JP4837164B2 - スルホニルフルオライド基を含有するペルフロオロポリエーテル潤滑剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリマ主鎖にスルホニルフルオライド基が側鎖に分布しているペルフルオロポリエーテル潤滑剤に関する。
【0002】
より詳しくは、本発明は、改良されたガラス転移温度(Tg)(最低−130℃まで)を有し、かつ高温における熱酸化安定性を備え、周知の潤滑剤の製法に比較して改良された生産性を有するプロセスで得られる、潤滑剤に関する。
【0003】
さらに詳しくは、本発明はペルフルオロポリエーテル(PFPE)系の潤滑剤に関し、これは潤滑剤分野における周知の市販製品と比較すると、以下のような特徴を併せ持っている。
・Tgは−130℃〜−60℃である。
・Tgはポリマ主鎖中に存在するモノマ単位の作用によって調整することが可能であり、また、分子量が同一でも調整可能である。
・酸化的な条件においても高い熱安定性を有する。
・生産性の高いプロセスで得ることができる。
【0004】
【従来の技術】
オキシペルフルオロアルキレン配列から成り、反応条件に応じてペルオキシ基を様々な割合で含有するペルフルオロポリエーテルの調整は、先行技術において周知である。これらの化合物はペルフルオロオレフィンを低温(−100℃〜−30℃)で紫外線照射下で酸素によって酸化するか、あるいは、たとえばF2、CF3OFのような適切な重合開始剤の存在下でペルフルオロオレフィンを低温で酸素によって酸化することによって得ることが可能である。これについては、欧州特許第393,700号公報および欧州特許第654,493号公報を参照されたい。ペルフルオロポリエーテル鎖からペルオキシ基を除去するのは、加熱または光化学反応のいずれの方法によっても達成可能である。これらの特許においては、ポリマ主鎖に、官能基を持つ側鎖を有するペルフロオロポリエーテルに関する記載はない。
【0005】
ポリマ主鎖に、官能基を持つ側鎖を有するペルフロオロポリエーテルは、欧州特許第244,839号公報に記載されている。そこでの記載によれば、任意にペルフルオロ化オレフィンを共存させて、ペルフルオロブタジエンを低温で酸素の存在下で光酸化させ、次いでペルオキシ基を光化学反応で分解させると、主鎖がオキシペルフルオロアルキレン単位で構成され、側鎖にフルオロ化エポキシ基を有するペルフルオロポリエーテルが得られる。このフルオロ化エポキシ基を変えることで、たとえば、−COOH、−COOR、−CONHR(R=HまたはC1〜C12アルキル)、−CN、−CH2OH、−CH2NH2などの官能基を有する多官能誘導体を得ることができ、これらの多官能誘導体はポリマ主鎖に沿った側鎖の官能基に応じて、種々な用途に用いられる。この特許の欠点は、官能基を有する誘導体を得るのに複雑な反応を経由し、多くの中間反応段階が必要なことである。
【0006】
米国特許第4,384,128号公報には、次式に示すような重合反応によって、ヘキサフルオロプロペンオキシド(HFPO)とペルフルオログリシジルエーテルというエポキシドから共重合物を得る方法が記載されている。
【0007】
【化5】
【0008】
ここでRfは、−CF2CF2SO2F、−(CF2)4COF、−CF2CF2CN、−C6F5、−CF2CF(CF3)OCF2CN、−CF2CF2OC6F5から選ばれたものである。
【0009】
−35℃〜0℃の温度で、適当な溶媒とアニオン系開始剤の存在下で重合させると、ペルオキシ基を含まないペルフルオロポリエーテルが得られる。次いで、−COF、−COOH、−SO2Fの官能基を有する共重合体を適当な反応物と反応させれば、−COCl、−CONH2、−SO2OH、−SO2OM’、−CO2M’、−CNなどの基を有する官能性ポリマに変えることができる。ここで、M’はアルカリ金属またはアンモニウム基であり、これによって親水性が与えられ、イオン交換性を有することになる。この特許の目的は、これらのポリマを硬化させて、成形可能な物品を得ることにある。
【0010】
PFPE類を潤滑剤に使用することは、さらに一層周知であり、たとえばAUSIMONT社で販売されているFOMBLINYは、次のような構造を有している。
【0011】
【化6】
【0012】
ここで、YはFまたはCF3であり、m/nの比は5〜40である。
このようにして得られたPFPEのTgは、−65℃〜−85℃程度であり、PFPEの数平均分子量に依存する。分子量を決めれば、Tgの値も定まってしまう。したがって、Tgをもっと下げようとすれば、分子量を下げることが唯一の方法である。そうなると、生成物の蒸気圧は高いものになる。これが欠点であって、高温での用途ではかなりの量の生成物を損失するために、潤滑剤の補充を頻繁に行う必要が生じる。特定の用途ではこの現象がさらに顕著となり、たとえば航空宇宙分野では、非常な高温から非常な低温まで温度変化が繰り返される中で潤滑剤が使用されている。
【0013】
この欠点をカバーするために、代わりに用いられるのがAUSIMONT社販売のFOMBLINZであり、これは次のような構造を有している。
【0014】
【化7】
【0015】
ここで、m/nの比は0.3〜5である。
これらのPFPE類におけるTgは、−130℃〜−120℃程度であり、PFPEの数平均分子量およびm/nの比によって決まる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ペルフルオロポリエーテルであるFOMBLIN(登録商標)Zを得る方法では生産性が低いという欠点がある。事実、それらを製造するためには、テトラフルオロエチレンモノマを溶媒の存在下で重合させる必要がある。そのために、FOMBLIN(登録商標)ZはFOMBLIN(登録商標)Yに比べて、製造コストが高い。その上、FOMBLIN(登録商標)ZはFOMBLIN(登録商標)Yに比べて、酸化的な条件においては、熱安定性に劣る。
【0017】
市販されている製品群の欠点を克服することができるペルフロオロポリエーテル潤滑剤の必要性が痛感されることとなった。
【0018】
【課題を解決するための手段】
予想外で驚くべきことには、本出願人はある種の潤滑剤が上述の技術的問題点を解決することを見出したが、それは、以下に示すような特性を併せ持っている。
