JP4832245B2 - 吸音体 - Google Patents

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Description

本発明は吸音体に関する。
騒音は、振動とともに身近な問題であり、吸音体への要求は依然として高い。また、用途や目的に応じて要求特性も多岐にわたり、最近では、低周波領域での吸音性能が高い材料が望まれている。
従来より用いられている吸音材料として、例えば、グラスウール、ロックウールのように繊維を綿状またはボード状に成型した材料や、ポリウレタンフォームのように高分子材料を発泡させた材料などの多孔質材料が用いられる。これらの多孔質材料に音波が入射すると、音波が材料内の隙間の空気を振動させるため、空気自身の粘性および周囲との摩擦によって、振動エネルギーの一部が熱エネルギーに変換、散逸されて吸音効果が得られる。
低周波領域における吸音性能の向上を目的とした吸音体として、例えば下記特許文献1には、音響的に透明な2枚のシートの間の空間に粉体を充填してなる粉体含有シート状物を断熱材層に積層一体化した構成が開示されており、この構成においては、粉体粒子の縦振動により低周波領域での吸音が得られる旨が記載されている。
下記特許文献2には、可撓性を有するベースフィルム上にバインダー接着剤により微細な粒子を接着してなる吸音層と、弾性層とを面接着してなる吸音体が開示されている。この吸音体において、ベースフィルムの厚さ、粒子の重さや大きさ、およびバインダー接着剤の粘性によって、吸音効果が得られる音域を変えることができる旨が記載されている。
下記特許文献3には、通気性材料の一面に通気止めフィルムを積層するとともに、該通気性材料の一面に凹部を設けるなどして、通気性材料と通気止めフィルムとが接触していない部分を形成することにより、共振効果による膜振動を利用して、広い周波数領域で吸音効果が得られるようにした吸音体が記載されている。
特開平9−170276号公報 特開平7−140985号公報 特開2004−130731号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載されている吸音体では、500Hz以下の低周波数領域において、吸音率が0.5以上となるような高度な吸音効果を達成することは難しい。
図7は、発泡ウレタン(厚さ10、20、50mm)、フェルト(厚さ10、50mm)、エチレン−酢酸ビニル共重合体の発泡体(発泡EVA、厚さ10mm)について、吸音率の周波数特性を測定した結果を示すグラフである。横軸は周波数(単位:Hz)、縦軸は吸音率を示す。
従来の多孔質材料にあっては、例えば図7に示すように、厚みを増大させれば低周波領域での吸音率が向上し、例えば発泡ウレタンの厚さを50mmにすれば450〜500Hzの周波数領域において、0.5〜0.6程度の吸音率を達成することが可能である。
しかしながら、多孔質材料の厚みを増大させると、吸音体が大型化するため好ましくない。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、吸音体の大型化を招くことなく、低周波領域において高度な吸音効果を達成することができる吸音体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の吸音体は、貫通孔が形成された枠体と、該貫通孔の一方の開口を覆う吸音材を有し、前記吸音材の下記数式(1)で求められる第1の貯蔵弾性率E1が9.7×10以上であり、下記数式(2)で求められる第2の貯蔵弾性率E2が346以下であることを特徴とする。
Figure 0004832245
(式中、E’は貯蔵弾性率の測定値(単位:Pa)を表し、Tは吸音材の厚み(単位:mm)を表し、Tは枠体の厚み(単位:mm)を表し、Gは吸音材の密度(単位:g/cm)を表し、Dは枠体の貫通孔の直径(単位:mm)を表す。)
本発明によれば、吸音体の大型化を招くことなく、低周波領域において高度な吸音効果を達成することができる吸音体が得られる。
まず、上記数式(1)、(2)について説明する。
板状または膜状の吸音材と、背後空気層とで構成される吸音体にあっては、特定の周波数(共鳴周波数)の音波が吸音体に入射すると、共振が生じて吸音されると考えられており、該共鳴周波数を与える理論式として、下記数式(3)が知られている。該数式(3)では吸音材自身の曲げに対する剛性と、背後空気層の弾性が考慮されているが、該数式(3)で求められる共振周波数と、実際の吸音体において吸音が生じる周波数とが必ずしも一致しないことも知られており、一般的には下記数式(4)が用いられている(「吸音材料」子安勝著、技報堂出版、1976年、第20〜21頁)。
