以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る自動組み立て装置Aの平面図である。この自動組み立て装置Aは、自動車のガソリンタンクから給油口まで延びるパイプ(図示せず)の途中に配設される物品としての逆止弁1(図2に示す)を製造する際に用いられるものである。この実施形態の説明では、自動組み立て装置Aの構造を説明する前に、図2〜図4に基づいて逆止弁1の構造について説明する。
逆止弁1は、ガソリンの給油中に、ガソリンがガソリンタンクから給油口へ向けて吹き返すのを防止するためのものであり、本体部品(第1部品)2と、本体部品2に組み付けられる3つの弁体部品(第2部品)3とで構成されている。本体部品2は、図3に示すように、円筒部4と、第1〜第3弁支持部5、6、7とを備えており、これら円筒部4及び第1〜第3弁支持部5〜7は、例えば、POM等の耐油性のある樹脂材を用いて一体成形されている。円筒部4の内部を、給油口から注入されたガソリンが流通するようになっている。円筒部4の外周面は、パイプの内周面に接触するように形成されている。円筒部4におけるガソリンの流れ方向上流側(図3(a)の下側)には、径方向外方へ向けて突出する複数の爪部4a、4aが周方向に間隔をあけて設けられている。また、円筒部4の上流側端部には、円筒部4の径方向外方へ向けて突出し周方向に延びる突条部4bが形成されている。これら爪部4a及び突条部4bがパイプに係合することにより、逆止弁1がパイプに固定されるようになっている。
第1〜第3弁支持部5〜7は、円筒部4の内部に設けられ、ガソリンの流れ方向下流側(図3(a)の上側)寄りに配置されている。ガソリンは、隣り合う弁支持部5〜7の間の開口を通って流れるようになっている。各弁支持部5〜7は、円筒部4の内周面から円筒部4の内方へ向かってその中心部まで延びる柱状をなしている。第1〜第3弁支持部5〜7の外端部は、円筒部4の内周面において周方向に等間隔に配置される一方、内端部は、円筒部4の中心部において一体化している。これら弁支持部5〜7には、円筒部4の中心線方向に貫通して弁支持部5〜7の長手方向に延びるスリット5a〜7aがそれぞれ形成されている。つまり、スリット5a〜7aは、円筒部4の周方向に120゜おきに配置されている。
一方、弁体部品3は、上記本体部品2と同様な樹脂材を用いて羽状に成形されている。弁体部品3は、図4に示すように、中心角が約120°の板状扇形部8と、扇形部8の一縁部から延出する板状延出部9と、延出部9の外縁部から扇形部8に対し略直交する方向に突出する第1係合突起10及び第2係合突起11とで構成されている。扇形部8は、図2に示すように、本体部品2における隣り合う弁支持部5〜7の間の開口を閉塞する大きさとされている。第1係合突起10及び第2係合突起11は、弾性変形可能な薄板状とされており、その厚み寸法は、弁支持部5〜7のスリット5a〜7aの幅寸法よりも短く設定されている。第1係合突起10は、扇形部8の径方向内側寄りに配置され、第2係合突起11は、扇形部8の径方向外側寄りに配置されている。第1係合突起10の先端側には、第2係合突起11から離れる側へ向けて突出する第1爪部10aが設けられている。第1係合突起10の先端側には、先端に行くほど第2係合突起11に近づくように傾斜する第1傾斜縁部10bが形成されている。また、第2係合突起11の先端部には、第1係合突起10から離れる側へ向けて突出する第2爪部11aが設けられている。第2係合突起11の先端側には、先端に行くほど第1係合突起10に近づくように傾斜する第2傾斜縁部11bが形成されている。第1爪部10aの先端と第2爪部11aの先端との間隔は、スリット5a〜7aの長さ寸法よりも長く設定されている。
弁体部品3を本体部品2に組み付ける際には、各弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11をスリット5a〜7aに押し込むようにする。このとき、第1傾斜縁部10bと第2傾斜縁部11bとがスリット5a〜7aの周縁部に圧接して第1係合突起10及び第2係合突起11が互いに接近する方向に撓むように弾性変形し、これにより、第1爪部10a及び第2爪部11aがスリット5a〜7aの周縁部を乗り越える。第1爪部10a及び第2爪部11aがスリット5a〜7aの周縁部を乗り越えると、第1係合突起10及び第2係合突起11の形状が復元し、第1爪部10a及び第2爪部11aがスリット5a〜7aの周縁部に係合した状態となる。このようにして本体部品2に取り付けられた弁体部品3は、図2に示すように、第1係合突起10及び第2係合突起11の基端部近傍を支点にして回動するようになっている。すなわち、ガソリンを給油する際に、ガソリンタンクへ向けて流れるガソリンの流れによって弁体部品3が回動して開いた状態(図2(a)に示す)となり、反対にガソリンタンクから給油口へ向けてガソリンが吹き返した場合には、図2(b)に示すように、吹き返したガソリンの流れによって弁体部品3が閉方向に回動し、これにより、円筒部4の開口が閉じられてガソリンの逆流が防止されるようになっている。
