JP4841352B2 - 高純度シリコン溶解鋳造用るつぼ - Google Patents

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この発明は高純度シリコン溶解鋳造用るつぼに関するものであり、さらにこの発明はシリコン原料を前記高純度シリコン溶解鋳造用るつぼを用いて溶解し鋳造する高純度シリコンインゴットの製造方法に関するものであり、さらにこの発明は前記方法により製造した高純度シリコンインゴットに関するものである。
シリコン原料を溶解し鋳造してシリコンインゴットを製造するためのるつぼの一つとして、石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼの内側に50〜300μmの微細溶融シリカ砂をシリカで結合してなる内層が被覆された構造を有するシリコンインゴット鋳造用るつぼが知られている。この微細溶融シリカ砂をシリカで結合してなる内層は、るつぼの内壁から剥離しやすいところから、シリコン原料をるつぼ内で溶解し凝固させてシリコンインゴットを作製する際に、シリコン溶湯が凝固時に収縮しシリコンインゴットの外周がるつぼ内壁面に引っ張られる現象が発生しても、前記内層はるつぼ内面から剥離し、それによってシリコンインゴットに内部応力が残留せず、従って、シリコンインゴット製造時の内部応力割れが発生することはないので歩留まりが向上し、さらにこの内部応力残留の少ない径の大きな優れたシリコンインゴットを作製することができるとされている。
そして、この石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼの内側に50〜300μmの微細溶融シリカ砂をシリカで結合してなる内層が被覆された構造を有するシリコン溶解鋳造用るつぼは、コロイダルシリカに0.2〜4.0μmの超微細な溶融シリカ粉末を混合して得られたスラリーをるつぼの内側に塗布または吹き付けてスラリー層を形成し、このスラリー層の表面に50〜300μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成し、このスタッコ層の上にさらに前記スラリーを塗布または吹き付けて最表面スラリー層を形成し、ついで、乾燥し焼成することにより製造することも知られている。そして、このスラリー層の表面に50〜300μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成する操作は複数回繰り返し施してもよいとされている(特許文献1参照)。
特開平11−244988号公報
しかし、前記溶融シリカ砂をシリカで結合してなる内層を石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼの内側に形成した従来のシリコン溶解鋳造用るつぼは、シリカおよび溶融シリカ砂に0.2ppm程度の微量のボロンが不可避不純物として含まれているために、この従来の内層を有する石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼを用いてシリコン原料を溶解し鋳造してシリコンインゴットを製造すると、内層のシリカおよび溶融シリカ砂に含まれるボロンが溶解中にシリコンに混入し、そのためボロンドープ量の少ない高抵抗の高純度シリコンインゴットを作製することは難しかった。
そこで、本発明者らは、前記シリカおよび溶融シリカ砂を主体とした内層を石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼの内側に形成したるつぼを用いてボロンドープ量の少ないシリコンインゴットを製造すべく研究を行なった結果、
(a)石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼの内側に、微細溶融シリカ砂をシリカで結合してなりかつ元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素(以下、Xと記す)を含有する内層を形成したるつぼを作製し、このるつぼにシリコン原料を充填し溶解し鋳造して得られたシリコンインゴットは、Siとボロンの結合よりもXとボロンの結合の方がより強いところから、るつぼ焼成中に前記内層のシリカおよび微細溶融シリカ砂に不可避不純物として含まれるボロンをXが硼化物として固定し、内層に含まれるボロンが溶解中にシリコンに混入することがない、
(b)前記ボロンは主としてXBの形の硼化物として固定されると考えられるので、内層のシリカおよび微細溶融シリカ砂に不可避不純物として含まれるボロンをあらかじめ原子%で測定しておき、その測定値(原子%)の少なくとも1/2の量のXを含有させる必要があるが、内層にXが多く入りすぎるとXそのものがコンタミになる可能性があるところから、その上限は、内層を構成するシリカに対し0.1%であることが好ましい、
(c)前記Xは、Ti、Zr、Hf、Ta、NbおよびVの内のいずれかの元素である、などの研究結果が得られたのである。
この発明は、係る研究結果に基づいて成されたものであって、
