以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1の実施の形態について説明する。
まず、図1を参照して、第1の実施の形態のインクジェットプリンタについて説明する。図1に示すプリンタ1は、外形が図1の紙面と直交する方向に長尺な矩形であるインクジェットヘッド2を4つ備えたライン式のカラーインクジェットプリンタである。プリンタ1には、図中下方に給紙装置14が、図中上方に紙受け部16が、図中中央部に用紙搬送装置20がそれぞれ設けられている。さらに、プリンタ1には、これらの動作を制御する制御部100が含まれている。
給紙装置14は、積層された複数の印刷用紙Pを収容可能な用紙収容部15と、用紙収容部15内において最も上にある印刷用紙Pを1枚ずつ用紙搬送装置20に向けて送り出す給紙ローラ45とを有している。用紙収容部15内には、印刷用紙Pがその長辺と平行な方向に給紙されるように収容されている。用紙収容部15と用紙搬送装置20との間には、搬送経路に沿って、送りローラ18a、18b、19a、19bが配置されている。給紙装置14から排出された印刷用紙Pは、その一方の短辺を先端として、送りローラ18a、18bに挟持されて図1中上方へ送られ、その後送りローラ19a、19bに挟持されて用紙搬送装置20に向けて図1中左方へと送られる。
用紙搬送装置20は、無端状の搬送ベルト11と、搬送ベルト11が巻き掛けられた2つのベルトローラ6、7とを有している。搬送ベルト11の長さは、2つのベルトローラ6、7間に巻き掛けられた搬送ベルト11に所定の張力が発生するような長さに調整されている。2つのベルトローラ6、7に巻き掛けられることによって、搬送ベルト11には、ベルトローラ6、7の共通接線をそれぞれ含む互いに平行な2つの平面が形成されている。これら2つの平面のうちインクジェットヘッド2と対向する方の面が、印刷用紙Pが載置される面となっている。給紙装置14から送り出された印刷用紙Pは、搬送ベルト11に載置されて搬送される際に、その上面にインクジェットヘッド2によって印刷が施されて紙受け部16に到達する。紙受け部16では、印刷が施された複数の印刷用紙Pが重なり合うように載置される。用紙搬送装置20の詳細については後述する。
4つのインクジェットヘッド2は、それぞれ、その下端にヘッド本体13を有している。ヘッド本体13は、平面視において図1紙面と直交する方向に細長い直方体形状を有している。4つのヘッド本体13は、用紙搬送装置20による印刷用紙Pの搬送方向(図1紙面における左右方向)に沿って互いに近接配置されている。4つのヘッド本体13の各底面(インク吐出面)には、微小径を有する多数のノズルが設けられている。4つのヘッド本体13は、それぞれ吐出されるインクの色が異なっており、各ヘッド本体13は、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、ブラック(K)のいずれかの色のインクを吐出する。すなわち、1つのヘッド本体13に属する多数のノズルから吐出されるインク色は同じである。
ヘッド本体13の底面と搬送ベルト11との間には、僅かな隙間が形成されている。印刷用紙Pは、この隙間を通って図1中右から左へと搬送される。4つのヘッド本体13の下方を印刷用紙Pが順次通過する際、印刷用紙Pの上面に向けてノズルからインクが吐出されることで、印刷用紙P上に所望のカラー画像が形成される。
用紙搬送装置20の用紙搬送方向における下流側には、図1中左方に示すように剥離プレート40が設けられている。剥離プレート40は、その先端が印刷用紙Pと搬送ベルト11との間に入り込むことによって、搬送ベルト11の載置面に粘着させられている印刷用紙Pを用紙通過領域27から剥離する。
用紙搬送装置20と紙受け部16との間には、送りローラ21a、21b、22a、22bが配置されている。用紙搬送装置20から排出された印刷用紙Pは、その一方の短辺を先端として、送りローラ21a、21bに挟持されて図1中上方へ送られ、送りローラ22a、22bに挟持されて紙受け部16へ送られる。
図1に示すように、搬送ベルト11の用紙搬送方向における上流側には、発光素子と受光素子とから構成される光学センサである紙面センサ33が配置されている。紙面センサ33は、搬送ベルト11上の検出位置に向けて発光素子から光を照射し、受光素子で反射光を受光する。紙面センサ33からの出力信号レベルは、検出位置上における印刷用紙Pの有無による反射光の強さの違いを反映している。つまり、出力信号レベルが急激に増加した時刻に、印刷用紙Pの先端が検出位置に到達したことになる。紙面センサ33からの出力信号によって印刷用紙Pの先端が検出位置に到達したことが分かるので、それに合わせて印刷開始信号がインクジェットヘッド2に供給される。
次に、図2〜図4も参照しつつ、用紙搬送装置20の詳細について説明する。図2は、インクジェットヘッド2側から見た用紙搬送装置20の平面図である。図3は、図2に示すIII−III線の断面図である。図4は、図3に示すIV−IV線の断面図である。