・Tgは−130℃〜−60℃である。
・Tgはポリマ主鎖中に存在するモノマ単位の作用によって調整することが可能であり、また、分子量が同一でも調整可能である。
・酸化的条件においても高い熱安定性を有する。
・生産性の高いプロセスで得ることができる。
【0019】
本発明の目的は、オキシペルフルオロアルキレン単位の配列を含み、ポリマ主鎖に沿ってスルホニルフルオライド基が側鎖に存在することを特徴とするペルフルオロポリエーテル潤滑剤であり、以下の式(III)を有するものである。
【0020】
【化8】
【0021】
ここで、Tは、−CF2X(X=F、CF3、Cl)、−C3F7、−COF、−CF(CF3)COF、−CF2COF、−CF2COCF3から選ばれた末端基であり、d、e、f、hは整数であり、a、b、cはゼロまたは整数であり、該単位は統計的に主鎖に分布しており、数平均分子量が500〜5×105、好ましくは1,000〜50,000となるようなa+b+c+d+e+f+hである。
【0022】
通常、d、e、f、hの単位はほとんどのポリマ鎖中に存在しているが、もちろん、これらの単位の一部しか含まない鎖であってもよい。
【0023】
本発明のペルフルオロポリエーテル潤滑剤は、ペルフルオロ 3−オキサ 5−フルオロスルホニル 1−ペンテン(CF2=CFOCF2CF2SO2F)のホモポリマ、またはこのスルホン含有モノマと他のペルフルオロオレフィン類との共重合体である。
【0024】
該ペルフルオロオレフィンは、好ましくはテトラフルオロエチレンおよび/またはペルフルオロプロペンである。
【0025】
共存させ得る他の任意の単位としては、コモノマから誘導されるものであって、たとえば、ペルフルオロアルキルビニルエーテルであるCF2=CF2ORf(ここで、Rfはペルフルオロアルキル基の−CF3、−C2F5、−C3F7などであり)、またはペルフルオロ化共役ジエン、好ましくはペルフルオロブタジエンである。
【0026】
したがって、本発明のペルフルオロポリエーテル潤滑剤では、−(CF2CF(CF3)O)−、−(CF(CF3)O)−、−(CF2CF2O)−、−(CF2O)−、−(CF2CF(OCF2CF2SO2F)O)−、−(CF(OCF2CF2SO2F)O)−といったペルフルオロ化された単位を主鎖に沿って統計的に分布させており、その量は操作条件によって変化する。
【0027】
本発明のスルホン官能基含有ペルフルオロポリエーテルでは、上述の各種単位の含有量を変えられるが、それは重合反応工程の条件に依存する。さらに、スルホン基含有側鎖は、主鎖に対して酸素原子を介して結合している(C−O−C結合)。結合理論から外れてはいるが、この構造的な特徴によって可撓性がより大きくなったために、主鎖や官能性基を有する側鎖に対する配位の自由度が増し、分子量が同じでも本発明のPFPEのTgが先行技術のPFPEのそれよりも低くなる結果となるものと、本出願人は考える。
【0028】
本発明の生成物は、独特の構造を有すると共に操作条件を変えることで、該構造中の各単位の存在割合を変化させることが可能なので、ガラス転移温度Tgを−130℃〜−60℃の範囲にすることができ、また高温でも良好な酸化安定性を有しているので、広い温度範囲にわたって各種の用途に使用することが可能である。
【0029】
本発明の潤滑剤は、市販の潤滑剤であるFOMBLIN(登録商標)Yに比べ、分子量が同じでもTgが低い。なぜなら、分子量を下げることなくそれらの構造を変えることが可能となったためであり、該分子量を下げることは、蒸気圧を増大させることにつながり、上述の欠陥を招くのである。
【0030】
さらに本発明の潤滑剤は高い熱酸化安定性を有しながら、Tgの値を−130℃にまで下げているが、従来技術でこのようなTgを有するものはFOMBLIN(登録商標)Zしかないが、これには上述の欠陥がある。
【0031】
驚くべき事には、2個の炭素原子を有するCF2CF2O−単位が存在すると、さらにTgをFOMBLIN(登録商標)Zの値に近いところまで下げることが可能であることを出願人は発見した。また、SO2F基を有する単位がFOMBLIN(登録商標)Yと同様に3個の炭素原子を有する−CF2CF(CF3)O−単位を側鎖に有しながら、Tgを増加させないというのも、思いがけない発見であった。
【0032】
周知のように、熱酸化安定性の面では、FOMBLIN(登録商標)ZはFOMBLIN(登録商標)Yよりも劣る。本発明の潤滑剤は、FOMBLIN(登録商標)Zの特徴的な構造単位である2個の炭素原子を有する−CF2CF2O−を含むときも非常に熱安定性が高く、実質的にはFOMBLIN(登録商標)Yに比肩し得る。
【0033】
ペルフルオロ 3−オキサ 5−フルオロスルホニル 1−ペンテン(CF2=CFOCF2CF2SO2F)のコモノマとしてテトラフルオロエチレン(CF2=CF2)が用いられるとき、本発明のペルフルオロポリエーテル潤滑剤は以下の構造を有する。
【0034】
【化9】
【0035】
ここで、Tは−CF2X(X=F、CF3、Cl)、−COF、−CF2COFから選択された末端基であり、c、d、e、f、hは上述で定義したものであるが、但しcはゼロにはなりえない。
【0036】
コモノマとしてヘキサフルオロプロペン(CF2=CF−CF3)を用いた場合には、以下の構造のペルフルオロポリエーテルが得られる。
【0037】
【化10】
【0038】
ここで、Tは−CF2X(X=F、CF3)、−C3F7、−COF、−CF2COF、−CF(CF3)COF、−CF2COCF3から選択された末端基であり、a、b、d、e、f、hは前に定義したものであるが、但しa、bはゼロではない。
【0039】
テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロペンとの混合物と共にCF2=CFOCF2CF2SO2を共重合させると、一般式(III)の生成物が得られるが、但し、a、b、cはゼロではない。
【0040】
CF2=CFOCF2CF2SO2Fを単独重合させると、以下の構造のPFPEが得られる。
【0041】
【化11】
【0042】
ここで、Tは−CF2X(X=F、CF3、Cl)、−COF、−CF2COF、−CF2CF2SO2Fから選択された末端基であり、d、e、f、hは上述で定義したものである。
