JP4841103B2 - フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント配線板用基板の製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板に関し、詳しくは、回路形成後にカール、ねじれ、反り等を生ずることがなく、しかも、耐熱性、寸法安定性、接着性、電気的特性等に優れたフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フレキシブルプリント配線板用基板はポリイミド、ポリエステルなどのフィルムからなる絶縁体と導体とをエポキシ樹脂、アクリル樹脂などの接着剤を介して貼り合わせて製造されている。しかし、この様な方法で製造されたフレキシブルプリント配線板用基板は、接着剤層が存在するために、耐熱性、難燃性などが低下するという問題があった。また、導体をエッチングした際や、何らかの熱処理を施した際の寸法変化率が大きく、その後の工程で支障をきたすという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を解決するために、接着剤層を存在させることなく、ポリイミド系樹脂層を導体上に直接形成するフレキシブルプリント基板を製造する方法が検討されている。例えば、特開昭60−157286号公報においては、特定構造を有するポリイミド樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布した後、これを硬化してフレキシブルプリント配線板用基板を得る方法が提案されている。しかし、この方法で得られたフレキシブルプリント配線板用基板は回路を形成するためにエッチングにより導体の一部を除去すると、導体を除去した面を内側にして大きくカールするので、その後の工程において例えば電子部品を実装する工程で電子部品を正確に装着することができないなどの支障をきたすという問題があった。この問題を解決する方法として、特開平1−245586号公報、特開平4−274382号公報、特開平8−250860号公報には、導体上に絶縁体として形成するポリイミド系樹脂層を、熱膨張係数が異なる複数のポリイミド系樹脂からなる多層構造に形成する方法が提案されている。しかし、これらの方法によっても、上記カール発生の問題は依然として充分には解決できないものであった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、本発明の目的は、回路形成後にカール、ねじれ、反り等を生ずることが抑制され、しかも、耐熱性、寸法安定性、接着性に優れ、電気的特性等にも優れたフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法及びフレキシブルプリント配線板用基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の2種のポリイミド樹脂前駆体を用いてポリイミド樹脂層を形成することにより目的とするフレキシブルプリント配線板用基板が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法は、ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、2種のポリイミド系樹脂前駆体A、Bの溶液のうちの一方のポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、その上に上記ポリイミド系樹脂前駆体Bが熱硬化して形成されるポリイミド系樹脂に生ずる残留歪を打消し得るポリイミド系樹脂前駆体Aであって、熱硬化速度が上記ポリイミド系樹脂前駆体Bよりも速いポリイミド系樹脂前駆体Aの溶液を塗布することにより製造する方法である。
【0007】
また、本発明のフレキシブルプリント配線板用基板は上記製造方法によって得られたものである。
これにより、熱硬化時のポリイミド系樹脂層の収縮に起因する残留歪が低減され、カール、ねじれ、反りなどの発生を抑制することができる。
【0008】
本発明の請求項1に記載の製造方法は、ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、2種のポリイミド系樹脂前駆体A、Bの溶液のうちの一方のポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、その上に上記ポリイミド系樹脂前駆体Bが熱硬化して形成されるポリイミド系樹脂に生ずる残留歪を打消し得るポリイミド系樹脂前駆体Aであって、熱硬化速度が上記ポリイミド系樹脂前駆体Bよりも速いポリイミド系樹脂前駆体Aの溶液を塗布することにより製造するものである。
【0009】
また、本発明の請求項2に記載の製造方法は、上記ポリイミド系樹脂前駆体Aとして、熱硬化速度指標が、上記ポリイミド系樹脂前駆体Bの熱硬化速度指標よりも10%以上大きいポリイミド系樹脂前駆体を用いるものである。
【0010】
また、本発明の請求項3に記載の製造方法は、上記ポリイミド系樹脂前駆体Aとして、熱硬化速度指標が、上記ポリイミド系樹脂前駆体Bの熱硬化速度指標よりも30%以上大きいポリイミド系樹脂前駆体を用いるものである。
【0011】
また、本発明の請求項4に記載の製造方法は、上記ポリイミド系樹脂前駆体Bがポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンと下記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体とからなる塩、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体であり、上記ポリイミド系樹脂前駆体Aがポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンと下記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体とからなる塩、又はそれらの混合物からなり、かつ、テトラカルボン酸誘導体の含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のテトラカルボン酸誘導体含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体であるものである。
【化1】
ここで、R1は4価の芳香族残基、R2は2価の芳香族残基を表し、nは平均値であって1以上の実数を表す。
【化2】
ここで、R3は4価の芳香族残基、R4は水素原子又はアルキル基を表す。
【0012】
