JP4830481B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機の変速制御に関し、特に、自動変速機が故障してニュートラル状態(動力非伝達状態)に陥った場合の変速制御に関する。
車両に搭載される自動変速機は、トルクコンバータと歯車式変速機構とを組み合わせ、この歯車式変速機構の動力伝達経路をクラッチやブレーキ等の複数の摩擦係合要素を選択的に係合および解放のいずれかに切り換えることにより、運転状態に応じてギヤ段を自動的に設定するように構成される。この自動変速機には、摩擦係合要素に対する作動圧の供給を制御して、これらを係合または解放させる油圧制御回路が設けられる。
この場合、油圧制御回路により、各摩擦係合要素に供給される作動圧を制御してギヤ段の制御つまり変速制御が実行されるように構成されるが、この油圧制御回路には、作動圧の生成、供給および排出、調圧等を行なう各種のソレノイドバルブが備えられる。これらのソレノイドバルブは、電気的な制御信号によって作動を制御することにより、摩擦係合要素等に供給される作動圧が制御される。
ところで、このような構成を有する自動変速機において、ソレノイドバルブに故障が生じる場合がある。このような故障として、ソレノイドバルブにおける断線や短絡等の電気的故障、プランジャのスティック(固着)や異物の噛み込みによるシール不良等の機械的故障、により正しく作動しなくなるものが考えられる。このような故障が発生すると、運転状態に応じて出力される変速指令に対して所望の摩擦係合要素が係合されないために、指令通りのギヤ段が形成されないで、歯車式変速機構がニュートラル状態に陥る場合がある。
特開平11−280898号公報(特許文献1)は、自動変速機において、故障が生じた場合の対応として、その故障が検出されたギヤ段を禁止し、他のギヤ段に変更するフェールセーフ制御を行なう場合に、そのフェールセーフ制御を適正かつ合理的に行なう自動変速機の制御装置を開示する。この自動変速機の制御装置は、トルクコンバータと、トルクコンバータを介してエンジンからの動力が入力される歯車式変速機構と、歯車式変速機構の動力伝達経路を切り換える複数の摩擦係合要素と、これらの摩擦係合要素に対する作動圧の給排を制御して歯車式変速機構のギヤ段を切り換える油圧制御回路とを有する自動変速機の制御装置であって、歯車式変速機構の入力回転数と出力回転数とに基づいて実ギヤ比を演算する実ギヤ比演算手段と、運転状態に応じて変速指令を出力する変速指令出力手段と、出力手段で出力される変速指令によって指定された目標ギヤ段のギヤ比と実ギヤ比とを比較することにより変速指令通りに歯車式変速機構のギヤ比が達成されないギヤ故障を検出するギヤ故障検出手段と、車速を検出する車速検出手段とが備えられ、ギヤ故障が所定の高速側のギヤ段において生じたときには歯車式変速機構がニュートラル状態となるとともに、変速指令出力手段が、ギヤ故障検出手段により所定の高速側ギヤ段においてギヤ故障が検出された場合に、車速検出手段で検出されるギヤ故障検出時の車速が所定車速より低いときは、変速指令を、所定の高速側ギヤ段のギヤ比に最も近いギヤ比を有し且つ高速側ギヤ段よりも低速側の所定のギヤ段への変速指令に変更する一方、車速検出手段で検出されるギヤ故障検出時の車速が所定車速より高いときは、現変速指令を維持し、車速が所定車速よりも低くなったときに、変速指令を、所定の低速側ギヤ段への変速指令に変更するように構成されている。
この自動変速機の制御装置によると、自動変速機がニュートラル状態となる故障が判定されたときには、自動変速機を形成可能なギヤ段に変速させることができる。これにより、自動変速機を形成可能なギヤ段に変速させることで、自動変速機がニュートラル状態に維持されるのが回避され、駆動力を駆動輪に伝達させることができる。
特開平11−280898号公報
ところで、特許文献1のニュートラル状態を回避する変速は、アクセル操作がなされていると、入力軸回転数が高い回転からの変速となるため、変速が完了し、駆動力が伝達されるまでに時間がかかる場合があり、さらに、このときに、変速後のギヤ段における同期回転数に対する入力軸回転数の回転数差が大きく、摩擦係合要素により入力軸回転数を同期回転数まで引き下げる必要があるため、その摩擦係合要素の熱的耐久性が悪化するというおそれがあった。
しかしながら、上述した特許文献1においては、このような問題点およびその解決策への言及がない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、自動変速機において所望のギヤ段が形成されないでニュートラル状態となった場合において、速やかなフェールセーフを実現するとともに摩擦係合要素の熱的耐久性を回避することができる、自動変速機の変速制御装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機の変速制御装置は、複数の摩擦係合要素を選択的に係合させることによりギヤ比の異なる複数のギヤ段を形成する自動変速機を制御する。この制御装置は、自動変速機がニュートラル状態となる故障が判定されると、動力伝達可能なギヤ段への回避変速指令を出力するための指令手段と、回避変速指令が出力されたときに、変速油圧制御の制御態様を通常時とは異なる制御態様であって、通常時における制御態様よりも変速時間が短くなる制御態様で回避変速を実行するように変速油圧を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、自動変速機が故障してニュートラル状態に陥ると駆動輪に駆動力が伝達されなくなるので、通常時における制御態様よりも変速時間が短くなる制御態様で回避変速を実行する。このため、駆動力が駆動輪に伝達されるようになるまでの時間を短くすることができる。また、回避変速において係合させる摩擦係合要素の滑り時間が短くなるので、この摩擦係合要素の熱的耐久性の悪化を抑制することができる。
第2の発明に係る自動変速機の変速制御装置は、第1の発明において、制御態様は、変速油圧制御を強制的に終了させる強制終了制御の開始タイミングを通常時における開始タイミングよりも早めた制御態様であり、開始タイミングを規定する設定値が通常時よりも短くされた制御態様である。
