JP4831338B2 - 電動パワーステアリング装置用試験システム - Google Patents

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Description

本発明は、操舵補助力をモータにより付与する電動パワーステアリング装置の性能評価に用いられる試験システムに関する。
電動パワーステアリング装置においては路面情報を操舵反力としていかにドライバーに伝達するかが重要な性能の一つである。そのため、電動パワーステアリング装置の開発過程においては、実車搭載前に、操舵反力をシミュレーションした負荷を作用させる試験システムを用いて性能評価が行われている。その試験システムにおいては、操舵角と車速と操舵反力との関係を含む車両シミュレーションモデルに基づき、電動パワーステアリング装置のステアリングホイールの検出操舵角と入力車速に応じた操舵反力が求められ、その求めた操舵反力に対応する負荷が電動パワーステアリング装置の操舵力出力部に付与され、その入力車速と検出操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように電動パワーステアリング装置の操舵補助力発生用モータが制御される(特許文献1参照)。
特開2005−172528号公報
しかし、上記従来の試験システムにより電動パワーステアリング装置に負荷を作用させた場合、ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初における操舵トルクの変化が適正にシミュレーションされないという問題があった。例えば図8に示すように、車速60km/hで走行する実車に搭載された電動パワーステアリング装置においては、破線により時間と操舵角との関係が表され、実線により時間と操舵トルクとの関係が表される。これに対し図7に示すように、車速60km/hで走行する車両のシミュレーションモデルに基づき試験システムにより負荷が付与された電動パワーステアリング装置においては、破線により時間と操舵角との関係が表され、実線により従来例による時間と操舵トルクとの関係が表される。両者を比較すると、操舵角の増加により操舵トルクは増加する点で共通している。しかし、ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初における操舵角に対する操舵トルクに着目すると、電動パワーステアリング装置を実車に搭載した場合は操舵角変化が微小である時点(図8における時間軸で0.4〜0.5秒の時点)で操舵トルクが増加を開始しているのに対し、試験システムにおいては操舵角変化が増大した後の時点(図7における時間軸で1.0秒近傍の時点)で操舵トルクが増加を開始している。すなわち、試験システムにおいては実車におけるよりもステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初における操舵トルクの立ち上がりが遅れるという問題がある。本発明は、そのような問題を解決することのできる電動パワーステアリング装置用試験システムを提供することを目的とする。
本発明は、操舵補助力発生用モータと、ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサと、検出操舵トルクと車速とに応じた操舵補助力を発生するように前記モータを制御する制御装置とを備える電動パワーステアリング装置のための試験システムであって、前記電動パワーステアリング装置における操舵力出力部に負荷を付与するアクチュエータを含む負荷付与機構と、前記ステアリングホイールの操舵角を検出する角度センサと、車速を入力する車速入力部と、操舵角と車速と操舵反力との関係を含むシミュレーションモデルの記憶手段と、検出操舵角と入力車速に応じた操舵反力を前記シミュレーションモデルに基づき求める演算手段と、前記車速入力部により入力される車速の前記制御装置への入力手段とを備え、前記トルクセンサにより求めた操舵トルクと入力車速とに応じた操舵補助力が発生するように、前記モータが前記制御装置により制御される電動パワーステアリング装置用試験システムにおいて、前記ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初か否かを判定する判定手段と、前記ステアリングホイールが直進状態位置からの操舵開始当初であると判定された場合、前記演算手段により求めた操舵反力の大きさが増加するように、その求めた操舵反力を補正する補正手段と、前記ステアリングホイールが直進状態位置からの操舵開始当初であると判定されない場合は前記演算手段により求めた操舵反力に対応する負荷が前記操舵力出力部に付与され、操舵開始当初であると判定される場合は前記補正手段により補正された操舵反力に対応する負荷が前記操舵力出力部に付与されるように、前記アクチュエータを制御する制御手段とを備え、前記シミュレーションモデルが含む操舵角と車速と操舵反力との関係における操舵反力は、前記補正手段による補正前の操舵反力に対応することを特徴とする。