また、本発明の請求項5に記載の製造方法は、上記ポリイミド系樹脂前駆体Bがポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体であり、上記ポリイミド系樹脂前駆体Aがポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなり、かつトリアルキルアミンの含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のトリアルキルアミン含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体であるものである。
【0013】
また、本発明の請求項6に記載の製造方法は、ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、ポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンとピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸とからなる塩、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、その上に、ポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンとピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸とからなる塩、又はそれらの混合物からなり、かつ、ピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体Aを塗布するものである。
【化3】
ここで、R1は4価の芳香族残基、R2は2価の芳香族残基を表し、nは平均値であって1以上の実数を表す。
【0014】
また、本発明の請求項7に記載の製造方法は、ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、ポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリエチルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、その上に、ポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリエチルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなり、かつ、トリエチルアミンの含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のトリエチルアミン含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体Aの溶液を塗布するものである。
【0015】
さらに、本発明の請求項8に記載のフレキシブルプリント配線板用基板は、請求項1から7のいずれかに記載の製造方法によって得られたものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を詳細に説明する。
以下の説明において、ポリイミド系樹脂前駆体Aを前駆体A、ポリイミド系樹脂前駆体Bを前駆体B、ポリイミド系樹脂前駆体Aの溶液を溶液A、ポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を溶液Bとそれぞれ略称する。
【0017】
ここで、本発明にいうポリイミド系樹脂とは、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル等の耐熱性樹脂を包含し、好ましくはポリイミド樹脂を主成分とするものである。したがって、ポリイミド系樹脂前駆体とは、イミド化して上記ポリイミド系樹脂を形成するものである。
本発明においては、前駆体Aとしては、熱硬化速度が前駆体Bの熱硬化速度よりも速いポリイミド系樹脂前駆体が用いられる。
【0018】
ここで、ポリイミド系樹脂前駆体の熱硬化速度は、例えば次の方法により測定することができる。
まず、厚み3mmのガラス板上にポリイミド系樹脂前駆体ワニスを塗布し、350℃で2時間熱処理後、室温下に取り出し、形成された塗膜を剥離して、メノウ乳鉢を用いてよく砕いた後、同乳鉢上でKBr微粉末と均質に混合し、プレス機にてKBrディスクを成形する。これをデシケーター中で12時間以上乾燥させた後、パーキンエルマー社製System−2000型フーリエ変換赤外分光光度計を用いて赤外分光スペクトル(TGS検出器、64回積算処理)を測定する。
すなわち、イミドカルボニル結合に由来する1770cm−1付近の吸収に基づく吸光度a1と、ベンゼン環のC−H結合に由来する1500cm−1付近の吸収に基づく吸光度a2とをそれぞれ測定し、次式に従って両者の吸光度比aを算出する。
a=吸光度a1/吸光度a2
次に、熱処理条件を160℃の温度で10分間とする以外は上記と同様にして赤外分光スペクトルを測定し、イミドカルボニル結合に由来する1770cm−1付近の吸収に基づく吸光度b1と、ベンゼン環のC−H結合に由来する1500cm−1付近の吸収に基づく吸光度b2との吸光度比bを次式に従って算出する。
b=吸光度b1/吸光度b2
しかる後、(a/b)×100(%)を算出し、これを熱硬化速度指標cとする。この熱硬化速度指標cは、ポリイミド系樹脂前駆体のイミド閉環の割合を示すものであって、この値が高ければ高い程、熱硬化速度が速いポリイミド系樹脂前駆体とみなすことができる。
【0019】
本発明においては、上記前駆体Aとして、熱硬化速度指標が、上記前駆体Bの熱硬化速度指標よりも10%以上大きいポリイミド系樹脂前駆体が好ましく用いられる。
また、本発明においては、上記前駆体Aとして、熱硬化速度指標が、上記前駆体Bの熱硬化速度指標よりも30%以上大きいポリイミド系樹脂前駆体がより好ましく用いられる。
【0020】
本発明におけるポリイミド系樹脂前駆体の好ましい態様としては、例えば、次のポリイミド系樹脂前駆体が挙げられる。
すなわち、前駆体Bとしては、ポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体を用い、前駆体Aとしては、ポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体であって、かつポリイミド系樹脂前駆体中のトリアルキルアミンの含有量が上記前駆体B中のトリアルキルアミン含有量よりも多いものを用いる。上記前駆体Bのトリアルキルアミンの含有量は0であってもよい。
【0021】
