JP4827420B2 - 冷却貯蔵庫 - Google Patents
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Description
上記のような場合には、排気口から吐出された蒸気が、即座に壁面や機械室のパネルに触れて結露し、その量が多くなると結露水として滴下するという問題があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、強制蒸発された蒸気により壁面等に結露することを極力抑えるところにある。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記蒸気拡散箱は、前記通孔が形成されかつ少なくとも上面が開放された受け箱と、この受け箱の開放面を覆いかつ前記吐出口が形成されたカバーとが、分割可能に組み付けられて形成されているところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のものにおいて、前記蒸発皿に被せられた前記蓋板には、前記蒸気抜き孔とともに、前記貯蔵庫本体の周壁の内部に形成された排水路の下面開口と洩れなく整合する排水孔が開口されているところに特徴を有する。
蒸発皿から蒸発した蒸気は、貯蔵庫本体の周壁内の排気通路に引かれて立ち上ったのち、貯蔵庫本体の上面に開口された排気口から排出され、この蒸気は、通孔を通して蒸気拡散箱内に一旦受けられたのち、各吐出口から分散して吐出される。
蒸気拡散箱を設けたことで、蒸気は低濃度に拡散した状態で吐出され、仮に近辺に壁面やパネル等があったとしても、多量の蒸気が集中して触れることが避けられ、もって結露することが防止される。排気口の直上には吐出口が形成されていないから、塵等が排気通路に入り込むことが避けられる。
蒸気は滞ることなくスムーズに吐出される。
<請求項3の発明>
排気口から排出された蒸気は、受け箱の通孔を通して蒸気拡散箱に一旦受けられ、カバーに形成された複数の吐出口から分散して排出される。蒸気拡散箱が、受け箱とカバーとに2分割できるから、箱の内部まで十分に掃除することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1ないし図6に基づいて説明する。この実施形態では業務用の縦型冷蔵庫に適用した場合を例示しており、まず図1により冷蔵庫Rの全体構造を説明する。冷蔵庫本体10は前面開口の縦長の断熱箱体から構成されており、下面の四隅に立てられた脚11によって支持され、内部が貯蔵室12とされている。貯蔵室12の前面開口は、仕切枠13によって上下2つの開口部14に仕切られ、各開口部14には断熱扉15が揺動開閉可能に装着されている。
貯蔵室12の天井部分における窓孔23の下面側には、エアダクトを兼ねたドレンパン24が張設され、その上方に冷却器室25が形成されている。ドレンパン24の底面は、奥縁(図1の左側)に向けて下り勾配となるように形成され、手前側の領域に吸込口26が開口されているとともに、奥縁側には吹出口27が切り欠き形成されている。
除霜運転は、除霜ヒータ32に通電して加熱することで行われ、除霜水はドレンパン24で受けられたのち排水路33を流下し、後記するように冷蔵庫本体10の下面に装備された蒸発皿ユニット40で受けられるようになっている。
また、背面壁10Bの上記した排水路33の側方、例えば幅方向の中央位置には、図3に示すように、同幅方向に細長い方形の断面形状をなす排気通路35が、下面から上面に開口して形成され、上面開口が排気口36とされている。
ケース42は、上面並びに前後両面が開口された少し深めの箱状で、冷蔵庫本体10の奥行よりも少し短い長さ寸法と、同冷蔵庫本体10の横幅の数分の一の幅寸法を有している。
蒸発皿41は、ケース42の全長の2/3程度の長さ寸法と、同ケース42の幅よりも少し小さい幅寸法を持った角皿状をなし、その底面45は、図1にも示すように、手前側の約1/4の前部領域46Aが、後方に向けて急緩の2段階に下り勾配となった傾斜面で、残りの約3/4の後部領域46Bがほんの僅かに下り勾配となって、後縁部が最も深くなっている。ただし、その最深部でも、ケース42の深さの2/3程度である。
また、蒸発皿41の底面45の表面、例えば前部領域46Aの緩傾斜面の表面には、サーモスタット感温筒48(以下、単に感温筒48という)が、取付金具49で押さえられて装着されている。感温筒48は、その装着位置の温度が動作温度(例えば115℃)になったことを検知したところでオフ信号を出すように機能する。感温筒48の信号線(図示せず)は、電装箱内の制御装置に接続されていて、感温筒48からのオフ信号を受けたところで、蒸発皿ヒータ47への通電が遮断されるようになっている。