本発明は以下の知見に基づく。
実車におけるステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初においては、ステアリングホイールの動きを車輪まで伝達する系における静的な摩擦力や粘性に基づく操舵反力により、操舵角変化が微小であっても操舵トルクが増大する。従来の試験システムにおいては、そのような静的な摩擦力等に基づく操舵反力の影響が考慮されていないため、ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初における操舵角に対する操舵トルクの立ち上がりが実際の場合よりも遅れていた。
これに対し本発明によれば、ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初であると判定された時に、シミュレーションモデルに基づく操舵反力の大きさを増加させることで、ステアリングホイールの動きを車輪まで伝達する系における静的な摩擦力等をシミュレーションに反映し、操舵角に対する操舵トルクの立ち上がりが実際の場合よりも遅れるのを防止できる。
ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初においては、検出操舵角の大きさと検出操舵角の変化速度の大きさは比較的小さい。よって本発明においては、検出操舵角の大きさの閾値を記憶する手段と、検出操舵角の変化速度の大きさの閾値を記憶する手段とを備え、検出操舵角の大きさが零より大きく記憶された閾値未満であって、且つ、検出操舵角の変化速度の大きさが零より大きく記憶された閾値未満である時に、前記判定手段により前記ステアリングホイールは直進状態位置からの操舵開始当初であると判定されるのが好ましい。これにより、ステアリングホイールが直進状態位置からの操舵開始当初であるか否かを適正に判定できる。
操舵角の大きさが大きくなると、ステアリングホイールの動きを車輪まで伝達する系における静的な摩擦力等が操舵トルクに及ぼす影響は小さくなる。よって本発明においては、前記補正手段による操舵反力の補正前後の値と操舵角との関係を補正特性として記憶する手段を備え、検出操舵角と前記補正特性に基づき前記演算手段により操舵反力が補正され、検出操舵角の大きさが大きくなる程に前記補正手段による操舵反力の補正量が少なくなるように、前記補正特性が定められているのが好ましい。これにより操舵反力を適正に補正できる。
本発明の試験システムによれば、電動パワーステアリング装置を実車に搭載した場合の操舵反力の付与を、ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初においても正確にシミュレーションすることで、その電動パワーステアリング装置の適正な性能評価を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置用試験システムを示す。試験対象の電動パワーステアリング装置1は、操舵によるステアリングホイール2の回転を舵角が変化するように車輪に伝達する機構を備える。本実施形態の電動パワーステアリング装置1は公知のラックピニオン型とされ、ステアリングホイール2の回転をステアリングシャフト4を介してピニオン5に伝達し、ピニオン5に噛み合うラック6を移動させ、そのラック6の動きを左右タイロッド7を介して車輪に伝達することで舵角を変化させる。ステアリングホイール2の回転を車輪に伝達する経路に作用する操舵補助力発生用モータ10が設けられている。本実施形態においてはモータ10の出力シャフトの回転が減速ギヤ機構11を介してステアリングシャフト4に伝達されることで操舵補助力が付与される。モータ10は車載用コンピュータにより構成される制御装置20に接続される。制御装置20に、ステアリングホイール2の操舵トルクを検出するトルクセンサ22が接続される。なお、実車搭載時においては制御装置20に車速センサが接続される。制御装置20は、トルクセンサ22により求めた操舵トルクと車速とに応じた操舵補助力が発生するようにモータ10を制御する。本実施形態のステアリングシャフト4は、ステアリングホイール2側とピニオン5側とに分割されると共にトーションバーにより連結され、ステアリングホイール2の操舵角とピニオン5の回転角の差であるトーションバーの捩れ角に、トーションバーのバネ定数を乗じることで得られる操舵トルクがトルクセンサ22により検出される。