次に、自動組み立て装置Aの構造について説明する。自動組み立て装置Aは、図1に示すように、本体部品用パーツフィーダ(第1部品供給装置)15と、弁体部品用パーツフィーダ(第2部品供給装置)16と、本体部品搬送機17と、本体部品2の位置決め機18と、本体部品2が位置決めされた状態で載置される位置決め台19と、弁体部品搬送機20と、弁体部品3を押し込む押し込み機21と、排出機22とを備えており、これらは基台Bに固定されている。この自動組み立て装置Aは、本体部品用パーツフィーダ15から供給された本体部品2を位置決め台19に載置した後、弁体部品用パーツフィーダ16から供給された弁体部品3を、弁体部品搬送機20と押し込み機21とで本体部品2に組み付け、このようにして得られた逆止弁1を排出機22によって排出するように構成されている。位置決め機18及び位置決め台19とが、本発明の位置決め装置25を構成し、また、上記弁体部品搬送機20と押し込み機21とが、本発明の組み付け装置23を構成している。
本体部品用パーツフィーダ15は、基台Bの右側(図1の右側)に配置されている。本体部品用パーツフィーダ15は、多数の本体部品2を収容する収容部15aと、収容部15aに収容された本体部品2を振動させて所定方向に向けて整列させる整列通路部15bとを備えた周知のものである。整列通路部15bは、基台Bの右側から左側(図1の左側)へ向かって延びている。本体部品2は、整列通路部15bにおいて、図3(b)に示すように、突条部4bが下に位置するように向いている。整列通路部15bには、本体部品2を案内する案内溝24が接続され、整列通路部15bに並んだ本体部品2は、案内溝24上を流れるようになっている。案内溝24は、整列通路部15bの終端部から基台Bの手前側(図1の下側)へ向けて直線状に延びている。
案内溝24の奥側(図1の上側)には、案内溝24内の本体部品2を案内溝24の手前側へ押すためのシリンダ装置26が配設されている。このシリンダ装置26は、流体圧を利用した周知のものであり、そのロッドは、案内溝24の奥側から手前側に進出するようになっている。このロッドの進出動作によって、整列通路部15bから案内溝24に流れた本体部品2が案内溝24の手前側へ押されて移動するようになっている。本体部品用パーツフィーダ15及びシリンダ装置26は、基台Bに配設された制御装置Cに接続され、この制御装置Cによって制御されるようになっている。尚、シリンダ装置26及び制御装置Cも自動組み立て装置Aの構成要素である。
弁体部品用パーツフィーダ16は、基台Bの奥側で左右方向の中央部に配置されている。弁体部品用パーツフィーダ16は、多数の弁体部品3を収容する収容部16aと、収容部16aに収容された弁体部品3を振動させて所定方向に向けて整列させる整列通路部16bとを備えた周知のものである。整列通路部16bは、基台Bの手前側へ向けて延びている。弁体部品3は、第1係合突起10及び第2係合突起11の突出方向が下となるように向いている。弁体部品用パーツフィーダ16も、上記制御装置Cに接続されて制御されるようになっている。
本体部品2の位置決め機18は、案内溝24の左側に配置されている。この位置決め機18は、図5に示すように、本体部品2が載置される載置台30と、載置台30を鉛直線周りに回転駆動する回転駆動部31と、光電型センサ32と、突き込みピン33と、突き込みピン駆動部34とを備えている。載置台30は略水平に延びている。載置台30の上面に、本体部品2がその突条部b側を下にし、かつ、その中心が載置台30の回転中心と一致するように載置される。載置台30の下面には脚部30aが設けられている。回転駆動部31は、載置台30の下方に配置され、脚部30aに連結されている。また、載置台30には、上下方向に貫通する貫通孔30bが形成されている。この貫通孔30bは、上方から見たときに、載置台30に載置された本体部品2のスリット5a〜7aに合うように位置付けられ、載置台30の周方向に長く延びている。
センサ32は、発光部32aと受光部32bとを備えている。発光部32aは、本体部品2の上方で、貫通孔30bの真上に位置するように配設され、鉛直下向きに光Lを照射するように構成されている。受光部32bは、発光部32aの真下で、かつ、貫通孔30bよりも下方に位置付けられている。発光部32a及び受光部32bは、載置台30と一緒に回転しないように、基台Bに固定されている。
突き込みピン駆動部34は、載置台30の上方に配置されており、上下方向に伸縮するシリンダ装置や電動アクチュエータ等で構成されている。突き込みピン33は、上下方向に延びており、その上端部が突き込みピン駆動部34に連結されている。突き込みピン33の先端部は、本体部品2のスリット5a〜7aに嵌入するように先細テーパー形状をなしている。突き込みピン駆動部34は、突き込みピン33を、その下端部が、本体部品2のスリット5a〜7aのうち、1つのスリットに嵌入するまで下方へ移動させるように構成されている。回転駆動部31、センサ32及び突き込みピン駆動部34は、上記制御装置Cに接続され、制御されるようになっている。
図1に示すように、位置決め機18の左側には、位置決め台19が設けられている。この位置決め台19は、図6に示すように、略水平に延びており、図示しない駆動部によって鉛直線周りに回転駆動されるようになっている。位置決め台19の上面に、本体部品2が、その突条部4b側を下にし、かつ、その中心が位置決め台19の回転中心と一致するように載置される。駆動部は、上記制御装置Cに接続され、位置決め台19の回転角度は任意に設定することが可能となっている。この実施形態では、位置決め台19が、本体部品3の第1〜第3弁支持部5〜7のスリット5a〜7aの間隔に対応する120°だけ回転して停止するようになっている。
