JP4839174B2 - 繊維構造体およびその製造方法および衣料 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体であって、洗濯堅牢度に優れ、かつ該繊維構造体に含まれるポリエーテルエステル繊維が高強度を有する繊維構造体に関するものである。
従来、ポリエーテルエステル繊維は、スポーツ衣料やユニフォーム衣料などの繊維構造体として広く使用されている(例えば、特許文献1参照)。
他方、かかるポリエーテルエステル繊維を含む繊維構造体を染色加工すると、染料がポリエーテルエステル繊維に過度に染着するため、染色加工された繊維構造体の洗濯堅牢度が著しく低下するという問題があった。
このため、ポリエーテルエステル繊維を含む繊維構造体を染色加工したのち、該繊維構造体を還元洗浄処理することが提案されている。そして、かかる還元洗浄処理は、染料の加水分解を促進し、かつ還元剤を安定化させるため強アルカリの還元浴中で行われている(例えば、特許文献2、特許文献3、非特許文献1参照)。
しかしながら、ポリエーテルエステル繊維を含む繊維構造体を強アルカリの還元浴中で還元洗浄処理すると、ポリエーテルエステル繊維が劣化し繊維強度が低下するという問題があった。
国際公開第2004/113599号パンフレット 特開平4−240277号公報 特開平9−176971号公報 (株)繊維社発行 加工技術 2003年7月号 23〜24頁
本発明は前記従来技術に鑑みなされたものであり、その課題は、ポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体であって、洗濯堅牢度に優れ、かつ該繊維構造体に含まれるポリエーテルエステル繊維が高強度を有する繊維構造体およびその製造方法および衣料を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、ポリエーテルエステル繊維としてポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維を採用することにより、弱アルカリ〜酸性の還元浴中で還元処理することができることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「ポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体であって、AATCC IIA法により測定した繊維構造体の洗濯堅牢度が3級以上であり、かつ該繊維構造体に含まれる前記ポリエーテルエステル繊維の強度が0.1g/dtex以上であることを特徴とする繊維構造体。」が提供される。
その際、前記のポリエーテルエステル繊維が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維であることが好ましい。また、前記ポリエーテルエステル繊維に酸化防止剤が含まれることが好ましい。ポリエーテルエステル繊維に含まれる酸化防止剤の含有量としては繊維重量に対して0.1〜2.0重量%であることが好ましい。
本発明の繊維構造体において、繊維構造体に、他の繊維としてポリエステル繊維が含まれることが好ましい。その際、前記ポリエステル繊維がポリエチレンテレフタレート繊維であることが好ましい。また、繊維構造体の明度指数L値が50以下であることが好ましい。また、繊維構造体が織物組織または編物組織を有することが好ましい。
また、本発明によれば、「前記の繊維構造体の製造方法であって、ポリエーテルエステル繊維を含む繊維構造体を得た後、該繊維構造体に染色加工を施し、pH8〜2の還元浴中で還元洗浄処理することを特徴とする繊維構造体の製造方法。」が提供される。その際、前記のポリエーテルエステル繊維が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の繊維構造体を用いてなる衣料が提供される。
本発明によれば、ポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体であって、洗濯堅牢度に優れ、かつ該繊維構造体に含まれるポリエーテルエステル繊維が高強度を有する繊維構造体およびその製造方法および衣料が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の繊維構造体は、ポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体である。
ここで、ポリエーテルエステル繊維としては、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維であることが好ましい。該繊維は親水基を有するため、還元洗浄処理の際、還元剤が繊維内部まで浸透するため、染料を繊維内部から強く還元分解することが可能となる。
上記ポリブチレンテレフタレートは、ブチレンテレフタレート単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。ブチレンテレフタレートの含有率は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。酸成分は、テレフタル酸が主成分であるが、少量の他のジカルボン酸成分を共重合してもよく、またグリコール成分は、テトラメチレングリコールを主成分とするが、他のグリコール成分を共重合成分として加えてもよい。
テレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えばナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、アジピン酸、セバシン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸のような芳香族、脂肪族のジカルボン酸成分を挙げることができる。さらに、トリメリット酸、ピロメリット酸のような三官能性以上のポリカルボン酸を共重合成分として用いても良い。
また、テトラメチレングリコール以外のジオール成分としては、例えばトリメチレングリコール、エチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコールのような脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物を挙げることができる。更に、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールのような三官能性以上のポリオールを共重合成分として用いてもよい。
一方、ポリオキシエチレングリコールは、オキシエチレングリコール単位を少なくとも70モル%以上含有することが好ましい。オキシエチレングリコールの含有量は、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である。本発明の目的の達成が実質的に損なわれない範囲内で、オキシエチレングリコール以外にプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、グリセリンなどを共重合させても良い。
かかるポリオキシエチレングリコールの数平均分子量としては、400〜8000が好ましく、なかでも1000〜6000が特に好ましい。
前記のポリエーテルエステルエラストマーは、たとえば、テレフタル酸ジメチル、テトラメチレングリコールおよびポリオキシエチレングリコールとを含む原料を、エステル交換触媒の存在下でエステル交換反応させ、ビス(ω−ヒドロキシブチル)テレフタレート及び/又はオリゴマーを形成させ、その後、重縮合触媒及び安定剤の存在下で高温減圧下にて溶融重縮合を行うことにより得ることができる。
ハードセグメント/ソフトセグメントの比率は、重量を基準として30/70〜70/30であることが好ましい。
ポリエーテルエステル繊維は、前記ポリエーテルエステルを、通常の溶融紡糸口金から溶融して押し出し、引取速度300〜1200m/分(好ましくは400〜980m/分)で引取り、巻取ドラフト率をさらに該引取速度の1.0〜1.2(好ましくは1.0〜1.1)倍で巻取ることにより製造することができる。
かかるポリエーテルエステル繊維には、酸化防止剤が含まれていることが好ましい。ポリエーテルエステル繊維に酸化防止剤を含ませることにより染色加工後の還元洗浄処理の際、繊維内部まで浸透した還元剤が酸化されることなく、染料をさらに容易に還元分解することができる。
かかる酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、特に限定しないが、例えばオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイトなどが挙げられる。
ポリエーテルエステル繊維に含まれる酸化防止剤の含有量としては繊維重量に対して0.5〜2.0重量%の範囲内であることが好ましい。該含有量が0.5重量%未満では、酸化防止剤の効果が十分には発揮されず、繊維内部に浸透した還元剤2.0重量%よりも大きいと、溶融紡糸が困難となるおそれがある。かかる酸化防止剤は、ポリエーテルエステルの重合時に添加することが好ましいが、微粉末化後、界面活性剤でエマルジョン化した後、浴中処理によりポリエーテルエステル繊維に吸尽させる方法でもよい。なお、ポリエーテルエステル繊維中には、公知の有機スルホン酸金属塩が含まれていてもよい。
前記ポリエーテルエステル繊維の繊度としては、総繊度30〜100dtex、フィラメント数1本が好ましい。
本発明の繊維構造体において、ポリエーテルエステル繊維が100%含まれていてもよいが、ポリエーテルエステル繊維と他の繊維とで繊維構造体を構成してもよい。その際、ポリエーテルエステル繊維の重量比率は繊維構造体の重量対比1重量%以上(好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは4〜20重量%)であることが好ましい。また、他の繊維としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリオキシエチレンベンゾエート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアクリル、ポリビニルアルコール等の分散染料可染型繊維が好ましい。特に、ポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステル繊維が好ましい。もちろん、他の繊維がウール、綿、絹、麻、キュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維であってもさしつかえない。