電動パワーステアリング装置1の操舵力出力部に負荷を付与するACサーボモータ31(アクチュエータ)を含む負荷付与機構30が設けられている。本実施形態における電動パワーステアリング装置1の操舵力出力部7aは、上記ラック6にボールジョイント等の自在継手9を介して一端部が連結された一方のタイロッド7の他端部により構成されていう。実車においては、操舵力出力部7aに自在継手、ナックルアームを介して車輪が接続される。負荷付与機構30は、操舵力出力部7aにボールジョイント等の自在継手32を介して連結されるボールナット33にねじ合わされるボールスクリュー34を、減速ギヤ機構35を介してモータ31により駆動することで、操舵力出力部7aに操舵反力に対応する負荷を付与する。操舵反力は主として前輪の横滑り角に比例して発生するセルフアライニングトルクによることから、タイロッド7の軸方向に沿う力(以下「軸力」という)がタイロッド7に作用することで操舵反力に対応する負荷が操舵力出力部7aに付与される。また、実車における軸力は左右タイロッド7それぞれにおいて発生するが、ドライバが感じる操舵反力は左右軸力の総和であることから、本実施形態では左右軸力の総和を片側のタイロッド7に付加する。
モータ31はパーソナルコンピュータにより構成される試験制御装置40にD/A変換器43を介して接続される。試験制御装置40は、ステアリングホイール2の操舵角を求める角度センサ23にA/D変換器42を介して接続され、さらに、車速を入力する車速入力部44に接続されている。車速入力部44は、例えばキーボードスイッチやブレーキペダル状の入力スイッチ等により構成できる。なお、電動パワーステアリング装置1が操舵補助力発生用モータ10を操舵角に応じて制御する場合、角度センサ23として電動パワーステアリング装置1に備えられるものを用いればよい。
試験制御装置40は、操舵角と車速と操舵反力に対応する軸力との関係を含むシミュレーションモデルを記憶する手段として機能すると共に、角度センサ23による検出操舵角と車速入力部44による入力車速とに応じた軸力を、記憶したシミュレーションモデルに基づき求める演算手段として機能する。また試験制御装置40は、ステアリングホイール2の直進状態位置からの操舵開始当初か否かを判定する判定手段として機能すると共に、ステアリングホイール2が直進状態位置からの操舵開始当初であると判定された場合、求めた軸力の大きさが増加するように、その求めた軸力を補正する補正手段として機能する。さらに試験制御装置40は、ステアリングホイール2が直進状態位置からの操舵開始当初でない場合は求めた軸力がタイロッド7に作用するようにモータ31を制御し、ステアリングホイール2が直進状態位置からの操舵開始当初である場合は補正された軸力がタイロッド7に作用するようにモータ31を制御する制御手段として機能する。
車速入力部44により入力される車速が制御装置20に入力可能なように、制御装置20と試験制御装置40が接続され、これにより車速入力部44が入力される車速の制御装置20への入力手段として機能する。制御装置20への車速の入力手段の構成は特に限定されず、例えば車速入力部44が制御装置20に直接に接続されることで、車速入力部44が制御装置20への車速の入力手段として機能してもよい。
制御装置20は、トルクセンサ22により求めた操舵トルクと入力車速とに応じた操舵補助力を発生するように、記憶した操舵補助プログラムに基づきモータ10を制御する。なお、本実施形態では操舵トルクが大きく入力車速が小さい程に操舵補助力が大きくなるものとされるが、これに限定されるものでなく、例えば角度センサ23による検出操舵角に応じて操舵補助力を変化させるようにしてもよい。
上記実施形態の試験システムにより操舵反力が作用する状態をシミュレーションする際、電動パワーステアリング装置1は実車に装着するのと同様に支持台(図示省略)に固定され、本実施形態では電動パワーステアリング装置1として車体質量が1000kg強の普通乗用車に搭載されるものが使用される。負荷付与機構30により負荷を付与する際、シミュレーションモデルに基づきリアルタイムで前輪の横滑り角からセルフアライニングトルク、タイロッド7の軸力が求められる。そのシミュレーションモデルは、本実施形態では図2、図3に示すように、横方向、ヨー方向、ロール方向の3自由度を考慮した前後車輪50、51を有する等価二輪モデルとされる。なお、本実施形態において用いる記号の定義は以下の表1に示す通りである。また、各記号に対応する値は、車両の左右一方、前後一方に対応する場合を正、左右他方、前後他方に対応する場合を負とする。
Figure 0004831338
シミュレーションモデルにおいて、 x、z 方向に関する慣性乗積は零とし、車両重心点G回りの運動方程式は以下の式(1)〜(3)に示す通りとした。
Figure 0004831338
Figure 0004831338
Figure 0004831338
車輪におけるタイヤ横滑り角を微小とした場合、以下の式(4)、(5)に示すように車輪横力は車輪横滑り角に比例する。
Figure 0004831338
Figure 0004831338
本実施形態では、車輪を構成するタイヤにおける横滑り角の発生から横力が発生するまでの動特性を考え、以下の式(6)、(7)を用いる。すなわち、一定車速においては、車輪横力と車輪横力の時間微分に比例する値との和が車輪横滑り角に比例するものとされる。
Figure 0004831338
Figure 0004831338