第2の発明によると、変速時の制御油圧値を変更することなく(油圧制御のロジックを複雑にすることなく)、早期に動力伝達可能なギヤ段を形成させることができ、駆動力が駆動輪に伝達されるまでの時間を短くすることができる。
第3の発明に係る自動変速機の変速制御装置においては、第1または第2の発明の構成に加えて、変速中に自動変速機がニュートラル状態となる故障が判定されると、この変速での変速油圧制御を強制的に終了させる強制終了制御の開始タイミングを規定する設定値を通常時よりも短く設定し、変速油圧制御を終了させるための手段を含む。
第3の発明によると、変速中に自動変速機がニュートラル状態となる故障が判定されると、油圧制御ロジックを複雑にすることなく、早期にこの変速を終了させることができるので、回避変速までの時間を短くすることができ、駆動力が駆動輪に伝達されるまでの時間をより短くすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FF(Front engine Front drive)車両である。なお、FF以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、自動変速機を構成するオートマチックトランスミッション2000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、ドライブシャフト6000と、前輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
自動変速機は、オートマチックトランスミッション2000と、トルクコンバータ3200とを備える。オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ3200を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
オートマチックトランスミッション2000の出力ギヤは、ディファレンシャルギヤ5000と噛合っている。ディファレンシャルギヤ5000にはドライブシャフト6000がスプライン嵌合などによって連結される。ドライブシャフト6000を介して、左右の前輪7000に動力が伝達される。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、ブレーキペダル8012のストロークセンサ8014と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト6000の回転数から車両の速度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置は、ポジションスイッチ8006により検知され、検知結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。ストロークセンサ8014は、ブレーキペダル8012のストローク量を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量(エンジン1000の出力)が調整される。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIを検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOUTを検知し、検知結果を表す信号をECU8000に送信する。なお、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NIは、後述するトルクコンバータ3200のタービン回転数NTである。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、ストロークセンサ8014、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであるときに、別途定められた変速線図に従って自動的に1速〜6速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。1速〜6速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は前輪7000に駆動力を伝達し得る。
このような場合において、ECU8000が、ソレノイドバルブの異常によりニュートラル状態を検知した場合に、速やかにニュートラル状態を回避するように、オートマチックトランスミッション2000が制御される。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3200に接続されている。プラネタリギヤユニット3000は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3200の出力軸3210に連結されている。ピニオンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピニオンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と噛合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピニオンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピニオンギヤ3430と噛合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピニオンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピニオンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と噛合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3200の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