上記ポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体としては、アルキル基が炭素数1から10程度のものが好ましく用いられる。これらのアルキル基は直鎖状、枝分かれ状あるいは環状でもよい。また、これらのアルキル基においては、3つのアルキル基は同一でも異なっていてもよい。
上記ポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体としては、例えばポリアミド酸のトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリイソブチルアミン、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(t−ブチル)アミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ブチルジメチルアミン誘導体等が例示できるが、これらに限定はされない。上記トリアルキルアミンはイミド閉環時に溶媒とともに揮散される沸点を有するもの、すなわち沸点200℃以下のものが望ましい。
【0022】
また、本発明におけるポリイミド系樹脂前駆体の好ましい他の態様としては、例えば、次のポリイミド系樹脂前駆体が挙げられる。
すなわち、前駆体Bとしては、ポリアミド酸、又は上記構造式(1)で示されるジアミンと上記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体とからなる塩、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体が用いられ、前駆体Aとしては、ポリアミド酸、又は上記構造式(1)で示されるジアミンと上記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体とからなる塩、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体であって、かつポリイミド系樹脂前駆体中のテトラカルボン酸誘導体の含有量が上記前駆体B中のテトラカルボン酸誘導体の含有量よりも多いものが用いられる。上記前駆体B中のテトラカルボン酸誘導体の含有量は0であってもよい。
【0023】
また、本発明において使用し得る導体としては、銅、アルミニウム、鉄、銀、パラジウム、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン又はそれらの合金等の導電性材料からなる金属箔が挙げられるが、銅箔が最も適している。
これらの導体は、上記ポリイミド系樹脂との接着性を向上させるために、その表面に化学的あるいは機械的な表面処理を施したものでもよい。化学的な表面処理としては、ニッケルメッキ、銅−亜鉛合金メッキ等のメッキ処理、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等の表面処理剤による処理などが挙げられる。上記シランカップリング剤としては、アミノ基を有するシランカップリング剤が好ましく用いられる。また、機械的な表面処理としては、サイディングなどが挙げられる。
【0024】
上記ポリイミド系樹脂前駆体はいずれもこれを溶液として導体上に塗布するが、ポリイミド系樹脂前駆体を溶解するための溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒、エーテル系化合物、水溶性アルコール系化合物が挙げられる。
非プロトン性極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスフォラアミド等が挙げられる。
また、エーテル系化合物としては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。
また、水溶性アルコール系化合物としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
【0025】
これらの溶媒は2種以上を混合して用いることができる。これらの溶媒のうち、特に好ましい例としては、単独溶媒としてはN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられ、また、混合溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミドとN−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンとメタノール、N−メチル−2−ピロリドンと2−メトキシエタノール等の組み合わせが挙げられる。
【0026】
次に、ポリイミド系樹脂前駆体の製造方法について説明する。
まず、ポリアミド酸からなる溶液は、下記構造式(3)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物と下記構造式(4)で示される芳香族ジアミンとを上記溶媒例えば非プロトン性極性溶媒中で反応させることにより製造することができる。
【化4】
ここで、R1は4価の芳香族残基を表す。
【化5】
ここで、R2は2価の芳香族残基を表す。
上記反応においては、上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミンとの割合は、ジアミン1モルに対してテトラカルボン酸二無水物1.03〜0.97モルが好ましく、より好ましくはジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物が1.01〜0.99モルである。また、反応温度は、−30〜60℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
上記反応において、モノマー及び溶媒の混合順序は特に制限はなくいかなる順序でもよい。溶媒として混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌下、所定の温度と時間で反応させることによっても、ポリアミド酸からなる溶液が得られる。
【0027】
次に、ポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体は、例えば、上記で得られたポリアミド酸の非プロトン性極性溶媒溶液に、ポリアミド酸中のカルボキシル基の0.2〜1.0倍モル、好ましくは0.3〜0.8倍モルの上記トリアルキルアミンを加えて、10〜90℃好ましくは20〜80℃で反応させることよって得られる。また、ポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体は、ポリアミド酸の製造時にトリアルキルアミンを添加することによって得ることもできる。
