JP4845071B2 - 修飾ヒアルロン酸および/またはその塩、ならびにその製造方法およびこれを含む化粧料 - Google Patents
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Description
(式中、R1は直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
X=T2/T1×100(%) ・・・(i)
(式中、T1は水における波長660nm、光路長10mmの光の透過率であり、T2は1%の炭化水素基含有基を有する修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する水における波長660nm、光路長10mmの光の透過率である。)
Y=T4/T3×100(%) ・・・(ii)
(式中、T3は70容量%エタノール含有エタノール−水混合液における波長660nm、光路長10mmの光の透過率であり、T4は1%の炭化水素基含有基を有する修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する70容量%エタノール含有エタノール−水混合液における波長660nm、光路長10mmの光の透過率である。)
1.1.構造
1.1.1.グリセリン骨格含有基(炭化水素基含有基)
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、下記一般式(1)で表されるグリセリン骨格含有基(以下、単に「グリセリン骨格含有基」ともいう。)を含む。
(式中、R1は直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルケニル基を表す。)
本発明において、「ヒアルロン酸」とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとの2糖からなる構成単位を1以上有する多糖類をいう。また、「ヒアルロン酸の塩」としては、特に限定されないが、食品または薬学上許容しうる塩であることが好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
本発明において、修飾ヒアルロン酸および/またはその塩の水溶液の動粘度は、ウベローデ粘度計(柴田科学器械工業株式会社製)を用いて測定することができる。この際、流下秒数が200〜1000秒になるような係数のウベローデ粘度計を選択する。また、測定は30℃の恒温水槽中で行ない、温度変化のないようにする。
本発明において、ヒアルロン酸および/またはその塩の平均分子量は、以下の方法にて測定された値である。
比粘度 = {試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}−1
還元粘度(dL/g)= 比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度g/100mL))
極限粘度(dL/g)=3.6×10−4M0.78
M:平均分子量
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、1%の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する水における光(波長660nm、光路長10mm)の透過率Xが、水に対して、20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。ここで、修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する水における上記光の透過率Xは、修飾ヒアルロン酸および/またはその塩の水への溶解性を示す指標である。特に、修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する水における上記光の透過率Xが40%以上である修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、水への溶解性に優れており、水分を含有する製品へ配合し易いものである。
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、例えば、ヒアルロン酸および/またはその塩を下記一般式(2)で表される化合物(本明細書において「化合物1」ともいう。)と反応させる工程によって得られる。あるいは、ヒアルロン酸および/またはその塩を下記一般式(4)で表される化合物(本明細書において「化合物2」ともいう。)と反応させることによって、本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/または塩を調製してもよい。なお、反応性を高めるために、原料のヒアルロン酸および/またはその塩(以下「原料ヒアルロン酸および/またはその塩」という。)をアルキルアンモニウム塩に置換した後に、化合物1または化合物2と反応させることが好ましい。
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩の製造に使用される原料ヒアルロン酸および/またはその塩は、動物等の生体組織(例えば鶏冠、さい帯、皮膚、関節液など)から抽出されたものでもよく、または、微生物、動物細胞もしくは植物細胞を培養して得られたもの(例えばストレプトコッカス属の細菌等を用いた発酵法)、化学的または酵素的に合成されたものなどを使用することができる。
原料ヒアルロン酸および/またはその塩をヒアルロン酸のアルキルアンモニウム塩に変換する場合、例えば、原料ヒアルロン酸および/またはその塩に化合物(以下「化合物3」ともいう。)を反応させることにより、ヒアルロン酸の第四級アルキルアンモニウム塩を得ることができる。このような化合物3としては、例えば、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の炭素原子数2〜18の水酸化第四級アルキルアンモニウムが挙げられる。すなわち、ヒアルロン酸の第四級アルキルアンモニウム塩は例えば、炭素原子数2〜18の第四級アルキルアンモニウム塩であることが好ましい。第四級アルキルアンモニウム塩としては、例えば、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラペンチルアンモニウム塩、テトラヘキシルアンモニウム塩が挙げられる。