(1)るつぼの内面に、溶融シリカ粉末がシリカによって結合され、ボロンを含有する内層を形成した構造を有し、前記内層は元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素を含み、前記元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素の量は、原子比で前記内層に含まれる前記ボロンの含有量の1/2以上、前記内層を構成するシリカに対し0.1原子%以下の範囲内で含まれ、さらに、前記ボロンを元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素が硼化物として固定した、シリコン原料を溶解し鋳造してシリコンインゴットを製造するための高純度シリコン溶解鋳造用るつぼ、
(2)前記元素周期表における4a族および5a族元素の内の元素は、Ti、Zr、Hf、Ta、NbおよびVの内のいずれかの元素である前記(1)記載の高純度シリコン溶解鋳造用るつぼ、に特徴を有するものである。
この発明の高純度シリコン溶解鋳造用るつぼの製造方法を以下に説明する。まず、石英ガラス又は黒鉛からなるるつぼを用意する。このるつぼの内側に、コロイダルシリカに0.2〜4.0μmの超微細な溶融シリカ粉末および水溶性X塩を水溶液として混合したX塩含有スラリーを作製し、このX塩含有スラリーをるつぼの内側に塗布または吹き付けてX塩含有スラリー層を形成し、さらに、このX塩含有スラリー層の表面に50〜300μmの微細溶融シリカ砂粉末を散布してスタッコ層を形成し、このスタッコ層の上にさらに前記X塩含有スラリーを塗布または吹き付けて最表面スラリー層を形成する。このるつぼ内側に形成した水溶性X塩含有スラリー層およびスタッコ層を形成したるつぼを乾燥し焼成することによりこの発明の高純度シリコン溶解鋳造用るつぼを製造することができる。そして、水溶性X塩含有スラリー層の表面に50〜300μmの微細溶融シリカ砂粉末を散布してスタッコ層を形成する操作は複数回繰り返し行ってもよい。
スラリーに含まれる水溶性X塩は、Xが4a族元素の場合はXの四塩化物(例えば、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウムなどの水溶性塩)またはXの硫酸塩(例えば、硫酸チタン、硫酸ジルコニウム、硫酸ハフニウムなどの水溶性塩)として添加する。また、Xが5a族元素の場合は五塩化物(五塩化タンタル、五塩化ニオブ、五塩化バナジウムなど)などとして添加することができる。その添加量はX換算で内層に含まれるボロン含有量の1/2以上、内層を構成するシリカに対し0.1原子%以下となるように添加する。
このようにして得られたこの発明の高純度シリコン溶解鋳造用るつぼを用いてシリコン原料を溶解し鋳造するすると、ボロン混入量の少ない高純度シリコンインゴットを製造することができる。したがって、この発明は、
(3)シリコン原料を前記(1)、(2)記載の高純度シリコン溶解鋳造用るつぼを用いて溶解し鋳造する高純度シリコンインゴットの製造方法、
(4)前記(3)記載の方法で製造した高純度シリコンインゴット、に特徴を有するものである。

従来の内層を有するシリコン溶解鋳造用るつぼに比べて、ボロン混入量の少ない高純度シリコンインゴットを製造することができる。
内径:170mm、外径:190mm、深さ:150mmの寸法を有する石英ガラスるつぼを用意した。
さらに、市販の平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末および平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を用意した。前記超微粉シリカ粉末および微細溶融シリカ砂に含まれるボロン含有量を測定した結果、超微粉シリカ粉末に含まれるボロン含有量は0.23ppmであり、また微細溶融シリカ砂に含まれるボロン含有量は0.21ppmであった。
さらに、平均粒径:10nm以下のシリカ(ボロン含有量は0.21ppm):30容量%を含有し、残部:水からなるコロイダルシリカを用意した。
さらに、四塩化チタン、四塩化ジルコニウム、四塩化ハフニウム、五塩化タンタル、五塩化ニオブ、五塩化バナジウムをそれぞれ含む水溶液を用意した。
実施例1
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した四塩化チタン水溶液を100ppm(wt換算)添加し溶解することにより四塩化チタン含有コロイダルシリカを作製した。この四塩化チタン含有コロイダルシリカ:30容量%に対してさらに先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合し四塩化チタン含有スラリーを作製した。
さらに、先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合した通常のスラリーを作製した。
前記四塩化チタン含有スラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して四塩化チタン含有スラリー層を形成し、この四塩化チタン含有スラリー層の表面に先に用意した平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成した。この操作を3回繰り返したのち、最後に四塩化チタン含有スラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さ:3mmの内層を有する本発明るつぼ1を作製した。この本発明るつぼ1の内層に含まれるTiは原子比で内層に含まれるボロンの2倍であり、内層を構成するシリカの0.00022原子%であった。
