JP4832658B2 - 粘着性の柔軟なアクリル系樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、柔軟なアクリル系樹脂組成物からなる粘着剤に関する。さらに詳しくは粘着後に、時間とともに粘着力が増加し、強固な接着力を発揮する優れた性質を有する粘着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アクリル系樹脂は、耐久性がよいこと、環境に優しいことなどから、成形材料や塗料、接着剤などの分野で幅広く利用されている。このようなアクリル系樹脂は、アクリル系モノマーやオリゴマーに重合開始剤として有機過酸化物を添加し、この有機過酸化物を加熱分解することにより、ラジカルを発生させアクリル系モノマーやオリゴマーを重合して得られる。
【0003】
アクリル系樹脂からなる粘着剤は、従来、前記したアクリル系樹脂を溶剤に溶解してから、粘着に必要な材料を配合し、離型紙上に塗布後、含有する溶剤を加熱などで除去し、離型フィルム面に挟み込まれるように巻きつけて製造されている。
【0004】
このような従来の方法では、アクリル系樹脂を製造する装置、粘着剤に必要な材料を配合する装置、離型フィルムに塗布、溶剤を乾燥する装置等が必要となり、粘着剤の製造設備に多額の投資が必要である。
【0005】
更に、これらの溶剤は大気汚染や労働衛生上多くの問題を有しており、無溶剤のアクリル系樹脂からなる性能の良い粘着剤の開発が待望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような大規模な設備投資を必要としない無溶剤型のアクリル系樹脂からなる、優れた性能を有する粘着剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、アクリル酸エステルモノマー100質量部、乾性油0.1〜30質量部、および有機過酸化物、有機過酸化物の分解促進剤、充填材を含有してなり、かつ、23℃で1週間養生したアクリル系樹脂組成物の20℃のヤングモジュラスが5MPa以下であり、さらに、下記(1)及び(2)の条件を満たすアクリル系樹脂組成物であり、
(1)2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート及びノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上からなる、少なくとも1分子中に1個のフェニル基を有するアクリル酸エステルモノマーを10質量%〜80質量%含有すること。
(2)フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート及びノニルフェノール(プロピレンオキサイド)2.5モル変性アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上からなるアクリル酸エステルモノマーを20質量%以上含有すること。
(1)が、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート及び/又はノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートであり、(2)がノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレートである該アクリル系樹脂組成物であり、少なくとも1分子中に1個のフェニル基を有し、かつ重合物の伸びが20℃で200%以上であるアクリル酸エステルモノマー10質量%〜80質量%、重合物のガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステルモノマー20質量%以上からなるアクリル酸エステルモノマーを含有する該アクリル系樹脂組成物であり、乾性油が亜麻仁油であり、有機過酸化物がクメンハイドロパーオキサイド及び/又は過酸化ベンゾイルであり、有機過酸化物の分解促進剤がオクテン酸コバルト、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−P−トルイジン及びナフテン酸マンガンからなる群のうちの1種又は2種以上である該アクリル系樹脂組成物であり、充填材が炭酸カルシウム及び/又はアルミナ粉末である該アクリル系樹脂組成物であり、少なくとも2枚以上の離型フィルムに挟まれて存在する該アクリル系樹脂組成物からなる粘着剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、アクリル酸エステルモノマーに、乾性油、および有機過酸化物と該過酸化物の分解を促進する分解促進剤等を単に配合するだけで、従来アクリル系樹脂を製造する際に必要とされていた重合装置や、溶剤への溶解設備などの特別な粘着剤設備を必要とせず、常温で容易にアクリル酸エステルモノマーを粘着性を有する柔軟な樹脂として樹脂化することができるものである。
【0009】
本発明のアクリル系樹脂組成物において、乾性油は、アクリル酸エステルモノマーのラジカル重合の場で連鎖移動を起こし、重合体中に取り込まれ、架橋を形成する。しかしながら、アクリル酸エステルモノマーのラジカル重合の場で、多官能モノマーを添加した場合に形成される架橋に起因する、アクリル系樹脂組成物の激しい弾性率の上昇を、乾性油は示さない点が重要である。
【0010】