ヒアルロン酸の第四級アルキルアンモニウム塩と化合物1または化合物2との反応は、有機溶媒中で行うことができる。ここで、反応温度は通常0〜200℃であり、反応時間は通常0.1〜48時間である。上記反応で使用する有機溶媒としては、例えば、ジメチルホルミアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらを単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法においては、ヒアルロン酸および/またはその塩を化合物1と反応させる工程の後、ナトリウム塩およびカリウム塩またはいずれか一方を反応液に添加する工程をさらに含むことができる。
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、例えば皮膚等の生体組織に対する高い改質効果(特に、皮膚のバリア機能修復効果)を有している。本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、生体組織の表面に塗布または接触して摂取させてもよいし、特に、顔、腕、手指、足、関節などの皮膚に塗布または接触させるのが好ましい。
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は上記一般式(1)で表されるグリセリン骨格含有基を含むことにより、親水性および疎水性の両立を図ることができるため、優れた皮膚のバリア機能修復効果を発揮できる。
本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩は、炭化水素基含有基を有し、下記式(i)で規定される透過率Xが40%以上であり、かつ、下記式(ii)で規定される透過率Yが50%以上であることができる。
(式中、T1は水における波長660nm、光路長10mmの光の透過率であり、T2は1%の炭化水素基含有基を有する修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する水における波長660nm、光路長10mmの光の透過率である。)
(式中、T3は70容量%エタノール含有エタノール−水混合液における波長660nm、光路長10mmの光の透過率であり、T4は1%の炭化水素基含有基を有する修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する70容量%エタノール含有エタノール−水混合液における波長660nm、光路長10mmの光の透過率である。)
(式中、R1は炭化水素基を表す。)
本発明の一実施形態に係る化粧料は、上記修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する。例えば、本実施形態に係る化粧料は、上記修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を保湿剤として含有することができる。また、本実施形態に係る化粧料は、上記修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を通常、0.001〜5%含有する。含有量が0.001%未満では、満足な保湿効果や滑らかさが得られないため、使用時の皮膚のかさつき感を改善することができない恐れがある。含有量が5%を超えると、粘度が高くなりすぎ皮膚全体に伸ばしにくくなる恐れがある。さらに、本実施形態に係る化粧料が含水液である場合、水およびエタノールに対する溶解性に優れる本実施形態に係る修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有するため、本実施形態に係る化粧料は透明性に優れている。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されない。
3.1.1.平均分子量
本実施例において、(修飾)ヒアルロン酸の平均分子量は、上述の実施形態で説明された方法で測定された。
なお、ここでは、R1で表されるグリセリン骨格含有基の炭素原子を、n−ドデシル基の炭素原子数およびn−トリデシル基の炭素原子数の平均である12.5として算出した(ドデシル基の炭素原子数12、n−トリデシル基の炭素原子数13)。また、この場合、1.3ppm付近に出現するピークが、N−アセチル基のCH3の水素原子のピークの積算値に対する積算値から、水素原子合計19個分に相当し、この19個分の水素原子は、R1=−CH2−CH2−(CH2)9.5−CH3の括弧内の9.5(メチレン基の個数)×2個の水素原子であると推測される。よって、以下の式(5)により、ヒアルロン酸1構成単位に含まれるグリセリン骨格含有基の数を算出する。
なお、R1が炭素原子数4のn−ブチル基の場合、1.3ppm付近に出現するピークは、N−アセチル基のCH3の水素原子のピークの積算値に対する積算値から、水素原子2個分に相当し、この2個分の水素原子は、R1=−CH2−CH2−(CH2)1−CH3の括弧内の1(メチレン基の個数)×2個の水素原子であると推測される。よって、以下の式(6)により、ヒアルロン酸1構成単位に含まれるグリセリン骨格含有基の数を算出する。
なお、R1が炭素原子数16のパルミチル基の場合、1.3ppm付近に出現するピークは、N−アセチル基のCH3の水素原子のピークの積算値に対する積算値から、水素原子合計26個分に相当し、この26個分の水素原子は、R1=−CH2−CH2−(CH2)13−CH3の括弧内の13(メチレン基の個数)×2個の水素原子であると推測される。よって、以下の式(7)により、ヒアルロン酸1構成単位に含まれるグリセリン骨格含有基の数を算出する。