【0043】
この単独重合体は非常に多くの側鎖スルホン基を有しており、現在までに周知の他のいずれの合成法でも得られなかったものである。
【0044】
本発明のペルフルオロポリエーテルは、上述のモノマ類から出発して、光酸化反応工程、すなわち、酸素の存在下で紫外線照射を用いる重合反応によって、または紫外線照射はせず、重合開始剤の機能を有する化合物を用いる他の方法、あるいはここで定義した紫外線照射と重合開始剤とを併用する方法によって合成することができる。
【0045】
前者の場合には、ペルフルオロ 3−オキサ 5−フルオロスルホニル 1−ペンテン(CF2=CFOCF2CF2SO2F)モノマを、必要に応じてペルフルオロ化オレフィン類と共に、酸素流と同時に溶媒から成る液相反応混合物中に供給する。溶媒は、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、フルオロエーテル(FE)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、フルオロカーボン(FC)、あるいはこれらの混合物の中から選択される。ヘキサフルオロプロペン(HFP)と共重合させる場合には、溶媒を使用しないことが多い。重合反応の間、液相反応媒体の温度を−100℃〜+50℃、好適には−90℃〜−30℃に保ち、2,000〜6,000Åの波長を有する紫外線で照射する。
【0046】
後者の場合には、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマを、共重合時には必要に応じてペルフルオロ化オレフィン類と共に、酸素流と同時に上述の溶媒から選択された液相反応混合物中に供給する。液相反応媒体は、温度を−100℃〜+50℃、好適には−90℃〜−30℃に保たれ、一つまたは複数のF−Q結合(Qはフッ素または酸素から選択される)を有する一つまたは複数の化合物の気体または液体流を供給される。Qが酸素の場合には、開始剤は一つまたは複数のフルオロオキシ基を含む有機化合物である。通常この開始剤はFORfの形の化合物で、ここでRfは1〜3個の炭素原子を有するペルフルオロアルキルラジカルである。あるいは、開始剤が、FOCF2OF、FO−(RO)s−F、Rf−(RO)s−Fの形のもので、Rは−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−タイプのペルフルオロアルキレンラジカルであり、sの範囲は1〜100である。このような開始剤については、米国特許第5,142,842号公報、同第5,258,110号公報、および同第5,488,181号公報に記載されている。開始剤の流量は調節され、反応媒体中での開始剤とモノマのモル比が0.0001〜0.1になるようにする。
【0047】
混合プロセスでは、紫外線照射を伴って、後述のプロセスが用いられる。
本発明の方法では、反応器への酸素の供給は、酸素の分圧は一般的に0.01〜15気圧の範囲にする。CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマの濃度は通常、0.001モル/リットルから純粋状態でのモル濃度までの間とする。純粋状態でのモル濃度とは、スルホンモノマが液相状態、または上述の使用溶媒に該モノマが最大濃度にある状態で重合反応をさせることを意味している。当業者であれば、このような最大濃度を容易に決定することができる。
【0048】
反応はバッチ式でも連続法でも可能である。後者では、反応器から液状物を一定量ずつ連続して抜出し、それを蒸留して、溶媒(使用していればであるが)と未反応モノマを系に戻し、反応生成物を回収する。
【0049】
共重合体の場合、主鎖の中にスルホニルフルオライド基、−CF(OCF2CF2SO2F)−が存在する頻度は、反応混合物中でのペルフルオロアルキルスルホニルビニルエーテルと(オレフィン類+共存させたコモノマ類)との比に比例し、ペルフルオロポリエーテルの全単位のうちの1〜99%の範囲にわたる。
【0050】
上述の重合方法を用いることによって、主鎖にペルオキシ基を含むペルフルオロポリエーテルを得られる。
【0051】
ペルオキシ結合を切断することで官能性を有する末端基が形成され、ペルフルオロポリエーテル構造に−COR(R=F、−OH、−OCH3、−OC2H5、−OC3H7)型または−OCF2Y(Y=Br、I)型の単官能または二官能末端基が供給され、さらに主鎖に沿ってスルホン基を有する側鎖をも有する。これが本発明の生成物のさらに有利な点で、上述の末端基を利用することで重縮合ポリマを合成可能となる。このような切断方法は、出願人の名で欧州特許第244,839号公報および欧州特許第939,700号公報に記載されており、参考資料としてここに添付するが、その中で、官能性生成物の取得方法も記されている。
【0052】
鎖切断をすることなくペルオキシ基の無い生成物を得るには、ペルオキシ基含有ペルフルオロポリエーテルを通常150℃〜250℃の温度で高温処理をするか、通常−40℃〜+150℃の温度で、必要に応じて溶媒の存在下に2,000〜6,000Åの波長を有する紫外線を照射する光化学処理をする。このようにして得られた生成物をフッ素化することで、式(III)の生成物で前記のように h=0でT末端基がCF2XまたはC3F7のものを得られる。
【0053】
得られた生成物を転化させて、側鎖のフルオロスルホン基である−OCF2CF2SO2Fをイオンの形にすることも可能である。転化にはアルカリ加水分解が必要で、−OCF2CF2SO3Mとすることができる。ここでMはNa、K、NR4(R=H、CH3、C2H5)から選択され、必要があれば、さらに酸加水分解をして、−OCF2CF2SO3Hを得ることもできる。好適にはこれらの転化処理はペルオキシ酸素を含まない本発明の化合物について行われる。このような転化をしてイオンの形にする方法は米国特許第4,940,525号に記載されている。
【0054】
したがって本発明のペルフルオロポリエーテルは−OCF2CF2SO3Hの形に変換可能であり、それによって高い耐熱安定性(350℃以上)が得られ、また高い酸性度を呈するので、イオン伝導分野およびイオン交換における非常に苛酷な環境において用いられ、触媒の分野における「超強酸」として用いられる。