ワンウェイクラッチF3660は、B2ブレーキ3620と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチF3660のアウターレースはギヤケース3600に固定され、インナーレースはリングギヤR(1)(R(2))3450に回転軸を介して連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4004と、プライマリレギュレータバルブ4006と、マニュアルバルブ4100と、ソレノイドモジュレータバルブ4200と、SL1リニアソレノイド(以下、SL(1)と記載する)4210と、SL2リニアソレノイド(以下、SL(2)と記載する)4220と、SL3リニアソレノイド(以下、SL(3)と記載する)4230と、SL4リニアソレノイド(以下、SL(4)と記載する)4240と、SLTリニアソレノイド(以下、SLTと記載する)4300と、B2コントロールバルブ4500とを含む。
オイルポンプ4004は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4004が駆動し、油圧を発生する。オイルポンプ4004で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4006により調圧され、ライン圧が生成される。
プライマリレギュレータバルブ4006は、SLT4300により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。ライン圧は、ライン圧油路4010を介してマニュアルバルブ4100に供給される。
マニュアルバルブ4100は、ドレンポート4105を含む。ドレンポート4105から、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の油圧が排出される。マニュアルバルブ4100のスプールがDポジションにある場合、ライン圧油路4010とDレンジ圧油路4102とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102に油圧が供給される。このとき、Rレンジ圧油路4104とドレンポート4105とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがRポジションにある場合、ライン圧油路4010とRレンジ圧油路4104とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104に油圧が供給される。このとき、Dレンジ圧油路4102とドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の両方と、ドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧およびRレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
Dレンジ圧油路4102に供給された油圧は、最終的には、B1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650に供給される。Rレンジ圧油路4104に供給された油圧は、最終的には、B2ブレーキ3620に供給される。
ソレノイドモジュレータバルブ4200は、ライン圧を元圧とし、SLT4300に供給する油圧(ソレノイドモジュレータ圧)を一定の圧力に調圧する。
SL(1)4210は、C1クラッチ3640に供給される油圧を調圧する。SL(2)4220は、C2クラッチ3650に供給される油圧を調圧する。SL(3)4230は、B1ブレーキ3610に供給される油圧を調圧する。SL(4)4240は、B3ブレーキ3630に供給される油圧を調圧する。
SLT4300は、アクセル開度センサ8010により検知されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。スロットル圧は、SLT油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4006に供給される。スロットル圧は、プライマリレギュレータバルブ4006のパイロット圧として利用される。
SL(1)4210、SL(2)4220、SL(3)4230、SL(4)4240、およびSLT4300は、ECU8000から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ4500は、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104のいずれか一方からの油圧を選択的に、B2ブレーキ3620に供給する。B2コントロールバルブ4500に、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104が接続されている。B2コントロールバルブ4500は、SLソレノイドバルブ(図示せず)およびSLUソレノイドバルブ(図示せず)から供給された油圧とスプリングの付勢力とにより制御される。
SLソレノイドバルブがオフで、SLUソレノイドバルブがオンの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において左側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3620には、SLUソレノイドバルブから供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧を調圧した油圧が供給される。
SLソレノイドバルブがオンで、SLUソレノイドバルブがオフの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において右側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3620には、Rレンジ圧が供給される。
