JP4828678B2 - 圧縮成形物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はステアリン酸の金属塩と硬化油とを含有する圧縮成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
圧縮成形物において、その強度の改善は製品開発における重要な因子の一つである。特開平6−293634には有効成分、賦形剤および低融点油状物質を含む耐摩耗性が改善された素錠が記載されている。
さらに、該成形物において、キャッピング、スティッキング、ラミネーションおよびバインディング(ダイフリクション)の無い優れた成形性が求められている。バインディング(ダイフリクション)とは圧縮成形物と臼内壁面の滑りが潤滑でない場合に生じる該成形物側面のキズのことである。特開平5−306229にはキャッピングが改善されたチュアブル錠が記載されている。
また、トローチ剤においては口中でゆっくり溶かしながら投与する製剤であることから、ざらつき感のない優れた服用性(舌触り)が求められている。特開平8−157356にはキシリトール及び/又は分岐鎖状オリゴ糖を有するトローチ剤が記載されている。
特開平10−45591および特開平10−72349にはステアリン酸マグネシウムと硬化油とが配合された鎮咳剤が記載されている。
しかし、圧縮成形物において、特にトローチ剤において、その成形物強度が十分であり、成形時にバインディング(ダイフリクション)もうけない、また服用性に優れるという技術は現在まで、研究・開発されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、成形物の強度および服用性(舌触り)を低下させることなく、優れた成形性を有する、とりわけバインディング(ダイフリクション)の無い、圧縮成形物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、ステアリン酸の金属塩と硬化油とを特定の割合で配合することにより、強度および服用性(舌触り)を低下させることなく、優れた成形性を有する、とりわけバインディング(ダイフリクション)の無い、圧縮成形物を得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
(1)ステアリン酸の金属塩と硬化油とを1:約1.1〜10の割合(重量)で配合した圧縮成形物、
(2)ステアリン酸の金属塩がマグネシウム塩である前記(1)記載の成形物、
(3)成形物100重量部に対して、ステアリン酸の金属塩を約0.01〜10重量部含有する前記(1)記載の成形物、
(4)成形物100重量部に対して、硬化油を約0.05〜20重量部含有する前記(1)記載の成形物、
(5)トローチ剤である前記(1)記載の成形物、
(6)成形物100重量部に対して、ステアリン酸マグネシウムを約0.01〜10重量部および硬化油を約0.05〜20重量部含有し、かつステアリン酸マグネシウム1重量部に対して硬化油を約1.1〜10重量部配合することを特徴とするトローチ剤、
(7)医薬成分を含有する前記(1)記載の成形物。
(8)ステアリン酸の金属塩と硬化油とを配合することを特徴とするバインディングが改善された圧縮成形物、
(9)ステアリン酸の金属塩と硬化油とを配合することを特徴とする強度が改善された圧縮成形物、
(10)ステアリン酸の金属塩と硬化油とを配合することを特徴とする服用性が改善された圧縮成形物、
(11)医薬成分として鎮咳去痰薬を含有する前記(1)記載の成形物、
(12)医薬成分としてフェノールフタリン酸デキストロメトルファンまたは/およびグアヤコールスルホン酸カリウムを含有する前記(1)記載の成形物、
(13)緑茶末を含有する前記(1)記載の成形物に関する。
【0005】
本発明に用いられるステアリン酸の金属塩としては、例えば、周期表第II族または第III族に属する金属による化合物の塩(例、マグネシウム塩,カルシウム塩,アルミニウム塩および亜鉛塩等)が、好ましくは周期表第II族に属する金属塩、さらに好ましくはアルカリ土類金属の塩、特に好ましくはマグネシウム塩が挙げられる。ステアリン酸の金属塩は圧縮成形物100重量部に対して例えば、約0.01〜10重量部、好ましくは約0.05〜5重量部、さらに好ましくは約0.1〜1重量部になるよう配合される。
【0006】
本発明に用いられる硬化油としては、例えば、ヒマシ油,ナタネ油,綿実油,ダイズ油,ヤシ油,パーム核油,パーム油等の硬化植物油や、牛脂,鯨油,魚油などの硬化動物油等が挙げられる。好ましくは硬化植物油、より好ましくは硬化ヒマシ油が用いられる。該硬化油は単独でも混合物としても用いることができる。
