JP4832939B2 - 光学素子成形用型の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス等の光学材料を加熱し、軟化した後に押圧してレンズやプリズム等の光学素子を成形する光学素子成形用型の製造方法に関する。
ガラス材料を挟んで対向する1対のプレス型及びマスタ型とこれらを嵌挿するスリーブを含む型セットを加熱し、ガラス素材が加熱軟化した後にマスタ型を摺動させてガラス成形用型(レプリカ型)を成形する場合、スリーブとマスタ型との摺動クリアランスに起因するシフト(位置ずれ)及びチルト(傾き)による偏心が発生する。
これを解決するために、例えばマスタ型とスリーブのクリアランスを小さくしようとしてしまり嵌めにすると、型セット内に残存したガスが抜けずにガス溜りが発生する。すると、このガス溜りにより、面精度の良好なガラス成形用型を得ることが困難となる。
これに対し、スリーブにガス抜きの穴を形成すると、ガラス成形用型の外周部まで同時に加工したい場合には、ガス抜きの穴に溶融ガラスが回り込んで取り出せなくなるおそれがある。
一方、このようなガラス成形用型(レプリカ型)の成形に関し、例えば特許文献1には、ガラス成形型基材を成形する際、成形される光学素子の光学機能面を成形する成形面等を除いて規制せずに成形することで、温度と圧力を低下させた状態での成形を可能とし、次に、そのガラス成形型基材の成形面を基準に芯取り加工を施して、精度の高いガラス成形用型を得る点が開示されている。
また、特許文献2には、ガラス材料からなる上下の成形型は、光学素子の光学面を成形するための成形面を有する円筒部と、この円筒部の成形面と反対側の端面に連結した鍔部を備えたガラス成形型が開示されている。
特開2005−97009号公報(第4頁、図1) 特許第3203402号公報(第3−4頁、図1−図3)
しかしながら、特許文献1の技術では、成形後にガラス成形型基材の光軸を合わせてから外周を削る作業が必要である。このため、作業工数が増大し結果的に製造コストが増大することになる。
また、特許文献2の技術では、ガラス製の上下の成形型を成形するための超硬合金製のマスタ型とこのマスタ型が嵌挿されるスリーブとの間に摺動クリアランス(例えば、5μm程度)が必要であり、このため、成形されるガラス製の上下の成形型にシフトやチルトが生じるという課題があった。
本発明は斯かる課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、偏心精度が高くかつ形状精度の高い成形型を得ることのできる光学素子成形用型の製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、
対向配置された第1及び第2の成形型とこれらを嵌挿するスリーブとで構成される型セットの内部にガラス型となる光学材料を配置し、前記型セットと前記光学材料をまとめて加熱して該光学材料が加熱軟化した後に押圧して成形する光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
前記スリーブと該スリーブよりも線膨張率の大きい前記第1の成形型とがしまり嵌めとなるように前記型セット及び前記光学材料を成形温度まで加熱する工程と、
前記第2の成形型を前記第1の成形型に接近移動させて、加熱軟化した前記光学材料を押圧する工程と、
前記第2の成形型が前記光学材料に所定の押圧荷重を加えたまま徐冷する工程と、を有し、
成形後の前記光学材料に、Taの酸化物をイオンアシスト蒸着あるいはスパッタにより成膜することを特徴とする
請求項2に係る発明は、
対向配置された第1及び第2の成形型とこれらを嵌挿するスリーブとで構成される型セットの内部にガラス型となる光学材料を配置し、前記型セットと前記光学材料をまとめて加熱して該光学材料が加熱軟化した後に押圧して成形する光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
前記スリーブと該スリーブよりも線膨張率の大きい前記第1の成形型とがしまり嵌めとなるように前記型セット及び前記光学材料を成形温度まで加熱する工程と、
前記第2の成形型を前記第1の成形型に接近移動させる際、前記スリーブよりも線膨張率が大きくかつ該スリーブよりも先に前記第2の成形型が当接するように配置されたスペーサブロックに前記第2の成形型が当接するまで移動させて、加熱軟化した前記光学材料を押圧する工程と、
前記第2の成形型が前記スペーサブロックに当接して、該スペーサブロックに所定の押圧荷重を加えたまま徐冷する工程と、を有し、
成形後の前記光学材料に、Taの酸化物をイオンアシスト蒸着あるいはスパッタにより成膜することを特徴とする
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