なお、R1が炭素原子数18のステアリル基の場合、1.3ppm付近に出現するピークは、N−アセチル基のCH3の水素原子のピークの積算値に対する積算値から、水素原子合計30個分に相当し、この30個分の水素原子は、R1=−CH2−CH2−(CH2)15−CH3の括弧内の15(メチレン基の個数)×2個の水素原子であると推測される。よって、以下の式(8)により、ヒアルロン酸1構成単位に含まれるグリセリン骨格含有基の数を算出する。
なお、パルミトイル基の場合、1.3ppm付近に出現するピークは、N−アセチル基のCH3の水素原子のピークの積算値に対する積算値から、
水素原子合計24個分に相当し、この24個分の水素原子は、パルミトイル基、−C(=O)−CH2−CH2−(CH2)12−CH3の括弧内の12(メチレン基の個数)×2個の水素原子であると推測される。よって、以下の式(9)により、ヒアルロン酸1構成単位に含まれるパルミトイル基の数を算出する。
各実施例で得られた修飾ヒアルロン酸を水およびエタノール−水混合液(エタノール含量70容量%)それぞれに添加して、1%修飾ヒアルロン酸含有水および1%修飾ヒアルロン酸含有エタノール−水混合液(エタノール含量70容量%)を調製した。次に、分光光度計として(株)島津製作所製「マルチパーパス分光光度UV−2450」を使用し、波長660nm、光路長10mmの光の透過率X,Yをそれぞれ測定した。なお、対照側のセルとして、それぞれの溶媒である水およびエタノール−水混合液(エタノール含量70容量%)を用いて測定した。
上述の実施形態の欄で説明した方法により動粘度を算出した。
1Lビーカーにヒアルロン酸(分子量8000、キユーピー株式会社製)5.0gを水500mLに溶解させ、さらに40%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を攪拌しながら加えて、pHを7.2に調整した。pH調整後、凍結乾燥させ、ヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩を10.2g得た。30mLサンプル瓶に得られたヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩1.0g、C12〜13アルキルグリシジルエーテル(反応試薬)(四日市合成株式会社製)2.0g、およびジメチルホルミアミド(DMF)10mLを入れ、攪拌しながら80℃水浴上で8時間反応させた。反応終了後、12.5%塩化ナトリウム水溶液を10mL加え、8%塩酸にてpH1.0に調整した。次いで、エタノール50mLを撹拌しながらゆっくり加え、ヒアルロン酸を沈殿させた。次いで、25%水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、沈殿物をろ過にて回収し、80%エタノール50mLで3回洗浄した。得られた沈殿物を60℃で真空乾燥させて、上記一般式(1)で表されるグリセリン骨格含有基を含む修飾ヒアルロン酸(表1の試験番号6)を0.48g得た。また、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸(表1の試験番号6)の動粘度は1.2mm2/sであった。
実施例1の修飾ヒアルロン酸の製造方法において、ヒアルロン酸(分子量8000、キユーピー株式会社製)をヒアルロン酸(分子量30万、キユーピー株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様の方法で修飾ヒアルロン酸を製した。また、上述した方法と同様の方法にて、実施例2で得られた修飾ヒアルロン酸にグリセリン骨格含有基が導入されていることを1H−NMRスペクトルから確認した。
1Lビーカーにヒアルロン酸(分子量100万、キユーピー株式会社製)5.0gを水500mLに溶解させ、さらに40%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を攪拌しながら加えて、pHを7.2に調整した。pH調整後、凍結乾燥させ、ヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩を10.2g得た。30mLサンプル瓶に得られたヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩1.0g、C12〜13アルキルグリシジルエーテル(反応試薬)(四日市合成株式会社製)2.0g、およびジメチルホルミアミド(DMF)20mLを入れ、攪拌しながら80℃水浴上で8時間反応させた。反応終了後、12.5%塩化ナトリウム水溶液を10mL加え、25%水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、エタノール50mLを撹拌しながらゆっくり加え、ヒアルロン酸を沈殿させた。沈殿物をろ過にて回収し、80%エタノール50mLで3回洗浄した。得られた沈殿物を60℃で真空乾燥させて、修飾ヒアルロン酸を製した。また、上述した方法と同様の方法にて、実施例3で得られた修飾ヒアルロン酸にグリセリン骨格含有基が導入されていることを1H−NMRスペクトルから確認した。
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合した化粧水を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.2%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1%
加水分解ヒアルロン酸 0.1%
コラーゲンペプチド 0.1%
1,3−ブチレングリコール 5.0%
グリセリン 3.0%
イソステアリルアルコール 0.1%
酢酸トコフェロール 0.1%
POE(20)ソルビタンモノラウリル酸エステル 0.5%
POE(15)ラウリルアルコールエーテル 0.5%
ピロリドンカルボン酸亜鉛 0.1%
エチルパラベン 0.1%
メチルパラベン 0.15%