図3〜図5を参照して、自動変速機が故障してニュートラル状態に陥った場合の回避の例について説明する。たとえば、図3の(A)に示すように、4速から5速に自動変速されるときに、SL(4)4240が故障しているとB3ブレーキ3630に油圧が供給されず、5速を形成できなくなりニュートラル状態になる。このような場合、ECU8000は、SL(4)4240の故障に関係しない、SL(3)4230を用いてB1ブレーキ3610を係合させて、ニュートラル状態からの回避ギヤ段である6速を形成する。
さらに、図3の(B)に示すように、5速の走行中において、SL(4)4240が故障するとB3ブレーキ3630に油圧が供給されず、5速を形成できなくなりニュートラル状態になる。このような場合、ECU8000は、SL(4)4240の故障に関係しない、SL(3)4230を用いてB1ブレーキ3610を係合させて、ニュートラル状態からの回避ギヤ段である6速を形成する。
なお、上述した(A)も(B)も一例であって、このような場合に限定されるものではない。たとえば、3速から4速に自動変速されるときに、SL(2)4220が故障しているとC2クラッチ3650に油圧が供給されず、4速を形成できなくなりニュートラル状態になる。このような場合、ECU8000は、3速へ戻すように変速指令を出力して、ニュートラル状態からの回避ギヤ段である3速を形成するような変速でもよい。
図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000が実行するプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、自動変速機がニュートラル故障であるか否かを判定する。たとえば、変速中においては、ソレノイドバルブのソレノイドに流れる電流値に基づいて断線や短絡等の電気的故障を検知してニュートラル故障を判定したり、変速中以外においては、タービン回転数NTと出力軸回転数NOUTとに基づいてニュートラル故障を判定したりする。ニュートラル故障であると判定されると(S100にてYES)、処理はS200へ移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS100へ戻される。
S200にて、ECU8000は、現在変速中であるか否かを判断する。現在変速中であると(S200にてYES)、処理はS300へ移される。もしそうでないと(S200にてNO)、処理はS600へ移される。
S300にて、ECU8000は、変速油圧制御終了タイマ(バックアップタイマと呼ばれることもある)の設定値を通常時よりも短縮する。S400にて、ECU8000は、変速油圧制御終了タイマがタイムアップしたか否かを判断する。タイムアップすると(S400にてYES)、処理はS500へ移される。もしそうでないと(S400にてNO)、タイムアップするまで次の処理(S500)は行なわれない。
なお、変速油圧制御終了タイマは、タービン回転数NTは変速後同期回転数に同期しないといったことにより変速油圧制御が長時間にわたり継続されるとき、変速油圧制御を強制的に終了させるためのタイマであり、変速が開始されたことが検知されるとカウントが開始される。そして、変速油圧制御が終了しておらず、変速油圧制御終了タイマのタイマ値が設定値に達すると(タイムアップすると)、クラッチやブレーキに供給する油圧を最大値とする指令をソレノイドバルブに出力するいわゆる強制終了制御を実行し、変速油圧制御を強制的に終了する。したがって、設定値は、強制終了制御の開始タイミングを規定している。
S500にて、ECU8000は、強制終了制御を実行する。すなわち、この制御実行により、ニュートラル回避ギヤ段への変速指令の出力が可能となる。S600にて、ECU8000は、ニュートラル回避ギヤ段への変速指令を出力する。
S700にて、ECU8000は、ニュートラル回避ギヤ段への変速指令に基づく変速油圧制御終了タイマがタイムアップしたか否かを判断する。すなわち、強制終了制御の開始タイミングか否かを判定する。なお、この場合の設定値も通常時の値よりも短く設定されている。変速油圧制御終了タイマがタイムアップすると(S700にてYES)、処理はS800へ移される。もしそうでないと(S700にてNO)、タイムアップするまで次の処理(S800)は行なわれない。
S800にてECU8000は、強制終了制御を実行する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000により制御されるニュートラル回避の動作について、図6を参照して説明する。
(A)4速から5速に変速中に6速にニュートラル回避する場合
ニュートラル故障(SL(4)4240の故障であると想定する)であると判定された場合であって(S100にてYES)、図6の時刻t(1)で開始された4速から5速への変速中には(S200にてYES)、4速から5速への変速油圧制御終了タイマの設定値が短縮される。すなわち、本来であれば(ソレノイドバルブの故障がなければ)、4速から5速への変速指令の開始時刻t(1)からカウントを開始して時刻t(5)でタイムアップする変速油圧制御終了タイマの設定値が時刻t(2)でタイムアップするように設定値が短縮される(S300)。さらに、ソレノイドバルブの故障がなければ図6において正常を示す二点鎖線のように、4速から5速の変速は終了する。
時刻t(2)で変速油圧制御終了タイマがタイムアップして、時刻t(3)(図6においては説明の都合上時刻t(2)と時刻t(3)とを離隔して区別している)においてニュートラル回避ギヤ段である6速への変速指令が出力される(S600)。これは、故障しているSL(4)4240に関係しないSL(3)4230を用いてB1ブレーキ3610を係合させて6速を形成してニュートラル状態からの回避ギヤ段を形成するためである。
ニュートラル回避ギヤ段である6速への変速指令が出力されてから、この変速指令に基づく変速油圧制御終了タイマがタイムアップすると、すなわち、図6の時刻t(3)でカウントを開始して時刻t(4)でタイムアップすると(S700にてYES)、ニュートラル回避変速が終了する(S800)。なお、通常の5速から6速への変速油圧制御終了タイマの設定値は時刻t(5)でカウントを開始して時刻t(6)でタイムアップする時間が設定されている。本実施の形態においては、この時刻t(5)〜時刻t(6)の設定時間が時刻t(3)〜時刻t(4)と短く設定されている。