硬化油は圧縮成形物100重量部に対して例えば、約0.05〜20重量部、好ましくは約0.1〜10重量部、さらに好ましくは約0.5〜5重量部になるよう配合される。
また、本発明の成形物におけるステアリン酸の金属塩と硬化油との配合比(重量)は、1:約1.1〜10、好ましくは1:約2〜5である。
【0007】
本発明で用いられる医薬成分としては、固体状,粉末状,結晶状,油状,溶液状など何れの形状のものでもよく、例えば滋養強壮保健薬,解熱鎮痛消炎薬,向精神病薬,抗不安薬,抗うつ薬,催眠鎮静薬,鎮痙薬,胃腸薬,制酸剤,鎮咳去痰薬,気管支拡張剤,歯科口腔用薬,抗ヒスタミン剤,強心剤,不整脈用剤,利尿剤,血圧降下剤,血管収縮剤,冠血管拡張剤,末梢血管拡張剤,利胆剤,抗生物質,殺菌剤,化学療法剤,糖尿病用剤,骨粗しょう症用剤,骨格筋弛緩薬,鎮暈剤又は乗物酔薬などから選ばれた1種または2種以上の成分が用いられる。
【0008】
滋養強壮保健薬には、例えばビタミンA類(ビタミンAとその誘導体を含む、以下同様に略称する),ビタミンD類,ビタミンE類(酢酸d−α−トコフェロールなど),ビタミンB1類(ジベンゾイルチアミン,フルスルチアミン塩酸塩など),ビタミンB2類(酪酸リボフラビンなど),ビタミンB6(塩酸ピリドキシンなど),ビタミンC類(アスコルビン酸,L−アスコルビン酸ナトリウムなど),ビタミンB12類(酢酸ヒドロキソコバラミンなど)などのビタミン、カルシウム,マグネシウム,鉄などのミネラル、タンパク、アミノ酸、オリゴ糖、生薬などが挙げられる。
解熱鎮痛消炎薬としては、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン、塩酸ジフェンヒドラミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジヒドロコデイン、ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、無水カフェイン、セラペプターゼ、塩化リゾチーム、トルフェナム酸、メフェナム酸、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、サリチルアミド、アミノピリン、ケトプロフェン、インドメタシン、ブコローム、ペンタゾシンなどが挙げられる。
向精神病薬としては、例えばクロルプロマジン、レセルピンなどが挙げられる。
抗不安薬としては、例えばクロルジアゼポキシド、ジアゼパムなどが挙げられる。
抗うつ薬としては、例えばイミプラミン、マプロチリン、アンフェタミンなどが挙げられる。
【0009】
催眠鎮静薬としては、例えばエスタゾラム、ニトラゼパム、ジアゼパム、フェノバルビタールナトリウムなどが例示される。
鎮痙薬には、例えば臭化水素酸スコポラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、塩酸パパベリンなどが挙げられる。
胃腸薬としては、例えばジアスターゼ,含糖ペプシン,ロートエキス,リパーゼAP,ケイヒ油などの健胃消化剤、塩化ベルベリン,耐性乳酸菌,ビフィズス菌などの整腸剤などが挙げられる。
制酸剤としては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
鎮咳去痰薬としては、例えば塩酸クロペラスチン、臭化水素酸デキストロメトルファン、テオフィリン、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、フェノールフタリン酸デキストロメトルファンなどが挙げられる。
気管支拡張剤としてはdl−塩酸メチルエフェドリン等が挙げられる。
歯科口腔用薬としては、例えばオキシテトラサイクリン、トリアムシノロンアセトニド、塩酸クロルヘキシジン、リドカインなどが挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば塩酸ジフェンヒドラミン、プロメタジン、塩酸イソチペンジル、dl−マレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。
強心剤としては、例えば塩酸エチレフリンなどが挙げられる。
不整脈用剤としては、例えば塩酸プロカインアミド、塩酸プロプラノロール、ピンドロールなどが挙げられる。
利尿剤としては、例えばイソソルピド、フロセミドなどが挙げられる。