図1に示すように、弁体部品搬送機20は、弁体部品用パーツフィーダ16の整列通路部16bの右側に配置されており、弁体部品3を吸着する吸着部38(図6にも示す)と、吸着部38を上下方向、左右方向及び基台Bの奥行き方向に移動させる移動機39とを備えている。吸着部38は、吸盤状をなしており、負圧力によって弁体部品3の扇形部8を吸着するように構成された周知のものである。移動機39は、周知のリニアガイド及びアクチュエータ等を組み合わせてなる立体搬送装置で構成されている。弁体部品搬送機20は、制御装置Cに接続されて制御されるようになっており、吸着部38により弁体部品3を吸着した後、位置決め台19に載置されている本体部品2のスリット5a〜7aまで搬送し、吸着部38の負圧力を無くすようになっている。弁体部品搬送機20が、本発明の搬送部である。
図1に示すように、位置決め台19の左側には、押し込み用載置台40が設けられている。図7に示すように、押し込み用載置台40は、略水平方向に延びている。押し込み用載置台40の上面に本体部品2がその突条部4bを下にした状態で載置されるようになっている。
図1に示すように、押し込み用載置台40の奧側には、押し込み機21が配置されている。この押し込み機21は、押圧部41(図7に示す)を備えている。押圧部41は、本体部品2のスリット5a〜7aまで搬送された弁体部品3の真上に位置するように配置され、上下方向に移動するようになっている。この押圧部41によって弁体部品2を下方へ押圧することで、弁体部品2の第1係合突起10及び第2係合突起11がスリット5a〜7aに押し込まれるようになっている。押し込み機21は、上記制御装置Cに接続されて制御されるようになっている。この押し込み機21が本発明の押し込み部である。
図1に示すように、押し込み機21の側方には、押し込み機21の押圧部41によって押圧された弁体部品3が所定の高さ位置にあるか否かを検出する検出器42が配設されている。この検出器42は、例えば、光電式センサ等であり、弁体部品3が所定の高さよりも高い位置にあると、センサの発光部(図示せず)からの光が弁体部品3によって遮られるように配置されている。すなわち、発光部からの光が弁体部品3によって遮られた場合には、弁体部品3が所定の高さよりも高い位置にあり、正規の状態で組み付けられていないことを検出できるようになっている。一方、発光部からの光が弁体部品3によって遮られていない場合には、弁体部品3が所定の高さにあり、正規の状態で組み付けられていることを検出できる。検出器42は、上記制御装置Cに接続され、検出信号が制御装置Cに入力されるようになっている。
排出機22は、押し込み機21の左側に配置されている。排出機22は、電動アクチュエータ(図示せず)を備えており、検出器42の出力信号に基づいて、弁体部品3が本体部品2に対し正規の状態で組み付けられていれば、アクチュエータによってその逆止弁1を完成品レール43へ流し、正規の状態で組み付けられていなければ、アクチュエータによってその逆止弁1を不合格品レール44へ流すように構成されている。完成品レール43を流れた逆止弁1は、完成品ボックス45に収容される一方、不合格品レール44を流れた逆止弁1は、不合格品ボックス46に収容されるようになっている。
また、本体部品搬送機17は、本体部品2を右側から左側へ搬送していくものであり、基台B上の位置決め機18等よりも手前側に配置されている。本体部品搬送機17は、基台Bの左右方向に延びるレール47と、レール47上を左右方向に移動する第1〜第4把持部48〜51と、これら把持部48〜51をレール47に沿って移動させる駆動部52とを備えている。レール47は、案内溝24よりも右側から排出機22よりも左側まで延びている。第1把持部48は、レール47の右端近傍に配置され、第2〜4把持部49〜51は、第1把持部48から順に左へ向けて並ぶように配置されている。各把持部48〜51は、本体部品2をその外側から径方向に挟むように構成された周知のチャックユニットであり、把持した本体部品2を上下方向及び基台Bの奥行き方向に移動させることができるようになっている。駆動部52は、第1〜第4把持部48〜51を左右方向に同時に動かすように構成されている。第1〜第4把持部48〜51及び駆動部52は、上記制御装置Cに接続されて制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された自動組み立て装置Aによって逆止弁1を組み立てる場合について説明する。まず、本体部品用パーツフィーダ15から供給された本体部品2は、案内溝24へ流れる。案内溝24に本体部品2があるときに、シリンダ装置26のロッドを進出させることで、案内溝24内の本体部品2が案内溝24を手前側へ移動する。案内溝24の手前側へ移動した本体部品2を、本体部品搬送機17の第1把持部48により把持して上方へ持ち上げた後、第1把持部48を駆動部52によって左側へ移動させてから、図5に示すように、位置決め機18の載置台30に載置する。このとき本体部品2の中心と載置台30の回転中心とは一致するように、第1把持部48の移動量が設定されている。本体部品2を載置台30に載置した後に、第1把持部48は本体部品2から離して右側へ移動させ、待機位置としておく。
載置台30に本体部品2を載置した後、センサ32の発光部32aから光Lを照射しながら、載置台30を回転駆動部31によって回転させる。このとき、発光部32aからの光Lは、例えば、第1弁支持部5と第2弁支持部6との間の開口を通って受光部32bで受光されることになり、本体部品2をさらに回転させていくと、光Lが第1弁支持部5のスリット5a周縁部分によって一旦遮られた後、スリット5aを通って受光部32bで再び受光される。このように光Lが一旦遮られた後にすぐに受光したことを検出した時点で、制御装置Cは載置台30の回転を停止させる。