従来は、図6の点線で示すように、SL(4)4240が故障しているとB3ブレーキ3630に油圧が供給されず、5速を形成できない場合であっても、4速から5速への変速の開始時刻t(1)からカウントを開始して時刻t(5)でタイムアップしてから5速から6速への変速指令が出力される。さらに、5速から6速への変速の開始時刻t(5)からカウントを開始して時刻t(6)でタイムアップして5速から6速への変速が終了する。このため、ニュートラル回避ギヤ段である6速を形成するために、おおよそ時刻t(5)から時刻t(6)までの間、SL(3)4230を用いて係合されるB1ブレーキ3610が滑っている。
それに対して、本実施の形態においては、B1ブレーキ3610が滑っている時間は、おおよそ時刻t(3)から時刻t(4)までの間である。このように、従来に比較して、、B1ブレーキ3610が滑っている時間が短くできるので、B1ブレーキ3610の熱的耐久性を悪化させない。
さらに、駆動力が伝達されない状態は、従来は、おおよそ時刻t(1)から時刻t(6)までの時間であったが、本実施の形態においては、おおよそ時刻t(1)から時刻t(4)までと短くできるので、駆動力が駆動輪に伝達されない時間を短くできる。
(B)5速中に6速にニュートラル回避する場合
ニュートラル故障(SL(4)4240の故障であると想定する)であると判定された場合であって(S100にてYES)、変速中でない場合には(S200にてNO)、故障しているSL(4)4240に関係しないSL(3)4230を用いてB1ブレーキ3610を係合させて6速を形成してニュートラル状態からの回避ギヤ段を形成する。このためのニュートラル回避ギヤ段への変速指令が出力される(図6の時刻t(3))。
ニュートラル回避ギヤ段である6速への変速指令が出力されてから、この変速指令に基づく変速油圧制御終了タイマがタイムアップすると、すなわち、図6の時刻t(3)でカウントを開始して時刻t(4)でタイムアップすると(S700にてYES)、ニュートラル回避変速が終了する(S800)。なお、上述の(A)と同様に、通常の5速から6速への変速油圧制御終了タイマの設定値は時刻t(5)でカウントを開始して時刻t(6)でタイムアップする時間が設定されている。本実施の形態においては、この時刻t(5)〜時刻t(6)の設定時間が時刻t(3)〜時刻t(4)と短く設定されている。
このように、5速から6速へのニュートラル回避ギヤ段への変速制御が早期に終了されるので、B1ブレーキ3610が滑っている時間を短くすることができ、B1ブレーキ3610の熱的耐久性を悪化させない。
なお、図5のS700において、変速のための油圧を通常よりも上昇させることも、早期にニュートラル回避ギヤ段への回避変速制御を終了させるために有効な方法である。また、図5において、S100とS200との順序を逆転させて、変速中に(変速開始直後に)、ニュートラル故障判定を行なうようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUにより制御されるパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションにおけるギヤトレーンを示すスケルトン図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 オートマチックトランスミッションにおける油圧回路の一部を示す図である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 4速から5速へ変速指令が出力された場合に6速にニュートラル回避した場合のタイミングチャートである。
符号の説明
1000 エンジン、2000 オートマチックトランスミッション、3000 プラネタリギヤユニット、3100 入力軸、3200 トルクコンバータ、3210 出力軸、3610 B1ブレーキ、3620 B2ブレーキ、3630 B3ブレーキ、3640 C1クラッチ、3650 C2クラッチ、3660 ワンウェイクラッチF、4000 油圧回路、4004 オイルポンプ、4006 プライマリレギュレータバルブ、4100 マニュアルバルブ、4200 ソレノイドモジュレータバルブ、4210 SL1リニアソレノイド、4220 SL2リニアソレノイド、4230 SL3リニアソレノイド、4240 SL4リニアソレノイド、4300 SLTリニアソレノイド、4500 B2コントロールバルブ、8000 ECU、8002 車速センサ、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 ブレーキペダル、8014 ストロークセンサ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ。

Claims (3)

  1. 複数の摩擦係合要素を選択的に係合させることによりギヤ比の異なる複数のギヤ段を形成する自動変速機の変速制御装置であって、
    変速指令に基づいて実行される変速油圧制御の継続時間が設定値を超えた場合に変速油圧制御を強制的に終了させる強制終了制御手段と、
    前記自動変速機ニュートラル状態となる故障が発生したことを判定する手段と、
    前記自動変速機にニュートラル状態となる故障が発生した場合に、動力伝達可能なギヤ段への回避変速指令を出力するための指令手段と、
    前記自動変速機にニュートラル状態となる故障が発生した場合に、前記強制終了制御手段が用いる前記設定値を通常時よりも短く変更する制御手段とを含む、自動変速機の変速制御装置。
  2. 前記強制終了制御手段は、タービン回転数が前記変速指令に対応する変速後動機回転数に同期しない場合に前記継続時間が前記設定値に至るまでの時間を計測するタイマを含む、請求項1に記載の自動変速機の変速制御装置。
  3. 前記指令手段は、前記変速油圧制御の強制的な終了を待ってから前記回避変速指令を出力する、請求項1または2に記載の自動変速機の変速制御装置。
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