【0055】
主鎖がC−Cで、側鎖に−OCF2CF2SO2Fを有する固体ポリマやその誘導体は無極性の溶媒にはほとんど溶けない。それとは逆に、本発明の官能性ペルフルオロポリエーテルは、結晶性が無く、ガラス転移温度も低く、同時に無極性の溶媒や水系の媒体にも高い溶解度を示すことによって特徴付けられる。
【0056】
注目すべきは、純度の高い官能性モノマを使用して酸化重合を行うことによって、現在までに周知のいずれの合成法では得られなかった非常に高濃度の官能性スルホン基含量を有するペルフルオロポリエーテルが得られるということである。
【0057】
高い化学的不活性によって、本発明の生成物は、特定の官能基またはイオン交換によって固定された金属カチオンを触媒活性部分として含む触媒または触媒担体としての他の用途を有していてもよい。
【0058】
本発明のペルフルオロポリエーテルのまた別の用途は、ポリマおよび無機材料の表面改質剤としての用途である。
【0059】
本発明について以下の実施例で説明するが、これらの目的は単に説明するためであって、本発明そのものの範囲を限定するものではない。
【0060】
【発明の実施の形態】
実施例1
内部に石英製同軸鞘管と、さらにガス供給用吹込み管と、内部温度測定用鞘管を有する熱電対と、還流下で温度を−80℃に保った冷却器(コンデンサ)と備えた円筒状ガラス製反応器(容量 250ml、光路 1cm)に、−60℃で449gのC3F6を入れる。吹込み管を介して酸素を20リットル/hで反応器に吹込む。反応器を冷凍浴に浸け、合成試験の間、反応液相の温度を−60℃に保つ。HANAU TQ150型の紫外線ランプ(2,000〜3,000Åの波長を有し、UV照射出力は47W)を石英鞘管に挿入してから点灯し、そこへ20.5mmol/hの速度でCF2=CFOCF2CF2SO2Fを窒素で希釈(17リットル/h)しながら連続的に供給する。
【0061】
照射と反応ガスの供給とを91分間継続する。紫外線ランプの発熱は密閉循環冷却システムによって制御される。91分間の照射後、ランプを消灯し、ガス抜きをしてから、室温で蒸発させることによって反応器から未反応のC3F6を回収する。このように23.5gの無色の油状ポリマ残渣が得られる。この生成物は(ヨード滴定による)活性(ペルオキシ)酸素含量が0.36重量%であり、また19FのNMR分析から、次式のようなポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0062】
【化12】
【0063】
ここで、T=−CF3および−COFであり、その比は1対1、a=31.5、b=3.6、d=1.4、e=1.8、f=0.5、h=1.2である。
【0064】
活性(ペルオキシ)酸素の含量は0.30%であり、平均分子量の計算値は6,600である。得られたポリマには、各鎖あたり平均で2.3個のスルホン官能基が含まれている。CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマのポリマへの転化率は26%である。
【0065】
実施例2
第2の試験は実施例1と同じ反応器を使用し同じ条件で行うが、ただし、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマの流量を32mmol/hとし、反応時間を134分にする。
【0066】
この場合には75gのポリマが得られ、19FのNMR分析によって次式のポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0067】
【化13】
【0068】
ここで、T=−CF3および−COFであり、その比は1対1、a=24.7、b=2.8、d=1.1、e=2.4、f=2.6、h=0.6である。活性(ペルオキシ)酸素の含量は0.17%であり、平均分子量の計算値は5,500である。得られたポリマには、各鎖あたり平均で3.0個のスルホン官能基が含まれている。CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマのポリマへの転化率は57%である。
【0069】
実施例3
撹拌機と、温度計と、水冷還流冷却器(コンデンサ)とを備えた50mlのガラス製フラスコに、実施例2で得られた生成物を29.5g入れる。内部温度を3時間かけて230℃にまで上げ、さらに3時間かけて250℃にした。合成試験終了時には24.8gの生成物が回収され、19FのNMR分析によって次式のポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0070】
【化14】
【0071】
ここで、T=−CF3、−COF、−CF(CF3)COF、−CF2COF、−CF2COCF3であり、−CF3末端基と官能性末端基との比は1対1、a=23.6、b=3.8、d=1.1、e=2.1、f=0.5である。
【0072】
平均分子量の計算値は5,300である。ヨード滴定分析で、活性(ペルオキシ)酸素含量はゼロであることが確認される。得られたポリマには、各鎖あたり平均で2.6個のスルホン官能基が含まれている。
【0073】
実施例4
内部に石英製同軸鞘管と、さらにガス供給用吹込み管と、内部温度測定用熱電対を有する鞘管と、還流のために温度を−80℃に保った冷却器(コンデンサ)とを備えた円筒状ガラス製反応器(容量 70ml、光路 0.3cm)に、−60℃で130gのCF2Cl2を入れる。吹込み管を介して酸素を7リットル/h、C2F4を2リットル/hで反応器に吹込まれる。反応器を冷凍浴に浸け、合成試験の間、反応液相の温度を−60℃に保つ。HANAU TQ150型の紫外線ランプ(2,000〜3,000Åの波長を有し、UV照射出力は47W)を石英鞘管に挿入してから点灯し、そこへ12.6mmol/hの速度でCF2=CFOCF2CF2SO2Fを窒素で希釈(4リットル/h)しながら連続的に供給する。
【0074】
照射と反応ガスの供給とを187分間継続する。紫外線ランプの発熱は密閉循環冷却システムによって制御される。187分間の照射後、ランプを消灯し、室温で蒸発させることによってCF2Cl2を回収する。27gの無色の油状ポリマ残渣が得られる。この生成物は(ヨード滴定による)活性(ペルオキシ)酸素含量が1.44重量%であり、また19FのNMR分析から、次式のようなポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0075】