図1〜図4に示すように、用紙搬送装置20は、上述した搬送ベルト11及びベルトローラ6、7と、ベルトローラ6を伝達ベルト74aを介して駆動する搬送モータ74と、エンコーダローラ39と、エンコーダローラ39の回転位置を検出するためのロータリエンコーダ41と、エンコーダニップローラ51と、エンコーダニップローラ51を回転自在に支持しつつエンコーダローラ39に近接する方向に付勢するエンコーダニップ付勢機構50と、用紙ニップローラ61と、用紙ニップローラ61を回転自在に支持しつつエンコーダローラ39に近接する方向に付勢する用紙ニップ付勢機構60とを有している。搬送ベルト11は基材層35の外周の全面に粘着性のシリコンゴムからなる粘着層36を被覆して形成したものである(図10参照)。この粘着層36の表面が、印刷用紙Pが載置される搬送ベルト11の外周面11aとなり、基材層35の粘着層36が被覆されていない方の面が搬送ベルト11の内周面11bとなる。また、搬送ベルト11が駆動され、搬送ベルト11に載置された印刷用紙Pが搬送されるときに通過する領域が用紙通過領域27となっている。図2に示すように、用紙通過領域27は搬送ベルト11の幅方向の中心線を基準として線対称となる矩形状の領域である。また、用紙通過領域27の外周は、印刷用紙Pが通過しない用紙非通過領域28となっている。
2つのベルトローラ6、7は、搬送ベルト11の幅方向に沿って搬送ベルト11を横切るように延在していると共に搬送ベルト11の内周面11bと接している。搬送モータ74は、制御部100に制御されて回転駆動される。搬送モータ74を駆動してベルトローラ6を図中反時計回り(図1中の矢印A方向)に移送させると、送りローラ18a、18b、19a、19bによって搬送されてくる印刷用紙Pが、搬送ベルト11の外周面11aに載置されて搬送される。ベルトローラ7は、ベルトローラ6の回転に伴って搬送ベルト11から付与される回転力によって回転する従動ローラである。
図3及び図4に示すように、エンコーダローラ39は、搬送ベルト11の幅方向に沿って搬送ベルト11を横切るように延在していると共に搬送ベルト11の内周面11bと接している。エンコーダローラ39の一方の端部にはロータリエンコーダ41が設けられている。ロータリエンコーダ41は、エンコーダローラ39の一端に取り付けられ、外縁に沿って多数のスリットが形成されている円盤状のスリット板41aと、スリット板41aのスリットを検知する光学センサ41bとを有している。エンコーダローラ39が回転すると、これに固定されているスリット板41aも回転する。スリット板41aが所定の角度回転すると、光学センサ41bがスリット板41aのスリットの通過を検知し、制御部100に検知信号を出力する。後述するように、制御部100は、エンコーダローラ39が出力した検知信号に基づいて搬送ベルト11の移送速度を検出し、搬送モータ74やインクジェットヘッド2を制御する。
図2及び図3に示すように、2つのエンコーダニップ付勢機構50は、エンコーダニップローラ51を、用紙非通過領域28内に位置付けた状態で搬送ベルト11を介してエンコーダローラ39と対向するように支持している。また、エンコーダニップ付勢機構50は、エンコーダニップローラ51を支持しているローラ支持部材52と、エンコーダニップローラ51と搬送ベルト11との当接を解除する解除機構55とを有している。ローラ支持部材52は、搬送ベルト11の幅方向に沿うように両端がフレームに固定された揺動軸53を中心として揺動可能であって、その端部でエンコーダニップローラ51の両端を回転可能に支持する一対の保持アーム52aと、一対の保持アーム52aの間に設けられてこれらを連結する連結部52bとを有している。連結部52bとフレーム(図示せず)との間には、エンコーダニップローラ51がエンコーダローラ39と近接する方向に付勢されるように付勢バネ54が取り付けられている。エンコーダニップローラ51をエンコーダローラ39に近接させる方向にローラ支持部材52が揺動すると、エンコーダニップローラ51が用紙非通過領域28において搬送ベルト11に当接し、エンコーダローラ39と共に搬送ベルト11を挟み込む(図5参照)。
解除機構55は、エンコーダニップローラ51と搬送ベルト11との当接を解除するためのものであり、カムモータ56の回転軸56aに偏心カム55aが取り付けられて、カムモータ56の駆動により偏心カム55aを回転させるものである。偏心カム55aは、その外周面(カム面)がローラ支持部材52の連結部52bにおける揺動軸53を基準とする付勢バネ54の反対側と対向するように配置されている。解除機構55の動作について図5を参照しつつ説明する。図5(a)は、エンコーダニップローラ51と搬送ベルト11との当接を解除機構55が解除していないときの状態を、図5(b)は、エンコーダニップローラ51と搬送ベルト11との当接が解除機構55により解除されたときの状態をそれぞれ示している。
