21のそれぞれからの情報により求められる。
第1綱止め装置12には、主ロープ7の一端部の振動を測定するための加速度センサ22が設けられている。また、かご2には、かご2の振動を測定するための加速度センサ23が設けられている。さらに、かご2には、かご2内の音を測定するマイクロホン24が設けられている。建物には、建物の揺れを検出する揺れ検出装置(例えば地震感知装置等)25が設けられている。揺れ検出装置25は、例えば地震の発生や強風等により建物の揺れの大きさが所定の設定値に達したときに、揺れ検知信号を出力する。
加速度センサ22には、主ロープ7及び調速機ロープ18の各振動が共通の主ロープ7を介して伝わる。また、加速度センサ23には、主ロープ7及び調速機ロープ18の各振動がかご2を介して伝わる。これにより、加速度センサ22,23では、主ロープ7及び調速機ロープ18の各振動が合成された合成振動に基づく振動が測定される。さらに、マイクロホン24には、かご2の振動により発生する音が伝わる。これにより、マイクロホン24では、主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動に基づく音が測定される。
巻上機エンコーダ20、調速機エンコーダ21、加速度センサ22,23、マイクロホン24及び揺れ検出装置25のそれぞれからの情報は、昇降路1内に設けられた制御盤に伝送される。制御盤は、巻上機エンコーダ20、調速機エンコーダ21、加速度センサ22,23、マイクロホン24及び揺れ検出装置25のそれぞれからの情報に基づいて、エレベータの運転を制御する。
制御盤には、エレベータの異常の有無を検出するための異常検出装置28が搭載されている。異常検出装置28は、エレベータの通常運転を行う通常運転モードと、エレベータの異常の有無を検出するための点検運転を行う点検運転モードとの間で切り替え可能になっている。点検運転時には、通常運転時のかご2の速度よりも低速でかご2が最上階及び最下階の一方から他方へ移動される。また、異常検出装置28は、揺れ検出装置25からの情報に基づいて、通常運転モードと点検運転モードとの切り替えを行う。即ち、異常検出装置28は、揺れ検出装置25からの揺れ検知信号を受けることにより、通常運転モードから点検運転モードに切り替える。
また、異常検出装置28は、振動検出部29、周波数分析部30及び判定部31を有している。振動検出部29、周波数分析部30及び判定部31による処理は、点検運転時にかご2が移動されながら行われる。
振動検出部29は、加速度センサ22,23及びマイクロホン24のそれぞれからの情報に基づいて、各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動を検出する。各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動は、加速度センサ22,23及びマイクロホン24のそれぞれからの情報ごとに個別に検出される。
周波数分析部30は、振動検出部29からの情報に基づいて、各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動についての周波数分析を行う。これにより、各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動に含まれる振動成分と周波数との関係が求められる。周波数分析は、加速度センサ22,23及びマイクロホン24のそれぞれからの情報に基づく3つの合成振動についてそれぞれ行われる。
判定部31には、主ロープ7の表面形状に起因する振動成分の周波数(主ロープ7の特異周波数)を含む所定の周波数領域と、調速機ロープ18の表面形状に起因する振動成分の周波数(調速機ロープ18の特異周波数)を含む所定の周波数領域とが判定領域としてあらかじめ設定されている。主ロープ7及び調速機ロープ18のそれぞれの特異周波数は、かご2の速度に応じて変化する。従って、各判定領域は、点検運転時の速度でかご2が移動されるときの各周波数領域とされている。
また、判定部31は、各判定領域において、周波数分析部30の周波数分析によって求められた振動成分の大きさと所定の基準値とを比較することにより、各主ロープ7及び調速機ロープ18の少なくともいずれかの昇降路機器26,27への引っ掛かりの有無を判定する。即ち、判定部31は、周波数分析部30からの情報に基づいて、各判定領域のいずれかにおける振動成分の大きさが所定の基準値を超えるときに、ロープ7,18の少なくともいずれかの昇降路機器26,27への引っ掛かりがあるとの異常判定を行い、各判定領域のいずれの領域においても振動成分の大きさが所定の基準値以下であるときに、ロープ7,18の昇降路機器26,27への引っ掛かりがないとの正常判定を行う。
異常検出装置28は、点検運転時に判定部31が正常判定を行ったときには点検運転モードを通常運転モードに自動復帰し、点検運転時に判定部31が異常判定を行ったときには点検運転を中止して、かご2及び釣合おもり3の移動を停止させるとともに、監視センタへ警報を発するようになっている。
なお、異常検出装置28は、演算処理部(CPU)、記憶部(ROM、RAM及びハードディスク等)及び信号入出力部を持ったコンピュータにより構成されている。振動検出部29、周波数分析部30及び判定部31の機能は、異常検出装置28のコンピュータにより実現される。