【化15】
【0076】
ここで、T’=−CF2Clおよび−COFであり、その比は1対1、c=40、d=31、e=2.9、f=3.6、h=6.5である。活性な(ペルオキシ)酸素の含量は1.2%であり、平均分子量の計算値は8,700である。得られたポリマには、各鎖あたり平均で6.5個のスルホン官能基が含まれている。CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマのポリマへの転化率は51%である。
【0077】
実施例5
内部に石英製同軸鞘管と、さらにガス供給用吹込み管と、内部温度測定用熱電対を有する鞘管と、還流のために温度を−80℃に保った冷却器(コンデンサ)とを備えた円筒状ガラス製反応器(容量 250ml、光路 1cm)に、−60℃で450gのCF2Cl2を入れる。吹込み管を通して酸素を14リットル/h、C2F4を6リットル/hで反応器に吹込まれる。反応器を冷凍浴に浸け、合成試験の間、反応液相の温度を−60℃に保つ。HANAU TQ150型の紫外線ランプ(2,000〜3,000Åの波長を有し、UV照射出力は47W)を石英鞘管に挿入してから点灯し、そこへ39.3mmol/hの速度でCF2=CFOCF2CF2SO2Fを窒素で希釈(12リットル/h)しながら連続的に供給する。
【0078】
照射と反応ガスの供給を420分間継続する。紫外線ランプの発熱は密閉循環冷却システムによって制御される。420分間の照射後、ランプを消灯し、室温で蒸発させることによってCF2Cl2を回収する。187.5gの無色の油状ポリマ残渣が得られる。この生成物は(ヨード滴定による)活性(ペルオキシ)酸素含量が0.97重量%であり、また19FのNMR分析から、次式のようなポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0079】
【化16】
【0080】
ここで、T’=−CF2Cl、−COFであり、c=74.6、d=88.2、e=4.7、f=7.0、h=8.2である。
【0081】
活性(ペルオキシ)酸素の含量は0.74%であり、平均分子量の計算値は17,800である。得られたポリマには、各鎖あたり平均で11.6個のスルホン官能基が含まれている。CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマのポリマへの転化率は44.0%である。
【0082】
実施例6
撹拌機と、温度計と、冷却器とを備えた100mlのガラス製反応容器に、実施例5で得られた生成物を17.4g入れる。内部温度を60分間で230℃に上昇させ、この状態で2時間かけて滴下ロートから上述の生成物をさらに96.6g加える。さらに4時間、反応容器の温度を230℃に保った。91.8gの生成物が得られ(重量収率 80.5%)、この生成物は(ヨード滴定による)活性酸素含量はゼロであり、19FのNMR分析によって次式のポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0083】
【化17】
【0084】
ここで、T’=−CF2Cl(26%)、−CF3(14%)、−CF2COF(26%)、−COF(34%)であり、c=23.1、d=30.8、e=1.5、f=2.2である。平均分子量の計算値は6,200である。得られたポリマには、各鎖あたり平均で3.7個のスルホン官能基が含まれている。ポリマのガラス転移温度(中間点)Tgを示差走査熱量計(DSC)で測定すると−119.9℃である。この生成物を窒素雰囲気下および空気雰囲気下で熱重量分析にかけると、50%重量減となる温度はそれぞれ、409℃および395℃である。
【0085】
実施例7
内部に石英製同軸鞘管と、さらにガス供給用吹込み管、内部温度測定用熱電対を有する鞘管と、温度を−80℃に保った還流冷却器とを備えた円筒状ガラス製反応器(容量 250ml、光路 1cm)に、反応器に−60℃で200gのCF2=CFOCF2CF2SO2Fと250gのCF2Cl2を入れる。吹込み管を介して酸素を14リットル/hで反応器に吹込む。反応器を冷凍浴に浸け、合成試験の間、反応液相の温度を−60℃に保つ。
【0086】
HANAU TQ150型の紫外線ランプ(2,000〜3,000Åの波長を有し、UV照射出力は47W)を石英鞘管に挿入してから点灯し、照射と酸素の供給を360分間継続する。紫外線ランプの発熱は密閉循環冷却システムによって制御される。360分間の照射後、ランプを消灯し、室温で蒸発させることによってCF2Cl2を回収する。207.5gの無色の油状残渣が得られる。この生成物は(ヨード滴定による)活性(ペルオキシ)酸素含量が0.3重量%である。このようにして得られた生成物を撹拌機つきの反応器に入れ、温度100℃で窒素を流して、−80℃に冷却したトラップで留出可能生成物を回収すると、反応器には94.2gの生成物が残る。この生成物は(ヨード滴定による)活性酸素含量が0.25重量%であり、また19FのNMR分析から、次式のようなポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0087】
【化18】
【0088】
ここで、T’=−CF2Cl(25%)、−CF3(33.5%)、−CF2COF(15.5%)、−COF(26%)であり、d=31.3、e=16.3、f=13.7、h=1.5である。平均分子量が10,400、粘度が595cStで、このポリマには、各鎖あたり平均で30個のスルホン官能基が含まれている。CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマのポリマへの転化率は38%である。
【0089】
実施例8
撹拌機と、温度計と、冷却器とを備えた100mlのガラス製反応容器に、実施例7で得られたポリマ生成物を63.2g入れる。内部温度を52分間で230℃に上昇させ、さらに2時間反応容器の温度を230℃に保った。反応終了時に、55.6gの生成物が回収され(重量収率 88%)、この生成物は(ヨード滴定による)活性酸素含量はゼロであり、19FのNMR分析によって次式のポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0090】