エタノール 5.0%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合した乳液を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.3%
ペンチレングリコール 5.0%
グリセリン 3.0%
スクワラン 5.0%
ステアリン酸 0.5%
ステアリルアルコール 2.0%
ワセリン 4.0%
ステアリン酸ソルビタン 1.0%
POE(10)モノステアリン酸エステル 1.0%
カルボキシビニルポリマー 0.5%
ポリクオタニウム−51 0.1%
メチルパラベン 0.15%
プロピルパラベン 0.1%
水酸化カリウム 0.1%
BHT 0.02%
EDTA−2ナトリウム 0.02%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例2で得られた修飾ヒアルロン酸を配合したクリーム(エモリエントクリーム)を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例2) 0.5%
ポリエチレングリコール 4.0%
1,3−プロパンジオール 6.0%
スクワラン 11.0%
ジメチコン 1.0%
セタノール 6.0%
ステアリン酸 2.0%
水添ココグリセリル 4.0%
トリカプリリン 8.0%
モノステアリン酸グリセリン 3.0%
POE(20)セチルアルコールエーテル 2.0%
コエンザイムQ10 0.03%
セラミド 0.1%
ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム 0.1%
EDTA−2ナトリウム 0.02%
プロピルパラベン 0.1%
メチルパラベン 0.15%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例2で得られた修飾ヒアルロン酸を配合した美容液(美白保湿エッセンス)を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例2) 0.8%
ヒアルロン酸ナトリウム 0.2%
加水分解ヒアルロン酸 0.1%
1,3−ブチレングリコール 5.0%
グリセリン 1.5%
POEソルビタンモノステアリン酸エステル 1.0%
ソルビタンモノステアリン酸エステル 0.5%
キサンタンガム 0.2%
アルギン酸ナトリウム 0.2%
カルボキシビニルポリマー 0.2%
水酸化カリウム 0.1%
オリーブ油 0.2%
トコフェロール 0.1%
EDTA−2ナトリウム 0.02%
アルギニン 0.15%
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05%
アルブチン 0.2%
パルミチン酸レチノール 0.2%
クジンエキス 0.2%
海藻エキス 0.2%
トラネキサム酸 0.1%
エラスチン 0.1%
コラーゲン 0.1%
リン酸アスコルビン酸マグネシウム 0.1%
クエン酸ナトリウム 1.0%
クエン酸 0.1%
プロピルパラベン 0.1%
メチルパラベン 0.15%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合した美容液パック(ペースト状ピールオフタイプ)を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.5%
ポリ酢酸ビニルエマルジョン 17.0%
ポリビニルアルコール 11.0%
ソルビトール 5.0%
ポリエチレングリコール400 5.0%
スクワラン 2.5%
POEソルビタンモノステアリン酸エステル 1.0%
酸化チタン 4.0%
タルク 8.0%
エタノール 8.0%
メチルパラベン 0.15%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合した洗顔料(クレンジングフォーム)を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.2%
カチオン化ヒアルロン酸 0.1%
(キユーピー株式会社製、ヒアロベール)
グリセリン 10.0%
ポリエチレングリコール400 15.0%
ジプロピレングリコール 10.0%
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 20.0%
POE(2)モノステアリン酸エステル 5.0%
パーム脂肪酸グルタミン酸ナトリウム 8.0%
アルキルベタイン 2.0%
EDTA−2ナトリウム 0.02%
プロピルパラベン 0.1%
メチルパラベン 0.15%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合したサンスクリーン(乳液)を調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.2%
1,3−ブチレングリコール 3.0%
ジプロピレングリコール 3.0%
シクロメチコン 5.0%
ジメチコン 5.0%
セタノール 1.0%
ワセリン 1.0%
メトキシケイヒ酸オクチル 5.0%
酸化チタン 2.0%
酸化亜鉛 2.0%
ステアリン酸ソルビタン 1.0%
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.0%
フェノキシエタノール 0.8%
メチルパラベン 0.1%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合したリップクリームを調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.1%
マイクロクリスタリンワックス 1.5%
セレシン 12.0%
スクワラン 10.0%
デカメチルテトラシロキサン 10.0%
リンゴ酸ジイソステアリル 5.0%
キャンデリラロウ 2.0%
ワセリン 8.0%
ヒドロキシステアリン酸グリセリル 2.0%
メントール 0.05%
流動パラフィン 1.0%
酢酸トコフェロール 0.1%
トコフェロール 0.05%