前後輪の横滑り角は以下の式(8)〜(11)により表される。
Figure 0004831338
Figure 0004831338
Figure 0004831338
Figure 0004831338
なお、単位ロール角あたりのロールステア量の値は本実施形態では定数と仮定して用いた。また、実車実験により操舵角入力に対するタイロッド7の変位に動特性がほとんどなかったため、操舵系は剛体とし、操舵角に対して前輪実舵角は以下の式(12)に示すように比例関係とし、遅れがないものとする。
Figure 0004831338
図4、図5に示すように、キングピン11まわりのセルフアライニングトルクをナックルアーム9の長さで除した値を本実施形態のシミュレーションモデルにおけるタイロッド7に作用する軸力とした。以下の式(13)、(14)にタイヤ2輪分のセルフアライニングトルクと軸力の関係を示す。
Figure 0004831338
Figure 0004831338
本実施形態における試験制御装置40は、ステアリングホイール2の直進状態位置からの操舵開始当初か否かを判定するため、検出操舵角θの大きさの閾値の記憶手段および検出操舵角θの変化速度の大きさの閾値の記憶手段として機能する。すなわち試験制御装置40は、検出操舵角θの大きさが零より大きく記憶された閾値未満であって、且つ、検出操舵角θの変化速度の大きさが零より大きく記憶された閾値未満である時に、ステアリングホイール2は直進状態位置からの操舵開始当初であると判定する。ステアリングホイール2の直進状態位置からの操舵開始当初においては検出操舵角θの大きさと検出操舵角θの変化速度の大きさは比較的小さいので、試験制御装置40によりステアリングホイール2が直進状態位置からの操舵開始当初であるか否かを適正に判定できる。各閾値の値は適正にシミュレーションを行なうことができるように実験的に求めればよい。例えば、検出操舵角θの大きさの閾値をP、検出操舵角θの変化速度の大きさの閾値をQとして、P=1°、Q=10°/secとされる。
本実施形態における試験制御装置40は、式(14)から求められる軸力をステアリングホイール2の直進状態位置からの操舵開始当初において補正するため、その軸力の補正前後の値と操舵角θとの関係を補正特性として記憶する手段として機能し、その補正特性と検出操舵角θに基づき軸力を補正する。その補正特性は、検出操舵角θの大きさが大きくなる程に軸力の補正量が少なくなるように定められている。例えば、式(14)から求められる補正前の軸力をF、補正後の軸力をF′、Kを係数として、補正特性は以下の式(15)により表される。ここで、検出操舵角θの大きさの閾値PはP=1とされ、また、係数Kは検出操舵角θの大きさが零の時に2とされると共に検出操舵角θの大きさが1の時に1となるように検出操舵角θの大きさが大きくなるに従い小さくなるものとされ、検出操舵角θの大きさが閾値Pに達した時にF′=Fとされる。
Figure 0004831338
図6のフローチャートは試験制御装置40による軸力Fの補正手順を示す。まず、検出操舵角θが零か否かを判断し(ステップS1)、零であれば補正を行なわず、零でなければ検出操舵角θの大きさが閾値P未満か否かを判断し(ステップS2)、閾値P未満でなければ補正を行なわず、閾値P未満であれば検出操舵角θの変化速度の大きさが閾値Q未満か否かを判断し(ステップS3)、閾値Q未満でなければ補正を行なわず、閾値Q未満であれば式(15)を用いて軸力Fを補正する(ステップS4)。
上記実施形態の試験システムによれば、ステアリングホイール2の直進状態位置からの操舵開始当初であると判定された時に、シミュレーションモデルに基づく軸力Fの大きさを増加させることで、ステアリングホイール2の動きを車輪まで伝達する系における静的な摩擦力等をシミュレーションに反映し、操舵角に対する操舵トルクの立ち上がりが実際の場合よりも遅れるのを防止できる。また、上記実施形態では検出操舵角θの大きさが大きくなる程に軸力の補正量が少なくなるので、ステアリングホイール2の動きを車輪まで伝達する系における静的な摩擦力等が操舵トルクに及ぼす影響が操舵角の大きさが大きくなると小さくなるのをシミュレーションでき、操舵反力を適正に補正できる。
図7における2点鎖線は、上記実施形態の試験システムにより軸力をシミュレーションした負荷を作用させた場合の時間と操舵トルクとの関係を示し、実車に搭載した電動パワーステアリング装置における時間と操舵トルクとの関係が従来よりも適正にシミュレーションされることを確認できる。