ここで、溶液Aと溶液Bとでは、トリアルキルアミン誘導体の含有量が異なるが、前駆体A、Bの全質量に対して前駆体Aを前駆体Bよりも1質量%以上多くすることが好ましく、より好ましくは2質量%以上である。
【0028】
さらに、上記構造式(1)で示されるジアミンと上記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体との塩からなるポリイミド系樹脂前駆体の溶液は、構造式(1)で示されるジアミンの溶液に、構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体を添加することにより製造することができる。
ここでは、好ましい例として、非プロトン性極性溶媒中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより、構造式(1)で示されるジアミンの溶液を製造した後、構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体を添加してポリイミド樹脂前駆体の溶液を製造する方法について説明する。
【0029】
まず、構造式(3)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物と構造式(4)で示される芳香族ジアミンとを、非プロトン性極性溶媒中で反応させ、構造式(1)で示されるジアミンの溶液を製造する。
構造式(1)で示されるジアミンを得るためのテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、ジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物0.50〜0.95モルが好ましく、より好ましくはジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物が0.60〜0.90モルである。また、その反応温度は、−30〜60℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。
【0030】
次いで、構造式(1)で示されるジアミンの溶液に構造式(2)で示される芳香族テトラカルボン酸誘導体を添加し、上記ジアミンと上記芳香族テトラカルボン酸誘導体との塩からなるポリイミド樹脂前駆体の溶液を得る。
構造式(2)で示される芳香族テトラカルボン酸誘導体の添加割合は構造式(1)で示されるジアミン中のアミノ基1当量に対し、0.97/2〜1.03/2モルが好ましく、より好ましくは0.99/2〜1.01/2モルである。
【0031】
上記構造式(1)で示されるジアミンの溶液を製造する際には、ジアミンは1種類でもよく、2種類を混合しても用いてもよい。また、モノマーである上記芳香族テトラカルボン酸二無水物、上記芳香族ジアミン、及び溶媒の混合順序は特に制限はなくいかなる順序でもよい。溶媒として混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌下、所定の温度で所定の時間反応させることによっても、構造式(1)からなるジアミンの溶液が得られる。
また、構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体を添加する方法は、上記ジアミンの溶液に撹拌下、固体のままか、もしくは溶液にして添加する。また、上記テトラカルボン酸誘導体は1種類でもよく、2種類を混合して用いてもよい。
上記ポリイミド樹脂前駆体の溶液は2種類以上混合して用いることができる。
【0032】
上記構造式(2)で示される芳香族テトラカルボン酸誘導体の具体例としては、ピロメリット酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3′,4,4′−ジフェニルメタンテトラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、及びこれらの酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、ジプロピルエステル等が挙げられる。芳香族テトラカルボン酸誘導体は2種類以上を混合して用いることもできる。
【0033】
また、上記構造式(3)で示される芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例としては、上記芳香族テトラカルボン酸の二無水物が挙げられる。これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物は2種類以上を混合して用いることもできる。
【0034】
さらに、上記構造式(4)で示される芳香族ジアミンの具体例としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス(アニリノ)エタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノベンズアニリド、ジアミノベンゾエート、ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(p−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、ジアミノトルエン、ジアミノベンゾトリフルオライド、1,4−ビス(p−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4′−ビス(p−アミノフェノキシ)ビフェニル、ジアミノアントラキノン、4,4′−ビス(3−アミノフェノキシフェニル)ジフェニルスルホン、1,3−ビス(アニリノ)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(アニリノ)オクタフルオロブタン、1,5−ビス(アニリノ)デカフルオロペンタン、1,7−ビス(アニリノ)テトラデカフルオロヘプタン等が挙げられる。これらの芳香族ジアミンは2種類以上を混合して用いることもできる。
【0035】
ここで、溶液Aと溶液Bとでは、芳香族テトラカルボン酸誘導体の含有量が異なるが、前駆体A、Bの全質量に対して前駆体Aを前駆体Bよりも1質量%以上多くすることが好ましく、より好ましくは2質量%以上である。
【0036】