Figure 0004832245
上記数式(3)において、l、mは任意の自然数であり、共鳴周波数f(l、m)はl、mの値によっていくつかの値をとり得るが、実際にはl=m=1、すなわち吸音材の基本振動に対応する共鳴周波数が最も重要であるとされている。
上記数式(3)、(4)において、cは空気中の音速度(m/s)、Mは吸音材の面密度(kg/m)、ρは空気の密度(kg/m)、Lは背後空気層の厚さ(m)、Eは吸音材のヤング率(N/m)、tは吸音材の厚さ(m)、σはポアソン比、a、bは長方形の吸音材の縦、横の長さ(m)を示す。
上記数式(4)におけるKは、共振周波数の実測値から求められる値であり、数式(3)におけるルート内の第2項に対応する値である。なお該数式(4)におけるKは、吸音材の周囲の支持条件により大きく変化するため、吸音材の剛性を示すEの値からKを計算により求めることはできない。
本発明者等は、吸音体の構造と共鳴周波数との関係をさらに明らかにすべく、数式(3)におけるルート内の第2項に着目して鋭意研究を行った。その結果、該第2項の中でも、特に「Et/M」の1/2乗の値と、吸音が生じる周波数(以下、吸音周波数ということもある。)との相関が高いことを知見した。また該E(吸音材のヤング率)に代えて、共振曲線に基づく曲げ振動法により測定された貯蔵弾性率(E’)の値を用いることにより、「E’t/M」の1/2乗の値と吸音周波数との相関が得られることを見出した。さらに、理論式ではtの3乗であるが、tの2乗、つまり 「E’t/M」の1/2乗の値と、吸音周波数とのより高い相関が得られることを見出した。
数式(3)では、板の共鳴周波数を決める為に、板自身の曲げに対する剛性を考慮して、板の曲げモーメントを用いた式になっている。それに対して、本発明では、tの3乗でなく、tの2乗で高い相関が得られていることから、単純な曲げではない振動が起きているものと考える。
この「E’t/M」は、M=G×t(Gは吸音材の密度)よりGを用いて表すと「E’t/G」となり、吸音材の厚みtをTに置き換えると「(E’×T)/G」となる。これは本発明にかかる数式(1)、(2)におけるルート内の項である。
ここで、本発明における粘弾貯蔵率E’の測定値は JIS K7244−3(曲げ振動)に準処する測定方法により、サンプルサイズを長さ20mm、幅5mm、厚み2mmとし、測定条件を歪振幅6μm、25℃、20Hzとして得られる値(単位:Pa)である。該粘弾貯蔵率E’の測定周波数は、一般的に測定可能な範囲(0.2〜50Hz)の中で、実際の吸音周波数により近いという理由で20Hzを採用した。(なお、50Hzではデータのばらつきが多い為、20Hzとした。)
また吸音周波数は、背後空気層の厚さ、すなわち枠体の厚み(T)、および枠体の貫通孔の直径(D)とも相関があり、該Tが大きいほど吸音周波数は低下し、該Dが大きいほど吸音周波数は低下する。したがって、前記「(E’×T)/G」の1/2乗の値を、Tで割り、さらにDで割った値(下記数式(5)で表されるE2)は、吸音周波数と良好な相関を示す。
Figure 0004832245
さらに、後述の参考例1に示すように、背後空気層の厚さ、すなわち枠体の厚み(T)と吸音周波数との関係を詳細に検討した結果、両者の間には図5のグラフで示される関係があることが判明した。この関係に基づいて上記数式(5)におけるTを補正することにより上記数式(2)が得られる。
また吸音率に関しては、従来これを導く理論式は知られていない。本発明者等は、前記「(E’×T)/G」の1/2乗の値と吸音率との関係に着目して、各種の吸音体について実測を行った.結果、該「(E’×T)/G」の1/2乗の値と吸音率とは相関があることを知見した。
さらに、吸音率は、背後空気層の厚さ、すなわち枠体の厚み(T)、および枠体の貫通孔の直径(D)とも相関があり、該Tが大きいほど吸音率は増加し、該Dが大きいほど吸音率は増加することから、前記「(E’×T)/G」の1/2乗の値に、Tを乗じ、さらにDを乗じた値(上記数式(1)で表されるE1)が、吸音率と良好な相関を示すことを見出した。
ここで本明細書における吸音率は「垂直入射吸音率」の意味であり、JIS A 1405−2に準処する方法で、直径100mmのインピーダンス管内にサンプルをセットして測定される値である。サンプル直径は100mm弱とし、スペーサーを介して、インピーダンス管内に固定する。背後空気層厚(すなわち、枠体の厚みT)の変更は、サンプルの背後にある剛体(ピストン)の位置を調整することによって行うことができる。またサンプル径(すなわち、枠体の貫通孔の直径D)の変更は、スペーサーの内径を調整することによって行うことができる。