また、本発明の繊維構造体において、その構造としては、織物、編物、不織布、通常の糸条、芯鞘構造を有する混繊糸などが例示される。なかでも、繊維構造体が織物組織または編物組織を有することが好ましい。
本発明の繊維構造体は、前記の繊維構造体に染色加工が施されたものである。かかる染色加工としては、特に制限されず通常の分散染料を用いた染色加工でよい。例えば、繊維構造体に他の繊維としてポリエステル繊維が含まれる場合、分散染料の他、均染剤、pH調整剤等を含んだ染料水溶液にて100〜135℃の温度で20〜40分間染色を行うとよい。染色に用いる染料としては、好ましくは易加水分解性分散染料として、ジエステル基を有する分散染料、アゾ系分散染料、中でもチアゾール型、チオフェン型が好ましく例示されるが、特に限定されない。さらに、ベンゾジフィラノン型分散染料、アルキルアミン基を有する分散染料などが挙げられるが、特に分解生成物の着色のないものが望まれる。
本発明の繊維構造体において、AATCC IIA法により測定した洗濯堅牢度が3級以上であり、かつ該繊維構造体に含まれるポリエーテルエステル繊維の強度が0.1g/dtex以上(好ましくは0.1〜0.5g/dtex)であることが肝要である。ポリエーテルエステル繊維一本あたりの強度(g/本)としては5g/本以上であることが好ましい。ただし、本発明における強度は、オリエンティック社製「テンシロン」(商品名)を用い、測定対象の繊維構造体から無作為に10本の対象単糸(フィラメント)を抜き取り、糸試料長50mm(チャック間長さ)、伸長速度500mm/分の条件で歪−応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で測定し、破断点での応力と伸びから強度(g/本)を求めた後、この強度を繊度で割って繊維強度(g/dtex)とする。
かかる要件を満足する繊維構造体は、例えば、下記の製造方法により得られる。
すなわち、前述のように、ポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維を用いて繊維構造体を得た後、該繊維構造体に染色加工を施し、pH8〜2の還元浴中で還元洗浄処理するとよい。
ここで、染色後の還元洗浄処理は、pH8未満の弱アルカリ性〜酸性領域で処理を行う必要がある。ph8より大のアルカリ領域では、ポリエーテルエステル繊維が加水分解され、繊維強度が低下するため好ましくない。
また、還元剤としては、錫系還元剤、ロンガリットC、ロンガリットZ、塩化第1スズ、スルフィン系還元剤、ハイドロサルファイトなどが挙げられる。還元剤の使用濃度は、1〜10g/L、が好ましく、使用染料タイプ、染色濃度、還元浴温度によって濃度を選定すればよい。還元浴の処理温度は特に限定しないが、40〜90℃の範囲が好ましく、処理時間は10〜40分が好ましい。
さらには、還元浴中での処理の際に、繊維膨潤剤として、一般に用いられるキャリヤー、例えばクロルベンゼン系キャリヤー、メチルナフタレン系キャリヤー、オルソフェニールフェノール系キャリヤー、芳香族エーテル系キャリヤー、芳香族エステル系キャリヤーなどを用いてもよい。この繊維膨潤剤としては、繊維に親和性があると考えられるポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルピコリニウムクロライドなどが挙げられるが、限定はされない。
以上の製造方法によれば、ポリエーテルエステル繊維が親水基を有するので、還元洗浄処理の際、還元剤が繊維内部まで浸透するため、染料を内部から強力に均一に還元分解することが可能となる。また同時に、還元洗浄処理の際、ポリエーテルエステル繊維が加水分解されることがない。
かくして得られた繊維構造体は優れた洗濯堅牢度を呈し、また同時に、繊維構造体に含まれるポリエーテルエステル繊維の強度が大きいという優れた特徴を有する。かかる繊維構造体において、明度指数L値が50以下の濃色であると本発明の効果がさらに一層発揮され好ましい。
なお、本発明の繊維構造体には、常法の撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
次に、本発明の衣料は、前記の繊維構造体を用いてなる衣料である。かかる衣料は、前記の繊維構造体を用いているので、優れた洗濯堅牢度を呈し、また同時に該衣料に含まれるポリエーテルエステル繊維の強度が大きいので、スポーツ衣料やユニフォーム衣料などとして好適である。
以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の物性は下記の方法により測定した。
(1)洗濯堅牢度
以下のAATCCII−A法により測定した。
1)試験法
AATCC61−1980IIAに準ずる