即ち、コンピュータの記憶部には、振動検出部29、周波数分析部30及び判定部31の機能を実現するための制御プログラムが格納されている。判定領域や所定の基準値等の情報も、記憶部に格納される。演算処理部は、制御プログラムに基づいて、異常検出装置28の機能に関する演算処理を実行する。
次に、動作について説明する。図2は、図1の異常検出装置28の処理動作を説明するためのフローチャートである。図に示すように、例えば地震や強風等による建物の揺れの大きさが設定値を超えると、揺れ検知信号が揺れ検出装置25から異常検出装置28へ伝送される。これにより、エレベータの運転は、制御盤の制御により、かご2を最寄り階に停止させる管制運転とされる。かご2が最寄り階に停止した後、昇降路機器26,27への主ロープ7や調速機ロープ18の引っ掛かりの有無を検出するために、エレベータの運転が通常運転モードから点検運転モードに切り替えられる。これにより、かご2及び釣合おもり3が低速で移動される点検運転が開始される(S1)。
点検運転時には、かご2及び釣合おもり3が低速で移動されながら、加速度センサ22,23及びマイクロホン24のそれぞれからの情報が振動検出部29に入力される。振動検出部29では、加速度センサ22,23及びマイクロホン24のそれぞれからの情報に基づく3つの振動が検出される(S2)。
この後、振動検出部29で検出された各振動について、周波数分析部30による周波数分析が行われる。これにより、各振動の振動成分と周波数との関係が求められる(S3)。
この後、あらかじめ設定された各判定領域において、周波数分析部30により求められた振動成分の大きさが所定の基準値を超えているか否かが判定部31により判定される(S4)。
この結果、各判定領域のいずれにおいても、振動成分の大きさが所定の基準値以下である場合には、正常判定が判定部31により行われる。この後、最上階及び最下階の一方から他方へのかご2の移動が完了したときに、エレベータの運転モードが点検運転モードから通常運転モードに自動復帰され、通常運転が行われる(S5)。
一方、各判定領域の少なくともいずれかにおいて、振動成分の大きさが所定の基準値を超えている場合には、異常判定が判定部31により行われる。これにより、点検運転が異常検出装置28により中止され、かご2及び釣合おもり3の移動が停止される。また、このとき、異常検出装置28から監視センタへ警報が発せられる(S6)。
このようなエレベータの異常検出装置28では、主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動についての周波数分析を行い、あらかじめ設定された判定領域において、周波数分析によって求められた振動成分の大きさと、所定の基準値とを比較することにより、各ロープ7,18の昇降路機器26,27への引っ掛かりの有無を判定するようになっているので、従来のように高価な無線タグや読取装置等を新たに追加する必要がなくなり、コストの上昇の抑制を図ることができる。また、各ロープ7,18の昇降路機器26,27への引っ掛かりの有無の検出動作を繰り返し行うことができ、エレベータの異常の有無をより確実に検出することができる。
また、振動検出部29は、第1綱止め装置12及びかご2にそれぞれ設けられた加速度センサ22,23からの情報に基づいて、各ロープ7,18の合成振動を検出するようになっているので、各ロープ7,18の合成振動を容易に検出することができる。
また、振動検出部29は、音を測定するためのマイクロホン24からの情報に基づいて、各ロープ7,18の合成振動を検出するようになっているので、各ロープ7,18の合成振動を容易に検出することができる。
なお、上記の例では、マイクロホン24はかご2内の音を測定するようになっているが、かご2外の音を測定するようなっていてもよい。
また、上記の例では、マイクロホン24はかご2に設けられているが、昇降路1内に固定されていてもよい。このようにしても、各ロープ7,18の合成振動に基づく音を測定することができる。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2による異常検出装置が設けられたエレベータを示す構成図である。図において、第1綱止め装置12には、かご2内の負荷(重量)を検出するための秤装置41が設けられている。秤装置41は、主ロープ7の一端部の変位に応じた信号を発生する変位センサである。また、巻上機4には、モータに流れるトルク電流を測定するトルク電流測定装置42が設けられている。
異常検出装置28には、揺れ検出装置25、巻上機エンコーダ20、調速機エンコーダ21、マイクロホン24、秤装置41及びトルク電流測定装置42のそれぞれからの情報が伝送される。振動検出部29は、巻上機エンコーダ20、調速機エンコーダ21、マイクロホン24、秤装置41及びトルク電流測定装置42のそれぞれからの情報に基づいて、各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動を検出する。各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動は、巻上機エンコーダ20、調速機エンコーダ21、マイクロホン24、秤装置41及びトルク電流測定装置42のそれぞれからの情報ごとに個別に検出される。他の構成及び動作は実施の形態1と同様である。