前記スリーブの軸方向に直列に前記スペーサブロックを連結し、該スペーサブロックの端面に前記第2の成形型を当接させることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
前記第1の成形型の側面に、該第1の成形型の成形面から底面に亘ってガス抜き用の溝を形成し、
この溝を介して前記型セット内に滞留したガスを外部に放出するようにしたことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項に記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
前記スリーブの底面の内径側に、前記第1の成形型のガス抜き用の溝に連通する面取り部を形成し、
更にこの面取り部に連通する溝を前記スリーブの底面に形成したことを特徴とする。
請求項係る発明は、請求項1〜のいずれかに記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
成形後の前記光学材料に、アニール処理を施すようにしたことを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項1〜のいずれかに記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
前記光学材料の加熱工程及び押圧工程を真空中で行うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、偏心精度が高くかつ形状精度の高い成形型を得ることができる。
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)(b)は、光学素子成形用型の製造装置の概略構成を示す図である。
この製造装置は、対向配置されたマスタ型(第1の成形型)2及びプレス型(第2の成形型)3と、これらを嵌挿する円筒状のスリーブ4で構成される型セット1と、この型セット1を上下方向から挟持する下プレスヘッド7及び上プレスヘッド8を有している。
マスタ型2及びプレス型3は、スリーブ4の両端側から、夫々の成形面2aと成形面3aが対向するように嵌挿され、プレス型3はスリーブ4の軸方向に摺動自在とされている。マスタ型2の成形面2aとプレス型3の成形面3aとの間には、光学材料としての例えばガラス素材(プリフォーム(PF))6が配置されている。
本実施の形態では、マスタ型2の材質は超硬合金(線膨張率4.5×10-6/℃)が用いられ、スリーブ4の材質は窒化珪素(線膨張率3×10-6/℃)が用いられている。また、マスタ型2の外径とスリーブ4の内径は成形温度(例えば720℃)で軽いしまり嵌めになるような寸法に加工されている。
図1(b)に示すように、マスタ型2の底面2cと略同一面のスリーブ4の底面4cには、内径側に面取り部4aが円周方向に形成され、また、この面取り部4aに連通するように、3個の溝4bが中心から放射状に等間隔で形成されている。なお、これらマスタ型2の底面2cとスリーブ4の底面4cは、下プレスヘッド7に当接されている。
図2(a)(b)に示すように、マスタ型2の側面には、成形面2aから底面2cに亘って中心軸と略平行に、等間隔で4本の溝2bが形成されている。そして、この4本の溝2bは、スリーブ4の底面4cに形成された面取り部4aを介して溝4bに連通するように形成されている。これにより、型セット1内(キャビティ内)に滞留したガスを外部に逃がすことができる。
また、図3に示すように、マスタ型2の側面に、中心軸と略平行に4本の溝2bを形成すると共に、成形面2aから底面2cに至る中途部に、これに連通する横溝2dを形成し、更に、スリーブ4の側面に、この横溝2dに連通する空気孔4dを設けても良い。
なお、ガラス素材6は、オハラ社製光学ガラスS−BSM14を用いている。また、プレス型3は、超硬合金で製作され、成形温度(例えば720℃)でスリーブ4と摺動クリアランスを確保できるような寸法に加工されている。
型セット時には、マスタ型2をスリーブ4の底面4c側から嵌挿し、ガラス素材6を挟んでスリーブ4の底面4cと反対側からプレス型3を嵌挿する。そして、このガラス素材6を収容した型セット1を、図示しない供給手段により下プレスヘッド7の上面に載置する。
加熱時には、図1(a)に示すように、上下のプレスヘッド7,8は、成形温度(例えば720℃)に加熱されている。そして、上下のプレスヘッド7,8を成形温度に加熱することで、型セット1とガラス素材6がまとめて加熱される。また、上プレスヘッド8は、図示しない駆動手段によりプレス型3を押圧方向(マスタ型2への接近方向)に移動するように制御される。