次に、本発明の吸音体について説明する。
図1は本発明の吸音体の一実施形態を示したもので、図1(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線に沿う断面図である。図中符号1は吸音体、2は枠体、3は吸音材、4は吸音体が取り付けられている施工面を示している。吸音体1は、貫通孔2aを有する枠体2の表面2b上に、吸音材3が積層され、固定されている。
本実施形態の吸音体1は枠体2の裏面2cが施工面4に接着固定されており、吸音材3と施工面4との間に背後空気層5が形成された状態で使用される。すなわち枠体2の表面2bおよび裏面2cそれぞれにおける貫通孔2aの開口のうち、表面における開口が吸音材3で覆われており、裏面における開口が施工面4によって閉じられている。
本実施形態の枠体2は、外形形状が円形で、同心円状の貫通孔2aが設けられている。枠体2は貫通孔2aを有していればよく、外形形状は任意とすることができる。枠体2自身は、吸音性能を有していてもよく、有していなくてもよい。枠体2の材質は特に制限されないが、軽量化の点からは樹脂などの比重の低い材料が好ましい。
枠体2の厚さTによって吸音材3の施工面4側に形成される背後空気層5の厚さが決まる。該厚さTは上記数式(1)および(2)を満たせばよいが、吸音性能の点からは3mm以上が好ましい。また全体のサイズを抑える点からは、50mm以下が好ましい。
枠体2の厚さが不均一である場合は、Tとして中央値を用いる。
貫通孔2aの形状(枠体2の表面2bにおける開口の形状)は円形に限らず、多角形など任意の形状とすることができる。特に、吸音率がピークとなるピーク周波数がより低くなる点、および該ピーク周波数における吸音率がより高くなる点からは、円形であることが好ましい。
貫通孔2aの直径Dは上記数式(1)および(2)を満たせばよいが、吸音性能の点から20mm以上が好ましい。
本発明において貫通孔2aが円形でない場合、数式(1)および(2)における「D」の値は、該貫通孔2aの面積(枠体2の表面2bにおける開口の面積)と同面積の円の直径の値を用いるものとする。
吸音材3は、その材質によって、数式(1)および(2)における密度Gおよび粘弾貯蔵率E’が変わるため、これらの値が上記の式を満たすように材質を選択する。
吸音材3の密度Gは特に制限されないが、例えば0.86〜1.65が好ましい。
吸音材3の粘弾貯蔵率E’は特に制限されないが、例えば1×10〜1×1010Paが好ましく、5×10〜5×10Paがより好ましい。
吸音材3は、単一の材料からなっていてもよく、2種以上の材料の組み合わせであってもよい。
吸音材3の構成材料としては、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができ、具体的にはEEA(エチレンエチルアクリレート)、EVA(酢酸ビニル共重合体)、PE(ポリエチレン)、CPE(塩素化ポリエチレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PP(ポリプロピレン)、SEBS(スチレンエチレンブチレンスチレンブロック共重合体)、SIS(スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体),SEPS(スチレンエチレンプロピレンスチレンブロック共重合体)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン、ポリブテン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、環状オレフィン、ポリ乳酸等から選ばれる1種または2種以上の樹脂、またはこれらの樹脂をベース樹脂とし、これに無機フィラー及び又は有機フィラーを適宜添加した混合物等が挙げられる。
上記に挙げた樹脂の中でも、PE、PVC、EEAまたはこれらの混合樹脂が好ましい。
無機フィラーの例としては、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
無機フィラーを配合する場合、その配合量は特に限定されず、数式(1)および(2)における密度Gおよび粘弾貯蔵率E’を満たす範囲であればよいが、機械強度の点からは、吸音材3の構成材料中80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