したがって、乾性油は、本発明のアクリル系樹脂組成物を柔らかい樹脂にするために必要な成分である。
【0011】
さらに、乾性油は、空気を遮断した見かけ上の密閉系では粘着付与剤として作用していると考えられるが、酸素の存在と、有機過酸化物の分解促進剤などの作用により硬化する性質がある。そこで、離型紙に挟み込んで存在させた本発明のアクリル系樹脂組成物は、離型紙をはがして被着体に粘着させることができるが、離型紙をはがしたときに、樹脂の表面が空気と接触し、空気と接触した部分の硬化が促進される。この表面硬化を、適度に起こさせることにより、従来の粘着剤と比較して格段に優れた、粘接着挙動、より強固な粘着力、接着力を得ることができることが本発明の重要な特徴の一つである。
【0012】
したがって、例えば、離型紙に挟み込んで重合させた本発明のアクリル系樹脂組成物は、離型紙を除去することで被着体に粘着させることができるが、離型紙を除去する過程で空気に晒されるので、被着体に粘着接着させた後に、被着体と本発明のアクリル系樹脂組成物からなる粘着剤の界面は硬化が更に進行し、従来の粘着剤に比較して、より強固に接着するのである。
【0013】
本発明のアクリル系樹脂組成物が含有するアクリル酸エステルモノマーとしては、メタクリル酸エステルとアクリル酸エステル(以下(メタ)アクレートと記す)系モノマーがあり、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリアクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロトリエン(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルオキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変成テトラフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシカルボニルメチル(メタ)アクリレート、フェノールエチレンオキシド変成アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキシド変成アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキシド変成アクリレート、ノニルフェノールポリプロピレンオキシド変成アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ポリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4ブタンジオール(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、アクリロニトリルブタジェンメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド2、5モル変性)アクリレート等が挙げられる。
【0014】
これらの内、重合物の伸びが20℃で200%以上で、少なくとも分子中に1個以上のフェニル基を有するアクリル酸エステルモノマーは特に好ましいアクリル酸エステルモノマーである。
【0015】
具体的には、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートなどである。
【0016】
さらに、本発明のアクリル樹脂系組成物が含有する特に好ましい他のアクリル酸エステルモノマーは、重合物のガラス転移温度が0℃以下で、少なくとも分子中に1個以上のフェニル基を有するアクリル酸エステルモノマーである。
【0017】
具体的には、フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、ノニルフェノール(プロピレンオキサイド)2.5モル変性アクリレートなどである。
【0018】
これらのアクリル酸エステルモノマーは、単独で用いても良いし、組成物ならびに硬化物の性質を調整する目的で2種類以上混合して使用しても良い。
【0019】
本発明の、重合物の伸びが20℃で200%以上で、少なくとも分子中に1個以上のフェニル基を有するアクリル酸エステルモノマーは、硬化物を柔軟にし、伸び特性を付与させる成分であり、アクリル酸エステルモノマー100質量%中の10質量%以上含有することが好ましい。
【0020】
本発明の、重合物のガラス転移温度が0℃以下で、少なくとも分子中に1個以上のフェニル基を有するアクリル酸エステルモノマーは、硬化物の柔軟性を低温に於いても維持させる成分であり、アクリル酸エステルモノマー100質量%中の20質量%以上含有することが好ましい。
【0021】
本発明に用いる乾性油は、例えば、亜麻仁油、ボイル油、など所謂、不飽和脂肪酸のグリセリンエステルである。
【0022】
乾性油はアクリル酸エステルモノマーがラジカル重合硬化する際に、重合開始剤、および空気中の酸素の影響を受けて硬化する。
【0023】
乾性油の含有量は多いほど好ましいが、多すぎるとラジカル重合時に連鎖移動が起こり、得られるアクリル系樹脂の分子量が低下し、強度の低下を引き起こす恐れがある。したがって好ましい配合量はアクリル酸エステルモノマー100質量部に対して、30質量部以下、特に好ましい配合量は3〜20質量部である。
【0024】