本発明において、上記いずれの態様においても、ポリイミド樹脂前駆体の溶液を製造する際、重合性不飽和結合を有するアミン、ジアミン、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸の誘導体を添加して、熱硬化時に橋かけ構造を形成させることができる。不飽和化合物としては、マレイン酸、ナジック酸、テトラヒドロフタル酸、エチニルアニリン等が使用できる。
ポリイミド樹脂前駆体の合成条件、乾燥条件、その他の理由等により、ポリイミド樹脂前駆体中に部分的にイミド化されたものが存在していても特に支障はない。
また、これらのポリイミド樹脂前駆体の溶液を製造する際、上記溶媒に可溶なポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等、他の耐熱性樹脂を混合することができる。さらに、接着性(密着性)向上やフィルム物性を向上させるため、シランカップリン剤や各種界面活性剤を微量添加することもできる。
【0037】
次に、本発明のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法について説明する。
上記のようにして得られるそれぞれの態様における溶液Aと溶液Bは導体上に塗布され、これらは乾燥されて前駆体層が形成され、さらに熱硬化してイミド化され、溶液Aに含まれる前駆体Aがイミド化した被膜Aと溶液Bに含まれる前駆体Bがイミド化した被膜Bとからなるポリイミド樹脂層が形成される。
【0038】
ポリイミド樹脂層を形成するに際しては、溶液Bを導体上に直接接して塗布し、溶液Aをその上に塗布するようにする。
具体的には、まず、上記溶液Bを所定厚さの導体の粗面化した表面上に熱硬化後の被膜Bの厚さが所定の厚さになるように塗布し、好ましくは200℃以下の温度、より好ましくは150℃以下で乾燥し、内層とする前駆体の被膜を形成する。さらに、その上に上記溶液Aを熱硬化後の被膜Aの厚さが所定の厚さになるように塗布し、好ましくは200℃以下の温度、より好ましくは150℃以下で乾燥し、外層とする前駆体の被膜を形成する。そして、最後に150℃以上500℃以下の温度で熱処理し、上記2つの前駆体の被膜を熱硬化してイミド化を完了する。それによって、導体上に被膜Aと被膜Bとからなる絶縁層であるポリイミド系樹脂層が形成されたフレキシブルプリント配線板用基板が得られる。
上記溶液Aと上記溶液Bは、複数回に分けて塗布し、最後にこれらを熱硬化してもよい。また、被膜Bと被膜Aとからなるポリイミド系樹脂層を2層以上形成してもよい。
ここでは、ポリイミド系樹脂前駆体として、ポリイミド樹脂前駆体について述べたが、他のポリイミド系樹脂前駆体についても、同様にしてフレキシブルプリント配線板用基板を製造することができる。
さらに、導体とポリイミド系樹脂層と接着性(密着性)向上又は被膜物性をコントロールするために、両者の間にポリイミド系樹脂、その他の耐熱性樹脂層を形成してもよい。
【0039】
本発明において、2種の溶液Aと溶液Bを導体上に塗布する際には、熱硬化後の被膜Aの厚さ(t1)と被膜Bの厚さ(t2)とは、同じ厚さでもよいが、その比率(t2/t1)は0.01〜100が好ましく、より好ましくは0.1〜10、さらに好ましくは0.3〜3である。また、ポリイミド系樹脂層全体の厚さ(t1+t2)は、通常5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。
【0040】
さらに、ポリイミド系樹脂層の平均線膨張係数は10〜40ppm/℃であることが好ましく、この範囲内であれば、2層の被膜を形成するそれぞれのポリイミド系樹脂の化学構造又は化学構造に依存する性質である線膨張係数は同一であっても異なっていてもよい。また、ポリイミド系樹脂層の線膨張係数が異なっている場合は、導体と接している被膜Bの線膨張係数は被膜Aの線膨張係数より高くても低くてもよい。
【0041】
本発明においては、上記のように前駆体Aとして、前駆体Bが熱硬化して形成されるポリイミド系樹脂における残留歪を打消し得るポリイミド系樹脂前駆体を用いる。これにより、前駆体Aと前駆体Bとの間に発生した前駆体Bからなるポリイミド系樹脂における残留歪が打ち消されるとともに前駆体Bと導体との間に発生した前駆体Bからなるポリイミド系樹脂における残留歪が打ち消される。そして、結局、導体とポリイミド系樹脂層との間に発生したポリイミド系樹脂の残留歪が打ち消されることになり、カール、ねじれ、反りの発生が抑制される。さらに、寸法安定性、絶縁破壊電圧などの電気的特性等が向上し、また、耐熱性、接着性、耐折り曲げ性、耐薬品性等にも優れたものが得られる。
【0042】
また、本発明において、導体上に形成する前駆体Aと前駆体Bとの前駆体層の厚さは、その基本となるポリイミド系樹脂前駆体の化学構造に影響されるが、簡単な試行錯誤によって最適値を決定することができる。例えば基板をエッチングした後にカールが充分抑えられていない場合、積層される前駆体層の厚さを増減することによって簡単に調整することができる。
【0043】
上記ポリイミド系樹脂前駆体を導体へ塗布するに際しては、工業的には、コーティング機械として、ダイコータ、多層ダイコータ、グラビアコータ、コンマコータ、リバースロールコータ、ドクタブレードコータ等が使用でき、塗布された前駆体を熱硬化する方法は、前駆体が塗布されて銅箔をロール状に巻き取った状態で不活性ガス雰囲気下に炉内で加熱する方法、製造ラインに加熱ゾーンを設ける方法等により行うことができる。
【発明の効果】
【0044】
上記のように、本発明の製造方法によると、特定のポリイミド系樹脂前駆体からポリイミド系樹脂層を形成するので、回路形成後にカール、ねじれ、反り等の発生することが抑制され、しかも、耐熱性、高温時の寸法安定性、接着性、電気的特性等に優れたフレキシブルプリント配線板用基板を得ることができる。
また、本発明のフレキシブルプリント配線板用基板は、カール、ねじれ、反り等の発生が抑制されるので、なんらの支障をきたすことなく電子部品などを実装することができ、電子部品などの高度な実装密度にも耐え得るものである。さらに、耐熱性、高温時の寸法安定性、接着性、電気的特性等にも優れるものである。
【実施例】
【0045】
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
参考例1〜10にポリイミド樹脂前駆体溶液の合成例を示す。なお、各例において使用する化合物の略号は次のとおりである。
【0046】
(反応成分)
BPDA:3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BPA−A:3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