【化19】
【0091】
ここで、T’=−CF2Cl(7.5%)、−CF3(10.5%)、−CF2COF(30%)、−COF(52%)であり、d=12.4、e=6.3、f=7.0である。
【0092】
平均分子量の計算値は4,600である。得られたポリマには、各鎖あたり平均で13.3個のスルホン官能基が含まれている。ポリマのガラス転移温度TgをDSCで測定すると−93.4℃である。この生成物を窒素雰囲気下および空気雰囲気下で熱重量分析にかけると、いずれの場合でも10%重量減となる温度は347℃であり、50%重量減となる温度は393℃である。
【0093】
実施例9
内部に石英製同軸鞘管と、さらにガス供給用吹込み管と、内部温度測定用熱電対を有する鞘管と、温度を−80℃に保った還流冷却器とを備えた円筒状ガラス製反応器(容量 500ml、光路 1.2cm)に、−60℃で500.1gのCF2=CFOCF2CF2SO2Fと479gのヘキサフルオロプロピレンC3F6とを入れる。吹込み管を介して酸素を14リットル/hで反応器に吹込む。反応器を冷凍浴に浸け、合成試験の間、反応液相の温度を−60℃に保つ。
【0094】
HANAU TQ150型の紫外線ランプ(2,000〜3,000Åの波長を有し、UV照射出力は47W)を石英鞘管に挿入してから点灯し、照射と酸素の供給とを8時間継続する。紫外線ランプの発熱は密閉循環冷却システムによって制御される。8時間の照射後、ランプを消灯し、室温で蒸発させることによって未反応のC3F6と、場合によっては、他の揮発性生成物とを回収する。574.6gの無色の反応生成物が得られる。この生成物は(ヨード滴定による)活性(ペルオキシ)酸素含量が0.54重量%である。
【0095】
19FのNMR分析から、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマが完全に消失していることが判る。
【0096】
同じ反応器を使用して、不活性な溶媒であるGalden HT55を反応生成物に加え、反応器の温度を−20℃に保ちながら12リットル/hで窒素を供給する。この状態で紫外線ランプを点灯し、反応混合物を8時間照射する。反応器から回収される反応混合物は809.1gで、活性酸素含量(ヨード滴定)は0.049重量%である。
【0097】
撹拌機と、温度計と、冷却器とを備えた1000mlのガラス製反応容器に、前記の光還元生成物を含む混合物776gを入れる。反応器の温度を52分間で230℃に上昇させ、この温度で2時間保って、溶媒および低沸点生成物を完全に蒸留する。この処理が終了すると、反応器からは293gのポリマ生成物が回収される。この生成物は活性酸素含量(ヨード滴定)がゼロであり、また19FのNMR分析から、次式のようなポリエーテル鎖から成ることが判る。
【0098】
【化20】
【0099】
ここで、T’=−CF3、−COF、−CF(CF3)COF、−CF2COF、−CF2COCF3であり、−CF3末端基と他の官能性末端基との比は1対1、a=5.3、b=0.5、d=2.7、e=5.6、f=2.4である。
【0100】
平均分子量の計算値は3,500である。ポリマの粘度は20℃の時で452cStで、このポリマには、各鎖あたり平均で8個のスルホン官能基が含まれている。窒素雰囲気下で熱重量分析にかけると、50%重量減になる温度は367℃である。
【0101】
実施例10
蒸留
実施例9で得られた生成物241gを、2×10-1mbarの圧力で、釜部の温度を最高250℃まで上昇させて、蒸留する。蒸留されるポリマは92.1gで、その粘度は20℃で90.2cStである。19FのNMR分析から、この生成物は次式のような構造を有することが判る。
【0102】
【化21】
【0103】
ここで、T’=−CF3、−COF、−CF(CF3)COF、−CF2COF、−CF2COCF3であり、−CF3末端基と他の官能性末端基との比は1対1、a=2.5、b=0.2、d=1.1、e=2.4、f=1.8である。平均分子量の計算値は1,800であり、このポリマには、各鎖あたり平均で4.2個のスルホン官能基が含まれており、当量は346である。
【0104】
釜部から回収される残渣は137.4gで、その粘度は20℃の時で2,856cStである。19FのNMR分析から、この生成物は次式のような構造を有することが判る。
【0105】
【化22】
【0106】
ここで、T’=−CF3、−COF、−CF(CF3)COF、−CF2COF、−CF2COCF3であり、−CF3末端基と他の官能性末端基との比は1対1、a=14.6、b=1.4、d=6.85、e=13.1、f=6.1である。平均分子量の計算値は8,600であり、このポリマには、各鎖あたり平均で19.2個のスルホン官能基が含まれていて、当量は426である。
【0107】
塩形成反応/酸形成反応
a)留出成分: 粘度90.2cStの生成物90.3gを、温度98℃で撹拌下3時間かけて、225gのKOH(20%溶液)で処理する。冷却後、225gのHCl(37%溶液)を徐々に加え、温度102℃で2時間保つ。溶液を冷却してからデカントし、上層の溶液を分離してから、残留した固形生成物を温度75℃で37%HClを用いて2度洗浄し(洗浄に210g使用し、4時間撹拌)、さらに温度70℃で20%HClを用いて洗浄する(200g、1時間)。
【0108】
冷却後デカンテーションによって固形生成物を分離し、ロータベーパで乾燥させる(水ポンプの真空下で95℃)。回収される生成物は44gであるが、その100mgをとって44mlの水に溶解し、1/10規定のNaOHを5ml加えてから30分間撹拌する。過剰のアルカリを1/10規定のH2SO4で滴定する。当量を計算すると450となる。
【0109】
この生成物を窒素雰囲気下で熱重量分析にかけると、10%重量減になる温度は300℃であり、50%重量減になる温度は372℃である。
【0110】