載置台30の回転を停止させた後に、突き込みピン駆動部34によって突き込みピン33を下降させると、突き込みピン33の先端部が、本体部品2の第1弁支持部5のスリット5aに嵌入する。これにより、本体部品2の位置決めが正確になされる。位置決め後に、本体部品2を本体部品搬送機17の第2把持部49により把持してから、突き込みピン33を上方へ移動させてスリット5aから離脱させる。そして、本体部品2を第2把持部49によって上方へ移動させた後、第2把持部49を駆動部52によって左側へ移動させてから、図6に示すように、位置決め台19に載置する。このとき本体部品2の中心と位置決め台19の回転中心とは一致するように、第2把持部49の移動量が設定されている。本体部品2を位置決め台19に載置した後に、第2把持部49を本体部品2から離して右側へ移動させておく。
そして、弁体部品搬送機20によって、弁体部品3を位置決め台19上の本体部品2の組み付け箇所まで搬送する。組み付け箇所は、第1〜第3弁支持部5〜7のスリット5a〜7aである。すなわち、まず、弁体部品用パーツフィーダ16から供給された弁体部品3のうちの1つを吸着部38によって吸着する。その後、図6に仮想線で示すように、移動機39によって、弁体部品3をその第1係合突起10及び第2係合突起11が本体部品2の第1弁支持部10のスリット5a上に位置するまで搬送した後、実線で示すように下降させる。この状態で吸着部38の吸着力を無くすと、第1係合突起10及び第2係合突起11の傾斜縁部10b、11bがスリット5aの周縁部に接触した状態で、弁体部品3が第1弁支持部5上に置かれた状態になる。このとき、図7に示すように、第1係合突起10及び第2係合突起11の先端部のみがスリット5a内に入っており、弁体部品3の位置ずれが起こり難くなっている。このようにして1つの弁体部品3を本体部品2の組み付け箇所まで搬送した後に、位置決め台19を120゜回転させる。すると、第1〜第3弁支持部5〜7の間隔が120゜に対応した間隔となっているため、第2弁支持部6が、先に弁体部品3を置いたときに第1弁支持部5があった位置に来る。そして、上記のようにして2つめの弁体部品3を第2弁支持部6のスリット6aまで搬送し、第2弁支持部6上に置く。2つ目の弁体部品3を搬送した後に、位置決め台19を120゜回転させると、第3弁支持部7が、先に弁体部品3を置いた第1弁支持部5と同じ位置に来る。そして、上記のようにして3つめの弁体部品3を第3弁支持部7のスリット7aまで搬送し、第3弁支持部7上に置く。つまり、位置決め台19は、本体部品2の3つのスリット5a〜7aが順に単一の所定位置に来るように本体部品2を動かしている。このため、弁体部品搬送機20は、3つの弁体部品3を同じ位置まで搬送すれば済むようになっている。
3つの弁体部品3を本体部品2の各組み付け箇所まで搬送した後、本体部品2を本体部品搬送機17の第3把持部50により把持して上方へ移動させてから、第3把持部50を駆動部52によって左側へ移動させ、図7に示すように、押し込み用載置台40に載置する。本体部品2を押し込み用載置台40に載置した後に、第3把持部50は本体部品2から離して右側へ移動させておく。
その後、押し込み機21の押圧部41を図7の仮想線で示す位置から下降させると、各弁体部品3の第1傾斜縁部10b及び第2傾斜縁部11bが各弁支持部5〜7のスリット5a〜7aの周縁部に押し付けられて、図8(a)に示すように、第1係合突起10及び第2係合突起11が互いに接近する方向に撓むように弾性変形し、これにより、図8(b)に示すように、第1爪部10a及び第2爪部11aがスリット5a〜7aの周縁部を乗り越える。第1爪部10a及び第2爪部11aがスリット5a〜7aの周縁部を乗り越えると、第1係合突起10及び第2係合突起11の形状が復元し、第1爪部10a及び第2爪部11aがスリット5a〜7aの周縁部に係合するようになる。これにより、逆止弁1が得られる。この弁体部品3は、1つずつ押し込むようにしてもよいし、複数を一度に押し込むようにしてもよい。
しかる後、検出器42により弁体部品3が所定高さにあるか否かが検出される。この検出信号は、制御装置Cに入力される。3つの弁体部品3のうち、1つでも所定の高さにないことが検出されると、その逆止弁1は不合格品とされる。
検出器42による検出が行われた後に、本体部品2を本体部品搬送機17の第4把持部51により把持して上方へ移動させた後、第4把持部51を駆動部52によって左側へ移動させてから、排出機22まで搬送する。その後、第4把持部51は、本体部品2から離して右側へ移動させておく。
排出機22は、検出器42の信号に基づいて、搬送されてきた逆止弁1が不合格品であれば、アクチュエータによって不合格品レール44に流して不合格品ボックス46に収容し、それ以外の合格品であれば、完成品レール43に流して完成品ボックス45に収容する。
上記した位置決め機18による位置決め、弁体部品3の搬送、弁体部品3の押し込み及び完成品の排出は、並行して行われるようになっている。従って、第1〜第4把持部48〜51は、案内溝24の本体部品2、載置台30に載置された本体部品2、位置決め台19に載置された本体部品2、押し込み用載置台40に載置された本体部品2を同時に把持して移動させるようになっている。