このように、振動検出部29は、巻上機エンコーダ20、調速機エンコーダ21、マイクロホン24、秤装置41及びトルク電流測定装置42の少なくともいずれかからの情報に基づいて、各主ロープ7及び調速機ロープ18の合成振動を検出するようになっているので、新たな検出装置を追加せずに、既設の検出装置からの情報に基づいて、各ロープ7,18の合成振動を検出することができ、コストの上昇の抑制をさらに図ることができる。
なお、上記の例では、振動検出部29は、既設の検出装置からの情報のみに基づいて、各ロープ7,18の合成振動を検出するようになっているが、実施の形態1に示す加速度センサ22,23からの情報を既設の検出装置からの情報に追加して、各ロープ7,18の合成振動を検出するようにしてもよい。このようにすれば、各ロープ7,18の昇降路機器26,27への引っ掛かりの検出の信頼性をさらに向上させることができる。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3による異常検出装置が設けられたエレベータを示す構成図である。図において、異常検出装置28は、振動検出部29、周波数分析部30、判定部31及び推定部45を有している。振動検出部29及び周波数分析部30の構成は、実施の形態2と同様である。
判定部31には、主ロープ7の表面形状に起因する振動成分の周波数を含む周波数領域が主ロープ判定領域としてあらかじめ設定され、調速機ロープ18の表面形状に起因する振動成分の周波数を含む周波数領域が調速機ロープ判定領域としてあらかじめ設定されている。判定部31の他の構成は、実施の形態2と同様である。
推定部45は、判定部31が異常判定を行ったときに動作される。推定部45は、主ロープ7及び調速機ロープ18のうち、昇降路機器に引っ掛かったロープ(異常ロープ)を推定する異常ロープ推定部46と、異常ロープの引っ掛かりの位置(異常位置)を推定する異常位置推定部47とを有している。
異常ロープ推定部46は、判定部31からの情報に基づいて、異常ロープを推定する。即ち、異常ロープ推定部46は、主ロープ判定領域及び調速機ロープ判定領域のうち、周波数分析によって求められた振動成分の大きさが所定の基準値を超えている判定領域を選択し、選択した判定領域に対応するロープを異常ロープとして推定する。
ここで、図5は、図4の周波数分析部30によって求められた振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。図に示すように、振動成分の大きさは、主ロープ判定領域48において所定の基準値を下回っており、調速機ロープ判定領域49において所定の基準値を超えている。このようなときには、異常ロープ推定部46は、振動成分の大きさが基準値を超えている調速機ロープ判定領域49を選択し、選択した調速機ロープ判定領域49に対応するロープ、即ち調速機ロープ18を異常ロープとして推定する。
異常位置推定部47は、マイクロホン24からの情報を振動検出部29から取得する。異常位置推定部47が振動検出部29から取得する情報は、かご2が点検運転時に移動されるときにマイクロホン24が連続して測定した音のレベルの情報である。異常位置推定部47は、かご2が移動されるときの音のレベルの変化に基づいて、異常位置を推定する。即ち、異常位置推定部47は、かご2が移動される範囲において、音のレベルが相対的に大きくなるときのかご2の位置を異常位置として推定する。
図6は、図4のマイクロホン24によって測定される音のレベルの時間的変化の一例と、かご2の位置の時間的変化との関係を比較するためのグラフである。図に示すように、この例では、マイクロホン24によって測定された音のレベルは、かご2が2階付近にあるときに、かご2が他の位置にあるときよりも大きくなっている。これにより、異常位置推定部47は、2階付近の位置を異常位置として推定する。なお、異常位置は、正確な位置とする必要はなく、例えば2階付近等のように、おおよその位置であればよい。
異常ロープ推定部46によって推定された異常ロープの情報、及び異常位置推定部47によって推定された異常位置の情報は、監視センタへ送信される。これにより、異常ロープ及び異常位置のそれぞれの情報は、保守員の点検作業に活用されることとなる。他の構成は実施の形態2と同様である。
このようなエレベータの異常検出装置28では、主ロープ判定領域48及び調速機ロープ判定領域49のうち、振動成分の大きさが所定の基準値を超えている判定領域を選択し、選択した判定領域に対応するロープを異常ロープとして推定するようになっているので、昇降路機器に引っ掛かっているロープがどのロープであるかの見当をつけることができ、保守員による復旧作業の効率化を図ることができる。
また、かご2に設けられたマイクロホン24によって音のレベルが測定され、かご2が移動されるときの音のレベルの変化に基づいて、異常位置が推定されるようになっているので、ロープが引っ掛かっているおおよその位置の見当をつけることができ、保守員による復旧作業の効率化を図ることができる。
なお、上記の例では、かご2を低速で移動させる1種類の点検運転を行ってエレベータの異常の有無を判定するようになっているが、互いに異なる速度でかご2を移動させる複数種類の点検運転を行うことにより、エレベータの異常の有無の判定を行うようにしてもよい。この場合、判定領域は、点検運転ごとに、互いに異なる周波数領域とされる。