このとき、前述したように、マスタ型2の線膨張率(4.5×10-6/℃)はスリーブ4の線膨張率(3×10-6/℃)よりも大きい材質が用いられているので、成形可能温度ではマスタ型2はスリーブ4としまり嵌めとなる。これにより、マスタ型2のシフト及びチルトを防止して、成形されるガラス素材6の外径部に対する偏心精度を向上することができる。
成形時には、図4に示すように、型セット1内のガラス素材6が成形可能温度に達した状態で、上プレスヘッド8が駆動され、プレス型3がスリーブ4内を押圧方向に摺動して成形が行われる。
一方、プレス型3の摺動によりガラス素材6が流動するのに伴い、型セット1内(キャビティ内)に閉じ込められたガスは、マスタ型2の側面に形成された溝2b、及びスリーブ4の底面4cに形成された面取り部4a及び溝4bを通って外部に放出される。このため、型セット1内にガス溜りが発生することはなく、よって、このガスによって、成形されるガラス型の面精度に影響が及ぶことはない。
この場合、例えば型セット1の周囲を真空にした状態で加熱、成形を行うこととすれば、型セット1内(キャビティ内)のガスは、周囲を真空にした時点で前述したマスタ型2の溝2b等を介して外部に放出されるので、内部に閉じ込められることはない。このときの組み付け手順は、型セット1内にガラス素材6を組み込んだ状態にしてから周囲を真空にする。これにより、内部のガスは比較的スムーズに外部に放出されるため、ガス溜りの発生を効率良く抑制することができる。
その後、冷却工程では、図5に示すように、上プレスヘッド8がプレス型3に所定の押圧荷重を加えたまま、上下のプレスヘッド7,8を冷却して型セット1を徐々に冷却する。これにより、ガラス素材6はプレス型3から所定の荷重が加えられたまま冷却される。
こうして、ガラス素材6が成形されるが、このガラス素材6がガラス転移点以下の温度に達したら、押圧荷重を解除し、常温まで冷却する。更に、上下のプレスヘッド7,8を冷却して、成形したガラス型60を取り出す。
次に、アニール処理(徐冷)を行う。このアニール処理は、いわゆるガラス型60の歪取りのための再加熱を行う処理作業である。すなわち、本実施形態では、図6に示すように、加熱炉9で2時間で650℃まで加熱し、30分保持した後、10時間かけて常温まで冷却する。
その後、図7に示すように、蒸着装置10の内側に、ガラス型60とその下方にAl(アルミニウム),Si(珪素),Ta(タンタル)等の酸化物11の少なくともいずれか1つを配置し、室内を真空にする。本実施形態では、ガラス型60の成形面にアルミナを真空蒸着法によりイオンアシスト蒸着処理した。このイオンアシスト蒸着法は、イオンの持つ高い運動エネルギーにより蒸着物質(酸化物11)が活性化され、この蒸着物質に流動性を持たせて隙間のない緻密な膜を形成するものである。
なお、ガラス型60の底面のチルト精度が必要な場合は、ガラス型60の外径部を基準にして該ガラス型60を固定具により保持し、この保持状態で底面を研削すればよい。
こうして、図8に示すように、ガラス型60の成形面にアルミナ12をイオンアシストコート処理した製品型を得ることができた。なお、本実施の形態では、イオンアシスト蒸着法を用いたが、スパッタにより成膜しても良い。
本実施の形態によれば、マスタ型2とスリーブ4がしまり嵌めとなって、その隙間がない状態で成形されるため、マスタ型2の外径部を基準として該マスタ型2の偏心精度を低下させることなく、その成形面2aをガラス型60に転写することができる。また、マスタ型2とスリーブ4をしまり嵌めとする一方、型セット1内のガスの逃げ道を設けたことにより、ガラス型60はガス溜りのない良好な成形面を得ることができる。
これにより、形状精度の高いガラス型60を得ることができる。更に、冷却時にプレス型3から押圧荷重が加わったまま冷却されるため、面精度の良好な成形面を得ることができる。
(第2の実施の形態)
図9〜図12は、成形時等にプレス型23がスリーブ24よりも先にスペーサブロック29に当接させるようにした光学素子成形用型の製造装置の実施の形態を示している。
図9において、この製造装置は、第1の実施の形態と略同様の構成を有し、また、上下のプレスヘッド7、8は図示を省略している。型セット21は、対向配置されたマスタ型(第1の成形型)22及びプレス型(第2の成形型)23と、これらを嵌挿する円筒状のスリーブ24を有している。マスタ型22及びプレス型23は、スリーブ24の両端側から、夫々の成形面22aと成形面23aが対向するように嵌挿され、プレス型23はスリーブ24の軸方向に摺動自在とされている。
マスタ型22の成形面22aとプレス型23の成形面23aとの間には、光学材料としての例えばガラス素材(PF)26が配置されている。マスタ型22の成形面22aは、鏡面に仕上げられ(表面粗さRtが0.07μm)、プレス型23の成形面23aは、平坦な平面でかつ粗面(表面粗さRtが12.5μm)に仕上げられている。