BPA−E:3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸ジメチルエステル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
ODA:4,4′−オキシジアニリン
PDA:p−フェニレンジアミン
【0047】
(溶媒)
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
【0048】
参考例1
三つ口・フラスコに窒素ガス気流下、ODA30.03g(0.15mol)、PDA91.92g(0.85mol)、DMAc2330g及びNMP999gを採取し、このフラスコを氷水中に入れて上記内容物を30分間攪拌した後、BPDA294.22g(1.00mol)を加え、40℃の湯浴中で1時間攪拌を行い、ポリアミド酸からなる均一なポリイミド樹脂前駆体の溶液を得た。これを前駆体溶液aとする。
【0049】
参考例2
三つ口・フラスコに窒素ガス気流下、PDA13.34g(123.3mmol)とODA4.36g(21.8mmol)を採取し、DMAc245gとNMP105gを加えてよく撹拌した。これにPMDA32.3g(148.1mmol)を加えて室温(25℃)で一夜間(12時間)撹拌して、固形分濃度12.5質量%のポリアミド酸の均一な溶液を得た。これを前駆体溶液bとする。
【0050】
参考例3
三つ口・フラスコに窒素ガス気流下、BPDA18.38g(62.5mmol)を採取し、DMAc122.5gを加えて溶解した。これにPDA6.62g(61.2mmol)とNMP52.5gを加えて室温で一夜間撹拌して、固形分濃度12.5質量%のポリアミド酸の均一な溶液を得た。これを前駆体溶液cとする。
【0051】
上記参考例1〜3によって得られた前駆体溶液a〜cは、いずれもテトラカルボン酸誘導体を含まないものであり、また、反応成分にトリアルキルアミンを含まないことから、トリアルキルアミンの含有量は0質量%であった。
【0052】
参考例4
参考例1で得たポリアミド酸の溶液(前駆体溶液a)にトリエチルアミン81.0g(0.80mol)をゆっくり滴下し、室温で3時間撹拌してポリアミド酸のトリエチルアミン塩溶液を得た。これを前駆体溶液dとする。この前駆体溶液中のトリエチルアミンの含有量は2.1質量%であった。
【0053】
参考例5
参考例1で得たポリアミド酸の溶液(前駆体溶液a)にトリエチルアミン202.38g(2.0mol)をゆっくり滴下し、室温で3時間撹拌してポリアミド酸のトリエチルアミン塩溶液を得た。これを前駆体溶液eとする。この前駆体溶液中のトリエチルアミンの含有量は5.1質量%であった。
【0054】
参考例6
参考例3で得たポリアミド酸の溶液(前駆体溶液c)にトリエチルアミン12.65g(0.125mol)をゆっくり滴下し、室温で3時間撹拌してポリアミド酸のトリエチルアミン塩溶液を得た。これを前駆体溶液fとする。この前駆体溶液中のトリエチルアミンの含有量は5.9質量%であった。
【0055】
参考例7
三つ口・フラスコに窒素ガス気流下、ODA30.03g(0.15mol)、PDA91.92g(0.85mol)、DMAc1180g及びNMP506gを採取し、このフラスコを氷水中に入れて上記内容物を30分間攪拌した後、BPDA250.09g(0.85mol)を加え、40℃の湯浴中で1時間攪拌を行った。次いで、BPA−A49.54(0.15mol)を加えて40℃の湯浴中で2時間攪拌し、さらに60℃の湯浴中で3時間攪拌を行い、ジアミンとテトラカルボン酸との塩からなる均一なポリイミド樹脂前駆体の溶液を得た。これを前駆体溶液gとする。この前駆体溶液中のテトラカルボン酸誘導体の含有量は11.8質量%であった。
【0056】
参考例8
BPDAの量を220.67g(0.75mol)、BPA−Aの量を82.56g(0.25mol)、DMAcの量を992g、NMPの量を425gにそれぞれ変えた以外は参考例7と同様にしてポリイミド樹脂前駆体の溶液を得た。これを前駆体溶液hとする。この前駆体溶液中のテトラカルボン酸誘導体の含有量は19.4質量%であった。
【0057】
参考例9
BPA−AをBPA−Eに代えた以外は参考例7と同様にしてポリイミド樹脂前駆体の溶液を得た。これを前駆体溶液iとする。この前駆体溶液中のテトラカルボン酸ジメチルエステルの含有量は20.8質量%であった。
【0058】
参考例10
前駆体溶液aと前駆体溶液hとを、両者のポリイミド樹脂前駆体の量が等量となるように混合し、均一なポリイミド樹脂前駆体の溶液を得た。これを前駆体溶液jとする。この前駆体溶液中のテトラカルボン酸誘導体の含有量は9.7質量%であった。
【0059】
参考例1〜10で得られた前駆体溶液a〜j中に含まれるポリイミド樹脂前駆体の熱硬化速度指標を測定した結果を、テトラカルボン酸誘導体、又はトリアルキルアミンの含有量とともに表−1に示した。
【0060】
【表1】
【0061】
実施例1
電気分解によって得られた厚さ35μmの銅箔を金属枠に固定し、この銅箔上に上記前駆体溶液aを熱硬化後の被膜Bの厚さが5μmになるようにバーコータによって塗布し、130℃で10分間乾燥して内層を形成した。次いで、室温(25℃)雰囲気下において、上記内層の層上に、上記前駆体溶液gを熱硬化後の被膜Aの厚さが20μmになるようにバーコータによって塗布し、100℃で5分間乾燥して外層を形成した。次いで、100℃から360℃まで2時間かけて昇温した後、360℃で2時間熱処理し、上記内層を構成する前駆体と外層を構成する前駆体をそれぞれ熱硬化させてイミド化した。これによって、被膜Bの上に被膜Aが形成されたポリイミド樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板(銅張板)を得た。
【0062】
実施例2
実施例1における前駆体溶液gを上記前駆体溶液hに代え、さらに被膜Bの厚さを17μmに、被膜Aの厚さを8μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
このフレキシブルプリント配線板用基板における銅箔と樹脂層との接着力をテンシロンテスター(インテスコ社製、精密万能材料試験機2020型)を用いて測定した。
接着力を測定するに際しては、上記基板を幅10mmに切断し、樹脂層側を、粘着剤が両面に塗布された両面粘着テープによってアルミニウム板に固定した。そして、この状態で銅箔を180°方向に50mm/分間の速度で樹脂層から剥離することによって、接着力を求めた。得られた結果は1.6kg/cmと良好であった。