血圧降下剤としては、例えば塩酸デラプリル、カプトプリル、臭化ヘキサメトニウム、塩酸ヒドララジン、塩酸ラベタロール、メチルドーパなどが挙げられる。
【0010】
血管収縮剤としては、例えば塩酸フェニレフリンなどが挙げられる。
冠血管拡張剤としては、例えば塩酸カルボクロメン、モルシドミン、塩酸ベラパミルなどが挙げられる。
末梢血管拡張剤としては、例えばシンナリジンなどが挙げられる。
利胆剤としては、例えばデヒドロコール酸、トレピプトンなどが挙げられる。
抗生物質としては、例えばセファレキシン、アモキシシリン、塩酸ピブメシリナム、塩酸セフォチアムなどのセフェム系、ペネム系およびカルバペネム系抗生物質などが挙げられる。
殺菌剤としては、塩化セチルピリジニウム、塩酸クロルヘキシジンなどが挙げられる。
化学療法剤としては、例えばスルファメチゾール、チアゾスルホンなどが挙げられる。
糖尿病用剤としては、例えばトルブタミド、ボグリボースなどが挙げられる。
骨粗しょう症用剤としては、例えばイプリフラボンなどが挙げられる。
骨格筋弛緩薬としては、メトカルバモールなどが挙げられる。
鎮暈剤又は乗物酔い予防・治療薬としては、塩酸メクリジン、ジメンヒドリナートなどが挙げられる。
医薬成分は、一般に医薬、食品分野などで用いられる希釈剤などによって希釈されたものであってもよい。また、医薬成分の少なくとも一種が油状のものであってもよい。
【0011】
本発明で用いられる医薬成分としては、好ましくは、ビタミン類、生薬、解熱鎮痛消炎薬、抗不安薬、催眠鎮静薬、胃腸薬、鎮咳去痰薬、気管支拡張剤、血圧降下剤、糖尿病用剤、骨粗しょう症用剤、骨格筋弛緩薬、殺菌剤、鎮暈剤又は乗物酔い予防・治療薬などが、より好ましくは、解熱鎮痛消炎薬、抗不安薬、鎮咳去痰薬、気管支拡張剤、殺菌剤、鎮暈剤又は乗物酔い予防・治療薬に、特に好ましくは鎮咳去痰薬、気管支拡張剤、殺菌剤が挙げられる。
本発明の成形物の医薬成分の含有量は、医薬成分の種類などに応じて広い範囲、例えば、圧縮成形物100重量部に対して0.001〜90重量部、好ましくは0.01〜50重量部、さらに好ましくは0.1〜25重量部程度の範囲内で適当に選択できる。
【0012】
本発明の成形物は好ましくは賦形剤を含んでいる。該賦形剤としては、例えば、乳糖、デンプン、コーンスターチ、結晶セルロース(例、アビセルPH101(商品名、旭化成工業株式会社製)など)、グラニュウ糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、精製白糖、ブドウ糖、含水ブドウ糖などが挙げられる。好ましくは、精製白糖、ブドウ糖、含水ブドウ糖などが用いられる。これらの賦形剤は一種又は二種以上使用できる。賦形剤の含有量は、圧縮成形物100重量部に対して、例えば、25〜99.5重量部、好ましくは40〜99重量部、さらに好ましくは50〜96重量部程度である。
【0013】
本発明の成形物は、さらに慣用の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、結合剤、崩壊剤、腸溶性ポリマー、水不溶性ポリマー、滑沢剤、界面活性剤、着色剤、矯味剤、吸着剤、防腐剤、湿潤剤、帯電防止剤、崩壊延長剤、発泡剤などが挙げられる。該添加剤は単独でも混合物としても用いることができる。
結合剤としては、例えば、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、α化デンプン、アラビアゴム末、ゼラチンなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム(例、アクジゾル(商品名、旭化成工業株式会社製)など)、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドン(例、コリドンCL(商品名、BASF社製)など)、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、部分アルファ化デンプン、クロスポビドン(ISP Inc., BASF)、カルメロースカルシウム(五徳薬品株式会社製)、カルボキシメチルスターチナトリウム(松谷化学株式会社製)、コーンスターチなどが挙げられる
腸溶性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースなどが挙げられる。
水不溶性ポリマーとしては、例えば、アミノアルキルメタアクリレートコポリマー(例、オイドラギッドE,オイドラギッドRSなど)、メタクリル酸コポリマー(例、オイドラギッドL30−55など)などが挙げられる。