マスタ型22はフランジ部22dを有し、プレス型23はフランジ部23bを有している。マスタ型22は、そのフランジ部22dの載置面22eと底面22fとが、平行度が略1μm以下の精度に加工されている。また、プレス型23は、そのフランジ部23bの当接面23cと成形面23aとは、平行度が略1μ以下の精度に加工されている。更に、これに関連して、フランジ部23bの当接面23cとスペーサブロック29の軸方向の両端面、及びフランジ部22dの載置面22eとは、平行度が略1μ以下の精度に加工されている。
図10(a)(b)に示すように、マスタ型22の側面には、成形面22aから底面22fに亘って中心軸と略平行に、等間隔で4本の溝22bが形成されている。また、マスタ型22のフランジ部22dの載置面22eには、上述した4本の溝22bに連通する4本の溝22cが形成されている。
本実施の形態では、マスタ型22の材質は超硬合金(線膨張率4.5×10-6/℃)が用いられ、スリーブ24の材質は窒化珪素(線膨張率3×10-6/℃)が用いられている。また、マスタ型22の外径とスリーブ24の内径は成形温度(例えば720℃)で軽いしまり嵌めになるような寸法に加工されている。
ガラス素材26は、オハラ社製光学ガラスS−BSM14を用いている。プレス型23は、超硬合金で製作され、成形温度(例えば720℃)でスリーブ24と摺動クリアランスを確保できるような寸法に加工されている。また、第1の実施の形態と同様に、マスタ型22をスリーブ24の底面側から嵌挿し、ガラス素材26を挟んでスリーブ24の底面と反対側からプレス型23を嵌挿する。そして、このガラス素材26を収容した型セット21を、不図示の下プレスヘッドに載置する。
本実施形態では、スリーブ24を嵌挿可能な円筒状のスペーサブロック29を有している。このスペーサブロック29は、スリーブ24よりも軸方向の長さが長く、また、軸方向の両端面の平行度は高精度に形成されている。そして、マスタ型22のフランジ部22dの載置面22e上に、スリーブ24を載置し、更にこのスリーブ24を嵌挿するようにスペーサブロック29を載置する。
このスペーサブロック29は、成形時にマスタ型22及びプレス型23のフランジ部22d、23b間に挟まれ、ストッパとして機能するようになっている。
本実施形態では、スペーサブロック29としてタングステン合金(線膨張率5.2×10-6/℃)を用いている。このため、スペーサブロック29は、成形温度(例えば720℃)から常温までの冷却による長さの収縮量が、成形されたガラス型60の収縮量よりも大きくなる。
加熱時には、図9に示すように、不図示の上下のプレスヘッドが、成形温度(例えば720℃)に加熱されている。そして、上下のプレスヘッドを成形温度に加熱することで、型セット21とガラス素材26がまとめて加熱される。また、上プレスヘッドは、図示しない駆動手段によりプレス型23を押圧方向(マスタ型22への接近方向)に移動するように制御される。このとき、前述したように、マスタ型22の線膨張率(4.5×10-6/℃)はスリーブ24の線膨張率(3×10-6/℃)よりも大きい材質が用いられているので、成形可能温度ではマスタ型22はスリーブ24としまり嵌めとなる。これにより、マスタ型22のシフト及びチルトを防止して、成形されるガラス素材26の外径部に対する偏心精度を向上することができる。
成形時には、図11に示すように、型セット21内のガラス素材26が成形可能温度に達した状態で、プレス型23がスリーブ24内を押圧方向に摺動して成形が行われる。
一方、プレス型23の摺動によりガラス素材26が流動するのに伴い、型セット21内(キャビティ内)に閉じ込められたガスは、マスタ型22の側面に形成された溝22b、及びこれに連通しフランジ部22dの載置面22eに形成された溝22cを通って外部に放出される。このため、型セット21内にガス溜りが発生することはなく、よって、このガスによって、成形されるガラス型の面精度に影響が及ぶことはない。
本実施の形態では、加熱プレス時にプレス型23のフランジ部23bがスペーサブロック29の端面に当接するまで移動させることにより、成形されるガラス型60は、その底面のチルト精度の良い製品が得られる。
その後、冷却工程では、図12に示すように、プレス型23に所定の押圧荷重を加えたまま、不図示の上下のプレスヘッドを冷却して型セット21を徐々に冷却する。このとき、プレス型23は、スペーサブロック29の収縮量に相当する分だけマスタ型22に接近移動してガラス素材26を押圧する。
その後の歪取り工程や蒸着処理工程(図6〜図8)は、第1の実施の形態で説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、冷却時には、ガラス素材26よりもスペーサブロック29の収縮の方が早くかつ大きいため、ガラス素材26にプレス型23から押圧荷重が加えられて、面精度の良好な成形面を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図13〜図15は、スリーブ34の軸方向に直列にスペーサブロック39を連結し、このスペーサブロック39の端面にプレス型33を当接するような光学素子成形用型の製造装置の実施の形態を示している。