以上説明したように、この実施形態に係る自動組み立て装置Aによれば、本体部品用パーツフィーダ15から供給された本体部品2を位置決め台19に載置し、弁体部品用パーツフィーダ16から供給された弁体部品3を本体部品2の組み付け箇所まで搬送して組み付けるようにしたので、作業者の手によらず、本体部品2の組み付け箇所に弁体部品3を組み付けることができる。これにより、組み付け工数を低減してコストの低減を図ることができるとともに、弁体部品3の誤組み付けを抑制することができる。
また、本体部品2に弁体部品3を組み付ける際、本体部品2の3つの組み付け箇所が順に単一の所定位置に来るように本体部品2を動かすようにしている。これにより、3つの弁体部品3を弁体部品搬送機20によって同じ位置まで搬送して、本体部品2の組み付け箇所に組み付けることができ、よって、弁体部品搬送機20の制御を簡単にすることができる。
《参考例1》
図9は、参考例1に係る自動組み立て装置Aを示すものである。この自動組み立て装置Aは、逆止弁1の本体部品2及び弁体部品3を成形した後に、弁体部品3を本体部品2に組み付けるように構成されたものである。逆止弁1の構造は、上記実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。
自動組み立て装置Aは、可動型(第1成形型)61と、固定型(第2成形型)60と、これら固定型60及び可動型61を型開き状態と型閉じ状態とに切り替える型移動装置63とを備えている。固定型60、可動型61及び型移動装置63により、成形装置62が構成されている。固定型60は、本体部品2を成形する本体部品用成形面(第1成形面)60aと、弁体部品3を成形する弁体部品用成形面(第2成形面)60bとを有している。固定型60には、ランナーRとスプルーSとが形成されている。スプルーSには、射出成形機のノズルNから溶融樹脂材が供給されるようになっている。
可動型61は、本体部品2を成形する本体部品用成形面(第1成形面)61aと、弁体部品3を成形する弁体部品用成形面(第2成形面)61bとを有している。固定型60の本体部品用成形面60aと可動型61の本体部品用成形面61aとによって本体部品2を成形するためのキャビティが形成され、固定型60の弁体部品用成形面60bと可動型61の弁体部品用成形面61bとによって弁体部品3を成形するためのキャビティが形成されるようになっている。弁体部品3を成形するためのキャビティは、本体部品2に組み付けられる弁体部品3の数と同じ3つであり、これらキャビティの配置は、本体部品2に組み付けられた3つの弁体部品3の配置と同じにしてある。
可動型61には、本体部品3のアンダーカット部(突条部4b)に対応して複数のスライド型64が設けられている。これらスライド型64は、本体部品用成形面61aの一部を構成する成形面を有しており、可動型61に形成された凹部61c内に配置されている。凹部61cの内面は、該凹部61cの浅い側へ行くほど径が大きくなるテーパー面で構成されている。スライド型64は、押し出しピン65によって凹部61cから押し出されるようになっており、このとき、凹部61cのテーパー面に沿って移動する。押し出しピン65は、図示しない駆動装置によって駆動されるようになっている。
本体部品用成形面60a、61aの形状は、成形後の本体部品2の弁支持部5〜7側が固定型60側に位置するように設定されている。また、弁体部品用成形面60b、61bの形状は、成形後の弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が固定型60と反対側へ突出するように設定されている。また、本体部品2は、スライド型64の成形面に保持されるようになっている。また、弁体部品3は、固定型60の弁体部品用成形面60bに保持されるようになっている。尚、図示しないが、弁体部品3のアンダーカット部にもスライド型が設けられている。
型移動装置63は、可動型61を固定型60に接離する方向(図9の左右方向)に移動させる第1駆動装置63aと、可動型61を上下方向に移動させる第2駆動装置63bとを備えている。第1駆動装置63aは、電動モータにより作動する電動式であり、可動型61が取り付けられる可動盤66に連結されている。第2駆動装置63bは、可動型61の上方に配置され、上下方向に伸縮する流体圧シリンダ装置で構成されている。この第2駆動装置63bは、可動盤66に固定された固定部材67に連結されている。可動盤66と可動型61との間には、上下方向に延びるリニアガイド68が配設されており、可動型61は、リニアガイド68によって可動盤66に対し上下方向に移動するようになっている。
上記押し出しピン65の駆動装置、第1駆動装置63a及び第2駆動装置63bは、図示しない制御装置に接続されて個別に制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された自動組み立て装置Aによって逆止弁1を組み立てる場合について説明する。まず、第1駆動装置63aによって可動型61を固定型60から離して型開き状態にしてから、第2駆動装置63bによって可動型61を、本体部品用成形面60a、61a同士が対向し、かつ、弁体部品用成形面60b、61b同士が対向するように配置する。そして、第1駆動装置63aによって可動型61を固定型60に接近させて固定型60と可動型61とを型閉じ状態にし、溶融樹脂材を射出成形機のノズルNからスプルーS、ランナーRを流通させて各キャビティに射出する。キャビティ内の樹脂が固化したら、第1駆動装置63aにより可動型61を固定型60から離れる方向に移動させて型開き状態にする。このとき、可動型61の本体部品用成形面61aを構成するスライド型64に本体部品2が保持され、固定型60の弁体部品用成形面60bに3つの弁体部品3が保持される。そして、図10に示すように、第2駆動装置63bにより、可動型61を上昇させて、可動型61の本体部品用成形面61aに保持された本体部品2と、固定型60の弁体部品用成形面60bに保持された3つの弁体部品3とを対向させる。このとき、各弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が、本体部品3のスリット5a〜7aに一致するようになっている。また、押し出しピン65を進出させる。