本発明に用いる有機過酸化物は、例えば、ハイドロパーオキサイド類ではターシャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルハイドロパーオキサイドなどがあり、ケトンパーオキサイド類ではメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイドなどがあり、ジアシルパーオキサイド類にはアセチルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、オクタノールパーオキサイド、デカノールパーオキサイド、ラウリノールパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0025】
本発明に用いる充填材は、アクリル系樹脂組成物の用途に応じて適宜材料を選択することができる。例えば、振動を防止する目的の粘着剤として使用する場合には、安価なゴム粉末、炭酸カルシウム粉末などを使用する。
【0026】
また、本発明のアクリル系樹脂組成物を熱伝導性が必要な用途に使用する場合には、シリカ粉末、アルミナ粉末、マグネシア粉末、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミニム粉などの金属酸化物粉末を使用することが好ましい。
【0027】
更に、本発明のアクリル系樹脂組成物に難燃性を付与するためには、水酸化アルミニウム粉末や珪酸亜鉛粉末を添加することが好ましい。
【0028】
これらの充填剤は目的に応じて、数種類を複合して用いることが好ましい。さらに、必要に応じて着色剤、例えば顔料や染料を添加しても良い。
【0029】
本発明に用いる有機過酸化物の分解促進剤は、有機過酸化物としてハイドロパーオキサイド型やケトンパーオキサイド型のものを使用する場合には、金属石鹸や有機金属キレート、例えば、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクテン酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクテン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、バナジウムアセチルアセトナートを使用することができる。
【0030】
また、他の有機過酸化物の分解促進剤としては、チオ尿素誘導体類であるエチレンチオ尿素、ベンジルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、およびその誘導体を使用することができる。
【0031】
更に、過酸化ベンゾイルのようなジアシルパーオキサイド型の有機過酸化物を使用する場合には、有機過酸化物の分解促進剤として、アミン類、例えば、N,N-ジメチル-P-トルイジン、N,N-ジエチル-P-トルイジン、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-P-トルイジン、N,N-ジプロパノール-P-トルイジン、N,N-ジメチルアニリン、エチルジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンなどを使用することができる。
【0032】
本発明のアクリル系樹脂組成物は、性質を改良する目的で、シランカップリング剤やエラストマー、例えば、アクリルゴム、ウレタンゴム、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンゴム、などを配合してもよい。
【0033】
【実施例】
実施例1
2-ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成社製アロニックスM-5700、硬化物の伸び250%)60g、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製アロニックスM-111、硬化物の伸び250%)10g、ノニルフェノールエチレンオキサイド4モル変性アクリレート(東亞合成社製アロニックスM-113、硬化物のガラス転移温度−20℃)30g、亜麻仁油(関東化学社試薬)6g、シランカップリング剤(日本ユニカ社製A-174)0.3g、クメンハイドロパーオキサイド(日本油脂社製パークミルH80)3g、炭酸カルシウム粉(東洋製粉社製NS400N)250gを投入して攪拌混合して白色粘ちょう液を得た。
【0034】
次いで、有機過酸化物分解促進剤として、オクテン酸コバルト(シントーファインケミカル社製 オクトライフCo12)1.5gを添加混合して、離型紙に約1mm厚さに塗布して巻き取った。23℃、30分後には樹脂化した。更に、23℃、1週間放置した後に、
離型紙を剥がすと粘着性があり、接合面積40mm×40mmの鉄製引き剥がし治具2個を粘着接着した。引き剥がし強度の測定は引っ張り試験機を用い、20℃の雰囲気で、引き剥がし速度10mm/分で実施した。引き剥がし強度の測定は粘着接着直後、および23℃、1週間養生後に行った。
【0035】
【0036】
前記の、23℃で1週間養生した樹脂部の20℃、引っ張り速度10mm/分で測定したヤングモジュラスは0.5MPaであった。
【0037】
実施例2
