JP4831069B2 - 鉛フリー低温はんだ - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、被はんだ付け物に熱影響を与えない低温ではんだ付けができる低温はんだ、特に電子部品接合用の鉛フリーの低温はんだおよびはんだ継手に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に組み込まれる電子部品や電子材料には、耐熱性がなく、高温に曝されると、その機能が劣化したり破壊されるものがある。このような電子部品や電子材料は、低温ではんだ付けしなければならず、そのためには、融点の低いはんだ、つまり低温はんだを用いなければならない。低温はんだの明確な定義はないが、一般的には固相線温度と液相線温度(融点)がPb-63Snの共晶温度である183℃よりも低いはんだを指している。
【0003】
従来の低温はんだには、Sn-52Bi-32Pb(融点:95℃)、Sn-54Bi-20Cd(融点:103℃)、Sn-40Pb-40Bi(融点:113℃)、Sn-52In(融点:117℃)、Sn-58Bi(融点:139℃)、Sn-32Pb-18Cd(融点:143℃)、Sn-32Cd(融点:175℃)等がある。
【0004】
PbやCdは適量添加することにより固相線温度や液相線温度の調整ができるため各種融点をもった低温はんだを得ることができる。しかしながら、PbやCdを含有する低温はんだには、人体に悪影響を及ぼすという公害問題があるため、その使用が規制されるようになってきている。従って、PbやCdを含有しない低温はんだが求められている。
【0005】
ところで最近の電子機器に使われ始めてきているペルチェ素子等の半導体素子を備えた電子部品は耐熱温度が130℃以下という一般の電子部品に比べて低い耐熱性のものである。このように耐熱性の低い電子部品(以下、低耐熱性部品という)をはんだ付けする場合、はんだ付け温度は当然130℃よりも低いものでなければならない。
【0006】
一般にはんだ付け温度は、使用するはんだの液相線温度+20〜40℃が適当とされているため、低耐熱部品をはんだ付けする低温はんだは、液相線温度が100℃近辺、即ち90〜110℃のものでなければならない。
【0007】
また一般の電子機器の温度の使用条件が極寒地であれば−40℃となり、また熱帯の直射日光の下では+85℃にもなる。従って、低耐熱性部品のはんだ付けに用いる低温はんだは、−40℃〜+85℃において充分な耐熱疲労性を有していなければならないばかりでなく、固相線温度も電子機器が曝される最高温度で溶融しない85℃以上でなければならない。
【0008】
さらに、はんだは、金属(母材)と金属(母材)とを接合するものであるため、各種の接合特性が要求される。先ず、例えば、はんだとしては母材に容易に濡れるというはんだ付け性を有していなければならない。これは、従来のPb-63Snはんだのような非常に優れたはんだ付け性でなくとも、電子機器の生産に支障のない程度のはんだ付け性である。
【0009】
そして、はんだとしては、はんだ付け部における優れた機械的特性(引張強度、曲げ、伸び等)も必要である。つまり、はんだ付けされた母材に引張力がかかった場合、はんだ付け部が簡単に引き剥がれてしまっては、電子機器の機能を全く損なうようになってしまうからである。同様に、はんだ付け部の母材に曲げる力が加わったときに、はんだが曲げに屈して簡単に割れない程度の延性も備わっていなければならない。
【0010】
さらに、はんだには、耐腐食性も必要である。はんだ付けされた電子機器が屋内だけで使用される場合は、寒暖の差があまりなく、しかも環境が良好なため腐食に関しては問題ない。しかし、データ通信局用機器、自動車、軍事機器、宇宙関係機器、屋外レクリエーション用機器等において用いられる電子機器は、屋外に置かれる場合が多く、はんだの腐食が問題となる。つまり屋外では、日中と夜間での温度差が大きいため、電子機器が日中の高温から夜間の低温に曝されると、日中にはんだ付け部周辺にあった湿気の多い空気が夜間の低温ではんだ付け部に結露する。はんだと母材とは異種金属であるため、当然イオン化傾向が相違し、結露した水分が電解質となって母材とはんだ間で局部電池を形成して、母材またははんだを電気的に腐食させてしまう。はんだ付け部の初期の腐食は、導電性に影響し、そのうち腐食が進むと母材間の導通が完全になくなって、電子機器の機能を果たせなくなってしまう。
【0011】
以上をまとめると、低耐熱性部品のはんだ付けに用いる低温はんだとして今日求められる条件は、次の通りである。