【0014】
滑沢剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。該ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えば、分子量400〜1300程度のショ糖脂肪酸エステル(例、ショ糖ラウリン酸エステル,ショ糖ミリスチン酸エステル,ショ糖パルミチン酸エステル,ショ糖ステアリン酸エステル等)が挙げられる。ショ糖ラウリン酸エステルとしてはショ糖モノラウレート,ショ糖ジラウレート,ショ糖トリラウレート等が、ショ糖ミリスチン酸エステルとしてはショ糖モノミリステート,ショ糖ジミリステート,ショ糖トリミリステート等が、ショ糖パルミチン酸エステルとしてはショ糖モノパルミテート,ショ糖ジパルミテート,ショ糖トリパルミテート等が、ショ糖ステアリン酸エステルとしてはショ糖モノステアレート,ショ糖ジステアレート,ショ糖トリステアレート等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸ナトリウムなどのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンヒマシ油誘導体等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。
着色剤としては、例えば、タール色素、カラメル、ベンガラ、酸化チタン、リボフラビン類、緑茶抽出物、銅クロロフィンナトリウム、食用黄色5号,食用赤色2号,食用青色2号などの食用色素、食用レーキ色素などが挙げられる。
矯味剤としては、例えば、甘味剤(例、サッカリンナトリウム,グリチルリチン二カリウム,アスパルテーム,ステビア,ソーマチンなどの人工甘味料など)、香料(例、レモン,レモンライム、オレンジ、1−メントール、ハッカ油、ペパーミントミクロンX−8277−T、ドライコート抹茶#421など)、酸味料(例、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸など)、緑茶末などが挙げられる。
吸着剤としては特殊ケイ酸カルシウム(フローライト)などが挙げられる。
帯電防止剤としては軽質無水ケイ酸(エアロジル)などが挙げられる。
発泡剤としては、例えば、重曹などが挙げられる。
【0015】
本発明の成形物は、上記したステアリン酸の金属塩、硬化油、医薬成分、賦形剤および添加剤を均一に含有していることが好ましい。すなわち各成分が製剤全体に一様に分布していることが好ましい。
本発明の成形物として好ましくは、ステアリン酸の金属塩(例、マグネシウム塩)、硬化油(例、硬化ヒマシ油)、医薬成分(例、鎮咳去痰薬および殺菌剤)、賦形剤(例、精製白糖およびブドウ糖)、着色剤および矯味剤を含有する圧縮成形物である。より好ましくは成形物100重量部に対して、ステアリン酸の金属塩(例、マグネシウム塩)を0.1〜1重量部、硬化油(例、硬化ヒマシ油)を0.5〜5重量部、医薬成分(例、鎮咳去痰薬および殺菌剤)を0.1〜25重量部、賦形剤(例、精製白糖およびブドウ糖)を50〜96重量部、さらに着色剤および矯味剤を含有するステアリン酸の金属塩(例、マグネシウム塩と硬化油(例、硬化ヒマシ油)とを1:約2〜5の割合(重量)で配合した圧縮成形物である。
本発明の成形物の形状は、例えば直径約15〜20mmで厚さ約4〜6mm、好ましくは直径約15〜18mmで厚さ約4〜5mmである。より好ましくは、さらに成形物中央部に直径約5〜7mmの空間を有するドーナツ状の成形物が好ましい。特に、このようなドーナツ状成形物のように中央部に穴の空いている成形物(例、トローチ剤など)は、バインディング(ダイフリクション)などの成形性改善が困難であり、服用性(舌触り)も優れるものが要求され、携帯性のためにもその強度も必要である。従って本発明の成形物が好適に使用される。
また、本発明の成形物は、とりわけ口中でゆっくり溶かしながら投与するトローチ剤が好ましい。特に成形物100重量部に対して、ステアリン酸マグネシウムを約0.01〜10重量部および硬化油を約0.05〜20重量部含有し、かつステアリン酸マグネシウム1重量部に対して硬化油を約1.1〜10重量部配合するトローチ剤が好ましい。
【0016】
本発明の成形物は、医薬製剤分野の慣用技術に従い、製造することができる。例えば、医薬成分と他の賦形剤および添加剤などの製剤原料成分とを混合し、要すればさらに練合、造粒又は乾燥し、圧縮成形(例えば、打錠)することにより製造される。