2-ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成社製アロニックスM−5700、硬化物の伸び250%)60g、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成社製アロニックスM-111、硬化物の伸び250%)10g、ノニルフェノールエチレンオキサイド4モル変性アクリレート(東亞合成社製アロニックスM-113、硬化物のガラス転移温度ー−20℃)30g、亜麻仁油(関東化学社試薬)6g、シランカップリング剤(日本ユニカ社製A−174)0.3g、N,N-ジ(2-ヒドロキシエチル)-P-トルイジン(関東化学社試薬)1g、ナフテン酸マンガン(シントーファインケミカル社製 ナフテン酸Mn6)0.1g、アルミナ粉末(昭和電工社製AL−170)400gを投入して攪拌混合して白色粘ちょう液を得た。
【0038】
次いで、有機過酸化物として、過酸化ベンゾイル(日本油脂社製ナイパーF)1.5gを添加混合して、離型紙に約1mm厚さに塗布して巻き取った。23℃、30分後には重合が進み、樹脂化した。更に、23℃、1週間放置した後に、離型紙を剥がすと樹脂は粘着性があった。この粘着性樹脂により、接合面積40mm×40mmの鉄製引き剥がし治具2個を粘着接着した。引き剥がし強度の測定は引っ張り試験機を用い、20℃の雰囲気で、引き剥がし速度10mm/分で実施した。引き剥がし強度の測定は粘着接着直後、および23℃、1週間養生後に行った。
【0039】
【0040】
前記の23℃で1週間養生した樹脂の、20℃、引っ張り速度10mm/分で測定したヤングモジュラスは1.0MPaであり、熱伝導率は1.8W/m・k(JIS R−2618)であった。
【0041】
比較例1
防振固定用シリコーン樹脂系接着剤(東芝シリコーン(株)社製TSE3251)を離型紙上へ2mm厚さに塗布して、実施例1と同様に巻き取り、100℃、5時間加熱して硬化した。次いで、離型紙を除去したが、粘着性はなく、粘着接着不能であった。
【0042】
比較例2
放熱用室温硬化型シリコーン樹脂接着剤(トーレ・シリコーン(株)社製 SE4420)を離型紙上へ2mm厚さに塗布して、実施例1と同様に巻き取り、23℃、1週間養生した。
次いで、離型紙を除去したが、粘着性はなく、粘着接着不能であった。
【0043】
【発明の効果】
本発明の柔軟なアクリル系樹脂は製造設備も簡単で、粘着剤として防振材や熱伝導性材料の工業的な製造に極めて重要な技術を提供するものである。
Claims (6)
- アクリル酸エステルモノマー100質量部、乾性油0.1〜30質量部、および有機過酸化物、有機過酸化物の分解促進剤、充填材を含有してなり、かつ、23℃で1週間養生したアクリル系樹脂組成物の20℃のヤングモジュラスが5MPa以下であり、さらに、下記(1)及び(2)の条件を満たすアクリル系樹脂組成物。
(1)2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、フェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート及びノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上からなる、少なくとも1分子中に1個のフェニル基を有するアクリル酸エステルモノマーを10質量%〜80質量%含有すること。
(2)フェノール(エチレンオキサイド2モル変性)アクリレート、フェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、ノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート及びノニルフェノール(プロピレンオキサイド)2.5モル変性アクリレートからなる群のうちの1種又は2種以上からなるアクリル酸エステルモノマーを20質量%以上含有すること。 - (1)が、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート及び/又はノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレートであり、(2)がノニルフェノール(エチレンオキサイド4モル変性)アクリレートである請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
- 少なくとも1分子中に1個のフェニル基を有し、かつ重合物の伸びが20℃で200%以上であるアクリル酸エステルモノマー10質量%〜80質量%、重合物のガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステルモノマー20質量%以上からなるアクリル酸エステルモノマーを含有する請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
- 乾性油が亜麻仁油であり、有機過酸化物がクメンハイドロパーオキサイド及び/又は過酸化ベンゾイルであり、有機過酸化物の分解促進剤がオクテン酸コバルト、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−P−トルイジン及びナフテン酸マンガンからなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
- 充填材が炭酸カルシウム及び/又はアルミナ粉末である請求項1記載のアクリル系樹脂組成物。
- 少なくとも2枚以上の離型フィルムに挟まれて存在する請求項1〜5のうちの1項記載のアクリル系樹脂組成物からなる粘着剤。
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