(1)PbやCdを含有していないこと
(2)液相線温度が110℃以下であるとともに固相線温度が85℃以上であること
(3)−40℃〜+85℃での耐熱疲労性を有していること
(4)適当なはんだ付け性を有していること。
(5)引張強度、曲げ、延性、伸び、等の機械的特性が適当に備わっていること。
(6)腐食しにくいこと。
【0012】
従来より電子機器のはんだ付けとして使用されていたSn-58Bi系の低温はんだは、液相線温度が139℃という温度であるため、上述のような低耐熱部品(耐熱温度:130℃)のはんだ付けには使用できない。Sn-52In系の低温はんだは、固相線温度および液相線温度が117℃であるが、Sn-52Inの低温はんだは、耐熱疲労性やはんだ付け性が充分でないため、信頼性に問題があった。
【0013】
特許文献1に、Bi-In系の低温はんだが提案されている。その1例として、Inが50〜83原子%(35.4〜72.8質量%)、残Biの範囲の組成が例示されている。特許文献1の開示する低温はんだは、光学ヘッドの配線パターンと光モジュールを接合するためのものである。ここでのBi-In系低温はんだは、粉末にしてフラックスと混合したはんだペーストとして用いる。
【特許文献1】
特開2001-198692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、特許文献1に具体的に実施形態として開示されている組成は、In、Bi、Snからなる組成のはんだであり、液相線温度(接合温度)は約78.8℃である。
Bi-In合金に関しては、特許文献1の段落0017に示されるように、In約66.7質量%―残部Biの共晶組成の合金と、In約52.3質量%、残部Biの包晶組成の合金とが好適例として示されている。しかし、共晶組成では融点が73℃と却って低すぎる。一方、包晶組成では、組織全体がIn2Biの金属間化合物から構成される。
【0015】
確かに、同文献段落0018には、In含有量を変えることで、接合温度、つまり液相線温度を変えることができる旨の記載はあるが、その範囲はIn35.4質量%以上、72.8質量%以下というように、かなり広い範囲にあり、その範囲で70〜100℃の接合温度が得られ、In35.4質量%未満とすることで110℃以上の液相線温度とすることができるとしているにすぎない。しかも、そのようにして組成を構成したはんだ合金が具体的にどのような特性を備えているかは全く開示されていない。
【0016】
例えば、特許文献1では、高い温度ではんだ付けする場合は、Inが50原子%(35.4質量%)の組成のところを用いるが、このInが50原子%の合金は、BiInの金属間化合物が生成される組成である。ところでBiInの金属間化合物は、脆性を有しているため、In50原子%の合金をはんだとして用いると、はんだ付け部は外的衝撃で容易に破壊してしまう。Bi-In合金において、脆性のある組成は、このIn50原子%だけでなく、この組成の前後、即ち組織中にBiInの金属間化合物が大量に存在する組成も含まれ、はんだとしては不適である。
【0017】
また特許文献1では、Inの多い組成としては、InとBiInの共晶組成を含むIn83原子%までである。このInとBiInの共晶温度は73℃であるが、光モジュールのはんだ付けとしては、この低い共晶温度近辺の組成までも使用できるとされている。
【0018】
ここに、本発明が対象とする電子機器、特にペルチェ素などの半導体素子を有する電子部品を組み込んだ電子機器では、電子部品自体ばかりでなく、基板などの周辺部材も発熱するため、その温度は60℃以上にもなってしまう。これらの電子機器に固相線温度85℃未満のはんだ合金を使用するとその電子機器におけるはんだ接合部の接合強度が維持できない。そのため本発明でははんだ合金を固相線温度85℃以上のものとしている。しかし、特許文献1の開示する共晶組成のはんだ合金では、そのようにInの多すぎる組成は固相線温度が85℃よりも下がるため、はんだ付け後の雰囲気が85℃近くになると溶融してしまい、はんだ付け部が離れてしまい、使用できない。一方、それよりもInの少ない包晶組成のはんだ合金はIn2Bi金属間化合物からなり脆性が低下するため、はんだ付けには適してないと考えられていた。
【0019】
本発明は、鉛フリーであって、液相線温度が110℃以下であるとともに固相線温度が85℃以上にあり、脆性が見られず、しかも塑性加工が容易に行えるばかりでなく、耐熱疲労性に優れた低温はんだおよびはんだ継手を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