図5(a)に示すように、偏心カム55aがローラ支持部材52と接しない回転位置で停止するときは、付勢バネ54の付勢力により、エンコーダニップローラ51がエンコーダローラ39に近接する方向にローラ支持部材52が揺動する。これにより、エンコーダニップローラ51が搬送ベルト11に接し、エンコーダローラ39と共に搬送ベルト11を挟み込む。図5(b)に示すように、偏心カム55aがローラ支持部材52と接する回転位置で停止するときは、偏心カム55aがローラ支持部材52を押し下げて、エンコーダニップローラ51がエンコーダローラ39から離れる方向にローラ支持部材52が揺動する。これにより、エンコーダニップローラ51が搬送ベルト11から離れる。
図2及び図3に戻って、用紙ニップ付勢機構60は、用紙ニップローラ61を、用紙通過領域27内に位置付けた状態で搬送ベルト11を介してエンコーダローラ39と対向するように支持している。また、用紙ニップ付勢機構60は、用紙ニップローラ61を支持しているローラ支持部材62と、用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との当接を解除する解除機構65とを有している。ローラ支持部材62は、揺動軸53を中心として揺動可能であって、その端部で用紙ニップローラ61の両端を回転可能に支持する一対の保持アーム62aと、一対の保持アーム62aの間に設けられてこれらを連結する連結部62bとを有している。連結部62bとフレーム(図示せず)との間には、用紙ニップローラ61がエンコーダローラ39と近接する方向に付勢されるように付勢バネ64が取り付けられている。用紙ニップローラ61をエンコーダローラ39に近接させる方向にローラ支持部材62が揺動すると、用紙ニップローラ61が用紙通過領域27において搬送ベルト11に当接しエンコーダローラ39と共に搬送ベルト11を挟み込む(図5参照)。これにより、用紙ニップローラ61とエンコーダローラ39とが、搬送ベルト11と共に印刷用紙Pを挟み込むと、印刷用紙Pは粘着層36に確実に粘着させられる。また、搬送ベルト11に当接した用紙ニップローラ61は、同じく搬送ベルト11と当接した一対のエンコーダニップローラ51と同軸状(用紙ニップローラ61の中心軸とエンコータニップローラ51の中心軸とが同一直線上に位置する状態)に配置される。なお、用紙ニップ付勢機構60の付勢バネ64の付勢力は、エンコーダニップ付勢機構50の付勢バネ54の付勢力よりも小さくなっている。
解除機構65は、解除機構55と同一の構成からなるものであり、カムモータ56の回転軸56aに偏心カム65aが取り付けられたものである。偏心カム65aは、その外周面(カム面)がローラ支持部材62における揺動軸63を基準とする用紙ニップローラ61の反対側の面と対向するように配置されている。解除機構65の動作は解除機構55の動作と実質的に同様であるため、説明を省略する。
次に、図6を参照して、制御部100の詳細について説明する。図6は、制御部100の機能ブロック図である。制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びプログラムに使用されるデータが記憶
されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)と、その他のロジック回路とを有しており、これらが一体となって機能することにより以下に説明する機能部を構築している。
制御部100は、図6に示すように、インクジェットヘッド2からのインクの吐出を制御するヘッド制御部101と、搬送モータ74の駆動を制御するモータ制御部104と、エンコーダニップ付勢機構50及び用紙ニップ付勢機構60を制御する付勢機構制御部107とを有している。なお、これら各機能部はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されているハードウェアであるが、機能部の全て、又は一部がソ
フトウェアで構成されていてもよい。
ヘッド制御部101は、吐出タイミング決定部102と、パルス生成部103とを有している。吐出タイミング決定部102は、印刷用紙Pに形成すべき画像データに基づいてインクジェットヘッド2が吐出すべきインクの吐出タイミングを制御するものである。さらに、吐出タイミング決定部102は、後述するエンコーダローラ回転位置検出部105が検出したエンコーダローラ39の回転位置に基づいて、搬送ベルト11の位置ズレを補正するためにインクの吐出タイミングを変化させる。パルス生成部103は、吐出タイミング決定部102により決定されたインクの吐出タイミングにしたがってヘッド本体13を駆動するための駆動パルスを生成し、さらに生成した駆動パルスをヘッド本体13に供給するものである。ヘッド本体13は、パルス生成部103から駆動パルスが供給される毎に印刷用紙Pにインクを吐出する。