その後、図11に示すように、第1駆動装置63aによって可動型61を固定型60に接近させつつ、押し出しピン65をさらに進出させて本体部品2を可動型61の凹部61cから出していく。これにより、本体部品2が弁体部品3に接近していき、弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が弁支持部5〜7のスリット5a〜7aに押し込まれる。これにより、弁体部品3が本体部品2に組み付けられて、逆止弁1が得られる。
その後、第1駆動装置63aによって可動型61を固定型60から離しながら、押し出しピン65をさらに押し出して行くと、スライド型64が凹部61cのテーパー面に沿って本体部品2から離れる方向に移動していき、本体部品2が脱型される。
以上説明したように、この参考例1に係る自動組み立て装置Aによれば、型移動装置63により可動型61を移動させて、固定型60の弁体部品用成形面60bに保持した弁体部品3が、可動型61の本体部品用成形面61aに保持した本体部品2の組み付け箇所に来るようにしたので、作業者の手によらず、本体部品2の組み付け箇所に弁体部品3を正確に組み付けることができる。これにより、組み付け工数を低減してコストの低減を図ることができるとともに、弁体部品3の誤組み付けを抑制することができる。
尚、弁体部品3を本体部品2に組み付ける際には、押し出しピン65を進出させながら行ってもよいし、押し出しピン65を停止させて可動型61の移動のみで行ってもよい。
また、弁体部品3を本体部品2に組み付ける際には、可動型61を停止させておき、押し出しピン65を進出させることによって行うようにしてもよい。
尚、本体部品2を固定型60で保持し、弁体部品3を可動型61で保持するようにしてもよい。
《参考例2》
図12は、参考例2に係る自動組み立て装置Aを示すものである。この自動組み立て装置Aは、逆止弁1の本体部品2及び弁体部品3を成形した後に、弁体部品3を本体部品2に組み付けるように構成されたものである。逆止弁1の構造は、上記実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。この参考例2では、弁体部品3が第1部品であり、本体部品2が第2部品である。
自動組み立て装置Aは、固定型70と、可動型71と、これら固定型70及び可動型71を型開き状態と型閉じ状態とに切り替える型移動装置73と、本体部品2を搬送する搬送装置74とを備えている。固定型70、可動型71及び型移動装置73により、本体部品2及び弁体部品3を成形する成形装置72が構成されている。
固定型70は、本体部品2を成形する本体部品用成形面70aと、弁体部品3を成形する弁体部品用成形面70bとを有している。固定型70には、ランナーRとスプルーSとが形成されている。スプルーSには、射出成形機のノズルNから溶融樹脂材が供給されるようになっている。
可動型71は、本体部品2を成形する本体部品用成形面(第2成形面)71aと、弁体部品3を成形する弁体部品用成形面(第1成形面)71bとを有している。固定型70の本体部品用成形面70aと可動型71の本体部品用成形面71aとによって本体部品2を成形するためのキャビティが形成され、固定型70の弁体部品用成形面70bと可動型71の弁体部品用成形面71bとによって弁体部品3を成形するためのキャビティが形成されるようになっている。弁体部品3を成形するためのキャビティは、本体部品2に組み付けられる弁体部品3の数と同じ3つであり、これらキャビティの配置は、本体部品2に組み付けられた3つの弁体部品3の配置と同じにしてある。
本体部品用成形面70a、71aの形状は、成形後の本体部品2の突条部4b側が固定型70側に位置するように設定されている。また、弁体部品用成形面70b、71bの形状は、成形後の弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が固定型70側へ突出するように設定されている。また、本体部品2は、可動型71の本体部品用成形面71aに保持されるようになっている。また、弁体部品3は、可動型71の弁体部品用成形面71bに保持されるようになっている。
型移動装置73は、可動型71を固定型70に接離する方向(図12の左右方向)に移動させるように構成されている。この型移動装置73は、電動モータにより作動する電動式であり、可動型71が取り付けられる可動盤75に連結されている。
可動型71には、本体部品2を押し出す押し出しピン76と、弁体部品3を押し出す押出ピン77とが設けられている。これら押し出しピン76、77は、図示しないが、独立した駆動装置によって別々に作動するようになっている。また、可動型71には、位置決めピン71cが固定型70へ向けて突出するように設けられている。この位置決めピン71cは、後述する搬送装置74のチャック部74aの位置決めを行うためのものである。