[0020]
本発明者は、In48質量%以上、52.5質量%以下、好ましくは52.3質量%以下、さらには52.3質量%未満という特定範囲のBi−Inの二元合金で形成されるBiInの金属間化合物は予想外にも脆性がなく、しかもBi−In合金のそのような組成範囲では、低温はんだとして要求される液相線温度を満足するとともに、耐熱疲労特性、はんだ付け性に優れていることを見出して本発明を完成した。
[0021]
本発明は、Inが48〜52.5質量%、残部Biからなる低温鉛フリーはんだであって、固相線温度85℃以上、液相線温度110℃以下であり、該低温鉛フリーはんだの組織中にBiInの金属間化合物と、BiInおよびBiInから選ばれた1種以上の金属間化合物とが存在していることを特徴とする電子部品用低温鉛フリーはんだである。
[0022]
本発明の合金組成において、より好ましくはInが50.0〜52.0質量%である。
[0023]
さらに、Znが0.01〜0.4質量%および/またはLaが0.05〜0.4質量%含有されていてもよい。
本発明のさらなる好適態様によれば、Pが0.001〜0.01質量%配合されている。
[0024]
本発明は、さらに別の面からは、上述のようなはんだ合金からなる電子部品のはんだ継手である。
発明の効果
[0025]
本発明の鉛フリー低温はんだは、PbやCdを全く含んでいないため、公害問題を完全にクリアーしている。また本発明の鉛フリー低温はんだは、固相線温度が85℃以上で液相線温度が100℃近辺にあるため、はんだ付け部周辺が85℃近くになっても、はんだ付け部が溶融せず、しかもはんだ付けを130℃以下の温度で行えることから低耐熱部品を熱損傷させることがない。
[0026]
さらに本発明の鉛フリー低温はんだは、はんだに要求される耐熱疲労性、はんだ付け性、機械的特性を備えているため、信頼のあるはんだ付け部を形成できる。
発明を実施するための最良の形態
[0027]
本発明の低温鉛フリーはんだは、Bi−In系であり、Inが48〜52.5質量%の範囲において、該低温鉛フリーはんだの組織の中にBiInの金属間化合物が多く存在するようになる。これまでそのような金属間化合物は、脆性があり延性がないものと認識されていたが、BiInの金属間化合物は他の金属間化合物の場合と違い、殆んど脆性がなく、延性を示すことを見出したのである。
【0028】
このように、本発明にかかるはんだ合金組成は、いわゆる包晶組成よりIn含有量が少ない領域にあり、本発明のはんだ合金を構成するIn2Biの金属間化合物は金属間化合物特有の脆性を有せず、延性が高い金属間化合物である。
【0029】
本発明において、実際の合金はその凝固過程で初晶としてBiInやBi5In3が晶出し、その後、包晶反応によりこれらの脆い金属間化合物の周囲に延性のあるIn2Biが成長する。そのため、脆い化合物であるBiInやBi5In3は延性の高いIn2Bi中に分散することになり、延性の高いIn2Bi金属間化合物の強度も改善できる。しかし、初晶のBiInやBi5In3が多く晶出するとそれらがネッキングし、延性の高いIn2Biが共存しても合金自体の延性は改善できず、そのため、本発明において利用する優れた特性は、In:48質量%以上、52.5質量%以下、好ましくは52.3質量%以下と言う極狭い領域において始めて発揮される特性である。
【0030】
従って、本発明の低温鉛フリーはんだのように組織中にBiInの金属間化合物が存在すると、線状にするなどの塑性加工ができるばかりでなく、はんだ付け部に外的衝撃を受けても剥離しにくくなる。
【0031】
本発明において、Inが48質量%よりも少ないとBiInの金属間化合物が大量に晶出して脆性が出てくるようになり、また液相線温度が100℃を超えてしまい、はんだ付け温度が高くなって低耐熱性部品に熱損傷を与えるようになる。しかるにInが52.5質量%よりも多くなると固相線温度が85℃よりも下がってしまい、耐熱性がなくなる。
【0032】
そして、さらに低耐熱性部品のはんだ付け温度や耐熱疲労性を考慮すると、固相線温度は87℃以上、液相線温度は90℃以下が好ましく、これらの条件を満足させるためにはInは50.0〜52.0質量%が適当である。
【0033】