モータ制御部104は、エンコーダローラ回転位置検出部105と、モータ駆動部106とを有している。エンコーダローラ回転位置検出部105は、ロータリエンコーダ41の光学センサ41bの検知結果に基づいてエンコーダローラ39の回転位置を検出する。エンコーダローラ39の回転位置を検出することにより、搬送ベルト11の位置や回転速度を検出することができる。モータ駆動部106は、エンコーダローラ回転位置検出部105が検出したエンコーダローラ39の回転位置に基づいて搬送モータ74を駆動するものである。
付勢機構制御部107は、カムモータ56の駆動を制御することにより、エンコーダニップ付勢機構50の解除機構55及び用紙ニップ付勢機構60の解除機構65を駆動する。具体的には、モータ制御部104や紙面センサ33と連動して、印刷用紙Pが搬送ベルト11に載置されていないときのみ、エンコーダニップローラ51及び用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との当接が解除されるように解除機構55及び解除機構65を制御する。つまり、付勢機構制御部107は、エンコーダニップローラ51及び用紙ニップローラ61が搬送ベルト11に接するように解除機構55及び解除機構65を制御するときには、解除機構55の偏心カム55aがローラ支持部材52と接しないように、且つ、解除機構65の偏心カム65aがローラ支持部材62と接しないように、カムモータ56を駆動する。また、エンコーダニップローラ51及び用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との当接を解除するように解除機構55及び解除機構65を制御するときには、解除機構55の偏心カム55aがローラ支持部材52と接するように、且つ、解除機構65の偏心カム65aがローラ支持部材62と接するように、カムモータ56を駆動する(図5(a)及び図5(b)参照)。
以上説明した第1の実施の形態においては、エンコーダニップローラ51が搬送ベルト11と用紙非通過領域28においてのみ接するように構成されているため、エンコーダニップローラ51と搬送ベルト11との間を印刷用紙Pが通過することがない。このため、印刷用紙Pが搬送ベルト11上に載置されているか否かにかかわらず、エンコーダニップローラ51を常に一定の圧力で搬送ベルト11をエンコーダローラ39に押し付けることができる。これにより、エンコーダローラ39の回転位置から正確な搬送ベルト11の移送速度を検知することができる。さらに、ヘッド制御部101の吐出タイミング決定部102が、エンコーダローラ回転位置検出部105が検出したエンコーダローラ39の回転位置に基づいて、インクの吐出タイミングを制御して搬送ベルト11の位置ズレを補正することにより、搬送ベルト11に生じる特異な変動に起因するズレを素早く且つ精度よく補正することができる。
また、用紙ニップローラ61が搬送ベルト11と用紙通過領域27において接するように構成されているため、印刷用紙Pが用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との間を通過するとき、用紙ニップローラ61とエンコーダローラ39とが、搬送ベルト11と共に印刷用紙Pを挟み込み、印刷用紙Pを粘着層36に確実に粘着させ、搬送ベルト11から印刷用紙Pが浮き上がることを防止することができる。
さらに、用紙通過領域27が搬送ベルト11の幅方向における中央に対応して位置しているため、印刷用紙Pが搬送されたときに、搬送ベルト11に対して均一に加重がかかる。これにより、搬送ベルト11が蛇行しにくくなり、より正確な搬送ベルト11の移送速度を得ることができる。
加えて、搬送ベルト11に当接した一対のエンコーダニップローラ51と用紙ニップローラ61とが同軸状に配置されており、エンコーダローラ39がエンコーダニップローラ51だけでなく用紙ニップローラ61とも対向する構成であるため、ローラの点数を少なくし、コストダウンを図ることができる。また、用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との間に印刷用紙Pが進入する瞬間、及び、これらの間から印刷用紙Pが排出する瞬間において、搬送ベルト11に生じる特異な変動をエンコーダニップローラ51が効率よく低減することができる。さらに、エンコーダニップローラ51が搬送ベルト11の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)における両側に均等に加重をかけるため、搬送ベルト11が蛇行しにくくなる。
また、印刷用紙Pが搬送ベルト11に載置されていないときに、エンコーダニップローラ51及び用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との当接を付勢機構制御部107が解除するため、搬送ベルト11に対して余計な摩擦力を与えることがなくなり、搬送ベルト11にかかる負荷が低減される。