2)装置および材料
1.ラウンダオメータ:40〜44rpm
2.試験瓶(ステンレス製):450〜550ml
3.ステンレス鋼球:径0.4mm 1びん当り50個
4.石けん:固形洗濯石けん(JIS K3302)無添剤(1種)
5.メタ硅酸ナトリウム(NaSiO・5HO)
6.氷酢酸
7.フラットアイロン
8.遠心脱水機または絞り機
3)添付白布
AATCC Multifiber No.1
緯糸:アセテート、コットン、ナイロン、シルク、レーヨン、ウール
経糸:ポリエステル(スパンヤーン)
4)試験片の調製
たて15cm×よこ5cmの試験片を1枚採取し、5cm×5cmの添付白布(マルチファイバー No1)1枚を試験片の中央で接触するようにして4辺をあらく白木綿糸で縫い合わせる。編物の場合は、試験片と同じ大きさの密度80(本/2.54cm)×80(本/2.54cm)の漂白モスリンを用い、4辺とも試験片に縫いつけて端が試験中に巻き込むのを防ぐ。
5)試験の操作
試験瓶の中に石けん0.2%メタ硅酸ナトリウム0.2%の溶液を150ml入れ、ステンレス硬球50個を入れる。温度49℃に予熱した後、複合試験片を入れ、密閉して回転機軸に取り付け、温度49℃て45分間回転操作する。つぎに冷却することなくただちに試験瓶から複合試験片を取り出し、温水(40℃)100mlで1分間洗浄すること2回後、さらに水(27℃)100mlで1分間洗浄する、その後、遠心脱水機または絞り機により脱水し、試験片と添付白布をつけたまま、温度135℃〜150℃のフラットアイロンてプレス乾燥する。
6)判定
マルチファイバーNo1の汚染の判定は、ナイロン部の汚染をグレースケールにてJISL0801に従って行う。
(2)L値
染色後の編地のL値は、分光側光器(Gretag MacBeth Color−Eye 7000A)で生地表面を測定した。L値は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示し、100に近いほど、淡色で白色に近く、0に近いほど、濃色である事を示す。
(3)繊維強度(g/dtex)
本発明における強度は、オリエンティック社製「テンシロン」(商品名)を用い、測定対象の繊維構造体から無作為に10本の対象単糸(フィラメント)を抜き取り、糸試料長50mm(チャック間長さ)、伸長速度500mm/分の条件で歪−応力曲線を雰囲気温度20℃、相対湿度65%条件下で測定し、破断点での応力と伸びから強度(g/本)を求めた後、この強度を繊度で割って繊維強度(g/dtex)とした。なお、各値は10回の測定値の平均値を使用した。
[実施例1]
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして数平均分子量4000のポリオキシエチレングリコール50.2重量部からなるポリエーテルエステルを、230℃で溶融し、所定の紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。このポリマーを2個のゴデットロールを介して705m/分で引取り、さらに750m/分(巻取りドラフト1.06)で巻取り、44デシテックス/1フィラメントのを有するポリエーテルエステル繊維を得た。このポリエーテルエステル繊維と複合させる通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/24フィラメント、帝人ファイバー(株)製)を用意した。
次いで、28ゲージのシングル丸編機を用いて、繊維糸をドラフト率50%でドラフトさせながら上記繊維と同時に該編機に給糸することにより、47コース/2.54cm、40ウェール/2.54cmの編密度にて天竺組織の丸編物を編成した。ついで、この丸編物を下記処方で酸化防止剤を吸尽させた。
(酸化防止剤名)
ヒンダードフェノール系酸化防止剤
Irganox 3114〔チバガイギー(株)製〕水系分散体;2%owf浴比;1:20
温度×時間;80℃×15分
ついで、下記分散染料および染色条件で染色した。
(分散染料名)
C.I.Disperse Blue 79 1%owf
得られた染色物を下記の還元浴中(pH5.5)で洗浄した。
浴比;1:20
温度×時間;130℃×35分
還元浴組成および洗浄条件:
二酸化チオ尿素 1g/l
浴比;1:20
温度×時間;80℃×15分
このような処理をしたポリエステル系編地(繊維構造体)において、L値は38、洗濯堅牢度は4.5級、該編地に含まれるポリエーテルエステル繊維の繊維強度は0.19g/dtex(8.2g/本)であった。また、該編地にポリエーテルエステル繊維は20重量%含まれていた。
次いで、該編地を用いてスポーツ衣料(Tシャツ)を得たところ、洗濯堅牢度に優れるものであった。
[実施例2]
酸化防止剤を吸尽処理させない以外は、実施例1と同様にした。得られたポリエステル系編地(繊維構造体)において、L値は38、洗濯堅牢度は3−4級、該編地に含まれるポリエーテルエステル繊維の繊維強度は0.18g/dtex(8.0g/本)であった。また、該編地にポリエーテルエステル繊維は20重量%含まれていた。
参考例1