蓋板43は、ケース42の上面を覆う細長い平板状に形成されており、その長さ方向の後部側には、幅方向の中央部において、同幅方向に細長い角孔からなる蒸気抜き孔51が開口されているとともに、この蒸気抜き孔51の側方に、丸孔からなる排水孔52が開口されている。
受け箱61は、上面開放で、冷蔵庫本体10の幅方向に細長い角箱状に形成されており、例えば排気口36の長寸側の寸法の3倍強の長さと、排気口36の短寸側の寸法よりも大きい奥行とを有している。この受け箱61の底面61Aにおける長さ方向の中央部には、排気口36と同じか若干大きい角孔からなる通孔64が形成されている。この通孔64の長さ方向の両側には、ねじ65の挿通孔66が開口されているとともに、冷蔵庫本体10の上面10Aにおける排気口36の両側には、ねじ孔67が上記の挿通孔66と対応して切られている。
蒸気拡散箱60を取り付ける場合は、図3に示すように、まず受け箱61を冷蔵庫本体10の上面10Aに載せて通孔64の位置を排気口36に合わせ、受け箱61の底面61Aの挿通孔66に通したねじ65を、冷蔵庫本体10の上面10Aのねじ孔67に螺合して締め付けることで固定する。次に、受け箱61内に上面開口からカバー62を入れ、底面61Aに当たるまで押し込むと、受け箱61の挿通孔70とカバー62のねじ孔71同士が整合するため、挿通孔70に通したねじ69をねじ孔71に螺合して締め付けることで固定する。これにより、図4及び図5に示すように、蒸気拡散箱60の取り付けが完了する。このとき、カバー62の上面62A側が所定量突出する。このように蒸気拡散箱60を取り付けた冷蔵庫Rが、図1に示すように、その背面を部屋の壁面Wに近接させた状態で設置される。
ここで吐出された蒸気は、近接位置にある壁面Wや、機械室17を構成するパネル17Aに触れる可能性があるが、蒸気は低濃度に拡散した状態で吐出され、言い換えると、多量の蒸気が集中して触れることが避けられ、もって壁面Wやパネル17Aに結露することが防止される。
また、吐出口73は、カバー62の上面62Aに形成されてはいるものの、受け箱61の通孔64さらには排気口36の直上位置は避けて形成されているから、塵等が排気口36から排気通路35に落下して侵入することが極力避けられる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、カバーを外しやすいように、受け箱内に嵌められた際に上面側が突出する構造としたが、これに代えてカバーの上面に把手を設けるようにしてもよい。
(2)カバーの上面に開口する吐出口の形状は、丸孔等他の形状であってもよく、その場合も、各吐出口が虫が入らない程度の大きさで、また全吐出口の合計開口面積が、通孔の開口面積よりも大きくなる条件を満たすことが望ましい。
(4)さらに上記実施形態では蒸気拡散箱が2分割可能なものを例示したが、分割できない一体的な箱であってもよい。
(5)蒸発皿の加熱手段としては、例えば冷凍装置が冷蔵庫本体の底部側に設けられているようなものでは、ヒータに代えて冷凍装置のホットガスを利用してもよい。
(6)本発明は、冷凍庫、冷凍冷蔵庫等の排水の強制蒸発機能を備えた冷却貯蔵庫全般に広く適用することができる。
Claims (4)
- 貯蔵庫本体の底面には排水を溜めて加熱手段により蒸発させる蒸発皿が設けられるとともに、前記貯蔵庫本体の周壁の内部には、蒸気を流通させる排気通路が前記貯蔵庫本体の下面に開口した形態で立ち上がって形成され、前記排気通路の出口である排気口が前記貯蔵庫本体の上面に開口して設けられており、
前記蒸発皿には蒸気抜き孔が開口された蓋板が被せられて、この蓋板の前記蒸気抜き孔が前記排気通路の下面開口と洩れを生じることなく整合され、
かつ、前記排気口の上面には蒸気拡散箱が設けられ、この蒸気拡散箱の底面の一部領域には、前記蒸気を導入するべく前記排気口と連通する通孔が形成されるとともに、同蒸気拡散箱の上面には、前記通孔の直上位置から外れた位置において複数の吐出口が分散して形成されていることを特徴とする冷却貯蔵庫。 - 前記各吐出口の合計開口面積が、前記通孔の開口面積よりも大きい設定であることを特徴とする請求項1記載の冷却貯蔵庫。
- 前記蒸気拡散箱は、前記通孔が形成されかつ少なくとも上面が開放された受け箱と、この受け箱の開放面を覆いかつ前記吐出口が形成されたカバーとが、分割可能に組み付けられて形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の冷却貯蔵庫。
- 前記蒸発皿に被せられた前記蓋板には、前記蒸気抜き孔とともに、前記貯蔵庫本体の周壁の内部に形成された排水路の下面開口と洩れなく整合する排水孔が開口されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の冷却貯蔵庫。
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