図13(a)(b)において、この製造装置は、第1の実施の形態と略同様の構成を有し、また、上下のプレスヘッドは図示を省略している。型セット31は、対向配置されたマスタ型(第1の成形型)32及びプレス型(第2の成形型)33と、これらを嵌挿する円筒状のスリーブ34を有している。
マスタ型32及びプレス型33は、スリーブ34の両端側から、夫々の成形面32aと成形面33aが対向するように嵌挿され、プレス型33はスリーブ34の軸方向に摺動自在とされている。マスタ型32の成形面32aとプレス型33の成形面33aとの間には、光学材料としての例えば光学ガラスからなるガラス素材(PF)36が配置されている。
図13(b)に示すように、マスタ型32の底面32cと略同一面のスリーブ34の底面34cには、内径側に面取り部34aが円周方向に形成され、また、この面取り部34aに連通するように、3個の溝34bが中心から放射状に等間隔で形成されている。なお、これらマスタ型32の底面32cとスリーブ34の底面34cは、下プレスヘッドに当接されている。
マスタ型32の構成は、図2(a)(b)に示したものと同様であり、マスタ型32の側面等に形成した溝32bにより、型セット31内(キャビティ内)に滞留したガスを外部に逃がすことができる。
本実施の形態では、スリーブ34の軸方向に直列にスペーサブロック39を連結し、このスペーサブロック39の端面39aにプレス型33のフランジ部33bの下面が当接するようになっている。このスペーサブロック39としてタングステン合金(線膨張率5.2×10-6/℃)を用いている。
なお、マスタ型32の材質は超硬合金(線膨張率4.5×10-6/℃)が用いられ、スリーブ34の材質は窒化珪素(線膨張率3×10-6/℃)が用いられている。また、マスタ型32の外径とスリーブ34の内径は成形温度(例えば720℃)で軽いしまり嵌めになるような寸法に加工されている。
ガラス素材36は、オハラ社製光学ガラスS−BSM14を用いている。プレス型33は、超硬合金で製作され、成形温度(例えば720℃)で摺動クリアランスを確保できるような寸法に加工されている。また、マスタ型32とプレス型33を、ガラス素材36を挟んでスリーブ34に嵌挿し、このガラス素材36を収容した型セット31を、図示しない下プレスヘッドに載置する。
図13(a)の状態で加熱するが、このとき、前述したように、マスタ型32の線膨張率(4.5×10-6/℃)はスリーブ34の線膨張率(3×10-6/℃)よりも大きい材質が用いられているので、成形可能温度ではマスタ型32はスリーブ34としまり嵌めとなる。これにより、マスタ型32のシフト及びチルトを防止して、成形されるガラス素材36の外径部に対する偏心精度を向上することができる。
成形時には、図14に示すように、型セット31内のガラス素材36が成形可能温度に達した状態で不図示の上プレスヘッドが駆動され、プレス型33のフランジ部33bがスペーサブロック39の端面39aに当接するまで押圧される。
一方、押圧成形によりガラス素材36が流動するのに伴い、内部キャビティに閉じ込められたガスは、マスタ型32の側面に加工された溝32b、及びスリーブ34の底面に形成された面取り部34a及び溝34bを通って外部に放出される。
その後、図15に示すように、上プレスヘッドはプレス型33に押圧荷重を加えたまま、上下のプレスヘッドを冷却して型セット31を冷却する。このとき、プレス型33は、冷却により、スペーサブロック39の収縮量に相当する分だけマスタ型32に接近移動してガラス素材36を押圧する。
その後の歪取り工程や蒸着処理工程(図6〜図8)は、第1の実施の形態で説明した場合と同様であるので、その説明は省略する。
本実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、ガラス素材36の収縮よりもスペーサブロック39の収縮の方が早く大きいため、ガラス素材36にプレス型33から押圧荷重が加わったまま冷却され、面精度の良好な成形面を得ることができる。
(a)は第1の実施の形態の製造装置の断面図、(b)はその底面図である。 (a)はマスタ型の断面正面図、(b)はその平面図である。 マスタ型に横溝を形成した場合の外観図である。 第1の実施の形態の成形工程の断面図である。 第1の実施の形態の冷却工程の断面図である。 歪取りのための再加熱工程を示す図である。 真空蒸着工程を示す図である。 成形面に酸化物をコーティングしたガラス型の断面正面図である。 第2の実施の形態の製造装置の断面図である。 (a)はマスタ型の断面正面図、(b)はその平面図である。 第2の実施の形態の成形工程の断面図である。 第2の実施の形態の冷却工程の断面図である。 (a)は第3の実施の形態の製造装置の断面図、(b)はその底面図である。 第3の実施の形態の成形工程の断面図である。 第3の実施の形態の冷却工程の断面図である。