図7は、図4の異常検出装置28による点検運転時のかご2の速度が60m/minであるときの振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。また、図8は、図4の異常検出装置28による点検運転時のかご2の速度が30m/minであるときの振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。さらに、図9は、図4の異常検出装置28による点検運転時のかご2の速度が15m/minであるときの振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。なお、図7〜図9に示されている判定領域は、調速機ロープ判定領域49である。
図に示すように、調速機ロープ18が昇降路機器27に引っ掛かっているとき、調速機ロープ18の特異周波数は、かご2の速度に応じて変化する。従って、調速機ロープ18の特異周波数がかご2の速度に応じて変化することを検出することにより、調速機ロープ18が昇降路機器27に引っ掛かっていることをさらに確実に検出することができる。このように、例えば15、30及び60m/minの各速度でかご2を移動させる複数種類の点検運転を行い、各点検運転について、異常ロープの特異周波数がかご2の速度に応じて変化することを確認してから、判定部31が異常判定を行うようにしてもよい。
この発明の実施の形態1による異常検出装置が設けられたエレベータを示す構成図である。 図1の異常検出装置の処理動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2による異常検出装置が設けられたエレベータを示す構成図である。 この発明の実施の形態3による異常検出装置が設けられたエレベータを示す構成図である。 図4の周波数分析部によって求められた振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。 図4のマイクロホンによって測定される音のレベルの時間的変化の一例と、かごの位置の時間的変化との関係を比較するためのグラフである。 図4の異常検出装置による点検運転時のかごの速度が60m/minであるときの振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。 図4の異常検出装置による点検運転時のかごの速度が30m/minであるときの振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。 図4の異常検出装置による点検運転時のかごの速度が15m/minであるときの振動成分と周波数との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
2 かご、7 主ロープ、12 第1綱止め装置、18 調速機ロープ、22,23 加速度センサ、24 マイクロホン、26,27 昇降路機器、29 振動検出部、30 周波数分析部、31 判定部、45 推定部。

Claims (5)

  1. かごの移動に伴って移動するロープの振動を検出する振動検出部、
    上記振動検出部からの情報に基づいて、上記ロープの振動についての周波数分析を行う周波数分析部、及び
    昇降路機器に接触しながら移動するときの上記ロープの振動成分のうち、上記ロープの表面形状に起因する振動成分の周波数を含む所定の周波数領域が判定領域としてあらかじめ設定され、上記判定領域において、上記周波数分析によって求められた振動成分の大きさと所定の基準値とを比較することにより、上記ロープの上記昇降路機器への引っ掛かりの有無を判定する判定部
    を備え
    互いに異なる速度で上記かごを移動させる複数種類の点検運転を行い、
    上記かごの速度に応じた互いに異なる周波数領域を上記判定領域として上記点検運転ごとに設定することを特徴とするエレベータの異常検出装置。
  2. 上記振動検出部は、互いに異なる複数の上記ロープの合成振動を検出し、
    上記判定部は、各上記ロープに対応する複数の上記判定領域のそれぞれにおいて、上記周波数分析によって求められた振動成分の大きさと所定の基準値とを比較するようになっており、
    各上記判定領域のうち、上記振動成分の大きさが上記所定の基準値を超えている上記判定領域を選択し、選択した上記判定領域に対応する上記ロープを上記昇降路機器に引っ掛かったロープとして推定する異常ロープ推定部
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータの異常検出装置。
  3. 上記振動検出部は、上記ロープの端部が接続された綱止め装置及び上記かごの少なくともいずれかに設けられた加速度センサからの情報に基づいて、上記ロープの振動を検出することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの異常検出装置。
  4. 上記振動検出部は、音を測定するためのマイクロホンからの情報に基づいて、上記ロープの振動を検出することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの異常検出装置。
  5. 上記マイクロホンは、上記かごに設けられており、
    上記かごが移動されているときの上記音のレベルの変化に基づいて、上記ロープの引っ掛かりの位置を推定する異常位置推定部をさらに備えていることを特徴とする請求項4に記載のエレベータの異常検出装置。
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