医薬成分と製剤原料成分との混合は、一般に用いられる混合方法、例えば混合、練合などにより行われる。具体的には、バーチカルグラニュレーターVG10(パウレック社製)、万能練合機(畑鉄工所製)、流動層造粒機FD−5S(パウレック社製)などを用いて混合することができる。
医薬成分および製剤原料成分を含む混合物は、直接圧縮成形してもよいが、通常圧縮成形する前に練合および造粒される。水、有機溶媒(好ましくはエタノール)またはそれらの混合物を含む場合の練合には、製剤の製造手段として一般に用いられる方法を用いることができる。例えば医薬成分と原料成分とを混合する際に用いられる上記装置などを用いて練合できる。
乾燥は、例えば真空乾燥、凍結乾燥、自然乾燥、流動層乾燥など製剤一般の乾燥に用いられる何れの方法によってもよい。
【0017】
本発明の成形物のうち、例えば、錠剤を製造するための打錠には、一般に錠剤の成形に用いられる装置が用いられる。例えば、単発錠剤機(菊水製作所製)、ロータリー式錠剤機(菊水製作所製)などを用いることができる。打錠の際の成形圧力は、例えば約0.5〜6ton/cm2、好ましくは約2〜5ton/cm2である。
かくして得られる本発明の成形物は、その強度および服用性(舌触り)を低下させることなく、しかも、優れた成形性、とりわけ打錠性を示し、バインディング(ダイフリクション)が見られない。本発明の成形物は、中央部に空間を有するドーナツ状の錠剤であっても優れた強度および成形性を有する。
従って、本発明の成形物は錠剤として、好ましくはトローチ剤として、それぞれの医薬成分を含有する従来の医薬製剤と同様にそれぞれの医薬成分の有効な種々の病気の治療、予防にそれらの治療・予防を必要とする患者に用いることができ、長期間の保存、安定性にも優れている。
また、本発明の成形物は、毒性が低く、安全に、小児から高齢者まで幅広い人に投与できる。投与量は、医薬成分の種類、患者の重篤度、年令にもよるが従来の経口剤と同程度である。例えば、医薬成分がフェノールフタリン酸デキストロメトロファンの場合、成人1日当りの投与量は、活性成分として約45〜90mg、好ましくは、約50〜70mgである。医薬成分がグアヤコールスルホン酸カリウムの場合、成人1日当りの投与量は、活性成分として、約135〜270mg、好ましくは、約135〜150mgである。医薬成分が塩化セチルピリジニウムの場合、成人1日当りの投与量は、活性成分として約1〜6mg、好ましくは、約5〜6mgである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、実施例、比較例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0019】
【実施例】
実施例1
フェノールフタリン酸デキストロメトルファン156g、グアヤコールスルホン酸カリウム364g、塩化セチルピリジニウム15.6g、ブドウ糖500g、硬化油(ラブリワックス101(商品名,川研ファインケミカル株式会社製))187.2g、緑茶末156gおよび銅クロロフィリンナトリウム15.6gを袋中で混合して混合末を得た。得られた混合末に精製白糖5158.4gおよびブドウ糖11980gを加え、さらに混合機で均一に混合することにより、調合末を得た。得られた調合末に55重量%エタノール水溶液1378mlを加え、練合し、1.0mmのスクリーンを有する押出し造粒機を用いて造粒後、平行流棚乾燥器を用いて乾燥した。こうして得られた乾燥粒を整粒し、平均粒径約0.1〜0.2mmの整粒末18532.8gを得た。
整粒末250gおよびステアリン酸マグネシウム70.2gの混合末と、整粒末18282.2g、15.6gのペパーミントミクロンX−8277−Tおよび101.4gのドライコート抹茶#421の混合末、とを混合機で均一に混合し、打錠用末を得た。得られた打錠用末を、ロータリー打錠機に仕込み、予圧1〜2t/cm2,本圧3〜4t/cm2で打錠した。こうして、直径17mm、厚み4.2〜4.5mmで、錠剤中央部に直径6mmの空間を有するドーナツ状の錠剤を得た。
【0020】
比較例1
実施例1で用いた硬化油187.2gを、70.2gに減量した。なお、錠剤中の医薬成分の含量は実施例1と同一になるように精製白糖を用いて調整した。
【0021】
比較例2
実施例1で用いた硬化油187.2gを省き、ステアリン酸マグネシウムを70.2gから101.4gに増量した。なお、錠剤中の医薬成分の含量は実施例1と同一になるように精製白糖を用いて調整した。
【0022】
比較例3