ハードセグメントとしてポリブチレンテレフタレートを49.8重量部、ソフトセグメントとして分子量2500のポリオキシブチレンテレフタレート50.2重量部からなるポリエーテルエステルを、230℃で溶融し、所定の紡糸口金より吐出量3.05g/分で押出した。このポリマーを2個のゴデットロールを介して705m/分で引取り、さらに750m/分(巻取りドラフト1.06)で巻取り、44デシテックス/1フィラメントのを有するポリエーテルエステル繊維を得た。このポリエーテルエステル繊維と複合させる通常のポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント糸(84デシテックス/24フィラメント、帝人ファイバー(株)製)を用意した。
次いで、28ゲージのシングル丸編機を用いて、繊維糸をドラフト率50%でドラフトさせながら上記繊維と同時に該編機に給糸することにより、47コース/2.54cm、40ウェール/2.54cmの編密度にて天竺組織の丸編物を編成した。
これ以外は実施例2と同様(酸化防止剤を吸尽処理させない)に実施した。得られたポリエステル系編地(繊維構造体)において、L値は38、洗濯堅牢度は1級、該編地に含まれるポリエーテルエステル繊維の繊維強度は0.18g/dtex(8.0g/本)であった。また、該編地にポリエーテルエステル繊維は20重量%含まれていた。
参考例2
比較例1において、酸化防止剤を実施例1と同様に処理する以外は比較例1と同様に実施した。得られたポリエステル系編地(繊維構造体)において、L値は38、洗濯堅牢度は1級、該編地に含まれるポリエーテルエステル繊維の繊維強度は0.18g/dtex(8.1g/本)であった。また、該編地にポリエーテルエステル繊維は20重量%含まれていた。
[比較例
実施例1において、染色された編地を下記の還元浴中(pH11.5)で洗浄すること以外は実施例1と同様にした。
浴比;1:20
温度×時間;130℃×35分
還元浴組成および洗浄条件:
二酸化チオ尿素 1g/l
苛性ソーダ 3.0g/l
浴比;1:20
温度×時間;80℃×15分
得られたポリエステル系編地(繊維構造体)において、L値は39、洗濯堅牢度は4級、該編地に含まれるポリエーテルエステル繊維の繊維強度は0.0045g/dtex(0.2g/本)であった。また、該編地にポリエーテルエステル繊維は20重量%含まれていた。
本発明によれば、ポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体であって、洗濯堅牢度に優れ、かつ該繊維構造体に含まれるポリエーテルエステル繊維が高強度を有する繊維構造体およびその製造方法および衣料が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (11)

  1. ポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維を含みかつ染色加工された繊維構造体であって、AATCC IIA法により測定した繊維構造体の洗濯堅牢度が3級以上であり、かつ該繊維構造体に含まれる前記ポリエーテルエステル繊維の強度が0.1g/dtex以上であることを特徴とする繊維構造体。
  2. 前記のポリエーテルエステル繊維が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維である、請求項1に記載の繊維構造体。
  3. 前記のポリエーテルエステル繊維に酸化防止剤が含まれる、請求項1または請求項2に記載の繊維構造体。
  4. 前記のポリエーテルエステル繊維に含まれる酸化防止剤の含有量が繊維重量に対して0.1〜2.0重量%である、請求項3に記載の繊維構造体。
  5. 繊維構造体に、他の繊維としてポリエステル繊維が含まれる、請求項1〜4のいずれかに記載の繊維構造体。
  6. 前記ポリエステル繊維がポリエチレンテレフタレート繊維である、請求項5に記載の繊維構造体。
  7. 繊維構造体の明度指数L値が50以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の繊維構造体。
  8. 繊維構造体が織物組織または編物組織を有する、請求項1〜7のいずれかに記載の繊維構造体。
  9. 請求項1に記載の繊維構造体の製造方法であって、ポリエーテルエステル繊維を含む繊維構造体を得た後、該繊維構造体に染色加工を施し、pH8〜2の還元浴中で還元洗浄処理することを特徴とする繊維構造体の製造方法。
  10. 前記のポリエーテルエステル繊維が、ポリブチレンテレフタレートをハードセグメントとし、ポリオキシエチレングリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルエラストマーからなるポリエーテルエステル繊維である、請求項9に記載の繊維構造体の製造方法。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の繊維構造体を用いてなる衣料。
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