さらに、用紙ニップ付勢機構60の付勢バネ64の付勢力が、エンコーダニップ付勢機構50の付勢バネ54の付勢力よりも小さくなっているため、用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との間に印刷用紙Pが進入する瞬間、及び、これらの間から印刷用紙Pが排出する瞬間において、搬送ベルト11に生じる特異な変動を相対的に小さくすることができる。また、付勢バネ54の付勢力が十分に大きければこのような特異な変動があってもエンコーダローラ39の追従性が損なわれにくく、より正確な搬送ベルト11の回転速度を得ることができるようになる。
さらに、インクジェットヘッド2が、用紙搬送方向に直交する方向に延在しているライン式インクジェットヘッドであるため、用紙搬送方向に直交する方向に走査するシリアル式インクジェットヘッドと比較して印刷用紙Pの搬送速度を上げることができる。これにより印刷速度を向上することができる。
次に、本発明に係る第2の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、第1の実施の形態と同じ部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。図7は、第2の実施の形態のインクジェットプリンタが有している用紙搬送装置220の平面図である。図8は、図7に示すVIII−VIII線の断面図である。図9は、図8に示すIX−IX線の断面図である。
図7〜図9に示すように、用紙搬送装置220は、第1の実施の形態と同様に基材層35の外周全面に粘着層36を被覆して形成した搬送ベルト11と、ベルトローラ6、7と、搬送モータ74と、2つのエンコーダローラ239と、2つのエンコーダローラ239のそれぞれの回転位置を検出するための2つのロータリエンコーダ241と、エンコーダニップローラ251と、エンコーダニップローラ251を支持しつつエンコーダローラ239に近接する方向に付勢する2つのエンコーダニップ付勢機構250と、用紙ローラ238と、用紙ニップローラ261と、用紙ニップローラ261を支持しつつ用紙ローラ238に近接する方向に付勢する用紙ニップ付勢機構260とを有している。さらに、本実施の形態においては、負荷ニップローラ271とこれを用紙ローラ238に近接する方向に付勢する2つの負荷ニップ付勢機構270とを新たに備えている。
図7及び図8に示すように、2つのエンコーダローラ239は、搬送ベルト11の幅方向における両側の用紙非通過領域28に対応する内周面11bのみと接する軸長さを有している。各エンコーダローラ239の端部にはロータリエンコーダ241がそれぞれ設けられている。ロータリエンコーダ241は外縁に沿って多数のスリットが形成されている円盤状のスリット板241aと、スリット板241aのスリットを検知する光学センサ241bとを有している。エンコーダローラ239が回転するとこれに固定されているスリット板241aも回転する。スリット板241aが所定の角度回転すると、光学センサ241bがスリットの通過を検知し、制御部100に検出信号を出力する。制御部100は、2つの光学センサ241bが出力した検知信号に基づくエンコーダローラ239の回転位置の差を補正するように、搬送モータ74やインクジェットヘッド2からのインクの吐出タイミングを制御する。
用紙ローラ238は、搬送ベルト11の幅方向に沿って搬送ベルト11を横切るように延在していると共に搬送ベルト11の内周面11bと接している。
図7及び図9に示すように、2つのエンコーダニップ付勢機構250は、エンコーダニップローラ251を、用紙非通過領域28内に位置付けた状態で搬送ベルト11を介してエンコーダローラ239と対向するように支持している。また、エンコーダニップ付勢機構250は、エンコーダニップローラ251を支持しているローラ支持部材252を有している。また、エンコーダニップローラ251の軸方向の長さがエンコーダローラ239の軸方向の長さよりも短くなっている。ローラ支持部材252は、搬送ベルト11の幅方向に沿うように一端がフレームに固定された揺動軸253を中心として揺動可能であって、その端部でエンコーダニップローラ251の両端を回転可能に支持する一対の保持アーム252aと、一対の保持アーム252aの間に設けられてこれらを連結する連結部252bとを有している。連結部252bとフレーム(図示せず)との間には、エンコーダニップローラ251がエンコーダローラ239と近接する方向に付勢されるように付勢バネ254が取り付けられている。エンコーダニップローラ251をエンコーダローラ239に近接させる方向にローラ支持部材252が揺動すると、エンコーダニップローラ251が用紙非通過領域28において搬送ベルト11に当接し、エンコーダローラ239と共に搬送ベルト11を挟み込む。つまり、2つのエンコーダニップローラ251が用紙非通過領域28に対応する搬送ベルト11の幅方向における両側にそれぞれ独立して接している。