符号の説明
1 型セット
2 マスタ型
2a 成形面
2b 溝
2c 底面
3 プレス型
3a 成形面
4 スリーブ
4a 面取り部
4b 溝
4c 底面
6 ガラス素材
7 下プレスヘッド
8 上プレスヘッド
9 加熱炉
10 蒸着装置
11 酸化物
21 型セット
22 マスタ型
22a 成形面
22b 溝
22c 溝
22d フランジ部
22e 載置面
22f 底面
23 プレス型
23a 成形面
23b フランジ部
23c 当接面
24 スリーブ
26 ガラス素材
29 スペーサブロック
31 型セット
32 マスタ型
32a 成形面
32b 溝
33 プレス型
33a 成形面
33b フランジ部
34 スリーブ
34a 面取り部
34b 溝
34c 底面
36 ガラス素材
39 スペーサブロック
39a 端面
60 ガラス型

Claims (7)

  1. 対向配置された第1及び第2の成形型とこれらを嵌挿するスリーブとで構成される型セットの内部にガラス型となる光学材料を配置し、前記型セットと前記光学材料をまとめて加熱して該光学材料が加熱軟化した後に押圧して成形する光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
    前記スリーブと該スリーブよりも線膨張率の大きい前記第1の成形型とがしまり嵌めとなるように前記型セット及び前記光学材料を成形温度まで加熱する工程と、
    前記第2の成形型を前記第1の成形型に接近移動させて、加熱軟化した前記光学材料を押圧する工程と、
    前記第2の成形型が前記光学材料に所定の押圧荷重を加えたまま徐冷する工程と、を有し、
    成形後の前記光学材料に、Taの酸化物をイオンアシスト蒸着あるいはスパッタにより成膜することを特徴とする光学素子成形用ガラス型の製造方法。
  2. 対向配置された第1及び第2の成形型とこれらを嵌挿するスリーブとで構成される型セットの内部にガラス型となる光学材料を配置し、前記型セットと前記光学材料をまとめて加熱して該光学材料が加熱軟化した後に押圧して成形する光学素子成形用ガラス型の製造方法において、
    前記スリーブと該スリーブよりも線膨張率の大きい前記第1の成形型とがしまり嵌めとなるように前記型セット及び前記光学材料を成形温度まで加熱する工程と、
    前記第2の成形型を前記第1の成形型に接近移動させる際、前記スリーブよりも線膨張率が大きくかつ該スリーブよりも先に前記第2の成形型が当接するように配置されたスペーサブロックに前記第2の成形型が当接するまで移動させて、加熱軟化した前記光学材料を押圧する工程と、
    前記第2の成形型が前記スペーサブロックに当接して、該スペーサブロックに所定の押圧荷重を加えたまま徐冷する工程と、を有し、
    成形後の前記光学材料に、Taの酸化物をイオンアシスト蒸着あるいはスパッタにより成膜することを特徴とする光学素子成形用ガラス型の製造方法。
  3. 前記スリーブの軸方向に直列に前記スペーサブロックを連結し、該スペーサブロックの端面に前記第2の成形型を当接させることを特徴とする請求項2に記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法。
  4. 前記第1の成形型の側面に、該第1の成形型の成形面から底面に亘ってガス抜き用の溝を形成し、
    この溝を介して前記型セット内に滞留したガスを外部に放出するようにした、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法。
  5. 前記スリーブの底面の内径側に、前記第1の成形型のガス抜き用の溝に連通する面取り部を形成し、
    更にこの面取り部に連通する溝を前記スリーブの底面に形成した、
    ことを特徴とする請求項に記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法。
  6. 成形後の前記光学材料に、アニール処理を施すようにした、
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法。
  7. 前記光学材料の加熱工程及び押圧工程を真空中で行うようにした、
    ことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学素子成形用ガラス型の製造方法。
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