また、上記フレキシブルプリント配線板用基板を塩化第二鉄水溶液中に浸漬し、銅箔を塩化第二鉄水溶液によって全面エッチングし、基板から銅箔を全て除去した。エッチング後に得られた樹脂層の線膨張係数及び二次転移温度Tgをサーモメカニカルアナライザー(TMA:TAインスツルメント社製、TMA2940型)を用いて求めた。得られた結果は、線膨張係数が23ppm/℃、二次転移温度Tgが345℃であり、上記樹脂層は良好な寸法安定性と耐熱性を有していることが分かった。
【0063】
実施例3
実施例1における前駆体溶液gを上記前駆体溶液iに代え、さらに被膜Bの厚さを14μmに、被膜Aの厚さを11μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0064】
実施例4
実施例1における前駆体溶液gを上記前駆体溶液jに代え、さらに被膜Bの厚さを4μmに、被膜Aの厚さを21μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0065】
実施例5
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液jに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液hにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを12μmに、被膜Aの厚さを9μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0066】
実施例6
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体bに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液dにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを14μmに、被膜Aの厚さを11μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0067】
実施例7
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液cに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液eにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを14μmに、被膜Aの厚さを11μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0068】
実施例8
実施例5において、被膜Aの厚さを15μmに変えた以外は実施例5の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0069】
実施例9
実施例1における前駆体溶液gを上記前駆体溶液eに代え、さらに被膜Bの厚さを11μmに、被膜Aの厚さを14μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0070】
実施例10
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液cに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液fにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを5μmに、被膜Aの厚さを20μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0071】
比較例1
実施例1における前駆体溶液gを前駆体溶液aに代え、さらに被膜Bの厚さを10μmに、被膜Aの厚さを15μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0072】
比較例2
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液gに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液aにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを10μmに、被膜Aの厚さを15μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0073】
比較例3
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液hに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液aにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを10μmに、被膜Aの厚さを15μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0074】
比較例4
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液jに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液aにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを10μmに、被膜Aの厚さを15μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0075】
比較例5
実施例1における前駆体溶液aを上記前駆体溶液eに、前駆体溶液gを上記前駆体溶液aにそれぞれ代え、さらに被膜Bの厚さを10μmに、被膜Aの厚さを15μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0076】
比較例6
実施例1における前駆体溶液gを上記前駆体溶液cに代え、さらに被膜Bの厚さを14μmに、被膜Aの厚さを11μmにそれぞれ変えた以外は実施例1の方法と同様の方法でフレキシブルプリント配線板用基板を得た。
【0077】
実施例1〜10、比較例1〜6において、内層及び外層を形成するために塗布した前駆体溶液及び被膜の厚さを表−2にまとめて示した。
【0078】
【表2】
【0079】
さらに、実施例1〜10、比較例1〜6によって得られたフレキシブルプリント配線板用基板(エッチング前)、及び銅箔を塩化第二鉄水溶液で全面エッチングした後に得られた樹脂層(エッチング後)のカール特性を測定した結果を表−3に示した。