有機フィラーの例としては、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール(例えば、製品名:アデカスタブ AO−330、ADEKA社製)、トリス(2,4ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト(例えば、製品名:Irg168、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)が好ましい。
有機フィラーを配合する場合、その配合量は特に限定されず、数式(1)および(2)における密度Gおよび粘弾貯蔵率E’を満たす範囲であればよいが、機械強度の点からは、吸音材3の構成材料中80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。
吸音材3の厚さTは、上記数式(1)および(2)を満たせばよく特に制限されない。
本発明の吸音体1は、吸音材3の厚さTが薄くても、低周波領域において高度な吸音効果を達成できる。吸音材3の厚さTは制限されないが、軽量化の点から5mm以下が好ましく、3mm以下がより好ましい。また吸音材3の厚さTの下限値は0.05mm以上が好ましく、0.1mm以上がより好ましい。吸音材3の厚さが不均一である場合は、Tとして中央値を用いる。
枠体2に吸音材3を固定する手段としては、接着剤、両面テープ等の接着手段を用いてもよく、圧着、溶融圧着により固定してもよい。
さらに吸音材3の表面上(枠体2側とは反対側)に、他の吸音層(図示せず)を積層してもよい。かかる他の吸音層の材質は特に制限されず、従来の吸音材として公知の材料を適宜使用できる。例えば、吸音材3により吸音効果が得られる周波数領域よりも、高周波数領域において吸音効果を奏する吸音層を吸音材3上に積層して設けることにより、吸音体1全体として、吸音効果が得られる周波数領域をより広くすることができる。かかる他の吸音層の材質としては、例えば、発泡樹脂、フェルト、繊維材料、グラスウール、ロックウール、木粉セメント等が挙げられる。特に発泡樹脂、フェルト、繊維材料、グラスウールが好ましい。
吸音体1は、上記数式(1),(2)を満たすように、吸音材3の材質、吸音材3の厚さ、枠体2の厚さ、貫通孔2aの形状および大きさを選択することにより、吸音率のピーク周波数が500Hz以下であり、かつ該ピーク周波数における吸音率が0.5以上であるような、低周波領域における高度な吸音効果が得られる。
すなわち、上記数式(1)で求められるE1と吸音率のピーク値とは、後述の実施例における図3のグラフに示されるような相関関係があり、このE1の値が9.7×10(グラフでは9.7E+6と記載する。以下、同様。)以上であれば、吸音率のピーク値が0.5以上となる。
また、上記式(2)で求められるE2と吸音率のピーク周波数とは、後述の実施例における図4のグラフに示されるような相関関係があり、このE2の値が346以下であれば、吸音率のピーク周波数が500Hz以下となる。
また吸音体1は、薄型でも低周波領域において高度な吸音効果を達成できるものであり、TとTの合計の厚さが例えば55mm以下、好ましくは25mm以下でありながら、500Hz以下の低周波領域において、吸音率が0.5以上の高度な吸音効果を達成できる吸音体が得られる。
このように、従来は達成することが難しかった、薄い吸音材3で低周波領域における高度な吸音効果を得ることができる。
なお、本発明の吸音体は、貫通孔を有する枠体と、該貫通孔の一方の開口を覆う吸音材を備えた構成であればよく、図1に示す形態に限らず、各種の構成とすることができる。例えば図6に示すように、板状の枠体22に複数の貫通孔22aが設けられており、該枠体22の一面上に、該複数の貫通孔22aを一括的に覆うように吸音材23が積層、固定された構成を有する吸音体21であってもよい。図6は吸音体21を枠体22側から見た斜視図である。
このように、枠体22に複数の貫通孔22aが設けられている場合、該複数の貫通孔22aの形状および大きさは均一でもよく、異なっていてもよい。
また該複数の貫通孔22aの配置は任意であるが、隣り合う貫通孔22aどうしの距離dが小さいほど吸音体21における吸音の効率が高くなる。
このような構成の吸音体21においても、上記数式(1),(2)を満たすように、吸音材23の材質、吸音材23の厚さ、枠体22の厚さ、貫通孔22aの形状および大きさを選択することにより、吸音率のピーク周波数が500Hz以下であり、かつ該ピーク周波数における吸音率が0.5以上であるような、低周波領域における高度な吸音効果が得られる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(例1〜27)