搬送装置74は、本体部品2を保持するチャック部74aと、チャック部74aを移動させる移動機74bとを備えている。チャック部74aは、本体部品2を覆う有底筒状に形成された筒状部材74cと、筒状部材74cの底面に設けられた突出部74d及び吸着部74eとを備えている。筒状部材74cの開口部周縁には、フランジが形成され、このフランジには、位置決めピン71cが挿通する位置決め孔74fが形成されている。位置決めピン71c及び位置決め孔74fの形成位置は、位置決めピン71cが位置決め孔74fに挿通した状態で、チャック部74aに保持された本体部品2のスリット5a〜7aと、各弁体部品3の係合突起10、11とが対向するように設定されている。
搬送装置74の突出部74dは、本体部品2の内面に嵌る筒状をなしている。突出部74dの外周面は、突出方向先端側へ行くほど小径となるテーパー形状とされており、本体部品2は、突出部74dの外側に嵌った状態で所定位置に位置決めされるようになっている。
吸着部74eは、実施形態の弁体部品搬送機20の吸着部38と同様に負圧力によって吸着力が得られるように構成されている。この吸着部74eは、本体部品2の突条部4b側の端面を吸着するように配置されている。また、移動機74bも、実施形態の弁体部品搬送機20の移動機39と同様に構成されている。吸着部74e及び移動機74bは、図示しないが、制御装置に接続されて制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された自動組み立て装置Aによって逆止弁1を組み立てる場合について説明する。まず、型移動装置73によって可動型71を固定型70に接近させて固定型70と可動型71とを型閉じ状態にする。このとき、図12に示すように、チャック部74aは、可動型71の上方で待機している。そして、溶融樹脂材を射出成形機のノズルNから各キャビティに射出する。キャビティ内の樹脂が固化したら、型移動装置73により可動型71を固定型70から離れる方向に移動させて型開き状態にする。このとき、可動型71の本体部品用成形面71aに本体部品2が保持され、可動型71の弁体部品用成形面71bに3つの弁体部品3が保持され、図13に示すように、これら弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11は、弁体部品用成形面71bから固定型70側へ突出している。
その後、移動機74bを作動させて、チャック部74aを下方へ移動させて筒状部材74cの開口部を本体部品2に対向させる。そして、本体部品2を押し出しピン76で押し出して、筒状部材74c内へ挿入する。すると、突出部74dの外側に本体部品2が嵌り、本体部品2が吸着部74eによって吸着されて、本体部品2が筒状部材74cに位置決めされた状態で保持される。
しかる後、図14に示すように、移動機74bを作動させて、チャック部74aを上方へ移動させ、筒状部材74cの位置決め孔74fと可動型71の位置決めピン71cとを一致させて位置決め孔74fに位置決めピン71cを嵌入する。これにより、本体部品2のスリット5a〜7aが各弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11に対向するようになる。
次いで、図15に示すように、弁体部品3を押し出しピン77で押し出す。すると、各弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が弁支持部5〜7のスリット5a〜7aに押し込まれる。これにより、弁体部品3が本体部品2に組み付けられて、逆止弁1が得られる。
弁体部品3の組み付け後、本体部品2をチャック部74aに保持したまま、完成品ボックス(図示せず)まで搬送して吸着部74eの吸着力を無くし、逆止弁1を完成品ボックスに収容する。
以上説明したように、この参考例2に係る自動組み立て装置Aによれば、成形装置72によって成形した本体部品2を、成形装置72の成形面71bに保持されている弁体部品3まで搬送して組み付けるようにしたので、作業者の手によらず、本体部品2の組み付け箇所に弁体部品3を組み付けることができる。これにより、組み付け工数を低減してコストの低減を図ることができるとともに、弁体部品3の誤組み付けを抑制することができる。
《参考例3》
図16は、参考例3に係る自動組み立て装置Aを示すものである。この自動組み立て装置Aは、逆止弁1の本体部品(第1部品)2及び弁体部品(第2部品)3を成形した後に、弁体部品3を本体部品2に組み付けるように構成されたものである。逆止弁1の構造は、上記実施形態のものと同じであるため、説明を省略する。
自動組み立て装置Aは、固定型80と、可動型81と、これら固定型80及び可動型81を型開き状態と型閉じ状態とに切り替える型移動装置83と、弁体部品3を搬送する搬送装置84とを備えている。固定型80、可動型81及び型移動装置83により、成形装置82が構成されている。
固定型80は、本体部品2を成形する本体部品用成形面80aと、弁体部品3を成形する弁体部品用成形面80bとを有している。固定型80には、ランナーRとスプルーSとが形成されている。スプルーSには、射出成形機のノズルNから溶融樹脂材が供給されるようになっている。