ここで、カール特性については、縦10cm、横10cmの大きさの試料を100℃で10分間乾燥し後、発生したカールの曲率半径を求めた。カールの曲率半径が20mm未満を×、曲率半径が20mm以上50mm未満を△、50mm以上90mm未満を○、90mm以上を◎で表示した。
【0080】
【表3】
【0081】
表−3に示すように、実施例1〜10のように外層に内層よりも熱硬化速度指標が大きい前駆体からなる被膜を形成することによって得られたフレキシブルプリント配線板用基板は、カールが発生しにくく、カール特性が良好であり、電子部品などの高度な実装密度に耐え得るフレキシブルプリント配線板用基板であることが分かる。これに対して、比較例1のように内層と外層とが同じ熱硬化速度指標の前駆体からなる被膜を形成した場合、又は比較例2〜6のように内層に外層よりも熱硬化速度指標が大きい前駆体からなる被膜を形成した場合はカールが発生し易く、カール特性に劣るものである。
また、実施例2から明らかなように、本発明の方法によって得られたフレキシブルプリント配線板用基板は銅箔と樹脂層との接着性、耐熱性、寸法安定性に優れている。
Claims (8)
- ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、
2種のポリイミド系樹脂前駆体A、Bの溶液のうちの一方のポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、
その上に上記ポリイミド系樹脂前駆体Bが熱硬化して形成されるポリイミド系樹脂に生ずる残留歪を打消し得るポリイミド系樹脂前駆体Aであって、熱硬化速度が上記ポリイミド系樹脂前駆体Bよりも速いポリイミド系樹脂前駆体Aの溶液を塗布することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。 - 上記ポリイミド系樹脂前駆体Aの熱硬化速度指標が、上記ポリイミド系樹脂前駆体Bの熱硬化速度指標よりも10%以上大きいことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
- 上記ポリイミド系樹脂前駆体Aの熱硬化速度指標が、上記ポリイミド系樹脂前駆体Bの熱硬化速度指標よりも30%以上大きいことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
- 上記ポリイミド系樹脂前駆体Bがポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンと下記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体とからなる塩、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体であり、
上記ポリイミド系樹脂前駆体Aがポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンと下記構造式(2)で示されるテトラカルボン酸誘導体とからなる塩、又はそれらの混合物からなり、かつ、テトラカルボン酸誘導体の含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のテトラカルボン酸誘導体含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
- 上記ポリイミド系樹脂前駆体Bがポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体であり、
上記ポリイミド系樹脂前駆体Aがポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリアルキルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなり、かつトリアルキルアミンの含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のトリアルキルアミン含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。 - ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、
ポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンとピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸とからなる塩、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、
その上に、ポリアミド酸、又は下記構造式(1)で示されるジアミンとピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸とからなる塩、又はそれらの混合物からなり、かつ、ピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のピロメリット酸もしくは3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸の含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体Aを塗布することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。
- ポリイミド系樹脂前駆体の溶液を導体上に直接塗布してポリイミド系樹脂前駆体層を形成し、これを熱硬化してポリイミド系樹脂層を有するフレキシブルプリント配線板用基板を製造するに際して、
ポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリエチルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなるポリイミド系樹脂前駆体Bの溶液を導体上に直接接するように塗布し、
その上に、ポリアミド酸、又はポリアミド酸のトリエチルアミン誘導体、又はそれらの混合物からなり、かつ、トリエチルアミンの含有量が上記ポリイミド系樹脂前駆体B中のトリエチルアミン含有量よりも多いポリイミド系樹脂前駆体Aの溶液を塗布することを特徴とするフレキシブルプリント配線板用基板の製造方法。 - 請求項1から7のいずれかに記載の製造方法によって得られたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板用基板。
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