プロピルパラベン 0.1%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合したシャンプーを調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.2%
カチオン化ヒアルロン酸 0.1%
(キユーピー株式会社製、ヒアロベール)
POE(20)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 11.0%
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 10.0%
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン 4.0%
ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド 2.0%
EDTA−2ナトリウム 0.1%
安息香酸ナトリウム 0.2%
フェノキシエタノール 0.8%
メチルパラベン 0.1%
香料 適量
精製水 残量
本試験例では、以下に記す処方にて、実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸を配合したヘアコンディショナーを調製した。
修飾ヒアルロン酸(実施例1) 0.3%
カチオン化ヒアルロン酸 0.2%
(キユーピー株式会社製、ヒアロベール)
ステアリルアルコール 4.0%
セタノール 1.5%
ヒドロキシエチルウレア 1.0%
アミノプロピルジメチコン 1.5%
ジメチコン 0.5%
加水分解シルク 1.0%
1,3−ブチレングリコール 1.0%
グリセリン 3.0%
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0%
ミリスチン酸イソセチル 0.4%
L−アルギニン 0.1%
トレハロース 0.1%
ソルビトール 0.1%
ケラチンペプチド 0.1%
POE(4)ステアリルエーテル 1.0%
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド 3.0%
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2%
安息香酸ナトリウム 0.3%
フェノキシエタノール 0.8%
メチルパラベン 0.1%
香料 適量
精製水 残量
2mLエッペンドルフチューブに、処理液(セラミドII(高砂香料工業社製)、セラミドIII(コスモファーム社製)、セラミドIV(コスモファーム社製)各4mg、ステアリン酸8mg(和光純薬工業社製)、コレステロール(関東化学社製)8mg、コレステロール硫酸(シグマ社製)2mg、純水140mg、実施例1の各試験番号の修飾ヒアルロン酸1mg)を入れ、室温にてボルテックスを用いて2分間撹拌した。次に、80℃恒温槽上で5分間加熱した後、ボルテックスを用いて2分間撹拌し、10℃恒温槽で5分間冷却した後、室温にて超音波処理を5分間行った。この操作を4回繰り返し、以下の手順で顕微鏡観察用サンプルを作製した。
本試験例においては、本願発明の修飾ヒアルロン酸をヒト皮膚に塗布して、経皮水分蒸発量(trans epidermal water loss:TEWL)の評価を行った。
3.16.1−1.被験者
年齢26〜34歳の成人(n=9)を対象に試験を行った。
試料1:上記実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸
試料2(対照):ヒアルロン酸(分子量8000、キユーピー株式会社製)
試料1を精製水に溶解し1%水溶液としたものを試験液1、試料2を精製水に溶解し1%水溶液としたものを試験液2とした。
被験者の前腕内側部に直径1cmの領域を2ヵ所設置し、これを試験部位とした。
下記の試料A0.1gを、エタノール:水=70:30(容積比)のエタノール−水混合液10mLに添加して、1%修飾ヒアルロン酸含有水を調製した。同様に、試料Aの代わりに、試料Bを用いて1%ヒアルロン酸含有水を調製した。
試料A:上記実施例1で得られた修飾ヒアルロン酸
試料B(対照):ヒアルロン酸(分子量8000、キユーピー株式会社製)
Claims (9)
- 下記一般式(1)で表されるグリセリン骨格含有基を含む、修飾ヒアルロン酸および/またはその塩。
−O−CH2−CHOH−CH2−OR1 ・・・(1)
(式中、R1は直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルケニル基を表す。) - 前記一般式(1)において、R1が炭素原子数6〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルケニル基である、請求項1に記載の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩。
- 前記グリセリン骨格含有基がヒアルロン酸骨格を構成する炭素原子の少なくとも1つに結合している、請求項1または2に記載の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩。
- 前記一般式(2)において、R1が炭素原子数6〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基またはアルケニル基である、請求項4に記載の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩。
- ヒアルロン酸1構成単位に含まれる前記グリセリン骨格含有基の数が0.001〜0.5である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩。
- 1%水溶液の動粘度が50mm2/s以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の修飾ヒアルロン酸および/またはその塩を含有する、化粧料。
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