実施例2
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した四塩化ジルコニウム水溶液を100ppm(wt換算)添加し溶解することにより四塩化ジルコニウム含有コロイダルシリカを作製した。この四塩化ジルコニウム含有コロイダルシリカ:30容量%に対してさらに先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合し四塩化ジルコニウム含有スラリーを作製した。
前記四塩化ジルコニウム含有スラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して四塩化ジルコニウム含有スラリー層を形成し、この四塩化ジルコニウム含有スラリー層の表面に先に用意した平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成した。この操作を3回繰り返したのち、最後に四塩化ジルコニウム含有スラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さ:3mmの内層を有する本発明るつぼ2を作製した。この本発明るつぼ2の内層に含まれるZrは原子比で内層に含まれるボロンの2倍であり、内層を構成するシリカの0.0002原子%であった。
実施例3
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した四塩化ハフニウム水溶液を100ppm(wt換算)添加し溶解することにより四塩化ハフニウム含有コロイダルシリカを作製した。この四塩化ハフニウム含有コロイダルシリカ:30容量%に対してさらに先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合し四塩化ハフニウム含有スラリーを作製した。
前記四塩化ハフニウム含有スラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して四塩化ハフニウム含有スラリー層を形成し、この四塩化ハフニウム含有スラリー層の表面に先に用意した平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成した。この操作を3回繰り返したのち、最後に四塩化ハフニウム含有スラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さ:3mmの内層を有する本発明るつぼ3を作製した。この本発明るつぼ3の内層に含まれるHfは原子比で内層に含まれるボロンの3倍であり、内層を構成するシリカの0.00022原子%であった。
実施例4
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した五塩化タンタル水溶液を100ppm(wt換算)添加し溶解することにより五塩化タンタル含有コロイダルシリカを作製した。この五塩化タンタル含有コロイダルシリカ:30容量%に対してさらに先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合し五塩化タンタル含有スラリーを作製した。
前記五塩化タンタル含有スラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して五塩化タンタル含有スラリー層を形成し、この五塩化タンタル含有スラリー層の表面に先に用意した平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成した。この操作を3回繰り返したのち、最後に五塩化タンタル含有スラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さ:3mmの内層を有する本発明るつぼ4を作製した。この本発明るつぼ4の内層に含まれるTaは原子比で内層に含まれるボロンの2倍であり、内層を構成するシリカの0.0002原子%であった。
実施例5
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した五塩化ニオブ水溶液を100ppm(wt換算)添加し溶解することにより五塩化ニオブ含有コロイダルシリカを作製した。この五塩化ニオブ含有コロイダルシリカ:30容量%に対してさらに先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合し五塩化ニオブ含有スラリーを作製した。
前記五塩化ニオブ含有スラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して五塩化ニオブ含有スラリー層を形成し、この五塩化ニオブ含有スラリー層の表面に先に用意した平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成した。この操作を3回繰り返したのち、最後に五塩化ニオブ含有スラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さ:3mmの内層を有する本発明るつぼ5を作製した。この本発明るつぼ5の内層に含まれるNbは原子比で内層に含まれるボロンの2.5倍であり、内層を構成するシリカの0.0002原子%であった。
実施例6