実施例1で用いた硬化油187.2gを省き、ステアリン酸マグネシウムを70.2gから171.6gに増量した。なお、錠剤中の医薬成分の含量は実施例1と同一になるように精製白糖を用いて調整した。
【0023】
比較例4
実施例1で用いた硬化油187.2gに代えてショ糖脂肪酸エステル(リョートシュガーエステル S-370F(商品名,三菱化成食品株式会社製))187.2gを用いて、実施例1と同様に錠剤を得た。なお、錠剤中の医薬成分の含量が実施例1と同一になるように精製白糖を用いて調整した。なお、ショ糖脂肪酸エステル(リョートシュガーエステル S-370F(商品名,三菱化成食品株式会社製))はショ糖モノステアレートとショ糖ジステアレートとの約8:2の混合物である。
【0024】
実施例1および比較例1〜4で得られた錠剤6錠中の各成分含量を〔表1〕に示した。
【表1】
Figure 0004828678
【0025】
試験例1:成形性,打錠性の評価
実施例1および比較例1〜4で得られた錠剤を任意に取り出し、バインディング(ダイフリクション)の有無を確認した。結果を〔表2〕に示す。
【表2】
Figure 0004828678
【0026】
試験例2:強度の評価
実施例1および比較例1〜4で得られた錠剤を任意に各10錠ずつ取り出し、以下に示す落下試験を行なった。結果を〔表3〕に示す。
<落下試験の方法>
ガラス管(外径4.85mm)を磁性ビューレット台に垂直に立て、該ガラス管にトローチの中空部分を通し、15cm及び17cmの高さから落とした。1回で割れない時は割れるまで同じ高さから落とした。
【表3】
Figure 0004828678
【0027】
試験例3:服用性(舌触り)の評価
実施例1および比較例3,4で得られた錠剤を任意取り出し、以下に示す試験を行なった。
<試験方法>
パネラー(各群3名、計9名)に〔表4〕に示すサンプルA,B,Cを順に投与し舌の上で唾液により各サンプル溶解させた時の服用性(舌触り)につき順位をつけさせた。サンプルA,B,Cに対してざらつき感が少なく服用性(舌触り)の良い順に、3点,2点,1点を与えることとした。与えられた得点を実施例1および比較例3,4毎に集計することにより、服用性(舌触り)に対する評価を行なった。
結果を〔表5〕に示す。
【表4】
Figure 0004828678
【表5】
Figure 0004828678
〔表5〕に示す通り、実施例1の成形物は比較例3および4に比べ、服用性(舌触り)の評価が高かった。また実施例1において服用性(舌触り)が1番悪いと答えた者はおらず、本願発明の成形物が服用性(舌触り)において優れていることが証明された。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、成形性,打錠性に優れ(例、バインディング(ダイフリクション)が無い)、強度に優れ、口腔内において服用性(舌触り)が良好でざらつき感の少ない圧縮成形物、とりわけトローチ剤を得ることができる。
また、本発明の成形物は溶解速度がさほど速くないため、医薬成分をある程度時間(例、約5〜10分)をかけて放出することができる。
さらに、発明圧縮成形物は、成形性(とりわけ、バインディング(ダイフリクション))、強度および服用性(舌触り)の改善のための特殊な製造工程を経ることなく、含有物の配合比を調整することにより、容易に製造することができる。

Claims (6)

  1. ステアリン酸の金属塩と硬化油とを1:2〜5の割合(重量)で配合し、更に精製白糖およびブドウ糖を配合したトローチ剤であり、これらの配合成分を混合し、造粒し、圧縮成形することを含む方法により製造されるトローチ剤
  2. ステアリン酸の金属塩がマグネシウム塩である請求項1記載のトローチ剤
  3. 成形物100重量部に対して、ステアリン酸の金属塩を0.01〜10重量部含有する請求項1記載のトローチ剤
  4. 成形物100重量部に対して、硬化油を0.05〜20重量部含有する請求項1記載のトローチ剤
  5. 成形物100重量部に対して、ステアリン酸マグネシウムを0.01〜10重量部および硬化油を0.05〜20重量部含有し、かつステアリン酸マグネシウム1重量部に対して硬化油を1:2〜5重量部配合し、更に精製白糖およびブドウ糖を配合することを特徴とするトローチ剤であり、これらの配合成分を混合し、造粒し、圧縮成形することを含む方法により製造されるトローチ剤
  6. 医薬成分を含有する請求項1記載のトローチ剤
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