可動型81は、本体部品2を成形する本体部品用成形面(第1成形面)81aと、弁体部品3を成形する弁体部品用成形面(第2成形面)81bとを有している。固定型80の本体部品用成形面80aと可動型81の本体部品用成形面81aとによって本体部品2を成形するためのキャビティが形成され、固定型80の弁体部品用成形面80bと可動型81の弁体部品用成形面81bとによって弁体部品3を成形するためのキャビティが形成されるようになっている。弁体部品3を成形するためのキャビティは、本体部品2に組み付けられる弁体部品3の数と同じ3つであり、これらキャビティの配置は、本体部品2に組み付けられた3つの弁体部品3の配置と同じにしてある。
可動型81には、本体部品2のアンダーカット部(突条部4b)に対応して複数のスライド型85が設けられている。これらスライド型85は、本体部品用成形面81aの一部を構成する成形面を有しており、可動型81に形成された凹部81c内に配置されている。凹部81cの内面は、該凹部81cの浅い側へ行くほど径が大きくなるテーパー面で構成されている。スライド型85は、押し出しピン86によって凹部81cから押し出されるようになっており、このとき、凹部81cのテーパー面に沿って移動する。押し出しピン86は、図示しない駆動装置によって駆動されるようになっている。また、可動型81には、弁体部品3を押し出す押出ピン88が設けられている。押し出しピン88は、図示しないが、駆動装置によって作動するようになっている。
本体部品用成形面80a、81aの形状は、成形後の本体部品2の弁支持部5〜7側が固定型80側に位置するように設定されている。また、弁体部品用成形面80b、81bの形状は、成形後の弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が固定型80と反対側へ突出するように設定されている。また、本体部品2は、可動型81の本体部品用成形面81aに保持されるようになっている。また、弁体部品3は、可動型81の弁体部品用成形面81bに保持されるようになっている。
型移動装置83は、可動型81を固定型80に接離する方向(図16左右方向)に移動させるように構成されている。この型移動装置83は、電動モータにより作動する電動式であり、可動型81が取り付けられる可動盤87に連結されている。
搬送装置84は、保持部84aと、保持部84aを移動させる移動機84bとを備えている。保持部84aは、上記参考例2の吸着部74eと同様な吸着部84cを3つ有している。これら吸着部84cは、弁体部品用成形面81bに保持された弁体部品3の位置に対応している。また、移動機84bは、実施形態の弁体部品搬送機20の移動機34と同様に構成されている。吸着部84cと移動機84bとは、図示しないが、制御装置に接続されて制御されるようになっている。
次に、上記のように構成された自動組み立て装置Aによって逆止弁1を組み立てる場合について説明する。まず、型移動装置83によって可動型81を固定型80に接近させて固定型80と可動型81とを型閉じ状態にする。このとき、保持部84aは、固定型80の上方で待機している。そして、溶融樹脂材を射出成形機のノズルから各キャビティに射出する。キャビティ内の樹脂が固化したら、型移動装置83により可動型81を固定型80から離れる方向に移動させて型開き状態にする。このとき、図17に示すように、可動型81の本体部品用成形面81aに本体部品2が保持され、可動型81の弁体部品用成形面81bに3つの弁体部品3が保持される。
その後、移動機84bを作動させて、保持部84aを下方へ移動させ、吸着部84cを弁体部品3の扇形部8に接触させる。そして、吸着部84cに吸着力を作用させながら、弁体部品3を押し出しピン88で押し出して脱型させると、3つの弁体部品3が吸着部84cにそれぞれ保持される。
しかる後、図18に示すように、移動機84bを作動させて、保持部84aを下方へ移動させ、各弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11を本体部品2のスリット5a〜7aに対向させる。次いで、図19に示すように、本体部品2を押し出しピン86で押し出す。すると、各弁体部品3の第1係合突起10及び第2係合突起11が弁支持部5〜7のスリット5a〜7aに押し込まれる。これにより、弁体部品3が本体部品2に組み付けられて、逆止弁1が得られる。
弁体部品3の組み付け後、弁体部品3を保持部84aに保持したまま、逆止弁1を完成品ボックス(図示せず)まで搬送して吸着部84cの吸着力を無くし、逆止弁1を完成品ボックスに収容する。
以上説明したように、この参考例3に係る自動組み立て装置Aによれば、参考例2のものと同様に、組み付け工数を低減してコストの低減を図ることができるとともに、弁体部品3の誤組み付けを抑制することができる。
尚、上記実施形態では、本発明を逆止弁1の組み立てに適用した場合について説明しているが、これに限らず、本発明は、複数の部品からなる各種物品を組み立てる場合に適用することができる。
また、本発明の自動組み立て装置Aによって組み立てる物品を構成する部品点数は、2つや3つであってもよいし、5つ以上であってもよいが、4つ以上が好ましい。
また、参考例1〜3では、本体部品2と弁体部品3とを同じ樹脂材で成形するようにしているが、これに限らず、本体部品2を成形する樹脂材と弁体部品3を成形する樹脂材とを異ならせてもよい。こうする場合には、本体部品成形用のキャビティに連通するスプルーと、弁体部品成形用のキャビティに連通するスプルーとを成形型に形成し、これらスプルーに射出成形機のノズルをそれぞれ接続すればよい。