b)残渣成分: 粘度2,856cStの生成物104.1gを、温度98℃で撹拌下3時間かけて、208gのKOH(20%溶液)で処理する。冷却後、208gのHCl(37%溶液)を徐々に加え、温度100℃で3時間保つ。溶液を冷却してからデカントし、上層の溶液を分離してから、残留した固形生成物を80℃で37%HClを用いて2度洗浄し(洗浄に208g使用し、4時間撹拌)、次いで95℃で20%HClを用いて3度洗浄する(洗浄に200g使用し、1時間撹拌)。
【0111】
冷却後デカンテーションによって固形生成物を分離し、ロータベーパで乾燥させる(水ポンプの真空下で95℃)。回収される生成物は66.9gであるが、その100mgをとって40mlの水に溶解し、1/10規定のNaOHを5ml加えてから30分間撹拌する。過剰のアルカリを1/10規定のH2SO4で滴定する。当量を計算すると490となる。
【0112】
この生成物を窒素雰囲気下で熱重量分析にかけると、10%重量減になる温度は302℃であり、50%重量減になる温度は366℃である。
【0113】
実施例11〜実施例13
実施例1の装置を使用し、同様の操作で、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマの流量を変えて一連の合成試験を行った。
【0114】
得られる生成物を19FのNMRで調べると、実施例1で得られたものと同じ構造単位を有し、同じ末端基を有しているが、その量比が相互に異なることが判った。
【0115】
表1および表2に、用いた操作条件と得られた生成物の物性値をまとめた。
表1および表2のデータから判るように、得られる生成物はほぼ同じ分子量を有しており、鎖中に存在するスルホン単位のモルパーセントを上げることによって、Tgを下げることができる。スルホン単位の含量を上げるには、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマの流量を増加させればよい。−CF2CF(CF3)O−単位と−CF2CF(OCF2CF2SO2F)O−単位との合計は実質的に一定であるので、Tgが下がるのはこれら二つの単位の割合が変わったことが原因ではなく、−CF(OCF2CF2SO2F)O−および−CF2O−単位の増加したことが原因であるが、−CF(CF3)O−単位は実質的に一定のままである。
【0116】
これから判るように、−CF2O−単位と−CF(OCF2CF2SO2F)O−単位とを合計したものは約4モル%から約10モル%の範囲にあり、これが分子量が同等でもTgが約10℃下がる理由である。このために、空気中や窒素中での高い熱酸化安定性を維持しながら、同じ分子量でも低いTgを有する潤滑剤が得られるのである。
【0117】
以上の結果は全く予想できず、またどのような理論とも結びつかないものであるが、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマの供給流量を増加させることによって、−CF2O−および−CF(OCF2CF2SO2F)O−単位が多量に存在することへの影響によるものと考えられる。
【0118】
この−CF2O−単位の影響はFOMBLIN(登録商標)Yの場合には認められない。実際、分子量を上げるために−CF2CF(CF3)O−単位の濃度を上げても、Fomblin(登録商標)Yでは、−CF2O−および−CF(CF3)O−単位は実質的に変化しない。
【0119】
KRYTOX(登録商標)には−CF2O−単位は存在せず、−CF(CF3)CF2O−単位だけで構成されているにも拘わらず、FOMBLIN(登録商標)Yがそれと分子量が同等で同様のTg値を有する理由が、このデータから説明できる。
【0120】
したがって、表2で示した本発明の結果は、KRYTOX(登録商標)のタイプのモノマを使用していては得られない。フルオロスルホン基を含有するエポキシ化合物の存在下で重合したとしても、−CF2O−単位は形成されないからである。
【0121】
このことからスルホン基含有モノマの流量を上げる効果には驚くべきものがあり、それによって分子量が同等であっても、−CF2O−および−CF(OCF2CF2SO2F)O−単位が多量に存在することになった結果、Tgを変化させることができるのである。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
実施例14
実施例11の方法によって得られたスルホン基含有PFPEの10gを、まず真空下245℃で6時間処理して、ペルオキシ基を除去する。このようにして得られた生成物9gを、0.9gのMgOおよび0.9gのヘキサメチレンジアミンと混合する。混合中にも粘度が上昇し、流動性が無くなってくる。温度を100℃に上昇させることによって、この混合物は再び流動性を取戻す。生成物の混合が完了したら、混合物を真空下で245℃まで加熱し、この温度で約30分間放置する。9.7gの生成物が得られ、この生成物は室温では固体状である。赤外線分析をすると、スルホンアミドに完全に変化していることが確認できる。DSC分析からTgは−56.3℃であることが判る。熱重量分析の結果では、2%重量減になるのが239℃であり、50%重量減になるのが422℃である。
【0125】
PFPE(Galden)に分散させて酸化マグネシウムを濾過して得られるポリマは、このPFPE(Galden)に可溶である。しかしこのポリマは、A113、HPFPE(H−Galden)、アセトン、メタノール、および水の中では軟化するだけである。この性質は約2か月経過後でも変化しない。
【0126】
実施例15
実施例13の方法によって得られたスルホン基含有PFPEの10gを、まず真空下245℃で6時間処理して、ペルオキシ基を除去する。このようにして得られた生成物8.2gを、0.82gのMgOおよび0.84gのヘキサメチレンジアミンと混合する。混合中にも粘度が上昇し、流動性が無くなってくる。温度を150℃に上昇させることによって、この混合物は再び流動性を取戻す。生成物の混合が完了したら、混合物を真空下で200℃まで加熱すると、この温度で流動性がなくなる。加熱を続けて245℃まで上昇させ、この温度で約30分間放置する。9.3gのゴム状固形生成物が得られる。
【0127】
赤外線分析をすると、スルホンアミドに完全に変化していることが確認できる。DSC分析からTgは−41.5℃であることが判る。熱重量分析の結果では、2%重量減になるのが305℃であり、50%重量減になるのが421℃である。