表1に示す配合の材料(樹脂または樹脂とフィラーの混合物)を用いて膜状の吸音材3を作製した。使用した樹脂およびフィラー等は表2の通りである。表1における「部」は「質質部」である。
吸音材3の厚みTは表3に示す値とした。吸音材3を構成する材料の粘弾貯蔵率E’および密度Gを測定した結果を表3に示す。
得られた膜状の吸音材3を用いて図1に示す構成の吸音体1を作製した。枠体2の材質はアクリル樹脂であり、貫通孔2aは円形とした。枠体の厚みTおよび貫通孔2aの直径Dは表3に示す値とした。
作製した吸音体1について、上記数式(1)で求められる第1の貯蔵弾性率E1および上記数式(2)で求められる第2の貯蔵弾性率E2の値を計算により求めた。結果を表3に示す。
また作製した吸音体1について、上述した測定方法により吸音率を測定し、ピーク周波数と該ピーク周波数における吸音率の値(ピーク値)を求めた。図2は例16で得られた吸音体について上述した測定方法により吸音率を測定して得られた周波数と吸音率の関係を示すグラフである。このグラフより例16における吸音率ピーク値は0.95、ピーク周波数は352Hzであることがわかる。
例1〜27についての測定結果を表3に示すとともに、図3、4のグラフに示す。
図3は、第1の貯蔵弾性率E1を横軸、ピーク周波数における吸音率の値を縦軸とし、各例の結果をプロットしたグラフである。グラフ中のRは相関係数を示す(以下、同様。)。
図4は、第2の貯蔵弾性率E2を横軸、ピーク周波数の値を縦軸とし、各例の結果をプロットしたグラフである。
Figure 0004832245
Figure 0004832245
Figure 0004832245
表3および図3に示されるように、第1の貯蔵弾性率E1が9.7×10〜3.3×10の範囲において、吸音率のピーク値は0.5〜1.0であった。また表3および図4に示されるように、第2の貯蔵弾性率E2が133〜346の範囲において、ピーク周波数は290〜500Hzであった。
したがって、E1が9.7×10以上、かつE2が346以下である例1〜20の吸音体において、500Hz以下の低周波領域において、吸音率0.5以上の高度な吸音効果が得られる。
(参考例1)
吸音周波数に対する背後空気層の関係を調べた。
表4に示す4種類の配合の材料(樹脂または樹脂とフィラーの混合物)A〜Dを用いて膜状の吸音材3を作製した。使用した樹脂およびフィラーは前記表2の通りである。表4における「部」は「質質部」である。
Figure 0004832245
吸音材3の厚みTは、A〜Cについては1mm、Dは0.7mmとした。背後空気層の厚さを表5に示すように変化させ、それぞれ吸音周波数(ピーク周波数)を測定した。その結果を表5に示す。またA〜Dのそれぞれにおいて、背後空気層の厚さが9mmのときの吸音周波数を1として、各吸音周波数の測定値を規格化した値を求めた。その結果を表5に示すとともに、該規格化した吸音周波数の値と背後空気層の厚さとの関係を図5のグラフに示す。
Figure 0004832245
本発明の吸音体は、例えば、壁、床などの建材、自動車用の吸音材、電気製品の吸音材など、広い範囲に適用できる。
本発明の吸音体の一実施形態を示すもので(a)は平面図、(b)は(a)中のB−B線に沿う断面図である。 実施例にかかる吸音率測定結果の例を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 参考例の結果を示すグラフである。 本発明の吸音体の他の実施形態を示す斜視図である。 従来の吸音材料における吸音特性を示すグラフである。
符号の説明
1、21…吸音体、
2、22…枠体、
2a、22a…貫通孔、
3、13、23…吸音材、
5、15…背後空気層。

Claims (1)

  1. 貫通孔が形成された枠体と、該貫通孔の一方の開口を覆う吸音材を有し、
    前記吸音材の下記数式(1)で求められる第1の貯蔵弾性率E1が9.7×10以上であり、下記数式(2)で求められる第2の貯蔵弾性率E2が346以下であることを特徴とする吸音体。
    Figure 0004832245
    (式中、E’は貯蔵弾性率の測定値(単位:Pa)を表し、Tは吸音材の厚み(単位:mm)を表し、Tは枠体の厚み(単位:mm)を表し、Gは吸音材の密度(単位:g/cm)を表し、Dは枠体の貫通孔の直径(単位:mm)を表す。)
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