本発明では、組織中に延性のあるBiInが存在するために塑性加工が可能となるものである。しかしながらBi-In合金では成分によってはBiIn以外にもBiInやBiInの金属間化合物が生成される場合もある。これらBiInやBiInの金属間化合物は脆性を有しているが、延性のあるBiIn中に存在する場合は合金自体は延性を有するようになる。Bi-In系合金においてInが48〜52.5質量%ではBiIn中にBiInやBiInが混在する部分もある。この組成の中で理論的にはInが50〜52質量%では組織中50%以上がBiInとなるため、延性はさらに良好となる。
【0034】
本発明のBi-Inの二元合金は、低耐熱性部品のはんだ付けにおいて必要条件を満足したはんだ付けが行えるが、さらに良好なはんだ付け性を望むのであれば、該二元合金にZnやLaを単独、または同時に添加することもできる。
【0035】
Bi-In合金に添加するZnは、0.01質量%よりも少ないと濡れ性向上の効果が現れず、しかるに0.4質量%を超えると液相線温度が120℃を超えてしまうため、はんだ付け温度も130℃を超えるようになる。
【0036】
Bi-In合金に添加するLaは、フラックスによるはんだの表面酸化膜除去作用を補う効果を有しており、0.01質量%よりも少ないと、はんだの凝集性が低下し、しかるに0.4質量%よりも多く添加すると液相線温度が上昇して所定のはんだ付け温度を超えてしまうようになる。好ましくは、0.05質量%以上である。
【0037】
さらに本発明の鉛フリー低温はんだでは高温・高湿下における腐食防止のためにPを0.001〜0.01質量%含有していてもよい。PはBi-In合金、Bi-In合金にZnとLaをそれぞれ単独、または同時に添加した合金に添加する。いずれの場合にも、Pの添加量が0.001質量%よりも少ないと腐食防止の効果が現れず、0.01質量%を超えて添加すると液相線温度が上昇してはんだ付け性を害するようになる。
【実施例】
【0038】
表1に示す組成の合金を調製し、それぞれについて溶融状態からインゴットを得、それぞれの試験に用いる供試片を作成した。X線回折試験により本発明のに範囲の組成例についてはIn2Bi金属間化合物の存在が確認された。
【0039】
各供試片について示差熱分析、機械特性試験、はんだ付け性試験、濡れ性試験、凝集性試験、腐食性試験、および耐熱疲労性試験を行った。試験要領および評価基準についてはまとめて示す。
【0040】
本例の結果を実施例と比較例について表1にまとめて示す。
【0041】
【表1】
Figure 0004831069
【0042】
(表1の説明)
(※1)溶融温度示差熱分析装置で加熱曲線をプロットして、熱吸収の状態から溶融温度(固相線温度と液相線温度)を測定する。昇温速度は5deg/min、試料は10mgである。液相線温度110℃以下、かつ固相線温度85℃以上のものを「○」、液相線温度110℃超、あるいは固相線温度85℃未満のものを「×」とした。
(※2)機械的特性:引張強度、伸び、曲げを測定し、これらの試験結果が全て合格するものを○とし、一つでも不合格があったものを×とした。
(※3)引張強度:はんだ材からJIS Z 2201の4号試験片を作製し、80℃の高温雰囲気中で測定した。80℃での引張強度が6MPa以上を合格とした。
(※4)伸び:上記引張強度試験で引張試験後の試験片の伸びを測定する。はんだの伸び率が10%以上であれば、線状はんだにする塑性加工が可能となる。そこで伸び率が10%以上を合格とした。
(※5)曲げ:はんだを3×10×15(mm)の試験片に作製し、これを室温で90度にまげて、試験片の破断の有無を測定する。試験片を90度に曲げて破断しなかったものを延性「可」、破断したものを延性「不可」とした。
(※6)はんだ付け性:銅板上の濡れと凝集性の全てに合格したものを○、一つでも不合格があったものを×とした。
(※7)銅板上での濡れ:金のフラッシュメッキを施した銅板上にロジン系フラックスを厚さ0.15mm、直径6.5mmに印刷塗布し、その上に0.3mgのはんだ片を乗せ、80〜85℃で30秒間保持し、さらに100℃、120℃で40秒間保持する。100℃で銅板に濡れたものをA、120℃で銅板に濡れたものをB、120℃でも銅板に濡れなかったものをCとする。A、Bは合格、Cは不合格とした。
(※8)凝集性:セラミック板上に樹脂製フラックスを厚さ0.15mm、直径6.5mmに印刷塗布し、その上に0.3mgのはんだ片を乗せ、80〜85℃で30秒間保持し、さらに100℃、120℃で40秒間保持する。100℃ではんだが完全に凝集したものをA、120℃ではんだが完全に凝集したものをB、120℃では溶融前のはんだ片が残存し、しかもそのエッジが鈍角のものをC、120℃では溶融前のはんだ片が残存し、しかもそのエッジが鋭角のものをDとした。A、B、Cは合格、Dは不合格とした。