【0128】
このポリマを種々の溶媒(A113、Galden、HPFPE(H−Galden)、アセトン、メタノール)を使用して相溶性試験を行うと、一部は軟化しながら膨潤するだけである。逆に水では、2か月後でも何の変化も起きない。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、本発明の生成物は、独特の構造を有すると共に操作条件を変えることで、該構造中の各単位の存在割合を変化させることが可能なので、ガラス転移温度Tgを−130℃〜−60℃の範囲にすることができ、また高温でも良好な酸化安定性を有しているので、広い温度範囲にわたって各種の用途に使用することが可能である。
【0130】
本発明によれば、本発明の潤滑剤は、市販の潤滑剤であるFOMBLIN(登録商標)Yに比べ、分子量が同じでもTgが低い。なぜなら、分子量を下げることなくそれらの構造を変えることが可能となったためであり、該分子量を下げることは、蒸気圧を増大させることにつながり、上述の欠陥を招くのである。
【0131】
さらに本発明によれば、本発明の潤滑剤は高い熱酸化安定性を有しながら、Tgの値を−130℃にまで下げているが、従来技術でこのようなTgを有するものはFOMBLIN(登録商標)Zしかないが、これには上述の欠陥がある。
【0132】
驚くべき事には、2個の炭素原子を有するCF2CF2O−単位が存在すると、さらにTgをFOMBLIN(登録商標)Zの値に近いところまで下げることが可能であることを出願人は発見した。また、SO2F基を有する単位がFOMBLIN(登録商標)Yと同様に3個の炭素原子を有する−CF2CF(CF3)O−単位を側鎖に有しながら、Tgを増加させないというのも、思いがけない発見であった。
Claims (18)
- ペルフルオロ 3−オキサ 5−フルオロスルホニル 1−ペンテン(CF2=CFOCF2CF2SO2F)のコモノマがテトラフルオロエチレンおよび/またはペルフルオロプロペンであることを特徴とする請求項1記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤。
- ペルフルオロアルキルビニルエーテル類 CF2=CF2ORf(ここでRfは−CF3、−C2F5、−C3F7のペルフルオロアルキル基)およびペルフルオロ化共役ジエン類から選ばれた他のコモノマが存在することを特徴とする請求項1または2記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤。
- クロロフルオロカーボン類(CFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン類(HCFC)、ヒドロフルオロカーボン類(HFC)、フルオロエーテル類(FE)、ヒドロフルオロエーテル類(HFE)、フルオロカーボン類(FC)およびこれらの混合物から選ばれた溶媒から成る液状反応混合物中に、モノマと、酸素の流れとを供給し、重合の間液状反応媒体の温度を−100℃〜+50℃に保ち、2,000〜6,000Åの波長を有する紫外線を照射することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤を得る方法。
- 請求項7に記載された化合物から選んだ溶媒から成る液状反応媒体中に、モノマと、酸素の流れとを供給し、その液状反応媒体の温度を−100℃〜+50℃に保ち、以下の化学式を有する化合物の1またはそれ以上をガス状または液状の流れで供給することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤を得る方法。
(1)FORf、ここでRfは1〜3の炭素原子を有するペルフルオロアルキルラジカル
(2)FOCF2OF
(3)FO−(RO)s−FまたはRf−(RO)s−F、ここでRは−CF2−CF2CF2−型または−CF2CF(CF3)−型のペルフルオロアルキレンラジカルであり、sは1〜100である。 - 波長が2,000〜6,000Åの紫外線照射のもとで実施することを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 供給する酸素の分圧が0.01〜15気圧であり、CF2=CFOCF2CF2SO2Fモノマの濃度が0.001モル/リットルからその純粋状態でのモル濃度の間であることを特徴とする請求項7〜9のうちのいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜6のうちのいずれかに記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤を温度150℃〜250℃で熱処理を行うか、波長が2,000〜6,000Åを有する紫外線照射のもとで温度−40℃〜+150℃で光化学処理を行うことを特徴とするペルフルオロポリエーテル潤滑剤を得る方法。
- 得られた化合物をフッ素化処理することを特徴とする請求項11記載の方法。
- アルカリ加水分解によって、化合物を側鎖のフルオロスルホン基である−OCF2CF2SO2Fからイオンの形に変換させて、−OCF2CF2SO3M(ここで、MはNa、K、NR4(R=H、CH3、C2H5)から選ばれたもの)とし、また随意にさらに酸加水分解をして−OCF2CF2SO3Hとすることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤を変換する方法。
- 数平均分子量が1,000〜50,000であることを特徴とする請求項1記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤。
- ペルフルオロ化共役ジエン類がペルフルオロブタジエンであることを特徴とする請求項3記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤。
- 液状反応媒体の温度が−90℃〜−30℃に保たれることを特徴とする請求項7〜10のうちのいずれかに記載のペルフルオロポリエーテル潤滑剤を得る方法。
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