用紙ニップ付勢機構260は、用紙ニップローラ261を、用紙通過領域27内に位置付けた状態で搬送ベルト11を介して用紙ローラ238と対向するように支持している。また、用紙ニップ付勢機構260は、用紙ニップローラ261を支持しているローラ支持部材262と、用紙ニップローラ261と搬送ベルト11との当接を解除する解除機構65とを有している。ローラ支持部材262は、搬送ベルト11の幅方向に沿うように両端がフレームに固定された揺動軸263を中心として揺動可能であって、その端部で用紙ニップローラ261の両端を回転可能に支持する一対の保持アーム262aと、一対の保持アーム262aの間に設けられてこれらを連結する連結部262bとを有している。連結部262bとフレーム(図示せず)との間には、用紙ニップローラ261が用紙ローラ238と近接する方向に付勢されるように付勢バネ264が取り付けられている。用紙ニップローラ261を用紙ローラ238に近接させる方向にローラ支持部材262が揺動すると、用紙ニップローラ261が用紙通過領域27において搬送ベルト11に当接し用紙ローラ238と共に搬送ベルト11を挟み込む。これにより、用紙ニップローラ261と用紙ローラ238とが、搬送ベルト11と共に印刷用紙Pを挟み込み、印刷用紙Pは粘着層36に確実に粘着させられる。
2つの負荷ニップ付勢機構270は、それぞれ負荷ニップローラ271を用紙非通過領域28内に位置付けた状態で搬送ベルト11を介して用紙ローラ238と対向するように支持している。また、負荷ニップ付勢機構270は、負荷ニップローラ271を支持しているローラ支持部材272を有している。ローラ支持部材272は、揺動軸263を中心として揺動可能であって、その端部で負荷ニップローラ271の両端を回転可能に支持する一対の保持アーム272aと、一対の保持アーム272aの間に設けられてこれらを連結する連結部272bとを有している。連結部272bとフレーム(図示せず)との間には、負荷ニップローラ271が用紙ローラ238と近接する方向に付勢されるように付勢バネ274が取り付けられている。負荷ニップローラ271を用紙ローラ238に近接させる方向にローラ支持部材272が揺動すると、負荷ニップローラ271が用紙非通過領域28において、搬送ベルト11に当接し用紙ローラ238と共に搬送ベルト11を挟み込む。つまり、2つの負荷ニップローラ271が用紙非通過領域28において搬送ベルト11にそれぞれ独立して接している。このとき、搬送ベルト11に当接した2つの負荷ニップローラ271は、同じく搬送ベルト11に当接した用紙ニップローラ261と同軸状に配置される。
以上説明した第2の実施の形態においては、エンコーダニップローラ251が用紙非通過領域28において搬送ベルト11と接するように構成されているため、エンコーダニップローラ251と搬送ベルト11との間を印刷用紙Pが通過することがない。このため、印刷用紙Pが搬送ベルト11上に載置されているか否かにかかわらず、エンコーダニップローラ251を常に一定の圧力で搬送ベルト11をエンコーダローラ239に押し付けることができる。これにより、エンコーダローラ239の回転位置から正確な搬送ベルト11の移送速度を検知することができる。
また、エンコーダニップローラ251の軸方向の長さがエンコーダローラ239の軸方向の長さよりも短くなっているため、エンコーダニップローラ251のイナーシャが小さくなり、搬送ベルトの挙動に対する応答性が向上する。さらに、エンコーダローラ239の軸方向の長さが、搬送ベルト11の幅方向における両側の用紙非通過領域28に対応する内周面11bのみと接する長さとなっているため、エンコーダローラ239のイナーシャも小さくなり、搬送ベルトの挙動に対する応答性がさらに向上する。
加えて、用紙ニップローラ261が、一対の負荷ニップローラ271の間において、これらと同軸状に配置されており、用紙ローラ238が用紙ニップローラ261だけでなく、負荷ニップローラ271とも対向する構成であるため、ローラの点数を少なくしコストダウンを図ることができる。また、用紙ニップローラ261と搬送ベルト11との間に印刷用紙Pが進入する瞬間、及び、これらの間から印刷用紙Pが排出する瞬間において、搬送ベルト11に生じる特異な変動を負荷ニップローラ271が効率よく低減することができる。さらに、負荷ニップローラ271が搬送ベルト11の幅方向(用紙搬送方向に直交する方向)における両側に均等に加重をかけるため、搬送ベルト11が蛇行しにくくなる。
また、エンコーダローラ239及びエンコーダニップローラ251の組が搬送ベルト11の幅方向における両側に一対配置されているため、搬送ベルト11の幅方向における両側に均等に加重がかかるようになり、搬送ベルト11が一層蛇行しにくくなる。
さらに、2つのエンコーダローラ239のそれぞれに対応させてロータリエンコーダ241が設けられており、制御部100が、2つの光学センサ241bが出力した検知結果に基づく2つのエンコーダローラ239の回転位置の差を補正するため、より正確な搬送ベルト11の移送速度を得ることができる。
加えて、負荷ニップ付勢機構270を有しているため、印刷用紙Pが用紙ニップローラ261と搬送ベルト11との間を通過したときの、搬送ベルト11に対する負荷の変動比率が小さくなり、一層正確な搬送ベルト11の移送速度を得ることができる。