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、軸力の補正量は検出操舵角θに応じて変化することは必須ではなく、ステアリングホイール2が直進状態位置からの操舵開始当初であると判定された時に軸力の大きさが増加するように補正されればよい。例えば、補正後の軸力F′を補正前の軸力Fと一定の補正ゲインKc(Kc>1)により、F′=Kc・Fの関係から求めてもよい。また、本発明の試験システムによる試験対象の電動パワーステアリング装置の型式は特に限定されず、例えばステアリングホイールの回転をステアリングシャフトからリンク機構を介して車輪に伝達するものや、ラックと一体のボールスクリューにねじ合わされるボールナットをモータの出力により駆動することで操舵補助力を付与するものでもよい。さらに、負荷付与機構は電動パワーステアリング装置の操舵力出力部に負荷を付与できれば構成は特に限定されず、例えば油圧アクチュエータにより負荷を発生するものでもよい。
本発明の実施形態の電動パワーステアリング装置用試験システムの構成説明図 本発明の実施形態におけるシミュレーションモデルの説明用平面図 本発明の実施形態におけるシミュレーションモデルの説明用正面図 本発明の実施形態におけるシミュレーションモデルにおけるセルフアライニングトルクの作用状態の説明図 本発明の実施形態におけるシミュレーションモデルにおけるタイロッドへの軸力の作用状態の説明図 本発明の実施形態における軸力の補正手順を示すフローチャート 操舵反力をシミュレーションした負荷を作用させた電動パワーステアリング装置における時間と操舵角との関係、従来例による時間と操舵トルクとの関係、本実施形態による時間と操舵トルクとの関係をそれぞれ表す図 実車に搭載した電動パワーステアリング装置における時間と操舵角との関係、及び時間と操舵トルクとの関係を表す図
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリングホイール、7a…操舵力出力部、10…操舵補助力発生用モータ、20…制御装置、22…トルクセンサ、23…角度センサ、30…負荷付与機構、31…ACサーボモータ(アクチュエータ)、40…試験制御装置(演算手段、制御手段、入力手段、記憶手段、判定手段、補正手段)、44…車速入力部

Claims (3)

  1. 操舵補助力発生用モータと、ステアリングホイールの操舵トルクを検出するトルクセンサと、検出操舵トルクと車速とに応じた操舵補助力を発生するように前記モータを制御する制御装置とを備える電動パワーステアリング装置のための試験システムであって、
    前記電動パワーステアリング装置における操舵力出力部に負荷を付与するアクチュエータを含む負荷付与機構と、
    前記ステアリングホイールの操舵角を検出する角度センサと、
    車速を入力する車速入力部と、
    操舵角と車速と操舵反力との関係を含むシミュレーションモデルの記憶手段と、
    検出操舵角と入力車速に応じた操舵反力を前記シミュレーションモデルに基づき求める演算手段と、
    前記車速入力部により入力される車速の前記制御装置への入力手段とを備え、
    前記トルクセンサにより求めた操舵トルクと入力車速とに応じた操舵補助力が発生するように、前記モータが前記制御装置により制御される電動パワーステアリング装置用試験システムにおいて、
    前記ステアリングホイールの直進状態位置からの操舵開始当初か否かを判定する判定手段と、
    前記ステアリングホイールが直進状態位置からの操舵開始当初であると判定された場合、前記演算手段により求めた操舵反力の大きさが増加するように、その求めた操舵反力を補正する補正手段と、
    前記ステアリングホイールが直進状態位置からの操舵開始当初であると判定されない場合は前記演算手段により求めた操舵反力に対応する負荷が前記操舵力出力部に付与され、操舵開始当初であると判定される場合は前記補正手段により補正された操舵反力に対応する負荷が前記操舵力出力部に付与されるように、前記アクチュエータを制御する制御手段とを備え
    前記シミュレーションモデルが含む操舵角と車速と操舵反力との関係における操舵反力は、前記補正手段による補正前の操舵反力に対応することを特徴とする電動パワーステアリング装置用試験システム。
  2. 検出操舵角の大きさの閾値を記憶する手段と、
    検出操舵角の変化速度の大きさの閾値を記憶する手段とを備え、
    検出操舵角の大きさが零より大きく記憶された閾値未満であって、且つ、検出操舵角の変化速度の大きさが零より大きく記憶された閾値未満である時に、前記判定手段により前記ステアリングホイールは直進状態位置からの操舵開始当初であると判定される請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用試験システム。
  3. 前記補正手段による操舵反力の補正前後の値と操舵角との関係を補正特性として記憶する手段を備え、
    検出操舵角と前記補正特性に基づき前記演算手段により操舵反力が補正され、
    検出操舵角の大きさが大きくなる程に前記補正手段による操舵反力の補正量が少なくなるように、前記補正特性が定められている請求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置用試験システム。
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