JP4832650B2 - マグネシウム合金の変色防止剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器のフレーム等に用いられるマグネシウム合金を加工する際、その表面の変色を防止するために使用される変色防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金は、軽量で強度が大きく、機械的な加工を容易に施すことができ、さらに電磁波の遮蔽性に極めて優れ、リサイクル性がよいので、携帯電話やコンピュータの電子機器のフレームをはじめ自動車の部品等の素材として用いられている。
【0003】
このフレーム等の加工物は、マグネシウム合金に含水の切削液をかけながら旋盤で合金に切削や研削を施したり、その後にばりを除去するため砥粒の含水懸濁液と加工物とを樽に入れて回転させるバレル研磨を施したりすることにより、得られる。この際、加工物の表面が直ぐに変色してしまうという問題があった。
【0004】
この加工物は、マグネシウム合金の切削等により新たに露出した表面の原子と空気中の酸素とが水を触媒として容易に反応し、その表面に酸化被膜が直ぐに形成されるので、変色するものと考えられる。
【0005】
一方、水を用いないで、マグネシウム合金に切削や研削やバレル研磨を施すと、潤滑が悪いためその作業効率が低下するうえ、冷却が不十分となりマグネシウム合金の発火の虞があり危険である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、安全かつ効率よくマグネシウム合金の研削や切削やバレル研磨を施すことができ、その表面を防錆して変色を防ぐことのできるマグネシウム合金の変色防止剤を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明のマグネシウム合金の変色防止剤は、
マグネシウム合金変色防止の有効成分と非鉄金属変色抑制の補助成分とのうち、少なくとも前記有効成分を含有するマグネシウム合金の変色防止剤であって、
前記有効成分が、水溶性アミンからなり、
前記水溶性アミンが、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチル−2−アミノエタノール、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N−エチル−2−アミノエタノール、N,N−ジエチル−2−アミノエタノール、およびピペラジンから選ばれる少なくとも何れかからなるものであってかつ少なくとも前記2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを含んでおり、
前記補助変色抑制成分が、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属モリブデン酸塩、およびアルカリ金属リン酸塩から選ばれる何れかからなるというものである。
【0008】
水溶性アミンには、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの他に、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチル−2−アミノエタノール、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N−エチル−2−アミノエタノール、N,N−ジエチル−2−アミノエタノール、および/またはピペラジンが含まれていてもよい。水溶性アミンにこれらの化合物の複数が含まれていてもよく、任意の割合で含まれていてもよい。これらの化合物が含まれていると、水溶性アミンが2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールのみである場合に比べ、相乗効果により変色防止作用が一層向上する。中でも、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであると一層好ましい。
【0009】
水溶性アミン中に、前記2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが重量比で10%以上含まれていることが好ましい。10%より少ないと、変色を十分に防止できない。水溶性アミン中に、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが重量比で30〜70%含まれていると一層好ましい。
【0010】
このマグネシウム合金の変色防止剤には補助変色抑制成分として、非鉄金属用変色抑制剤例えばベンゾトリアゾールやメチルベンゾトリアゾールが含まれていてもよく、アルカリ金属水酸化物例えば苛性ソーダ、アルカリ金属炭酸塩例えば炭酸ソーダ、アルカリ金属モリブデン酸塩例えばモリブデン酸ソーダ、アルカリ金属リン酸塩例えばリン酸ソーダが含まれていてもよい。
【0011】
なお、このマグネシウム合金の変色防止剤は、保存または流通の際には、水で希釈される。このとき水溶性アミンを約40重量%含む水溶液とすることが好ましい。
【0012】
本発明のマグネシウム合金加工用潤滑液は、マグネシウム合金の変色防止剤を含み、加工用潤滑液中この水溶性アミンの濃度が0.05〜10重量%である。この範囲よりも薄いと十分に変色を防止することができない。この範囲より濃くても濃度に見合う効果が得られず、高価な2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを単に過剰に用いることとなってしまう。
【0013】
またマグネシウム合金加工用潤滑液は、マグネシウム合金の変色防止剤が水で希釈されて、水溶性アミンの濃度を0.05〜10重量%としたものであってもよい。水溶性アミンが2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールのみであるときには、その濃度は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であると一層好ましい。また、水溶性アミンが2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールと、その他にモノエタノールアミン等の前記の化合物とを含んでいるときのこれらの濃度は、合計で0.05〜5重量%であることが好ましく、0.5〜2重量%であると一層好ましい。
【0014】