次に、第2の実施の形態の変形例について図10を参照しつつ説明する。図10は、搬送ベルト11の変形例を示す図である。本実施の形態においては、搬送ベルト11の外周面11aのすべてが粘着層36となっている構成であるが、図10に示すように、用紙非通過領域28に対応する搬送ベルト211の両端部分には粘着層36が被覆されず基材層35が露出する構成でもよい。この構成によると、エンコーダニップローラ251が粘着層36と比較して変形しにくい基材層35に接することになるため、エンコーダニップローラ251からの付勢力がエンコーダローラ239まで効率よく伝達し、より一層正確な搬送ベルト211の位置を得ることができる。
次に、本発明に係る第3の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同じ部材については、同一の符号を付してその説明を省略する。図11は、第3の実施の形態のプリンタが有している用紙搬送装置320の平面図である。図12は、図11に示すXII−XII線の断面図である。
図11及び図12に示すように、用紙搬送装置320は、搬送ベルト11と、ベルトローラ6、7と、搬送モータ74と、エンコーダローラ339と、エンコーダローラ339の回転位置を検出するためのロータリエンコーダ341と、エンコーダニップローラ351と、エンコーダニップローラ351を支持しつつエンコーダローラ339に近接する方向に付勢するエンコーダニップ付勢機構350と、用紙ローラ238と、用紙ニップ付勢機構260と、負荷ニップローラ371と、負荷ニップローラ371を支持しつつエンコーダローラ339に近接する方向に付勢する2つの負荷ニップ付勢機構370とを有している。
本実施の形態においては、エンコーダニップローラ351が、搬送ベルト11の幅方向における中央部に当接しており、印刷用紙Pは、エンコーダニップローラ351よりも用紙搬送方向においてわずかに下流側となる位置から搬送ベルト11に載置されるようになっている。したがって、この印刷用紙Pの載置が開始される位置が、用紙通過領域327の最上流位置に対応し、搬送ベルト11のエンコーダニップローラ351よりも上流側の部分は用紙非通過領域328に対応する。エンコーダニップローラ351の構成については後述する。
エンコーダローラ339は、搬送ベルト11の幅方向に沿って搬送ベルト11を横切るように延在していると共に、用紙通過領域327の最上流位置よりもさらに上流側の用紙非通過領域328に対応する内周面11bと接している。エンコーダローラ339の端部にはロータリエンコーダ341が設けられている。ロータリエンコーダ341は、外縁に沿って多数のスリットが形成されている円盤状のスリット板341aと、スリット板341aのスリットを検知する光学センサ341bとを有している。ロータリエンコーダ341の動作は、第1の実施の形態のロータリエンコーダ41と実質的に同等であるため、その説明を省略する。
エンコーダニップ付勢機構350は、エンコーダニップローラ351を、搬送ベルト11を介してエンコーダローラ339と対向するように支持しており、エンコーダニップローラ351は、用紙通過領域327の最上流位置よりもさらに上流側の用紙非通過領域328の搬送ベルト11の幅方向中央に位置付けられている。また、エンコーダニップ付勢機構350は、エンコーダニップローラ351を支持しているローラ支持部材352を有している。ローラ支持部材352は、搬送ベルト11の幅方向に沿うように両端がフレームに固定された揺動軸353を中心として揺動可能であって、その端部でエンコーダニップローラ351の両端を回転可能に支持する一対の保持アーム352aと、一対の保持アーム352aの間に設けられてこれらの下方端部を連結する連結部352bとを有している。一対の保持アーム352aとフレーム(図示せず)との間には、エンコーダニップローラ351がエンコーダローラ339と近接する方向に付勢されるように付勢バネ354がそれぞれ取り付けられている。エンコーダニップローラ351をエンコーダローラ339に近接させる方向にローラ支持部材352が揺動すると、エンコーダニップローラ351が用紙通過領域327よりもさらに上流側の用紙非通過領域328において搬送ベルト11と当接しエンコーダローラ339と共に搬送ベルト11を挟み込む。また、連結部352bは、送りローラ18a、18b、19a、19bによって搬送されてくる印刷用紙Pを用紙通過領域327の最上流位置において搬送ベルト11上に導入するための案内導入部となっている(図12矢印B参照)。
2つの負荷ニップ付勢機構370は、それぞれ負荷ニップローラ371を、用紙非通過領域328に位置付けた状態で搬送ベルト11を介してエンコーダローラ339と対向するように支持している。負荷ニップ付勢機構370の構成は、第2の実施の形態の負荷ニップ付勢機構270と実質的に同じであるため、詳細な説明を省略する。