(※9)腐食性:JIS 2型のくし型電極基板を溶融はんだ中に浸漬し、該基板の回路にはんだを付着させて試験片とした。該試験片を温度85℃、湿度85%の高温高湿環境で500時間放置して腐食の進行をSEMで断面観察した。酸化物の存在が表面から2μm以内をA、酸化物の存在が表面から10μm以内をB、酸化物の存在が表面から10μm以上をCとした。A、Bは合格、Cは不合格とした。
(※10)耐熱疲労性:120×120×1(mm)の400ピンのCSPを0.8mmのFR4基板にピーク温度120℃で実装して試料とした。該試料を−40℃と+85℃の各温度で30分間保持し、100サイクル毎に室温で導通検査を行って、抵抗値が20%上昇した段階でNGとした。各試料は、N=10で試験を行った。目標は500サイクルで全てNGにならないことである。耐熱疲労性の試験は、時間が長くかかるため、他の試験で不合格が決定したものについては行なわず、表中では「―」で示した。
【0043】
表1に示す結果からも分かるように、本発明の鉛フリー低温はんだは、固相線温度が全て87℃以上であり、液相線温度が110℃以下であった。従って、本発明の鉛フリー低温はんだは、低耐熱性部品をはんだ付けする際に、はんだ付け温度は低耐熱性部品の耐熱温度である130℃以下にすることができるため、低耐熱性部品を熱損傷させたり破壊させたりすることがない。
【0044】
また本発明の低温鉛フリーはんだは90度の曲げ試験においても全く破断せず、しかも80℃での引張強度が8Mpa以上であることから、はんだ付け後、はんだ付け部周囲が高温になっても容易に破断しないという信頼性を有している。
【0045】
そしてまた本発明の鉛フリー低温はんだは、伸び率が10%以上であるため、線状はんだに加工することもできる。さらにまた本発明の鉛フリー低温はんだは、Cu電極やAu電極に対する濡れ性にも優れているため、はんだ付け不良のないはんだ付けが行えるものである。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明の低温鉛フリーはんだは、耐熱温度が130℃の電子部品、例えば、ペルチェ素子等の半導体素子を組み込んだ電子部品を低温ではんだ付けするのに最適な接合材料であるが、他にも耐熱性がなく、しかも接合強度が必要なもの、例えばPPLPのようなものにも使用して優れた効果を奏するものである。

Claims (8)

  1. Inが48〜52.5質量%、残部Biからなる鉛フリー低温はんだであって、固相線温度85℃以上、液相線温度110℃以下であり、該鉛フリー低温はんだの組織中にBiInの金属間化合物と、BiInおよびBiInから選ばれた1種以上の金属間化合物とが存在していることを特徴とする電子部品接合用鉛フリー低温はんだ。
  2. 前記鉛フリー低温はんだは、Inが50.0〜52.0質量%であることを特徴とする請求項1記載の鉛フリー低温はんだ。
  3. 前記鉛フリー低温はんだが、さらに、Zn0.01〜0.4質量%および/またはLa0.01〜0.4質量%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の鉛フリー低温はんだ。
  4. 前記鉛フリー低温はんだが、さらに、P0.001〜0.01質量%含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鉛フリー低温はんだ。
  5. Inが48〜52.5質量%、残部Biからなる鉛フリー低温はんだから成り、はんだ合金組織中にBiInの金属間化合物とBiInおよびBiInから選ばれた1種以上の金属間化合物とが存在していることを特徴とする電子部品のはんだ継手。
  6. 前記鉛フリー低温はんだは、Inが50.0〜52.0質量%であることを特徴とする請求項5記載のはんだ継手。
  7. 前記鉛フリー低温はんだが、さらに、Zn0.01〜0.4質量%および/またはLa0.01〜0.4質量%を含有することを特徴とする請求項5または6に記載のはんだ継手。
  8. 前記鉛フリー低温はんだが、さらに、P0.001〜0.01質量%含有することを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のはんだ継手。
JP2007531042A 2005-08-18 2006-08-18 鉛フリー低温はんだ Active JP4831069B2 (ja)

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