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した五塩化バナジウム水溶液を100ppm(wt換算)添加し溶解することにより五塩化バナジウム含有コロイダルシリカを作製した。この五塩化バナジウム含有コロイダルシリカ:30容量%に対してさらに先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60容量%を添加混合し五塩化バナジウム含有スラリーを作製した。
前記五塩化バナジウム含有スラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して五塩化バナジウム含有スラリー層を形成し、この五塩化バナジウム含有スラリー層の表面に先に用意した平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成した。この操作を3回繰り返したのち、最後に五塩化バナジウム含有スラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さが3mmを有する内層を有する本発明るつぼ6を作製した。この本発明るつぼ6の内層に含まれるVは原子比で内層に含まれるボロンの2.5倍であり、内層を構成するシリカの0.00025原子%であった。
従来例
先に用意したコロイダルシリカに対して先に用意した平均粒径:1.0μmの超微粉シリカ粉末:60%を添加混合して通常のスラリーを作製し、前記通常のスラリーを前記石英ガラスるつぼの内側に塗布して通常のスラリー層を形成し、この通常のスラリー層の表面に平均粒径:150μmの微細溶融シリカ砂を散布してスタッコ層を形成し、この操作を3回繰り返したのち、最後に通常のスラリー層を形成し、ついで大気雰囲気中、温度:1000℃で2時間加熱保持して乾燥し焼成することにより石英ガラスるつぼの内側に、合計厚さ:3mmの内層を有する従来シリコン溶解鋳造用るつぼ(以下、従来るつぼという)を作製した。
このようにして作製した本発明るつぼ1〜6および従来るつぼに、ボロン含有量:0.01ppm未満、抵抗値:200Ωmのシリコン原料を装入し、温度:1500℃で溶解鋳造してシリコンインゴットを作製した。この作製したシリコンインゴットの抵抗値およびシリコンインゴットに含まれるボロン量をICP法により測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0004841352
表1に示される結果から、本発明るつぼ1〜6を用いて作製したシリコンインゴットは、従来るつぼを用いて作製したシリコンインゴットに比べてボロン濃度の増加が見られないところから、本発明るつぼ1〜6は、溶解鋳造時のボロンによる汚染が少ないことが分かる。
さらに、溶解鋳造して作製したシリコンインゴットの表面に付着している本発明るつぼ1〜6および従来るつぼの内層に含まれるボロン量をICP法により測定し、溶解前後の内層に含まれるボロン量を表2に示した。
Figure 0004841352
表2に示される結果から、本発明るつぼ1〜6によるシリコン原料溶解鋳造後の本発明るつぼ1〜6の内層に含まれるボロン量は、溶解鋳造前と比較して大きな変化が見られないが、従来るつぼによるシリコン原料溶解鋳造後の従来るつぼの内層に含まれるボロン量は、溶解鋳造前と比較して大きく減少するところから、本発明るつぼ1〜6は従来るつぼに比べてシリコン原料の溶解鋳造時に内層から溶け出すボロン量が極めて少ないことがわかる。
なお、元素周期表の4a族元素であるTi、ZrおよびHfの硫酸塩も水に解け易く、硫酸チタン、硫酸ジルコニウム、硫酸ハフニウムの水溶液をコロイダルシリカに添加して作製したチタン、ジルコニウムまたはハフニウムの硫酸塩を含有したコロイダルシリカを用い実施例1〜3と同様にして内層にチタン、ジルコニウムまたはハフニウムを含有するるつぼを作製し、これらるつぼを用いてシリコンインゴットを作製した場合も同様の効果が得られることが分かった。

Claims (4)

  1. るつぼの内面に溶融シリカ粉末がシリカによって結合され、ボロンを含有する内層を形成した構造を有し、前記内層は元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素を含み、
    前記元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素の量は、原子比で前記内層に含まれる前記ボロンの含有量の1/2以上、前記内層を構成するシリカに対し0.1原子%以下の範囲内で含まれ、さらに、前記ボロンを元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素が硼化物として固定していることを特徴とする、シリコン原料を溶解し鋳造してシリコンインゴットを製造するための高純度シリコン溶解鋳造用るつぼ。
  2. 前記元素周期表における4a族および5a族元素の内のいずれかの元素は、Ti、Zr、Hf、Ta、NbおよびVの内のいずれかの元素であることを特徴とする請求項1記載の前記高純度シリコン溶解鋳造用るつぼ。
  3. シリコン原料を請求項1または2記載の高純度シリコン溶解鋳造用るつぼを用いて溶解し鋳造することを特徴とする高純度シリコンインゴットの製造方法。
  4. 請求項記載の方法で製造した高純度シリコンインゴット。
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