以上説明した第3の実施の形態においては、エンコーダニップローラ351が用紙非通過領域328において搬送ベルト11と接するように構成されているため、エンコーダニップローラ351と搬送ベルト11との間を印刷用紙Pが通過することがない。このため、印刷用紙Pが搬送ベルト11上に載置されているか否かにかかわらず、エンコーダニップローラ351を常に一定の圧力で搬送ベルト11をエンコーダローラ339に押し付けることができる。これにより、エンコーダローラ339の回転位置から正確な搬送ベルト11の移送速度を検知することができる。
また、エンコーダニップローラ351とエンコーダローラ339とが、用紙通過領域27よりもさらに上流側に位置する用紙非通過領域328において、搬送ベルト11の幅方向中央に配置されており、上述した第1及び第2の実施の形態に比べてエンコーダニップローラ351を長く形成することが可能となっている。これにより、エンコーダニップローラ351の搬送ベルト11に対する接触面積を大きくすることができるため、搬送ベルト11がエンコーダローラ339に確実に押し付けられる。このため、一層正確な搬送ベルト11の移送速度を得ることができる。
さらに、ローラ支持部材352の連結部352bが、送りローラ18a、18b、19a、19bによって搬送されてくる印刷用紙Pを搬送ベルト11に載置されるように案内する案内導入部を兼ねているため、部品点数を削減し、用紙搬送装置320の低コスト化を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、第1の実施の形態においては、エンコーダニップ付勢機構50がエンコーダニップローラ51をエンコーダローラ39に近接する方向に付勢する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、エンコーダローラ39をエンコーダニップローラ51に近接する方向に付勢する構成でもよいし、エンコーダローラ39及びエンコーダニップローラ51を共に付勢する構成でもよい。
さらに、第1の実施の形態においては、エンコーダローラ39が搬送ベルト11の内周面11bに接し、エンコーダニップローラ51が搬送ベルト11の外周面11aに接する構成であるが、エンコーダローラが搬送ベルト11の外周面11aに接し、エンコーダニップローラ51が搬送ベルト11の内周面11bに接する構成でもよい。
加えて、第1の実施の形態においては、用紙搬送装置20が、用紙ニップローラ及び用紙ニップローラ付勢機構を省いて構成されてもよい。
また、第1の実施の形態においては、用紙通過領域27が、搬送ベルト11の幅方向の中心線を基準として線対称となる領域に対応する構成であるが、用紙通過領域27が、搬送ベルト11の幅方向の中心線を基準としていずれか一方側に偏った領域に対応する構成であってもよい。
加えて、第1の実施の形態においては、エンコーダニップローラ51と搬送ベルト11との当接を解除する解除機構55及び用紙ニップローラ61と搬送ベルト11との当接を解除する解除機構65を有する構成であるが、このような解除機構55及び解除機構65の少なくともいずれかを省いた構成であってもよい。
また、第1の実施の形態においては、用紙ニップ付勢機構60の付勢バネ64の付勢力が、エンコーダニップ付勢機構50の付勢バネ54の付勢力よりも小さくなっているが、付勢バネ54と付勢バネ64との付勢力が同じでもよいし、付勢バネ54の付勢力が付勢バネ64の付勢力よりも小さくなっていてもよい。
加えて、第1の実施の形態においては、インクジェットヘッド2がライン式のインクジェットプリンタ1の構成となっているが、インクジェットヘッドが印刷用紙Pの搬送方向に直交する方向に走査するシリアル式のインクジェットプリンタの構成となっていてもよい。
また、第2の実施の形態においては、2つのエンコーダローラ239のそれぞれにロータリエンコーダ241が取り付けられる構成であるが、2つのエンコーダローラ239のいずれか一方にのみロータリエンコーダ241が取り付けられる構成でもよい。このとき、他方のエンコーダローラ239は補助ローラとして機能する。
さらに、第2の実施の形態においては、エンコーダニップローラ251の軸方向の長さがエンコーダローラ239の軸方向の長さよりも短くなっているが、エンコーダニップローラの軸方向の長さがエンコーダローラの軸方向の長さ以上であってもよい。
加えて、第2の実施の形態においては、用紙ニップ付勢機構260が用紙ニップローラ261を用紙ローラ238に近接する方向に付勢する構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、用紙ニップ付勢機構が、用紙ローラ238を用紙ニップローラ261に近接する方向に付勢する構成でもよいし、用紙ローラ238及び用紙ニップローラ261を共に付勢する構成でもよい。
さらに、第1〜第3の実施の形態においては、用紙搬送装置20、220、320がインクジェット式のプリンタに適用される構成であるが、このような構成に限定されるものではなく、用紙搬送装置20、220、320が、レーザー式のプリンタや複写機等、用紙を搬送する機構を含む他の装置に適用されてもよい。