本発明のマグネシウム合金加工方法は、マグネシウム合金加工用潤滑液を用いて、マグネシウム合金を切削または研削または研磨するというものである。例えば、旋盤でマグネシウム合金にこの潤滑液をかけながら切削や研削を施したり、バレル研磨の際に樽へこの潤滑液を入れて研磨を施したりするというものである。
【0015】
この潤滑液を用いてマグネシウム合金の切削や研削や研磨を施すと、合金の変色が防止される機構については、その詳細が明らかでないが、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの作用によって、マグネシウム合金の表面にある種の防食被膜が形成されるためであると考えられる。
【0016】
このマグネシウム合金加工方法によれば、マグネシウム合金、例えば汎用されているアルミニウム−マグネシウム合金の他、種々の成分のマグネシウム合金、具体的にはJIS規格のマグネシウム合金板MP1、MP4、MP5、MP7やマグネシウム合金押出形材MS1〜MS6、ASTM規格のAZ−91に対し、切削や研削や研磨を施すことができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明のマグネシウム合金の変色防止剤、およびマグネシウム合金加工用潤滑液の実施例について詳細に説明する。
本発明を適用するマグネシウム合金加工用潤滑液の調製例を実施例1〜8に示す。また本発明を適用外の潤滑液の調製例を比較例1〜11に示す。
【0018】
(実施例1〜8)
表1に記載の量の水溶性アミンを水で希釈し、同表に記載の濃度のマグネシウム合金加工用潤滑液を調製した。
【0019】
(比較例1〜11)
比較例1〜10では、表1に記載の量の水溶性アミンを水で希釈し、同表に記載の濃度の潤滑液を調製した。比較例11では単なる水を潤滑液とした。
【0020】
なお、いずれも用いた水は、pH7.68、比電導度15.5ms/m、全硬度55.0 CaCO・mg/L、塩素イオン濃度21.0ppm、硫酸イオン濃度20.0ppmの上水道水である。
【0021】
得られた実施例1〜8のマグネシウム合金加工用潤滑液、および比較例1〜11の潤滑液のそれぞれについて変色試験を行った。
【0022】
(変色試験1)
巾35mm長さ50mm厚さ20mmであってASTM規格AZ−91のマグネシウム合金を、CC−240ペーパーにて表面光沢が得られるまで研磨した後、アセトンで洗浄して、変色試験用の小片とした。夫々の潤滑液の400mLを500mLのビーカーに採り、90℃に加熱したこの潤滑液に変色試験用の小片を15分間浸漬した後、小片を取り出した。小片表面の変色の程度を観察し、変色が全くなかったものを◎、極僅かに変色したものを○、やや変色したものを△、かなり変色したものを×、変色が激しかったものを××とする5段階で評価した結果を表1に示す。
【0023】
(変色試験2)
夫々の潤滑液の400mLを500mLのビーカーに採り、30℃に温めた潤滑液に、変色試験1と同種の変色試験用小片を15分間浸漬した後、乾燥し、相対湿度100%RHのデシケータ中に20日間保管した。小片を取り出し、変色の程度を変色試験1と同様に観察して評価した結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
Figure 0004832650
【0025】
表1から明らかなとおり、本発明を適用する実施例1〜8のマグネシウム合金加工用潤滑液は、いずれも優れたマグネシウム合金の変色防止効果を発揮した。一方、比較例1〜3は2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールの量が少なすぎ、比較例4〜11は2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが含まれていないため、いずれもマグネシウム合金の表面が変色した。
【0026】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明のマグネシウム合金の変色防止剤は、マグネシウム合金の切削や研削や研磨の加工の際に使用され、この合金の表面を防錆して変色を防止することができる。
【0027】
この変色防止剤を含んでいる潤滑液を用い、安全かつ効率よくマグネシウム合金の研削や切削やバレル研磨の加工を施すことができる。加工されたマグネシウム合金は、表面が防錆されているので変色しない。そのため得られた加工品は品質が優れている。

Claims (5)

  1. マグネシウム合金変色防止の有効成分と非鉄金属変色抑制の補助成分とのうち、少なくとも前記有効成分を含有するマグネシウム合金の変色防止剤であって、
    前記有効成分が、水溶性アミンからなり、
    前記水溶性アミンが、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチル−2−アミノエタノール、N,N−ジメチル−2−アミノエタノール、N−エチル−2−アミノエタノール、N,N−ジエチル−2−アミノエタノール、およびピペラジンから選ばれる少なくとも何れかからなるものであってかつ少なくとも前記2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを含んでおり、
    前記補助変色抑制成分が、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属モリブデン酸塩、およびアルカリ金属リン酸塩から選ばれる何れかからなることを特徴とするマグネシウム合金の変色防止剤。
  2. 前記水溶性アミン中に、前記2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールが重量比で10%以上含まれていることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム合金の変色防止剤。
  3. 請求項1または2に記載のマグネシウム合金の変色防止剤を含み、該水溶性アミンの濃度が0.05〜10重量%であることを特徴とするマグネシウム合金加工用潤滑液。
  4. 前記マグネシウム合金の変色防止剤が水で希釈されたものであることを特徴とする請求項に記載のマグネシウム合金加工用潤滑液。
  5. 請求項に記載のマグネシウム合金加工用潤滑液を用いて、マグネシウム合金を切削または研削または研磨することを特徴とするマグネシウム合金加工方法。
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